JPH11197748A - 板材の曲げ加工方法 - Google Patents

板材の曲げ加工方法

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JPH11197748A
JPH11197748A JP215798A JP215798A JPH11197748A JP H11197748 A JPH11197748 A JP H11197748A JP 215798 A JP215798 A JP 215798A JP 215798 A JP215798 A JP 215798A JP H11197748 A JPH11197748 A JP H11197748A
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bending
bending angle
springback
angle
plate material
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JP215798A
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Hideaki Sakai
英明 坂井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプリングバックの考慮を適切に行ない、簡
単な工程で板材を精度良く所定の曲げ角度にすることが
できる板材の曲げ加工方法を提供する。 【解決手段】 板材の曲げ加工方法は、板材に対して、
所望の曲げ角度XD1で曲げ加工を行ったときの第1ス
プリングバック率α(XD1)を算出する第1テスト曲
げ工程と、曲げ角度XD1と異なる曲げ角度XD2で曲
げ加工を行ったときの第2のスプリングバック率α(X
D2)を算出する第2テスト曲げ工程と、所望の曲げ角
度XD1及び第1スプリングバック率α(XD1)と、
異なる曲げ角度XD2及び第2スプリングバック率α
(XD2)と、の線形関係に基づいて、スプリングバッ
ク後の曲げ角度が前記所望の曲げ角度XD1になるよう
な押圧時の所望設定曲げ角度XD3を決定する所望設定
曲げ角度決定工程と、を有する。そして、製品用の板材
に対して、所望設定曲げ角度XD3に曲げ加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板材の曲げ加工方
法、特にスプリングバックを考慮した板材の曲げ加工方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、金属等の板材の加工方法とし
て、パンチ等で押圧して曲げ加工する方法がある。これ
により、例えば換気扇等の羽根を作成することができ
る。しかし、板材の曲げ加工においては、押圧後にスプ
リングバックが生じるので、スプリングバック後の曲げ
角度が押圧時の曲げ角度と異なってしまう。これに対し
て、従来では、例えば、板材に対して、所望の曲げ角度
より少なめの曲げ角度になるように曲げた後、上型と下
型との間隔を調整しながら小幅の押し込みを繰り返して
最終曲げ角度になるように板材を曲げ加工をしていた。
この曲げ加工方法では、多くの時間と労力が必要であ
り、作業者の熟練性に依存するところが多かった。
【0003】このため、作業者の熟練性に依存せず簡単
な工程で板材の曲げ加工を行うためには、スプリングバ
ックを考慮して、スプリングバック後に所望の曲げ角度
となるような押圧時の曲げ角度を決定する必要がある。
【0004】スプリングバックを考慮した曲げ加工方法
としては、以下に示す従来技術がある。
【0005】特開昭61−229421号公報における
技術について以下に説明する。この技術においては、板
材の曲げ初めから曲げ終了時までのパンチ押し込み量を
測定すると共に、パンチ押し込み時の板材の曲げ角度を
測定する。この際、曲げ途中で2〜3回にわたり除荷し
てスプリングバック後の曲げ角度を測定する。そして、
押圧時の曲げ角度に対するスプリングバック後の曲げ角
度の関係を算出する。この関係に基づいて、スプリング
バック後に所望の曲げ角度になるような押圧時の曲げ角
度を決定していた。
【0006】また、特開平3−110021号公報にお
ける技術がある。この従来技術においては、上型と下型
とを有する曲げ加工装置により板材の曲げ加工を行う。
先ず、上型の一方端を偏位させて板材を押圧する。この
際、上型の一方端の変位量と上型の他方端の変位量とを
測定する。そして、上型を上昇させて、スプリングバッ
ク後の曲げ角度を測定する。この際、板材の一方端の曲
げ角度と他方端の曲げ角度とを測定する。そして、これ
らのデータから、スプリングバック後の曲げ角度と上型
の変位量との関係を線形近似する。この関係からスプリ
ングバック後の曲げ角度が所望の角度になるような上型
の変位量を決定し、上記板材に対して、上型を上記変位
量分押圧して追加工する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術では、以下に示す問題点があった。即ち、特開
昭61−229421号公報における技術では、1次曲
げ加工したときの曲げ角度に対するスプリングバック後
の曲げ角度と、追加工したときの曲げ角度に対するスプ
リングバック後の曲げ角度と、の線形関係に基づいて、
スプリングバック後の曲げ角度が所望の曲げ角度になる
ように押圧時の曲げ角度を決定し、この曲げ角度で板材
に対して1次曲げ加工を行う。しかし、追加工したとき
の曲げ角度に対するスプリングバックの特性は、1次曲
げ加工したときの曲げ角度に対するスプリングバックの
特性と異なる。このため、上述のような線形関係から1
次曲げ加工のときの押圧時の曲げ角度を決定しても、ス
プリングバック量の誤差が大きくなってしまう。この結
果、上記押圧時の曲げ角度で曲げ加工してもスプリング
バック後に所望の曲げ角度とならなくなってしまう。こ
のため、さらに、追加工することが必要になってしま
う。
【0008】特開平3−110021号公報における技
術においては、1次曲げ加工したときの上型の変位量に
対するスプリングバック後の曲げ角度の線形関係に基づ
いて、スプリングバック後の曲げ角度が所望の曲げ角度
になるように追加工時の変位量を決定している。しか
し、上述したように、追加工したときの曲げ角度に対す
るスプリングバックの特性は、1次曲げ加工したときの
曲げ角度に対するスプリングバックの特性と異なるの
で、上記決定された変位量で追加工してもスプリングバ
ック後に所望の曲げ角度とならなくなってしまう。この
ため、さらに、追加工することが必要になってしまう。
【0009】従って、従来技術では、スプリングバック
の考慮が適切に行われなかったため、簡単な工程で板材
を精度良く所定の曲げ角度にすることができなかった。
【0010】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたものであり、その目的は、スプリングバ
ックの考慮を適切に行ない、簡単な工程で板材を精度良
く所定の曲げ角度にすることができる板材の曲げ加工方
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、第1の発明に係る板材の曲げ加工方法は、
上型及び下型を有する曲げ加工機により、板材を曲げ加
工する板材の曲げ加工方法において、板材に対して、所
望の曲げ角度で曲げ加工を行ったときの第1スプリング
バック率を算出する第1テスト曲げ工程と、前記曲げ角
度と異なる曲げ角度で曲げ加工を行ったときの第2のス
プリングバック率を算出する第2テスト曲げ工程と、前
記所望の曲げ角度及び第1スプリングバック率と、前記
異なる曲げ角度及び第2スプリングバック率と、の線形
関係に基づいて、スプリングバック後の曲げ角度が前記
所望の曲げ角度になるような押圧時の所望設定曲げ角度
を決定する所望設定曲げ角度決定工程と、板材に対し
て、前記所望設定曲げ角度に曲げ加工を行う曲げ加工工
程と、を有するものである。
【0012】第2の発明に係る板材の曲げ加工方法は、
第1の発明における異なる曲げ角度は、前記所望の曲げ
角度より大きく設定されるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
好適な実施の形態について説明する。
【0014】(1)曲げ加工機の構成 図1は、本実施の形態である曲げ加工機の構成を示す模
式図である。
【0015】曲げ加工機は、凹部形状である基台1と、
この基台1の下壁上に相互に離間して配置された支持部
2a,2bと、上記基台1の側壁と支持部2a,2bと
の間に介在され支持部2a,2b間の間隔Lを保持する
ように調整する調整部3a,3bと、支持部2a,2b
による間隔を測定する測定部(図示せず)と、支持部2
a,2b上に配置された板材4を押圧するためのパンチ
部5と、を有する。パンチ部5は、支持部2a,2b間
の間隔L上の板材4を押圧する。この間隔Lはパンチの
直径より小さく設定されている。なお、曲げ加工機にお
いては、パンチ部5が曲げ加工機の上型を構成し、基台
1及び支持部2a,2bが曲げ加工機の下型を構成して
いる。
【0016】また、曲げ加工機は、作業者が各種の操作
を行うための操作部6と、板材4の押圧時の曲げ角度及
び押圧解除時の曲げ角度を、支持部2a,2bの間隔や
パンチの半径等から算出する曲げ角度算出部7と、この
曲げ角度算出部7により算出された押圧時及び押圧解除
時の曲げ角度からスプリングバック率を計算する計算部
8と、各部(基台1、支持部2a,2b及び調整部3
a,3bを除く)を制御する制御部9と、を有する。
【0017】なお、計算部8は、異なる2つの曲げ角度
及びこれらにそれぞれ対応する異なる2つのスプリング
バック率から、押圧時の曲げ角度とスプリングバック率
との関係を線形近似する。そして、計算部8は、この線
形近似された関係に基づいて、スプリングバック後の曲
げ角度が所望の曲げ角度になるような押圧時の設定曲げ
角度を決定する。
【0018】また、本実施の形態において、スプリング
バック率αとは、パンチ部5の押圧時の板材4の曲げ角
度θ1と、この状態からパンチ部5の押圧を解除したと
きのスプリングバック後の板材4の曲げ角度θ2と、の
割合を示すものとする。即ち、以下のような式で算出さ
れる。
【0019】
【数1】α(θ1)=θ2/θ1 (2)所望の曲げ角度に板材4を曲げ加工する方法 上述のように構成された曲げ加工機を用いてスプリング
バックを適切に考慮して、所望の曲げ角度に板材4を曲
げ加工する方法について図2、図3に示すフローチャー
ト図を用いて以下に説明する。
【0020】(2−1)第1テスト曲げ工程 先ず、図2に示すステップS102からステップS11
0からなる第1のテスト曲げ工程を行う。この工程は、
板材4の曲げ加工製造時の条件出しのためのテスト工程
である。この工程では、所望の曲げ角度で曲げ加工を行
ったときの第1のスプリングバック率が算出される。
【0021】ステップS102では、作業者が支持部2
a,2b上に板材4を配置したのち、操作部6を操作し
て板材4を所望の曲げ角度XD1に押圧させる旨を制御
部9に送る。
【0022】この結果、曲げ加工機では、以下のような
動作が行われる。即ち、制御部9の制御によりパンチ部
5が下方に変位して板材4を押圧する。支持部2a,2
b上に配置された板材4をパンチ部5が押圧することに
より支持部2a,2bがそれぞれ外側に移動する。この
結果、支持部2a,2b間の間隔Lが変化する。そし
て、変化した支持部2a,2b間の間隔Lを測定部が測
定して制御部9へ送る。制御部9は、上記間隔を曲げ角
度算出部7へ送り、曲げ角度算出部7は、上記間隔等か
ら板材4の曲げ角度を算出する。
【0023】ステップS104では、制御部9が制御し
て、曲げ角度算出部7により算出される曲げ角度が所望
の曲げ角度になるまで、パンチ部5を下降させて板材4
を押圧する。
【0024】このステップにおいては、曲げ角度算出部
7が所定の時間間隔で曲げ角度を算出し、算出した曲げ
角度を制御部9へ随時送る。制御部9は、算出された曲
げ角度が所望の曲げ角度であるか否かを判定し、算出さ
れた曲げ角度が所望の曲げ角度XD1である場合、ステ
ップS106へ移行し、算出された曲げ角度が所望の曲
げ角度XD1に達しない場合、ステップS104を再度
行う。
【0025】ステップS106では、制御部9はパンチ
部5を上昇させて板材4の押圧を解除させる。
【0026】ステップS108では、制御部9は、測定
部に支持部2a,2b間の間隔を測定させた後、上記間
隔を測定部から受け取って曲げ角度算出部7へ送り、曲
げ角度算出部7に上記間隔等から、曲げ角度(スプリン
グバック後の曲げ角度)XR1を算出させる。
【0027】このステップにおいては、調整部3a,3
bの調整量が安定したところで、制御部9は、測定部に
支持部2a,2bの間隔を測定させる。制御部9は、上
記間隔を曲げ角度算出部7へ送り、曲げ角度算出部7に
上記間隔等から曲げ角度を算出させる。
【0028】ステップS110では、制御部9の指示に
より、計算部8が、曲げ角度算出部7から、設定曲げ角
度XD1とスプリングバック後の曲げ角度XR1とを取
り込み、所望曲げ角度における第1スプリングバック率
を計算する。
【0029】この際、所望の曲げ角度XD1に対する第
1スプリングバック率α(XD1)は、以下のような数
式で表される。
【0030】
【数2】α(XD1)=XR1/XD1 そして、計算部8は、所望曲げ角度XD1と第1スプリ
ングバック率α(XD1)とを保持する。
【0031】(2−2)第2テスト曲げ工程 次に、図3に示すステップS202からS210からな
る第2のテスト曲げ工程を行う。この工程も、板材4の
曲げ加工製造時の条件出しのためのテスト工程である。
但し、この工程では、第1テスト曲げ工程で用いた板材
4に追加曲げ加工をするのではなく、新たな板材4を1
次曲げ加工する。この工程では、第1テスト曲げ工程に
おける押圧時の曲げ角度XD1と異なる曲げ角度XD2
で曲げ加工を行ったときの第2のスプリングバック率を
算出する。
【0032】ステップS202では、作業者が支持部2
a,2b上に板材4を配置したのち、操作部6を操作し
て板材4を所望の曲げ角度に押圧させる旨を制御部9に
送る。
【0033】ステップS204では、制御部9が制御し
て、算出部7により算出される曲げ角度が上記異なる曲
げ角度になるまで、パンチ部5を下降させて板材4を押
圧する。
【0034】ステップS206では、算出部7により算
出された曲げ角度が上記異なる曲げ角度になった場合、
制御部9はパンチ部5に板材4の押圧を解除させる。
【0035】ステップS208では、制御部9は、測定
部に支持部2a,2bの間隔を測定させた後、上記間隔
を測定部から受け取って曲げ角度算出部7へ送り、曲げ
角度算出部7に上記間隔等から曲げ角度(スプリングバ
ック後の曲げ角度)XR2を算出させる。
【0036】ステップS210では、制御部9の指示に
より、計算部8は、曲げ角度算出部7から、設定曲げ角
度XD2とスプリングバック後の曲げ角度XR2とを取
り込み、上記異なる曲げ角度XD2における第2スプリ
ングバック率α(XD2)を計算する。
【0037】この際、所望の曲げ角度XD2に対する第
2スプリングバック率α(XD2)は、以下のような式
で表される。
【0038】
【数3】α(XD2)=XR2/XD2 そして、計算部8は、異なる曲げ角度XD2と第2スプ
リングバック率α(XD2)とを保持する。
【0039】(2−3)所望設定曲げ角度決定工程第1
テスト曲げ工程及び第2テスト曲げ工程が終了した場
合、作業者は、操作部6により操作して計算部8に、ス
プリングバック後の曲げ角度が所望の曲げ角度XD1に
なるような押圧時の所望設定曲げ角度XD3を決定させ
る。
【0040】この際、先ず、計算部8は所望の曲げ角度
XD1及び第1スプリングバック率α(XD1)と、異
なる曲げ角度XD2及び第2スプリングバック率α(X
D2)と、のデータから、押圧時の曲げ角度XDとスプ
リングバック率α(XD)との関係を線形近似する。
【0041】次に、計算部8は、上記線形関係に基づい
て、スプリングバック後の曲げ角度が所望の曲げ角度X
D1になるような押圧時の所望設定曲げ角度XD3を決
定する。
【0042】この所望設定曲げ角度XD3の決定方法に
ついて以下に詳細に説明する。計算部8では、以下に示
す方法に従ったアルゴリズムで所望設定曲げ角度XD3
を計算している。
【0043】スプリングバック後の曲げ角度をXD1に
するための押圧時の曲げ角度XD3は以下のような式で
与えられる。
【0044】
【数4】XD3=XD1/α(XD3) ここで、α(XD3)は押圧時の曲げ角度XD3に対す
るスプリングバック率である。但し、この段階では、X
D3及びα(XD3)も未知である。
【0045】そして、所望の曲げ角度XD1及び第1ス
プリングバック率α(XD1)と、異なる曲げ角度XD
2及び第2スプリングバック率α(XD2)と、のデー
タから、押圧時の曲げ角度XDとスプリングバック率α
(XD)との関係を線形近似する。この線形近似の様子
を図4に示す。図4において、横軸は押圧時の曲げ角度
を示し、縦軸は上記曲げ角度におけるスプリングバック
率を示している。なお、押圧時の曲げ角度XDの矢印先
の曲げ角度はスプリングバック後の曲げ角度XRを示し
ている。そして、この線形近似関係は、以下のような数
式で表される。
【0046】
【数5】α(XD)−α(XD1)=((α(XD2)
−α(XD1))/(XD2−XD1)*(XD−XD
1) そして、図4に示すように、この線形関係に所望設定曲
げ角度XD3及びそのスプリングバック率α(XD3)
をあてはめてXD3を算出する。この算出方法は以下の
ように行われる。
【0047】線形関係から導出された数式5と、所望設
定曲げ角度XD3及びそのスプリングバック率α(XD
3)の関係を示す数式4と、から導き出されるXD3に
関する方程式は以下の数式6のようになる。
【0048】
【数6】A*(XD3)2+B*(XD3)+C=0 但し、A=α(XD2)−α(XD1) B=XD2*α(XD1)−XD1*α(XD2) C=XD1*(XD1−XD2) 上記数式6において、A,B,Cは既知なので、数式6
の方程式を解けば、XD3を算出することができる。
【0049】なお、上記異なる曲げ角度XD2が所望の
曲げ角度XD1より大きく設定されると以下の点で好ま
しい。即ち、スプリングバック後の曲げ角度XR3が所
望の曲げ角度XD1になるような押圧時の所望設定曲げ
角度XD3も、所望の曲げ角度XD1より大きくなる。
このため、上記線形関係のうち、第1テスト曲げ工程及
び第2テスト曲げ工程における1次曲げ加工から実際に
スプリングバック率が求められた2つの押圧時の曲げ角
度(所望曲げ角度XD1、異なる曲げ角度XD2)の近
傍で、押圧時の所望設定曲げ角度XD3を推定すること
になる。この結果、押圧時の所望設定曲げ角度XD3を
上記線形関係により求めたときの線形近似による誤差を
小さくすることができる。
【0050】例えば、異なる曲げ角度XD2は、第1ス
プリングバック率α(XD1)と、所望の曲げ角度XD
1と、を用いて以下の式で設定される。
【0051】
【数7】XD2=XD1/α(XD1) (所望設定曲げ角度の決定方法の具体例) 曲げ加工機を用いて第1テスト曲げ工程及び第2テスト
曲げ工程により算出されたデータから所望設定曲げ角度
XD3を決定した例を以下に示す。
【0052】第1テスト曲げ工程において、XD1=1
0と設定したとき、実際に求めたXR1から第1スプリ
ングバック率を算出すると、α(XD1)=0.5であ
った。
【0053】第2テスト曲げ工程において、異なる曲げ
角度XD2は数式7からXD2=20と設定される。そ
して、実際に求められたXR2から第2スプリングバッ
ク率を算出すると、α(XD2)=0.6であった。
【0054】そして、数式6における係数A,B,Cは
それぞれ0.1、4、−100と決定できる。そして、
数式6の方程式を解くと、XD3=17.4と決定でき
る。また、同時に、XD3のスプリングバック率α(X
D3)も0.574と決定できる。この結果、押圧時の
曲げ角度XD3のときのスプリングバック後の曲げ角度
XR3は、α(XD3)*XD3=0.574*17.
4≒10になることが予めわかる。
【0055】(2−4)曲げ加工工程 この曲げ加工工程では、所望設定曲げ角度決定工程によ
り決定された所望設定曲げ角度に基づいて、製品用の板
材に対して曲げ加工を行う。
【0056】この工程においては、先ず、支持部2a,
2b上に板材4を配置したのち、操作部6により操作し
て曲げ加工工程を行うように各部を設定する。この際、
板材4は、実際の製品用の板材4を用いる。なお、この
工程における曲げ加工は、テスト工程で曲げ加工した板
材4を追加曲げ加工するのではなく、製品用の板材4を
1次曲げ加工を行う。次に、板材4を上記所望設定曲げ
角度XD3に押圧させたのち、押圧を解除させることに
より、板材4の所望の曲げ角度XD1に曲げ加工する。
この工程により曲げ加工された板材4を実際の製品とす
る。
【0057】なお、第1テスト曲げ工程、第2テスト曲
げ工程、曲げ加工工程における板材4の押圧させ方(所
定曲げ角度になるまでに板材4に印加する荷重や荷重印
加時間等)は同一条件とする。
【0058】本実施の形態においては、第1テスト曲げ
工程で、所望の曲げ角度で1次曲げ加圧を行ったときの
第1スプリングバック率を算出し、第2テスト曲げ工程
で、上記曲げ角度と異なる曲げ角度で、追加工でない1
次曲げ加工を行ったときの第2スプリングバック率を算
出している。
【0059】このため、所望設定曲げ角度決定工程にお
ける線形関係は、1次曲げ加工時に生じるスプリングバ
ック率が押圧時の曲げ角度に対して精度良く近似されて
いる。そして、この線形関係に基づいて、決定された押
圧時の所望設定曲げ角度で、板材4を1次曲げ加工すれ
ば、スプリングバック後の曲げ角度を精度良く所望の曲
げ角度にすることができる。
【0060】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、第1テ
スト曲げ工程で、所望の曲げ角度で1次曲げ加圧を行っ
たときの第1スプリングバック率を算出し、第2テスト
曲げ工程で、上記曲げ角度と異なる曲げ角度で、追加工
でない1次曲げ加工を行ったときの第2スプリングバッ
ク率を算出している。
【0061】このため、所望設定曲げ角度決定工程にお
ける線形関係は、1次曲げ加工時に生じるスプリングバ
ック率が押圧時の曲げ角度に対して精度良く近似されて
いる。そして、この線形関係に基づいて、決定された押
圧時の所望設定曲げ角度で、板材を1次曲げ加工すれ
ば、スプリングバック後の曲げ角度を精度良く所望の曲
げ角度にすることができる。
【0062】請求項2に記載の発明によれば、上記異な
る曲げ角度は、所望の曲げ角度より大きく設定される。
そして、スプリングバック後の曲げ角度が所望の曲げ角
度になるような押圧時の所望設定曲げ角度も、所望の曲
げ角度より大きくなる。このため、上記線形関係のう
ち、1次曲げ加圧により実際にスプリングバック率が求
められた2つの押圧時の曲げ角度の近傍で、押圧時の所
望設定曲げ角度を推定することになる。このため、押圧
時の所望設定曲げ角度を上記線形関係により求めたとき
の線形近似による誤差を小さくすることができる。この
結果、決定された押圧時の所望設定曲げ角度で、板材を
1次曲げ加工すれば、スプリングバック後の曲げ角度を
一層精度良く所望の曲げ角度にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態である曲げ加工機の構成を示す
図である。
【図2】 本実施の形態である板材の曲げ加工方法の第
1テスト曲げ工程を示すフローチャート図である。
【図3】 本実施の形態である板材の曲げ加工方法の第
2テスト曲げ工程を示すフローチャート図である。
【図4】 本実施の形態である所望決定曲げ角度決定工
程における線形近似の様子を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 基台、2a,2b 支持部、3a,3b 調整部、
4 板材、5 パンチ部、6 操作部、7 曲げ角度算
出部、8 計算部、9 制御部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上型及び下型を有する曲げ加工機によ
    り、板材を曲げ加工する板材の曲げ加工方法において、 板材に対して、所望の曲げ角度で曲げ加工を行ったとき
    の第1スプリングバック率を算出する第1テスト曲げ工
    程と、 前記曲げ角度と異なる曲げ角度で曲げ加工を行ったとき
    の第2のスプリングバック率を算出する第2テスト曲げ
    工程と、 前記所望の曲げ角度及び第1スプリングバック率と、前
    記異なる曲げ角度及び第2スプリングバック率と、の線
    形関係に基づいて、スプリングバック後の曲げ角度が前
    記所望の曲げ角度になるような押圧時の所望設定曲げ角
    度を決定する所望設定曲げ角度決定工程と、 板材に対して、前記所望設定曲げ角度に曲げ加工を行う
    曲げ加工工程と、を有することを特徴とする板材の曲げ
    加工方法。
  2. 【請求項2】 前記異なる曲げ角度は、前記所望の曲げ
    角度より大きく設定されることを特徴とする請求項1に
    記載の板材の曲げ加工方法。
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