JPH11199971A - 加工性に優れた直送圧延による軟質冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

加工性に優れた直送圧延による軟質冷延鋼板およびその製造方法

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JPH11199971A
JPH11199971A JP950098A JP950098A JPH11199971A JP H11199971 A JPH11199971 A JP H11199971A JP 950098 A JP950098 A JP 950098A JP 950098 A JP950098 A JP 950098A JP H11199971 A JPH11199971 A JP H11199971A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加工性に優れた軟質冷延鋼板と、この軟質冷延
鋼板を直送圧延で製造する場合でも加熱炉材と同等の材
質で、低温巻取を可能とする方法を提供する。 【解決手段】重量%で、C≦0.03%と、Si≦0.
1%と、Mn≦0.5%と、P≦0.03%と、S≦
0.02%と、Sol.Al≦0.04%と、N:0.
001〜0.006%とを含有し、かつN%≧S%/5
を満たし、さらに、下記(1)式で定義される範囲のB
を含有し、残部がFeおよび不可避不純物であることを
特徴とする、加工性に優れた直送圧延による軟質冷延鋼
板。 11/14×N%−0.0004≦B≦11/14×N
%+0.002…(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に自動車、家電
製品等に適する、加工性に優れた軟質冷延鋼板、及びそ
の鋼板を直送圧延−連続焼鈍で安価に製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、連続焼鈍で製造される加工用冷延
鋼板の製造では、軟質化と高r値化のために熱延時に高
温巻取を行いAlNの析出と炭化物の凝集粗大化を促進
している。ただし、高温巻取を行うと、酸素の供給が容
易なコイルの両端部においてスケール厚の増大をもたら
し酸洗性が劣化するという問題がある。そこで、特開昭
48−100314号公報にはBでNを粗大BNとして
固定して巻取温度を低減する方法が開示されているが、
この方法を直送圧延に適用しても、巻取温度低減効果は
得られない。これは、加熱炉材ではスラブ中に析出した
粗大MnSの一部が再固溶せず残留するのに対し、直送
圧延ではすべてのMnSが固溶状態で圧延されるため、
圧延時に析出した微細MnSが粒成長性を抑制するため
である。
【0003】そこで、直送圧延でも加熱炉材と同等の軟
質材を得ることを目的として、特開平7−242995
号公報にはSを0.004%以下とし微細MnS量を低
減して軟質化する方法が開示されている。また、特開平
9−3550号公報には連続鋳造スラブをAc3 点以下
に冷却する前に圧延を開始することで、Feの変態に伴
う圧延前のMnSの形態変化を抑制し、析出物の核とす
ることで析出物の粗大化を促進する方法が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−242995号公報に開示の方法により、Sを0.
004%以下にすると脱硫コストが極めて大きくなり、
その用途は高級鋼板に限られてしまう。
【0005】また、特開平9−3550号公報に開示の
方法においても、軟質化は十分ではなく、800℃以上
の高温焼鈍が必須である。以上のように、軟質冷延鋼板
を製造する場合に、直送圧延で低温巻取を可能にする方
法は得られていないのが現状である。
【0006】本発明の目的は、加工性に優れた軟質冷延
鋼板と、この軟質冷延鋼板を直送圧延で製造する場合で
も加熱炉材と同等の材質で、低温巻取を可能とする方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明の鋼板は、重量%で、C≦0.03%と、
Si≦0.1%と、Mn≦0.5%と、P≦0.03%
と、S≦0.02%と、Sol.Al≦0.04%と、
N:0.001〜0.006%とを含有し、かつN%≧
S%/5を満たし、さらに、下記(1)式で定義される
範囲のBを含有し、残部がFeおよび不可避不純物であ
ることを特徴とする、加工性に優れた直送圧延による軟
質冷延鋼板である。
【0008】 11/14×N%−0.0004≦B≦11/14×N%+0.002 …(1) (2)本発明の製造方法は、上記(1)に記載の組成を
有する鋼を鋳造後直ちに圧延を行う直送圧延をする際
に、Ar3 点以上で仕上げ圧延を終了する工程と、 仕
上圧延された熱延鋼板を650℃以下で巻取り、引き続
き酸洗、冷間圧延した後に800℃未満で連続焼鈍を行
う工程と、を備えたことを特徴とする、加工性に優れた
直送圧延による軟質冷延鋼板の製造方法である。 (3)本発明の製造方法は、上記(1)に記載の組成を
有する鋼を鋳造後直ちに圧延を行う直送圧延する際に、
1000℃以下で粗圧延を終了後、1050℃以上に加
熱して仕上圧延を行い、Ar3 点以上で仕上げ圧延を終
了する工程と、仕上圧延された熱延鋼板を650℃以下
で巻取り、引き続き酸洗、冷間圧延した後に800℃未
満で連続焼鈍を行う工程と、を備えたことを特徴とす
る、加工性に優れた直送圧延による軟質冷延鋼板の製造
方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】従来では、微細MnS量を低減す
るためにSを0.004%以下まで低減する方法が一般
的であった。それに対し、本発明者らはSを0.005
%以上含むB添加鋼を直送圧延しても軟質化させる方法
を鋭意研究した結果、直送圧延で多量に発生する微細M
nSをすべてBNと複合析出させることによりすベての
析出物を粗大化させる条件を見出した。それは、添加S
量に対してNをS/5≦Nとなるように添加し、さらに
そのNに対してBを添加するものである。理由は未だ明
らかとなってはいないが、直送圧延で析出したMnSは
加熱炉材を圧延してできたMnSよりもBNの析出核に
なりやすく、S量に対して最適にNを添加すれば、微細
MnSはもれなくBNと複合析出物を形成し、直送圧延
でも加熱炉材と同レベルまで軟質化させることができる
からと推定される。さらに、粗圧延と仕上げ圧延を分け
て行う場合、粗圧延を1000℃以下で終了し、MnS
を過冷却状態にした後に、1050℃以上に加熱するこ
とで仕上げ圧延前にMnSを完全に析出させ、BNの核
とすることでこの効果は著しいものとなる。
【0010】以上の知見に基づき、本発明者らは、B添
加鋼の添加S量に対するN量を規定し、さらにそのN量
に応じてB量を一定範囲内に制御して、直送圧延をする
際の、仕上温度と、粗圧延を行う場合はさらに粗圧延終
了温度と粗バー加熱温度を規定するようにして、直送圧
延で軟質冷延鋼板を製造する場合でも加熱炉材と同等の
材質で、低温巻取を可能とする方法を見出し、本発明を
完成させた。
【0011】すなわち、本発明は、鋼組成及び製造条件
を下記範囲に限定することにより、加工性に優れた軟質
冷延鋼板と、この軟質冷延鋼板を直送圧延で製造する場
合でも加熱炉材と同等の材質で、低温巻取を可能とする
方法を提供することができる。 以下に、本発明の成分
添加理由、成分限定理由、及び製造条件の限定理由につ
いて説明する。 (1)成分組成範囲 C≦0.03% Cが0.03%を越えて添加されると炭化物が多量に析
出し、r値やELを低下させ、成形性を阻害することか
ら0.03%以下である。また、0.01%未満では連
続焼鈍の過時効時に炭化物の析出駆動力が小さくなり耐
時効性が劣化することから、0.01%以上が望まし
い。
【0012】Si≦0.1% Siは過剰に添加すると強度が上がり成形性を劣化させ
ることから、0.1%以下である。
【0013】Mn≦0.5% MnはSをMnSの形で固定し、熱間延性を向上させる
働きがあることから0.05%以上は添加することが望
ましいが、過剰な添加は鋼の硬質化をもたらし、成形性
を劣化させるため、上限は0.5%である。 P≦0.03% Pは固溶強化元素であり、0.03%を越える添加は鋼
の硬質化をもたらすことから上限は0.03%である。 S≦0.02% Sは熱間延性や成形性を阻害する元素であることからM
nSとして固定される。0.02%を越える添加はMn
量の増加につながり加工性を低下させることから、上限
は0.02%である。また、Sを0.004%以下に低
減するには多大な製鋼コストがかかることから、0.0
05%を下限とすることが好ましい。
【0014】Sol.Al≦0.04% Sol.Alは脱酸剤として使用されることから、ある
程度は含まれるが、本発明においては、AlはAlNの
析出を通じて、BNの析出を抑制し微細MnSの粗大化
を阻害することから、添加量は0.1%以下である。 N:0.001〜0.006%、かつN%≧S%/5。
【0015】本発明においてはNはBNとして固定され
るが、BN量が少ないと,即ちN量が0.001%未満
では微細MnSをすべて粗大にできず、本発明の軟質化
の効果が得られないため下限は0.001%である。一
方、多すぎると多量のBNにより加工性が劣化すること
から、上限は0.006%としたが、0.004%以下
が望ましい。NをSに対してN≧S/5で添加する理由
を実験結果より説明する。
【0016】C=約0.02%、Si=約0.01%、
Mn=約0.2%、P=約0.015%、S=約0.0
1%、Al=約0.02%を含み、N量を変化させ、さ
らにBをNに対してB/N=約1となるように添加した
鋼を鋳造し、仕上温度を870℃、巻取温度を630℃
で直送圧延を行った。その後、酸洗、冷間圧延、連続焼
鈍、調質圧延を行い、板厚0.8mmの焼鈍板を製造し
た。焼鈍温度は720℃とした。得られた焼鈍板よりJ
IS5号引張試験片を切り出し、引張試験を行った。図
1にYP(降伏点)をNに対してプロットした。YPは
N量が多くなるにつれて低下し、N%≧S%/5で飽和
した。従って、N量は本発明の軟質化の効果を得るため
に、N%≧S%/5である。
【0017】B:11/14×N%−0.0004≦B
≦11/14×N%+0.002 BはNと結合し粗大なBNを形成するため軟質化に有効
な元素であり、Sに対して添加されたNに対し、11/
14×N%−0.004≦B≦11/14×N%+0.
002を満たすように添加されれば、MnSをすべてB
Nと複合させることができる。一方、Bを11/14×
N%+0.002を越えて添加すると、固溶Bによる硬
質化が起こることから、上限は11/14×N%+0.
002である。B添加量を以上のように決めた理由を実
験結果で説明する。
【0018】C=約0.020%、Si=約0.01
%、Mn=約0.20%、P=約0.015%、S=約
0.010%、Al=約0.020%を含み、N=約
0.0025%含み、B量を変化させた鋼を鋳造し、仕
上温度を870℃、巻取温度を600℃で直送圧延を行
った。比較として1250℃加熱の炉材も同様に圧延し
た。その後、酸洗、冷間圧延、連続焼鈍、調質圧延を行
い、板厚0.8mmの焼鈍板を製造した。焼鈍温度は7
50℃とした。得られた焼鈍板よりJIS5号引張試験
片を切り出し、引張試験を行った。図2はB量の変化に
伴う直送圧延材と加熱炉材のYP(降伏点)の変化を示
したものである。直送圧延材のYPはB添加が増加する
に従い加熱炉材に近づき、Bを0.0016%添加(N
=0.0025%に対してB=11/14×N%−0.
0004となる点)したところで直送圧延と加熱炉材の
差はほぼ無くなり、さらにBを添加してもその差は維持
される。 一方、Bを0.004%(N=0.0025
%に対してB=11/14×N%+0.002となる
点)を超えて添加すると、直送圧延材と加熱炉材のYP
が急上昇して(即ち、固溶Bによる硬質化が起こり)、
本発明の軟質化の効果が得られない。従って、B添加量
は、11/14×N%−0.0004≦B≦11/14
×N%+0.002である。
【0019】なお、粗圧延を1000℃以下で終了し1
050℃以上まで粗バー加熱を行った場合は、BN析出
前にMnSが完全に析出して、B添加効果が促進され、
Bを11/14×N%−0.001で計算される値以上
添加すれば直送圧延材と加熱炉材の材質差は無くなるこ
とから、Bの下限は11/14×N%−0.001以上
である。
【0020】また、Cu、Ni、Cr、Sn、Ca、O
などを添加しても、本発明において意図している軟質化
を妨げないことから、通常の鋼と同じ思想で適量添加す
ることができる。Cu、Ni、Cr、Snの添加は耐食
性を向上させ、Caの添加は炭化物凝集を促進し、耐時
効性を向上させる。
【0021】Oは鋼中では酸化物の形で存在し、Mn
S、BNの析出核としてはたらき、これらの析出を促進
する。さらにスクラップを溶解原料として用いた場合に
混入するSb、Asについても本発明の効果に影響を与
えるものではない。
【0022】上記の成分組成範囲に調整することによ
り、加工性に優れた軟質冷延鋼板と、この軟質冷延鋼板
を直送圧延で製造する場合でも加熱炉材と同等の材質
で、低温巻取を可能とする方法を得ることが可能とな
る。このような特性を有する鋼板は、以下の製造方法に
より製造することができる。
【0023】(2)軟質冷延鋼板製造工程 本発明において、以下に示す各工程の温度は重要な意味
を持っており、このどれが一つでもかけた場合、本発明
の効果は低下する。
【0024】(2−1)態様1の製造条件 (製造方法)上記(1)の組成を有する鋼を鋳造後直ち
に圧延を行う直送圧延をする際に、Ar3 点以上で仕上
げ圧延を終了し、650℃以下で巻取り、熱延鋼板とし
た後に引き続き酸洗、冷間圧延した後に800℃未満で
連続焼鈍を行う。
【0025】a.仕上温度 本発明においては、仕上温度はAr3 点以上である。仕
上温度がAr3 点未満となると、r値を低下させる集合
組織が発達してしまうため、下限はAr3 点である。 b.巻取温度 酸洗性の観点から巻取温度の上限は650℃である。た
だし、450℃未満では炭化物が微細に析出し、r値の
著しい低下が起こることから、450℃以上が好まし
く、できれば550℃以上が望ましい。
【0026】c.焼鈍温度 本発明では直送圧延でも良好な粒成長性が見られている
ことから、高温焼鈍する必要はない。そのため、高温焼
鈍に伴う生産性の低下、粗大粒の発生を防止するため、
焼鈍温度は800℃未満である。ただし、あまり低いと
再結晶しないことから、680℃以上が望ましい。均熱
時間については、特に規定するものではないが、組織を
安定化させるために60秒以上が好ましい。
【0027】(2−2)態様2の製造条件 上記(1)に記載の組成を有する鋼を鋳造後直ちに圧延
を行う直送圧延をする際に、1000℃以下で粗圧延を
終了後、1050℃以上に加熱して仕上圧延を行い、A
3 点以上で仕上げ圧延を終了し、650℃以下で巻取
り、熱延鋼板とした後に引き続き酸洗、冷間圧延した後
に800℃未満で連続焼鈍を行う。
【0028】a.粗圧延終了温度、粗バー加熱温度 1000℃以下で粗圧延が終了した場合、MnSは過冷
却状態にあることから、1050℃以上に粗バー加熱す
ることでBN析出前にMnSを完全に析出させ、本発明
の効果を増大させる。粗バー加熱温度が1050℃未満
ではMnSの析出が不十分であることから、粗バー加熱
温度の下限は1050℃である。粗バー加熱方法は特に
限定するものではないが、誘導加熱、ガス加熱、トンネ
ル炉等を用いても良い。
【0029】粗圧延後、粗バーを接合して仕上げ圧延を
連続で行ってもなんら問題は生じない。さらに、薄スラ
ブを用いて粗圧延を省略しても本発明の効果は変わらな
い。この場合、粗バー加熱はスラブ加熱に相当する。
【0030】b.仕上温度 態様1の製造条件と同様。 c.巻取温度 態様1の製造条件と同様。
【0031】d.焼鈍温度 態様1の製造条件と同様。なお、酸洗後の冷間圧延につ
いては、加工性、特に深絞り性から圧延率は30〜90
%が好ましい。調質圧延の条件についての制限はない
が、2%を越えるとELの低下が激しいことから、2%
以下が望ましい。また、本発明鋼の成分調整には、転炉
と電気炉のどちらも使用可能である。さらに、本発明の
鋼板に亜鉛めっきやすずめっき、クロメート、リン酸亜
鉛などの化成処理を行っても効果にはなんら影響を及ぼ
さない。以下に本発明の実施例を挙げ、本発明の効果を
立証する。
【0032】
【実施例】(実施例1)表1に示す成分の鋼(No.3
〜8,12〜16,19〜21,23〜26:本発明
例、No.1,2,9〜11,17,18,22,2
7:比較例)を鋳造後直ちに熱間圧延を開始し、熱間圧
延を行った。熱間圧延に際しては、Ar3 点以上の温度
で仕上げ圧延を行い、表2に示す巻取温度(CT)で巻
きとった(直送圧延材)。引き続き酸洗、冷間圧延を行
い795℃で連続焼鈍を行ったのち、調圧率0.8%で
調質圧延を行い、板厚0.8mmの板を製造した。ま
た、同じチャージのスラブを室温まで冷却後、1200
℃加熱を行い、同条件で圧延した(加熱炉材)。得られ
た焼鈍板の特性をJIS5号引張試験片による引張試験
で評価した。直送圧延材のTS(引張強さ)、EL(伸
び)および、直送圧延材と加熱炉材のELの差を表2に
示す。
【0033】No.1〜No.9(本発明例No.3〜
8、比較例:No.1,2,9)はB添加量を変化させ
たものであるが、比較例No.1,2はB量が少なく、
加熱炉材とのEL差が大きい。また、比較例No.9は
B量が多く、加熱炉材とのEL差はないが固溶Bによる
硬質化が著しい。
【0034】比較例No.10、11も同様にB量が少
なく加熱炉材とのEL差が大きく、比較例No.17は
B量が多く、固溶Bによる硬質化が著しい。No.18
〜22(本発明例No.19〜21、比較例No.1
8,22)はN量を変化させたものであるが、比較例N
o.18はS量に対してN量が少なく、BNと複合しな
い微細MnSが多量に残留するため、加熱炉材とのEL
差が大きい。比較例No.22はN量が多く、BNが多
量に析出しているため、ELが低い。
【0035】No.23〜27(本発明例No.23〜
26、比較例No.27)はS量を変化させた場合であ
るが、比較例No.27はS量が多くやはりEL低下が
著しい。
【0036】一方、本発明の成分範囲を満たす本発明例
No.3〜8,12〜16,19〜21,23〜26は
いずれも加工性の良好な材質(直送圧延材のTS,E
L,炉材とのEL差)が得られている。このように、本
発明により直送圧延でも通常の加熱炉材と同等の材質を
得ることができ、低温巻取が可能となる。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】(実施例2)表3に示す成分の鋼(本発明
例No.1〜12)を鋳造後直ちに熱間圧延を開始し、
表4の条件で熱間圧延を行った。
【0040】一部のもの(本発明例No.5,9,1
2)を除き、熱間圧延に関しては、粗圧延後、誘導加熱
で粗バー加熱を行い、仕上温度をAr3 点以上とした。
引き続き酸洗、冷間圧延を行い750℃で連続焼鈍を行
ったのち、調圧率0.8%で調質圧延を行い、板厚1.
0mmの板を製造した。また、同じチャージのスラブを
室温まで冷却後、1220℃加熱を行い、同条件で圧延
した(加熱炉材)。得られた焼鈍板の特性をJIS5号
引張試験片による引張試験で評価した。直送圧延材のT
S(引張強さ)、EL(伸び)および、直送圧延材と加
熱炉材のELの差を表4に示す。
【0041】本発明例No.1〜No.5はB添加量を
変化させたものであるが、本発明例No.1〜4と本発
明例No.5を比較して、粗バー加熱で本発明の効果が
促進されることがわかる。本発明例No.6〜9はN量
を変化させたものであるが、本発明例No.6〜8と本
発明例No.9を比べることで、粗バー加熱で本発明の
効果が促進されることがわかる。本発明例No.10〜
12はS量を変化させたものであるが、ここでも粗バー
加熱の効果が確認できる。このように、本発明により直
送圧延でも通常の加熱炉材と同等の材質を得ることがで
き、粗バー加熱で効果が増大することがわかる。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鋼組成及び直送圧延を含む製造条件を特定することによ
り、直送圧延で軟質冷延鋼板を製造する場合でも加熱炉
材と同等の材質で、低温巻取を可能とする方法、及びそ
の方法による加工性に優れた直送圧延による軟質冷延鋼
板を提供することができる。従って、本発明の製造方法
を用いることにより、家電製品等に適する冷延鋼板を直
送圧延−連続焼鈍で安価に製造することができるなど、
産業上の利用価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る焼鈍板のN含有量と
YP(降伏点)の関係を示す図。
【図2】本発明の実施の形態に係る直送圧延材と加熱炉
材のB含有量変化に伴うYP(降伏点)の変化を示す
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三塚 賢一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C≦0.03%と、Si≦
    0.1%と、Mn≦0.5%と、P≦0.03%と、S
    ≦0.02%と、Sol.Al≦0.04%と、N:
    0.001〜0.006%とを含有し、かつN%≧S%
    /5を満たし、さらに、下記(1)式で定義される範囲
    のBを含有し、残部がFeおよび不可避不純物であるこ
    とを特徴とする、加工性に優れた直送圧延による軟質冷
    延鋼板。 11/14×N%−0.0004≦B≦11/14×N%+0.002 …(1)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の組成を有する鋼を鋳造
    後直ちに圧延を行う直送圧延する際に、Ar3 点以上で
    仕上げ圧延を終了する工程と、 仕上圧延された熱延鋼板を650℃以下で巻取り、引き
    続き酸洗、冷間圧延した後に800℃未満で連続焼鈍を
    行う工程と、 を備えたことを特徴とする、加工性に優れた直送圧延に
    よる軟質冷延鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の組成を有する鋼を鋳造
    後直ちに圧延を行う直送圧延する際に、1000℃以下
    で粗圧延を終了後、1050℃以上に加熱して仕上圧延
    を行い、Ar3 点以上で仕上げ圧延を終了する工程と、 仕上圧延された熱延鋼板を650℃以下で巻取り、引き
    続き酸洗、冷間圧延した後に800℃未満で連続焼鈍を
    行う工程と、 を備えたことを特徴とする、加工性に優れた直送圧延に
    よる軟質冷延鋼板の製造方法。
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