JPH1119845A - 切削機における切り粉飛散防止用カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転する切削円盤にワークが接触しながら移
動する切削機において、切り粉等の飛散を完全に防止す
ることができるようにする。 【解決手段】 切削機本体上に固定され、切削円盤１ａ
・１ｂを覆う固定カバー２と、ワーク台上に設けられた
第１および第２移動カバー３・４とよりなり、固定カバ
ー２は、上下壁５・６、両側壁７・８、後壁９および前
開口部１１よりなり、且つ前開口部１１から両切削円盤
１ａ・１ｂの一部が出るように設けられ、下壁６には両
切削円盤１ａ・１ｂの前方まで伸びる延長部６ａが設け
られ、右側壁８にも下壁６の延長部６ａと同じ突出幅の
延長部８ｂが設けられており、第１移動カバー３は、ワ
ーク台上の上下のクランプ１２ａ〜１２ｄの左後側に設
けられ、ワーク台の右方への移動に伴って固定カバー２
の前開口部１１を塞ぎつつ移動するものであり、第２移
動カバー４は透明な板状であって、下面に上クランプ１
２ａ・１２ｃが一体に設けられ、ワーク台の移動に伴っ
て固定カバー２の上壁５の上側を移動するように設けら
れている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転する切削円盤
にワークが接触しながら移動する切削機における切り粉
飛散防止用カバーに関する。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】図４に示すように、例
えば棒状ワーク(51)の先端部の上側および下側に平面部
(52)を切削加工する場合、回転軸(53)の下端部に所定間
隔をあけて取付けられた２枚の切削円盤(54)間に、ワー
ク台に固定されたワーク(51)の先端部を両切削円盤(54)
と接触した状態で通過させるが、この際、切り粉や切削
油が周辺に飛散することから、カバーを設ける必要があ
る。

【０００３】しかしながら、図５に示すように、切削円
盤(54)に対してワーク(51)が矢印方向に移動するため、
従来、カバーはワーク(51)の先端部より切削円盤(54)側
の斜線範囲内に設けられていた。この場合、斜線範囲か
ら出たワーク(51)側はまったくカバーがないため、かな
りの切り粉等が飛散するのが実情であった。

【０００４】本発明の目的は、回転する切削円盤にワー
クが接触しながら移動する切削機において、切り粉等の
飛散を完全に防止することができる切り粉飛散防止用カ
バーを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、切削機本体上
に固定され、回転する切削部材を覆う固定カバーと、切
削部材の前方で左右方向に移動するワーク台上に設けら
れた、第１および第２移動カバーとよりなり、固定カバ
ーは、上下壁、両側壁、後壁および前開口部よりなり、
且つ前開口部から切削部材の一部が出るように設けら
れ、下壁には切削部材の前方まで伸びる延長部が設けら
れ、右側壁にも下壁の延長部と同じ突出幅の延長部が設
けられており、第１移動カバーは、ワーク台上の上下の
クランプ部材の左後側に設けられ、ワーク台の右方への
移動に伴って固定カバーの前開口部を塞ぎつつ移動する
ものであって、ワーク台の移動に伴って固定カバーの上
壁の上側を移動する上壁と固定カバーの下壁の下側を移
動する下壁と上下壁の前端間に設けられ且つ固定カバー
の前開口と対向する開口対向壁とを備えており、第２移
動カバーは透明な板状であって、下面に上側クランプ部
材が一体に設けられ、ワーク台の移動に伴って固定カバ
ーの上壁の上側を移動するように設けられているもので
ある。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書において、
上下、前後および左右は、図２を基準をとし、上とは図
２の図面紙葉の表側を、下とは同裏側を示し、前とは図
２の下側を、後とは同図の上側を示し、左とは図２の左
側を、右とは同図右側を示すものとする。

【０００７】図１〜図３において、切削機本体上に固定
され、上下２枚の切削円盤(1a)(1b)を覆う固定カバー
(2) と、両切削円盤(1a)(1b)の前側で左右方向に移動す
るワーク台上に設けられた、第１および第２移動カバー
(3) (4) とよりなり、固定カバー(2) は上下壁(5) (6)
、両側壁(7)(8)、後壁(9) および前開口(11)とを備え
ている。

【０００８】第１移動カバー(3) は、ワーク台上のワー
ククランプ(12)の左後側に設けられ、ワーク台の右方へ
の移動に伴って固定カバー(2) の前開口(11)を塞ぎつつ
移動するものであって、ワーク台の移動に伴って固定カ
バー(2) の上壁(5) の上側を移動する上壁(13)と固定カ
バー(2) の下壁(6) の下側を移動する下壁(14)と上下壁
(13)(14)の前端間に設けられ且つ固定カバー(2) の前開
口(11)と対向する開口対向壁(15)とを備えている。

【０００９】切削部(1) は、上述した上下２枚の切削円
盤(1a)(1b)よりなり、矢印Ａ方向に回転する回転軸(16)
の下端部に取付けられている。

【００１０】固定カバー(2) の上壁(5) には上記回転軸
(16)を通す透孔(17)が設けられ、また上壁(5) の前縁(5
a)はワーク台の移動方向（矢印Ｂ方向）と平行であっ
て、切削部(1) の前側の手前まで伸びている。

【００１１】固定カバー(2) の下壁(6) は、切削部(1)
における切り粉を受けるように、切削部(1) の前方まで
伸びる延長部(6a)を有すると共に該延長部(6a)の左側に
傾斜部(6b)が設けられている。

【００１２】固定カバー(2) の右側壁(8) にも、上記下
壁(6) の延長部(6a)と同じ突出幅の延長部(8b)が設けら
れ、延長部(8b)にはワーク(W) を通す凹形切欠部(8a)が
形成されている。

【００１３】固定カバー(2) の左側壁(7) はその幅中央
部から斜め前側右方へ傾斜した前側傾斜部(7b)を有し、
前側傾斜部(7b)の前縁はワーク台上のワーク(W) 先端位
置の手前まで伸びており、また左側壁(7) の幅中央部か
ら後側部(7a)には集塵機の吸引ダクト(18)が接続されて
いる。

【００１４】また、固定カバー(2) の上壁(5) 、下壁
(6) および後壁(9) は、それぞれ切削部(1) から左方へ
伸び、これら各壁(5)(6)(9) と左側壁(7) とによって、
矢印Ａ方向に回転する切削円盤(1a)(1b)の切り粉が集塵
機の吸引ダクト(18)へ吸い込まれるためのホッパ部(2a)
が形成されている。

【００１５】第１移動カバー(3) の上壁(13)および下壁
(14)はそれぞれ固定カバー(2) の下壁(6) の延長部(6a)
およびその傾斜部(6b)にそれぞれ対応する広幅部(13a)
(14a)および傾斜部(13b)(14b)を備えており、また開口
対向壁(15)も上記固定カバー(2) の延長部(6a)に対応す
る延長対応部(15a) と固定カバー(2) の傾斜部(6b)に対
応する傾斜対応部(15b) を備えている。

【００１６】ワーククランプ(12)は、上下に対向するブ
ロック状クランプ(12a)(12b)と板状クランプ(12c)(12d)
とよりなり、上側のブロック状クランプ(12a) および板
状クランプ(12c) は、それぞれ方形板状の第２移動カバ
ー(4) の下面に設けられ、下側のブロック状クランプ(1
2b) および板状クランプ(12d) はワーク台上に設けら
れ、また板状クランプ(12d) は上記第１移動カバー(3)
と一体構成となされている。そして、第２移動カバー
(4) はワーク台の移動に伴って固定カバー(2) の上壁
(5) の上側を移動する。

【００１７】本実施形態の切り粉飛散防止用カバーによ
れば、ワーク(W) をワーククランプ(12)に固定した上、
図２に示すように、固定カバー(2) の左側壁(7) の前側
傾斜部(7b)と第１移動カバー(3) の開口対向壁(15)の傾
斜対応部(15b) とがつながるようにワーク台の位置を調
整した後、切削円盤(1a)(1b)を回転させつつ、ワーク台
を右方（矢印Ｂ方向）へ移動する。この際、切削円盤(1
a)(1b)によって切削されるワーク(W) の切り粉の大部分
は、固定カバー(2) のホッパ部(2a)へ飛んで即座に集塵
機の吸引ダクト(18)内へ吸い込まれる。また、固定カバ
ー(2) の前開口(11)へ飛ぶ切り粉は、前開口(11)を塞ぐ
第１移動カバー(3) の内面に当たって固定カバー(2) の
ホッパ部(2a)へはね返り、吸引ダクト(18)内へ吸い込ま
れる。

【００１８】この他、上記切削加工時において、切り粉
がワーククランプ(12)上方へ飛ぶ場合でもこの切り粉が
第２移動カバー(4) 内面に当たるため、ワーク台および
その周辺に切り粉が飛散することはない。

【００１９】そして、図３に示すように、ワーク(W) の
先端部が切削部(1) の上下の切削円盤(1a)(1b)間を通過
してワーク(W) の切削加工が終了する時に、第１移動カ
バー(3) の開口対向壁(15)における傾斜対応部(15b) 内
面が固定カバー(2) の下壁(6) の傾斜部(6b)に当接して
ワーク台が停止される。

【００２０】本実施形態では、第１移動カバー(3) の右
側壁(8) の延長部(8b)にワーク(W)を通す凹形切欠部(8
a)が形成されているが、右側壁(8) が、切削完了後のワ
ーク(W) の右側停止位置よりも更に右側に位置する場合
には、凹形切欠部(8a)を設けなくても良いことは勿論で
ある。

【００２１】また、本実施形態では、ワーク(W) の先端
部を切削部(1) の上下の切削円盤(1a)(1b)間に通してワ
ーク(W) の先端部の上側および下側に平面部を設ける場
合について述べたが、回転する切削部材にワークが接触
しながら移動する種々の切削機における切り粉の飛散防
止にも用いることができる。

【００２２】

【発明の効果】本発明の切り粉飛散防止用カバーは、切
削刃部に設けられた固定カバーの他に、従来設けられて
いなかったワーク台側にもワーク台の移動に伴って固定
カバーの開口を塞ぎつつ移動する第１移動カバーおよび
ワーククランプの上方を覆う第２移動カバーを有するた
め、ワークの切り粉が切削機周辺に飛散するのが確実に
防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す分解斜視図である。

【図２】同実施形態におけるワーク切削前の状態を示す
平面図である。

【図３】同実施形態におけるワーク切削後の状態を示す
平面図である。

【図４】従来例を示す斜視図である。

【図５】従来例を示す平面図である。

【符号の説明】

(1a)(1b)： 切削円盤 (2) ： 固定カバー (3) ： 第１移動カバー (4) ： 第２移動カバー (5) ： 固定カバーの上壁 (6) ： 固定カバーの下壁 (6a)： 下壁延長部 (7) ： 固定カバーの左側壁 (8) ： 固定カバーの右側壁 (8b)： 右側壁延長部 (9) ： 固定カバーの後壁 (11)： 前開口 (12)： クランプ (13)： 第１移動カバーの上壁 (14)： 第１移動カバーの下壁 (15)： 開口対向壁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 切削機本体上に固定され、回転する切削
   部材を覆う固定カバーと、切削部材の前方で左右方向に
   移動するワーク台上に設けられた、第１および第２移動
   カバーとよりなり、固定カバーは、上下壁、両側壁、後
   壁および前開口部よりなり、且つ前開口部から切削部材
   の一部が出るように設けられ、下壁には切削部材の前方
   まで伸びる延長部が設けられ、右側壁にも下壁の延長部
   と同じ突出幅の延長部が設けられており、第１移動カバ
   ーは、ワーク台上の上下のクランプの左後側に設けら
   れ、ワーク台の右方への移動に伴って固定カバーの前開
   口部を塞ぎつつ移動するものであって、ワーク台の移動
   に伴って固定カバーの上壁の上側を移動する上壁と固定
   カバーの下壁の下側を移動する下壁と上下壁の前端間に
   設けられ且つ固定カバーの前開口と対向する開口対向壁
   とを備えており、第２移動カバーは透明な板状であっ
   て、下面に上クランプが一体に設けられ、ワーク台の移
   動に伴って固定カバーの上壁の上側を移動するように設
   けられている、切削機における切り粉飛散防止用カバ
   ー。