JPH11198994A - 飲料分配装置用の洗浄水供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄水容器の内部に圧力を作用させることな
く、ガス圧力を使用して洗浄水を飲料分配装置の飲料抽
出経路の内部に送り込むことができる洗浄水供給装置を
提供する。 【解決手段】 本発明の洗浄水供給装置１は、ガス圧力
によって駆動される水ポンプ１１、口金部１２及び付属
配管類から構成される。水ポンプ１１のガス導入口１３
は、ガス導入管１４及び口金部１２に設けられたガス導
出継手２５を介してディスペンスヘッド６のガス導入口
６１に接続される。水ポンプ１１の液吐出口１７は、液
吐出管１８及び口金部１２に設けられた液導入継手２６
を介してディスペンスヘッド６の飲料導出口６２に接続
される。水ポンプ１１の液吸入口１５には液吸入管１６
が接続され、液吸入管１６の先端は洗浄水容器２の中に
浸漬される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、飲料貯蔵容器に収
容された生ビールなどの飲料をディスペンスヘッドを介
して抽出し、冷却してグラスなどに分配する飲料分配装
置の飲料抽出経路の内部を洗浄するために使用される洗
浄水供給装置に係る。

【０００２】

【従来の技術】近年、生ビール用の飲料分配装置は、適
温で美味な生ビールを手軽に提供できることから飲食店
に広く普及している。生ビール等の飲料分配装置では、
飲料分配装置の外部に接続される飲料の貯槽容器にディ
スペンスヘッドを装着する際、ディスペンスヘッドの先
端部付近が外気に触れるので、空気及び雑菌が飲料分配
装置の飲料抽出経路の内部に侵入することがある。特
に、生ビールの場合には、生ビールが栄養分を多く含ん
でいるので、飲料抽出経路の内部で雑菌が繁殖し易く不
衛生であり、また飲料の味を著しく損なう問題がある。

【０００３】このため、通常１日の営業が終了した後
に、飲料分配装置の中で生ビールが接触する飲料抽出経
路の内部に洗浄水を送り込んで飲料抽出経路の洗浄を行
い、汚染のない清潔な状態に維持する様にしている。

【０００４】この洗浄作業は、通常、以下の手順で行わ
れる。即ち、ディスペンスヘッドを生ビールの貯槽容器
から取外し、生ビールの貯槽容器の替わりに、洗浄水を
貯えた密閉式の洗浄水容器に装着する。次に、生ビール
の分配の際と同様に、ガスボンベから減圧弁を介して炭
酸ガスを洗浄水容器内に導入し、炭酸ガスの圧力を利用
して洗浄水容器内の洗浄水を飲料分配装置の飲料抽出経
路の内部へ送り出し、飲料抽出経路の内部を洗浄する。

【０００５】しかしながら、上記の様な洗浄方法は、洗
浄水の送り出しのために、飲料の分配の際と同様に炭酸
ガスの圧力を利用しているので、密閉式の洗浄水容器が
必要となる。更に、減圧弁の操作ミスや減圧弁の不良な
どの場合に、高圧の炭酸ガスが、直接、洗浄水容器の内
部に作用することになるので、洗浄水容器は、正常な設
置状態ではなくなり、甚だしきときは破損に至ることも
ある。

【０００６】この様な状態とならないために、洗浄水容
器の耐圧強度を十分に高くするか、あるいは、洗浄水容
器にリリーフバルブを取り付けて、所定値を超える圧力
が作用した場合にこのリリーフバルブを介して圧力を解
放する方法が取られている。しかし、耐圧強度を十分に
高くすることは、製造コストの増加及び重量の増加を招
くので、好ましくない。また、リリーフバルブを使用す
る場合には、時間の経過に伴ってリリーフバルブの作動
値が変動したり、正常動作を維持できなくなることもあ
るので、定期的な作動確認が必要となり、管理に手間が
掛かるという問題があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の様な
問題点に鑑み成されたもので、本発明の目的は、洗浄水
容器の内部に圧力を作用させることなく、ガス圧力を使
用して洗浄水を飲料分配装置の飲料抽出経路の内部に送
り込むことができる洗浄水供給装置を提供することにあ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の飲料分配装置用
の洗浄水供給装置は、ディスペンスヘッドを介して飲料
貯蔵容器に接続され、飲料貯蔵容器から飲料を抽出して
分配する飲料分配装置の飲料抽出経路の内部を洗浄する
ために使用される洗浄水供給装置であって、ガス圧力に
よって駆動される水ポンプと、この水ポンプのガス導入
口に、前記ディスペンスヘッドのガス導入口を接続する
ガス導入経路と、この水ポンプの液吐出口に、前記ディ
スペンスヘッドの飲料導出口を接続する液吐出経路と、
この水ポンプの液吸入口に、洗浄水容器から洗浄水を供
給する液吸入経路と、を備えたことを特徴とする。

【０００９】本発明の飲料分配装置用の洗浄水供給装置
によれば、洗浄水容器の中に貯えられた洗浄水を、ガス
圧力で作動する水ポンプを使用して吸引し、ディスペン
スヘッドを介して飲料分配装置の飲料抽出経路の内部に
送り込むことができるので、洗浄水容器として気密性を
備えた圧力容器を使用する必要がない。従って、何等か
の異常によりガス圧力が上昇しても、洗浄水容器を破損
させることがない。また、洗浄水容器として開放型の容
器を使用することができるので、洗浄水容器自体の洗浄
作業も容易に行うことができる。

【００１０】なお、上記の水ポンプを作動させるための
ガス圧力の供給源としては、飲料の貯槽容器から飲料を
抽出してグラスなどに分配する際に使用されるものと同
一の供給源（通常は炭酸ガスボンベ）を使用することが
できる。

【００１１】好ましくは、前記洗浄水供給装置に、前記
ディスペンスヘッドが装着される口金部を設け、この口
金部に前記ディスペンスヘッドを装着して前記デペンス
ヘッドの開閉ハンドルを開側に操作することによって、
前記ディスペンスヘッドのガス導入口が前記ガス導入経
路に接続されるとともに、前記ディスペンスヘッドの飲
料導出口が前記液吐出経路に接続される様に構成する。

【００１２】この様な口金部を設けることによって、前
記洗浄水供給装置へのディスペンスヘッドの装着が容易
になるとともに、ディスペンスヘッドの開閉ハンドルを
操作することによって、ディスペンスヘッドの内部のガ
ス流路及び液流路の開放及び遮断の切り替えと同時に、
ディスペンスヘッドの内部のガス流路及び液流路が、洗
浄水供給装置の内部に設けられた前記ガス導入経路及び
前記液吐出経路にそれぞれ接続されるので、ディスペン
スヘッド及び飲料分配装置の飲料抽出経路の内部の洗浄
作業に要する時間を短縮することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１に、本発明の基づく洗浄水供
給装置を使用して、飲料分配装置の飲料抽出経路の内部
の洗浄作業を行う際の全体構成を示す。図中、１は本発
明の基づく洗浄水供給装置、２は洗浄水容器、５は飲料
分配装置、６はディスペンスヘッド、７は炭酸ガスボン
ベ、１１は水ポンプ、１２は口金部、１３はガス導入
口、１４はガス導入管（ガス導入経路）、１５は液吸入
口、１６は液吸入管（液吸入経路）、１７は液吐出口、
１８は液吐出管（液吐出経路）を表す。

【００１４】飲料分配装置５は、内部に冷却水槽５１を
備え、この冷却水槽５１の中に、細管をコイル状に加工
して形成された飲料冷却管５３が浸漬されている。飲料
抽出経路５６は、飲料ホース５２、飲料冷却管５３、注
出コック５４などから構成され、飲料ホース５２の先端
（上流側）は、ディスペンスヘッド６の液導出口の先端
（下流側）に接続される。

【００１５】なお、生ビール等の分配作業を行う場合に
は、ディスペンスヘッド６に、図中の洗浄水供給装置１
に代って、生ビールの貯槽容器（図示せず）が接続され
る。この場合、ディスペンスヘッド６を介して生ビール
の貯槽容器から抽出された生ビールは、飲料ホース５２
を通って飲料冷却管５３に導入され、その外周から冷却
水によって冷却された後、注出コック５４を介してグラ
ス等の容器に分配される。

【００１６】炭酸ガスボンベ７は、減圧弁７１及びガス
ホース７２を介してディスペンスヘッド６のガス導入口
の先端（上流側）に接続される。炭酸ガスボンベ７は、
生ビールの分配作業を行う際には、生ビールの貯槽容器
の内部にガス圧力を掛けるために使用される。

【００１７】洗浄水供給装置１は、ガス圧力によって駆
動される水ポンプ１１、ディスペンスヘッド６が装着さ
れる口金部１２、及び付属配管などから構成される。口
金部１２は、ディスペンスヘッド６のガス導入口６１
（後述）を介して導入されたガスを水ポンプ１１側へ送
り出すガス導出継手２５（後述）を備え、このガス導出
継手２５は、ガス導入管１４を介して水ポンプ１１のガ
ス導入口１３に接続されている。また、口金部１２は、
水ポンプ１１から吐出された洗浄液をディスペンスヘッ
ド６の飲料導出口６２（後述）へ送り出す液導入継手２
６（後述）を備え、この液導入継手２６は、液吐出管１
８を介して水ポンプ１１の液吐出口１７に接続されてい
る。水ポンプ１１の液吸入口１５には、液吸入管１６が
接続され、液吸入管１６の先端は洗浄水容器２の中に浸
漬されている。

【００１８】図２に、ディスペンスヘッド６、及び洗浄
水供給装置１の口金部１２の構造の詳細を示す。ディス
ペンスヘッド６は、ディスペンスヘッド本体６７、飲料
導出管６５、開閉ハンドル６３などから構成される。飲
料導出管６５の内部が飲料導出口６２となり、飲料導出
管６５の先端（下流側）に飲料ホース５２が接続され
る。ディスペンスヘッド本体６７の側面に設けられた枝
管６８の内部がガス導入口６１となり、枝管６８の先端
（上流側）にガスホース７２が接続される。飲料導出管
６５の外周の一部には細径溝部６６が形成されており、
この細径溝部６６とディスペンスヘッド本体６７との間
の環状の空間がガスが流れる経路となっている。開閉ハ
ンドル６３の先端は、ピン６４を介して飲料導出管６５
に結合されており、開閉ハンドル６３を操作することに
より、飲料導出管６５がディスペンスヘッド本体６７の
内部で上下方向に移動するとともに、ディスペンスヘッ
ド６の内部のガス経路及び飲料経路の開放及び遮断が行
われる。

【００１９】一方、口金部１２は、口金本体２２、液導
入継手２６、スプリング２８などから構成される。口金
本体２２の側面にはガス導出継手２５が設けられてい
る。飲料導入継手２６の内部が飲料の導出経路となり、
飲料導入継手２６の先端（上流側）に水ポンプ１１（図
１）の液吐出管１８が接続される。口金本体６７の側面
に設けられたガス導出継手２５の先端（下流側）に水ポ
ンプ１１（図１）のガス導入管１４が接続され、口金本
体２２と液導入継手２６との間の環状の空間２９がガス
流れる経路となっている。

【００２０】口金部１２にディスペンスヘッド６を装着
すると、ディスペンスヘッド本体６７の先端のフランジ
部が６９が、口金本体２２の先端に設けられた突起部２
３によって押さえられ、ディスペンスヘッド６が固定さ
れる。この時、ディスペンスヘッド本体６７の先端に装
着された大径パッキン２４によって、ディスペンスヘッ
ド本体６７と口金本体２２との接合部の気密性が確保さ
れる。

【００２１】また、開閉ハンドル６３を操作することに
より、飲料導出管６５が下方へ移動し、飲料導出管６５
が口金部１２の液導入継手２６に接合される。なお、こ
の液導入継手２６はスプリング２８により上方へ押し上
げられており、飲料導出管６５の先端（上流側）にはシ
ールパッキン２７が装着されている。これらのスプリン
グ２８及びシールパッキン２７によって、飲料導出管６
５と液導入継手２６との接合部の気密性が確保される。

【００２２】次に、この洗浄水供給装置１を用いて飲料
分配装置５の飲料抽出経路５６の内部を洗浄する作業に
ついて説明する（図１及び図２参照） 先ず、洗浄水９を洗浄水容器２に貯え、洗浄水供給装置
１の水ポンプ１１の液吸入口１５に接続された液吸入管
１６の先端を洗浄水９の中に浸漬する。次に、生ビール
の貯槽容器（図示せず）に装着されているディスペンス
ヘッド６の開閉ハンドル６３を操作して、ディスペンス
ヘッド６の内部のガス経路及び飲料経路を遮断した後、
ディスペンスヘッド６を生ビールの貯槽容器から取り外
す。

【００２３】次に、このディスペンスヘッド６を洗浄水
供給装置１の口金部１２へ装着する。ディスペンスヘッ
ド６の開閉ハンドル６３を操作して、ディスペンスヘッ
ド６の飲料導出管６５を口金部１２の液導入継手２６に
接続する。これにより、炭酸ガスボンベ７内の炭酸ガス
８が、減圧弁７１、ガスホース７２、ディスペンスヘッ
ド６内のガス経路６１及び６６、口金１２内のガス経路
２９、ガス導入管１４を順に介して、水ポンプ１１のガ
ス導入口１３に導入される。このガス圧力により水ポン
プ１１が作動を開始し、洗浄水貯液容器２内の洗浄水９
を液吸入管１６側から吸入して、液吐出管１８側へ吐出
する。液吐出管１８側へ吐出された洗浄水は、液導入継
手２６、飲料導出管６５及び飲料ホース５２を通って、
飲料冷却管５３内へ送り出されるが、飲料冷却管５３の
端部に設けられている注出コック５４が閉じられている
ので、洗浄水の圧力が上昇し、水ポンプ１１の駆動用の
ガス圧力にバランスする圧力まで上昇したところで水ポ
ンプ１１が、一旦、停止する。

【００２４】次に、飲料分配装置５の注出コック５４を
開くと、飲料抽出経路５６内に送り込まれた洗浄水が注
出コック５４から排出され、水ポンプ１１の駆動用のガ
ス圧力と洗浄水の圧力とのバランスがくずれ、水ポンプ
１１が再び作動を開始する。これによって、洗浄水容器
２内の洗浄水９は、水ポンプ１１、口金部１２、ディス
ペンスヘッド６を順に通って、飲料ホース５２内に送り
出され、飲料冷却管５３の内部を通って、注出コック５
４から飲料分配装置５の外部へ排出される。

【００２５】この様にして、生ビールが接触する部分に
該当するディスペンスヘッド６及び飲料分配装置５の中
の飲料抽出経路５６の内部の洗浄作業が行われる。この
様な洗浄作業の途中において、減圧弁７１の調圧操作ミ
スあるいは不具合などによりガス圧力が上昇しても、洗
浄水容器２にはガス圧力が作用しないので、洗浄水容器
２を破裂させる危険がない。また、洗浄水容器２には気
密性が要求されないので、開放型の容器を使用すること
ができる。従って、洗浄水容器２自体の洗浄作業も容易
になる。なお、この洗浄水供給装置１は、飲料分配装置
５の駆体の内部に配置することもできる。

【００２６】

【発明の効果】本発明の浄水供給装置によれば、ガス圧
力で作動する水ポンプを使用して、洗浄水をディスペン
スヘッド及び飲料分配装置の内部の飲料抽出経路内に送
り込むことができるので、洗浄水容器として気密性を備
えた圧力容器を使用する必要がない。従って、何等かの
異常によりガス圧力が上昇しても、洗浄水容器を破損に
至らせることがない。更に、洗浄水容器として開放型の
容器を使用することができるので、洗浄水容器自体の洗
浄作業も容易になる。従って、本発明の洗浄水供給装置
によれば、ディスペンスヘッド及び飲料分配装置の内部
の飲料抽出経路内の洗浄作業の安全性を高めるととも
に、洗浄作業に要する手間を大幅に軽減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の基づく洗浄水供給装置を使用して、飲
料分配装置の飲料抽出経路の内部の洗浄作業を行う際の
全体構成を示す図。

【図２】本発明に基づく洗浄水供給装置の口金部にディ
スペンスヘッドを装着した時の状態を示す断面図。

【符号の説明】

１・・・洗浄水供給装置、２・・・洗浄水容器、５・・
・飲料分配装置、６・・・ディスペンスヘッド、７・・
・炭酸ガスボンベ、８・・・炭酸ガス、９・・・洗浄
水、１１・・・水ポンプ、１２・・・口金部、１３・・
・ガス導入口、１４・・・ガス導入管（ガス導入経
路）、１５・・・液吸入口、１６・・・液吸入管、１７
・・・液吐出口、１８・・・液吐出管（液吐出経路）、
２２・・口金本体、２３・・・突起部、２４・・・大径
パッキン、２５・・・ガス導出継手（ガス導入経路）、
２６・・・液導入継手（液吐出経路）、２７・・・シー
ルパッキン、２８・・・スプリング、２９・・・環状の
空間（ガス経路）、５１・・・冷却水槽、５２・・・飲
料ホース、５３・・・飲料冷却管、５４・・・注出コッ
ク、５６・・・飲料抽出経路、６１・・・ガス導入口、
６２・・・飲料導出口、６３・・・開閉ハンドル、６４
・・・ピン、６５・・・飲料導出管、６６・・・細径溝
部（ガス経路）、６７・・・ディスペンスヘッド本体、
６８・・・枝管、６９・・・フランジ部、７１・・・減
圧弁、７２・・・ガスホース。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスペンスヘッドを介して飲料貯蔵容
   器に接続され、飲料貯蔵容器から飲料を抽出して分配す
   る飲料分配装置の飲料抽出経路の内部を洗浄するために
   使用される洗浄水供給装置であって、 ガス圧力によって駆動される水ポンプと、 この水ポンプのガス導入口に、前記ディスペンスヘッド
   のガス導入口を接続するガス導入経路と、 この水ポンプの液吐出口に、前記ディスペンスヘッドの
   飲料導出口を接続する液吐出経路と、 この水ポンプの液吸入口に、洗浄水容器から洗浄水を供
   給する液吸入経路と、 を備えたことを特徴とする飲料分配装置用の洗浄水供給
   装置。
2. 【請求項２】 前記ディスペンスヘッドが装着される口
   金部を備え、 この口金部に前記ディスペンスヘッドを装着して前記デ
   ペンスヘッドの開閉ハンドルを開側に操作することによ
   って、前記ディスペンスヘッドのガス導入口が前記ガス
   導入経路に接続されるとともに、前記ディスペンスヘッ
   ドの飲料導出口が前記液吐出経路に接続される様に構成
   されていることを特徴とする請求項１に記載の飲料分配
   装置用の洗浄水供給装置。