JPH11198143A - ゴム成形品の成形型 - Google Patents

ゴム成形品の成形型

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JPH11198143A
JPH11198143A JP219098A JP219098A JPH11198143A JP H11198143 A JPH11198143 A JP H11198143A JP 219098 A JP219098 A JP 219098A JP 219098 A JP219098 A JP 219098A JP H11198143 A JPH11198143 A JP H11198143A
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rubber
molding die
molding
blank
mold
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JP219098A
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Hirotsugu Yamamoto
裕嗣 山本
Tetsuji Nagashima
哲司 永島
Hiroshi Izumi
央 泉
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡剤が含有されたゴム材により形成したゴ
ム成形素材を成形型内で膨脹させることによりゴム成形
品を得る場合において、表面が平滑でかつ振れのないゴ
ム成形品を得る。 【解決手段】 発泡剤含有のゴム材を用いて形成したゴ
ムロール素材に芯金を挿通させて成形型20に装填し、
これをガラスビーズが充填させた流動層に埋め込んで空
気を吹き込みながらヒータで均一加熱する。成形型を筒
部材21と、カラー部材22,22とで中央部20aを
薄肉に、両端部20b,20bを厚肉にして、内部のゴ
ムロール素材の中央部に先に伝熱させて発泡を端部側よ
りも先に開始させ、続いて端部側にかけて発泡が進行す
るようにする。ゴムロール素材が膨脹して中央部が成形
型内周面に圧着し、順次、端部側に圧着させて内部のガ
スを端部側に集めてガス抜孔23aから押出させる。成
形型のキャビティ面24を円筒度が0.1mm以下にな
るように形成してゴム成形体を回転させた場合の振れ量
を0.2mm以下になるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム成形品の成形
型に関し、特に、電子写真装置や静電写真装置等のいわ
ゆるOA機器に使用されるゴム製の現像ロール,帯電ロ
ール,転写ロールもしくはクリーニングロール等のロー
ル状のゴム成形品の製造に適した成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ロール状のゴム成形品を成形
するための成形型として、円周面のキャビティ面を有す
る円筒状の成形型が知られている(例えば、特開平6−
182784号公報参照)。このものでは、発泡剤を含
有するゴム材を用いてゴム成形品より小径の円筒状のゴ
ム成形素材を形成し、この成形素材をその筒孔に芯金を
挿通させた状態で上記成形型に装填し、この成形型を加
熱して加硫させつつ上記発泡剤を発泡させることにより
上記ゴム成形素材を成形型内で膨脹させて筒軸方向に比
較的長い円筒状のゴム成形品を得るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
成形型においては、この成形型を加熱してゴム成型素材
を加硫することにより得られたゴム成形品の輪郭形状精
度や表面平滑度が不十分となる場合がある。特に、上記
の如き発泡剤を含有するゴム成形素材を用いた場合には
顕著になる。
【0004】すなわち、発泡剤を含有するゴム成形素材
を成形型内で加硫・発泡させると、その周方向及び筒軸
方向に均一に発泡せずに、周方向もしくは筒軸方向のい
ずれか一方もしくは双方に不均一になる場合があり、そ
の不均一発泡に起因する成型型内のガスの残留により種
々の不都合が生じることがある。
【0005】例えば、図7及び図8に示すように、成形
型aをオーブンb内のオーブン台c上に横置して加熱す
ると、そのオーブン台cと接触している成形型aの下部
から先に熱が伝わり、その成形型a下部側のゴム成形素
材dから先に発泡及び加硫が進行する。その結果、上記
発泡・加硫の際に発生するガスが昇温の遅い部分と成型
型との間に滞留もしくは残留し、発泡後のゴム成型品の
外表面にうねり、凹凸、しわ、もしくは、ピンホール等
の発生を招くことになる。
【0006】また、円筒形状のゴム成形素材を形成した
後にその筒孔に芯金を挿通し、これを成形型内に装填す
るようにしており、上記芯金の挿通作業のために上記筒
孔の内径を芯金の外径より大径にする必要がある。この
ため、図9に示すように、成形型a内で芯金eを中心位
置に保持すると、ゴム成形素材dがぶら下がり状態にな
り、ゴム成形素材dの上部内周面が芯金eと接触し、場
合によっては上記ゴム成形素材dの下部外周面が成形型
aの下部内周面と接触することになる(図11ではゴム
成形素材dの下部外周面も接触している例を示す)。こ
のため、ゴム成形素材dの上記接触している部分が芯金
e及び成形型aから直接的に伝熱を受けて他の部分より
先に加熱され、これらの部分と他の部分とにおける発泡
の不均一に起因してガスの滞留により上記の如くしわや
くぼみ等の発生を招くことになる。
【0007】さらに、ゴム成形素材をたとえほぼ均一に
発泡させ得たとしても、成形型の中央部に滞留もしくは
残留するガスにより上記のしわやくぼみ等が発生してゴ
ム成形品の表面の平滑度合いが低下することになる。
【0008】このため、上記成形型による成形・加硫の
後に研磨工程を行い、輪郭形状精度や表面平滑度が所定
のものになるようにされている。特に、上記のOA機器
に使用される帯電ロール等のゴム成形品においては、高
精度の輪郭形状精度や表面平滑度が要求されるため、上
記の研磨工程という後加工工程が必須のものとなってい
る。さらに、詳細に説明すると、上記の如きロールを筒
軸周りに回転させた場合に、ロールが振れると振動音が
発生し、そのロールの振れが大きくなるほど振動音が大
きくなって騒音の発生原因となる。特に、帯電ロールの
場合には上記ロールの振れが所定値(例えば0.2m
m)を越えると、帯電音の強弱による音のうねりが大き
くなって耳障りな騒音が発生することになる。このた
め、上記のOA機器に使用される帯電ロール等のゴム成
形品においては、ロールの振れを可及的に小さく(例え
ば0.2mm以下)し得る程度の輪郭形状精度や表面平
滑度が要求されている。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、後加工工程を
必要とすることなく、成形されたゴム成形品の表面を平
滑にしかつ振れを0.2mm以下に抑制し得る成形型を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、特に振れ量の抑制という観点から種々
試験を行った結果、成形されたゴム成形品を筒軸回りに
回転させた場合の振れ量と、成形型のキャビティの内周
面の円筒度との間に一定の相関関係があることを見い出
し、本発明を想到するに至った。すなわち、請求項1記
載の発明は、ゴム成形素材が充填された状態で加熱され
る円筒状の成形型を対象として、そのキャビティの内周
面を0.1mm以下の円筒度に形成する構成とするもの
である。ここで、「内周面の円筒度」とは、JISB0
621に規定される形状偏差の一種であり、周方向の凹
凸を二つの同軸の幾何学的円筒で挟んだ場合の半径差の
ことである。
【0011】上記の構成の場合、成形型のキャビティの
内周面が0.1mm以下の円筒度を有するように形成さ
れているため、成形されたゴム成形品を筒軸回りに回転
させても、その振れを確実に0.2mm以下に抑制する
ことが可能になり、振れに起因する騒音発生を確実に抑
制することが可能になる。また、成形対象であるゴム成
形素材が発泡剤を含有するものでなくても、その発泡剤
未含有のゴム成形素材の加硫成形の際に上記の如きキャ
ビティ内周面が0.1mm以下の円筒度を有している成
形型を用いることにより、成形されたゴム成形品の振れ
量を0.2mm以下に抑制することが可能になる。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明における成形型として、筒軸方向端部にガス抜
孔を貫通形成し、筒軸方向中央部の肉厚を筒軸方向端部
の肉厚よりも薄肉に形成する構成とするものである。す
なわち、この請求項2記載の発明は、特に発泡剤を含有
するゴム成形素材を用いてゴム成形品の発泡・加硫成形
を行う場合に好適な技術事項を特定するものである。
【0013】上記の構成の場合、成形型を加熱すると、
成形型の内部に対し、薄肉にされた成形型の筒軸方向中
央部の方が、厚肉にされた筒軸方向端部側よりも先に熱
が伝わることになる。この結果、上記成形型の筒軸方向
中央部に位置するゴム成形素材の方が、成形型の筒軸方
向端部側に位置するゴム成形素材よりも先に昇温し発泡
し始める。このため、ゴム成形素材の筒軸方向中央部か
ら先に膨脹し始め、順次、その膨脹が筒軸方向端部側に
進行する。つまり、ゴム成形素材の筒軸方向中央部が成
形型のキャビティの内周面に先に密着し、順次、筒軸方
向端部側にかけて密着していくことになる。そして、成
形型の内部のガスが、筒軸方向中央部から端部側に向け
て膨脹が進行していくゴム成形素材により押されて、途
中に残留することなく成形型の端部側に集められ、その
ガスがガス抜孔から外部に押出される。これにより、加
硫成形後のゴム成形体の外周面が確実に成形型の内周面
に密着し、そのゴム成形体の外周面が平滑になる。さら
に、請求項3記載の発明は、請求項2記載の成形型とし
て、均一肉厚を有する円筒管と、この円筒管の筒軸方向
両端部の各外周面を被覆する一対のカラー部材とを備
え、上記カラー部材の内周面を上記円筒管の外周面に対
し密着状態で固定する構成とするものである。すなわ
ち、この請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明に
係る成形型の形成に好適な技術事項を特定するものであ
る。
【0014】上記の構成の場合、円筒管とカラー部材と
の組み合わせにより、筒軸方向中央部の肉厚が筒軸方向
端部の肉厚よりも薄肉の成形型の形成が容易になる上
に、均一肉厚を有する円筒管を用いているため所定の円
筒度の内周面を有する成形型の形成が容易になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0016】図1には、本発明の成形型によって製造さ
れるゴム成形品としてのゴムロール1がゴム部材3の一
部を切り欠いた状態で示されている。このゴムロール1
は、芯金2の外周面に対し、円筒状のゴム部材3が発泡
及び加硫成形により固着されて一体化されたものであ
る。
【0017】図2には、上記ゴム部材3となるゴム成形
素材としてのゴムロール素材4が示されている。上記ゴ
ムロール素材4は、発泡剤を含有する未加硫のゴム材を
用いて、未加硫のまま例えば押出し式により成形される
ものであって、筒孔4aの内径が上記芯金2の外径より
も若干大きく、かつ、外径が上記ゴム部材3の外径より
も若干小さい円筒形状に形成される。
【0018】上記ゴムロール素材4(ゴム部材3)の形
成に用いるゴム材としては、天然ゴム、クロロプレンゴ
ム、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン
ゴム、ブチルゴム、アクリル・ニトリル・ブタジエンゴ
ム、シリコンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ハロゲ
ン化ブチルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴ
ム、水素化ニトリルゴム、エピクロロヒドリンゴム等の
架橋ゴム、及び、これらの単量体を用いた共重合体、こ
れらのブレンド物、並びに、ポリオレフィン系,ポリエ
ステル系,ポリエーテル系,ポリアミド系,ポリウレン
タン系等の熱可塑性エラストマー等から適宜選択するこ
とができる。
【0019】そして、上記ゴム材には発泡剤が含有され
ている。発泡剤としては、アゾジカーボンアミド、アゾ
ビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、p-トルエンスルホニ
ルヒドラジド、p,p'- オキシビス(ベンゼンスルホニル
ヒドラジド)等が好ましく使用し得る。この発泡剤は、
発泡成形によって得られるゴムロール1の0.5〜50
容量%が気泡となるように、その配合量を設定すること
が望ましい。すなわち、0.5容量%未満では所期の効
果が得られないためであり、一方、50容量%を越える
発泡では、ゴム成形品の弾性率が低くなり過ぎるからで
ある。
【0020】また、上記ゴム材には電気抵抗調整剤が含
有される。電気抵抗調整剤としては、カーボンブラック
が好適であり、その他にグラファイト、導電性金属粒
子、もしくは、各種界面活性剤等を用いることもでき
る。加えて、ゴム成形品の硬度を調整する(低硬度にす
る)目的で、上記ゴム材に各種の軟化剤を含有させるこ
ともできる。軟化剤としては、アロマチック系、ナフテ
ン系、パラフィン系等の鉱物油、DOP、DOA、DO
S等の可塑剤、なたね油、ヤシ油等の植物油等を用いる
こともできる。
【0021】さらに、ゴム材には、必要に応じて、ゴム
用薬品、ゴム添加剤を配合することができる。ゴム用薬
品、ゴム用添加剤としては、硫黄、パーオキサイド等の
加硫剤、亜鉛華、ステアリン酸等の加硫促進助剤、スル
フェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、グアニジ
ン系等の加硫促進剤、紫外線吸収剤、オゾン劣化防止
剤、粘着付与剤等を使用することができ、さらに、各種
の補強剤、摩擦係数調整剤、シリカ、タルク、クレイ等
の無機充填剤も任意に選択し得る。
【0022】上記ゴム材のゴム配合の具体的な一例は次
の通りである。
【0023】
【表1】
【0024】続いて、上記ゴムロール1を製造するため
の成形型の実施形態について図3に基づいて説明する。
【0025】この成形型20は、所定の均一肉厚を有す
る円筒管により構成された筒部材21と、この筒部材2
1の筒軸方向両端部に外嵌固定された一対のカラー部材
22,22と、上記筒部材21の両端開口を着脱可能に
閉止する一対のドーナッツ状の端部材23,23とを備
えている。上記筒部材21は、キャビティ面24となる
内周面の内径がゴムロール1のゴム部材3の外径に等し
く設定されているとともに、上記内周面が0.1mm以
下の円筒度を有するように加工されている。上記各カラ
ー部材22は、その内周面22aが上記筒部材21の外
周面21aに対し密着状態で固定されたものであり、こ
の固定は例えば接着手段等の手段により行われている。
接着手段を用いる場合には、その接着剤として、熱硬化
型耐熱性無機接着剤を用いるのが好ましい。また、上記
筒部材21,カラー部材22及び端部材23は、共に、
鉄系の鋼材もしくは非鉄金属を用いて形成すればよい
が、強度及び耐食性の観点からはステンレス鋼、また
は、上記鉄系の鋼材にメッキ処理もしくは窒化処理を行
ったものを用いるのが好ましい。そして、上記成形型2
0は、上記筒部材21及び一対のカラー部材22,22
の組み合わせにより筒軸方向の中央部20aの肉厚が相
対的に薄肉(例えば1mm)に、両端部20b,20b
の肉厚が相対的に厚肉(例えば4mm)に形成されてい
る。また、上記各端部材23には外周側位置に複数のガ
ス抜孔23a,23aと、芯金2を保持するための中心
孔23cとが貫通形成されている。
【0026】次に、上記成形型20を用いてゴムロール
1を成形する手順について説明すると、まず、ゴムロー
ル素材4を作製する。このゴムロール素材4の成形にあ
っては、上記配合のゴム材をオープンロールで混練し、
この混練されたゴム材を、ダイを用いて押出成形し、円
筒状の上記ゴムロール素材4を得る。上記ゴムロール素
材4は、上記の成形型20に対するゴム材仕込み量が5
0容量%(芯金2とキャビティ面24との間の容積、い
わゆるキャビティを100とする)となるように形成す
る。そして、成形したゴムロール素材4の筒孔4aに対
し、芯金2を挿通させる。
【0027】次に、上記ゴムロール素材4を上記成形型
20に対し装填する。この装填は、上記芯金2を挿通し
た状態のゴムロール素材4を横置きの筒部材22の内部
に挿入し、芯金2の各端部を各端部材23の中心孔23
cに内嵌保持させてその各端部材23を筒部材22に固
定すればよい。これにより、成形型20への装填が終了
する。
【0028】装填終了後、上記成形型20を加熱するこ
とにより内部のゴムロール素材4の発泡及び加硫を行な
わせる。この場合の加熱方法は、図4に示す流動床式加
熱炉により構成された加熱手段25を用いて行う。この
加熱手段25は、炉体26の下部に配設された火格子2
7と、この火格子27の上に多数の流動媒体及び伝熱媒
体としての多数のガラスビーズ28が充填されて構成さ
れた流動層29と、この流動層29の最下層に配設され
たヒータ30と、上記流動層29の多数のガラスビーズ
28を流動させて強制循環させるよう上記炉体26の下
端開口26aから空気を吹き込む図示省略のブロワとを
備えている。
【0029】そして、上記流動層29の内部に上記成形
型20を埋め込んだ状態にし、上記ヒータ30により流
動層29を加熱する一方、上記ブロワで空気を吹き込
む。これにより、上記流動層29を構成する多数のガラ
スビーズ28が加熱されながら、その加熱された多数の
ガラスビーズ28が成形型20の周囲を強制循環するた
め、このガラスビーズ28から熱を受けて上記成形型2
0はその全体が均一に加熱される。
【0030】上記成形型20において、中央部20aが
両端部20b,20bよりも薄肉にされているため、そ
の外面に受けた熱が内部のゴムロール素材4に対しその
筒軸方向中央部の方が端部側よりも先に伝熱されて中央
部の方が昇温速度が端部側よりも早くなる。そして、ゴ
ムロール素材4は筒軸方向中央部の方が端部側よりも先
に発泡し始めて膨脹しだし、それに続いてゴムロール素
材4の端部側にかけて発泡及び膨脹が順次進行していく
ことになる。このため、上記ゴムロール素材4の膨脹に
より成形型20のキャビティ面24に対し上記ゴムロー
ル素材4の中央部が先に圧接され、続いて、端部側にか
けて順次圧接されることになる。このため、上記発泡に
より生じるガスや成形型20内のエアが上記膨脹の過程
で上記筒軸方向中央部等に残留することなく成形型20
の端部側に確実に集められ、上記膨脹圧により両端部材
23,23の各ガス抜孔23aを通して外部に確実にか
つ自動的に押出される。従って、成形型20から取り外
したゴム成形品であるゴムロール1の外周面を、従来の
場合の如きガスの残留や滞留に起因するしわやくぼみ等
が生じることなく、キャビティ面24に対応して確実に
平滑なものにすることができる上に、上記キャビティ面
24の円筒度に対応して確実に所定の輪郭形状精度に仕
上げることができる。つまり、従来の如く研磨工程等の
後加工工程を行うことなく、上記成形型20を用いた発
砲加硫成形を行うだけで、所定の輪郭形状精度や表面平
滑性を有するゴムロール1を得ることができる。
【0031】なお、上記の加熱手段25において、流動
層29をガラスビーズ28に代えて例えばセラミックボ
ール等の他の流動媒体・伝熱媒体を用いてもよい。
【0032】また、加熱手段として上記の加熱手段25
に代えて図5に示すような加熱手段33を用いるように
してもよい。この加熱手段33は、遠赤外線ヒータ3
4,34が内蔵されたオーブンにより構成されており、
内部を略密閉する炉体35の両側から内方にそれぞれ突
出するようブラケット36,36により回転可能に支持
された支持ローラ37,37と、この支持ローラ37を
ベルト38aを介して回転駆動させるモータ38とを備
えたものである。また、上記両遠赤外線ヒータ34,3
4は、上記各支持ローラ37により中空に浮かせた状態
で支持された成形型20の筒軸方向方向の全長範囲を上
下から挟むように配設され、この両遠赤外線ヒータ3
4,34により上記成形型20を回転させながら加熱し
得るようになっている。
【0033】
【実施例】キャビティ面の円筒度と、成形されたゴムロ
ールを筒軸回りに回転させた際の振れとの関係を測定し
た。すなわち、上述の実施形態で説明した成形型20と
同じ構造を前提構造として有する複数の成形型を用意
し、その複数の成形型のキャビティ面を互いに異なる円
筒度に設定し、各成形型を用いてゴムロールを成形し
た。この各種の円筒度の測定は円筒度測定器を用いて行
った。そして、その成形された複数のゴムロールを実際
に回転させてその振れ量をレーザー測定器を用いて測定
した。なお、上記の円筒度及び振れ量はJISB062
1に規定の円筒度(半径差)及び振れ(半径方向の振
れ)に従うものである。また、上記のゴムロールはすべ
て同じ配合で同じ形状のゴムロール素材4を用い、同じ
加熱条件で発泡加硫成型を行った。
【0034】上記ゴムロール素材4の配合を表2に示
す。
【0035】
【表2】
【0036】上記のキャビティ面の円筒度と、その場合
のゴムロールの振れ量との各測定結果を図6に示す。こ
の測定結果によれば、円筒度とゴムロールの振れ量(図
6には「ローラー振れ」と表示)との間には略比例関係
が認められ、円筒度を0.1mm以下にした場合には、
ゴムロールの振れ量を0.2mm以下にすることができ
ることが分かる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明におけるゴム成形品の成形型によれば、高精度の表面
平滑性と輪郭形状精度を有するゴム成形品を得ることが
できる上に、そのような高精度のゴム成形品を成形型に
よる成形工程だけで得ることができ従来の成形型による
成形工程後に行う必要のあった研磨加工等の後加工工程
を省略することができる。このため、高精度のゴム成形
体を安価に得ることができる上に、使用に際しては振れ
を0.2mm以下に抑えて騒音のないゴム成形品の成形
を行うことができる。そして、請求項2記載の発明の如
く筒軸方向中央部と端部との肉厚に差を付け筒軸方向端
部にガス抜孔を設けることにより、特に、発泡剤を含有
するゴム成形素材を用いて発泡・加硫成形する場合にお
いても、高精度の表面平滑性と輪郭形状精度を有するゴ
ム成形品を得ることができ、使用時の振れを確実に0.
2mm以下に抑制することができるようになる。また、
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明によ
る成形型を容易かつ確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴム成形品としてのゴムロールを一部切り欠い
て示す部分斜視図である。
【図2】ゴム成形素材としてのゴムロール素材を示す部
分斜視図である。
【図3】実施形態の成形型の断面図である。
【図4】製造装置の断面説明図である。
【図5】他の加熱手段を用いた製造装置の断面説明図で
ある。
【図6】円筒度と、ゴムロールの振れ量との関係図であ
る。
【図7】従来におけるオーブン内に成形型が配置された
状態の簡略説明図である。
【図8】従来におけるオーブン台上の成形型を示す側面
図である。
【図9】従来における成形型内のゴム成形素材を示す横
断面図である。
【符号の説明】 1 ゴムロール(ゴム成形品) 4 ゴムロール素材(ゴム成形素
材) 20 成形型 24 キャビティ面 20a 薄肉とされた筒軸方向中央部 20b 厚肉とれた筒軸方向端部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム成形素材が充填された状態で加熱さ
    れる円筒状の成形型であって、 キャビティの内周面が0.1mm以下の円筒度を有する
    ように形成されていることを特徴とするゴム成形品の成
    形型。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 筒軸方向端部にガス抜孔が貫通形成され、 筒軸方向中央部の肉厚が筒軸方向端部の肉厚よりも薄肉
    に形成されていることを特徴とするゴム成形品の成形
    型。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 均一肉厚を有する円筒管と、この円筒管の筒軸方向両端
    部の各外周面を被覆する一対のカラー部材とを備え、 上記カラー部材の内周面は上記円筒管の外周面に対し密
    着状態で固定されていることを特徴とするゴム成形品の
    成形型。
JP219098A 1998-01-08 1998-01-08 ゴム成形品の成形型 Pending JPH11198143A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100414896B1 (ko) * 2001-06-12 2004-01-13 엘지전선 주식회사 고무 접속함 성형용 금형의 공기배출장치
CN107610916A (zh) * 2017-10-10 2018-01-19 苏州翰为电气科技有限公司 液浸式电力设备用环氧树脂套管及其制造模具和制造方法

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