JPH06190612A - スローアウェイチップ - Google Patents

スローアウェイチップ

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JPH06190612A
JPH06190612A JP25735393A JP25735393A JPH06190612A JP H06190612 A JPH06190612 A JP H06190612A JP 25735393 A JP25735393 A JP 25735393A JP 25735393 A JP25735393 A JP 25735393A JP H06190612 A JPH06190612 A JP H06190612A
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高正 嶋野
Hitoshi Fukuoka
仁 福岡
Osamu Ichinoseki
修 一ノ関
Yuichi Suzuki
裕一 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は切屑処理範囲が広く、かつ、安定した
切屑処理性能を有するスローアウェイチップを提供する
ことを目的とする。 【構成】スローアウェイチップのコーナー部22の方向
へ突出する突出部42およびこれよりもさらに突出する
凸部47(80)を設けるようにしたものである。ま
た、凸部46の上面52を傾斜させ、さらには、突出部
42の平面形状を特定の形状とし、さらには、凸部を球
面状としたものである。 【作用】コーナー部の近くに凸部が存在しているので、
低切込み時の細い切屑を確実に処理することができる。
また前記凸部の後方に突出部があるので、この突出部に
よって、高切込み時の切屑を処理することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は切削用スローアウェイチ
ップに関するもので、さらに詳しくは、良好な切屑排出
性が得られる切削条件領域を広げたスローアウェイチッ
プに関する。
【0002】
【従来の技術】図37ないし図43はスローアウェイチ
ップの一従来例を示すものである。符号2はスローアウ
ェイチップであって、装着すべきバイト等の切削工具へ
の着座面となる上面4、下面6を備えている。前記上下
面4,6に対して垂直な側面8は、切削時の逃げ面とさ
れる。そして、前記上下面4,6を含む平面と前記側面
8との交線がそれぞれ切刃10となっている。前記上下
面4,6には、切刃10に沿ってブレーカ溝12が形成
されている。
【0003】前記ブレーカ溝12は、ランド14、すく
い面16、底面18、および前記上面4へ続く立ち上が
り面20により構成されている。前記上面4は、前記ス
ローアウェイチップ2がなすひし形の鋭角部のコーナー
部22へ向けて面方向に延ばされている。またコーナー
部22の近傍には、切屑処理用の突起24が設けられて
おり、この突起24は球面状をなしている。なお符号2
6はこのスローアウェイチップを工具本体に取り付ける
ための取付孔である。
【0004】上記スローアウェイチップ2にあっては、
前記切刃10を被削材に当てて切削を行うことにより発
生した切り屑が前記突起24によって案内されて排出さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記突
起24は球面状であるから薄板片状をなす切屑に接触す
る場合に点接触とならざるを得ず、したがって、切屑の
排出方向が安定せず、周囲の状況によって図23の矢印
イ方向、あるいはロ方向のいずれに排出されるかが定ま
らないという問題がある。また前記突起24は切屑と点
接触しているから、摩耗の進行に伴って点接触状態から
面接触状態と次第に接触面積が大きくなることが避けら
れず、切屑処理性能が変化してしまうという問題があ
る。
【0006】また、上記突起24は、低切込み時の厚み
の薄い切屑の排出性を考慮すると、コーナー部22に近
い位置に設けることによって、発生した切屑を直ちに曲
げられることが望ましく、また、高切込み時の厚い切屑
の排出性を考慮すると、コーナー部22から離れた位置
に設けることによって、切屑の詰まりを避けることが望
ましい。したがって、一定の形状および位置に突起24
を設ける限り、広範囲の切削条件に適合させることが難
しいという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1の発明は、略多角形板状の平面形状を有
し、その多角形状をなす上下面の少なくとも一方の周囲
に形成された切刃の内側にブレーカ溝が設けられたスロ
ーアウェイチップにおいて、前記ブレーカ溝より内側に
残存する中央部分からコーナー部へ向かってブレーカ溝
中に突出する突出部を設けるとともに、この突出部より
さらにコーナー部へ向かって突出する凸部を設けてな
り、該凸部は前記突出部より低く、この凸部の周囲と前
記ブレーカ溝との間には傾斜状の立ち上がり面が設けら
れたことを特徴とする。また請求項2の発明は、請求項
1において、前記凸部の上面は、コーナー部へ向かって
徐々に高さが低くされた傾斜面となっていることを特徴
とする。
【0008】請求項3の発明は、請求項1の凸部に代え
て、球面状の凸部を設けたことを特徴とする。
【0009】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かにおいて、前記突出部は略五角形状をなし、かつ、鋭
角状の頂点を前記コーナー部へ向けて配置されたことを
特徴とする。
【0010】請求項5の発明は、請求項4において、前
記突出部の前記鋭角を形成する二辺が、前記コーナー部
から離れるにしたがって前記切刃から離れる方向へ傾斜
していることを特徴とする。
【0011】請求項6の発明は、請求項1ないし5のい
ずれかにおいて、前記切刃の一部が側面視において曲線
状をなすことを特徴とする。
【0012】請求項7の発明は、請求項1ないし6のい
ずれかにおいて、前記切刃に沿って形成されたランド部
の幅が、前記コーナー部から所定距離離れた領域で他の
領域より広くされたことを特徴とする。
【0013】
【作用】上記構成によれば、コーナー部近くに存在する
凸部によって低切込み時の切屑排出性を確保することが
できる。また凸部の周囲に傾斜面が設けられているの
で、この傾斜面によって切屑を一定方向に安定して排出
することができる。請求項2のように凸部の上面が傾斜
しているので、高切込み時の切屑詰まりを防止すること
ができる。請求項3の球面状の凸部は、請求項1の凸部
に比して切屑との接触面積が小さく、したがって、切削
抵抗を軽減することができる。請求項4のように突出部
が五角形状となっているので、その稜線によって切屑を
一定方向へ案内することができる。請求項5のように五
角形の稜線が傾斜していると、コーナー部から離れるに
したがってブレーカ溝の幅を大きく確保することがで
き、したがって高切込み時に切屑詰まりが生じ難い。請
求項6のように切刃が曲線状をなしていると、低切込み
時の排出性が良好になる。請求項7のようにランド部の
幅が大きくなっていると、高切込み時における負荷の大
きい範囲を補強することができる。
【0014】
【実施例】図面を参照して本発明の実施例を説明する。
なお、図中従来例と共通部分には同一符号を付し、説明
を簡略化する。このスローアウェイチップ2にあって
も、従来例と同様、切刃10に沿ってブレーカ溝32が
形成されている。このブレーカ溝32は、ランド34、
すくい面36、底面38、および前記上面4へ続く立ち
上がり面40により構成されている。前記上面4は、前
記スローアウェイチップ2がなすひし形の鋭角部のコー
ナー部22へ向けて面方向に延ばされている。
【0015】前記上面4は、前記コーナー部22へ向け
て面方向へ延長され、かつ、この延長箇所に存在する突
出部42は、前記上面4の中心部分44から溝部46に
よって分断されている。前記突出部42は、平面視で略
五角形状をなし、該五角形の最も鋭角をなす頂点41が
前記コーナー部22を指向するように配置されている。
前記頂点41の両側の稜線は、図1に示すようにコーナ
ー部22から離れるにしたがって切刃10からの距離が
徐々に大きくなるように、切刃10に対してα°の角度
が設けられている。
【0016】前記上面4の中心部分44の稜線は、コー
ナー部22から切刃10の中央部分(コーナー部22か
ら離れた部分)へ近付くにしたがって、切刃10からの
距離が図1のh1からh2へと次第に大きくなるように
傾斜している。また前記上面における切刃10に最も接
近する突出部42の位置は、切刃10の全長Lに対し
て、L/4〜L/2となるように配置されている。また
突出部42の側部は、前記上面4の側部と同様に、ブレ
ーカ溝32から立ち上げられた傾斜状の立ち上がり面4
5となっている。
【0017】前記突出部42の先端(鋭角の頂点)とコ
ーナー部22との間のブレーカ溝32内には、側面視台
形状の凸部47が設けられている。この凸部47の外周
は、直線状の立ち上がり面48とされ、また、凸部47
の上面は、前記コーナー部22より高い位置に設定され
た端部50から、コーナー部22へ向けて角度θで徐々
に低くされた傾斜面52とされている。
【0018】以上のように構成されたスローアウェイチ
ップは、例えば、図1の左側の鋭角部を用いて使用され
る。このような切削においては、凸部47の立ち上がり
面48および突出部42の立ち上がり面45が切屑に面
接触することができる。したがって切屑を一定方向へ安
定して案内することができ、切屑の飛散や、ワークに近
付く方向への排出による加工面の悪化を生じるおそれが
少ない。また、切屑に面接触するため摩耗の進行が比較
的遅く、したがって、切削開始から、ある程度の時間に
わたって使用される迄の間、切屑処理性の変化が小さ
く、安定した切屑処理が実現される。
【0019】次いで、切込み量の増減に伴う凸部47お
よび立ち上がり面48の作用を説明する。低切込みで
は、凸部47および立ち上がり面48が、高切込みでは
突出部42および立ち上がり面45がそれぞれ切屑処理
に寄与する。また中間の切込み量では両方が切屑処理を
行うことができる。すなわち、コーナー部22の近くに
凸部47が存在しているので、低切込みにおいてもブレ
ーキングを行うことができ、一方、上面が傾斜面52と
なっているので、コーナー部22に近い位置に存在して
いるにもかかわらず、前記傾斜面52に沿って切屑を排
出することができ、したがって切屑詰まりが生じ難い。
【0020】前記突出部42が略五角形をなし、かつ切
刃10に対してα°傾いているので、加工面から離れる
方向へ切屑を確実に案内することができる。また前記突
出部42と切刃10との間隔がコーナー部22から離れ
るにしたがって次第に大きくなるから、その分ブレーカ
の幅が広く確保されることとなり、高切込みすなわちコ
ーナー部22から離れた範囲迄切削が行われる場合であ
っても良好な切屑排出性を得ることができる。
【0021】図1のスローアウェイチップの切屑排出性
を実験した結果を、従来例のスローアウェイチップと比
較して図20に示す。一般に、送りが大きくなるにした
がって切屑の厚みが大きくなり、また、切込みが大きく
なるにしたがって切屑の幅が大きくなる。したがって、
送りおよび切込みのいずれもが低い領域(図中左下の領
域)ではきわめて細かい糸屑状の連続切屑が発生し、送
り、切込みが大きくなる(図中右上へ向かう)にしたが
って、細かいスパイラル状の連続切屑から、細い幅の分
断切屑(切込みが小さい場合)、あるいは広い幅の分断
切屑(切込みが大きい場合)となり、最大切込みあるい
は最大送りに近付くにしたがって、広幅、あるいは、厚
肉のスパイラル状の連続切屑が発生する。図20におい
ては、連続切屑が発生しない範囲を切屑処理が可能な範
囲と判定することとした。なお、図20に実線で示す範
囲が実施例のスローアウェイチップの処理範囲、鎖線で
示す範囲が従来例のスローアウェイチップの処理範囲で
ある。
【0022】図20から明らかなように、本発明のスロ
ーアウェイチップでは、特に、コーナー部22の近くま
で延ばして設けられた凸部47およびその立ち上がり面
48の作用により、低切込み時おいても良好な切屑処理
性を発揮し、しかも、凸部47がコーナー部22に向け
て徐々に低くなる傾斜面としたので、切込みが大きくな
っても、凸部47を乗り越えようとする切屑を傾斜面に
沿って内側の突出部42まで案内し、この突出部42あ
るいはその立ち上がり面45の作用によって切屑を処理
することができ、したがって切屑詰まりが生じることが
ない。
【0023】なお、中心部分44の中央部において、切
刃10からの距離が離れているので、通常の切込み量の
旋削加工では使用されないために摩耗していない切刃1
0の中央部(コーナー部22から離れた部分)を他の用
途、例えばワークの面取り加工などに使用する場合に好
適である。また中央部以外では中心部分44が切刃10
に接近するように傾斜している(面積が大きくなってい
る)ので、スローアウェイチップを工具本体に取付よう
とする場合の着座面積を十分に確保することができる。
【0024】中心部分44が形成される範囲は、コーナ
ー部22から切刃全長LのL/4〜L/2の範囲に設定
されいて、最大切込み量の限界値を表示する機能を果た
している。さらに、中心部分44と突出部42とを分断
する溝部46も、同様に最大切込み量の限界値を表示す
る機能を果たしている。
【0025】図16および図17は本発明の第2実施例
を示すものである。この実施例では、切刃10Aの一部
(コーナー部22から所定距離離れた範囲)が曲線部6
0とされている。このように、切刃10Aの一部を曲線
部60とすることにより、幅方向に湾曲した切屑が発生
し、このように湾曲した霧屑は容易に折れて排出性が良
い。
【0026】図18および図19は本発明の第3実施例
を示すものである。この実施例では、コーナー部22か
ら所定距離だけ離れた位置から、これよりも近い範囲範
囲より幅の大きな広幅ランド部62が設けられている。
このように、広幅ランド部62を設けることにより、高
切込み時にも十分な切刃強度を得ることができる。
【0027】上記に説明された第1実施例〜第3実施例
の如くノーズ部に台形状の凸部47が設けられたスロー
アウェイチップは、TiC(炭化チタン)、TiN(窒
化チタン)などの熱伝導性のわるい材料を主成分とする
サーメット製の場合に有効である。これは以下の理由に
よる。
【0028】すなわち、上面に平面を有する台形状であ
るので、切屑と面接触し、したがって、切削熱が分散さ
れて摩擦進行が抑制され、寿命低下が防止されるととも
に、良好な切屑処理性が得られるのである。
【0029】これに対して、図21以下に示す第4実施
例のスローアウェイチップは、熱伝導性の良好な超硬合
金製CVD(Chemical Vapor Deposition)コーティン
グチップに用いて有効である。すなわち、超硬合金にC
VDコーティングが施されたスローアウェイチップは、
TiCの3倍程度の熱伝導率を有するWC(タングステ
ンカーバイド)を主成分としているので、切削熱が逃げ
易く、摩耗の進行が遅いという長所がある。しかしなが
ら、上記第1〜第3実施例のような台形状の凸部が存在
していると、これに切屑が面接触するため切削抵抗が高
くなるから、凸部の形状を球面状として切屑と点接触す
るようにしている。
【0030】このスローアウェイチップ2Aにあって
も、従来例と同様、切刃10に沿ってブレーカ溝32が
形成されている。このブレーカ溝32は、ランド34、
すくい面36、底面38、および前記上面4へ続く立ち
上がり面40により構成されている。前記上面4は、前
記スローアウェイチップ2がなすひし形の鋭角部のコー
ナー部22へ向けて面方向に延ばされている。
【0031】前記上面4は、前記コーナー部22へ向け
て面方向へ延長され、かつ、この延長箇所に存在する突
出部42は、前記上面4の中心部分44から溝部46に
よって分断されている。前記突出部42は、平面視で略
五角形状をなし、該五角形の最も鋭角をなす頂点41が
前記コーナー部22を指向するように配置されている。
前記頂点41の両側の稜線は、図1に示すようにコーナ
ー部22から離れるにしたがって切刃10からの距離が
徐々に大きくなるように、切刃10に対してα°の角度
が設けられている。
【0032】前記上面4の中心部分44の稜線は、コー
ナー部22から切刃10の中央部分(コーナー部22か
ら離れた部分)へ近付くにしたがって、図1の場合と同
様に距離がh1からh2へと次第に大きくなるように傾
斜している。
【0033】前記突出部42の先端(鋭角の頂点)とコ
ーナー部22との間のブレーカ溝32内には、前記第1
実施例〜第3実施例の台形状の凸部47に代わって球面
状の凸部80が設けられている。この凸部80の頂点の
高さはコーナー部22より高く、かつ、突出部42より
低く設定されている。
【0034】さらに、ブレーカ溝32は、前記第1実施
例と同様にランド34、すくい面36、底面38、およ
び前記上面4へ続く立ち上がり面40により構成されて
いる。また前記ランド34は、コーナー部22に近い側
で幅lが狭く、コーナー部22から離れるにしたがって
(切込みが大きくなるにしたがって)幅lが広く設定さ
れている。図示の実施例の場合、切刃の全長Lに対し
て、コーナー部からの距離がL/6〜L/4の範囲では
徐々に幅が大きくされている。具体的には、コーナー部
ではl=0.1〜0.25mmに設定され、中央部分
(コーナー部からL/6〜L/4の範囲の外)における
ランド部34の幅は、l+0.15〜0.25mmに設
定されている。すなわち、凸部80が球面状であるた
め、台形状の凸部(第1実施例の場合)と比較するとコ
ーナー部22から離れた位置とならざるを得ない。した
がって、低切込み側で台形状の凸部と同様の切屑排出性
を得るには、コーナー部22の近くでランド部34の幅
を小さくすることが必要とされている。なお、コーナー
部22から離れた範囲では、切屑排出性よりも刃先強度
を優先して、ランド部34の幅が大きくされている。
【0035】また第4実施例においても、第1実施例の
スローアウェイチップと同様に、略五角形状の平面形状
とされた突出部42が設けられているので、高切込み時
における切屑の詰まりが防止され、かつ、切屑の排出方
向に一定の方向性を持たせることができる。
【0036】第4実施例のスローアウェイチップと第1
実施例のスローアウェイチップとの切削状態とを比較し
て、図33および図34により説明する。第1実施例の
スローアウェイチップにおいては、図33に示すように
台形状の凸部47の立ち上がり面48と、ワークWから
発生する切り屑82とが接触面Yにおいて面接触してい
るので接触面積が大きく、また、第4実施例のスローア
ウェイチップにおいては、図34に示すように凸部80
が球面状であるため、切屑82が凸部80と接触点Zに
おいて点接触することとなり、したがって、第1実施例
のものと比較して接触面積が小さく、切削抵抗が小さ
い。
【0037】このように、第4実施例のスローアウェイ
チップは、サーメットより軟質の超硬合金製CVDコー
ティングスローアウェイチップに好適に用いられて、そ
の逃げ面摩耗を有効に防止することができる。図35は
使用後のスローアウェイチップの側面の状態を示してい
る。この図に示すように、スローアウェイチップの先端
部近傍は切削抵抗によって塑性変形するとともに、図3
5においてハッチングが施された範囲の逃げ面(側面
8)に摩耗が生じており、特に軟質の超硬合金製スロー
アウェイチップにおいては、この傾向が著しい。第4実
施例のスローアウェイチップにあっては、前述のように
球面状の凸部80を設けることにより、切削抵抗を軽減
し、逃げ面の摩耗を防止することができる。
【0038】超硬合金製CVDコーティングスローアウ
ェイチップを用いて、第1実施例の形状(台形状の凸部
を有する形状)と第4実施例の形状(球面状の凸部を有
する形状)とにおける逃げ面摩耗幅を測定すると、図3
6に示すような結果が得られた。すなわち、ある程度以
上の切削時間が経過すると、サーメットに比して軟質の
超硬合金製チップに塑性変形が生じる傾向がある。この
ような塑性変形が進行すると、第1実施例のような切削
抵抗の大きな台形状の凸部を有するスローアウェイチッ
プでは急速に逃げ面摩耗が進行し、逃げ面摩耗幅が拡大
することが実験により確認されている。
【0039】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、必須構成として記載された事項を逸脱しな
い範囲で変形して実施することができるのはもちろんで
ある。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、略多角形板状の平面形状を有するスローアウェイチ
ップのブレーカ溝より内側に残存する中央部分からコー
ナー部へ向かってブレーカ溝中に突出する突出部を設け
るとともに、この突出部よりさらに突出する凸部を設け
てなり、該凸部は前記突出部より低く、この凸部の周囲
と前記ブレーカ溝との間には傾斜状の立ち上がり面が設
けられたものであるから、コーナー部近くの凸部によっ
て低切込み時の切屑排出性を確保することができる。ま
た凸部の周囲に傾斜面が設けられているので、この傾斜
面によって切屑を一定方向に安定して排出することがで
きる。また凸部の上面を傾斜させることにより、高切込
み時の切屑にも切屑詰まりが生じることがない。さらに
突出部が五角形状となっている場合には、その稜線によ
って切屑を加工面から離れる方向などの一定の方向へ案
内することができる。さらにまた、に五角形の稜線が傾
斜していると、コーナー部から離れるにしたがってブレ
ーカ溝の幅を大きく確保することができ、したがって高
切込み時に切屑詰まりが生じ難い。なお切刃が曲線状を
なしていると、低切込み時の排出性が良好になり、ラン
ド部の幅が大きくなっていると、高切込み時における負
荷の大きい範囲を補強することができる。また、前記凸
部の形状を球面状とすることにより、切屑と点接触させ
ることができ、したがって、切削抵抗を下げることがで
きる。このような球面状の凸部は、超硬合金にCVDコ
ーティングを施してなるスローアウェイチップに好適に
用いられて逃げ面の摩耗を有効に防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例のスローアウェイチップの平面図であ
る。
【図2】図1のスローアウェイチップの側面図である。
【図3】図1のX部の拡大図である。
【図4】図3に示す部分の側面図である。
【図5】図3のK―K線に沿う矢視図である。
【図6】図3のA―A線に沿う矢視図である。
【図7】図3のB―B線に沿う矢視図である。
【図8】図3のC―C線に沿う矢視図である。
【図9】図3のD―D線に沿う矢視図である。
【図10】図3のE―E線に沿う矢視図である。
【図11】図3のF―F線に沿う矢視図である。
【図12】図3のG―G線に沿う矢視図である。
【図13】図3のH―H線に沿う矢視図である。
【図14】図3のI―I線に沿う矢視図である。
【図15】図3のJ―J線に沿う矢視図である。
【図16】本発明の第2実施例の平面図である。
【図17】本発明の第2実施例の側面図である。
【図18】本発明の第3実施例の平面図である。
【図19】本発明の第3実施例の側面図である。
【図20】図1および図37のスローアウェイチップの
切屑処理範囲の実験結果を示す図表である。
【図21】本発明の第4実施例のスローアウェイチップ
の平面図である。
【図22】図21のスローアウェイチップの側面図であ
る。
【図23】図21のX部の拡大図である。
【図24】図23に示す部分の側面図である。
【図25】図23のH―H線に沿う矢視図である。
【図26】図23のA―A線に沿う矢視図である。
【図27】図23のB―B線に沿う矢視図である。
【図28】図23のC―C線に沿う矢視図である。
【図29】図23のD―D線に沿う矢視図である。
【図30】図23のE―E線に沿う矢視図である。
【図31】図23のF―F線に沿う矢視図である。
【図32】図23のG―G線に沿う矢視図である。
【図33】第1実施例のスローアウェイチップにおける
切屑処理状態の説明図である。
【図34】第4実施例のスローアウェイチップの切屑処
理状態の説明図である。
【図35】第4実施例のスローアウェイチップの摩耗状
態を示す側面図である。
【図36】第1実施例と第4実施例のスローアウェイチ
ップの工具摩耗試験の結果を示す図表である。
【図37】一従来例のスローアウェイチップの平面図で
ある。
【図38】図37のスローアウェイチップの側面図であ
る。
【図39】図37のY部分の拡大図である。
【図40】図39のO―O線に沿う矢視図である。
【図41】図39のL―L線に沿う矢視図である。
【図42】図39のM―M線に沿う矢視図である。
【図43】図39のN―N線に沿う矢視図である。
【符号の説明】
2 スローアウェイチップ 4 上面 10 切刃 32 ブレーカ溝 42 突出部 44 中心部分 45 立ち上がり面 46 溝部 47 凸部 48 立ち上がり面 50 端部 52 傾斜面 60 曲線部 62 広幅ランド部 80 凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 裕一 茨城県結城郡石下町大字古間木1151番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略多角形板状の平面形状を有し、その多
    角形状をなす上下面の少なくとも一方の周囲に形成され
    た切刃の内側にブレーカ溝が設けられたスローアウェイ
    チップにおいて、前記ブレーカ溝より内側に残存する中
    央部分からコーナー部へ向かってブレーカ溝中に突出す
    る突出部を設けるとともに、この突出部よりさらにコー
    ナー部へ向かって突出する凸部を設けてなり、該凸部は
    前記突出部より低く、この凸部の周囲と前記ブレーカ溝
    との間には傾斜状の立ち上がり面が設けられたことを特
    徴とするスローアウェイチップ。
  2. 【請求項2】 前記凸部の上面は、コーナー部へ向かっ
    て徐々に高さが低くされた傾斜面となっていることを特
    徴とする請求項1のスローアウェイチップ。
  3. 【請求項3】 略多角形板状の平面形状を有し、その多
    角形状をなす上下面の少なくとも一方の周囲に形成され
    た切刃の内側にブレーカ溝が設けられたスローアウェイ
    チップにおいて、前記ブレーカ溝より内側に残存する中
    央部分からコーナー部へ向かってブレーカ溝中に突出す
    る突出部を設けるとともに、この突出部よりさらにコー
    ナー部へ向かって突出する凸部を設けてなり、該凸部は
    前記突出部より頂点が低い球面状をなすことを特徴とす
    るスローアウェイチップ。
  4. 【請求項4】 前記突出部は略五角形状をなし、かつ、
    鋭角状の頂点を前記コーナー部へ向けて配置されたこと
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスローア
    ウェイチップ。
  5. 【請求項5】 前記突出部の前記鋭角を形成する二辺
    が、前記コーナー部から離れるにしたがって前記切刃か
    ら離れる方向へ傾斜していることを特徴とする請求項4
    のスローアウェイチップ。
  6. 【請求項6】 前記切刃の一部が側面視において曲線状
    をなすことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに
    記載のスローアウェイチップ。
  7. 【請求項7】 前記切刃に沿って形成されたランド部の
    幅が、前記コーナー部から所定距離離れた領域で他の領
    域より広くされたことを特徴とする請求項1ないし6の
    いずれかに記載のスローアウェイチップ。
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