JPH11197912A - スローアウェイチップ - Google Patents

スローアウェイチップ

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Publication number
JPH11197912A
JPH11197912A JP10008087A JP808798A JPH11197912A JP H11197912 A JPH11197912 A JP H11197912A JP 10008087 A JP10008087 A JP 10008087A JP 808798 A JP808798 A JP 808798A JP H11197912 A JPH11197912 A JP H11197912A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
cutting edge
nose
breaker
chip
Prior art date
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Pending
Application number
JP10008087A
Other languages
English (en)
Inventor
Giichi Okada
義一 岡田
Takeshi Ryu
猛 劉
Hiroyuki Takahashi
浩之 高橋
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
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Priority to DE19901456A priority patent/DE19901456B4/de
Priority to US09/232,679 priority patent/US6234726B1/en
Publication of JPH11197912A publication Critical patent/JPH11197912A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超仕上げ切削から汎用切削までの幅広い切削
領域において確実かつ効果的な切屑処理を図る。 【解決手段】 多角形平板状のチップ本体11の上面を
すくい面12とし、すくい面12の辺稜部の切刃14同
士が交差するノーズ部Cにノーズ部切刃15を形成し、
さらにすくい面12上に、すくい面12から隆起するチ
ップブレーカ18をノーズ部Cに向けて延びるように形
成し、ノーズ部切刃15のすくい角をノーズ部切刃15
の両端15A,15Bからノーズ部Cの二等分線L上の
位置に向かうに従い漸次大きくするとともに、チップブ
レーカ18のブレーカ壁面20Bのうち、ノーズ部切刃
15に臨む部分に、すくい面12Bから隆起する第1の
ブレーカ壁20aと、この第1のブレーカ壁20aか
ら、第1のブレーカ壁20aよりも緩やかに隆起する第
2のブレーカ壁20bとを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密加工における
超仕上げ切削から一般的な汎用切削までの幅広い切削領
域において、確実かつ効果的な切屑処理性能を発揮する
ことができるスローアウェイチップ(以下、チップと称
する。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8ないし図11は、従来のチップを示
すものである。これらの図に示すチップは、略菱形平板
状をなすチップ本体1の上面がすくい面2とされるとと
もに各側面が逃げ面3…とされ、これらすくい面2と各
逃げ面3…との交差稜線部、すなわち菱形のすくい面2
の各辺稜部に切刃4…が形成されてなるものであり、さ
らにこのすくい面2の角部のうち、互いに隣接する切刃
4,4同士が鋭角に交差する角部はノーズ部Cとされ、
このノーズ部Cには上記切刃4,4に滑らかに接するよ
うに連なる凸円弧状のノーズ部切刃5が形成されてい
る。ここで、このチップにおいては図9ないし図11に
示すように、上記すくい面2が、切刃4およびノーズ部
切刃5から内側に向かうに従い一定の勾配で下降傾斜す
るように形成されており、これにより切刃4およびノー
ズ部切刃5には、正のすくい角θが与えられている。
【0003】また、上記すくい面2上には、切刃4…お
よびノーズ部切刃5,5の内側に、これら切刃4…およ
びノーズ部切刃5,5との間に間隔を開けて、チップブ
レーカ6がすくい面2から隆起するように形成されてい
る。このチップブレーカ6は、図8に示すようにすくい
面2に対向する方向から見た平面視において、切刃4…
の内側の部分では該切刃4…との間に等間隔をあけて、
その外周のブレーカ壁面7が上記すくい面2よりも一回
り小さな菱形を呈するように形成される一方、上記ノー
ズ部C,C部分では、これらノーズ部C,Cを結ぶ対角
線方向に延びて、その先端部がノーズ部切刃5に近接し
た位置に達するように形成されている。なお、図中に符
号8で示すのは、このチップ本体1をバイト等の工具に
取り付けるためのクランプネジ等が挿通される取付穴で
ある。
【0004】しかるに、このようなチップを用いた切削
のうち、仕上げ切削のように切り込みや送りが比較的小
さくてノーズ部切刃5の周辺のみが使用される場合に
は、このノーズ部切刃5により生成される切屑は薄肉で
幅の小さなものとなるが、上記構成のチップによれば、
かかる切屑は、その生成直後に上記ノーズ部切刃5に近
接した上記チップブレーカ6先端部のブレーカ壁面7に
衝突することになるので、切屑を分断することができ
る。一方、荒切削のように切り込みや送りが比較的大き
くて、ノーズ部切刃5から切刃4にかけての部分が使用
される場合には、肉厚で幅広の切屑が生成されることに
なるが、上記構成のチップでは、このような切屑は、切
刃4とチップブレーカ6との間のすくい面2上を擦過す
るうちに抵抗を受けて折り曲げられ、チップブレーカ6
に衝突し、カールして分断される。従って、上記チップ
によれば、荒切削から通常の仕上げ切削までの一般的な
汎用切削領域においては、効率的な切屑処理を図ること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、例えば精密
加工などにおける超仕上げ切削のように、上記通常の仕
上げ加工よりも切り込みや送りがさらに微小に設定され
る場合には、切屑は一層肉薄かつ幅狭となって伸び気味
となるため分断され難くなる一方、ノーズ部切刃5のう
ち切削に使用されて切屑を生成する部分も小さくなるの
で、上述のような汎用切削用のチップでは、生成された
切屑を確実にチップブレーカ6の上記先端部に衝突させ
て処理することが困難となる。従って、このような超仕
上げ切削の場合には、上記チップブレーカ6の先端部を
ノーズ部切刃5にさらに近接させて形成したり、チップ
本体1の厚さ方向におけるチップブレーカ6の高さを大
きくしたり、あるいはこのチップブレーカ6の先端部の
ブレーカ壁面7の隆起を全体的に急勾配にしたりするな
どして、ノーズ部切刃5によって生成された切屑を、確
実にチップブレーカ6先端部のブレーカ壁面7に衝突さ
せるようにしなければならない。
【0006】しかしながら、まずチップブレーカ6の先
端部をノーズ部切刃5にさらに近接させると、逆に当該
チップを一般的な汎用切削に用いる際、特に荒切削のよ
うに厚肉幅広の切屑が生成される場合に、切刃4および
ノーズ部切刃5とチップブレーカ6との間に画成される
ポケット部分が小さくなり、その結果、切屑が詰まり気
味となってその処理性能が却って損なわれるおそれがあ
る。また、このように切屑が詰まり気味となると、切削
抵抗が大きくなってビビリが生じ、仕上面精度の劣化や
チップ寿命の短縮を招いたりするおそれもある。一方、
チップブレーカ6の高さを大きくしたり、ブレーカ壁面
7の隆起を急にしたりした場合でも、汎用切削の際には
切屑の排出性が損なわれるため、切屑が詰まり気味とな
ることが避けられず、やはり切屑処理性能を損なう結果
となる。さらに、ブレーカ壁面7の隆起を急にした場合
には、汎用切削の際の厚肉幅広の切屑が衝突することに
より、抵抗の一層の増大を招くことにもなる。従って、
従来は超仕上げ切削用のチップを一般的な汎用切削に使
用することはできず、それぞれ専用のチップを用意して
切削加工を行わなければならなかった。
【0007】本発明は、このような背景のもとになされ
たもので、上述したように精密加工における超仕上げ切
削から一般的な汎用切削までの幅広い切削領域におい
て、確実かつ効果的な切屑処理を図ることができるチッ
プを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、多角形平板
状をなすチップ本体の上面がすくい面とされ、このすく
い面の辺稜部に切刃が形成されるとともに、互いに隣接
する上記切刃同士が交差するノーズ部にはノーズ部切刃
が形成され、さらに上記すくい面上には、該すくい面か
ら隆起するチップブレーカが、上記ノーズ部に向けて延
びるように形成されてなるチップにおいて、上記ノーズ
部切刃のすくい角を、該ノーズ部切刃の両端から、上記
ノーズ部の二等分線上の位置に向かうに従い漸次大きく
なるように形成するとともに、上記チップブレーカのブ
レーカ壁面のうち、上記ノーズ部切刃に臨む部分に、上
記すくい面から隆起する第1のブレーカ壁と、この第1
のブレーカ壁から、該第1のブレーカ壁よりも緩やかに
隆起する第2のブレーカ壁とを形成したことを特徴とす
るものである。
【0009】しかるに、このように構成されたチップに
おいては、上記ノーズ部切刃のすくい角がノーズ部切刃
の両端から、上記ノーズ部の二等分線上の位置、すなわ
ち該ノーズ部切刃の中央に向かうに従い、漸次大きくな
るように変化させられているので、超仕上げ切削の際な
どにこのノーズ部切刃によって生成される切屑は、その
幅方向に曲げモーメントを受けて分断されやすい状態で
生成される。さらに、こうしてノーズ部切刃のすくい角
が両端から中央に向けて大きくされるのに伴い、このノ
ーズ部切刃に連なるすくい面は、ノーズ部切刃に沿って
その両端から中央に向かうに従い陥没する谷形に形成さ
れる。従って、上記チップによれば、もともと分断され
やすく生成された切屑が、上記すくい面上を擦過するこ
とにより抵抗を受けてその長手方向に折り曲げられるの
は勿論、該すくい面がなす上記谷の底に導かれて折り曲
げられ、さらにこの谷底に沿って案内されてチップブレ
ーカのブレーカ壁面に衝突させられることになるので、
たとえ超仕上げ切削による薄肉幅狭の切屑であっても、
チップブレーカをノーズ部切刃に近付けすぎたり、チッ
プブレーカの高さを大きくしたり、あるいはその隆起を
全体的に急勾配としたりすることなく、確実かつ容易に
分断することができる。
【0010】しかも、このチップブレーカのブレーカ壁
面の上記ノーズ部切刃に臨む部分には、上記すくい面か
ら隆起する第1のブレーカ壁と、この第1のブレーカ壁
から第1のブレーカ壁よりも緩やかに隆起する第2のブ
レーカ壁とが形成されており、従って超仕上げ切削の際
に生成された切屑は、上記すくい面がなす谷の底に沿っ
て案内されて、第2のブレーカ壁よりも急な隆起ですく
い面から隆起する上記第1のブレーカ壁に衝突させられ
るので、伸び気味に生成される超仕上げ切削の切屑を一
層確実に分断することが可能となる。また、汎用切削の
うちノーズ部切刃の全長を使用する一般的な仕上げ切削
において生成された切屑も、この第1のブレーカ壁に衝
突させられて分断させられる。その一方で、このチップ
ブレーカは、上記第1のチップブレーカ壁から該第1の
チップブレーカ壁よりも緩やかに隆起する上記第2のチ
ップブレーカ壁によってその高さが抑えられるので、汎
用切削のうち荒切削において生成される比較的肉厚で幅
広の切屑が詰まりを生じるようなことはなく、かかる切
屑についても適正にチップブレーカに衝突させて折り曲
げ、確実に分断させることが可能となる。
【0011】また、上述のようにノーズ部切刃のすくい
角がその両端から中央に向けて漸次大きくなるように設
定されていることにより、このノーズ部切刃の両端部分
およびこれに連なる切刃の部分には十分な刃先角を確保
することができ、これらの部分を使用する一般的な仕上
げ切削や荒切削では、当該部分に大きな切削負荷にも耐
えうる刃先強度を与えることができる。その一方で、ノ
ーズ部切刃のすくい角を上記二等分線上において最大と
することにより、超仕上げ切削のように切り込みや送り
が小さくて、ノーズ部切刃の先端部分、すなわち上記二
等分線上に位置する部分が主として切削に使用される場
合に、この先端部分に鋭い切れ味を与えて優れた仕上面
精度を得ることができる。
【0012】ここで、このようにノーズ部切刃のすくい
角を、該ノーズ部切刃の両端から、上記ノーズ部の二等
分線上の位置に向かうに従い漸次大きくなるように形成
するに際しては、上記ノーズ部切刃のすくい角を、該ノ
ーズ部切刃の両端において−10°〜30°の範囲に設
定するとともに、上記二等分線上の位置において0°〜
40°の範囲に設定するのが望ましい。これは、ノーズ
部切刃の両端におけるすくい角が上記範囲よりも小さい
と、これに連なる切刃のすくい角も小さくなって、汎用
切削の際の切削抵抗が増大してしまうおそれがあり、逆
にこの両端のすくい角が上記範囲よりも大きいと、上記
切刃の刃先角が小さくなって大きな負荷の作用する汎用
切削の際に欠損が生じるおそれがある一方、上記二等分
線上の位置におけるノーズ部切刃のすくい角が上記範囲
よりも小さいと、超仕上げ切削の際のノーズ部切刃の切
れ味が損なわれて、上述のような優れた仕上面精度を得
ることが困難となり、逆にこの二等分線上のすくい角が
上記範囲よりも大きいと、ノーズ部切刃の先端部分の刃
先角が小さくなりすぎて、硬質材料の超仕上げ切削の場
合に欠損が生じるおそれがあるからである。
【0013】一方、上記チップブレーカのブレーカ壁面
については、上記二等分線を含む断面において第1、第
2のブレーカ壁が直線状をなすように、それぞれの隆起
の勾配、すなわち隆起角を一定に設定することも可能で
あるが、超仕上げ切削の際の切屑をより一層確実に分断
させるには、上記二等分線を含む断面において、上記第
1のブレーカ壁を凸曲線をなして隆起するように形成す
るのが望ましい。すなわち、このような構成を採ること
により、すくい面からの第1のブレーカ壁の隆起をより
急なものとすることができ、超仕上げ切削の際に生成さ
れて上記すくい面に沿って案内された切屑を、この第1
のブレーカ壁に衝突させてより効果的に分断させること
ができる。また、上記第2のブレーカ壁については、上
記二等分線を含む断面における隆起角が小さすぎると、
チップブレーカの高さが低くなりすぎて荒切削等の汎用
切削の際の切屑へのブレーキングが弱くなり、切屑分断
性が損なわれるおそれがある一方、この隆起角が大きす
ぎると、第2のブレーカ壁がノーズ部切刃側に立ち上が
るため、切刃との間のポケット部分が小さくなって切屑
詰まりを生じるおそれがあるとともに、汎用切削の際の
切屑がこの第2のブレーカ壁に衝突して過大なブレーキ
ング作用を受け、切削抵抗の増大を来すおそれがある。
このため、上記隆起角は、1°〜30°の範囲に設定さ
れるのが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】図1ないし図7は、本発明の第1
の実施形態を示すものである。本実施形態のチップにお
いて、そのチップ本体11は超硬合金等の硬質材料から
略菱形平板状に形成され、その上面がすくい面12とさ
れるとともに各側面が逃げ面13…とされ、これらすく
い面12と各逃げ面13…との交差稜線部に切刃14…
が形成されるとともに、このすくい面12の角部のう
ち、互いに隣接する切刃14,14同士が鋭角に交差す
る4つのノーズ部C…には、これらの切刃14,14に
滑らかに接するように連なる凸円弧状のノーズ部切刃1
5が形成されている。なお、本実施形態において、これ
ら切刃14…およびノーズ部切刃15…は、平板状のチ
ップ本体11の厚さ方向(以下、チップ厚さ方向と称す
る。)に垂直な一の平面上に配置されるように形成され
ている。
【0015】また、本実施形態のチップは、上記逃げ面
13…がチップ本体11の下面16側に向かうに従い、
それぞれチップ本体11の内側に向かうように傾斜させ
られていて、切刃14…およびノーズ部切刃15,15
に対して逃げ面13…に予め逃げ角が付されたポジティ
ブチップとされている。ただし、本実施形態では図1に
示すように、この逃げ面13のうち上記切刃14に連な
る部分は、チップ本体11の厚さ方向に亙って均一な逃
げ角で傾斜するように形成されている。さらに、すくい
面12の中央から下面16にかけては、チップ本体11
をバイト等の切削工具に装着するためのクランプネジ等
が挿通される取付穴17が貫設されている。
【0016】ここで、本実施形態では、上記すくい面1
2のうち上記切刃14…に連なるすくい面部分12A
は、切刃14側に一定の幅で形成されて切刃14から離
間するに従い一定の勾配でチップ厚さ方向に下降傾斜す
る第1のすくい面12aと、この第1のすくい面12a
の内側に連なってチップ厚さ方向に垂直に延びる第2の
すくい面12bとから構成されており、従って切刃14
…にはその全長に亙って、上記第1のすくい面12aに
より一定のすくい角αが与えられている。なお、本実施
形態においては、上述のように第1のすくい面12aが
チップ厚さ方向に下降傾斜しているため、切刃14に与
えられるすくい角αは正角となるが、この第1のすくい
面12aを切刃14から離間するに従いチップ厚さ方向
に隆起するように形成して、切刃14のすくい角αを負
角側に設定するようにしてもよい。ただし、こうして切
刃14に与えられるすくい角αは−10°〜30°の範
囲に設定されるのが望ましい。
【0017】これに対して、すくい面12のうち上記ノ
ーズ部切刃15…に連なる扇形のすくい面部分12B
は、各ノーズ部切刃15の両端15A,15B間におい
て該ノーズ部切刃15に対するすくい角が変化するよう
に形成されている。そして、具体的に本実施形態では、
このノーズ部切刃15のすくい角は、ノーズ部切刃15
の両端15A,15Bにおいて上記切刃14と等しいす
くい角αとされるとともに、該両端15A,15Bから
離間するに従い漸次増大させられて、上記ノーズ部Cの
二等分線L上の位置において、すなわち、チップ厚さ方
向にすくい面12に対向する方向からみた平面視に上記
両端15A,15Bに連なる切刃14,14がなす交差
角の二等分線Lとの交点となるノーズ部切刃15の中央
15Cの位置において、最大のすくい角βをなすように
設定されている。なお、このノーズ部切刃15がなす最
大のすくい角βは、上記すくい角αよりも正角側に設定
されることとなるが、0°〜40°の範囲に設定される
のが望ましい。
【0018】一方、チップ本体11の上記すくい面12
上には、このすくい面12から隆起するチップブレーカ
18が、切刃14…およびノーズ部切刃15…との間に
間隔を開けて形成されている。すなわち、このチップブ
レーカ18は、切刃14に連なる上記すくい面部分12
Aの第1のすくい面12aおよびノーズ部切刃15に連
なる上記すくい面部分12Bの内側に形成され、かつ、
チップ厚さ方向に垂直とされた上記すくい部分12Aの
第2のすくい面12bからチップ厚さ方向に突出するよ
うに隆起するものであり、本実施形態では、上記取付穴
17の周りに略円環状に形成された環状部19と、この
環状部19の外周から、菱形をなすすくい面12の対角
線に沿って上記ノーズ部C…に向け放射状に延びる4つ
の突条部20…とから構成されている。なお、このうち
上記環状部19の上面19Aは、チップ厚さ方向に垂直
な平坦面とされるとともに、上記切刃14…およびノー
ズ部切刃15…や突条部20よりもチップ厚さ方向に突
出するように形成され、当該チップのボス面とされてい
る。また、この環状部19の外周のブレーカ壁面19B
は、外周側に向かうに従い漸次下降する傾斜面状に形成
されている。
【0019】他方、このチップブレーカ18の上記突条
部20…は、図4に示すようにすくい面12に対向する
平面視において、各ノーズ部C側に向かうに従い全体的
に幅狭となるように形成されており、上記環状部19と
同様に、チップ厚さ方向に垂直とされた上面20Aと、
この上面20Aの周縁から外周側に向かうに従い漸次下
降傾斜するブレーカ壁面20Bとから構成されている。
そして、さらにこのブレーカ壁面20Bは、上記上面2
0Aの外周側の両側縁に沿って形成されるとともに、上
記ノーズ部Cに臨む部分において該ノーズ部C側に延び
てノーズ部切刃15の上記すくい面部分12Bに連なる
第1のブレーカ壁20aと、上記上面20Aのノーズ部
C側においてこの上面20Aと上記第1のブレーカ壁2
0aとの間に形成された第2のブレーカ壁20bと、上
記第1のブレーカ壁20aの外周側の側縁から上記第2
のすくい面12bに至る第3のブレーカ壁20cとから
構成されている。
【0020】ここで、上記第1のブレーカ壁20aは、
上記上面20Aに沿う部分ではチップ厚さ方向に垂直な
方向に延在するように形成される一方、上記ノーズ部C
に臨む部分では、該ノーズ部C側に向かうに従い漸次下
降傾斜して延在し、かつ上記平面視において上面20A
の両側縁からノーズ部Cに近接する突端部で交差する挟
角の小さいV字状をなすように形成されている。また、
本実施形態では、この第1のブレーカ壁20aは、当該
第1のブレーカ壁20aが延在するその延在方向に直交
する断面において、上記上面20Aおよび第2のブレー
カ壁20bと第3のブレーカ壁20cとに滑らかに接す
る円弧状をなすように形成されており、特にノーズ部C
に臨む上記突端部では、ノーズ部切刃15のすくい面部
分12Bから隆起する球面状に形成される。一方、上記
第2のブレーカ壁20bは、上記平面視において、この
第1のブレーカ壁20aのノーズ部Cに臨む部分がなす
上記V字の間に形成されて、ノーズ部C側に向かって先
細りとなる二等辺三角形状を呈することとなり、上記上
面20Aに鈍角に交差するとともにこの第1のブレーカ
壁20aのノーズ部Cに臨む部分と等しい勾配で該ノー
ズ部C側に向かうに従い漸次下降傾斜する傾斜平面状に
形成されている。
【0021】しかして、このように第1、第2のブレー
カ壁20a,20bが形成されることにより、上記ノー
ズ部Cに臨む部分における上記ブレーカ壁面20Bは、
図7に示すようにノーズ部Cの上記二等分線Lの位置に
おける断面において、ノーズ部切刃15に連なるすくい
面12Bからチップ本体11の内側に向かうに従い、ま
ず第1のブレーカ壁20aによって凸曲線状に急勾配で
隆起し、次いで第2のブレーカ壁20bに至って、上記
凸曲線に滑らかに接し、かつ第1のブレーカ壁20aよ
りも緩やかな勾配で該第1のブレーカ壁20aから隆起
する直線状をなし、さらにチップブレーカ18の突条部
20の平坦な上面20Aに達するように形成されること
となる。なお、ここで、この二等分線Lの位置における
上記第2のブレーカ壁20bの隆起角φは、1°〜30
°の範囲に設定されるのが望ましい。
【0022】また、このブレーカ壁面20Bの上記第3
のブレーカ壁20cは、突条部20の上記上面20Aに
第1のブレーカ壁20aを介して連なる部分では、略一
定の幅および傾斜で外周側に向かうに従い下降傾斜する
ように形成されるとともに、上記ノーズ部Cに臨む部分
においては、上記第1、第2のブレーカ壁20a,20
bがノーズ部C側に向けて下降傾斜するのに伴い、ノー
ズ部C側に向けて漸次幅狭となるように形成される。な
お、上記上面20Aの両側縁には、それぞれ上記平面視
において外周側に凸曲する凸曲部21が形成されてお
り、この凸曲部21に連なる部分においては、上記第
1、第3のブレーカ壁20a,20cも上記平面視に外
周側に凸曲するように形成されることとなる。また、こ
の凸曲部21よりもノーズ部C側において上記上面20
Aの両側縁は上記平面視に凹曲するように形成されてお
り、これに伴い、この部分に連なる上記第1、第3のブ
レーカ壁20a,20cも平面視に凹曲するように形成
される。
【0023】さらに、チップ本体11の上記すくい面1
2が上述のように略菱形に形成されているのに伴い、チ
ップブレーカ18の上記突条部20は、すくい面12の
ノーズ部C…のうち、切刃14,14が鋭角に交差する
ノーズ部C,Cに向けて延びる一対の突条部20,20
の方が、切刃14,14が鈍角に交差するノーズ部C,
Cに向けて延びる他の一対の突条部20,20よりも長
く形成されることとなる。そして、この長く形成された
一対の突条部20,20においては、その上面20Aの
両側縁の上記凸曲部21よりも取付穴17側の部分が、
上記平面視において凹曲するように形成されており、こ
れに伴い、この部分に連なる上記第1、第3のブレーカ
壁20a,20cも、ノーズ部C側と同様に上記平面視
に凹曲して形成される。
【0024】一方、チップブレーカ18の上記環状部1
9のブレーカ壁面19Bのうち、上記突条部20…のブ
レーカ壁面20B…に連なる部分も、上記平面視に凹曲
するように形成されている。従って、これらにより、上
記切刃14…に連なるすくい面部分12A…は、その上
記第2のすくい面12bの上記平面視に切刃14に直交
する方向における幅が、ノーズ部C,C間で該ノーズ部
Cから離間するに従い略漸増して、上記ブレーカ壁面1
9B,20Bの接合部分で最大となり、その後に環状を
なす上記ブレーカ壁面19Bに沿って漸減して、切刃1
4の略中央で小さくなるように形成される。
【0025】しかるに、このように構成されたチップに
より、まず切り込みや送りが大きくてノーズ部切刃15
から切刃14までを用いる荒切削を行う場合などにおい
ては、切屑はその大部分が上記切刃14によって生成さ
れることとなり、該切刃14に連なるすくい面部分12
Aを擦過するうちに抵抗を受け、チップブレーカ18の
ブレーカ壁面19Bやブレーカ壁面20Bに衝突して分
断されるが、上記構成のチップでは、このチップブレー
カ18のブレーカ壁面20Bのうち上記ノーズ部切刃1
5に臨む部分に、すくい面12の上記すくい面部分12
Bから隆起する第1のブレーカ壁20aと、この第1の
ブレーカ壁20aからこれよりも緩やかに隆起する第2
のブレーカ壁20bとが形成されており、この第2のブ
レーカ壁20bによって上記チップブレーカ18の突条
部20の高さが抑えられるので、切刃14までが用いら
れて肉厚幅広の切屑が生成される荒切削等においても、
切屑排出性が損なわれて切屑詰まりを生じたり過大なブ
レーキング作用が生じたりして切削抵抗の著しい増大を
招くような事態を防止することができる。しかも、本実
施形態においては、上述のようにノーズ部Cから離間す
るに従い、切刃14に連なるすくい面部分12Aの第2
のすくい面12bの幅が漸次増大しており、すなわち切
り込みが大きくなるほど、切刃14からブレーカ壁19
B,20Bまでの間隔が増大して大きなチップポケット
が確保されるので、切屑詰まりの発生をより確実に防止
することが可能となる。
【0026】また、このような荒切削よりも切り込みや
送りが小さく、ノーズ部切刃15の略全長を用いる一般
的な仕上げ切削等において、切屑は、このノーズ部切刃
15に連なるすくい面部分12Bを擦過するうちに抵抗
を受けるとともに、このノーズ部切刃15に臨むチップ
ブレーカ18の突条部20のブレーカ壁面20Bのうち
上記すくい面部分12Bから急勾配で隆起する第1のブ
レーカ壁20aに衝突させられ、速やかに分断される。
しかるに、上記構成のチップによれば、後述するように
ノーズ部切刃15と上記突条部20の先端との間の間隔
は従来の汎用切削用のチップと同じとすることができる
ので、このような一般的な仕上げ切削の場合でも、切屑
が詰まりを生じて切削抵抗の増大を招いたり、あるいは
このような切削抵抗の増大によってビビリが生じて加工
面精度やチップ寿命が損なわれたりするのを防止するこ
とができる。
【0027】そして、このような一般的な仕上げ切削よ
りも切り込みや送りがさらに小さい超仕上げ切削等を行
う場合においては、上記ノーズ部切刃15のうちでもそ
の一部だけが使用され、極薄肉で幅の小さい切屑が生成
されることとなるが、上記構成のチップでは、このノー
ズ部切刃15のすくい角が、上述のように該ノーズ部切
刃15の両端15A,15Bから上記二等分線L上の中
央15Cに向かうに従い大きくなるように、上記両端1
5A,15B間で変化するように形成されているため、
このノーズ部切刃15によって生成される切屑は、その
生成の時点で幅方向に曲げモーメントを受けて、長手方
向、すなわち当該切屑の流出方向に分断されやすい状態
で生成されることになる。しかも、上記構成のチップで
は、このようにノーズ部切刃15のすくい角がその両端
15A,15Bから中央15Cに向けて漸次大きくされ
ることにより、このノーズ部切刃15に連なるすくい面
部分12Bは、該ノーズ部切刃15に沿って上記両端1
5A,15B側から上記二等分線L側に向かうに従い陥
没する谷形に形成されることになり、上記超仕上げ切削
の際に生成された切屑は、このすくい面部分12Bがな
す谷に沿ってその谷底に向かうように流出することとな
る。
【0028】さらに上記構成のチップでは、このすくい
面部分12Bがなす谷底の奥に、ノーズ部C側に延びる
チップブレーカ18の突条部20の第1のブレーカ壁2
0aが急勾配で隆起するように形成されており、このた
め上記谷底に流出した切屑は、この第1のブレーカ壁2
0aに衝突して分断されることとなる。すなわち、上記
構成のチップによれば、もともと分断されやすく生成さ
れた切屑が、急勾配で隆起するチップブレーカ18の第
1のブレーカ壁20aに確実に衝突させられることにな
るので、超仕上げ切削の際に生成される薄肉で幅の小さ
な切屑であっても容易に分断することが可能となり、従
来のようにチップブレーカの先端部をノーズ部切刃に接
近させすぎたり、チップブレーカの高さを高くしたり、
あるいはこのチップブレーカのブレーカ壁面を全体的に
急勾配にしたりせずとも、効率的な切屑の処理を図るこ
とが可能となる。
【0029】このように、上記構成のチップによれば、
ノーズ部切刃15とノーズ部Cに臨むチップブレーカ1
8の突条部20の先端との間の間隔は従来の汎用切削用
のチップと同じとすることができるとともに、このチッ
プブレーカ18の突条部20高さやそのブレーカ壁面2
0Bの全体的な勾配を抑えることができ、これにより、
上述のように当該チップを一般的な仕上げ切削に用いた
場合は勿論、肉厚で幅の広い切屑が生成される荒切削に
用いた場合でも、切屑詰まりが生じるのを防いで良好な
切屑処理性を維持することが可能となって、この切屑詰
まりに伴う切削抵抗の増大を抑えてビビリを防止し、仕
上面精度の劣化やチップ寿命の短縮を防ぐことができ
る。従って、結果的に上記超仕上げ切削から、一般的な
仕上げ切削や荒切削までの汎用切削に用いることが可能
な、より汎用性の高いチップを提供することできる。
【0030】さらに本実施形態では、このノーズ部切刃
15のすくい角が、該ノーズ部切刃15が形成されるす
くい面12のノーズ部Cの二等分線L上において最大の
すくい角βとなるように設定されており、すなわちノー
ズ部切刃15の中央15Cにおいて最大のすくい角βと
なるように設定されている。しかるに、本実施形態のよ
うな凸円弧状をなすノーズ部切刃15においては、この
中央15Cの周辺がその先端部分となり、従って上記超
仕上げ切削等においては、このノーズ部切刃15の中央
15C周辺が使用されることとなるため、本実施形態に
よれば、この超仕上げ切削に使用される中央15C周辺
において特にノーズ部切刃15に鋭い切れ味を与えるこ
とができ、一層優れた仕上面精度を得ることが可能とな
るとともに、このノーズ部切刃15に連なるすくい面部
分12Bがなす上記谷形の底が、ノーズ部切刃15の中
央15Cから上記二等分線Lに沿って延びるように形成
されるので、この中央15Cにおいて生成された切屑
を、より確実に上記谷底に沿って案内させて速やかに分
断させることができるという効果も得られる。
【0031】その一方で、このようにノーズ部切刃15
のすくい角が該ノーズ部切刃15の両端15A,15B
よりも中央15Cの方が大きくされるのに伴い、このノ
ーズ部切刃15の両端15A,15B側およびこれに連
なる切刃14,14においては、大きな刃先角を確保す
ることができる。従って、これらの部分を使用する一般
的な仕上げ切削や荒切削においては、特に荒切削などに
おいて作用する大きな切削負荷にも耐えることができる
十分な刃先強度を切刃14およびノーズ部切刃15に与
えることが可能となり、これによってもチップ寿命の延
長を図ることができる。
【0032】なお、本実施形態では、上述のようにノー
ズ部切刃15のすくい角を、その両端15A,15Bか
らノーズ部Cの二等分線L上の位置に向かうに従い漸次
大きくなるように形成するに際して、上記両端15A,
15Bにおける最小のすくい角αを−10°〜30°の
範囲に設定するとともに、上記二等分線L上のノーズ部
切刃15の中央15Cにおける最大のすくい角βを0°
〜40°の範囲に設定しているが、これは、まず上記両
端15A,15Bにおける最小のすくい角αが−10°
よりも小さいと、これに連なる切刃14のすくい角も小
さくなって、汎用切削の際の切削抵抗が増大してしまう
おそれがあるからである。一方、この両端15A,15
Bにおけるすくい角αが30°よりも大きいと、上記切
刃14の刃先角が小さくなって大きな負荷の作用する汎
用切削の際に欠損が生じるおそれがある。
【0033】また、上記二等分線L上の位置におけるノ
ーズ部切刃15の中央15Cの最大となるすくい角βが
0°よりも小さいと、超仕上げ切削の際のノーズ部切刃
15の切れ味が損なわれて優れた仕上面精度を得ること
が困難となる一方、逆にこの二等分線L上の最大となる
すくい角βが40°よりも大きいと、超仕上げ切削の際
に使用されるノーズ部切刃15の先端部分、すなわち中
央15C周辺の刃先角が小さくなりすぎて、例えば硬質
材料の超仕上げ切削の場合に欠損が生じるおそれがあ
る。このため、このノーズ部切刃15のすくい角につい
ては、本実施形態のように最小となるその両端15A,
15Bにおけるすくい角αが−10°〜30°の範囲
に、また最大となるその上記二等分線L上の位置におけ
るすくい角βが0°〜40°の範囲に、それぞれ設定さ
れるのが望ましい。
【0034】一方、本実施形態では、上記チップブレー
カ18の突条部20のブレーカ壁面20Bにおける上記
第1のブレーカ壁20aが、突条部20の上面20Aお
よび第2、第3のブレーカ壁20b,20cに滑らかに
接する断面円弧状に形成されており、これに伴い、ノー
ズ部切刃15に臨む突条部20の先端部においても、上
記二等分線Lの位置における断面において、この第1の
ブレーカ壁20aがノーズ部15に連なるすくい面部分
12Bから凸曲線をなして隆起するように形成されてい
る。しかるに、この第1のブレーカ壁20aについて
は、これを上記二等分線Lの位置において第2のブレー
カ壁20bよりも急勾配の直線状をなすように形成する
ことも可能ではあるが、本実施形態では上述のような構
成とすることにより、特に超仕上げ切削の際に生成され
る切屑が衝突する第1のブレーカ壁20aの上記すくい
面部分12Bからの立ち上がりの部分の隆起をより急勾
配とすることができ、かかる切屑を一層確実かつ効果的
に分断させることが可能となる。
【0035】他方、上記第2のブレーカ壁20bについ
ては、上記二等分線Lの位置における断面において、そ
の隆起角φが1°〜30°の範囲に設定されているが、
これは、この隆起角φが1°を下回るほど小さすぎる
と、チップブレーカ18の突条部20の高さが小さくな
りすぎ、特に荒切削の際に生成された切屑がチップブレ
ーカ18に衝突したときのブレーキング作用が弱くなり
すぎて、かかる切屑の分断性が損なわれるおそれが生じ
る一方、逆に上記隆起角φが30°を上回るほど大きい
と、この第2のブレーカ壁20bがノーズ部切刃15側
に向けて立ち上がる形状となり、これら第2のブレーカ
壁20bとノーズ部切刃15との間のポケット部分が小
さくなることによって切屑排出性が損なわれて切屑詰ま
りを生じたり、あるいは荒切削の際の切屑がこの第2の
ブレーカ壁に衝突して過大なブレーキング作用を受け、
切削抵抗の増大を招いたりするおそれがあるからであ
る。従って、上記第2のブレーカ壁20bの隆起角φ
は、本実施形態のように1°〜30°の範囲に設定され
るのが望ましい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
すくい面の角部に形成されるノーズ部切刃のすくい角
が、ノーズ部切刃の両端からノーズ部の二等分線上の位
置に向かうに従い漸次大きくなるように形成されている
ので、超仕上げ切削の際にこのノーズ部切刃により生成
された切屑は、その生成の時点で幅方向に曲げモーメン
トを受けて分断されやすい状態で生成され、さらにノー
ズ部切刃に連なるすくい面部分がなす谷の底に案内され
るように流出し、しかもこの谷底の奥には、チップブレ
ーカのブレーカ壁面のうちの第1のブレーカ壁が、上記
すくい面部分から急勾配で隆起するように形成されてい
るので、切り込みや送りが極小さい超仕上げ切削により
生成された切屑でも、チップブレーカをノーズ部切刃に
近付けすぎたり、ブレーカ壁全体を高くしたり、急勾配
としたりすることなく、速やかに分断して円滑に処理す
ることが可能となる。その一方で、一般的な仕上げ切削
の際に生成される切屑は上記急勾配の第1のブレーカ壁
に衝突して確実に分断され、また荒切削の際に生成され
る切屑は、勾配の緩やかな第2のブレーカ壁によって高
さの抑えられたチップブレーカにより、切屑詰まりを起
こすことなく分断されるので、結果的に超仕上げ切削か
ら汎用切削までの幅広い切削条件に対応可能なチップを
提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】 図1に示す実施形態のノーズ部C周辺の拡大
斜視図である。
【図3】 図1に示す実施形態の平面図である。
【図4】 図3に示す実施形態のノーズ部C周辺の拡大
平面図である。
【図5】 図4におけるXX断面図である。
【図6】 図4におけるYY断面図である。
【図7】 図4におけるZZ断面図である。
【図8】 従来のスローアウェイチップを示す平面図で
ある。
【図9】 図8におけるXX断面図である。
【図10】 図8におけるYY断面図である。
【図11】 図8におけるZZ断面図である。
【符号の説明】
11 チップ本体 12 すくい面 12A 切刃14に連なるすくい面部分 12a すくい面部分12Aの第1のすくい面 12b すくい面部分12Aの第2のすくい面 12B ノーズ部切刃15に連なるすくい面部分 13 逃げ面 14 切刃 15 ノーズ部切刃 15A,15B ノーズ部切刃15の両端 15C ノーズ部切刃の中央 18 チップブレーカ 19 チップブレーカ18の環状部 19A 環状部19の上面 19B 環状部19のブレーカ壁面 20 チップブレーカ18の突条部 20A 突条部20の上面 20B 突条部20のブレーカ壁面 20a ブレーカ壁面20Bの第1のブレーカ壁 20b ブレーカ壁面20Bの第2のブレーカ壁 20c ブレーカ壁面20Bの第3のブレーカ壁 C ノーズ部 L ノーズ部Cの二等分線 α ノーズ部切刃15の両端15A,15Bにおけるす
くい角 β ノーズ部切刃15の二等分線L上の位置(中央15
C)におけるすくい角 φ 第2のブレーカ壁20bの隆起角

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多角形平板状をなすチップ本体の上面が
    すくい面とされ、このすくい面の辺稜部に切刃が形成さ
    れるとともに、互いに隣接する上記切刃同士が交差する
    ノーズ部にはノーズ部切刃が形成され、さらに上記すく
    い面上には、該すくい面から隆起するチップブレーカ
    が、上記ノーズ部に向けて延びるように形成されてなる
    スローアウェイチップにおいて、上記ノーズ部切刃のす
    くい角が、該ノーズ部切刃の両端から、上記ノーズ部の
    二等分線上の位置に向かうに従い漸次大きくなるように
    形成されるとともに、上記チップブレーカのブレーカ壁
    面のうち、上記ノーズ部切刃に臨む部分には、上記すく
    い面から隆起する第1のブレーカ壁と、この第1のブレ
    ーカ壁から、該第1のブレーカ壁よりも緩やかに隆起す
    る第2のブレーカ壁とが形成されていることを特徴とす
    るスローアウェイチップ。
  2. 【請求項2】 上記ノーズ部切刃のすくい角が、該ノー
    ズ部切刃の両端において−10°〜30°の範囲に設定
    されるとともに、上記二等分線の位置において0°〜4
    0°の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1
    に記載のスローアウェイチップ。
  3. 【請求項3】 上記二等分線の位置における断面におい
    て、上記第1のブレーカ壁は凸曲線をなして隆起するよ
    うに形成されていることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載のスローアウェイチップ。
  4. 【請求項4】 上記二等分線の位置における断面におい
    て、上記第2のブレーカ壁の隆起角が1°〜30°の範
    囲に設定されていることを特徴とする請求項1ないし請
    求項3のいずれかに記載のスローアウェイチップ。
JP10008087A 1998-01-19 1998-01-19 スローアウェイチップ Pending JPH11197912A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009255230A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Tungaloy Corp スローアウェイチップ

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