JPH11199587A - 橋架け構造のビス置換シクロペンタジエニル配位子を有するジルコニウム化合物 - Google Patents

橋架け構造のビス置換シクロペンタジエニル配位子を有するジルコニウム化合物

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JPH11199587A
JPH11199587A JP9368089A JP36808997A JPH11199587A JP H11199587 A JPH11199587 A JP H11199587A JP 9368089 A JP9368089 A JP 9368089A JP 36808997 A JP36808997 A JP 36808997A JP H11199587 A JPH11199587 A JP H11199587A
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group
compound
zirconium
zirconium compound
polymerization
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JP9368089A
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Tetsuya Matsukawa
哲也 松川
Hiroshi Yoshimura
啓 吉村
Hiroshi Yamazaki
博史 山崎
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量が大きく、かつ融点も高い立体規則性
オレフィン重合体を、効率よく製造する触媒を提供す
る。 【解決手段】 オレフィン重合用触媒に使用できる、一
般式(1)で表される新規なジルコニウム化合物。 【化1】 [一般式(1)において、Yはゲルマニウムを示し、
(R1 n−C54-n)および(R3 q−C54-q)は置換シ
クロペンタジエニル基を示し、nおよびqは、2もしく
は3を示し、各R1および各R3は、それぞれ独立に炭化
水素基を示し、各R2は、それぞれ独立に水素、もしく
は炭化水素基を示し、XおよびZは、水素、ハロゲン、
もしくは炭化水素基を示す]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋架け構造のビス
置換シクロペンタジエニル配位子を有する新規なジルコ
ニウム化合物に関する。本発明の化合物は、立体規則性
オレフィン重合用触媒成分として有用である。
【0002】
【従来の技術】オレフィン重合用均一系触媒としては、
いわゆるカミンスキー系触媒(メタロセン化合物/アル
ミノキサン)がよく知られている。この触媒系は非常に
重合活性が高く、しかも例えば、プロピレンの重合にお
いては、アタクチックポリプロピレン、アイソタクチッ
クポリプロピレン、およびシンジオタクチックポリプロ
ピレンのいずれもが製造できることが公知になっている
(Macromol. Chem., Rapid Commun. 4, 417-421(198
3),Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 24, 507-508(198
5),J. Am. Chem. Soc. 1987, 109, 6544-6545,J. Am.
Chem. Soc. 1988, 110,6255-6256)。
【0003】メタロセン化合物において、ケイ素、ホス
フィン、アミン、またはカーボンで架橋したビス無置換
シクロペンタジエニル配位子を有する遷移金属化合物は
公知(特開昭61−296008号公報)である。
【0004】また、置換シクロペンタジエニル環を使用
し、ケイ素で架橋した配位子を有する遷移金属化合物の
合成例としては、ジメチルシリルビス(メチルシクロペ
ンタジエニル)チタニウムジクロリド(Monatsh. Chem.
112, 887-897(1981))、ジメチルシリルビス(t-ブチ
ルシクロペンタジエニル)スカンジウムヒドリド(J.A
m. Chem. Soc. 1988, 110, 976-978)、およびMe2
i(Me45)2MCH[SiMe3]2(M=Nd,Sm,
Lu)型化合物(J. Am. Chem. Soc. 1985, 107, 8103-
8110)などが知られている。
【0005】しかしながら、ジルコニウム化合物に関し
ては、置換シクロペンタジエニル環を使用し、ゲルマニ
ウムで架橋した配位子を有する化合物の合成例はこれま
での文献にない。さらにこのような化合物を用いて、オ
レフィンを重合しアイソタクチックポリマーを得た具体
的な実施例はこれまでに全くない。
【0006】本出願人らは、登録第2587251号公
報および登録第2668733号公報において、シクロ
ペンタジエニル環のメタロセン触媒が高い立体規則性を
もつポリオレフィンを製造できることを開示している。
しかし、公知のメタロセン化合物を用いて製造されるア
イソタクチックポリプロピレンは分子量が小さく、実用
化する際の問題点となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】分子量が大きく、かつ
融点も高い立体規則性オレフィン重合体を、効率よく製
造する触媒が求められていた。
【0008】
【解決するための手段】本発明者らは、上記の問題点を
解決すべく研究を重ねた結果、新規なジルコニウム化合
物を効率良く合成することに成功した。さらに、該ジル
コニウム化合物を触媒として用いると、分子量が大きく
かつ融点も高い立体規則性オレフィン重合体を、効率よ
く製造できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。本発明の第一は、下記一般式(1)で表されるジル
コニウム化合物である。
【0009】
【化2】
【0010】[一般式(1)において、Yはゲルマニウ
ムを示し、(R1 n−C54-n)および(R3 q−C
54-q)は置換シクロペンタジエニル基を示し、nおよ
びqは、2もしくは3を示し、各R1および各R3は、そ
れぞれ独立に炭化水素基を示す。各R2は、それぞれ独
立に水素、もしくは炭化水素基を示し、XおよびZは、
水素、ハロゲン、もしくは炭化水素基を示す]
【0011】本発明の第二は、n=q=2である本発明
の第一に記載のジルコニウム化合物である。本発明の第
三は、n=q=3である本発明の第一に記載のジルコニ
ウム化合物である。本発明の第四は、各R1および各R3
が、すべてメチル基である本発明の第二に記載のジルコ
ニウム化合物である。本発明の第五は、各R1および各
3が、すべてメチル基である本発明の第三に記載のジ
ルコニウム化合物である。さらに、本発明の第六〜第十
は、それぞれ本発明の第一〜第五に記載のジルコニウム
化合物を含有してなるオレフィン重合用触媒である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の上記一般式(1)で表さ
れるジルコニウム化合物は、橋架け構造を持つビス置換
シクロペンタジエニルブリッジ型2座配位子を有する新
規なジルコニウム化合物である。2つのシクロペンタジ
エニル環上の置換基の立体的位置により該化合物にはra
cemic体とmeso体が存在するが、いずれの構造をもとり
うるものである。また、両者が任意の割合で混合するも
のをも含むものである。
【0013】本発明のジルコニウム化合物を表す上記一
般式(1)において、炭化水素基は制限はないが、例え
ば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキル
アリール基、アリールアルキル基などが挙げられる。ま
た、、アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル
基、tert-ブチル基などが挙げられる。また、アリール
基は、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル
基などを挙げることができる。本発明のジルコニウム化
合物を表す上記一般式(1)において、ハロゲンは、フ
ッ素、塩素、臭素、沃素である。
【0014】本発明のジルコニウム化合物の代表的な合
成経路は、n=q=2を例にとると、下記[1]および
[2]で表す反応式によって略記できるが、この方法に
限定されるものではない。
【0015】[1]シクロペンタジエニル環の置換基が
同一(R1=R3)の場合 2Na(R1 2-C53) + R2 2YCl2 → R2 2Y(R1 2-
53)2 + 2NaCl R2 2Y(R1 2-C53)2 + 2n-BuLi → Li2[R2 2
Y(R1 2-C52)2] +2C410 Li2[R2 2Y(R1 2-C52)2] + ZrX4 → [R2 2
(R1 2-C522]ZrX2 + 2LiX
【0016】[2]シクロペンタジエニル環の置換基が
異なる場合 Na(R1 2-C53) + R2 2YCl2 → R2 2Y(R1 2-C
53)Cl + NaCl Na(R1 2-C53) + R2 2Y(R1 2-C53)Cl → R
2 2Y(R1 2-C53)(R3 2-C53) + NaCl R2 2Y(R1 2-C53)(R3 2-C53) + 2n-BuLi
→ Li2[R2 2Y(R1 2-C52)(R3 2−C52)] + 2
410 Li2[R2 2Y(R1 2-C52)(R3 2-C52)] + ZrX4
→ [R2 2Y(R1 2-C52)(R3 2-C52)]ZrX2
2LiX
【0017】橋架け構造を持つビス置換シクロペンタジ
エニルブリッジ型2座配位子(例えば、上記[1]およ
び[2]の反応式中の[R2 2Y(R1 2-C53)2]あるい
は[R2 2Y(R1 2-C53)(R3 2-C53)]で表される化
合物)の製法は公知である。すなわち、Monatsh. Chem.
112, 887-897(1981)、J. Am. Chem. Soc. 1988, 110,
976-978、J. Am. Chem. Soc. 1985, 107, 8103-8110に
記載がある。このような2座配位子は、アルキルリチウ
ムでリチウム化し、リチウム化合物として次の反応に用
いることができる。また、カリウム化合物、あるいはナ
トリウム化合物として使用することもできる。
【0018】ZrX4とリチウム化合物(例えば、上記
[1]および[2]の反応式中の{Li2[R2 2Y(R1-
53)2]}もしくは{Li2[R2 2Y(R1-C53)(R3-
53)]}で表される化合物)との反応は、エーテル
類、好ましくはテトラヒドロフラン(THF)を反応溶
媒として実施することができる。当該反応は、リチウム
化合物/ZrX4のモル比が、1.0〜1.5が好まし
く、1.0〜1.1の範囲がさらに好ましい。反応温度
は、−80℃〜100℃が好ましく、0℃〜70℃の範
囲がさらに好ましい。生成した上記一般式(1)で表さ
れるジルコニウム化合物は再結晶により精製することが
できる。
【0019】本発明のジルコニウム化合物は、上記一般
式(1)で表されるものなら限定を受けないが、具体的
な例として、ジメチルゲルミルビス(2,4-ジメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニ
ルゲルミルビス(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、シクロトリメチレンゲルミルビ
ス(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、シクロテトラメチレンゲルミルビス(2,4-ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、シクロペンタメチレンゲルミルビス(2,4-ジメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルゲルミルビス(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジブロミド、ジメチルゲルミルビス(2,4-
ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルク
ロリド、ジメチルゲルミルビス(2,4-ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルゲルミ
ルビス(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジフェニル、ジメチルゲルミルビス(2,4-ジエチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルゲルミルビス(2,4-ジイソプロピルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミルビス
(2-メチル-4-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルゲルミルビス(2-メチル-4
-フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジフェニルゲルミルビス(2-メチル-4-t-ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェ
ニルゲルミルビス(2-メチル-4-フェニルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミルビ
ス(2-メチル-4-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル、ジメチルゲルミルビス(2-メチル-4-t-
ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロ
リド、ジメチルゲルミルビス(2-メチル-4-フェニルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルゲ
ルミルビス(2-メチル-4-フェニルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムメチルクロリド、ジメチルゲルミルビ
ス(3,4-ジフェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルゲルミルビス(2,3,5-トリメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフ
ェニルゲルミルビス(2,3,5-トリメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、シクロトリメチレン
ゲルミルビス(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、シクロテトラメチレンゲルミ
ルビス(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、シクロペンタメチレンゲルミルビス
(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルゲルミルビス(2,3,5-トリメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ジメ
チルゲルミルビス(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムメチルクロリド、ジメチルゲルミル
ビス(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジメチル、ジメチルゲルミルビス(2,3,5-トリメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、ジ
メチルゲルミルビス(2,5−ジメチル−3−エチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルゲルミルビス(2,5-ジメチル-3-イソプロピルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲル
ミルビス(2,5-ジメチル-3-t-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミルビス(2,
5-ジメチル-3-フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジフェニルゲルミルビス(2,5-ジメチ
ル-3-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジフェニルゲルミルビス(2,5-ジメチル-3-フェ
ニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルゲルミルビス(2,5-ジメチル-3-t-ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルゲル
ミルビス(2,5-ジメチル-3-t-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムメチルクロリド、ジメチルゲルミルビ
ス(2,5-ジメチル-3-フェニルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジメチル、ジメチルゲルミルビス(2,5-ジメ
チル-3-フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
メチルクロリド、ジメチルゲルミルビス(2-メチル-3,4-
ジフェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ジメチルゲルミル(2,4-ジメチルシクロペンタジ
エニル)(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルゲルミル(2-メチル-4-t-
ブチルシクロペンタジエニル)(2,3,5-トリメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(2-メチル-4
-t-ブチルシクロペンタジエニル)(2,5-ジメチル-3-t-ブ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルゲルミル(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)
(2,5-ジメチル-3-t-ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリドなどを挙げることができる。
【0020】本発明のジルコニウム化合物は、アルミノ
キサン、イオン化イオン性化合物、もしくはイオン化イ
オン性および有機アルミニウムの両化合物の存在下、優
れたオレフィン重合活性を示し、重合触媒成分として有
用な化合物である。該重合に用いられるもう1つの触媒
構成成分のアルミノキサンは、一般式(2)もしくは一
般式(3)で表される有機アルミニウム化合物である。
【0021】
【化3】
【0022】[一般式(2)および(3)において、各
4は、それぞれ独立に水素もしくは炭素数が1〜20
の炭化水素基を示し、mは4〜30の整数を示す] 各R4における炭化水素基は、炭素数が1〜20である
が、好ましくは炭素数が1〜6、さらに好ましくは炭素
数が1〜4である。具体的には、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基などのアルキル基、アリル基、2−メチルアリ
ル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2-メチル-1-
プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、シクロプ
ロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基などのシクロアルキル基、およびアリール基
などが挙げられる。mは4〜30の整数であるが、好ま
しくは6〜30で、さらに好ましくは8〜30である。
【0023】R4が同一の場合は、R4はメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソブチル基、フェニル基、ベンジ
ル基などの炭化水素基が好ましく、メチル基がさらに好
ましい。R4が異なる場合、メチル基と水素、あるいは
メチル基とイソブチル基の組み合わせであるのが好まし
く、これらの組み合わせの際の、水素およびイソブチル
基は、0.01〜60%(全R4に占める数の割合)の
量で存在するのが好ましい。
【0024】上記のアルミノキサンは既知の様々の条件
下に調製することが可能である。具体的には、以下の方
法が例示できる。 (1)トリアルキルアルミニウムをトルエン、エーテル
等の有機溶剤を使用して直接水と反応させる方法。 (2)トリアルキルアルミニウムと結晶水を有する塩
類、例えば硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物と反
応させる方法。 (3)トリアルキルアルミニウムとシリカゲルなどに含
浸させた水分と反応させる方法。 (4)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミ
ニウムを混合し、トルエン、エーテル等の有機溶剤を使
用して直接水と反応させる方法。 (5)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミ
ニウムを混合し、結晶水を有する塩類、例えば硫酸銅水
和物、硫酸アルミニウム水和物と反応させる方法。 (6)シリカゲル等に水分を含浸させ、トリイソブチル
アルミニウムを反応させた後、トリメチルアルミニウム
を更に反応させる方法。
【0025】イオン化イオン性化合物は、下記一般式
(4)で表される化合物である。 [C+][A-] ・・・・・(4)
【0026】一般式(4)において、[C+]はカチオ
ンであり、活性プロトンを含有するものとが有しないも
のがある。具体的に、活性プロトンを含有するものとし
ては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウ
ム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウ
ム、N,N-ジメチルアニリニウム、N,N,2,4,5-ペンタメチ
ルアニリニウム、トリフェニルホスホニウム、トリ(o-
トリル)ホスホニウム、トリ(p-トリル)ホスホニウム、
トリ(メシチル)ホスホニウムなどで表されるブレンステ
ッド酸などが挙げられる。また、活性プロトンを含有し
ないものとしては、カルボニウム、オキソニウムまたは
スルホニウムカチオンなどが例示でき、これらの例とし
てはトリフェニルカルベニウム、トリピリウムイオンな
どで表される化合物を挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。
【0027】また、[A-]はアニオンであり、特に限
定はないが[AlR4 -]、[BR4 -]、[PR6 -][C
lO4 -]などを例示することができる。なお、ここで、
Rはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチ
ル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル
基、t-ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、フェニル基、ベンジル基、ナ
フチル基などのC1〜C20の炭化水素基である。
【0028】さらに、これらのRには、C1〜C10の炭
化水素基、またはハロゲンの置換基を導入してもよい。
具体的には、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、
トリメチルフェニル基、ヘキサメチルフェニル基、ペン
タメチルフェニル基、エチルフェニル基、ブチルフェニ
ル基、ペンチルフェニル基、クロロフェニル基、ジクロ
ロフェニル基、トリクロロフェニル基、ヘキサクロロフ
ェニル基、ペンタクロロフェニル基、ブロモフェニル
基、ジブロモフェニル基、トリブロモフェニル基、ヘキ
サブロモフェニル基、ペンタブロモフェニル基、フルオ
ロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフ
ェニル基、ヘキサフルオロフェニル基、ペンタフルオロ
フェニル基などが挙げられる。
【0029】有機アルミニウム化合物は、下記一般式
(5)で表される化合物である。 R5 rAlA3-r ・・・・・(5)
【0030】一般式(5)において、R5は炭素数3〜
12の炭化水素基を示し、Aは水素もしくはハロゲンを
示し、rは1〜3の整数を示す。R6の炭化水素基とし
ては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピ
ル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基などのア
ルキル基、アルケニル基が例示される。Aにおけるハロ
ゲンとは、フッ素、塩素、臭素などである。
【0031】本発明のジルコニウム化合物を重合反応用
触媒として用いることのできるオレフィンは、プロピレ
ン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-
オクテンなどのα-オレフィン類であり、これら2種以
上の混合成分を重合に供することもできる。また、上記
α-オレフィン類とエチレンとの共重合も可能である。
さらには、ブタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,4-ペンタ
ジエン、1,7-オクタジエンなどのような共役および非共
役ジエン類、スチレン、シクロプロパン、シクロブテ
ン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどのような
環状オレフィン類とα-オレフィン類との共重合にも有
効である。
【0032】本発明のジルコニウム化合物を触媒とする
重合反応は、液相重合あるいは気相重合のいずれも可能
である。液相重合の重合溶媒としては、ジルコニウム化
合物を溶解しうる炭化水素化合物であり、ベンゼン、ト
ルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチル
ベンゼン、ブチルベンゼン、メシチレン、ナフタレンな
どの芳香族系炭化水素が用いられ、好ましくは、トルエ
ン、キシレンである。さらに、本出願人が特公平7−9
6566号公報に開示したようにジルコニウム化合物を
溶解し得ない溶媒中でも、ジルコニウム化合物と、アル
ミノキサン、イオン化イオン性化合物、もしくは、イオ
ン化イオン性化合物と有機アルミニウムとを、芳香族系
炭化水素中で予め混合し、少量のα-オレフィンと反応
させて予備活性化した触媒として用いれば、重合反応を
行うことができる。
【0033】この際の溶媒としては、ブタン、イソブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族系炭化水
素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘ
キサン、シクロオクタンなどの脂環族系炭化水素、ガソ
リン、灯油、軽油などの石油留分が挙げられ、脂肪族系
炭化水素が好ましい。さらに、原料の液化プロピレン、
液化1-ブテンなどの液化オレフィン類を、溶媒として用
いることも可能である。
【0034】触媒成分は、ジルコニウム化合物とアルミ
ノキサン、イオン化イオン性化合物、もしくはイオン化
イオン性化合物および有機アルミニウムの両成分を、予
め混合したものを反応系に供給してもよく、また、反応
系に該両成分をそれぞれ別々に供給してもよい。それぞ
れの触媒成分の使用量は、例えばアルミノキサンを用い
る場合、ジルコニウム化合物中の遷移金属原子1モルに
対してアルミノキサン中のアルミニウム原子が10〜1
00000モル、好ましくは50〜50000モル、特
に好ましくは100〜30000モルとなる範囲であ
る。
【0035】本発明のジルコニウム化合物を用いた反応
系の重合温度には、特に制限はないが、好ましくは−5
0℃〜150℃、特に好ましくは−10℃〜100℃の
温度である。また、重合圧力にも特に制限はないが、好
ましくは大気圧〜7MPa、特に好ましくは0.2MP
a〜5MPaの範囲で実施される。この際の重合反応に
際しての分子量調節は公知の手段、例えば、重合温度の
選定あるいは水素の導入により行うことができる。
【0036】本発明のオレフィン重合用触媒は、本発明
のジルコニウム化合物を任意の割合で含有していればよ
く、全触媒に対する本発明のジルコニウム化合物の比率
が高いほど、本発明の効果が顕著に現れる。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0038】実施例1[ジメチルゲルミルビス(2,3,5-
トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リドの合成:一般式(1)において、n=q=3であ
り、各R1、R2およびR3がすべてメチル基であり、X
およびZが塩素である化合物] 反応は、すべて不活性ガス雰囲気下で行った。また、反
応溶媒はあらかじめ乾燥したものを使用した。200mlガ
ラス製反応容器中で、ジメチルビス(2,3,5-トリメチル
シクロペンタジエニル)ゲルマン3.14g(9.92mmol)をジ
メトキシエタン(DME)120mlに溶かした後、n-ブチ
ルリチウムの1.6Mヘキサン溶液14ml(22.8mmol)を−7
8℃で滴下した。室温で3時間攪拌した後、黄色透明液
(Li2[Me2Ge(2,3,5-Me3-C5H)2])を得た。50
0mlガラス製反応容器中で、四塩化ジルコニウム3.20g(1
0.0mmol)を−78℃に冷却し、DME150mlを加えた。
次に、先の黄色透明液を、−78℃でゆっくりと滴下し
た。室温まで昇温した後、20時間加熱還流した。放冷
後、減圧下で溶媒を留去した後トルエンで抽出し、不溶
固体を濾過し、減圧下で濃縮することにより黄色結晶1.
50g(収率32%)を得た。この化合物の物性値を下に
示す。なお、1H−NMRスペクトルはCDCl3を溶媒
に用いて測定した。 元素分析値: (C1826Cl2GeZr) 計算値(%): C;45.31, H; 5.49 実測値(%): C;45.32, H; 5.60 NMRスペクトル : 第1図に示す。 これらの結果より、ジメチルゲルミルビス(2,3,5-トリ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
と同定できた。
【0039】
【図1】
【0040】実施例2[重合] 傾斜羽根を備えた内容積1.5Lの撹拌機付きステンレス製
重合器を窒素ガスで置換した後、重合器内に精製トルエ
ン500ml、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(東ソ
ーアクゾ社製、商品名:MMAO、Al濃度:2mol/
l)をAl原子量換算で10mmol、実施例1で合成したジ
メチルゲルミルビス(2,3,5-トリメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド0.001mmolのトルエン溶
液を順次添加し、30℃に昇温した。続いて、重合器内
の圧力が0.3MPaを維持するようにプロピレンを連続的に
導入し、1時間重合反応を行った。重合終了後は未反応
プロピレンを重合器内から放出し、メタノールを投入す
ることによって触媒成分を分解し、生成ポリプロピレン
を濾過、乾燥した。この結果アイソタクチックポリプロ
ピレン47gが得られ、触媒活性は8.1×107g/
molZr・hrであった。また、ポリマーの重量平均
分子量(Mw)は386000であり、融点は161.
0℃であった。
【0041】比較例1[重合] 傾斜羽根を備えた内容積1.5Lの撹拌機付きステンレス製
重合器を窒素ガスで置換した後、重合器内に精製トルエ
ン500ml、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(東ソ
ーアクゾ社製、商品名:MMAO、Al濃度:2mol/
l)をAl原子量換算で20mmol、ジメチルゲルミルビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
0.002mmolのトルエン溶液を順次添加し、30℃に昇温
した。続いて、重合器内の圧力が0.3MPaを維持するよう
にプロピレンを連続的に導入し、2時間重合反応を行っ
た。重合終了後は未反応プロピレンを重合器内から放出
し、メタノールを投入することによって触媒成分を分解
し、生成ポリプロピレンを濾過、乾燥した。この結果ア
イソタクチックポリプロピレン8.9gが得られ、触媒
活性は2.5×106g/molZr・hrであった。
また、ポリマーの重量平均分子量(Mw)は7600で
あり、融点は147.4℃であった。
【0042】比較例2[重合] 傾斜羽根を備えた内容積1.5Lの撹拌機付きステンレス製
重合器を窒素ガスで置換した後、重合器内に精製トルエ
ン500ml、東洋ストウファー・ケミカル(株)製メチル
アルミノキサンのトルエン溶液をAl原子量換算で3.3m
mol、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド0.005mmolのトルエン溶液を順次添加し、30℃に昇
温した。続いて、重合器内の圧力が0.3MPaを維持するよ
うにプロピレンを連続的に導入し、2時間重合反応を行
った。重合終了後は未反応プロピレンを重合器内から放
出し、メタノールを投入することによって触媒成分を分
解し、生成ポリプロピレンを濾過、乾燥した。この結果
アイソタクチックポリプロピレン191gが得られ、触
媒活性は1.9×107g/molZr・hrであっ
た。また、ポリマーの重量平均分子量(Mw)は356
00であり、融点は141.7℃であった。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、橋架け構造のビス置換
シクロペンタジエニル配位子を有する新規なジルコニウ
ム化合物が得られた。これらのジルコニウム化合物をオ
レフィン重合用の触媒に用いれば、分子量が大きく、か
つ融点も高い立体規則性オレフィン重合体を効率よく製
造することができ工業的にも有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成できた化合物の1H−NMRス
ペクトルである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるジルコニウ
    ム化合物。 【化1】 [一般式(1)において、Yはゲルマニウムを示し、
    (R1 n−C54-n)および(R3 q−C54-q)は置換シ
    クロペンタジエニル基を示し、nおよびqは、2もしく
    は3を示し、各R1および各R3は、それぞれ独立に炭化
    水素基を示し、各R2は、それぞれ独立に水素、もしく
    は炭化水素基を示し、XおよびZは、水素、ハロゲン、
    もしくは炭化水素基を示す]
  2. 【請求項2】 n=q=2である請求項1記載のジルコ
    ニウム化合物。
  3. 【請求項3】 n=q=3である請求項1記載のジルコ
    ニウム化合物。
  4. 【請求項4】 各R1および各R3が、すべてメチル基で
    ある請求項2記載のジルコニウム化合物。
  5. 【請求項5】 各R1および各R3が、すべてメチル基で
    ある請求項3記載のジルコニウム化合物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のジルコニウム化合物を含
    有してなるオレフィン重合用触媒。
  7. 【請求項7】 請求項2記載のジルコニウム化合物を含
    有してなるオレフィン重合用触媒。
  8. 【請求項8】 請求項3記載のジルコニウム化合物を含
    有してなるオレフィン重合用触媒。
  9. 【請求項9】 請求項4記載のジルコニウム化合物を含
    有してなるオレフィン重合用触媒。
  10. 【請求項10】 請求項5記載のジルコニウム化合物を
    含有してなるオレフィン重合用触媒。
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