JPH11198376A - インクジェット記録ヘッド用基体およびその製造方法、並びに同基体を用いたインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド用基体およびその製造方法、並びに同基体を用いたインクジェット記録装置

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JPH11198376A
JPH11198376A JP10001573A JP157398A JPH11198376A JP H11198376 A JPH11198376 A JP H11198376A JP 10001573 A JP10001573 A JP 10001573A JP 157398 A JP157398 A JP 157398A JP H11198376 A JPH11198376 A JP H11198376A
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ink jet
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jet recording
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JP10001573A
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Masahiko Kubota
雅彦 久保田
Toshihiro Mori
利浩 森
Shuji Koyama
修司 小山
Muga Mochizuki
無我 望月
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14088Structure of heating means
    • B41J2/14112Resistive element
    • B41J2/14129Layer structure

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Non-Adjustable Resistors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピンホール、クラック等の欠陥の解消または
ステップカバレージの向上等保護層の薄膜化に伴う問題
点を解消し、インクジェット記録ヘッドの省電力化、熱
応答性の高速化、耐久性の向上、吐出安定性の向上およ
び記録品位の向上を図る。 【解決手段】 発熱体107に電気的に接続されている
電極配線103,104と、発熱体107と電極配線1
03,104とを保護するために、それらの上に設けら
れている保護層108とを備えたインクジェット記録ヘ
ッド用基体において、前記保護層108は、発熱体付近
で局部的に薄い領域Tを有するようにし、この領域T
は、液体吐出方向では、発熱体と電極配線の接続部より
内側とし、液体吐出方向と垂直な方向では、発熱体の端
面より外側とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーによ
ってインク中に気泡の発生を含む状態変化を生起させ、
この状態変化に伴って吐出口からインクを吐出させて記
録を行うインクジェット記録ヘッド用基体およびその製
造方法、並びに同基体を用いてインクジェット記録装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式による記録は、記録
時における騒音の発生が無視し得る程度に小さいという
点、及び高速記録が可能であり、しかも定着という特別
な処置を必要とせず普通紙に記録が行える点において最
近関心を集めている。
【0003】中でも、米国特許4723129号、ある
いは米国特許第4740796号に記載されているイン
クジェット記録方式は、高速高密度で高精度高画質の記
録が可能で、かつ、カラー化、コンパクト化に適してい
る。この方式を用いる装置の代表例においては、インク
を熱エネルギーを利用して吐出させるため、インクに熱
を作用させる熱作用部が存在する。すなわち、インク流
路に対応して、一対の配線電極と、これらの配線電極に
接続され、配線電極間の領域に熱を発生させるための発
熱抵抗体層とを有する電気熱変換体を設け、この発熱抵
抗体層から発生した熱エネルギーを利用して熱作用面上
のインクを急激に加熱発泡させ、この発泡によってイン
クを吐出させている。
【0004】ところで、インクジェット記録ヘッドの熱
作用面は、インクの発泡と消泡の繰り返しによるキャビ
テーションがもたらす機械的衝撃、さらにはエロージョ
ンにさらされるだけでなく、0.1〜10マイクロ秒と
いう極めて短時間に数百℃前後の温度の上昇および下降
にさらされる。熱作用面は、このように厳しい環境にお
かれるため、発熱抵抗体層には、この層を、これを使用
する環境から保護するための保護層が設けられている。
【0005】保護層は、耐熱性、耐液性、液浸透防止
性、酸化安定性、絶縁性、耐破傷性、および熱伝導性に
優れていることが要求され、SiO2 あるいはSiN等
の無機化合物が一般的に用いられている。さらに、単層
の保護膜では、発熱抵抗体層の保護性能に不十分な場合
もあり、保護層上に、より耐キャビテーション性の高い
Ta等の金属の層を形成することもある。
【0006】また、発熱抵抗体層以外の部分、例えば発
熱抵抗体層と電気的接続をとる配線パターン上にも、イ
ンクによって配線パターンが腐食するのを防止するため
に、同様の保護層が設けられている。
【0007】このようにして、インクジェット記録ヘッ
ドにおいては、熱作用面である発熱基板が構成されてお
り、上記保護層の構成が、インクジェット記録ヘッドの
性能、例えば消費電力、および寿命を決定づける重要な
要因となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の保護層
の構成では、消費電力を下げることと、膜の信頼性を上
げ、寿命を伸ばすことは相反する要求になってしまう。
【0009】例えば、発泡させるための消費電力は、発
熱抵抗体層と、インクに接する面の間の膜の厚さが薄い
ほど、熱電導率が大きいほど、インク側以外への熱の逃
げが減るため、少なくてすむ。すなわち、保護層が薄い
ほどエネルギー効率が良くなる。
【0010】ところが、保護層が薄ければ、保護層にピ
ンポールが開いたり、配線の段差部を十分にカバーする
ことができず、段差部の被覆不足が生じてしまう。この
結果、その部分からインクが侵入し、配線の腐食、発熱
抵抗体層の腐食を引き起こし、信頼性の低下、寿命の低
下が発生する。
【0011】また、このようなインクジェット記録ヘッ
ドは、前述したように、一般的には、電極が発熱抵抗体
層上に形成されるため、電極および発熱抵抗体層間に段
差(ステップ)が生じる。このような段差部には、層厚
の不均一等が発生し易いため、露出部分を生じることの
ないように、その段差を十分に覆う(ステップカバレー
ジ)ように層形成が実施されねばならない。
【0012】ステップカバレージが不十分な状態では、
発熱抵抗体層の露出部分と記録液とが直に接触して、記
録液が電気分解されたり、記録液と発熱抵抗体層の材料
とが反応して発熱抵抗体層が破壊されてしまうことがあ
る。また、このような段差部には、膜質の不均一等も生
じ安い。膜質の不均一は、熱発生の繰り返しによって保
護層に生じる熱ストレスの部分集中を招き、保護層に亀
裂(クラック)を生じる原因にもなる。このクラックか
ら記録液が進入すると、上記のような発熱抵抗体層の破
壊に至ることもある。さらには、ピンホールから記録液
が進入して発熱抵抗体層の破壊に至ることもある。ま
た、電極を形成後、保護層を形成する際に、電極材料か
ら突起(ヒロック)が成長すると、これが保護層に亀裂
(クラック)を生じる原因にもなる。このクラックから
記録液が進入すると、上記のような発熱抵抗体層の破壊
に至ることもある。
【0013】さらに、発熱抵抗体層の内側のみの保護層
を薄くする方法も提案されているが、この方法では、発
熱抵抗体層上に保護膜の段差が発生し、インクの発泡に
寄与する面積が少なくなり、設計値に応じたインクの吐
出体積が得られなくなる。
【0014】本発明は、上述した従来例の問題点に鑑み
てなされたもので、省電力、高耐久性および高速応答性
を達成し、さらにはインクジェット記録ヘッドの高密度
化を可能とし、記録画質の向上をもはかることが可能な
インクジェット記録ヘッド用基体およびその製造方法、
並びに同基体を用いたインクジェット記録装置を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明が提供するインク
ジェット記録ヘッド用基体は、飛翔液的を形成するため
に、液体を噴射する吐出オリフィスに連通する液流路を
形成する複数の熱作用部と、これらの熱作用部のそれぞ
れに満たされている液体に熱を効果的に伝達するように
各熱作用部毎に設けられている複数の発熱体と、これら
の発熱体のそれぞれを独立に駆動するための信号を分離
し、所望の発熱体が駆動されるために設けられた複数の
機能素子で構成される駆動回路と、前記発熱体に電気的
に接続されている配線と、発熱体と配線とを保護するた
めに発熱体と配線の上に設けられている保護層とを具備
し、前記複数の発熱体と機能素子とを同一の基板の表面
内部に構造的に設けたインクジェット記録ヘッド用基体
であって、前記保護層は、発熱体付近で局部的に薄い領
域を有し、この領域は、液体吐出方向において、前記発
熱体と前記配線との接続部より内側であり、液体吐出方
向と垂直な方向において、前記発熱体の端面より外側で
あることを特徴とものである。
【0016】上記局部的に薄い領域は、液体吐出方向に
おいて、前記発熱体と前記配線との接続部より1.0〜
6.0μm内側となり、液体吐出方向と垂直な方向にお
いて、前記発熱体の端面より0.5〜5.0μm外側に
なることが好ましい。
【0017】また、本発明が提供するインクジェット記
録ヘッド用基体の製造方法は、インクジェット記録ヘッ
ド用基体における前記発熱体と配線の上に保護層を形成
する工程と、前記発熱体付近に保護層の局部的に薄い領
域を形成する工程とを含むものである。
【0018】(1)上記製造方法においては、前記保護
層を材質の異なる2つの層で形成し、前記保護層の局部
的に薄い領域を形成する際に、前記保護層のうちの1層
を除去することによって形成することができる。保護層
のうちの1層の除去は、2層の保護層の間での選択エッ
チングによって行うことができる。
【0019】(2)上記製造方法においては、前記保護
層のうち、上層はPSG膜で、下層はSiN膜で形成
し、保護層の局部的に薄い領域を形成する際に、前記保
護層のうちの1層をバッファードフッ酸の選択エッチン
グによって形成することができる。
【0020】(3)上記製造方法においては、前記保護
層のうち、上層はSiN膜で、下層はSiO2 膜であ
り、これらの膜は熱りん酸を用いて選択エッチングして
形成することができる。
【0021】(4)上記製造方法においては、前記保護
層のうち、上層はSiN膜で、下層はPSG膜で形成
し、前記保護層の局部的に薄い領域を形成する際に、発
熱体をエッチングストップ層として、下層のPSG膜を
エッチングした後に、上層のSiN膜を形成することに
よって形成できる。
【0022】さらに、本発明が提供するインクジェット
記録装置は、飛翔液的を形成するために、液体を噴射す
る吐出オリフィスに連通する液流路を形成する複数の熱
作用部と、これらの熱作用部のそれぞれに満たされてい
る液体に熱を効果的に伝達するように各熱作用部毎に設
けられている複数の発熱体と、これらの発熱体のそれぞ
れを独立に駆動するための信号を分離し、所望の発熱体
が駆動されるために設けられた複数の機能素子で構成さ
れる駆動回路と、前記発熱体に電気的に接続されている
配線と、発熱体と配線とを保護するために発熱体と配線
の上に設けられている保護層とを具備し、前記複数の発
熱体と機能素子とを同一の基板の表面内部に構造的に設
けたインクジェット記録ヘッド用基体であって、前記保
護層は、発熱体付近で局部的に薄い領域を有し、この領
域は、液体吐出方向において、前記発熱体と前記配線と
の接続部より内側であり、液体吐出方向と垂直な方向に
おいて、前記発熱体の端面より外側であるインクジェッ
ト記録ヘッド用基体を用いたものである。
【0023】上記インクジェット記録装置に用いるイン
クジェット記録ヘッド用基体としては、同基体における
上記局部的に薄い領域を、液体吐出方向において、前記
発熱体と前記配線との接続部より1.0〜6.0μm内
側でし、液体吐出方向と垂直な方向において、前記発熱
体の端面より0.5〜5.0μm外側としたものが好ま
しい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例によって図面を参照しながら詳細に説明する。以下の
各図においては、同一の部分には、同一の符号が付して
ある。
【0025】図1は、本発明の一実施例に係るインクジ
ェット記録ヘッド用基体のインクを発泡させる発熱部の
基板の平面図である。図2と図3は、図1に示した基板
をX−XとY−Yの一点鎖線に沿って基板面に垂直に切
断したときの部分断面図である。なお、比較のために従
来のインクジェット記録ヘッド用基体を図4に示す。
【0026】本実施例による基体の製造は、Si基板1
20あるいはすでに駆動用ICを作り込んだSi基板を
用いて行った。Si基板の場合は、熱酸化法、スパッタ
法、CVD法などによって発熱抵抗体層の下部にSiO
2 の蓄熱層を形成し、ICを作り込んだ基板も同様にそ
の製造プロセス中で、SiO2 の蓄熱層を形成してお
く。図中では、106がその部分に相当する。
【0027】次に、発熱抵抗体層としてTaN層107
を、反応スパッタリングにより約500オグストロー
ム、電極配線としてAl層103、104をスパッタリ
ングにより約5500オグストロームの厚さに形成し
た。
【0028】次に、フォトリソグラフィ法を用いて、図
1に示す配線パターンを形成し、リアクティブイオンエ
ッチング法で、Al層とTaN層のエッチングを連続的
に行った。
【0029】再び、フォトリソグラフィ法を用いて、図
1〜3に示すように、発熱部102を露出されるため
に、ウェットエッチングによりAl層を取り去った。こ
の部分が発熱抵抗体層となる。なお、配線パターンの端
部は、Si基板の場合はワイヤーボンディング用のパッ
ドとなり、ICを作り込んだ基板の場合にはスルーホー
ルを介して下部の電極と接続される。
【0030】次に、保護層としてのPSG膜108を、
プラズマCVD法によって、図2のように、約7000
オグストロームの厚さに形成した。次に、図1〜3の発
熱抵抗体層付近の保護層が薄くなる部分112、すなわ
ち、保護層108の局部的に薄い領域Tにフォトリソグ
ラフィ法を用いて、窓あけパターンを形成し、発熱抵抗
体層をエッチングストップ層として、PSG膜108を
ウェットエッチングした。その後、プラズマCVD法を
用いて、SiN膜109を約4000オングストローム
形成した。
【0031】上記保護層108の局部的に薄い領域T
は、液体吐出方向において、前記TaN層(発熱抵抗体
層)107と前記Al層(電極配線)103,104と
の接続部より1.0〜6.0μm内側の領域になり、液
体吐出方向と垂直な方向において、前記TaN層107
の端面より0.5〜5.0μm外側の領域になるように
設定するのが望ましい。この領域が実用範囲である。
【0032】本実施例では、上記両層103,104と
107の接続部よりの距離を約3.5μmとし、上記T
aN層107の端面よりの距離を3.0μmに設定し
た。
【0033】次に、耐キャビテーションおよび耐インク
層としてTa層110を、図2,3のように、スパッタ
リング法によって、約2500オグストローム形成し
た。最後に、フォトリソグラフィ法を用いて、パッドの
窓あけを行って、インクジェット記録ヘッドのインクを
発泡させる発熱部の基体101を形成した。
【0034】この基体を用いて、インクジェット記録ヘ
ッドを製造し、発泡に必要な消費電力を確認したが、従
来の発熱抵抗体層付近の保護膜を薄くしないものと比較
して、約30%の消費電力を低減することができた。さ
らに、インクの吐出体積は、ほとんど変わらなかった。
また、耐久性においても、従来の発熱抵抗体層付近の保
護層膜を薄くしないものと同等の耐久実力があることを
確認した。
【0035】インクジェット記録ヘッド用基体完成後
は、図5に示すインクの吐出のための液体吐出口500
とこれに通じる液流路505等が形成されてインクジェ
ット記録ヘッド510となる。
【0036】上記液流路505は、液路壁部材501で
形成する。この液流路は、記録液を供給するための共通
液室504となる溝である。共通液室504には、必要
に応じて記録液が記録ヘッド外部から液供給口503を
通じて導入される。天板502を接合する際には、熱エ
ネルギー発生手段のそれぞれが液流路505のそれぞれ
に対応するように十分に位置合わせすることが望まし
い。位置合わせをしたら、天板502と基体101とを
接合し、作用室に連通する液体吐出口500を設ける。
また、電極配線104には、記録ヘッドからの外部から
所望のパルス信号を印加するための電極リードを有する
不図示のリード線基体を付設する。このようにして、図
5に示すようなインクジェット記録ヘッド510を作成
した。図中、110は発熱部である。
【0037】なお、本実施例においては、特に説明しな
かったが、液体吐出口あるいは液流路などの形成は、図
5に例示するような液路壁部材501によることは必ず
しも必要ではなく、感光性樹脂のパターニング等により
形成してもよい。また、本発明は、上述したような複数
の液体吐出口を有するマルチアレータイプのインクジェ
ット記録ヘッドにのみ限定されるものでなく、液体吐出
口が1つのシングルアレイ−タイプのインクジェット記
録ヘッドにも、勿論適用できるものである。
【0038】図6は、上記実施例に係るインクジェット
記録ヘッドを装着したインクジェット記録装置の一例を
示す概略斜視図である。
【0039】図において、601は、上記実施例に係る
インクジェット記録ヘッドである。このヘッド601
は、駆動モータ602の正逆回転に連動して、駆動力伝
達ギヤ603および604を介して回転するリードスク
リュ605の螺旋溝606に対して係合するキャリッジ
607上に搭載されており、上記駆動モータ602の動
力によってキャリッジ607とともにガイド608に沿
って矢印aおよびb方向に往復する。図示しない記録媒
体供給装置によってプラテン609上を搬送されるプリ
ント用紙Pの紙押さえ板610は、キャリッジ移動方向
にわたって、プリント用紙Pをプラテン609に押圧す
る。
【0040】上記リードスクリュ605の一端の近傍に
は、フォトカプラが配設されている。これらはキャリッ
ジ607のレバー607aのこの域での存在を確認して
駆動モータ602の回転方向切り換え等を行うためのホ
ームポジション検知手段である。上述のインクジェット
記録ヘッド601の吐出口のある前面を覆うキャップ部
材は、支持部材で支持されている。キャップ部材の内部
にヘッド601から空吐出等されて溜ったインクは、イ
ンク吸引手段で吸引される。この吸引手段によりキャッ
プ内開口部を介してヘッド601の吸引回復が行われ
る。クリーニングブレードは、移動部材によって前後方
向(上記キャリッジ607の移動方向の直交する方向)
に移動可能になっており、クリーニングブレードと移動
部材は本体支持体に支持されている。吸引回復操作にあ
たっては、その吸引を開始するためのレバーがあり、キ
ャリッジ607と係合するカムの移動に伴って移動し、
駆動モータ602からの駆動力がクラッチ切り換えの公
知の伝達手段でその移動が制御される。上記ヘッド60
1に設けられた発熱体に信号を付与したり、前述した各
機構の駆動制御を司ったりするインクジェット記録制御
部は装置本体側に設けられており、ここには図示しな
い。
【0041】上述の構成を有するインクジェット記録装
置600のヘッド601は、図示しない被記録剤給送装
置よりプラテン609上を搬送されるプリント用紙Pの
全幅にわたって、往復移動しながら記録を行なう。
【0042】なお、本発明は、インクジェット記録方式
の中でも、インク吐出を行なわせるために利用されるエ
ネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電
気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーに
よりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、
記録装置において優れた効果をもたらすものである。か
かる方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成でき
るからである。
【0043】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4,723,129号明細書及び同第
4,740,796号に開示されている基本的な原理を
用いて行うものが望ましい。この方式は、所謂オンデマ
ンド型,コンティニュアス型のいずれにも適用可能であ
るが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(イン
ク)が保持されているシートや液路に対応して配置され
ている電気熱変換体に、記録情報に対応している核沸騰
を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動
信号を印加することによって、結果的にこの駆動信号に
一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できる
ので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開
口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1
つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とする
と、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応
答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好
ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許
第4,463,359号、同第4,345,262号明
細書に記載されているようなものが適している。なお、
前記熱作用面の温度上昇率に関する発明についての米国
特許第4,313,124号に記載されている条件を採
用すると、さらに優れた記録を行うことができる。記録
ヘッドの構成としては、前記の各明細書に開示されてい
るような液体吐出口,液流路,電気熱変換体の組合せ構
成(直線状液流路または直角液流路)の他に、熱作用部
が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特
許第4,558,333号,同第4,459,600号
を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、
複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気
熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−1
23670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔
を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−13
8461号公報に基づいた構成としても本発明の効果は
有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのような
ものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく
行うことができるようになるからである。
【0044】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組み合せによ
ってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個
の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0045】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段,予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定化でき
るので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段,クリーニ
ング手段,加圧或は吸引手段,電気熱変換体、あるいは
これとは別の加熱素子、あるいはこれらの組合わせによ
る予備加熱手段,記録とは別の吐出を行う予備吐出手段
を挙げることができる。
【0046】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば、単色のインクに対応して1個
のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複
数のインクに対応して複数個数設けられるものであって
もよい。すなわち、例えば、記録ヘッドを一体的に構成
するか複数個の組み合わせによるかのいずれでもよい
が、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラ
ーの少なくとも一つを備えた装置にも、本発明は極めて
有効である。
【0047】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピューター等の情報処理機器
の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等を
組み合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファ
クシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来使用している装置を用いて、電極を従来のように表
面凹凸等を発生することなく、保護層と同程度の厚みに
形成することができるので、保護層と電極の上面を平坦
化することが可能となり、保護層においてピンホール、
あるいはクラックの発生の要因となる膜質の不均一等の
層欠陥を解消することができる。このため、保護層を薄
くしても良好なステップカバレージが得られる。
【0049】さらに、本発明によれば、欠陥の解消また
はステップカバレージの向上等保護層の薄膜化に伴う問
題点を解消することができるため、インクジェット記録
ヘッドの省電力化は言うに及ばず、熱応答性の高速化、
耐久性の向上、吐出安定性の向上ならびに記録品位の向
上等を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のインクジェット記録ヘッド基体の平
面図である。
【図2】 図1のX−X断面図である。
【図3】 図1のY−Y断面図である。
【図4】 従来のインクジェット記録ヘッド基体を示
し、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のX
−X断面図である。
【図5】 実施例のインクジェット記録ヘッド用基体を
用いたインクジェット記録ヘッドの斜視図である。
【図6】 図5のインクジェット記録ヘッドを装着した
インクジェット記録装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
101 基体 102 発熱部 103,104 Al層(電極配線) 106 蓄熱層 107 TaN層(発熱抵抗体層) T 保護層の局部的に薄い領域 108 PSG膜(保護層) 109 SiN膜 110 Ta膜 120 Si基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 無我 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飛翔液滴を形成するために、液体を噴射
    する吐出オリフィスに連通する液流路を形成する複数の
    熱作用部と、これらの熱作用部のそれぞれに満たされて
    いる液体に熱を効果的に伝達するように各熱作用部毎に
    設けられている複数の発熱体と、これらの発熱体のそれ
    ぞれを独立に駆動するための信号を分離し、所望の発熱
    体が駆動されるために設けられた複数の機能素子で構成
    される駆動回路と、前記発熱体に電気的に接続されてい
    る配線と、発熱体と配線とを保護するために発熱体と配
    線の上に設けられている保護層とを具備し、前記複数の
    発熱体と機能素子とを同一の基板の表面内部に構造的に
    設けたインクジェット記録ヘッド用基体であって、前記
    保護層は、発熱体付近で局部的に薄い領域を有し、この
    領域は、液体吐出方向において、前記発熱体と前記配線
    との接続部より内側であり、液体吐出方向と垂直な方向
    において、前記発熱体の端面より外側であることを特徴
    とするインクジェット記録ヘッド用基体。
  2. 【請求項2】 前記局部的に薄い領域は、液体吐出方向
    において、前記発熱体と前記配線との接続部より1.0
    〜6.0μm内側であり、液体吐出方向と垂直な方向に
    おいて、前記発熱体の端面より0.5〜5.0μm外側
    であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッド用基体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のインクジェット記録ヘ
    ッド用基体における前記発熱体と配線の上に保護層を形
    成する工程と、前記発熱体付近に保護層の局部的に薄い
    領域を形成する工程とを含むことを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッド用基体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記保護層を材質の異なる2つの層で形
    成し、前記保護層の局部的に薄い領域を形成する際に、
    記保護層のうちの1層を除去することを特徴とする請求
    項3に記載のインクジェット記録ヘッド用基体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記保護層のうちの1層の除去は、2層
    の保護層の間での選択エッチングによって行うことを特
    徴とする請求項4に記載のインクジェット記録ヘッド用
    基体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記保護層のうち、上層はPSG膜で、
    下層はSiN膜で形成し、保護層の局部的に薄い領域を
    形成する際に、前記保護層のうちの1層をバッファード
    フッ酸の選択エッチングで除去することを特徴とする請
    求項3に記載のインクジェット記録ヘッド用基体の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記保護層のうち、上層はSiN膜で、
    下層はSiO2 膜であり、これらの膜は熱りん酸を用い
    て選択エッチングして形成することを特徴とする請求項
    3に記載のインクジェット記録ヘッド用基体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記保護層のうち、上層はSiN膜で、
    下層はPSG膜で形成し、前記保護層の局部的に薄い領
    域を形成する際に、発熱体をエッチングストップ層とし
    て、下層のPSG膜をエッチングした後に、上層のSi
    N膜を形成する請求項3に記載のインクジェット記録ヘ
    ッド用基体の製造方法。
  9. 【請求項9】 飛翔液滴を形成するために、液体を噴射
    する吐出オリフィスに連通する液流路を形成する複数の
    熱作用部と、これらの熱作用部のそれぞれに満たされて
    いる液体に熱を効果的に伝達するように各熱作用部毎に
    設けられている複数の発熱体と、これらの発熱体のそれ
    ぞれを独立に駆動するための信号を分離し、所望の発熱
    体が駆動されるために設けられた複数の機能素子で構成
    される駆動回路と、前記発熱体に電気的に接続されてい
    る配線と、発熱体と配線とを保護するために発熱体と配
    線の上に設けられている保護層とを具備し、前記複数の
    発熱体と機能素子とを同一の基板の表面内部に構造的に
    設けたインクジェット記録ヘッド用基体であって、前記
    保護層は、発熱体付近で局部的に薄い領域を有し、この
    領域は、液体吐出方向において、前記発熱体と前記配線
    との接続部より内側であり、液体吐出方向と垂直な方向
    において、前記発熱体の端面より外側であるインクジェ
    ット記録ヘッド用基体を用いたインクジェット記録装
    置。
  10. 【請求項10】 前記局部的に薄い領域は、液体吐出方
    向において、前記発熱体と前記配線との接続部より1.
    0〜6.0μm内側であり、液体吐出方向と垂直な方向
    において、前記発熱体の端面より0.5〜5.0μm外
    側であることを特徴とする請求項9に記載のインクジェ
    ット記録ヘッド用基体を用いた記録装置。
JP10001573A 1998-01-07 1998-01-07 インクジェット記録ヘッド用基体およびその製造方法、並びに同基体を用いたインクジェット記録装置 Withdrawn JPH11198376A (ja)

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