JPH0857983A - ゴム成形品の製造方法 - Google Patents

ゴム成形品の製造方法

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JPH0857983A
JPH0857983A JP6200787A JP20078794A JPH0857983A JP H0857983 A JPH0857983 A JP H0857983A JP 6200787 A JP6200787 A JP 6200787A JP 20078794 A JP20078794 A JP 20078794A JP H0857983 A JPH0857983 A JP H0857983A
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JP
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rubber
roll
film
electric resistance
molded article
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JP6200787A
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English (en)
Inventor
Takayuki Nagase
貴行 永瀬
Hirotsugu Yamamoto
裕嗣 山本
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 芯金2と周面部材3との密着力が大きく、電
気抵抗のバラツキが極めて小さく、かつ、表面が平滑で
寸法精度が高いゴムロール1を得ることができる製造方
法を提供する。 【構成】 電気抵抗調整剤と発泡剤とを含有するゴム材
を用いて、内径が前記芯金2の外径と同一または該外径
より大きく、かつ、外径が前記周面部材3の外径より小
さい円筒状のロール素材5を形成し、一面がサンドブラ
スト等による凹凸を設けられ、他面が離型性を有するフ
ィルム9でもって、該フィルム9の内周面が凹凸面とな
るように前記ロール素材5を覆い、これらを断面円形の
キャビティ面を有する金型6に装填し、前記芯金2を前
記ロール素材5の筒孔に通した状態とし、前記ロール素
材5を発泡膨張させた後、前記フィルム9とともに前記
金型6から脱型することによりゴムロール1を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム成形品の製造方法
に関し、特に電子写真装置又は静電写真装置に使用され
る帯電ロール又は転写ロールの製造に適した方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置においては、図6に示すよ
うに、静電潜像担持体31の周面上に帯電ロール32、
像露光手段33、現像手段34、転写ロール35、クリ
ーニング手段36及び前露光手段37が配置されてい
る。画像の形成にあたっては、帯電ロール32によって
静電潜像担持体31に静電荷が与えられ、像露光手段3
3によって像露光が行われて静電潜像が形成され、次い
で現像手段34によって静電潜像担持体31にトナー3
8が与えられて現像され、次に転写ロール35によって
トナー画像が紙の上に転写される。
【0003】前記帯電ロールに要求される特性は、電気
比抵抗が104〜1012Ωcm程度であって、そのバラツ
キが少ないことである。また、該帯電ロールは静電潜像
担持体と均一に接触する必要があるので、ゴム硬度がJ
IS−Aで35゜以下の非常に軟らかい領域であるこ
と、更に、ロールの外周面が平滑であって、かつ、外径
フレが小さいことが必要である。
【0004】前記帯電ロール32の製造方法は、図7に
示すように芯金41にカーボンブラック等の電気抵抗調
整剤を含有した板状の未加硫ゴム材42を巻き付けてロ
ール素材40を形成し、次に図8に示す一対の半割り金
型43、44のキャビティ面に周知の離型剤を塗布して
離型処理を施した後、前記ロール素材40を装填して型
締めし、加熱加圧させてゴムロールを得る加硫方式が知
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の製造方
法では、前記未加硫ゴム材を芯金の全周にわたって均等
な配分量になるように金型に配置することが難しく、加
熱加圧の際に金型の合わせ面からのゴム材の流出によっ
てバリが生じ易くなる。更に、ゴム材の加硫がロール素
材の外周面から進むため、気体不透過性の薄膜を形成し
て金型のキャビティ面と前記薄膜との間に気泡を残し、
脱型後にゴムロールの表面に凹み(あばた)を生じさせ
易い。
【0006】前記ゴム材の流出は、前記バリを取り除く
ための研磨加工が必要になるという問題だけでなく、得
られたゴム成形品の各部に電気抵抗のバラツキを生ずる
という更に重要な問題を招く。何故ならば、前記ゴム材
は電気抵抗調整剤が均一に分散するようにオープンロー
ルやバンバリー等の混練機によって十分に混練される
が、該ゴム材が金型の合わせ面から流れ出る際に電気抵
抗調整剤の分布が不均一になり、ゴム材が多く流れ出た
部位とそうでない部位とでは電気抵抗に差を生ずるから
である。
【0007】このような電気抵抗のバラツキや表面にあ
ばたのある帯電ロールは、画像濃度を不均一にしたり、
白ポチや黒ポチの不具合を生じ、所期の画像品質が得ら
れない。即ち、前記帯電ロールを使用すれば、電気抵抗
の高い部位は帯電能力が低くなるから、静電潜像担持体
を全体にわたって均一に帯電させることができず、その
ために画像濃度が部分的に低下したり、反転現像方式で
は帯電ムラに対応した黒点(黒ポチ)が斑点状に現れ、
正規現像方式では白黒画像(白ポチ)となり、いずれに
おいても高品質の画像を得ることができない。
【0008】更に、従来の製造方法では、金型からの成
形品の脱型を容易にするために前記キャビティ面に周知
の離型剤を塗布しているが、該離型剤が静電潜像担持体
を汚染したり、離型剤の種類によっては金型からの脱型
が困難な場合がある。
【0009】前述の諸問題を解決するゴムロールの製造
方法として、特開平05−173455公報において、
金型のキャビティ面にサンドブラスト処理等を施して、
凹凸を設けてガスの発散経路を確保する旨の記載が認め
られるが、このような手段では、前記キャビティ面の汚
れが早く、かつ、その除去作業は煩雑である。更に、離
型剤を使用していないため、金型からのゴムロールの脱
型も容易ではない。
【0010】本発明の課題は、前述のバリの発生やそれ
に伴う電気抵抗のバラツキの問題を招くことなく、か
つ、キャビティ面に離型剤を塗布することなく金型から
の成形品の脱型を容易にするとともに、表面にあばたの
発生がなく品質の安定したゴム成形品を得ることができ
る製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、ゴム成形品の製造に発泡方式を採用し、更
に、一面がサンドブラスト処理を施され、かつ、他面が
離型性を有するフィルムでもって成形素材を覆うことに
より、ゴム成形品の表面にあばたが生じるのを防ぐとと
もに、金型からの脱型を容易にし、かつ、ゴム成形品へ
の離型剤の付着を防止するものであって、以下のような
解決手段を採るものである。
【0012】<第1の課題解決手段>前記課題を解決す
る第1の手段は、所定の電気抵抗を有するゴム成形品の
製造方法であって、前記電気抵抗を調整するための電気
抵抗調整剤を含有するゴム材を用いて、前記ゴム成形品
より小さい成形素材を形成する工程と、一面がサンドブ
ラスト処理等による凹凸を設けられ、かつ、他面が離型
性を有するフィルムでもって、該フィルムの内周面が前
記凹凸面となるように前記成形素材を覆う工程と、これ
らを前記ゴム成形品の外面形状と実質的に同一の内面形
状に形成されたキャビティ面を有する成形型に装填する
工程と、該成形型内で前記成形素材を膨張させる工程
と、前記フィルムとともにゴム成形品を成形型から脱型
する工程とを順に行うことを特徴とする。
【0013】前記ゴム材としては、天然ゴム、クロロプ
レンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロ
ピレンゴム、ブチルゴム、アクリル・ニトリル・ブタジ
エンゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、
ハロゲン化ブチルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレ
ンゴム、水素化ニトリルゴム、エピクロロヒドリンゴム
等の架橋ゴム、及びこれらの単量体を用いた共重合体、
これらの混合物、並びにポリオレフィン系、ポリエステ
ル系、ポリエーテル系、ポリアミド系、ポリウレタン系
等の熱可塑性エラストマー等から適宜選択することがで
きる。
【0014】前記電気抵抗調整剤としては、カーボンブ
ラックが好適であり、その他にグラファイト、導電性金
属粒子、あるいは各種界面活性剤等を用いることもでき
る。
【0015】また、ゴム材には、必要に応じてゴム用薬
品やゴム添加剤を配合することができる。ゴム用薬品や
ゴム用添加剤としては、硫黄、パーオキサイド等の加硫
剤、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、
グアニジン系等の加硫促進剤、亜鉛華、ステアリン酸等
の加硫促進助剤、アミン系、フェノール系、硫黄系、リ
ン系等の老化防止剤、紫外線吸収剤、オゾン劣化防止
剤、粘着付与剤等を使用することができ、更に、各種の
補強剤、摩擦係数調整剤、シリカ、タルク、クレイ等の
無機充填剤も任意に選択使用できる。
【0016】前記成形素材の形成については、前記ゴム
材をオープンロールやバンバリーミキサーで混練し、電
気抵抗調整剤を均一に分散させてから形成する方法が好
適である。
【0017】前記フィルムは、成形素材を膨張させる際
の加熱温度に耐える程度の耐熱性を有し、かつ、適当な
強度があれば、特に、その種類は制限されない。また、
前記成形素材を完全に覆うために必要な長さのラップ代
が設けられるが、該ラップ代の長さは成形素材の膨張を
あらかじめ考慮して決定される。
【0018】前記成形型としては、割り型を用いること
ができるが、例えばゴムロールを成形する場合には円筒
状のものを使用することもできる。割り型を使用する場
合であっても、前記フィルムでもって成形素材が覆われ
ているから、ゴム材の流出が生じないので、特に、合わ
せ面の密封には注意する必要がない。
【0019】<第2の課題解決手段>前記課題を解決す
る第2の手段は、芯金の周りに周面部材が設けられ、か
つ、所定の電気抵抗を有するゴムロールの製造方法であ
って、前記電気抵抗を調整するための電気抵抗調整剤を
含有するゴム材を用いて、内径が前記芯金の外径と同一
又は該外径より大きく、かつ、外径が前記周面部材の外
径より小さい円筒状のロール素材を形成する工程と、一
面がサンドブラスト処理等による凹凸を設けられ、か
つ、他面が離型性を有するフィルムでもって、該フィル
ムの内周面が前記凹凸面となるように前記ロール素材を
覆う工程と、これらを内径が前記周面部材の外径と実質
的に同径の断面円形のキャビティ面を有する成形型に装
填する工程と、前記芯金を前記ロール素材の筒孔に通し
た状態とする工程と、前記成形型内で前記ロール素材を
膨張させる工程と、前記フィルムとともにゴムロールを
成形型から脱型する工程とを順に行うことを特徴とする
【0020】前記ゴム材としては、前記第1の課題解決
手段に使用されるゴム材と同一のものを使用することが
できる。また、前記ロール素材の形成については、前記
ゴム材をオープンロール等で混練した後、周知の押出機
を用いて円筒状に押し出せばよい。
【0021】前記フィルムは、通常、必要な長さのラッ
プ代を設けて薄板状のフィルムが使用されるが、継目の
ない円筒状のフィルムも使用することができる。
【0022】前記成形型は、円筒状のものでも、或はこ
れを半割りに分割したものでもよい。いずれの場合で
も、成形型の両端をゴム材の流出が生じないように密封
して使用する。
【0023】<第3の課題解決手段>前記課題を解決す
る第3の手段は、前記第1の課題解決手段又は第2の課
題解決手段を発展させてなるものであって、前記フィル
ムの凹凸面の表面粗さが、10μm以下であることを特
徴とする。
【0024】前記フィルムの表面加工方法については、
加熱膨張時に発生するガスを確実に発散させるために、
サンドブラスト処理が好適であるが、絞付け加工や研磨
加工等の手段も使用することができ、均一な凹凸面が得
られる方法であれば特にその手段は問わない。
【0025】<第4の課題解決手段>前記課題を解決す
る第4の手段は、前記第1の課題解決手段又は第2の課
題解決手段を発展させてなるものであって、前記フィル
ムの離型性を有する面が、樹脂を塗布してなるものであ
ることを特徴とする。
【0026】前記樹脂については、シリコン樹脂が好適
であるが、フッ素樹脂も十分に使用することができる。
また、塗布されたシリコン樹脂等は、常温硬化によりフ
ィルム面に強固に密着されるが、樹脂の種類によっては
熱処理を施して硬化させてもよい。
【0027】<第5の課題解決手段>前記課題を解決す
る第5の手段は、前記第1の課題解決手段又は第2の課
題解決手段を発展させてなるものであって、前記フィル
ムの厚さが40μm以下であることを特徴とする。
【0028】前記フィルムの厚さが薄くなれば、ゴム成
形品の脱型の際、フィルムが破れてスムーズに脱型でき
なくなるので、その厚さは5μm以上とすることが望ま
しいが、必要に応じて重ね巻きしてもよい。
【0029】<第6の課題解決手段>前記課題を解決す
る第6の手段は、前記第1の課題解決手段又は第2の課
題解決手段を発展させてなるものであって、電気抵抗調
整剤と発泡剤とを含有するゴム材を用いて成形素材又は
ロール素材を形成し、かつ、該発泡剤を発泡させること
によって前記成形素材又はロール素材を膨張させること
を特徴とする。
【0030】前記発泡剤としては、アゾジカーボンアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼ
ン、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P-トルエン
スルホニルヒドラジド、P,P′-オキシビス(ベンゼンス
ルホニルヒドラジド)等が好ましく使用することができ
る。
【0031】また、前記発泡剤の配合量は、発泡成形に
よって得られるゴム成形品の0.5〜70容量%が気泡
となるように設定することが望ましい。即ち、0.5容
量%未満では、成形型からの成形素材の食み出し防止や
ゴム材の流出防止等の所期の目的を達成することができ
ないためであり、一方、70容量%を越える発泡では、
ゴム成形品の弾性率が低くなりすぎるからである。
【0032】以上により、均一な電気抵抗を持ち、か
つ、表面にあばたの発生がなく寸法精度のよい帯電ロー
ル等を製造することができるが、必要に応じてポリアミ
ド、ポリウレタン等からなる外層材を設けてもよい。該
外層材は、前述のフィルムのラップ代による段差やあば
たを小さくする効果があり、より一層の望ましい結果を
得ることができる。
【0033】
【作用】前述の課題解決手段によれば、以下のような作
用が得られる。即ち、第1の課題解決手段によれば、電
気抵抗調整剤を含有するゴム材を用いて、当該ゴム成形
品よりも小形、従って、成形型のキャビティよりも小形
の成形素材を形成するから、該成形素材を前記成形型に
装填する作業が容易になり、かつ、前記成形素材の成形
型からの食み出しの問題が解消され、密封性の確保も容
易である。また、前記成形素材を成形型内で膨張させる
から、当該膨張による圧力でもって前記フィルムを介し
て成形素材がキャビティ面に圧接される。この際、前記
フィルムの内周面には、サンドブラスト処理等によって
凹凸が設けられているから、加熱膨張時に発生するガス
は発散経路が確保され、前記フィルムの内周面と成形素
材の外周面との間に気泡が残らないので、ゴム成形品の
表面にあばたが生じることがない。更に、外周面が離型
性を有するフィルムとともに前記ゴム成形品を脱型する
ため、該脱型は極めて容易に行うことができ、前記ゴム
成形品の外形寸法に変化を生じさせることもなく、寸法
精度の高いゴム成形品を得ることができる。そして、前
記食み出しがないこと、密封性の確保が容易であるこ
と、及び前記成形素材の加圧を必要としないことから、
成形時における前記ゴム材の流出の問題を回避すること
ができ、従来のように電気抵抗調整剤の分布を不均一に
させて、電気抵抗にバラツキが発生することを防止する
ことができる。
【0034】第2の課題解決手段によれば、ロール素材
の内径が芯金の外径と同一又は該外径より大きく形成さ
れているから、該ロール素材の筒孔に前記芯金を簡単
に、かつ、ロール素材の変形を招くことなく通すことが
できる。また、前記ロール素材は、外径が周面部材の外
径、従って、成形型のキャビティの内径より小さいか
ら、該成形型への装填が容易であるともに、成形型から
の食み出しを招くこともない。更に、前記フィルムの内
周面には、サンドブラスト処理等によって凹凸が設けら
れているから、加熱膨張時に発生するガスは発散経路が
確保され、前記フィルムの内周面とロール素材の外周面
との間に気泡が残らないので、ゴムロールの表面にあば
たが生じることがない。更に、外周面が離型性を有する
フィルムとともに前記ゴムロールを脱型するため、該脱
型は極めて容易に行うことができるので、外径フレがな
く、かつ、寸法精度の高いゴムロールを得ることができ
る。
【0035】第3の課題解決手段によれば、フィルムの
凹凸面の表面粗さが10μm以下であるから、ゴムロー
ルの表面に転写された凹凸も極めて小さく、該ゴムロー
ルを帯電ロールとして使用しても、その表面に帯電ムラ
は生じない。また、前記フィルムの凹凸面は、成形素材
の外周面との間に微小の隙間を生じてガスを発散させる
が、特に、サンドブラスト処理は、方向性のない均一な
凹凸面を形成させるので、ガスが全面に均等分散して、
ゴム成形品の表面にその発散の跡が残らない。
【0036】第4の課題解決手段によれば、フィルムが
シリコン樹脂等の離型性を有する樹脂を塗布してなるも
のであるから、成形型からの成形品の脱型が極めて容易
であり、更に、前記樹脂がフィルム面に強固に密着して
いるので、塗布された樹脂が剥がれて成形品に付着する
こともない。
【0037】第5の課題解決手段によれば、フィルムの
厚さを40μm以下としているので、該フィルムのラッ
プ部分に生じる段差は許容される。即ち、帯電ロールに
前記段差が転写されたゴムロールを使用しても、フィル
ムの厚さが40μm以下であれば、前記帯電ロールと静
電潜像担持体との隙間は十分に小さいので、帯電能を悪
化させることもなく良好な画像を得ることができる。
尚、継目のない円筒状のフィルムを使用すれば、前述の
段差が解消するとともに、フィルムの厚さの上限につい
ても無視することができる。
【0038】第6の課題解決手段によれば、成形素材の
膨張に発泡剤を用いるから、比較的大きな体積膨張を期
することができ、それだけ成形素材を小さく形成するこ
とができるため、前記成形型への装填が容易になり、か
つ、前記食み出し防止やゴム材の流出防止等の面でも有
利になる。そして、前記発泡剤の発泡倍率を制御するこ
とによって、ゴム成形品の周面部材の硬さを任意に調整
することができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を図表に基
づいて説明する。
【0040】<実施例1>図1にはゴム成形品としての
ゴムロール1が周面部材3の一部を切り欠いた状態で示
されている。このゴムロール1は、電子写真装置の帯電
ロールであり、芯金2の周りに前記周面部材3が設けら
れている。該周面部材3には、電気抵抗調整剤としての
導電性カーボンブラックが全体にわたって均一に分散し
ていて、周面部材の電気比抵抗は107.5 Ωcm程度に設
定されている。
【0041】図2には前記ゴムロール1の周面部材3を
成形するためのロール素材5が示されている。このロー
ル素材5は、前記導電性カーボンブラック及び発泡剤を
含有する未加硫のゴム材を用いて形成されたものであっ
て、内径が前記芯金2の外径より僅かに大きく、かつ、
外径が前記周面部材3の外径よりも僅かに小さい円筒状
をなす。
【0042】前記ゴム材の配合を表1に示す。該配合に
おいて、クロロプレンゴムは、昭和電工・デュポン社製
ネオプレンGSを用い、カーボンブラックは、東海カー
ボン社製トーカブラック#5500を用い、発泡剤とし
ては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を用い
た。
【0043】
【表1】
【0044】前記ロール素材5の成形は、前記配合のゴ
ム材をオープンロールで混練した後、周知の押出機を用
いてこの混練されたゴム材を押出し、円筒状の前記ロー
ル素材5を得た。尚、この方法によれば、ロール素材5
には継目が生じない。
【0045】図3には一面が凹凸を設けられ、かつ、他
面が離型性を有するフィルム9で覆われた前記ロール素
材5が装填された成形型(金型)6が示されている。該
金型6は、前記周面部材3の外周面を形成するため、内
径が前記周面部材3の外径に実質的に等しい断面円形の
キャビティ面6aを有する円筒状のものである。前記金
型6の両端にはゴム材の流出を防止するための密封部材
7,7´が止めネジ8,8´で金型6に脱着自在に装着
され、該密封部材7,7´には芯金2を通す芯金孔7
a,7a´が各々設けられている。また、前記フィルム
9はポリエチレンテレフタレートからなり、かつ、その
厚さが15μmであって、内周面がサンドブラスト処理
によって表面粗さ5μmの凹凸面9aとされ、外周面が
シリコン樹脂を塗布されている。
【0046】前記ロール素材5の金型6に対するゴム材
仕込量は、芯金2と金型6との間にできる空間容積の5
0容量%となるように調整した。また、該ロール素材5
の内径は芯金2の外径よりも0.5mm大きい6.5m
mとした。
【0047】ゴムロール1の成形にあたっては、前記ロ
ール素材5の外周を前記フィルム9で覆った後、これら
を前記金型6に装填し、前記ロール素材5の筒孔5aに
前記芯金2を通した。次に、前記金型6の両端に密封部
材7,7´を取り付け、金型6を介して前記ロール素材
5を加熱することによって、その加硫を行なわしめると
ともに、前記発泡剤を発泡させた。これにより、前記ロ
ール素材5は、芯金2と金型6との間で体積膨張を生じ
てその隙間を完全に埋め、更に、前記発泡による圧力で
芯金2の外周面および金型6のキャビティ面6aに圧接
される。しかる後に、前記密封部材7,7´を金型6か
ら外し、前記フィルム9とともにゴムロール1を金型6
から取り出した。
【0048】<実施例2>本例も電子写真装置用の帯電
ロールとして使用するゴムロールに関するものであっ
て、実施例2に係るゴムロールの構造は実施例1の場合
と同じであるが、その製造方法において、ロール素材を
覆うためのフィルムの厚さが40μmである点のみ実施
例1と異なる。
【0049】<実施例3>本例も電子写真装置用の帯電
ロールとして使用するゴムロールに関するものであっ
て、実施例3に係るゴムロールの構造は実施例1の場合
と同じであるが、その製造方法において、ロール素材を
覆うためのフィルムの厚さが40μmであって、かつ、
凹凸面の表面粗さが10μmである点のみ実施例1と異
なる。
【0050】(比較例1)次に、本実施例の効果を確認
するために比較テストを行った。比較例1のゴム材の配
合は、発泡剤が含有されていない点のみ実施例1の場合
と異なる。該ゴム材を厚さ0.7mmの板状素材とし、
該板状素材を金型に対するゴム材仕込量が105容量%
となるように調整して、図7に示すように芯金2に巻き
付けてロール素材40を形成した。次に、該ロール素材
40を図8に示す金型43,44に装填し、該金型4
3,44を介して前記ロール素材40を熱プレスにより
加熱加圧して加硫を行った。その際、金型43,44の
合わせ面からゴム材が一部流出したので、金型から脱型
されたゴムロールにはバリ取り研磨を施した。
【0051】(比較例2)比較例2は、製造方法におい
て、ロール素材を覆うためのフィルムの表面が、サンド
ブラスト等による凹凸面を形成されていない点のみ実施
例2又は実施例3と異なる。
【0052】(比較例3)比較例3は、製造方法におい
て、ロール素材を覆うためのフィルムの凹凸面の表面粗
さが、20μmである点のみ実施例2又は実施例3と異
なる。
【0053】(比較例4)比較例4は、その製造方法に
おいて、ロール素材を覆うためのフィルムの厚さが、5
0μmである点のみ実施例3と異なる。
【0054】以上の結果を表2に示す。尚、電気比抵抗
の測定は、ゴムロールの周面部材3の表面に軸方向に一
定間隔をおいて複数の測定点を定め、各測定点と芯金2
との間に500Vの直流電圧を印加した時の電流値を求
め、これから電気比抵抗を計算する方法とした。また、
画像品質についての評価は、前記ゴムロールを図6の電
子写真装置の帯電ロール32として使用し、前記ゴムロ
ールに−1400Vの直流電圧を印加して反転現象によ
って画像出しを行う方法とした。
【0055】
【表2】
【0056】実施例1に係るゴムロール1を調べたとこ
ろ、その表面にあばたの発生が全く認められず極めて平
滑なものが得られた。また、該ゴムロール1の電気比抵
抗(体積抵抗)は、図5に示すように107.5 Ωcm程
度であり、かつ、軸方向全長にわたって略一定であっ
た。更に、前記ゴムロール1を使用したときの画像品質
についても、濃度にムラがなく、かつ、黒ポチのない良
好な画像であった。実施例2及び実施例3に係るゴムロ
ールについても、その表面にあばたの発生は全く認めら
れず極めて平滑なものであった。また、該ゴムロールを
使用したときの画像品質についても、濃度にムラがな
く、黒ポチや黒すじのない良好な画像が得られた。
【0057】比較例1に係るゴムロールについて電気比
抵抗を測定したところ、図5に示されるように電気比抵
抗のバラツキが大きい結果を得た。また、画像出しを行
ったところ、濃度にムラがあり、かつ、黒ポチの多い画
像となった。
【0058】比較例2に係るゴムロールは、製造工程に
おいてその表面にあばたの発生が認められ、該ゴムロー
ルについて画像出しを行ったところ、前記あばたに対応
した黒点が発生した。
【0059】比較例3に係るゴムロールは、その表面に
あばたの発生が認められなかったが、該ゴムロールにつ
いて画像出しを行ったところ、前記フィルムの凹凸面に
対応した黒点が発生した。これは、前記ゴムロールの表
面にフィルムから転写された凹凸が大きく、帯電ムラの
発生の原因となったためである。
【0060】比較例4に係るゴムロールは、その表面に
あばたの発生が認められなかったが、該ゴムロールにつ
いて画像出しを行ったところ、画像の濃度にムラはなか
ったが、フィルムのラップ部分が転写されたロール面の
段差に対応する黒すじの発生が認められた。
【0061】
【発明の効果】前記第1の課題解決手段によれば、電気
抵抗調整剤を含有するゴム材を用いて、当該ゴム成形品
より小さい成形素材を形成し、一面がサンドブラスト処
理等による凹凸を設けられ、かつ、他面が離型性を有す
るフィルムでもって、該フィルムの内周面が前記凹凸面
となるように前記成形素材を覆い、これらを前記ゴム成
形品の外面形状と実質的に同一の内面形状に形成された
キャビティ面を有する成形型に装填し、該成形型内で前
記成形素材を膨張させ、前記フィルムとともにゴム成形
品を成形型から脱型するようにしたから、前記成形素材
を成形型へ装填する作業及び密封性の確保が容易になる
とともに、前記成形型からの成形素材の食み出しの問題
及びゴム材の流出の問題も解消される。更に、前記フィ
ルムの内周面に設けられた凹凸が、加熱膨張時に発生す
るガスの発散経路となって、前記フィルムの内周面と成
形素材の外周面との間に気泡を生じさせることがないと
ともに、前記ゴム成形品の脱型も極めて容易に行うこと
ができるので、電気抵抗が全体にわたって均一で、か
つ、表面にあばたの発生がなく、寸法精度の極めて高い
ゴム成形品を得ることができる。
【0062】前記第2の課題解決手段によれば、電気抵
抗調整剤を含有するゴム材を用いて、内径が前記芯金の
外径と同一又は該外径より大きく、かつ、外径が前記周
面部材の外径より小さい円筒状のロール素材を形成し、
一面がサンドブラスト処理等による凹凸を設けられ、か
つ、他面が離型性を有するフィルムでもって、該フィル
ムの内周面が前記凹凸面となるように前記ロール素材を
覆い、これらを内径が前記周面部材の外径と実質的に同
径の断面円形のキャビティ面を有する成形型に装填し、
前記芯金を前記ロール素材の筒孔に通した状態とし、前
記成形型内で前記ロール素材を膨張させ、前記フィルム
とともにゴムロールを成形型から脱型するようにしたか
ら、前記芯金をロール素材の筒孔に通す作業が簡単であ
り、かつ、ロール素材の変形を招くこともない。また、
電気抵抗が全体にわたって均一で、かつ、表面にあばた
の発生がなく、外径フレのない寸法精度が極めて高いゴ
ムロールが得られるので、該ゴムロールを帯電ロールと
して使用すれば、濃度が均一で、かつ、白ポチや黒ポチ
のない高品質の画像を得ることができる。
【0063】前記第3の課題解決手段によれば、フィル
ムの凹凸面の表面粗さが10μm以下であることとした
から、ゴムロールの表面に転写された凹凸も極めて小さ
いので、該ゴムロールを帯電ロールとして使用しても、
凹部の帯電性能と凸部の帯電性能との差は無視すること
ができ、画像品質に問題は生じない。
【0064】前記第4の課題解決手段によれば、フィル
ムの離型性を有する面が樹脂を塗布してなるものである
こととしたから、成形型からの成形品の脱型が極めて容
易である。更に、前記樹脂がフィルム面に強固に密着し
ているので、塗布された樹脂が剥がれて成形品に付着す
ることもない。従って、従来のように金型のキャビティ
面に離型剤を塗布して離型処理を施す必要がないため、
前記ゴムロールを帯電ロール等に使用しても離型剤によ
る静電潜像担持体の汚染の心配がない。
【0065】前記第5の課題解決手段によれば、フィル
ムの厚さが40μm以下であることとしたから、前記フ
ィルムのラップ部分に生じる段差も小さいので、ゴム成
形品の使用においても差し支えがない。即ち、前記段差
が転写されたゴムロールを帯電ロールとして使用して
も、該帯電ロールと静電潜像担持体との隙間は十分に小
さくなるので、帯電能を悪化させることもなく良好な画
像を得ることができる。
【0066】前記第6の課題解決手段によれば、電気抵
抗調整剤と発泡剤とを含有するゴム材を用いて成形素材
又はロール素材を形成し、該発泡剤を発泡させて成形素
材又はロール素材を膨張させるようにしたから、前記成
形素材又はロール素材を比較的小さなものにしても大き
な体積膨張を期することができるので、成形型への装填
が極めて容易になり、かつ、ゴム材の食み出し防止や流
出防止等の面でも有利になるとともに、発泡倍率を制御
することによってゴム成形品又はゴムロールの周面部材
の硬さを任意に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のゴムロールを一部切り欠いて示す斜
視図
【図2】実施例1のロール素材の一部を示す斜視図
【図3】実施例1の金型とロール素材とを示す断面図
【図4】実施例1のフィルムを示す斜視図
【図5】実施例1及び比較例1の電気比抵抗を比較して
示すグラフ図
【図6】電子写真装置の構造を示す断面図
【図7】従来のロール素材を示す斜視図
【図8】半割り金型を示す斜視図
【符号の説明】
1 ゴムロール 2 芯金 3 周面部材 5 ロール素材 6 成形型(金型) 6a キャビティ面 9 フィルム 9a 凹凸面 32 帯電ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 21:00 105:04 105:16 105:22 B29L 31:32

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の電気抵抗を有するゴム成形品の製
    造方法であって、前記電気抵抗を調整するための電気抵
    抗調整剤を含有するゴム材を用いて、前記ゴム成形品よ
    り小さい成形素材を形成する工程と、一面がサンドブラ
    スト処理等による凹凸を設けられ、かつ、他面が離型性
    を有するフィルムでもって、該フィルムの内周面が前記
    凹凸面となるように前記成形素材を覆う工程と、これら
    を前記ゴム成形品の外面形状と実質的に同一の内面形状
    に形成されたキャビティ面を有する成形型に装填する工
    程と、該成形型内で前記成形素材を膨張させる工程と、
    前記フィルムとともにゴム成形品を成形型から脱型する
    工程とを順に行うことを特徴とするゴム成形品の製造方
  2. 【請求項2】 芯金の周りに周面部材が設けられ、か
    つ、所定の電気抵抗を有するゴムロールの製造方法であ
    って、前記電気抵抗を調整するための電気抵抗調整剤を
    含有するゴム材を用いて、内径が前記芯金の外径と同一
    又は該外径より大きく、かつ、外径が前記周面部材の外
    径より小さい円筒状のロール素材を形成する工程と、一
    面がサンドブラスト処理等による凹凸を設けられ、か
    つ、他面が離型性を有するフィルムでもって、該フィル
    ムの内周面が前記凹凸面となるように前記ロール素材を
    覆う工程と、これらを内径が前記周面部材の外径と実質
    的に同径の断面円形のキャビティ面を有する成形型に装
    填する工程と、前記芯金を前記ロール素材の筒孔に通し
    た状態とする工程と、前記成形型内で前記ロール素材を
    膨張させる工程と、前記フィルムとともにゴムロールを
    成形型から脱型する工程とを順に行うことを特徴とする
    ゴムロールの製造方法
  3. 【請求項3】 フィルムの凹凸面の表面粗さが、10μ
    m以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載するゴム成形品又はゴムロールの製造方法
  4. 【請求項4】 フィルムの離型性を有する面が、樹脂を
    塗布してなるものであることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載するゴム成形品又はゴムロールの製造方
  5. 【請求項5】 フィルムの厚さが、40μm以下である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載するゴム
    成形品又はゴムロールの製造方法
  6. 【請求項6】 電気抵抗調整剤と発泡剤とを含有するゴ
    ム材を用いて成形素材又はロール素材を形成し、かつ、
    該発泡剤を発泡させることによって前記成形素材又はロ
    ール素材を膨張させることを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載するゴム成形品又はゴムロールの製造方法
  7. 【請求項7】 電気抵抗調整剤が、カーボンブラック、
    グラファイト及び導電性金属粒子のうちから選択される
    1又は2以上のものからなることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載するゴム成形品又はゴムロールの製
    造方法
  8. 【請求項8】 ゴムロールが帯電ロールであることを特
    徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか一つに記載す
    るゴムロールの製造方法
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