JPH11197207A - 跨ぎ式車椅子入浴装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 介助が容易で、安全且つ簡易な構成の跨ぎ式
車椅子入浴装置を提供することにある。 【解決手段】 扉（２）付きの浴槽（３）と、入浴用の
車椅子（１）とから構成し、該車椅子（１）は、走行す
る台車部（６）の後部に支柱（９）を立設し、該支柱
（９）に人を乗せる乗座部（７）の後部を取り付け、該
乗座部（７）を台車部（６）の上方に位置せしめてな
り、開扉した浴槽（３）へ車椅子（１）を先部から押し
込み、浴槽（３）の底壁（１５）上部に乗座部（７）を
位置させ、底壁（１５）下部に台車部（６）を位置させ
た後扉（２）を閉め、乗座部（７）が扉（２）を跨ぐ形
態になして給湯入浴する跨ぎ式車椅子入浴装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、身体障害者や養護
老人等（以下患者という）の入浴に供する跨ぎ式車椅子
入浴装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術の特開平９−９４２７９号公
報には、浴槽本体と、前扉と、チェアトロリ−と、据置
型車椅子入浴装置と、移乗台車と、吊りフレ−ムと、チ
ェア本体等を構成部材とした「据置型車椅子入浴装置の
チェアトロリ−装置」が開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記した従来装置は、
浴槽本体は後半部側だけを床面に置き前半部側は床面か
ら浮かせているので、浴槽本体が不安定であり、又、構
成部材を剛性に作らないと歪みが生じるという難点があ
る。又、チェアトロリ−もチェア本体を横から片持ち支
持した構造のものであり、左右のバランスが悪く取り扱
い性が悪いのみならず架構部材を剛性に作らねばなら
ず、重いものになってしまい移動操作に難点がある。

【０００４】本発明の目的は、上記欠点を解決したもの
であり、介助が容易で、安全且つ簡易な構成の跨ぎ式車
椅子入浴装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決しようとする手段】即ち本発明は、扉
（２）を設けた浴槽（３）と、入浴用の車椅子（１）と
から構成し、該車椅子（１）は、走行する台車部（６）
の後部に支柱（９）を立設し、該支柱（９）と乗座部
（７）の後部とを連結してスペ−ス（１０）を有するフ
レ−ム（５）を成し、且つ、乗座部（７）を台車部
（６）の上方に位置せしめてなり、開扉した浴槽（３）
へ車椅子（１）を前部から押し込み、浴槽（３）の底壁
（１５）上部・上方に乗座部（７）を位置させ、底壁
（１５）下部・下方に台車部（６）を位置させた後、乗
座部（７）とそれに連結した支柱（９）からなるフレ−
ム（５）が扉（２）を跨ぐように横方向又は下方向より
扉（２）を差込んで浴槽（３）を閉止し、給湯して入浴
する跨ぎ式車椅子入浴装置である。又、前記乗座部
（７）下方のフレ−ム（５）に、底壁（１５）に乗り上
げ走行する進入ガイド（１６）を設けたものである。更
に、乗座部（７）を支持する中間連結体（１１）が、台
車部（６）及び／又は乗座部（７）に設けられ、車椅子
（１）を浴槽（３）に挿入している時には中間連結体
（１１）の支持作用が解除される車椅子（１）を有す
る。更に又、扉（２）は、開けると底壁（１５）の裏側
へ移動し収納される裏側収納式扉（２２）である。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明を用いて入浴する際、介助
者は、扉２を開け、患者を乗せた車椅子１を浴槽３に押
し込むと、前方に突き出し態様にある乗座部７のみが浴
槽３内に入り、台車部６は底壁１５下部に潜り込む。そ
の後扉２を閉めるとフレ−ム５の逆Ｕ字形状のスペ−ス
１０部分に扉２が進出してき、乗座部７は扉２を跨ぐ態
様になって浴槽３内に入り、給湯入浴する。

【０００７】乗座部７下方のフレ−ム５に設けられた進
入ガイド１６は、乗座部７が浴槽３に進入する時、底壁
１５に乗り上げ走行する。

【０００８】台車部６の先部又は乗座部に設けられる中
間連結体１１は起立状態又は垂下状態にあって乗座部７
を支持し乗座部７の上下方向の揺れを止める。車椅子１
を浴槽３に挿入すると中間連結体１１は底壁１５に当た
って押し倒され乗座部７を支持する支持作用は解除さ
れ、車椅子１を浴槽３から出すと中間連結体１１は起立
状態に戻り乗座部７を支持する。

【０００９】扉２を裏側収納式扉２２としたものでは、
該扉２２を開けると底壁１５の裏側へ移動し収納され
る。

【００１０】

【実施例】図１、２に示す本発明の第１実施例は、入浴
用の車椅子１と、後部に扉２を付けた浴槽３とからな
る。前記扉２は、右方へ移動して開く引き戸方式であ
り、左方へ移動して浴槽３の前面を水密状に閉める。扉
２の下部はレ−ル４で支持され、上部は適宜支持具５で
支持される。浴槽３の四偶は脚２３で支持される。底壁
１５下方には台車部６が収納される空間が設けられる。

【００１１】前記車椅子１は、走行する台車部６と、該
台車部６に載設され患者を乗せる乗座部７と、台車部６
の後部に立設され乗座部７の後上部を支持する二本の支
柱９のフレ−ム５とからなる。乗座部７の下部には座席
部３０が形成され、乗座部７の後部には背凭れ部８が形
成され、該背凭れ部８の上部に二本の支柱９が接続さ
れ、逆Ｕ字形状を呈するようにフレ−ム５が形成され
る。フレ−ム５の上部には取っ手１０が延設される。

【００１２】台車部６の前部には、浴槽３外で乗座部７
を支持する中間連結体１１が設けられる。該中間連結体
１１は、乗座部７を支持するロ−ラ−１２を回動可能な
ア−ム１３で支持してなり、浴槽３外においてア−ム１
３は、バネ１４で通常は前方へ引かれて、座席部２１下
方のフレ−ム５を受け支持するように起立している。こ
れにより乗座部７の荷重を補助し且つ揺れを解消するこ
とができる。

【００１３】車椅子１を浴槽３に挿入すると、ロ−ラ−
１２が底壁１５の入口端部に当ってア−ム１３と共に押
し倒され、中間連結体１１の支持作用が解除される。フ
レ−ム５の下部には、ロ−ラ−でなる進入ガイド１６が
設けられ、車椅子１を浴槽３に入れる時に進入ガイド１
６が底壁１５の入口縁に当ったうえ乗り上がり、底壁１
５で乗座部７の荷重を受けつつ、乗座部７を底壁１５上
の奥方に案内する。車椅子１は、台車部６を導入し浴槽
３に設けられるガイド（図示省略）によって所定位置に
導入され、係留部２６に係留され、浴槽３へセッティン
グされる。

【００１４】浴槽３には管路（図示省略）で連通される
貯湯槽１７が併設され、湯を浴槽３と貯湯槽１７の間に
往復移動させるポンプ装置１８が管路の途中に設けら
れ、該ポンプ装置１８で湯を浴槽３に供給・排水する。
図１中、２４は扉支持具、２９は枕、３０は扉取手であ
る。

【００１５】実施例を使用し入浴するに際して、介助者
は、乗座部７に患者を乗せた車椅子１を、扉２を開けた
浴槽３の前に移動する。中間連結体１１のロ−ラ−１２
は乗座部７を支持している。次に、取っ手１０を持っ
て、車椅子１を患者の足部側から浴槽３へ押し込む。

【００１６】車椅子１を浴槽３に押し込むと、先ず、進
入ガイド１６が底壁１５に乗り上がりフレ−ム５の支持
が開放されると同時に、中間連結体１１は後方へ回動可
能になる。乗座部７は底壁１５上面に乗り上がって進入
し、台車部６は左右の脚２３間を通って底壁１５下に潜
入する。

【００１７】台車部６に設けられた中間連結体１１は底
壁１５の入口端に当たり更に押されて後方へ回動し倒れ
る。次に、扉取っ手２４を持って扉２を左方に移動し、
浴槽３の入口を水密状に閉める。次いで、ポンプ装置１
８を作動させて貯湯槽１７の湯を浴槽３へ移し、入浴す
る。

【００１８】退浴時には、前記ポンプ装置１８を作動さ
せて浴槽３の湯を貯湯槽１７へ排水し、扉２を右方へ移
動させて開け、取っ手１０を持って車椅子１を引き出
す。乗座部７が、浴槽３から出る時に、底壁１５より外
へ出ると中間連結体１１が、バネ１４の力により起立し
その後底壁１５から降りた乗座部７を受け、乗座部７の
荷重を受け支持固定しフレ−ム５の揺れを阻止する。車
椅子１と共に患者を適宜移動して入浴を終わる。

【００１９】図３に示す第２実施例は、第１実施例にお
ける中間連結体１１を、台車部６に設けた固定式の係止
台２７に代えたものである。車椅子１が浴槽３外にある
時は、係止台２７上に進入ガイド１６ｂが位置し、進入
ガイド１６ｂに掛かっている荷重を係止台２７が受け
る。

【００２０】浴槽３に進入すると進入ガイド１６が底壁
１５入口端に当たり乗り上げ、浴槽３内に入って底壁１
５上に進入ガイド１６ａが位置する。進入ガイド１６
は、フレ−ム５ｂからフレ−ム５ａの変形によって、係
止台２７上の進入ガイド１６ｂ位置と底壁１５上の進入
ガイド１６ａ位置との間に、即ち、底壁１５と係止台２
７との間に移動する。フレ−ム５は浴槽３内ではフレ−
ム５ａに、浴槽３外ではフレ−ム５ｂに移動する。

【００２１】このように進入ガイド１６が、浴槽３外で
は台車部６で、浴槽３内では底壁１５で支持され、乗座
部７の荷重が台車部６又は底壁１５で受けられるので、
フレ−ム５は簡易軽量となり、外観上もスリムで、取り
扱い操作もし易く低コストのものとなる。

【００２２】図４に示す第３実施例は、第１実施例にお
ける中間連結体１１を、乗座部７の裏面に垂下ア−ム１
９を垂下状に回動可能に軸支し該ア−ム１９の下端にロ
−ラ−１２を取着してなる垂下中間連結体２０に代えた
ものである。垂下中間連結体２０は、浴槽３外では、垂
下中間連結体２０ａの下方支持位置にて台車部６に係り
載せられた形態で乗座部７の荷重を受ける。

【００２３】図５に示す第４実施例は、扉２を、引き戸
方式ではなくて、開ける時には底壁１５の裏面に添わせ
て押し込み収納する裏側収納式扉２２に代えたものであ
る。扉２は、図示の如く板状構造体の他、蛇腹構造や、
シャッタ−構造の縦方向屈曲体や、屈曲性のあるベルト
状物を両サイドガイディングしてスライド昇降するもの
としてもよい。

【００２４】

【発明の効果】本発明は、開扉した浴槽３に車椅子１を
押し込むと乗座部７は浴槽３内に台車部６は底壁１５下
に入り、閉扉すると乗座部７と台車部６の間に扉２がき
て、両部材６・７からなるフレ−ム５が扉２を跨ぐ形態
をなすものである。この構成によれば、浴槽３は脚２３
で支持されるものであるから、浴槽３は安定に設置さ
れ、構造も簡素に軽量に作れ、好都合である。又、浴槽
３の側部に支柱が来ないので、患者に接近でき介助を行
い易く、好都合である。

【００２５】又、乗座部７は入浴し台車部６は浴槽３外
にあるので、衛生的入浴が可能となる。又、乗座部７と
台車部６を繋ぐフレ−ム５を挟むシ−ル部が底壁１５等
に無いので、浴槽３の構造が簡単で且つ左右対称的構造
であるので外観もバランスよくシンプルであり、好都合
である。

【００２６】又、乗座部７下方のフレ−ム５に、底壁１
５に乗り上げ走行する進入ガイド１６を設けたので、車
椅子１を浴槽３に押し込む作業が容易且つ確実に行な
え、好都合である。

【００２７】更に、本発明は、乗座部７を支持する中間
連結体１１が、台車部６及び／又は乗座部７に設けられ
乗座部７の荷重を補助的に受けるので、支柱９等を特別
に剛性に作らなくてもよく、乗座部７も上下に揺れず、
患者が不快感を味わうということがなく、車椅子１を簡
素に軽量に作れ、移動操作も楽であり、好都合である。

【００２８】又、扉２を、開けると底壁１５の裏側へ移
動し収納される裏側収納式扉２２としたものでは、該扉
２２の開閉に係る占有スペ−スが浴槽３の外周辺に不要
であり省スペ−ス化が図れ、好都合である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の左側断面図である。

【図２】本発明の第１実施例の斜視図である。

【図３】本発明の第２実施例の左側断面図である。

【図４】本発明の第３実施例の左側断面図である。

【図５】本発明の第４実施例の左側断面図である。

【符号の説明】

１ 車椅子 ２ 扉 ３ 浴槽 ５ フレ−ム ６ 台車部 ７ 乗座部 ９ 支柱 １０ スペ−ス １１ 中間連結体 １５ 底壁 １６ 進入ガイド ２２ 裏側収納式扉

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 扉（２）を設けた浴槽（３）と、入浴用
   の車椅子（１）とから構成し、該車椅子（１）は、走行
   する台車部（６）の後部に支柱（９）を立設し、該支柱
   （９）と乗座部（７）の後部とを連結してスペ−ス（１
   ０）を有するフレ−ム（５）を成し、且つ、乗座部
   （７）を台車部（６）の上方に位置せしめてなり、 開扉した浴槽（３）へ車椅子（１）を前部から押し込
   み、浴槽（３）の底壁（１５）上部・上方に乗座部
   （７）を位置させ、底壁（１５）下部・下方に台車部
   （６）を位置させた後、乗座部（７）とそれに連結した
   支柱（９）からなるフレ−ム（５）が扉（２）を跨ぐよ
   うに横方向又は下方向より扉（２）を差込んで浴槽
   （３）を閉止し、給湯して入浴する跨ぎ式車椅子入浴装
   置。
2. 【請求項２】 乗座部（７）下方のフレ−ム（５）に、
   底壁（１５）に乗り上げ走行する進入ガイド（１６）を
   設けたことを特徴とする請求項１記載の跨ぎ式車椅子入
   浴装置。
3. 【請求項３】 乗座部（７）を支持する中間連結体（１
   １）が、台車部（６）及び／又は乗座部（７）に設けら
   れ、車椅子（１）を浴槽（３）に挿入している時には中
   間連結体（１１）の支持作用が解除される車椅子（１）
   を有することを特徴とする請求項１記載の跨ぎ式車椅子
   入浴装置。
4. 【請求項４】 扉（２）は、開けると底壁（１５）の裏
   側へ移動し収納される裏側収納式扉（２２）であること
   を特徴とする請求項１記載の跨ぎ式車椅子入浴装置。