JPH11198400A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH11198400A
JPH11198400A JP466198A JP466198A JPH11198400A JP H11198400 A JPH11198400 A JP H11198400A JP 466198 A JP466198 A JP 466198A JP 466198 A JP466198 A JP 466198A JP H11198400 A JPH11198400 A JP H11198400A
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JP
Japan
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ink
head
drive
recording apparatus
jet recording
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Pending
Application number
JP466198A
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English (en)
Inventor
Taeko Murai
妙子 村井
Shuzo Matsumoto
修三 松本
Mitsuyoshi Fujii
光美 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡排出を確実に行えない。 【解決手段】 回復動作を行うときに、圧電素子PZT
に対して選択的に非吐出駆動波形SBiを与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関し、特にヘッドの信頼性維持回復機構を有するイン
クジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッドを用いて画像を記
録するプリンタ、ファクシミリ、コピー等のインクジェ
ット記録装置は、インク滴を吐出するための複数のノズ
ルと、各ノズルが連通するインク液室(加圧液室)と、
各加圧液室に対応して設けた電気機械変換素子や電気熱
変換体などのエネルギー発生手段(アクチュエータ素
子)とを備えたインクジェットヘッドを記録ヘッドに用
いて、記録信号に応じてノズルからインク滴を記録媒体
(インク滴が付着するものの意味で用いる。)に吐出す
ることによって画像を記録する。
【0003】そのため、インクジェットヘッドにおいて
は、インク滴が吐出される際に加圧液室内、特にノズル
近傍に気泡が滞留しているような場合には、インク滴の
吐出特性、例えばインク滴吐出速度Vjが変動したり、
インク滴の噴射方向の曲り等が発生して、画質が劣化す
ることになる。このヘッド内の気泡は、畜熱によってイ
ンク液室内に発生した微小な気泡や、インクタンク(イ
ンクカートリッジ)やインクを供給するためのチューブ
を介してインク液室内に流れ込んできた気泡が、環境温
度の変化等によって成長し、インク液室内に滞留してし
まうものと考えられる。
【0004】また、インクジェットヘッドにおいては、
気泡だけでなく、ヘッドの吐出面に紙カス、ホコリ、あ
るいはインクが付着するなどして吐出口が目詰まりを起
こすと、インク滴を吐出できなくなったり、吐出された
インク滴の方向が曲ってしまって画像品質が低下するこ
とになる。
【0005】そこで、一般に、インクジェット記録装置
においては、記録ヘッドに付着した異物を除去したり、
目詰りを起こした記録ヘッドの動作を回復させるため
に、ヘッドの信頼性を維持回復する維持回復機構を備え
るようにしている(例えば、特公平7−50204号公
報、特開平7−47679号公報、特開平7−1010
85号公報、特開平7−13207号公報、特開平7−
137268号公報、特開平7−17196号公報、特
開平7−81085号公報等参照)。
【0006】このようなヘッドの信頼性維持回復機構と
しては、ヘッドの吐出面をワイピングするワイピング手
段と、ヘッドをキャッピングするキャップ手段と、キャ
ップ手段内を吸引するための吸引ポンプを備えている。
そして、ヘッドの吐出面をキャップ手段で密封し、吸引
ポンプによってキャップ手段内を負圧することでヘッド
の吐出口(ノズル)からインクを強制的に吸引して目詰
り等を除去すると共に、インクに含まれている気泡を排
出する。また、ヘッドの吐出面をゴム等の弾性材からな
るブレードでワイピングして吐出面に付着した異物を除
去する。
【0007】ところが、このようなヘッドの信頼性維持
回復機構によってインク液室内の気泡を確実に排出する
ための吸引等を頻繁に行わなければならず、実際の記録
以外に消費されるインク量が増加して、記録装置のラン
ニングコストが高くなる。
【0008】そこで、気泡排出動作のみを行うようにし
たものとして、例えば特開平4−219253号公報に
記載されているように、気泡を排出しようとするインク
路を除いた隣接するインク路に対応するエネルギー発生
手段を駆動するようにしたもの、特開平4−35514
3号公報に記載されているように、高周波圧力発生機構
を備えて、インク滴を吐出することなく高周波圧力を加
えて圧力室(インク液室)の気泡を移動させようとする
ものなどが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように気泡を排出しようとするインク路を除いた隣接
するインク路に対応するエネルギー発生手段を駆動した
り、高周波圧力発生機構を備えてインク液室に高周波圧
力を加えても、インク液室の気泡を確実に除去すること
は実際上困難である。
【0010】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、少ないインク消費量で確実に気泡を除去すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェット記録装置は、インク滴を
吐出する複数のノズルと、各ノズルが連通する複数のイ
ンク液室と、各インク液室内のインクを加圧して前記ノ
ズルからインク滴を吐出させるためのエネルギーを発生
する複数のエネルギー発生手段とを有するヘッドを備え
たインクジェット記録装置において、前記ヘッドの吐出
回復動作時に前記複数のエネルギー発生手段に対して選
択的に駆動波形を与える構成とした。
【0012】請求項2のインクジェット記録装置は、上
記請求項1のインクジェット記録装置において、前記エ
ネルギー発生手段に対して与える駆動波形はインク滴を
吐出しない程度の駆動波形である構成とした。
【0013】請求項3のインクジェット記録装置は、上
記請求項1又は2のインクジェット記録装置において、
前記ヘッドは複数のインク液室を平行に配置したもので
ある構成とした。
【0014】請求項4のインクジェット記録装置は、上
記請求項1乃至3のいずれかのインクジェット記録装置
において、前記複数のノズルの内の奇数番目ノズルと偶
数番目ノズルに対応するエネルギー発生手段に対して交
互に前記駆動波形を与える構成とした。
【0015】請求項5のインクジェット記録装置は、上
記請求項1乃至4のいずれかのインクジェット記録装置
において、前記エネルギー発生手段に与えるインク滴を
吐出しない程度の駆動波形はインク滴を吐出させる駆動
波形の駆動周波数と同じ周波数である構成とした。
【0016】請求項6のインクジェット記録装置は、上
記請求項1乃至5のいずれかのインクジェット記録装置
において、前記エネルギー発生手段に選択的に駆動波形
を与えるときに吸引又は加圧によって前記ノズルからイ
ンクを排出させる回復動作を行う構成とした。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るインクジ
ェット記録装置の機構部の概略図である。このインクジ
ェット記録装置の機構部は、両側の側板1,2間に主支
持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4を略水平な
位置関係で横架し、これらの主支持ガイドロッド3及び
従支持ガイドロッド4でキャリッジ5を主走査方向に摺
動自在に支持している。
【0018】キャリッジ5には、それぞれイエロー
(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)イ
ンク、ブラック(Bk)インクをそれぞれ吐出する4個
のヘッド6y,6m,6c,6kを、その吐出面(ノズ
ル面)6aを下方に向けて搭載し、またキャリッジ5に
はヘッド6(符号「6」は、「6y,6m,6c,6
k」のいずれか又は総称である。)の上側に4個のヘッ
ド6に各々インクを供給するための各色のインク供給体
である4個のインクカートリッジ7y,7m,7c,7
kを交換可能に搭載している。
【0019】そして、キャリッジ5は主走査モータ8で
回転される駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)9と従
動プーリ(アイドラプーリ)10との間に張装したタイ
ミングベルト11に連結して、主走査モータ8を駆動制
御することによってキャリッジ5、即ち4個のヘッド6
を主走査方向に移動するようにしている。
【0020】また、側板1,2をつなぐ底板12上にサ
ブフレーム13,14を立設し、このサブフレーム1
3,14間に用紙16を主走査方向と直交する副走査方
向に送るための搬送ローラ15を回転自在に保持してい
る。そして、サブフレーム14側方に副走査モータ17
を配設し、この副走査モータ17の回転を搬送ローラ1
5に伝達するために、副走査モータ17の回転軸に固定
したギヤ18と搬送ローラ15の軸に固定したギヤ19
とを備えている。
【0021】さらに、側板1とサブフレーム12との間
には、ヘッド6の信頼性維持回復機構(以下、「サブシ
ステム」という。)21を配置している。サブシステム
21は、各ヘッド6の吐出面をキャッピングする4個の
キャップ手段22をホルダ23で保持し、このホルダ2
3をリンク部材24で揺動可能に保持して、キャリッジ
5の主走査方向の移動でホルダ23に設けた係合部25
にキャリッジ5が当接することで、キャリッジ5の移動
に従ってホルダ23がリフトアップしてキャップ手段2
2でヘッド6の吐出面6aをキャッピングし、キャリッ
ジ5が印写領域側へ移動することで、キャリッジ5の移
動に従ってホルダ23がリフトダウンしてキャップ手段
22がヘッド6の吐出面6aから離れるようにしてい
る。
【0022】なお、キャップ手段22は、それぞれ吸引
チューブ26を介して吸引ポンプ27に接続すると共
に、大気開放口を形成して、大気開放チューブ及び大気
開放バルブを介して大気に連通している。また、吸引ポ
ンプ27は吸引した廃液をドレインチューブ等を介して
図示しない廃液貯留槽に排出する。
【0023】さらに、ホルダ23の側方には、ヘッド6
の吐出面6aをワイピングする繊維部材、発泡部材或い
はゴム等の弾性部材からなるワイピング手段であるワイ
パブレード28をブレードアーム29に取付け、このブ
レードアーム29は揺動可能に軸支し、図示しない駆動
手段で回動されるカムの回転によって揺動させるように
している。
【0024】このように構成したこの記録装置では、ヘ
ッド6(キャリッジ5)を主走査方向に移動走査させな
がら、用紙16を副走査方向に搬送して、各ヘッドのノ
ズルから所要の色のインク滴を吐出させることによっ
て、用紙16上に所要のカラー画像(モノクロ画像を含
む。)を記録する。
【0025】次に、ヘッドを構成しているインクジェッ
トヘッドの一例について図2乃至図4を参照して説明す
る。なお、図2はインクジェットヘッドの分解斜視図、
図3は同ヘッドのチャンネル方向(ノズル配列方向)と
直交する方向の要部拡大断面図、図4は同ヘッドのチャ
ンネル方向の要部拡大断面図である。
【0026】このインクジェットヘッドは、駆動ユニッ
ト41と、液室ユニット42と、ヘッドカバー43とを
備えている。駆動ユニット41は、セラミックス基板、
例えばチタン酸バリウム、アルミナ、フォルステライト
などの絶縁性の基板44上に、エネルギー発生素子であ
る複数の積層型圧電素子45を列状に2列配置して接合
し、これら2列の各圧電素子45の周囲を取り囲む樹
脂、セラミック等からなるフレーム部材(支持体)46
を接着剤47によって接合している。
【0027】複数の圧電素子45は、インクを液滴化し
て飛翔させるための駆動パルスが与えられる圧電素子
(これを「駆動部」という。)48,48…と、駆動部
48,48間に位置し、駆動パルスが与えられずに単に
液室ユニット42を基板44に固定する液室支柱部材と
なる圧電素子(これを「非駆動部」という。)49,4
9…とを交互に構成している。
【0028】ここで、圧電素子45としては10層以上
の積層型圧電素子を用いている。この積層型圧電素子
は、例えば図3に示すように、厚さ10〜50μm/1
層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)50と、厚さ数μ
m/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電
極51とを交互に積層したものであるが、圧電素子とし
て用いる材料は上記に限られるものでなく、その他の電
気機械変換素子を用いることもできる。
【0029】各圧電素子45の内部電極51は1層おき
にAgPdからなる左右の端面電極52,53(2つの圧
電素子列の対向する面側を端面電極52とし、対向しな
い面側を端面電極53とする。)に接続している。一
方、基板44上には、図3に示すようにNi・Au蒸着、
Auメッキ、AgPtペースト印刷、AgPdペースト印刷
等によって共通電極54及び選択電極55の各パターン
を設けている。
【0030】そして、各列の各圧電素子45の対向する
端面電極52を導電性接着剤56を介して共通電極54
に接続し、他方、各列の各圧電素子45の対向しない端
面電極53を同じく導電性接着剤56を介してそれぞれ
選択電極55に接続している。これにより、駆動部48
に駆動電圧(駆動エネルギー)を与えることによって、
積層方向に電界が発生して、駆動部48には積層方向の
伸びの変位(d33方向の変位)が生起される。なお、
共通電極54は、図4にも示すように、フレーム部材4
6に設けた穴46a内に導電性接着剤56を充填するこ
とで各圧電素子に接続されたパターンの導通を取ること
で共通にしている。
【0031】一方、液室ユニット42は、金属薄膜の積
層体からなる複層構造の振動板57と、ドライフィルム
レジスト(DFR)からなる感光性樹脂層で形成した4
層構造の液室隔壁部材58と、金属、樹脂等からなるノ
ズルプレート59とを順次を積層し、熱融着して形成し
ている。これらの各部材によって、1つの圧電素子45
(駆動部48)と、この1つの圧電素子45に対応する
ダイアフラム部60と、各ダイアフラム部60を介して
加圧される加圧液室61と、この加圧液室61の両側に
位置して加圧液室61に供給するインクを導入する共通
液室62,62と、加圧液室61と共通液室62,62
とを連通する流体抵抗部を兼ねたインク供給路63,6
3と、加圧液室61に連通するノズル64とによって1
つのチャンネルを形成し、このチャンネルを複数個2列
設けている。ここで、各加圧液室61はそれぞれ平行に
配置される。
【0032】振動板57は、2層構造のニッケルめっき
膜からなり、駆動部48に対応する前記ダイアフラム部
60と、駆動部48と接合するためにこのダイアフラム
部60の中央部に一体的に形成した島状凸部65と、非
駆動部49に接合する梁となる66及びフレーム部材4
6に接合する周辺厚肉部67とを形成している。
【0033】液室隔壁部材58は、振動板57側に予め
ドライフィルムレジストを塗布して所要のマスクを用い
て露光し、現像して所定の液室パターンを形成した第4
感光性樹脂層DFR4と、ノズルプレート59側に予め
ドライフィルムレジストを塗布して所要のマスクを用い
て露光し、現像して所定の液室パターンを形成した第1
〜第3感光性樹脂層DFR1〜DFR3とを熱圧着で接
合してなる。
【0034】ノズルプレート59にはインク滴を飛翔さ
せるための微細な吐出口であるノズル64を多数を形成
している。このノズル64の内部形状(内側形状)は、
略円柱形状、略円錘台形状、ホーン形状等に形成する。
また、このノズル64の径はインク滴出口側の直径で約
25〜35μmである。このノズルプレート59のイン
ク吐出面(ノズル表面側)は、図2にも示すように撥水
性の表面処理を施した撥水処理面70としている。例え
ば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗
装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチな
ど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系
樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選
定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性
を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしてい
る。
【0035】これらの駆動ユニット41と液室ユニット
42とはそれぞれ別個に加工、組立を行なった後、液室
ユニット42の振動板57と駆動ユニット41の圧電素
子45及びフレーム部材46とを接着剤72で接合して
いる。
【0036】そして、基板44をヘッド支持部材である
スペーサ部材(ヘッドホルダ)73上に支持して保持
し、このスペーサ部材73内に配設したヘッド駆動用I
C等を有するPCB基板と駆動ユニット41の各圧電素
子45(駆動部48)に接続した各電極54,55とを
FPCケーブル74,74を介して接続している。
【0037】また、ノズルカバー(ヘッドカバー)43
は、ノズルプレート59の周縁部及びヘッド側面を覆う
箱状に形成したものであり、ノズルプレート59の周縁
部に接着剤にて接着接合している。さらに、このインク
ジェットヘッドには、インクカートリッジ7からのイン
クを液室に供給するため、スペーサ部材73、基板4
4、フレーム部材46及び振動板57にそれぞれインク
供給穴75〜78を設けている。
【0038】このインクジェットヘッドにおいては、記
録信号に応じて駆動部48に駆動波形(10〜50Vの
パルス電圧)を印加することによって、駆動部48に積
層方向の変位が生起し、振動板57のダイアフラム部6
0を介して加圧液室61が加圧されて圧力が上昇し、ノ
ズル64からインク滴が吐出される。このとき、加圧液
室61から共通液室62へ通じるインク供給路63,6
3方向へもインクの流れが発生するが、インク供給路6
3,63の断面積を狭小にすることで流体抵抗部として
機能させて共通液室62,62側へのインクの流れを低
減し、インク吐出効率の低下を防いでいる。
【0039】そして、インク滴吐出の終了に伴い、加圧
液室61内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性
と駆動パルスの放電過程によって加圧液室61内に負圧
が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、イン
クタンクから供給されたインクは共通液室62,62に
流入し、共通液室62,62からインク供給路63,6
3を経て加圧液室61内に充填される。そして、ノズル
64の出口付近のインクメニスカス面の振動が減衰し、
表面張力によってノズル64の出口付近に戻されて(リ
フィル)安定状態に至れば、次のインク滴吐出動作に移
行する。
【0040】次に、このインクジェット記録装置の制御
部の概要について図4を参照して説明する。この制御部
は、この記録装置全体の制御を司るマイクロコンピュー
タ(以下、「CPU」と称する。)80と、各種テーブ
ル等の固定情報を格納したROM81と、ワーキングメ
モリ等として使用するRAM82と、ホストから受信し
た画像データ(画像情報)を必要な色データに分解する
等の処理をする色処理回路83と、画像データを処理し
たデータを格納する画像メモリ84と、パラレル入出力
(PIO)ポート85と、入力バッファ86と、ゲート
アレー(GA)或いはパラレル入出力(PIO)ポート
87と、ヘッド駆動回路88及びドライバ89等を備え
ている。
【0041】ここで、ホスト側から受信した画像データ
(画像情報)は入力バッファ86に格納され、受信デー
タである多値のカラー画像データを色処理回路83で処
理し、γ補正、UCR処理、中間調処理等の必要な処理
を行って、2値のカラー画像データを生成して、印写デ
ータとして画像メモリ84に格納し、1走査で印写する
分のデータを読み出してPIOポート87を介してヘッ
ド駆動回路88に与え、対応する色のヘッド6y,6
m,6c,6kを駆動する。
【0042】また、PIOポート86にはホスト側から
の画像情報の他、用紙の種別を示す用紙種別データ等の
データ、図示しない操作パネルからの各種指示情報、用
紙の始端、終端を検知する紙有無センサからの検知信
号、キャリッジ5のホームポジション(基準位置)を検
知するホームポジションセンサ等の各種センサからの信
号等が入力され、またこのPIOポート86を介してホ
スト側や操作パネル側に対して所要の情報が送出され
る。
【0043】また、ヘッド駆動回路88は、PIOポー
ト87を介して与えられる各種データ及び信号に基づい
て、各ヘッド6の各ノズル64に対応するエネルギー発
生素子(圧電素子)の内の画像情報に応じた駆動ノズル
(インク滴を吐出させるノズル)のエネルギー発生素子
に対して駆動波形を印加する。
【0044】さらに、ドライバ89は、PIOポート8
7を介して与えられる駆動データに応じて主走査モータ
8及び副走査モータ17を各々駆動制御することで、キ
ャリッジ5を主走査方向に移動走査し、搬送ローラ15
を回転させて用紙16を所定量副走査方向に搬送させ
る。
【0045】次に、この制御部における記録ヘッドの駆
動制御に係わる部分の詳細について図6を参照して説明
する。なお、同図では1つのヘッドの駆動制御に係る部
分のみを示している。ここで、ヘッド6を構成するイン
クジェットヘッド41は、上述したように複数(ここで
は32個とする。)のノズル64に対応する32個のエ
ネルギー発生素子である圧電素子PZTを有し、各圧電
素子PZTの一方の電極は共通化して共通電極Com
(上記の共通電極54である。)とし、他方の電極は各
圧電素子PZT毎に個別化して選択電極SEL(上記の
個別電極55である。)としている。
【0046】一方、このヘッドを駆動制御するためのヘ
ッド駆動制御部は、前述したCPU80、ROM81、
RAM82及び周辺回路を含む主制御部101と、イン
クジェットヘッド41を駆動するためのヘッド駆動部1
02とを備えている。なお、ヘッド駆動部102は各色
のヘッド毎に設けているので、前述したヘッド駆動回路
87には4個のヘッド駆動部102が設けられる。
【0047】主制御部101は、パーソナルコンピュー
タ等のホスト側から与えられる画像情報を入力して、ヘ
ッド駆動部102に対して、駆動波形を生成するタイミ
ングを規定する駆動タイミング信号MMと、インク滴を
吐出するための駆動波形(吐出駆動波形)を与えるノズ
ルを指定するためのシリアルデータ(ノズルデータ)D
iA、インク滴を吐出しない程度の駆動波形(非吐出駆
動波形)を与えるノズルを指定するためのシリアルデー
タ(ノズルデータ)DiBとタイミング信号(シフトク
ロックSCLK、ラッチ信号/LAT)を駆動制御信号
として出力する。
【0048】ヘッド駆動部102は、主制御部101か
らの駆動タイミング信号MMを入力して、ノズルのエネ
ルギー発生手段(圧電素子PZT)に対して与えるイン
ク滴を吐出するための駆動波形(吐出駆動波形)SAi
を生成出力するための波形生成回路103Aと、インク
滴を吐出しない程度の駆動波形(非吐出駆動波形)SB
iを生成出力するための波形生成回路103Bと、各波
形生成回路103A、103Bの出力(駆動波形SA
i、SBi)を出力する低インピーダンス出力回路10
4A、104Bと、主制御部101からの駆動制御信号
に基づいて2つの駆動波形SAi、SBiのいずれか一
つを選択してヘッド6の選択電極Do1〜Do32に出
力する駆動波形選択回路105とを備えている。
【0049】波形生成回路103(103及び103B
のいずれか又はその総称)は、例えばROM、D/Aコ
ンバータ又は他のパルス発生回路と微積分回路、クリッ
プ回路、クランプ回路などの波形変形回路等で構成でき
る。この波形生成回路103は、主制御部101からの
駆動波形を生成出力するためのタイミングを決める駆動
タイミング信号MMの他、駆動波形の駆動電圧(電圧
値)Vpを選択するためのVp制御信号SVp(及び/
又は後述する駆動波形の立ち上がり時定数trを選択す
るためのtr制御信号Str)等も入力される。
【0050】また、低インピーダンス出力回路104
(104A及び104Bの何れか又はその総称)は、バ
ッファアンプ、SEPP(Single Ended Push P
ull)等で構成される低インピーダンス増幅器からな
る。なお、低インピーダンス出力回路を用いることで駆
動電圧波形の出力は圧電素子に対して低インピーダンス
出力となり、圧電素子のバラツキや駆動チャンネル数の
違いによって波形が歪むことがない。
【0051】ここで、波形生成回路103及び低インピ
ーダンス出力回路104の一例を図7乃至図9を参照し
て説明する。先ず、波形生成回路103は、図7に示す
ように、駆動タイミング信号MMを入力して駆動波形を
生成して低インピーダンス出力回路104に与える駆動
波形生成部106と、Vp制御信号SVpに応じて駆動
波形生成部106の駆動波形の電圧Vpを決定する電圧
Voutを生成して出力するVp制御部107とで構成し
ている。
【0052】駆動波形生成部106及び低インピーダン
ス出力回路104(両者で定電圧駆動回路を構成す
る。)は、図8に示すように、駆動タイミング信号MM
が与えられる入力端子INをバッファBを介してトラン
ジスタTr1のベースに、インバータIを介してトラン
ジスタTr2のベースにそれぞれ接続し、また、トラン
ジスタTr1のコレクタには電源電圧Vppを印加し、
トランジスタTr2のエミッタは接地している。
【0053】そして、トランジスタTr1のエミッタに
充電抵抗RaとダイオードD1の直列回路を接続し、ト
ランジスタTr2のコレクタには放電抵抗Rbとダイオ
ードD2の直列回路を接続して、これらダイオードD1
のカソード側とダイオードD2のアノード側とを接続
し、この接続点aと接地間にコンデンサCkを接続し
て、充電抵抗RaとコンデンサCkで充電時の時定数回
路を、放電抵抗RbとコンデンサCkで放電時の時定数
回路を構成している。また、上記の接続点aにはダイオ
ードDkを介してVp制御部107からの電圧Voutを
印加する。
【0054】そして、接続点aをトランジスタTr3〜
Tr6からなる低インピーダンス出力回路104Aの入
力側であるトランジスタTr3のベースとトランジスタ
Tr4のベースとの間に接続し、出力側となるトランジ
スタTr5のエミッタとトランジスタTr6のコレクタ
との間から得られる駆動波形SAi(SBi)を駆動波
形選択回路105に出力する。
【0055】この回路においては、入力端子INに駆動
タイミング信号MMが入力されて、バッファBに「H」
レベルが入力されると、バッファBは電源電圧Vppよ
り低い電圧レベルを出力してトランジスタTr1がオン
状態になり、インバータIは「L」になってトランジス
タTr2がオフ状態になるので、電源電圧Vppによっ
て充電抵抗RaとコンデンサCkで決まる充電時定数で
コンデンサCkの充電が開始される。
【0056】このとき、接続点aにはダイオードDk
(降下電圧Vd)を介して、電圧Voutを印加している
ので、コンデンサCkの充電電圧は電源電圧Vppまで
上がらず、ダイオードDkによって電圧(Vout+V
d)のレベルにクリップされ、この電圧が駆動波形SA
i又はSBiの駆動電圧VpA(VpB)の最大値(V
pA=Vout+Vd、VpB=Vout+Vd)となる。
【0057】また、入力端子INに駆動タイミング信号
MMが入力されなくなってバッファBに「L」レベルが
入力されると、バッファBの出力が電源電圧Vppとな
ってトランジスタTr1がオフ状態になり、一方インバ
ータIの出力はバッファBの出力と反転しているのでト
ランジスタTr1がオフ状態になると同時にトランジス
タTr2がオン状態になり、放電抵抗Rbとコンデンサ
Ckで決まる放電時定数で電圧Vpまで充電されたコン
デンサCkの放電が開始される。
【0058】したがって、この駆動波形生成部106に
与える電圧Voutを変化させることによって、駆動波形
SAi、SBiの駆動電圧VpA、VpBを可変制御す
ることができる。ここで、吐出駆動波形SAiの駆動電
圧VpAはノズルからインク滴を吐出させることができ
る変位を圧電素子PZTに与えられる電圧値に設定し、
非吐出駆動波形SBiの駆動電圧VpBはノズルからイ
ンク滴が吐出しない程度の変位を圧電素子PZTに与え
られる電圧値に設定している。
【0059】この駆動電圧VpA、VpBを規定する電
圧Voutを生成出力するVp制御部107は、図9に示
すように、三端子レギュレータ108と抵抗選択回路1
09とからなる。三端子レギュレータ108は、電圧入
力端子Vinに定電圧源を供給することによって、調整端
子adjと電圧出力端子Vout間に接続した抵抗R1aと調
整端子adjと接地間に接続した抵抗選択回路109の抵
抗値R2とに応じた電圧を電圧出力端子Voutから出力
するものであり、例えばナショナルセミコンダクタ製の
LM317T(商品名)などを用いることができる。し
たがって、この三端子レギュレータ108からの出力電
圧Voutは、例えば、Vout=1.25×(1+R2/R
1)で定まることになる。
【0060】抵抗選択回路109は、抵抗Rsと、抵抗
Rpとスイッチング用のトランジスタQ1〜Q3で選択
される抵抗R21〜R23との並列回路を直列に接続し
てなり、例えばテキサスインストルメント製SN740
6(商品名)などを用いて構成することができる。この
抵抗選択回路109には、前述した主制御部101から
のVp制御信号SVp1〜SVp3をトランジスタQ1
〜Q3のベースにそれぞれ入力している。
【0061】したがって、三端子レギュレータ108に
電源電圧Vppを与えると共に、主制御部101から3
ビットのVp制御信号SVp1〜SVp3を抵抗選択回
路109に与えることによって、三端子レギュレータ1
08の出力電圧Voutを最大8種類のレベルで変化させ
ることができ、この出力電圧Voutを前述した駆動波形
生成部106の電圧Voutとして入力することで、駆動
波形SAi、SBiの駆動電圧VpA、VpBを所定の
値に設定することができる。
【0062】なお、異なる電圧Voutの生成は、例え
ば、抵抗と、可変抵抗及びコンデンサの並列回路とを直
列に接続して、コンデンサの両端電圧を電圧Voutとし
て出力するようにした分圧回路を用いて、可変抵抗を変
化させるようにしても行なうことができ、また、D/A
変換器を用いても電圧Voutを変化させることができ
る。
【0063】次に、駆動波形選択回路105について図
10を参照して説明する。この駆動波形選択回路105
は、シリアルクロックSCLK及びシリアルデータDi
A又はDiBを入力する2組の32ビットシフトレジス
タ回路111A,111Bと、シフトレジスタ回路11
1A、111Bの各レジスト値をラッチ信号/LAT
(なお、符号の「/」は反転を意味する。)でラッチす
る64ビットのラッチ回路112と、64ビットのレベ
ルシフタ回路113と、レベルシフタ回路113でオン
/オフが制御されるアナログスイッチ群114とからな
る。なお、2つの32ビットシフトレジスタ回路をカス
ケード接続することで駆動波形に対応した2本のデータ
ライン(DiA、DiB)を64ビットのデータに一本
化させることができる。
【0064】アナログスイッチ群114は、各PZTの
選択電極Do1〜Do32に接続した一対のアナログス
イッチASA1,ASB1〜ASA32,ASB32か
らなり、アナログスイッチASB1〜ASA32には駆
動波形SAiを、アナログスイッチASB1〜ASB3
2には駆動波形SBiをそれぞれ入力している。
【0065】そして、このシフトレジスタレジスタ回路
111A、111BにそれぞれシフトクロックSCLK
に応じてシリアルデータDiA、DiBを取込み、ラッ
チ回路112でラッチ信号/LATによってシフトレジ
スタ回路111A、111Bに取り込んだシリアルデー
タDiA、DiBをラッチしてレベルシフタ回路113
に入力する。
【0066】このレベルシフタ回路113は、シリアル
データの内容に応じて各PZTに接続している2つのア
ナログスイッチASAm,ASBm(m=1〜32)のい
ずれか一方をオンし、他方をオフするか、またはいずれ
もオフにする。これによって、吐出駆動波形SAi又は
非吐出駆動波形SBiを圧電素子PZTに印加し、若し
くは吐出駆動波形SAi、非吐出駆動波形SBiのいず
れも圧電素子PZTに印加しないことを選択できる。
【0067】次に、以上のように構成したこのインクジ
ェット記録装置の作用について図11以降をも参照して
説明する。先ず、図11乃至図13を参照して、液室内
に気泡が発生したり、あるいは、インクカートリッジ等
からの気泡が液室内に混入した場合には、気泡Bは図1
1に示すように加圧液室61の隔壁を構成している感光
性樹脂層DFRのコーナー部に滞留し易い。
【0068】このような場所に滞留した気泡Bは、図1
2に示すようにノズル61からの吸引或いは加圧などに
よる信頼性維持回復動作を行ってインクの流れを発生さ
せただけでは、ノズル61から排出することは困難な状
態になる。そこで、吸引或いは加圧等による回復動作と
共に、図13に示すようにエネルギー発生手段(圧電素
子)を駆動して加圧液室61内に圧力変化を与えること
によって滞留している気泡Bを動かし、気泡排出を促す
ことによって確実に気泡を排出することができる。
【0069】この場合、回復動作時に与える駆動波形は
インク滴を吐出しない程度のものとすることで、インク
の無駄な消費量を減らすことができる。また、インク滴
を吐出しない程度の駆動波形の周波数をインク滴を吐出
させる駆動波形の周波数と同じにすることによって、大
幅に回路構成を変更する必要がなくなる。
【0070】このような動作を行う上述したヘッド駆動
制御に係る部分の作用について更に図14をも参照して
説明する。主制御部101は、信頼性維持回復機構21
による回復動作を行うときに、ヘッド駆動部102の駆
動波形選択回路105に対して32ビットのシリアルデ
ータであるインク滴を吐出させない非吐出駆動波形を与
える非噴射駆動ノズルを指定する非噴射駆動ノズルデー
タDiBと、タイミング信号(シフトクロックSCL
K、ラッチ信号/LAT)を駆動制御信号として出力す
る。
【0071】これによって、同図(a)に示すように3
2ビットのシフトクロックSCLKによって同図(b)
に示す32ビットの非噴射駆動ノズルデータ(非吐出駆
動ノズルデータ)DiBがシフトレジスタ回路111B
に取り込まれて、同図(c)に示すラッチ信号/LAT
でレベルシフタ回路113に入力される。したがって、
駆動波形選択回路105は、非吐出駆動ノズルデータD
iBで指定されたアナログスイッチASBm(m=1〜
32)をオン状態にし、アナログスイッチASAm(m
=1〜32)及び指定されていないアナログスイッチA
SBmをオフ状態にする。
【0072】また、主制御部101は所定のタイミング
で同図(d)に示す駆動タイミング信号MMをヘッド駆
動部102の波形生成回路103Bに出力し、これによ
って同図(f)に示すように立ち上がり時定数trで駆
動電圧Vp=VpBの非吐出駆動波形SBiが波形生成
回路103Bから出力される。なお、インク滴を吐出さ
せる吐出駆動波形SAiは同図(e)に示すように立ち
上がり時定数trで駆動電圧Vp=VpA(VpA>V
pB)の波形である。
【0073】したがって、駆動波形選択回路105のア
ナログスイッチASBmのうちのオン状態になっている
アナログスイッチを通じて、同図(g)、(h)、
(i)に示すように(その他は図示省略)対応する選択
電極Do1〜Do32(各圧電素子PZT)に対して非
吐出駆動波形SBiが出力され、非吐出駆動波形SBi
が印加された圧電素子PZTは非吐出レベル(インク滴
が吐出しない程度)で駆動される。
【0074】ここで、非噴射駆動ノズルデータDiBと
しては、予め定めた周期で、奇数番目ノズルに対応する
圧電素子PZTを非吐出駆動するためのデータと、偶数
番目ノズルに対応する圧電素子PZTを非吐出駆動する
ためのデータとを交互に生成出力するようにしている。
即ち、図15をも参照して、最初に第1番目、第3番
目、第5番目、……というように奇数番目ノズルを
非吐出駆動し、次に第2番目、第4番目、……とい
うように偶数番目ノズルを非吐出駆動する(勿論、最初
が偶数番目でもよい。)。なお、図16は、最高駆動周
波数で奇数番目ノズルと偶数番目ノズルとを交互に駆動
した例である。
【0075】具体的には、気泡の混入によって吐出不良
に陥ったヘッドに対して、回復動作を行うときに、イン
クタンク側から正圧を加えながら、奇数番目ノズルと偶
数番目ノズルの2群に分けて、交互に1kHzの周期で
1秒ずつ非吐出駆動したところ、すべてのノズルの吐出
回復を行うことができた。また、ヘッド6の吐出面6a
をキャップ手段22でキャッピングして吸引ポンプ27
を駆動して吸引動作を行わせながら、圧電素子PZTに
電圧値9Vの駆動波形(滴吐出しないレベルのパルスで
ある。)を与えて数秒間駆動した後、吸引を停止して吐
出確認をしたところ、すべてのノズルの吐出不良が改善
された。
【0076】なお、駆動波形は、上記実施例のような矩
形パルスに限られるものではなく、三角波形やその他S
in(サイン)波形等の形状を用いることもでき、要は
インク滴を安定に吐出できる波形であればよい。また、
圧電素子などの電気機械変換素子に変えて電気熱変換素
子をエネルギー発生手段として使用することもできる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェット記録装置によれば、ヘッドの吐出回復動作時に
複数のエネルギー発生手段に対して選択的に駆動波形を
与えるようにしたので、少ない消費量で気泡を確実に除
去することができるようになり、ランニングコストが低
減し、また確実に気泡除去を行えることで繰り返し回復
動作を行う必要がなくなって、回復動作に要する時間を
短縮でき、高速出力が可能になる。
【0078】請求項2のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1のインクジェット記録装置において、
エネルギー発生手段に対して与える駆動波形はインク滴
を吐出しない程度の駆動波形である構成としたので、駆
動回路やエネルギー発生手段の負担が少なくなり、且つ
確実に気泡を排出でき、インク消費量も大幅に低減す
る。
【0079】請求項3のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1又は2のインクジェット記録装置にお
いて、ヘッドは複数のインク液室を平行に配置したもの
である構成としたので、少ない消費量で気泡を確実に除
去することができるようになり、ランニングコストが低
減し、また確実に気泡除去を行えることで繰り返し回復
動作を行う必要がなくなって、回復動作に要する時間を
短縮でき、高速出力が可能になる。
【0080】請求項4のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1乃至3のいずれかのインクジェット記
録装置において、複数のノズルの内の奇数番目ノズルと
偶数番目ノズルに対応するエネルギー発生手段に対して
交互に駆動波形を与える構成としたので、少ない消費量
で気泡を確実に除去することができ、回復動作に要する
時間を短縮でき、インク消費量も低減する。
【0081】請求項5のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1乃至4のいずれかのインクジェット記
録装置において、エネルギー発生手段に与えるインク滴
を吐出しない程度の駆動波形はインク滴を吐出させる駆
動波形の駆動周波数と同じ周波数である構成としたの
で、新たな機構を付加することなく、気泡を確実に除去
することができる。
【0082】請求項6のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1乃至5のいずれかのインクジェット記
録装置において、エネルギー発生手段に選択的に駆動波
形を与えるときに吸引又は加圧によってノズルからイン
クを排出させる回復動作を行う構成としたので、より確
実に気泡を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部
の概略斜視図
【図2】図1の記録装置におけるインクジェットヘッド
の一例を示す分解斜視図
【図3】同ヘッドのチャンネル方向と直交する方向の要
部拡大断面図
【図4】同ヘッドのチャンネル方向の要部拡大断面図
【図5】同記録装置の制御部の概略ブロック図
【図6】同制御部のヘッド駆動制御に係る部分のブロッ
ク図
【図7】図6の波形生成回路の一例を示すブロック図
【図8】図7の駆動波形生成部及び低インピーダンス出
力回路の一例を示す回路図
【図9】図7のVp制御部の一例を示すブロック図
【図10】図6の駆動波形選択回路の一例を示すブロッ
ク図
【図11】インクジェットヘッドの気泡滞留の説明に供
する説明図
【図12】回復動作と気泡滞留の説明に供する説明図
【図13】回復動作及び非吐出駆動と気泡滞留の説明に
供する説明図
【図14】ヘッド駆動制御に係る部分の作用説明に供す
る説明図
【図15】図14の説明に供する説明図
【符号の説明】
5…キャリッジ、6…ヘッド、8…主走査モータ、15
…搬送ローラ、17…副走査モータ、41…インクジェ
ットヘッド、42…駆動ユニット、43…液室ユニッ
ト、45,PZT…圧電素子、54,Com…共通電
極、55,SEL…選択電極、61…加圧液室(インク
液室)、64…ノズル、DFR1〜DFR4…第1〜第
4感光性樹脂層、101…主制御部、102…ヘッド駆
動部、103A,103B…波形生成回路、104A,
104B…低インピーダンス出力回路、105…駆動波
形選択回路、106…駆動波形生成部、107…Vp制
御回路。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出する複数のノズルと、各
    ノズルが連通する複数のインク液室と、各インク液室内
    のインクを加圧して前記ノズルからインク滴を吐出させ
    るためのエネルギーを発生する複数のエネルギー発生手
    段とを有するヘッドを備えたインクジェット記録装置に
    おいて、前記ヘッドの吐出回復動作時に前記複数のエネ
    ルギー発生手段に対して選択的に駆動波形を与えること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置において、前記エネルギー発生手段に対して与える駆
    動波形はインク滴を吐出しない程度の駆動波形であるこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    記録装置において、前記ヘッドは複数のインク液室を平
    行に配置したものであることを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のイン
    クジェット記録装置において、前記複数のノズルの内の
    奇数番目ノズルと偶数番目ノズルに対応するエネルギー
    発生手段に対して交互に前記駆動波形を与えることを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のイン
    クジェット記録装置において、前記エネルギー発生手段
    に与えるインク滴を吐出しない程度の駆動波形はインク
    滴を吐出させる駆動波形の駆動周波数と同じ周波数であ
    ることを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のイン
    クジェット記録装置において、前記エネルギー発生手段
    に選択的に駆動波形を与えるときに吸引又は加圧によっ
    て前記ノズルからインクを排出させる回復動作を行うこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002154224A (ja) * 2000-11-21 2002-05-28 Konica Corp インクジェットプリンタ
JP2004518298A (ja) * 2001-01-24 2004-06-17 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 基板上に細条を設ける方法
JP2009220505A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Seiko Epson Corp 液体噴射装置及びその気泡除去方法並びにインクジェットプリンタ
JP2009220506A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Seiko Epson Corp 液体噴射装置及び液体噴射ヘッドのクリーニング方法

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