JPH11197612A - 洗浄装置 - Google Patents

洗浄装置

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JPH11197612A
JPH11197612A JP260998A JP260998A JPH11197612A JP H11197612 A JPH11197612 A JP H11197612A JP 260998 A JP260998 A JP 260998A JP 260998 A JP260998 A JP 260998A JP H11197612 A JPH11197612 A JP H11197612A
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JP
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cleaning
washing
basket
cleaned
jig
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JP260998A
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English (en)
Inventor
Seiichi Komai
征一 駒井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】油膜等を介して密着するように積層された洗浄
対象物に良好な洗浄仕上がり性を簡易な装置構成で実現
することを可能にし、洗浄対象物との当接により、洗浄
対象物に生じる接触痕の発生を防止することのできる洗
浄装置を提供すること、また、摩擦による傷を防止する
ことのできる洗浄装置を提供する。 【解決手段】少なくとも一部が密着した状態で積層され
た洗浄対象物が収納される洗浄カゴと、上方に向けて形
成された凹凸部を有する治具が底部付近に設置され、洗
浄カゴに収納された洗浄対象物が浸漬または晒される洗
浄剤および/またはその蒸気が収容された洗浄槽と、洗
浄カゴの下降途中で、治具の凹凸部に積層状態の洗浄対
象物の底部がその積層面の方向に沿って当たるように、
洗浄カゴを洗浄槽内で上下に揺動させる洗浄カゴ揺動機
構と、洗浄カゴを支持してなる、積層状態の洗浄対象物
よりも柔らかい材質でできた支持用部材とを具備する洗
浄装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業精密洗浄用の
洗浄装置に係わり、特に、少なくとも一部が密着するよ
うに積層された洗浄対象物を洗浄する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リードフレームのような油膜を介して互
いに密着した部品を洗浄する場合、通常数百枚のレベル
で洗浄カゴに入れ、その洗浄カゴを洗浄剤中に浸漬する
ことにより洗浄を行っている。洗浄剤としては、従来、
特定フロンであるフロン113 や1,1,1-トリクロロエタン
等の塩素系溶剤が主として使用されてきた。塩素系溶剤
は、一般に加工油や油脂等の有機物に対する溶解性が大
きいというような特徴を有している。洗浄工程として
は、浸漬洗浄を行った後に蒸気洗浄を行い、最終的に部
品に乾燥性を付与している。また、浸漬洗浄中に必要に
応じて超音波を照射して、有機物の溶解除去を効果的に
行うこともある。
【0003】上述した塩素系溶剤は、近年のオゾン層の
破壊に伴う環境問題によって、特定フロンと同様に、1,
1,1-トリクロロエタンも使用が禁止されている。このよ
うなことから、1,1,1-トリクロロエタンに代わる塩素系
有機溶剤として、例えば塩化メチレンやトリクレン等の
使用が検討され、一部で実用化されている。しかし、塩
化メチレンは発癌性物質の疑いがあるばかりでなく、環
境上、規制を受けることも予想される。環境規制トリク
レンは化審法第2種特定化学物質に指定され、水質汚濁
防止法等による種々の規制強化が行われることが予想さ
れる。さらに、これらの溶剤は分子中に塩素を含有して
いるため、オゾン層破壊の原因物質として、将来、使用
規制の対象となることも考えられる。
【0004】これらに対して、シリコーン系溶剤やイソ
パラフィンのような炭化水素系溶剤等を主成分とする洗
浄剤は、オゾン層の破壊等の環境破壊を引起すことがな
く、また電子部品に付着するフラックスや金属加工部品
に付着する切削油やプレス油等、各種の汚れに対して優
れた洗浄性を示すものである。また、洗浄は汚れ対象物
質を部品表面から除去することが第一の使命であるが、
同時に洗浄仕上り性を損わずに乾燥まで実施することが
重要である。そのためには、洗浄あるいは洗浄とすすぎ
を終了した後に、蒸気洗浄を行って乾燥させる方法が最
良と考えられる。シリコーン系溶剤や炭化水素系溶剤等
を主成分とする洗浄剤によれば、このような洗浄形態を
実施できる等の利点も有している。
【0005】上述したシリコーン系溶剤や炭化水素系溶
剤等を主成分とする洗浄剤は、ほとんどの工業部品に対
して使用可能であるものの、例えばリードフレームのよ
うに互いに密着した積層物の状態で洗浄を行うものに対
しては、積層物の隙間に洗浄剤(蒸気洗浄剤を含む)が
入りづらく、さらに一旦侵入した洗浄剤が出にくい等の
問題があり、洗浄後の仕上り性が低下しやすいという難
点があった。
【0006】このような現象はシリコーン系溶剤や炭化
水素系溶剤等を主成分とする洗浄剤に限らず、フロン/
エタン代替洗浄剤の全てに当てはまる現象である。すな
わち、リードフレームやフープ材のような金属薄板等
は、油膜の厚さで相互に密着した部分を有しているもの
が多く、この部分の油膜を取り除くことは極めて困難で
ある。例えば、打ち抜き後のいわゆる「定尺物」のリー
ドフレーム等は、製造工程中の工作油でリードフレーム
同士が互いに密着している。このため、洗浄に当たって
は油膜で密着した間隙に洗浄剤を浸透させた上で、工作
油を溶解除去しなければならない。塩素を分子中に含ま
ないフロン/エタン代替洗浄剤のほとんどはその溶解力
だけでは対応が難しく、他に超音波照射、洗浄剤の液循
環、洗浄カゴの揺動(上下運動)等を併用して洗浄を行
っているが、これらの洗浄方法を駆使しても洗浄後の仕
上り性を十分に満足させるまでには至っていない。
【0007】一方、上記したような互いに密着した状態
で積層された板状部品等を洗浄する方法(ないしは洗浄
装置)として、例えば開口部に近付くにつれてその幅を
広くした保持凹部内に、積層された板状部品を配置する
と共に、この板状部品を保持する治具を所定の角度に反
復して傾けることによって、洗浄中に密着した板状部品
間を分離(剥離)しつつ洗浄(および乾燥)を行うこと
が提案されている(特開平6-114352号公報および実開平
6- 31884号公報参照)。
【0008】しかしながら、上述した洗浄方法では、基
本的に保持凹部の形成角度に応じて板状部品を傾かせる
ことによって、板状部品間のずれによる分離を行ってい
るため、ずれ幅を大きく設定することが困難であった。
また、大きなずれ量を得るためには、保持凹部の形成角
度と治具の反復傾斜角度を大きくしなければならなず、
従って板状部品の治具からの落下等の危険が生じると共
に、治具を傾斜させるための駆動手段にも負荷が生じ
る。そもそも、被洗浄部品を保持する治具を洗浄槽内で
傾斜されること自体に難点があり、装置の複雑化等を招
いてしまう。
【0009】なお、特公昭 57-6982号公報には、リード
フレーム等の板状洗浄物の洗浄用装置として、切欠きを
有する 2枚の板を使用した治具が記載されている。しか
し、これは従来のパレット治具において、平坦載置にお
ける治具との接触面積が大きいことによる水切り性が悪
いことに基く洗浄性への影響を解決しようとするもので
あって、凹凸を有する 2枚の板はその凹部に洗浄物を羅
列、保持するのに利用されているのみであり、洗浄工程
においてブロック状の洗浄物をずらすようなものではな
い。また、実開平2-121726号公報には、液晶パネルを縦
方向に並べて充填する容器に、パネルの厚さに合せた波
状の凹凸を有する板を上下に配置し、この波板でパネル
を上下から適度に固定すると共に、底板を横にスライド
させることによって、パネルの表裏に隙間を開けて洗浄
性を向上させる液晶パネル洗浄治具が記載されている。
しかし、この治具における波状の凹凸を有する板は、上
下からパネルを一枚ずつ固定すると共に、斜めにずらし
たときに隙間が開いた状態でパネルを固定するのに利用
されているものであり、リードフレームのような薄板に
は到底適用することができない。
【0010】特開平6-142629号公報は、部品(小物部
品)を洗浄あるいは蒸気洗浄する際に洗浄剤との接触面
積を増大させて洗浄時間の短縮を図るために、部品を保
持する面に凹凸が形成された洗浄治具を記載している
が、上記凹凸は板状等の洗浄対象物を支持するものでは
なく、単に部品の載置面を凹凸面としているだけであ
る。
【0011】また、特願平7-247286は、少なくとも一部
が密着した状態で積層された洗浄対象物が収納される洗
浄カゴと、上方に向けて形成された凹凸部を有する治具
が底部付近に設置され、前記洗浄カゴに収納された洗浄
対象物が浸漬または晒される洗浄剤および/またはその
蒸気が収容された洗浄槽と、前記洗浄カゴの下降途中で
前記治具の凹凸部に、前記積層状態の洗浄対象物の底部
がその積層面の方向に沿って当たるように、前記洗浄カ
ゴを前記洗浄槽内で上下に揺動させる洗浄カゴ揺動機構
とを具備する洗浄装置を開示している。これは簡便な装
置であり、しかも積層した洗浄対象物の良好な洗浄仕上
がり性が得られる装置であるが、洗浄カゴに設けられた
洗浄対象物支持用の部材の材質がステンレス等硬質の場
合には、洗浄対象物に傷がつくという問題点を有してい
る。すなわち、積層された洗浄対象物を支持するため、
洗浄カゴの底部には水平に長方形や円形の断面の部材が
設けられている。部材の寸法は、洗浄液の移動や時とし
て用いられる洗浄槽底部からの超音波の照射を妨げない
ように、できるだけ小さく設定され、円形断面であるこ
とが多い。また、部材の材質としてステンレス鋼が用い
られることが多い。洗浄中に洗浄カゴを揺動することに
より、洗浄対象物は上記の洗浄カゴの部材と、凹凸部を
有する治具に交互に支持される。このとき、洗浄対象物
表面の部材に当接した部分に接触痕が生じる。特に洗浄
対象物が硬さの低い銅系材料のときそれが著しく、洗浄
対象物の品質低下の一因となっていた。
【0012】積層された洗浄対象物は、カゴに設けた枠
板間に適当なゆるみを持たせて収容されている。また、
一度に多量の洗浄対象物を処理する場合には、洗浄対象
物が一方の枠板側に倒れた場合、凹凸部を有する治具に
接しても洗浄対象物がずれにくくなるので、両枠板の中
間に適宜、仕切り板を設け、洗浄対象物を小分けしてカ
ゴに収容している。カゴが下降して、洗浄対象物が凹凸
を有する治具に接した状態を図5に示す。隣り合う洗浄
対象物2、2’は、洗浄対象物の厚さと治具52の凹凸
部の傾斜角度により決まる長さAだけずれる。そのと
き、隣同士の摩擦により洗浄対象物表面に傷がつくが、
軽微であり、問題はない。しかし、枠板53と接してい
る積層の最も外側の洗浄物2’は、カゴの底部から凹凸
治具が突出する長さBだけ枠板との間にずれを生ずるた
め、その摩擦により、無視できない大きさの傷が生ず
る。このため、積層の両端の洗浄対象物は不良品とな
る。
【0013】このような現象は、仕切り板を使用する場
合にも当てはまり、仕切り板の両側に接する洗浄対象物
が傷のため不良となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、環境
破壊等を引き起こすフロンや塩素系溶剤の代替洗浄剤が
種々検討されているが、これらはいずれも塩素を分子中
に含まないために、油膜等を介して密着するように積層
された洗浄対象物に対しては、洗浄剤の溶解力だけでは
対応が困難であり、さらに超音波照射、洗浄剤の液循
環、洗浄カゴの揺動等を併用しても十分な洗浄仕上がり
性は得られていないのが現状である。
【0015】一方、前述した積層された洗浄対象物の積
層状態をずらしつつ行う従来の洗浄装置では、ずれ幅を
大きく設定することが困難で、ずらすことによる効果を
十分満足し得る程には得ることができず、さらに洗浄対
象物が収納される治具を洗浄槽内で傾斜させる必要があ
るために、装置の複雑化等を招いていた。
【0016】また、積層された洗浄対象物が収納された
洗浄カゴと、その底部付近に凹凸部を有する治具とを備
えた簡便な洗浄装置を用い、前記洗浄カゴを洗浄槽内で
上下に揺動させて洗浄させることにより、良好な洗浄仕
上がり性が実現される。しかし、洗浄カゴの底部には、
水平に設けられた長方形や円形の断面の部材があり、洗
浄中に洗浄カゴを揺動することにより、この部材と凹凸
部を有する治具とに交互に支持される洗浄対象物表面
が、この部材と当接して接触痕が生じるという問題があ
った。この部材の材質としては、ステンレス鋼が用いら
れることが多く、特に、洗浄対象物が硬度の低い銅系材
料のとき、それが著しく、洗浄物の品質低下の一因とな
っていた。
【0017】また、積層された洗浄対象物が収納された
洗浄カゴと、その底部付近に凹凸部を有する治具とを備
えた簡便な洗浄装置を用い、前記洗浄カゴを洗浄槽内で
上下に揺動させて洗浄させることにより、良好な洗浄仕
上がり性が実現されたものの、前記積層された洗浄対象
物のうち、両端にあるものは、摩擦により傷が生じてい
た。
【0018】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、油膜等を介して密着するように積層
された洗浄対象物に良好な洗浄仕上がり性を簡易な装置
構成で実現することを可能にし、洗浄カゴの底部に設け
られた洗浄対象物支持用の部材の表面を、洗浄対象物よ
りも柔らかい材料で被覆することによって、洗浄対象物
との当接により、洗浄対象物に生じる接触痕の発生を防
止することのできる洗浄装置を提供すること、また、洗
浄対象物の動きに併せて移動する洗浄対象物支持用の枠
板または仕切り板を備えたカゴを使用することによっ
て、摩擦による傷を防止することのできる洗浄装置を提
供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の洗浄装置は、少
なくとも一部が密着した状態で積層された洗浄対象物が
収納される洗浄カゴと、上方に向けて形成された凹凸部
を有する治具が底部付近に設置され、前記洗浄カゴに収
納された洗浄対象物が浸漬または晒される洗浄剤および
/またはその蒸気が収容された洗浄槽と、前記洗浄カゴ
の下降途中で、前記治具の凹凸部に前記積層状態の洗浄
対象物の底部がその積層面の方向に沿って当たるよう
に、前記洗浄カゴを前記洗浄槽内で上下に揺動させる洗
浄カゴ揺動機構と、前記積層状態の洗浄対象物を支持し
てなる、前記積層状態の洗浄対象物よりも柔らかい材質
でできた支持用部材とを具備することを特徴としてい
る。
【0020】本発明の洗浄装置は、さらに、前記洗浄剤
が収容された洗浄槽の底部に設置された超音波発振手段
と、前記洗浄剤中の溶存ガスを取り除く脱気手段とを具
備することを特徴としている。
【0021】本発明は、少なくとも一部が密着した状態
で積層された洗浄対象物の洗浄後に生じる傷が、むき出
しのステンレス鋼でできた底面支持用部材が原因である
ことを突き止めたことに基づいてなされたものである。
最初、この原因は、凹凸部を有する治具にあると考えら
れており、材質を変える等、種々試してみたが、一向に
改善されず、試行錯誤を繰り返した結果、底面支持用部
材に原因があることがようやくわかった。
【0022】本発明の底面支持用部材は、洗浄対象物を
支えるため、少なくとも2本必要である。また、形状や
大きさは特に問わないが、洗浄対象物と接したときに傷
がつくのを防ぐことができるよう、角張った部分がある
ものは使用できない。さらに、必要最低条件として、洗
浄対象物と接する部分は、洗浄対象物より柔らかい材質
でなければならず、テフロンなどのフッ素樹脂、軟質銅
合金、軟質アルミニウム合金等が例として挙げられる。
通常は、洗浄槽底部からの超音波の照射を妨げないよう
に、できるだけ小さく、また円形断面が採用されること
が多い。
【0023】本発明の洗浄装置は、少なくとも一部が密
着した状態で積層された洗浄対象物が収納される洗浄カ
ゴと、上方に向けて形成された凹凸部を有する治具が底
部付近に設置され、前記洗浄カゴに収納された洗浄対象
物が浸漬または晒される洗浄剤および/またはその蒸気
が収容された洗浄槽と、前記洗浄カゴの下降途中で、前
記治具の凹凸部に前記積層状態の洗浄対象物の底部がそ
の積層面の方向に沿って当たるように、前記洗浄カゴを
前記洗浄槽内で上下に揺動させる洗浄カゴ揺動機構と、
前記洗浄カゴに設けられた、洗浄対象物の動きに合わせ
て移動する洗浄対象物支持用の枠板または仕切り板とを
具備することを特徴としている。
【0024】本発明の洗浄装置は、さらに、前記洗浄剤
が収容された洗浄槽の底部に設置された超音波発振手段
と、前記洗浄剤中の溶存ガスを取り除く脱気手段とを具
備することを特徴としている。
【0025】少なくとも一部が密着した状態で積層され
た洗浄対象物を、仕切り板を設ける以外は、上記の構成
で洗浄したところ、枚数が増えると、洗浄対象物同士が
その重みで互いにもたれかかり、それにより傷が生じる
ことが分かった。そこで、実験を重ねた結果、縦30m
m、横200mm、厚さ0.2mmの洗浄対象物を、2
00枚から500枚程度同時に洗浄するには、70〜8
0mmの間隔で、前記洗浄対象物と追動する仕切り板お
よび、前記洗浄対象物の両端には、位置決めのための枠
板を設け、しかもその仕切り板および枠板はいずれも前
記洗浄対象物より硬いものであれば、傷が生じないこと
が分かった。枠板または仕切り板の具体的な材質として
は、SUS304、SPCC等が挙げられる。また、枠
板または仕切り板の大きさは、洗浄対象物に応じて適宜
寸法を決めれば良いが、一般に、洗浄対象物より高さが
低く、厚いものの方が、物理的に好ましい。
【0026】すなわち、枠板または仕切り板に隣接する
洗浄対象物が、枠板または仕切り板と大きくずれるため
に洗浄物に無視できない傷が生ずるのであるから、枠板
または仕切り板が洗浄対象物と同じ方向に移動できる構
造にし、ずれを縮小させることによって、傷を防ぐ。
【0027】ここで、本発明における洗浄とは、少なく
とも一部が油膜等を介して密着した積層物を洗浄対象物
とする工程であれば特に限定されるものではなく、油脂
類のような液体汚れや固形汚れ等の各種汚れ成分を主と
して除去する汚れ除去洗浄工程、洗浄工程により付着し
た洗浄剤成分を主として除去するすすぎ洗浄工程、およ
び蒸気洗浄剤を用いて洗浄対象物の乾燥(場合によって
は洗浄も含む)を行う蒸気洗浄(乾燥)工程のいずれに
も適用することができる。また、上記したような各洗浄
工程の 1つに適用してもよいし、さらに汚れ除去洗浄工
程から蒸気洗浄(乾燥)工程までを連続させた洗浄工程
それぞれに適用することも可能である。さらに、具体的
な洗浄手段としては、超音波照射、洗浄カゴの揺動、洗
浄剤の循環や噴射(液中または液外)等の各種の物理的
洗浄補助手段を併用することができる。
【0028】本発明の洗浄装置を用いて洗浄する際に
は、積層状態の洗浄対象物をその積層面方向に沿って凹
凸部を有する治具に当てることによって、凹凸部の形状
に合せて洗浄対象物の積層状態を初期状態から積層面方
向に沿ってずらしつつ洗浄を実施するために、積層状態
の洗浄対象物のずれ量に応じて、洗浄対象物の密着部へ
の洗浄剤やその蒸気の浸透が促進される。従って、洗浄
対象物の密着部に介在する油脂類等の濃度を短時間で減
少させることができるため、少なくとも一部が密着した
状態で積層された洗浄対象物にその密着面を含めて良好
な洗浄仕上り性を安定して付与することができる。
【0029】そして、凹凸部の 1つ当たり凸部の幅を積
層状態の洗浄対象物を形成する個々の洗浄対象物の厚さ
に対して十分幅広く形成しておくことによって、ずれ量
は凸部の形成角度によって決定することができる。従っ
て、複雑な機構を用いることなく、積層状態の洗浄対象
物のずれに基く洗浄剤やその蒸気の浸透促進効果を十分
に得ることができる。
【0030】本発明の洗浄装置は、洗浄カゴの下降途中
で洗浄槽の底部付近に設置された治具の凹凸部に、積層
状態の洗浄対象物の底部が当たるように洗浄カゴを上下
に揺動させる洗浄カゴ揺動機構を有しているため、洗浄
カゴの揺動に応じて洗浄対象物が凹凸部を有する治具に
当たってずれた状態と初期の積層状態とが繰り返され
る。従って、確実にかつ短時間で洗浄対象物の密着部に
介在する油脂類等の濃度を減少させることができるた
め、少なくとも一部が密着した状態で積層された洗浄対
象物にその密着面を含めて良好な洗浄仕上り性を付与す
ることができる。
【0031】そして、本発明の洗浄装置においては、ず
れ量を凸部の形成角度によって決定することができるた
め、簡易な装置構成によって、積層状態の洗浄対象物の
ずれに基く洗浄剤やその蒸気の浸透促進効果を十分に得
ることができる。
【0032】さらに、本発明の洗浄装置においては、特
に超音波発振手段と洗浄剤中の溶存ガスを取り除く脱気
手段とを設置することによって、積層状態の洗浄対象物
の洗浄仕上り性を向上させることができる。これは、通
常の超音波洗浄による物理的な洗浄補助効果だけでな
く、洗浄剤中の溶存ガスを取り除くことによって、超音
波エネルギーによるキャビテーションの発生を増大させ
ることができるためである。脱気手段としては、洗浄剤
を加熱するもの、気液分離膜を利用するもの、真空ポン
プを利用するもの等が広く利用されており、本発明にお
ける脱気手段は特にその具体的手段に限定されるもので
はない。ただし、洗浄剤中の気体の溶解度は飽和溶解度
の 80%以下に設定することが好ましく、より好ましくは
65%以下である。
【0033】また、本発明の洗浄装置で用いられる洗浄
剤は特に限定されるものではなく、汚れ成分や洗浄対象
物の種類等に応じて決めれば良い。水系洗浄剤、溶剤系
洗浄剤等、各種洗浄剤を使用することができる。溶剤系
洗浄剤としては、シリコーン系溶剤、炭化水素系溶剤、
ペルフルオロカーボン系溶剤、テルペン系溶剤、これら
の混合溶剤等、もしくはこれらにアルコール等の洗浄有
効成分や各種添加剤を加えたものが挙げられる。また、
アルキルアミンオキサイド系溶剤、ポリグリコール系溶
剤、テルペン系溶剤、アルコール系溶剤、およびこれら
と界面活性剤とを含む洗浄剤のように、溶剤を主成分と
する洗浄組成物で洗浄した後、その洗浄組成物を水によ
りすすぐことが可能な準水系洗浄剤と呼ばれる溶剤系洗
浄剤の一種を用いることもできる。水系洗浄剤として
は、無機酸、有機酸、アルカリ等の水溶液、界面活性剤
を主成分とする洗剤およびこれらの水溶液、さらにはこ
れらに各種添加剤を加えたもの等が挙げられる。
【0034】例えば、溶剤系洗浄剤の一種であるシリコ
ーン系溶剤としては、
【化1】 で表される直鎖状ポリジオルガノシロキサン、および
【化2】 で表される環状ポリジオルガノシロキサンから選ばれる
少なくとも 1種の低分子量ポリオルガノシロキサンが、
また炭化水素系溶剤としては炭素数 6〜20の分枝状また
は直鎖状の脂肪族炭化水素が例示される。
【0035】なお、上記 (1)式および (2)式中の Rは、
置換または非置換の 1価の炭化水素基であり、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル
基、フェニル基等の 1価の非置換炭化水素基や、トリフ
ルオロメチル基等の 1価の置換炭化水素基等が例示され
るが、系の安定性、揮発性の維持等からメチル基が最も
好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0037】図1は、洗浄装置の洗浄槽内に洗浄対象物
2を収納した洗浄カゴ1を収容した状態を示す。図2
は、図1の側面図であり、洗浄対象物2は、洗浄カゴの
底面支持棒1aに支持されている。図3は、洗浄カゴが
下降して洗浄対象物が凹凸を有する治具15に支持され
ている状態を示している。
【0038】図4に洗浄カゴ1と底面支持棒1aの形態
を示す。部材は、図4(b)に示すように、全体を洗浄
対象物よりも柔らかい材質で製作しても良いし、図4
(c)に示すように、洗浄対象物よりも硬い材質で製作
し、その表面を洗浄対象物より柔らかい材質で被覆して
も良い。
【0039】次に、上記洗浄装置の特徴部分である積層
状態の洗浄対象物のずらし機構について説明する。洗浄
カゴ1は、図1に示すように、積層状態の洗浄対象物2
の底部を部分的に支持する複数の底面支持棒1aを有す
る枠体からなり、洗浄カゴ1の底部には洗浄対象物2が
ずらし治具15と当たるように開口部が設けられてい
る。また洗浄カゴ1の側面部には、洗浄対象物2の倒壊
や落下等を防止する側面支持板1bがそれぞれ設けられ
ている。
【0040】洗浄対象物2はその積層面方向が上下方向
となるように、上述したような洗浄カゴ1内に収納され
る。この収納段階では、洗浄対象物2は複数の底面支持
棒1aに支持されており、積層状態のままである。ここ
で洗浄対象物2は、リードフレームやフープ材切断品の
ような整列可能な板状部品、あるいは同様に整列可能な
液晶セルのような部品等が、少なくとも一部が密着した
状態で積層されたものであり、その積層面が油膜や液晶
等を介して密着した状態で積層されているものに対して
特に有効である。なお、洗浄対象物2は、リードフレー
ムや液晶セル等に限定されるものではなく、同様に少な
くとも一部が密着した状態で積層されているものであれ
ば種々の機械部品や電子部品等を洗浄対象物とすること
ができる。
【0041】一方、ずらし治具15は、上方に向けて形
成された凹凸部15aを有し、この凹凸部15aは基本
的に鋸刃形状、すなわち頂部角度(傾斜角度)θの山形
凸部が連続的に形成された形状を有するものである。た
だし、頂部に関しては部品の厚さに応じて一部平坦部を
有していてもよく、これによって特に洗浄効果は変わら
ない。このようなずらし治具15は、上部の凹凸部15
aにより洗浄対象物2を支持し得るように、洗浄槽11
内にそれぞれ 2個ずつ平行に設置されており、その設置
方向は凹凸部15aの形成方向が洗浄対象物2の積層方
向と平行となるように設定されている。また、ずらし治
具15の設置位置は、搬送機構に付設された揺動駆動機
構により洗浄カゴ1を揺動させた際に、洗浄カゴ1の下
降途中で洗浄対象物2の底部が凹凸部15aに当たる位
置とされている。
【0042】上述した凹凸部15aの各山形凸部の形成
ピッチは、積層状態の洗浄対象物2を構成する個々の洗
浄対象物(21 、22 、……2n )の厚さ(積層方向の
幅)より十分に広くなるよう設定されている。山形凸部
の形成ピッチが各洗浄対象物の厚さに対して十分に広く
設定されていないと、洗浄対象物を十分にずらすことが
できないおそれがある。このため、山形凸部の形成ピッ
チは各洗浄対象物の厚さの 2倍以上とすることが好まし
い。また、山形凸部の頂部角度θは、積層状態の洗浄対
象物2のずらし幅を決定するものであり、要求される洗
浄品質や洗浄対象物2の状態(密着状態や密着部の介在
物等)に応じて適宜設定される。
【0043】具体的な洗浄対象物2のずらし幅は、洗浄
対象物2のずらし方向の幅(部品の縦方向の幅)に対し
て0.1%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.3%
以上、さらに好ましくは0.5%以上である。このずらし幅
は、洗浄対象物2のずらし方向の幅によって異なるた
め、上記0.1%以上のずらし幅が得られるように、洗浄対
象物2の厚さに応じて山形凸部の頂部角度θ、さらには
形成ピッチpを設定する。ずらし幅が0.1%未満である
と、洗浄剤13の浸透ならびに排出を十分に促進するこ
とができないおそれがある。ずらし幅は0.5%以上とする
ことがより好ましいが、あまりずらし幅を大きく設定し
すぎると、洗浄対象物2によっては変形等が生じるおそ
れがあるため、 10%以下とすることが実用的には好まし
い。
【0044】上述したような揺動とそれに伴う洗浄対象
物2のずらし機構を適用した洗浄を行う際に、超音波発
生装置14から洗浄対象物2に対して超音波を照射する
ことによって、洗浄効果をさらに高めることができる。
またさらに、超音波照射を行う際に洗浄剤13の脱気を
実施することによって、前述したように超音波洗浄効果
をより一層高めることができる。
【0045】上述したように、この実施形態の洗浄装置
においては、ずらし治具15と洗浄カゴ1の揺動とによ
って、積層状態の洗浄対象物2を十分大きくずらしつつ
洗浄しているため、密着部を含めて洗浄対象物2の汚れ
成分を十分に除去することができる。従って、乾燥後の
洗浄対象物2に良好な洗浄仕上り性を安定して付与する
ことが可能となる。そして、このような良好な洗浄仕上
り性は、前述したように複雑な機構を用いることなく得
ることができるため、装置構成の簡素化等を図ることが
可能となる。また、洗浄槽11内にずらし治具15を設
置することによって、ずらす必要のない洗浄対象物の場
合には、ずらし治具15を取り外したり、あるいは洗浄
カゴ1の下側を洗浄対象物がずらし治具15に当たらな
いように保護することによって、通常の洗浄工程を容易
に実施することができる。
【0046】なお、上記実施形態においては、洗浄カゴ
を揺動した際にずらし治具15と洗浄対象物2とが当た
るような構成としたが、揺動を行うことなく、洗浄カゴ
1を洗浄剤13中に浸漬した際にずらし治具15と洗浄
対象物2とが当たるような構成とすることもできる。
【0047】
【実施例】直径6mmのステンレス鋼製丸棒に、内径6
mm、外径7mmのフッ素樹脂(テフロン)製のチュー
ブを被覆した部材を洗浄カゴに装着して洗浄を実施し
た。洗浄物は長さ約200mm、幅約30mm、厚さ
0.2mmの銅系板材から成るリードフレームで、75
0枚積層して洗浄した。表1にチューブを被覆した底面
支持棒(実施例)と被覆しない底面支持棒(比較例)と
を用いて、リードフレームを洗浄した結果を示す。
【0048】
【表1】 表1より、チューブを被覆すると、被覆しない場合に生
じていた幅約3mmの接触痕が発生しなくなったことが
わかる。
【0049】図6に、本発明の仕切り板を有する洗浄装
置の一実施例を示す。枠体54には、枠板と、仕切り板
に相当する可動板55を装着する。枠体には可動板の厚
さよりも若干広い溝を設け、可動板が図の上下方向に容
易に移動できるようにする。溝は平行する一対の枠体に
多数設け、可動板の装着位置の移動と増減を可能にする
ように形成される。可動板が下に降りている場合、その
下端は枠体の底面に一致させるか、それよりも下になる
ようにする。枠体は洗浄用カゴに装着し、移動しないよ
うに固定する。積層された洗浄対象物は可動板間に適当
なゆるみをもたせて収容する。図7にカゴが上昇してい
るときの洗浄対象物の収容状態を断面図により示す。枠
体54は図示されていないが、可動板55と洗浄対象物
2とを包囲している。可動板55の板端と洗浄対象物2
の下端は底面支持棒1a(図示せず)の上に載ってい
る。
【0050】図8にカゴが下降し、洗浄物が凹凸を有す
る治具に接した状態を断面図により示す。同じく、枠体
54は図示されていないが、可動板55と洗浄対象物2
とを包囲している。可動板も治具に接触し、カゴの上昇
時の位置から移動している。可動板と可動板に隣接する
洗浄対象物とのずれの大きさは可動板の厚さと凹凸部の
傾斜角度により決まる。この大きさCは、カゴの底部か
ら凹凸治具が突出する長さBよりもはるかに小さいの
で、可動板との摩擦により生ずる洗浄物の傷は軽微で不
良品にはならなくなった。多量の洗浄物を一度に洗浄す
るため、仕切り板を多数用いる場合、従来、多数の不良
品が生じたが、本発明により、不良品の発生が解消され
た。
【0051】次に、上記洗浄装置の特徴部分である積層
状態の洗浄対象物のずらし機構について説明する。洗浄
カゴ1は、図5に示すように、積層状態の洗浄対象物2
の底部を部分的に支持する複数の底面支持棒1a(図示
せず)とからなり、洗浄カゴ1の底部には洗浄対象物2
がずらし治具52と当たるように開口部が設けられてい
る。また洗浄カゴ1の側面部には、洗浄対象物2を支え
る枠板53が両端に設けられている。
【0052】洗浄対象物2はその積層面方向が上下方向
となるように、上述したような洗浄カゴ1内に収納され
る。この収納段階では、洗浄対象物2はずれの無い積層
状態のままである。ここで洗浄対象物2は、リードフレ
ームやフープ材切断品のような整列可能な板状部品、あ
るいは同様に整列可能な液晶セルのような部品等が、少
なくとも一部が密着した状態で積層されたものであり、
その積層面が油膜や液晶等を介して密着した状態で積層
されているものに対して特に有効である。なお、洗浄対
象物2は、リードフレームや液晶セル等に限定されるも
のではなく、同様に少なくとも一部が密着した状態で積
層されているものであれば種々の機械部品や電子部品等
を洗浄対象物とすることができる。
【0053】一方、ずらし治具52は、上方に向けて形
成された凹凸部を有し、この凹凸部は基本的に鋸刃形
状、すなわち頂部角度(傾斜角度)θの山形凸部が連続
的に形成された形状を有するものである。ただし、頂部
に関しては部品の厚さに応じて一部平坦部を有していて
もよく、これによって特に洗浄効果は変わらない。この
ようなずらし治具52は、上部の凹凸部により洗浄対象
物2を支持し得るように、洗浄槽11内にそれぞれ 2個
ずつ平行に設置されており、その設置方向は凹凸部の形
成方向が洗浄対象物1の積層方向と平行となるように設
定されている。また、ずらし治具52の設置位置は、搬
送機構に付設された揺動駆動機構により洗浄カゴ1を揺
動させた際に、洗浄カゴ1の下降途中で洗浄対象物2の
底部が凹凸部に当たる位置とされている。
【0054】上述した凹凸部の各山形凸部の形成ピッチ
は、積層状態の洗浄対象物2を構成する個々の洗浄対象
物の厚さ(積層方向の幅)より十分に広くなるよう設定
されている。山形凸部の形成ピッチが各洗浄対象物の厚
さに対して十分に広く設定されていないと、洗浄対象物
を十分にずらすことができないおそれがある。このた
め、山形凸部の形成ピッチは各洗浄対象物の厚さの 2倍
以上とすることが好ましい。また、山形凸部の頂部角度
θは、積層状態の洗浄対象物2のずらし幅を決定するも
のであり、要求される洗浄品質や洗浄対象物2の状態
(密着状態や密着部の介在物等)に応じて適宜設定され
る。
【0055】具体的な洗浄対象物2のずらし幅は、洗浄
対象物のずらし方向の幅(部品の縦方向の幅)に対して
0.1%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.3%以
上、さらに好ましくは0.5%以上である。このずらし幅
は、洗浄対象物のずらし方向の幅によって異なるため、
上記0.1%以上のずらし幅が得られるように、洗浄対象物
の厚さに応じて山形凸部の頂部角度θ、さらには形成ピ
ッチpを設定する。ずらし幅が0.1%未満であると、洗浄
剤13の浸透ならびに排出を十分に促進することができ
ないおそれがある。ずらし幅は0.5%以上とすることがよ
り好ましいが、あまりずらし幅を大きく設定しすぎる
と、洗浄対象物によっては変形等が生じるおそれがある
ため、 10%以下とすることが実用的には好ましい。
【0056】上述したような揺動とそれに伴う洗浄対象
物2のずらし機構を適用した洗浄を行う際に、超音波発
生装置14から洗浄対象物2に対して超音波を照射する
ことによって、洗浄効果をさらに高めることができる。
またさらに、超音波照射を行う際に洗浄剤13の脱気を
実施することによって、前述したように超音波洗浄効果
をより一層高めることができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
リードフレームを一例とする、一部が密着した状態で積
層された洗浄対象物の品質を、傷などにより低下させる
ことなく、汚れ成分を十分に除去して洗浄することがで
きる。従って、積層状態の洗浄対象物に良好な洗浄仕上
がり性を安定して付与することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】洗浄槽内に洗浄対象物を収納した洗浄カゴを収
容した本発明の洗浄装置。
【図2】図1に示す洗浄装置の要部斜視図および部材の
断面図である。
【図3】図1に示す洗浄装置において、洗浄カゴが下降
して洗浄対象物が凹凸を有する治具に支持されている状
態図。
【図4】洗浄カゴと底面支持棒の形態を示す図。
【図5】従来の洗浄装置の洗浄槽内に洗浄対象物を収納
した洗浄カゴを下降した状態を示す図。
【図6】枠体および可動板の外観図。
【図7】本発明の洗浄装置の洗浄槽内で洗浄対象物を収
納した洗浄カゴを上昇した状態を示す図。
【図8】本発明の洗浄装置の洗浄槽内で洗浄対象物を収
納した洗浄カゴを凹凸を有する治具上に下降させた状態
を示す図。
【符号の説明】
1……洗浄カゴ 1a……底面支持棒 1b……側面支持板 2……積層状態の洗浄対象物 11……洗浄槽 13……洗浄剤 14……超音波発生装置 15……ずらし治具 15a……凹凸部 41……振動装置フック 51……洗浄対象物 52……凹凸を有する治具 53……枠板 54……枠体 55……可動板 56……洗浄カゴの底部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が密着した状態で積層さ
    れた洗浄対象物が収納される洗浄カゴと、 上方に向けて形成された凹凸部を有する治具が底部付近
    に設置され、前記洗浄カゴに収納された洗浄対象物が浸
    漬または晒される洗浄剤および/またはその蒸気が収容
    された洗浄槽と、 前記洗浄カゴの下降途中で、前記治具の凹凸部に前記積
    層状態の洗浄対象物の底部がその積層面の方向に沿って
    当たるように、前記洗浄カゴを前記洗浄槽内で上下に揺
    動させる洗浄カゴ揺動機構と、 前記洗浄カゴを支持してなる、前記積層状態の洗浄対象
    物よりも柔らかい材質でできた支持用部材とを具備する
    ことを特徴とする洗浄装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも一部が密着した状態で積層さ
    れた洗浄対象物が収納される洗浄カゴと、 上方に向けて形成された凹凸部を有する治具が底部付近
    に設置され、前記洗浄カゴに収納された洗浄対象物が浸
    漬または晒される洗浄剤および/またはその蒸気が収容
    された洗浄槽と、 前記洗浄カゴの下降途中で、前記治具の凹凸部に前記積
    層状態の洗浄対象物の底部がその積層面の方向に沿って
    当たるように、前記洗浄カゴを前記洗浄槽内で上下に揺
    動させる洗浄カゴ揺動機構と、 前記洗浄カゴに設けられた、洗浄対象物の動きに合わせ
    て移動する洗浄対象物支持用の枠板または仕切り板とを
    具備することを特徴とする洗浄装置。
  3. 【請求項3】 さらに、前記洗浄剤が収容された洗浄槽
    の底部に設置された超音波発振手段と、前記洗浄剤中の
    溶存ガスを取り除く脱気手段とを具備することを特徴と
    する請求項1または2記載の洗浄装置。
JP260998A 1998-01-08 1998-01-08 洗浄装置 Withdrawn JPH11197612A (ja)

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