JPH11199259A - スクライブ用カッタ及びその製造方法並びにスクライブ装置 - Google Patents

スクライブ用カッタ及びその製造方法並びにスクライブ装置

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JPH11199259A
JPH11199259A JP10396198A JP10396198A JPH11199259A JP H11199259 A JPH11199259 A JP H11199259A JP 10396198 A JP10396198 A JP 10396198A JP 10396198 A JP10396198 A JP 10396198A JP H11199259 A JPH11199259 A JP H11199259A
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Akira Shimotoyotome
暁 下豊留
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B33/00Severing cooled glass
    • C03B33/10Glass-cutting tools, e.g. scoring tools
    • C03B33/105Details of cutting or scoring means, e.g. tips

Abstract

(57)【要約】 【課題】 刻線を深く形成できるにも拘わらず屑の発生
を最小限に抑えることができるとともに安価に製造でき
るスクライブ用カッタを提供する。 【解決手段】 カッタは同一形状をなすベース31A,
31Bを備えている。ベース31A,31Bは、平坦面
35と、この平坦面35と90°未満の交差角度で交差
する押圧面36とを有している。これら平坦面35を当
接するようにしてベース31A,31Bが連結されてい
る。第1ベース31Aの平坦面にはダイヤモンド薄膜3
7が形成されている。このダイヤモンド薄膜37は、押
圧面36から微少量突出している。スクライブ時には、
この薄膜37の突出端37aでワーク100の面に傷1
05aを付け、この傷105aの両側の部位をベース3
1A,31Bの押圧面36で押して振動を付与すること
により、傷105aを起点とする垂直クラック105b
を形成し、ひいては刻線105を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、板ガラス等の硬
質材料のワークの面に刻線を形成するためのスクライブ
用カッタおよびスクライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、カッタに高周波振動を付与
しながら移動させることにより、ワークに刻線を形成す
る技術を開発している。このカッタは、先細のベース
と、その先端に取り付けられたダイヤモンドの粒子とを
備えている。このダイヤモンド粒子は、四角錐または三
角錐形状をなしており、その頂点をワークの面に当てる
ようにして、刻線を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
角錐形状のダイヤモンド粒子は高精度の加工によって得
るため、カッタの製造コストを押し上げる要因になって
いた。また、単結晶のダイヤモンド粒子は衝撃に対する
強度を高めるために結晶方位を特定の方向にする必要が
あり、この点でも製造コストが高かった。さらに、ダイ
ヤモンド粒子が割れた時には、カッタを交換する必要が
あり、使用寿命が短かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、スク
ライブ用カッタにおいて、互いに連結される第1,第2
のベースを備え、これらベースは、互いに当接する接合
面と、この接合面と交差するとともにワーク面に当たる
押圧面とをそれぞれ有し、上記第1ベースの接合面には
硬質皮膜が形成されていて、第1,第2のベースによっ
て挟まれていることを特徴とする。請求項2の発明は、
請求項1に記載のスクライブ用カッタにおいて、上記硬
質皮膜が、上記第1,第2のベースの押圧面から微少量
突出していることを特徴とする。請求項3の発明は、請
求項2に記載のスクライブ用カッタにおいて、上記第
1,第2のベースにおいて、上記押圧面と接合面の交差
角度が互いに等しく、90°未満であることを特徴とす
る。請求項4の発明は、請求項3に記載のスクライブ用
カッタにおいて、上記押圧面と接合面の交差角度が60
°〜85°であることを特徴とする。請求項5の発明
は、請求項1〜4のいずれかに記載のスクライブ用カッ
タにおいて、上記硬質皮膜がダイヤモンド薄膜からなる
ことを特徴とする。
【0005】請求項6の発明は、請求項1〜5に記載の
スクライブ用カッタを製造する方法において、上記第1
ベースを多数接するように並べ、これら多数の第1ベー
スの上記接合面を面一にして露出させ、この状態で、接
合面に硬質皮膜を蒸着し、その後で、第1ベースをこれ
と同形状の第2ベースに接合したことを特徴とする。請
求項7の発明は、請求項6に記載のスクライブ用カッタ
の製造方法において、上記第1ベースを、その接合面を
上にして設置台に載せ、接合面と押圧面をそれぞれ面一
にして露出させ、この状態で接合面と押圧面に硬質皮膜
を蒸着し、その後で押圧面の硬質皮膜を削ることを特徴
とする。請求項8の発明は、請求項1〜5のいずれかに
記載のカッタと、このカッタをワーク面に押し付けた状
態でワーク面と交差する第1方向に振動を付与する押
圧,振動付与手段と、上記カッタを、ワーク面に沿うと
ともに上記硬質皮膜と平行をなす第2方向に、ワークに
対して相対的に移動させる移動機構と、を備えたことを
特徴とするスクライブ装置。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、この発明の第1の実施形態
を図1〜図7に基づいて説明する。図1(A),(B)
に示すように、スクライブ装置は、移動台1(支持台)
と、この移動台1を水平方向(第2方向)に移動させる
移動機構2と、この移動台1にスライド支持機構3を介
して垂直方向(第1方向)に移動可能に取り付けられた
ボデイ10と、このボデイ10に微小量の垂直方向往復
動を可能にして支持されたホルダ20と、このホルダ2
0の下端に固定されたカッタ30と、ホルダ20に垂直
方向の振動を付与するピエゾアクチュエータ40(振動
アクチュエータ,振動付与手段)と、を備えている。
【0007】以下、各構成要素について詳述する。上記
移動機構2は、移動台1を、図1(A)において紙面と
直交する方向に水平に移動するようになっている。上記
スライド支持機構3は、ガイド4とスライダ5とを備え
ている。ガイド4は、取付板6を介して移動台1に固定
されている。ガイド4は、垂直方向に延びるガイド溝4
aを有している。このガイド4に縦長のスライダ5がガ
イド溝4aに入り込むようにして垂直方向にスライド可
能に支持されている。なお、このスライダ5は、ガイド
4に設けられたストッパ(図示しない)により下限位置
を決定されている。
【0008】上記スライダ5には、上下一対の水平をな
す板バネ7a,7bを介して上記ボデイ10が取り付け
られている。詳述すると、スライダ5には、上下にブラ
ケット8a,8bが1つずつ固定されており、これらブ
ラケット8a,8bに、上記板バネ7a,7bの中央が
それぞれ固定されている。他方、上記ボデイ10には、
上下に一対ずつL字形のブラケット9a,9bが固定さ
れている。上側の一対のブラケット9aは、ブラケット
8aから離れてこのブラケット8aの両側に配置されて
おり、上記板バネ7aの両端に固定されている。同様
に、下側の一対のブラケット9bも、ブラケット8bか
ら離れてこのブラケット8bの両側に配置されており、
上記板バネ7bの両端に固定されている。
【0009】上記ボデイ10は、中空をなす上部と、平
板部をなす下部とを有しており、両者の境の段差11
が、上記ピエゾアクチュエータ40のための受部として
提供される。ボデイ10の下部には、ガイド12が固定
されている。
【0010】上記ホルダ20は、垂直方向に延びるよう
に細長く構成されており、幅の狭い平板形状をなして垂
直に延びる主ロッド21と、この主ロッド21の上端に
回動可能に連結されて垂直に上方に延びる補助ロッド2
2(ホルダ20の基端部)と、主ロッド21の下端に固
定されたアタッチメント23(ホルダ20の先端部)と
を備えている。主ロッド21は、ボデイ10のガイド1
2によって案内されて垂直方向に微少量のスライドが可
能になっている。
【0011】上記主ロッド21の長手方向の中間部には
受部材24(受部)が固定されている。上記ピエゾアク
チュエータ40は、垂直方向に細長い形状をなし、その
上端はボデイ10の段差11に固定され、その下端はホ
ルダ20の受部材24で受けられている。換言すれば、
ピエゾアクチュエータ40は、垂直方向に対峙した上記
段差11と受部材24との間に挟まれるようにして配置
されている。ピエゾアクチュエータ40は、高周波交流
電圧を受けて垂直方向へ周期的に伸縮するものであり、
その周期的伸縮によってホルダ20を垂直方向に振動さ
せるようになっている。なお、ピエゾアクチュエータ4
0の下端には、凸球面をなす当接部材45が固定されて
おり、この当接部材45は、受部材24に形成されて球
面をなす受座面24aに面接触している。
【0012】上記補助ロッド22は、ボデイ10の上壁
を貫通して上方に突出している。ボデイ10の上壁に
は、ゴムや樹脂等の弾性材料からなるボール25(球形
状の弾性部材)と、その上下の球面受座26,27が配
置されており、これらは、上記補助ロッド22に貫通さ
れた状態で支持されている。上記補助ロッド22の上端
部には、雄ネジ22aが形成されており、この雄ネジ2
2aに螺合されたナット28を締め付けることにより、
受座26,27がナット28の下面,ボデイ10の上壁
にそれぞれ当たった状態で、上記ボール25を挟み付け
て若干量弾性変形させる。このボール25の復元力が、
ホルダ20をボデイ10に対して上方へ付勢する力とな
り、ひいてはホルダ20の受部材24を介して常時ピエ
ゾアクチュエータ40に付与される弾性力となる。
【0013】上述したように、ホルダ20は、ボール2
5の弾性により上方に付勢され、この付勢力をもって受
部材24がピエゾアクチュエータ40に当たっているの
で、ボデイ10に対して安定して支持されている。ただ
し、ホルダ20は、このボール25の弾性変形可能な範
囲で垂直方向に移動可能である。上述した「微少量の往
復動可能」は、このことを意味している。
【0014】上記カッタ30の上部は、補助アタッチメ
ント29に挿入固定されており、この補助アタッチメン
ト29は、上記ホルダ20のアタッチメント23に着脱
可能に固定されている。
【0015】次に、本発明の特徴部であるカッタ30に
ついて詳述する。図2,図3に示すように、このカッタ
30は、同一形状をなす第1,第2のベース31A,3
1Bを備えている。これらベース31A,31Bは同一
形状をなし、偏平な直方体をなす基部32(装着状態で
の上部)と、先細形状、すなわち截頭四角錐形状をなす
先部33(装着状態での下部)とを有している。ベース
31A,31Bの基部32には穴34が形成されてお
り、この穴34を通るボルトとナット(いずれも図示せ
ず)により、ベース31A,31Bが連結されている。
【0016】ベース31A,31Bは、基部32から先
部33にわたって連続する平坦な接合面35を有してい
る。この接合面35が互いに当接した状態(対峙した状
態)で、ベース31A,31Bが連結されている。な
お、これらベース31A,31Bの接合面35は、単に
接するだけでなく、接着剤等を用いて接着するのが好ま
しい。ベース31A,31Bの先端(装着状態での下
端)には、接合面35と交差する押圧面36が形成され
ている。図4に示すように、この押圧面36と接合面3
5の交差角度Θは、90°未満であり、より好ましくは
60〜85°である。交差角度Θは、ベース31A,3
1Bで互いに等しい。したがって、ベース31A,31
Bの押圧面36同士の交差角は、120〜170°とな
る。
【0017】図5に最もよく示されているように、上記
第1ベース31Aの接合面35の全域には、ダイヤモン
ド薄膜37(硬質皮膜)が、例えばプラズマCVD法
(気相合成法)により、蒸着されている。ダイヤモンド
薄膜37は、ダイヤモンドの多結晶体、すなわちダイヤ
モンド微粒子の集積によって構成されている。上記ダイ
ヤモンド薄膜37は、ベース31A,31Bの接合面3
5に挟まれることになる。ダイヤモンド薄膜37の厚さ
Wは、例えば3〜10μmである。ダイヤモンド薄膜3
7は、ベース31A,31Bの押圧面36から下方に微
少量突出している。この突出量Tは例えば3〜5μmで
ある。
【0018】上記ダイヤモンド薄膜37を押圧面36か
ら突出させるための工程の一例について説明する。図6
に示すように、ベース31A,31Bを連結させた状態
において、最初は、ダイヤモンド薄膜37の先端37a
は、ベース31A,31Bの押圧面36と接合面35と
の交差線と一致している。この状態で、ベース31A,
31Bの先端を短時間だけエッチング液に浸して微少量
溶かし、これにより押圧面36を図6において実線で示
す位置から破線で示す位置まで後退させる。この際、ダ
イヤモンド薄膜37の先端37aは溶けずに残り、その
結果として押圧面36から突出することになる。上記の
工程を採用するためには、ベース31A,31Bは、金
属で構成するのが好ましい。例えばベース31A,31
Bを銅で構成する場合には、エッチング液は硫酸溶液と
なる。
【0019】上記構成をなすスクライブ装置の作用を説
明する。図4に示すように、水平をなす設置台60に板
ガラス100(ワーク)を位置決めして水平にセット
し、カッタ30の下端を板ガラス100の上面に載せ
る。この状態で、カッタ30には板ガラス100の上面
に対する押圧力が常に付与されている。すなわち、上記
ボデイ10は、スライド支持機構3を介して移動台1に
スライド可能に支持されており、このボデイ10,ホル
ダ20,スライダ5の自重がカッタ30の板ガラス10
0への押圧力となる。このスライド支持機構3とボデイ
10とホルダ20とで押圧手段を構成し、振動アクチュ
エータ40と協働して、後述するようにカッタ30を板
ガラス100に押し付けながら振動を付与するための押
圧,振動付与手段を構成している。
【0020】上記のように、ボデイ10等の自重でカッ
タ30を板ガラス100の面に押し付けた状態で、スク
ライブを実行する。詳述すると、移動台1を移動させて
カッタ30を上記ダイヤモンド薄膜37と平行に板ガラ
ス100の面に沿って水平に移動させる。すなわち、図
1(A),図4において紙面と直交する方向に移動させ
る。これと同時に、ピエゾアクチュエータ40に高周波
電圧を印加させて、ピエゾアクチュエータ40を周期的
に伸縮させる。すると、この周期的伸縮に伴うホルダ2
0の振動がカッタ30を介して板ガラス100に伝達さ
れる。換言すれば、図7に示すように、カッタ30を介
して板ガラス100に付与される押圧力Pは、上記ボデ
イ10等の自重に起因する静圧P1を下限値とし、ピエ
ゾアクチュエータ40の振動に起因して周期的に変動す
る。したがって押圧力Pは、周期的に非常に大きな力と
なり、カッタ30の尖った下端を介して板ガラス100
に衝撃を付与することになり、図4に示すように垂直ク
ラックを有する刻線105を形成することができる。し
かし、静圧P1が小さいので、水平クラックの発生をほ
とんど皆無にすることができる。
【0021】なお、押圧力Pの周期、換言すればピエゾ
アクチュエータ40に印加する高周波電圧の周波数は、
3〜30KHz程度に設定し、ピエゾアクチュエータ4
0の伸縮量、つまり振幅は数μm〜20μm程度に設定
する。また、カッタ30の送り速度は、上の周波数を採
用する場合、100〜250mm/sec程度に設定す
るのがよい。
【0022】上記刻線105の形成工程において、カッ
タ30はボデイ10等の自重に伴う押圧力をもって常に
板ガラス100の面に接した状態であり、この面から瞬
間的に離れることがないので、刻線105の近傍の欠損
をなくし、きれいな刻線105を形成することができ
る。
【0023】特に、本実施形態のカッタ30を用いるこ
とにより、一層良好なスクライブ機能を発揮することが
できる。詳述すると、ダイヤモンド薄膜37の突出端3
7aが板ガラス100の面に入り込んで僅かな傷105
aを作り、この傷105aを起点として垂直クラック1
05bを形成する。このように、垂直クラック105b
の起点となる傷105aは、従来のダイヤモンド粒を用
いる場合に比べて、非常に僅かなものであるので、刻線
105の形成に際して屑を最小限にすることができる。
それにも拘わらず、この傷105aの両側に位置する一
対の押圧面36がガラス板100を押し付けた状態で振
動するので、深い垂直クラック105bを形成すること
ができる。
【0024】上記押圧面36は、ダイヤモンド薄膜37
の突出端37aによって形成された傷105aを広げる
役割を担うので、接合面35との交差角度Θは前述した
ように90°未満とするのが好ましい。傷105aの両
側の部位が互いに離れるように、押圧力を付与するため
である。なお、この交差角度Θは、前述したように60
°〜85°とするのが好ましい。ワークが柔らかい場合
には交差角度Θを狭くし、硬い場合には広くする。な
お、交差角度Θが60°より小さいと、押圧面36が傷
を形成する役割を担ってしまい、屑が出易くなる。また
交差角度Θが85°より大きいと、傷105aを起点と
して垂直クラック105bを形成する機能が低下する。
【0025】ダイヤモンド薄膜37の蒸着による形成
は、従来カッタにおけるダイヤモンド粒の加工と装着に
比べて容易であり、カッタ30の製造コストを低減させ
ることができる。カッタ30の板ガラス100に対する
相対的移動方向は、ダイヤモンド薄膜37と平行をなし
ているので、ダイヤモンド薄膜37の幅方向が刻線10
5の方向と一致することになる。そのため、ダイヤモン
ド薄膜37が幅を有していても、刻線105の形成の支
障にならない。
【0026】上記のようにして刻線105が形成された
板ガラス100は、エア圧を付与することにより、刻線
105に沿って破断することができる。この際、刻線1
05が深い垂直クラック105bを有しているので、破
断を容易にすることができる。
【0027】なお、この発明のスクライブ装置は上記の
実施形態に限定されるものでなく、適宜設計変更可能で
ある。例えば、図1において想像線で示すエアシリンダ
59(押圧手段)を備えていてもよい。このエアシリン
ダ59は、例えば移動台1に直接または取付板6を介し
て間接的に固定されており、そのロッド先端がスライダ
5に連結または当接されている。このエアシリンダ59
の駆動により、スライダ5ひいてはボデイ10をワーク
面に向けて付勢する。このエアシリンダ59を用いれ
ば、図1に示すボデイ10,ホルダ20を水平に倒し、
ワーク面を垂直にした状態でスクライブを行うこともで
きる。
【0028】また、上記実施形態において、ボデイ10
を支持する支持台1を水平移動させずに所定位置に固定
し、移動機構2を設置台60に連結して、この設置台6
0に設置された板ガラス100を移動させることによ
り、カッタ30を板ガラス100に対して相対的に移動
させてもよい。
【0029】図8,図9は、他の形態をなすカッタ70
を示す。カッタ70はほぼ直方体形状で互いに同一形状
をなす第1,第2のベース71A,71Bを備えてい
る。これらベース71A,71Bは、図8に想像線で示
すような完全な直方体形状ではなく、一端面が傾斜して
押圧面76となっており、細長い平坦な面の一つが接合
面75となっている。
【0030】上記ベース71Aには、図10,図11に
示すようにしてダイヤモンド薄膜77を蒸着する。詳述
すると、多数のベース71Aを、接合面75を上にして
設置台78に並べる。この際、第1ベース71Aの側面
同士を接するようにし、接合面75を面一にし、押圧面
76を面一にして露出する。
【0031】上記の状態で蒸着を行えば、接合面75
と、押圧面76と、押圧面の反対側の端面だけに蒸着が
なされ、両側面と、接合面75の反対側の面(下側の
面)に蒸着がされないので、効率良く蒸着を行うことが
できる。なお、押圧面76の反対側の端面を位置決め部
材79(図10において想像線で示す)に当てて露出を
避けることにより、蒸着効率をより一層向上させてもよ
い。
【0032】上記蒸着工程の後で、押圧面76に蒸着さ
れたダイヤモンド薄膜77をダイヤモンド研削装置で削
り落とし、その後で押圧面76をエッチングしてダイヤ
モンド薄膜77を押圧面から微少量突出させる。
【0033】図12はさらに他の形態をなすカッタ90
を示している。このカッタ90は、円盤形状をなしてホ
ルダ80に回転可能に支持されている。ホルダ80を介
してカッタ90に振動を付与する手段は図示を省略す
る。カッタ90は、互いに連結された第1,第2のベー
ス91A,91Bを有している。これらベース91A,
91Bは同一形状をなし、互いに当接する円形の接合面
95と、この接合面95と交差する環状の押圧面96と
を有している。押圧面96は、接合面95に対して60
〜85°で交差している。第1のベース91Aの接合面
95にはダイヤモンド薄膜97が形成されており、この
ダイヤモンド薄膜97の周縁は、ベース91A,91B
の押圧面96から微少量突出している。
【0034】上述した全ての実施形態では、ダイヤモン
ド薄膜を押圧面に対して微少量突出させたが、ダイヤモ
ンド薄膜の先端を押圧面と接合面の交差線と一致させて
もよい。この場合でも、上述した実施形態に比べて性能
が劣るものの、高硬度のダイヤモンド薄膜からワークに
振動エネルギーを付与することができる。また、スクラ
イブを継続して実行することにより、ベースを構成する
金属が微少量溶けて自然にダイヤモンド薄膜が微少量だ
け押圧面から突出することもある。また、第1,第2の
ベースの押圧面が、ダイヤモンド薄膜の近傍において、
面一をなしていてもよい。ベースを構成する金属として
は、超硬合金であってもよい。硬質皮膜は、上述した実
施形態のようにダイヤモンド薄膜が最も好ましいと考え
られるが、他の蒸着皮膜も用いることができる。ワーク
としては、板ガラスに限らず、セラミック製の板,シリ
コンウエハー等であってもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、スクライブ用カッタを安価に製造することがで
きるとともに、使用寿命を長くすることができる。ま
た、硬質皮膜がワーク面に僅かな傷を作り、第1,第2
のベースの押圧面でワークを押すことによりこの傷を起
点とする刻線を形成するので、屑の発生量を最小限にす
ることができるにも拘わらず、深い刻線を形成すること
ができる。請求項2の発明によれば、硬質皮膜を押圧面
から微少量突出させることにより、上記ワーク面への傷
形成を確実に行うことができる。請求項3の発明によれ
ば、押圧面と接合面のなす交差角度を90°未満とした
ので、刻線をより一層深くすることができる。請求項4
の発明によれば、押圧面と接合面のなす交差角度を60
°〜85°としたので、刻線をより一層深くすることが
できるとともに、屑の発生を確実に抑制することができ
る。請求項5の発明によれば、硬質皮膜としてダイヤモ
ンド薄膜を用いたので、ワークに確実に傷を形成し、ひ
いては刻線の形成を確実に行うことができる。請求項6
の発明によれば、第1ベースを接するように多数並べて
面一をなす接合面に硬質皮膜を蒸着することにより、硬
質皮膜を効率良く形成することができる。請求項7の発
明によれば、カッタをワーク面に押し付けながら振動を
付与することにより、上記特徴を有するカッタの機能を
最大限に生かすことができる。また、このカッタのワー
クに対する相対的移動方向を硬質皮膜と平行にしたの
で、硬質皮膜の幅が刻線形成の支障にならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一実施形態をなすスクライブ
装置の縦断面図であり、(B)は(A)図においてI方
向から見た要部正面図である。
【図2】同スクライブ装置に用いられるカッタの分解斜
視図である。
【図3】同カッタの斜視図である。
【図4】同カッタと、このカッタによって刻線を形成さ
れた板ガラスとを示す拡大断面図である。
【図5】図4におけるV部をさらに拡大して示す断面図
である。
【図6】カッタの製造方法を示す拡大断面図である。
【図7】カッタの板ガラスに対する押圧力を示す図であ
る。
【図8】本発明の他の実施形態をなすカッタの第1ベー
スの斜視図である。
【図9】同カッタの側面図である。
【図10】同第1ベースへのダイヤモンド薄膜蒸着の方
法を示す側面図である。
【図11】同蒸着方法を示す斜視図である。
【図12】本発明に係わるカッタのさらに他の実施形態
を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【符号の説明】
2 移動機構 30,70,90 カッタ 31A,71A,91A 第1ベース 31B,71B,91B 第2ベース 35,75,95 接合面 36,76,96 押圧面 37,77,97 ダイヤモンド薄膜(硬質皮膜) 40 ピエゾアクチュエータ(振動付与手段)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに連結される第1,第2のベースを
    備え、これらベースは、互いに当接する接合面と、この
    接合面と交差するとともにワーク面に当たる押圧面とを
    それぞれ有し、 上記第1ベースの接合面には硬質皮膜が形成されてい
    て、第1,第2のベースによって挟まれていることを特
    徴とするスクライブ用カッタ。
  2. 【請求項2】 上記硬質皮膜が、上記第1,第2のベー
    スの押圧面から微少量突出していることを特徴とする請
    求項1に記載のスクライブ用カッタ。
  3. 【請求項3】 上記第1,第2のベースにおいて、上記
    押圧面と接合面の交差角度が互いに等しく、90°未満
    であることを特徴とする請求項2に記載のスクライブ用
    カッタ。
  4. 【請求項4】 上記押圧面と接合面の交差角度が60°
    〜85°であることを特徴とする請求項3に記載のスク
    ライブ用カッタ。
  5. 【請求項5】 上記硬質皮膜がダイヤモンド薄膜からな
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のス
    クライブ用カッタ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載のスクライブ用カッ
    タを製造する方法において、上記第1ベースを多数接す
    るように並べ、これら多数の第1ベースの上記接合面を
    面一にして露出させ、この状態で、接合面に硬質皮膜を
    蒸着し、その後で、第1ベースをこれと同形状の第2ベ
    ースに接合したことを特徴とするスクライブ用カッタの
    製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載のカッタ
    と、 このカッタをワーク面に押し付けた状態でワーク面と交
    差する第1方向に振動を付与する押圧,振動付与手段
    と、 上記カッタを、ワーク面に沿うとともに上記硬質皮膜と
    平行をなす第2方向に、ワークに対して相対的に移動さ
    せる移動機構と、 を備えたことを特徴とするスクライブ装置。
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