JPH11200232A - マーク地の固定方法及びそのマーク地 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の外郭形状に裁断形成したマーク地を例
えばユニフォーム上に確実に仮止めして押圧加熱作業中
に位置ずれ等を生じることが全くないようにし、所定位
置に確実に貼着固定でき、しかも周囲を汚染させること
もなく、作業を能率的に遂行できるようにする。 【解決手段】 裏面に熱圧着フィルム層３を一体状に接
着配装したマーク地本体２を布帛基材上にセットし、熱
圧着フィルム層３を加熱溶融して布帛基材Ｂに貼着固定
する。このとき熱圧着フィルム層３面に予め形成したボ
ンド層４上の剥離紙５を剥離した後のボンド層４によっ
て布帛基材上に仮止めする。またマーク地１自体は、マ
ーク地本体２と、このマーク地本体２の裏面に一体状に
接着配装した熱圧着フィルム層３と、この熱圧着フィル
ム層３の裏面に層状に形成してあって、布帛基材面に接
着するボンド層４と、このボンド層４面を覆う剥離自在
な剥離紙５とを積層状にして形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は例えばユニフォーム
等に所定内容の文字、マーク等を表示するよう、それに
対応した外郭形状で裁断形成されたマーク地を当該ユニ
フォーム等に位置ずれを生じさせることなく所定位置に
簡単、確実にセット固定できるようにしたマーク地の固
定方法及びそのマーク地に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のマーク地のユニフォーム等への
固定は、仮止め後の刺繍掛り方式によるとマーク地周縁
に糸目が表われたり、またその作業の巧拙によっては不
体裁なものとなったりする虞れがある故に好まれていな
いものである。そのためマーク地裏面に予め熱圧着フィ
ルムを一体状に接着状に配しておいて、所定形状に裁断
形成した後のマーク地片をユニフォーム表面にセット
し、アイロン等の熱源によってマーク地片上から押圧加
熱することでユニフォーム面に貼着する溶融熱圧着方式
によるものとすることが多い。

【０００３】すなわちこうした溶融熱圧着方式による場
合には、その第１工程ではユニフォーム等と同一の共布
地であるマーク地の裏面に、離型紙によって被覆されて
いる熱圧着フィルムを熱プレスによって貼り付け、第２
工程ではそのマーク地を文字、マーク等となる所定の外
郭形状にレーザーカッター等によって裁断すると共に離
型紙を剥離し、第３工程ではユニフォーム面にそのマー
ク地片を仮止めセットしてマーク地片上から押圧加熱す
るものである。

【０００４】ただマーク地自体は、その裏面に熱圧着フ
ィルムが張り付けられているためにユニフォーム面にセ
ットしたときには熱圧着フィルム面での摩擦係数が小さ
い故にかえって滑りやすくなっており、その位置決めを
行なっても押圧加熱作業時には位置ずれを生じるもので
あった。こうした位置ずれを防止するために従来では糸
掛りによって仮止めしたり、図５に示すようにマーク地
片Ｍの裏面に仮止め用ボンド液をスプレー状に吹き付
け、そのボンド液の接着力を利用して仮止めしたりして
いるのである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところがこのボンド液
のスプレー状の吹き付けによる仮止めの場合には、マー
ク地片Ｍ周囲にもボンド液が飛散されて周囲を汚染させ
るばかりでなく、作業者等の手指にも付着してべとつ
き、マーク地片Ｍが手指に付着したり、マーク地片Ｍ自
体が汚損されたりする等の作業遂行上の支障になるもの
であった。またこれは刺繍掛り方式による場合にも同様
に生じる問題であり、特に刺繍によって固定する場合に
は位置ずれが生じやすく、不体裁なものとなることが多
く、これらの問題の解消が望まれているものであった。

【０００６】そこで本発明は叙上のような従来存した諸
事情に鑑み創出されたもので、所定形状に裁断形成され
たマーク地を例えばユニフォーム上に確実に仮止めでき
て押圧加熱、あるいは刺繍掛り作業中に位置ずれ等を生
じることが全くなく、所定位置に確実に貼着固定でき、
しかも周囲を汚染させることもなく、作業を能率的に遂
行できるようにしたマーク地の固定方法及びそのマーク
地を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明に係るマーク地の固定方法にあっては、裏
面に熱圧着フィルム層３が一体状に接着配装されている
マーク地本体２を布帛基材Ｂ上にセットし、熱圧着フィ
ルム層３を加熱溶融して布帛基材Ｂに貼着固定するもの
で、熱圧着フィルム層３面に予め形成したボンド層４上
の剥離紙５を剥離した後のボンド層４によって布帛基材
Ｂ上に仮止めするものである。また本発明に係るマーク
地（１）にあっては、マーク地本体２と、このマーク地
本体２の裏面に一体状に接着配装された熱圧着フィルム
層３と、この熱圧着フィルム層３の裏面に層状に形成さ
れていて、布帛基材Ｂ面に接着されるボンド層４と、こ
のボンド層４面を覆う剥離自在な剥離紙５とを積層状に
して形成したものである。更には、マーク地本体２と、
このマーク地本体２の裏面に層状に形成されていて、布
帛基材Ｂ面に接着されるボンド層４と、このボンド層４
面を覆う剥離自在な剥離紙５とを積層状にして形成した
ものである。

【０００８】以上のように構成された本発明に係るマー
ク地の固定方法及びそのマーク地にあって、マーク地本
体２、熱圧着フィルム層３、ボンド層４、剥離紙５が、
あるいはマーク地本体２、ボンド層４、剥離紙５が積層
形成されているマーク地１は、文字、マーク等の所定の
外郭形状に裁断形成されてユニフォーム等の布帛基材Ｂ
上にセットさせられる。このとき所定の外郭形状に裁断
形成された後のマーク地１からの剥離紙５の剥離はボン
ド層４面を露出させ、この露出されたボンド層４面は布
帛基材Ｂ上の所定位置に当接セット、押圧されることで
その接着力によって布帛基材Ｂ上でマーク地本体２を仮
止めさせる。布帛基材Ｂ上でのボンド層４による接着
は、マーク地本体２に位置ずれを生じさせることなくし
っかりとその仮止め位置を維持させ、熱圧着フィルム層
３に対する熱源Ｈによる加熱作業を確実に遂行させ、ま
たその加熱によってボンド層４を消失させると共に熱圧
着フィルム層３を溶融させてマーク地本体２を布帛基材
Ｂと一体化させる。またボンド層４による仮止め接着時
では、刺繍掛りによってもその作業中に位置ずれを生じ
させず、マーク地本体２を布帛基材Ｂに所定位置で一体
状に固定させる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明するに、図１乃至図３において示される
符号１は本発明に係るマーク地であり、このマーク地１
自体は、マーク地本体２と、このマーク地本体２の裏面
に一体状に接着配装された熱圧着フィルム層３と、この
熱圧着フィルム層３の裏面に層状に形成されていて、ユ
ニフォーム等の布帛基材Ｂ面に接着されるボンド層４
と、このボンド層４面を覆う剥離自在な剥離紙５とを積
層状にして形成したものである。

【００１０】マーク地本体２は、マーク地１自体を所定
形状に裁断して得たマーク地片Ｍを貼着固定する例えば
ユニフォーム生地の如き布帛基材Ｂと同効材にて形成さ
れることが予定されているも、場合によっては布帛とす
る場合に限らず異種材とすることもあり、それらは適宜
に選択されるものである。

【００１１】熱圧着フィルム層３は、従来からのこの種
のマーク地１を布帛基材Ｂに貼着させるための熱溶融性
の合成樹脂フィルムのものであり、従来と同様にマーク
地本体２の裏面に熱溶着されることでマーク地本体２と
一体化されているものである。またこの熱圧着フィルム
層３自体は、例えば１５０℃前後で熱溶融されるポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱溶着されるもの
であったり、高周波が流れて発熱する誘電率の高い塩化
ビニル樹脂等の高周波接着されるものであったり、非常
に高い振動数の音波を当て、その振動エネルギーを熱に
変えて接着されるポリエチレン樹脂等の超音波接着され
るものであったりするのである。

【００１２】ボンド層４は、液状にした接着剤を熱圧着
フィルム層３面に噴射、噴霧、塗布等の層形成手段によ
って層状に形成したものであり、このボンド層４が布帛
基材Ｂ面に当接セットされて接着されるとき、マーク地
本体２自体は、このマーク地本体２に対する外部からの
衝撃等によっては位置ずれ、剥離等が発生しないものと
されるも、強制的な剥離力によっては剥離される程度の
仮止め状のものとして着脱自在な状態で接着されるもの
となっている。また仮止め状に当接セットされた後に負
荷される熱源Ｈによる熱圧着フィルム層３に対する熱溶
着作業によって、ボンド層４における接着力は負荷され
る熱によって消失されるものとなっていてもよいもので
ある。

【００１３】剥離紙５は、露出されていることで接着力
を発揮するように粘着性があるボンド層４表面を覆うこ
とで、布帛基材Ｂに対する当接セット時以外でのボンド
層４表面の保護及び接着力の維持を図るもので、ボンド
層４表面に当接される裏面には離型剤が塗布されている
紙片材、樹脂フィルム材等のものとしてある。

【００１４】次に以上のように構成されたマーク地１の
使用であるマーク地１の固定方法を説明すると、例えば
布帛基材Ｂとしてのユニフォーム生地と同効材にて形成
されたマーク地本体２の裏面に一体状に接着配装した熱
圧着フィルム層３に、その表面が剥離紙５によって被装
されているボンド層４を予め形成しておいたマーク地１
を、例えば図２に示すように文字、マーク等の所定の外
郭形状を呈するようにレーザーカッター等によって裁断
する。次いで剥離紙５を剥離してボンド層４表面を露出
させ、ボンド層４による接着力で布帛基材Ｂ上における
所定位置に当接セットし、軽く押圧することで仮止めす
る。その後、図３に示すようにマーク地本体２の上から
所定の熱源Ｈにて押圧加熱し、熱圧着フィルム層３に対
する加熱溶融によってマーク地本体２を布帛基材Ｂ面に
一体状に貼着固定するのである。

【００１５】熱源Ｈによる押圧加熱に際し、熱圧着フィ
ルム層３の素材に対応して加熱溶融、高周波溶融、超音
波溶融等によるものとし、また適当な当布（図示せず）
がマーク地本体２表面を覆うように載置されることもあ
る。

【００１６】また図４には別の実施の形態が示されてお
り、熱圧着フィルム層３による溶融熱圧着方式とせず
に、刺繍掛り方式とする場合におけるマーク地１とされ
た場合のものである。すなわちマーク地本体２と、この
マーク地本体２の裏面に層状に形成されていて、ユニフ
ォーム等の布帛基材Ｂ面に接着されるボンド層４と、こ
のボンド層４面を覆う剥離自在な剥離紙５とを積層状に
してマーク地１を形成したものである。これによる場合
には、先の実施の形態におけると同様に剥離紙５を剥離
することで露出させたボンド層４による接着力で布帛基
材Ｂ上に仮止めし、その後に刺繍によって布帛基材Ｂと
一体化させるものであり、その詳細は先の実施の形態に
おけるものと同様なので省略される。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上のように構成されているた
め、所定形状に裁断形成されたマーク地１を例えばユニ
フォームの如き布帛基材Ｂ上に、マーク地本体２裏面に
形成したボンド層４による接着力を利用して確実に仮止
めできるのであり、押圧加熱あるいは刺繍作業中では位
置ずれ等を生じさせずに所定位置に確実に固定でき、し
かも従来のようにボンド液を散布する必要がないから周
囲を汚染させることもなく、作業を能率的に遂行できる
ものである。

【００１８】すなわちこれは本発明において、マーク地
本体２、熱圧着フィルム層３、ボンド層４、剥離紙５か
ら、あるいはマーク地本体２、ボンド層４、剥離紙５か
ら成る積層状のマーク地１とし、その剥離紙５を剥離し
て露出させたボンド層４の接着力によって布帛基材Ｂ上
でマーク地本体２を仮止めできるようにしたからであ
り、これによって従来のボンド液の塗布等が不要にな
り、周囲を汚損させずに作業能率の向上等を図れるので
ある。

【００１９】特に布帛基材Ｂへの仮止め接着用のボンド
層４は、熱圧着フィルム層３の裏面あるいはマーク地本
体２自体の裏面に層状に形成されると共に、ボンド層４
面は剥離自在な剥離紙５によって覆われているから、マ
ーク地１自体を所定の外郭形状に裁断するまではボンド
層４面を確実に保護したものとし、また剥離紙５の剥離
によって露出されるボンド層４によって直ちに布帛基材
Ｂ面に仮止め接着できるのである。更にボンド層４自体
は、布帛基材Ｂへの仮止め後に行なわれる熱圧着フィル
ム層３に対する加熱作業時の加熱によって消失し、加熱
溶融される熱圧着フィルム層３の布帛基材Ｂへの一体化
を阻害することもなく、また消失されないとしても熱圧
着フィルム層３の溶融と共に布帛基材Ｂへの一体化を促
進させるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るマーク地の一実施の形態における
断面図である。

【図２】同じくそのマーク地の一例における斜視図であ
る。

【図３】本発明に係るマーク地の固定方法を実施する場
合の断面図である。

【図４】本発明に係る他の実施の形態におけるマーク地
の断面図である。

【図５】従来方法の概略斜視図である。

【符号の説明】

Ｂ…布帛基材 Ｈ…熱源 Ｍ…マーク地片 １…マーク地 ２…マーク地本
体 ３…熱圧着フィルム層 ４…ボンド層 ５…剥離紙

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 裏面に熱圧着フィルム層が一体状に接着
   配装されているマーク地本体を布帛基材上にセットし、
   熱圧着フィルム層を加熱溶融して布帛基材に貼着固定す
   るマーク地の固定方法において、熱圧着フィルム層面に
   予め形成したボンド層上の剥離紙を剥離した後のボンド
   層によって布帛基材上に仮止めすることを特徴としたマ
   ーク地の固定方法。
2. 【請求項２】 マーク地本体と、このマーク地本体の裏
   面に一体状に接着配装された熱圧着フィルム層と、この
   熱圧着フィルム層の裏面に層状に形成されていて、布帛
   基材面に接着されるボンド層と、このボンド層面を覆う
   剥離自在な剥離紙とを積層状にして形成したことを特徴
   とするマーク地。
3. 【請求項３】 マーク地本体と、このマーク地本体の裏
   面に層状に形成されていて、布帛基材面に接着されるボ
   ンド層と、このボンド層面を覆う剥離自在な剥離紙とを
   積層状にして形成したことを特徴とするマーク地。