JPH11199610A - 光硬化性組成物及び組成物中のビスアシルホスフィンオキサイド系化合物の安定化方法 - Google Patents

光硬化性組成物及び組成物中のビスアシルホスフィンオキサイド系化合物の安定化方法

Info

Publication number
JPH11199610A
JPH11199610A JP2052498A JP2052498A JPH11199610A JP H11199610 A JPH11199610 A JP H11199610A JP 2052498 A JP2052498 A JP 2052498A JP 2052498 A JP2052498 A JP 2052498A JP H11199610 A JPH11199610 A JP H11199610A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
acid
meth
compound
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2052498A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotoshi Kamata
博稔 鎌田
Shuichi Sugita
修一 杉田
Kazuo Otani
和男 大谷
Tomio Yamamoto
富生 山本
Hideki Sendai
英毅 千代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Showa Highpolymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK, Showa Highpolymer Co Ltd filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2052498A priority Critical patent/JPH11199610A/ja
Publication of JPH11199610A publication Critical patent/JPH11199610A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸価を有するラジカル重合性樹脂中で不安定
なビスアシルホスフィンオキサイド系化合物を安定化し
た光重合性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 酸価を有するラジカル重合性樹脂、一般
式(1)に示されるビスアシルホスフィンオキサイド系
化合物、及び酸を中和する化合物から構成される光硬化
性組成物。 一般式(1); 【化1】 (式中R1 、R2 、及びR3 はそれぞれ独立してアルキ
ル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
リール基、または複素環基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は特定の光ラジカル重
合開始剤を含む光重合性組成物に関する。更に詳しくは
光重合開始剤として有用であるが、酸価を有するラジカ
ル重合性樹脂中では不安定となるビスアシルホスフィン
オキサイド系化合物を安定化した光硬化性組成物、及び
同組成物中のビスアシルホスフィンオキサイド系化合物
の安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年光ラジカル重合は速乾性、常温硬化
性、無溶剤化の可能性、省エネルギーの観点から注目さ
れ、プリント基板作成用、レジストまたはフォトマス
ク、木工塗料、光ファイバ−コーティング、プラスチッ
クへのハードコート、缶コーティング等の多方面の用途
にわたり使用されてきている。しかし光ラジカル重合に
使われる一般的なラジカル重合開始剤は、380nm未
満の紫外領域の光に感光してラジカルを発生する紫外光
ラジカル重合開始剤がほとんどである。しかし紫外光は
組成物中に隠蔽性が高い顔料等が含まれた場合、顔料に
よる紫外光の反射もしくは吸収により組成物内部まで透
過することができない。また紫外光領域に吸収を有する
有機化合物が存在しても、同様に組成物内部まで透過す
ることができない。そのため紫外光ラジカル重合開始剤
は、隠蔽性が高い顔料を含むエナメル塗料や、繊維強化
プラスチックのようにガラス繊維や体質顔料を含みなお
かつ厚みがある組成物の硬化には適用できなかった。
【0003】これらの問題を解決するため、アシルホス
フィンオキサイド系化合物(特公昭60−8047号、
特公昭63−40799号)や、ビスアシルホスフィン
オキサイド系化合物(特開平3−101686号、特開
平5−345790号、特開平6−298818号)の
光ラジカル重合開始剤が提案されている。これらの光ラ
ジカル重合開始剤は、物質への透過性が高い380nm
以上の可視領域の光に感光してラジカルを発生すること
ができる。そのため、これらの光ラジカル重合開始剤に
より、従来の紫外光硬化ではできなかった隠蔽性が高い
エナメル塗料、ガラス繊維や体質顔料を含み、厚みが大
きい繊維強化プラスチック等の光硬化が可能となった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のビスア
シルホスフィンオキサイド系化合物は、不飽和ポリエス
テル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、エ
ポキシ(メタ)アクリレート樹脂のように酸価が高い、
あるいは酸強度が強いラジカル重合性樹脂中では徐々に
分解が進み、ビスアシルホスフィンオキサイド系化合物
がもつ光硬化性能を長期間維持できないことが本発明者
によって明らかとなった。このような不安定さのため、
ビスアシルホスフィンオキサイド系化合物とラジカル重
合性樹脂を予め混合しておく1液型光硬化性組成物は、
かなり限定された樹脂及び化合物を使った場合のみしか
達成できなかった。本発明は、酸価を有するラジカル重
合性樹脂中で不安定なビスアシルホスフィンオキサイド
系化合物を安定化した光硬化性組成物、及び安定化する
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明ではこの課題を解
決するため、酸価を有するラジカル重合性樹脂中におけ
るビスアシルホスフィンオキサイド系化合物の安定化方
法を鋭意検討した結果、酸を中和する化合物の添加によ
りビスアシルホスフィンオキサイド系化合物が安定化す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の
要旨は以下の通りである。
【0006】酸価を有するラジカル重合性樹脂、一般
式(1)に示されるビスアシルホスフィンオキサイド系
化合物、及び酸を中和する化合物から構成される光硬化
性組成物。 一般式(1);
【化4】 (式中R1 、R2 、及びR3 はそれぞれ独立してアルキ
ル基、アラルキル基、アルケ ニル基、アルキニル基、
アリール基、または複素環基を示す。) 酸価を有するラジカル重合性樹脂が不飽和ポリエステ
ル樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、またはポ
リエステル(メタ)アクリレート樹脂である記載の光
硬化性組成物。 酸を中和する化合物が含窒素化合物である又は記
載の光硬化性組成物。
【0007】含窒素化合物が一般式(2)で示される
アミン化合物である記載の光硬化性組成物。 一般式(2);
【化5】 (式中R4 、R5 及びR6 はそれぞれ独立して水素原
子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、または脂環基を示すが、R4 、R5 及びR6
その2個以上の基が結合している環状構造を形成しても
良い。またR4 、R5 及びR 6のうち水素原子は1個以
下である。) 酸価を有するラジカル重合性樹脂、及び一般式(1)
に示されたビスアシルホスフィンオキサイド系化合物か
ら構成される光硬化性組成物に、酸を中和する化合物を
添加することからなるビスアシルホスフィンオキサイド
系化合物の安定化方法。 一般式(1);
【化6】 (式中R1 、R2 、及びR3 はそれぞれ独立してアルキ
ル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
リール基、または複素環基を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の内容を詳細に説明
する。ビスアシルホスフィンオキサイド系化合物は、3
80nm以上の可視光にも感光してアシルラジカルとホ
スフィノイルラジカルが発生する化合物で、従来の紫外
光ラジカル重合開始剤よりも重合効率が高い光ラジカル
重合開始剤として知られている。さらに従来の紫外光硬
化ではできなかった隠蔽性が高いエナメル塗料、ガラス
繊維や体質顔料を含み、厚みが大きい繊維強化プラスチ
ック等の光硬化が可能である。本発明におけるビスアシ
ルホスフィンオキサイド系化合物は一般式(1)で示さ
れる。 一般式(1);
【化7】 (式中、R1 、R2 、及びR3 はそれぞれ独立してアル
キル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アリール基、または複素環基を示す。)
【0009】ここで一般式(1)のR1 、R2 、及びR
3 において、アルキル基、アラルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、または複素環基は任意
の置換基を有しても良い。そのような置換基の具体例と
しては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−ドデシル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、アニシ
ル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキ
シ基、2−ヒドロキシエトキシ基、フェノキシ基、ナフ
トキシ基、ベンジロキシ基、ヒドロキシ基、アセトキシ
基、ベンゾイロキシ基、アクリロイロキシ基、メタクリ
ロイロキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、アセチル基、プ
ロピオニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、
モルホリノ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、2−フ
リル基、2−フルフリル基、2−チエニル基、2−ピリ
ジル基、2−キノリニル基、フルオロ基、クロル基、ブ
ロモ基等が挙げられるが、本発明はこれらの例に限定さ
れることはない。
【0010】ビスアシルホスフィンオキサイド系化合物
の具体的例としては、ビス(2,6−ジクロルベンゾイ
ル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−
ジクロルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホス
フィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイ
ル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビ
ス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェ
ニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベ
ンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフ
ィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)
−4−クロルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,4−ジメトキシ
フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロ
ルベンゾイル)−デシルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−オクチルフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチ
ルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメ
チルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジ
クロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,
5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾ
イル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、
ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチ
ルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−
1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオ
キサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−
ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1
−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキ
サイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5
−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−
メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホ
スフィンオキサイド、ビス(2−クロル−1−ナフトイ
ル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,
4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げ
られる。さらに詳細には特開平5−345790号、特
開平6−298818号に記載されている。上記のビス
アシルホスフィンオキサイド系化合物は、ラジカル重合
性樹脂100重量部に対し0.01〜10重量部程度配
合される。
【0011】本発明における酸価を有するラジカル重合
性樹脂とは、同一分子中にラジカル重合性のエチレン性
不飽和基と、カルボン酸基、リン酸基、またはスルホン
酸基等の酸性基を有する成分、及び/またはフリーの酸
成分を含有するラジカル重合性樹脂を指す。ここで酸価
とは、樹脂1g中に含まれる酸成分を中和するのに必要
な水酸化カリウムのmg数であり、樹脂中の酸性基濃度
の指標となる。ラジカル重合性樹脂は酸価を有するもの
であればその値が小さいものでも本発明の効果がある
が、特に顕著に効果が現れるのは酸価が1以上のもので
ある。同一分子中にラジカル重合性のエチレン性不飽和
基と、カルボン酸基、リン酸基、またはスルホン酸基等
の酸性基を有する成分としては、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル
(メタ)アクリレート樹脂等が例示される。
【0012】不飽和ポリエステル樹脂とは、多価アルコ
ールと不飽和多塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基
酸)とのエステル化反応による縮合生成物(不飽和ポリ
エステル)をスチレン、あるいはメタクリル酸メチルの
ような重合性モノマーに溶解したもので、「不飽和ポリ
エステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社 198
8年発行)または「塗料用語辞典」(色材協会編 19
93年発行)などに記載されている樹脂である。不飽和
ポリエステルは公知の方法により製造させるもので良
く、その原料としては具体的にはフタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸
などのエチレン性不飽和基を有していない飽和多塩基酸
またはそれらの無水物と、フマル酸、マレイン酸、イタ
コン酸などのエチレン性不飽和多塩基酸またはそれらの
無水物などを酸成分とし、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロ
ヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピ
レンオキサイド付加物、ビスフェノールFのエチレンオ
キサイド付加物、ビスフェノールFのプロピレンオキサ
イド付加物等の多価アルコールをアルコール成分として
製造されるものである。
【0013】エポキシ(メタ)アクリレート樹脂とは、
ビニルエステル樹脂とも呼ばれ、一般にエポキシ基を有
する化合物と、(メタ)アクリル酸などの重合性不飽和
結合を有するカルボキシル化合物のカルボン酸基との開
環反応により生成する重合性不飽和基を有する樹脂(ビ
ニルエステル)で、「ポリエステル樹脂ハンドブック」
(日刊工業新聞社 1988年発行)または「塗料用語
辞典」(色材協会編1993年発行)などに記載されて
いる樹脂である。エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の
原料となるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル及びその高分子同族体、ビスフェノ
ールAアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエー
テル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル及びその
高分子同族体、ビスフェノールFアルキレンオキサイド
付加物のジグリシジルエーテル、ノボラック型ポリグリ
シジルエーテル類等が挙げられる。また、エポキシ樹脂
のエポキシ基と(メタ)アクリル酸の反応により生成す
る2級の水酸基に、無水コハク酸、無水マレイン酸、無
水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の酸無水物基
を有する化合物、またはリン酸を反応させて得られる樹
脂も同様にエポキシ(メタ)アクリレート樹脂の1種で
ある。ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂とは、
(1)飽和多塩基酸、及び/または不飽和多塩基酸と多
価アルコールから得られる末端カルボキシル基のポリエ
ステルに、α,β−不飽和カルボン酸エステル基を含有
するエポキシ化合物を反応させて得られる(メタ)アク
リレート樹脂、(2)飽和多塩基酸及び/または不飽和
多塩基酸と多価アルコールから得られる末端カルボキシ
ル基のポリエステルに、水酸基含有アクリレートを反応
させて得られる(メタ)アクリレート樹脂、(3)飽和
多塩基酸及び/または不飽和多塩基酸と多価アルコール
から得られる末端水酸基のポリエステルに、(メタ)ア
クリル酸を反応させて得られる(メタ)アクリレート樹
脂である。
【0014】ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂の
原料として使用される飽和多塩基酸としては、エチレン
性不飽和基を有していない多塩基酸、例えばフタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸
等やそれらの無水物が挙げられる。不飽和多塩基酸とし
ては、エチレン性不飽和基を有している多塩基酸、例え
ばフマル酸、マレイン酸、イタコン酸等やそれらの無水
物が挙げられる。さらに多価アルコール成分としては、
例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メ
チル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加
物等の多価アルコールが挙げられる。
【0015】これらの不飽和ポリエステル樹脂、エポキ
シ(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)ア
クリレート樹脂は酸成分を原料として使用しているの
で、樹脂の末端、あるいは側鎖にカルボン酸基等の酸性
基が存在したり、未反応の原料由来のフリーの酸成分が
残存したりするので通常酸価が高い特徴がある。上記不
飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート
樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレ−ト樹脂以外に、
同一分子中にラジカル重合性のエチレン性不飽和基と酸
性基を有する成分の具体例としては、モノ(2−アクリ
ロイルオキシエチル)アシッドホスフェート(大八化学
工業株式会社 AR−100)、モノ(2−メタクリロ
イルオキシエチル)アシッドホスフェート(大八化学工
業株式会社 MR−100、共栄社化学株式会社 ライ
トエステルPM)、ジ(2−メタクリロイルオキシエチ
ル)アシッドホスフェート(共栄社化学株式会社ライト
エステル PM−2)、ε−カプロラクトン変性(2−
メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート
(日本化薬 カヤマー PM−21)、(メタ)アクリ
ル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル
酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル
酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒ
ドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル
コハク酸、マレイン酸、マレイン酸メチルエステル、マ
レイン酸モノ−n−ブチルエステルが挙げられる。さら
に(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有(メ
タ)アクリル酸エステルのε−カプロラクトン変性物等
も挙げられる。また本発明の酸価を有するラジカル重合
性樹脂は、フリーの酸成分を含有するラジカル重合性樹
脂も包含する。フリーの酸成分としては、塩酸、硝酸、
リン酸等の無機酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオ
ン酸、安息香酸等のカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、
p−トルエンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸等
のスルホン酸等が例示される。
【0016】本発明の酸価を有するラジカル重合性樹脂
は、カルボン酸基、リン酸基、またはスルホン酸基等の
酸性基を分子内に有さない化合物も、ラジカル重合性樹
脂の成分として配合することができる。そのような化合
物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル
酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メ
タ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル
酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、
(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル
酸フェノキシエチル、ジエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を有
するモノマーや、ウレタンアクリレート樹脂等の(メ
タ)アクリロイル基含有樹脂、スチレン、ビニルスチレ
ン、メチルスチレン、クロルスチレン、酢酸ビニル、安
息香酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカル
バゾール、N−ビニルアセトアミド等のビニル化合物、
酢酸アリル、フタル酸ジアリル類等のアリル化合物等が
例示される。これらの酸価を有するラジカル重合性樹脂
中にビスアシルホスフィンオキサイド系化合物を共存さ
せると、理由は明らかではないが、徐々にビスアシルホ
スフィンオキサイド系化合物が減少する。しかし、ここ
に酸を中和する化合物を添加することにより、ビスアシ
ルホシフィンオキサイド系化合物は安定となる。
【0017】本発明における酸を中和する化合物として
は、含窒素化合物が挙げられる。含窒素化合物の具体例
としては、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2
−シアノピリジン、2−ピリジンメタノール、4−ピリ
ジンメタノール、4−ピロリジノピリジン、2−プロピ
ルピリジン、2,6−ジクロロピリジン、2−ピコリ
ン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,4,6−コリジ
ン、ピラジン、2−メチルピラジン、2,5−ジメチル
ピラジン、キノリン、イソキノリン、キナルジン、ピロ
ール、N−メチルピロール、2,6−ルチジン、2,4
−ルチジン、3,4−ルチジン、1,3,5−トリアジ
ン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、1−ベン
ジル−2−メチルイミダゾール等の含窒素複素環を有す
る化合物や、アニリン、2,4−ジメチルアニリン、
3,4−ジメチルアニリン、2−メトキシベンゼンアミ
ン、4−メトキシベンゼンアミン、p−アミノ安息香酸
エチル、4−アミノアセトアニリド、4−アミノベンゾ
ニトリル、2−メトキシ−5−メチルベンゼンアミン、
p−クロロアニリン、2,5−ジクロロアニリン、p−
エトキシアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルア
ニリン、N−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルアミ
ノ安息香酸エチル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イ
ソブチル、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N
−ジメチル−o−トルイジン、4−ピペラジノピリジ
ン、N,N−ジグリシジルアニリン、4−ジメチルアミ
ノピリジン、ジフェニルアミン、2−メチル−4−メト
キシジフェニルアミン等の芳香族アミン等も使用できる
が、一般式(2)で示されるアミン化合物が特に好適で
ある。
【0018】一般式(2);
【化8】 (式中R4 、R5 及びR6 はそれぞれ独立して水素原
子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、または脂環基を示すが、R4 、R5 及びR6
その2個以上の基が結合している環状構造を形成しても
良い。また、R4 、R5 及びR6 のうち水素原子は1個
以下である。) 一般式(2)のアミン化合物の場合、R4 、R5 、R6
のうち水素原子が2個以上のアミンは、ビスアシルホス
フィンオキサイド系化合物のカルボニル基に求核攻撃を
してビスアシルホスフィンオキサイド系化合物を分解す
るので好ましくない。
【0019】ここで、一般式(2)のR4 、R5 及びR
6 においてアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、または脂環基は任意の置換基を有しても
良い。そのような置換基の具体例としては、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、アニシ
ル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキ
シ基、2−ヒドロキシエトキシ基、フェノキシ基、ナフ
トキシ基、ベンジロキシ基、ヒドロキシ基、アセトキシ
基、ベンゾイロキシ基、アクリロイロキシ基、メタクリ
ロイロキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、アセチル基、プ
ロピオニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、
モルホリノ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、2−フ
リル基、2−フルフリル基、2−チエニル基、2−ピリ
ジル基、2−キノリニル基、フルオロ基、クロロ基、ブ
ロモ基等が挙げられるが、本発明はこれらの例に限定さ
れることはない。
【0020】一般式(2)に示すアミン化合物の具体例
としては、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミ
ン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ−2−エ
チルヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ジシクロヘキ
シルアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート等の2級アミン、トリブチル
アミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、ト
リベンジルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジイソ
プロピルエチルアミン、N,N−ジブチルエタノールア
ミン、トリイソプロパノールアミン、ヘキサメチレンテ
トラミン、トリエチレンジアミン、N−メチルピペリジ
ン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、
N,N−ジメチルピペラジン、N,N−ジエチルピペラ
ジン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−モルホ
リノエチル(メタ)アクリレート、ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等
の3級アミンが例示される。
【0021】これらの酸を中和する化合物と、酸価を有
するラジカル重合性樹脂の配合割合は、酸を中和できる
官能基と酸性基の比率が、当量比で1/20〜5/1に
なるようにすれば本発明の目的を達成することができ
る。1/20未満であれば、ビスアシルホスフィンオキ
サイド系化合物の安定化の目的達成が難しくなる。また
5/1を越えると重合性を低下させ、硬化物の物性が低
下する。好ましくは1/10〜3/1、さらに好ましく
は1/5〜2/1である。
【0022】本発明の光硬化性組成物は、硬化物の機械
的強度を上げるために繊維強化材を配合しても良く、そ
のような繊維強化材の具体例としてはガラス繊維、炭素
繊維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊
維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、アミド繊維、金
属繊維、セラミック繊維等の公知のものが挙げられる。
むろんこれらの繊維を二種以上組み合わせて使用しても
良い。本発明の光硬化性組成物には充填材を配合しても
良く、使用される充填材は、無機質フィラー、有機質フ
ィラーまたはポリマーであり、無機質フィラーとして
は、例えば水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、ガラス粉、シリカ、硫酸バリウム、セメン
トなどの公知のものが使用される。有機質フィラーまた
はポリマーとしては、低収縮剤としても効果がある例え
ばポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリ
レート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデンマイクロバ
ルーン、ポリアクリルニトリルマイクロバルーン等が使
用できる。
【0023】本発明の光硬化性組成物には着色顔料、着
色染料、光輝性顔料を配合しても良く、着色顔料として
はチタンホワイト、亜鉛華等の白色顔料、カーボンブラ
ック、チタンブラック等の黒色顔料をはじめ、「改訂新
版顔料便覧」(日本顔料技術協会編集 平成1年刊)記
載の公知の有機、無機顔料を使用できる。また、着色染
料としては「染料便覧」(有機合成化学協会編集 昭和
45年刊)に記載の公知のもの等が使用できる。光輝性
顔料としてはアルミパウダー、アルミペースト、銀粉、
酸化チタン被覆マイカ、マイカ状酸化鉄等が使用でき
る。また本発明の光硬化性組成物では公知の方法で揺変
剤を付与しても良く、揺変剤としては、例えばシリカパ
ウダー(エアロジルタイプ)、マイカパウダー、炭酸カ
ルシウムパウダーなどが使用できる。また、本発明の光
硬化性組成物は、保存時の重合を防止する目的で、熱重
合防止剤を添加することが可能である。本発明の光硬化
性組成物に添加可能な熱重合防止剤の具体例としては、
p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル置
換ハイドロキノン、カテコール、t−ブチルカテコー
ル、フェノチアジン等をあげることができる。
【0024】また、本発明の光硬化性組成物には組成物
の粘度を低下させ、作業性、基材への密着性を向上させ
る目的で溶剤を配合しても良い。そのような溶剤として
は、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、エ
タノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアル
コール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテ
ル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル等のエステル類、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ等のエチレングリコールのモノエーテル類等が使用可
能である。これらの溶剤は1種または2種以上を混合し
て使用することができる。
【0025】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を説明する。も
ちろん本発明は以下に限定されるものではない。
【0026】[安定性試験] 実施例1〜10 20ml容の褐色サンプル瓶に不飽和ポリエステル樹脂
として商品名リゴラック1557〔酸価25 昭和高分
子(株)製〕10g、商品名Irgacure1800
〔1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチルペンチルホスフィンオキサイドの3:1混合物
(重量比)、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製〕を
溶剤のN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略
記)に50重量%溶解した溶液0.40g、各種含窒素
化合物を表1に示す量を配合し、実施例1〜10とし
た。実施例1〜10は調製直後ビス(2,6−ジメトキ
シベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホス
フィンオキサイド(以下BDTPOと略記)の量を液体
クロマトグラフィーにより定量して室温暗所下6週間保
存した後、再び液体クロマトグラフィーにてBDTPO
を定量した。含窒素化合物による酸中和の効果は、以下
に示す計算式(1)によりBDTPOの残存率にて評価
した。
【0027】計算式(1); ここでBDTPOの残存率が大きいほど、配合した含窒
素化合物による酸中和の効果が高く、BDTPOの安定
性を高めていることを示す。結果は表1に示した。
【0028】比較例1 実施例1〜10と同様に、20ml容の褐色サンプル瓶
に前記リゴラック1557 10g、前記Irgacu
re1800のNMP溶液0.40gを配合し比較例1
とした。比較例1は、調製直後と室温暗所6週間保存後
のBDTPOの濃度を実施例1〜10と同様の方法で定
量し、BDTPOの残存率を算出した。結果は表1に示
した。
【0029】
【表1】
【0030】実施例11〜15 20ml容の褐色サンプル瓶に不飽和ポリエステル樹脂
として商品名リゴラックFK−2000BW〔酸価17
昭和高分子(株)製〕10g、前記Irgacure
1800のNMP溶液0.40g、各種含窒素化合物を
表2に示す量を配合し、実施例11〜15とした。実施
例11〜15は、調製直後と室温暗所保存2ヶ月後のB
DTPOの濃度を実施例1〜10と同様の方法で定量し
て残存率を算出することにより、含窒素化合物による酸
中和の効果を評価した。結果は表2に示した。
【0031】比較例2 実施例11〜15と同様に、20ml容の褐色サンプル
瓶に前記リゴラックFK−2000BW10g、前記I
rgacure1800のNMP溶液0.40gを配合
し比較例2とした。比較例2は調製直後と室温暗所2ヶ
月保存後のBDTPOの濃度を実施例11〜15と同様
の方法で定量し、残存率を算出した。結果は表2に示し
た。
【0032】
【表2】
【0033】実施例16〜20 20ml容の褐色サンプル瓶に、エポキシアクリレート
樹脂 商品名リポキシR−802をフタル酸変性した樹
脂〔酸価22 昭和高分子(株)製〕10g、前記Ir
gacure1800のNMP溶液0.40g、各種含
窒素化合物を表3に示す量を配合し、実施例16〜20
とした。実施例16〜20は、調製直後と室温暗所1ヶ
月保存後のBDTPOの濃度を実施例1〜10と同じ方
法で定量し、その残存率を算出することにより含窒素化
合物による酸中和の効果を評価した。結果は表3に示し
た。
【0034】比較例3 実施例16〜20と同様に、20ml容の褐色サンプル
瓶に前記フタル酸変性リポキシR−802 10g、前
記Irgacure1800のNMP溶液0.40gを
配合し比較例3とした。比較例3は、調製直後と室温暗
所1ヶ月保存後のBDTPOの濃度を実施例16〜20
と同様の方法で定量し、その残存率を算出した。結果は
表3に示した。
【0035】
【表3】
【0036】実施例21〜25 ポリエステルメタクリレート樹脂として商品名リゴラッ
ク G−200GMA〔酸価3 昭和高分子(株)製〕
10g、前記Irgacure1800のNMP溶液
0.40g、各種含窒素化合物を表4に示す量を配合
し、実施例21〜25とした。実施例21〜25は、調
製直後と室温暗所3ヶ月保存後のBDTPOの濃度を実
施例1〜10と同様の方法で定量し、その残存率を算出
することにより、含窒素化合物による酸中和の効果を評
価した。結果は表4に示した。
【0037】比較例4 ポリエステルメタクリレート樹脂として前記リゴラック
G−200GMA10g、前記Irgacure18
00のNMP溶液0.40gを配合し、比較例4とし
た。比較例4は、調製直後と室温暗所3ヶ月保存後のB
DTPOの濃度を実施例21〜25と同様の方法でBD
TPOの濃度を定量し、その残存率を算出した。結果は
表4に示した。
【0038】
【表4】
【0039】実施例26〜29 20ml容の褐色サンプル瓶に前記商品名リゴラック1
557 10g、前記Irgacure1800のNM
P溶液0.40g、2,4,6−トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノールを表5に示す量を配合し、実施例
26〜29とした。実施例26〜29は、調製直後と室
温暗所1ヶ月保存後のBDTPOの濃度を実施例1〜1
0と同じ方法で定量し、その残存率を算出することによ
り2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ
ールによる酸中和の効果を評価した。結果は表5に示し
た。
【0040】比較例5 実施例26〜29と同様に、20ml容の褐色サンプル
瓶に前記リゴラック1557 10g、前記Irgac
ure1800のNMP溶液0.40gを添加し比較例
5とした。比較例5は、調製直後と室温暗所1ヶ月保存
後のBDTPOの濃度を実施例26〜29と同様の方法
で定量し、BDTPOの残存率を算出した。結果は表5
に示した。
【0041】
【表5】
【0042】[液体クロマトグラフィーによるBDTP
Oの分析方法] 分析サンプルの調製 実施例1〜29、比較例1〜5それぞれから約0.4g
を20ml容メスフラスコに採取して精秤し、アセトニ
トリルで20mlにした。さらにここから5ml容ホー
ルピペットで5ml採取し、20ml容メスフラスコに
入れ、アセトニトリル:水=55:45(容量比 2m
M過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム含有)の混
合物を用いて20mlにした。この液100μlを、S
hodex C8−5B逆相カラム(昭和電工製)を用
いた液体クロマトグラフィーにて分析した。表1〜表5
の結果より、ビスアシルホスフィンオキサイド系化合物
は組成物中の酸を中和する化合物の添加により、組成物
中で安定に存在できることが示された。
【0043】
【発明の効果】本発明の光硬化性組成物、及びビスアシ
ルホスフィンオキサイド系化合物を安定化する方法によ
り、光ラジカル重合開始剤として有用なビスアシルホス
フィンオキサイド系化合物を、酸価があるラジカル重合
性組成物中で安定に存在させることが可能になった。こ
れにより、ビスアシルホスフィンオキサイド系化合物を
予め混合した酸価を有する光硬化性組成物の一液化が可
能となり、作業性が大幅に改善された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 和男 埼玉県熊谷市久保島673−8 (72)発明者 山本 富生 埼玉県本庄市四方田13番地 (72)発明者 千代 英毅 神奈川県川崎市高津区溝の口618−1

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸価を有するラジカル重合性樹脂、一般
    式(1)に示されるビスアシルホスフィンオキサイド系
    化合物、及び酸を中和する化合物から構成される光硬化
    性組成物。 一般式(1); 【化1】 (式中R1 、R2 、及びR3 はそれぞれ独立してアルキ
    ル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
    リール基、または複素環基を示す。)
  2. 【請求項2】 酸価を有するラジカル重合性樹脂が、不
    飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート
    樹脂、またはポリエステル(メタ)アクリレート樹脂で
    ある請求項1記載の光硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 酸を中和する化合物が含窒素化合物であ
    る請求項1又は2記載の光硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 含窒素化合物が一般式(2)で示される
    アミン化合物である請求項3記載の光硬化性組成物。 一般式(2); 【化2】 (式中R4 、R5 及びR6 はそれぞれ独立して水素原
    子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキ
    ニル基、または脂環基を示すが、R4 、R5 及びR6
    その2個以上の基が結合している環状構造を形成しても
    良い。またR4 、R5 及びR6 のうち水素原子は1個以
    下である。)
  5. 【請求項5】 酸価を有するラジカル重合性樹脂、及び
    一般式(1)に示されるビスアシルホスフィンオキサイ
    ド系化合物から構成される光硬化性組成物に、酸を中和
    する化合物を添加することからなるビスアシルホスフィ
    ンオキサイド系化合物の安定化方法。 一般式(1); 【化3】 (式中R1 、R2 、及びR3 はそれぞれ独立してアルキ
    ル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
    リール基、または複素環基を示す。)
JP2052498A 1998-01-16 1998-01-16 光硬化性組成物及び組成物中のビスアシルホスフィンオキサイド系化合物の安定化方法 Pending JPH11199610A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2052498A JPH11199610A (ja) 1998-01-16 1998-01-16 光硬化性組成物及び組成物中のビスアシルホスフィンオキサイド系化合物の安定化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2052498A JPH11199610A (ja) 1998-01-16 1998-01-16 光硬化性組成物及び組成物中のビスアシルホスフィンオキサイド系化合物の安定化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11199610A true JPH11199610A (ja) 1999-07-27

Family

ID=12029557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2052498A Pending JPH11199610A (ja) 1998-01-16 1998-01-16 光硬化性組成物及び組成物中のビスアシルホスフィンオキサイド系化合物の安定化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11199610A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011251965A (ja) * 2000-06-08 2011-12-15 Ciba Holding Inc 有機金属モノアシルアルキルホスフィン

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011251965A (ja) * 2000-06-08 2011-12-15 Ciba Holding Inc 有機金属モノアシルアルキルホスフィン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019043864A (ja) ペルオキシエステル基を有するベンゾフェノン誘導体、該化合物を含有する重合性組成物およびその硬化物、当該硬化物の製造方法
WO2018221177A1 (ja) トリアジンペルオキシド誘導体、該化合物を含有する重合性組成物
CZ223695A3 (en) Alkoxyphenyl group substituted bisacylphosphine oxides
WO2018110179A1 (ja) ペルオキシシンナメート誘導体、該化合物を含有する重合性組成物
JP7421169B2 (ja) チオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシド、該化合物を含有する重合性組成物
JPS5948760A (ja) 像生成法
JP5543844B2 (ja) 2液硬化型アクリル系接着剤
JPWO2017170049A1 (ja) 硬化性組成物及びその硬化物
JPH11199610A (ja) 光硬化性組成物及び組成物中のビスアシルホスフィンオキサイド系化合物の安定化方法
JP2001181312A (ja) 光硬化性組成物及びその硬化物
JP2000212234A (ja) 光硬化性組成物
JP4463649B2 (ja) 光ラジカル重合開始剤、感光性樹脂組成物及び、物品
WO2010028844A1 (de) Lichthärtende zusammensetzungen
JPH10316708A (ja) 光硬化性組成物及び色戻り防止方法
JP6545968B2 (ja) レジンアクセサリー用の感光性樹脂組成物及びこれを用いたレジンアクセサリー
JPH0675374A (ja) 光硬化性材料及び硬化方法
JP2804582B2 (ja) 活性エネルギー線重合性不飽和樹脂組成物及びそれを含む硬化性組成物
JPH0648363B2 (ja) 写真の支持体材料
DE69710657T3 (de) Photohärtbare Zusammensetzung und Härtungsverfahren
JPH08231617A (ja) 光硬化性組成物の硬化方法
JPH11106413A (ja) 光硬化性組成物
JPS609045B2 (ja) 顔料分散性、接着性に優れた紫外線硬化型樹脂組成物
JPH0570523A (ja) トリ(メタ)アクリレート、硬化性組成物および硬化物
JPH02296876A (ja) 紫外線硬化性陰ぺい塗膜形成性組成物
JP2005314633A (ja) 光ラジカル発生剤、感光性樹脂組成物及び、物品