JPH1119565A - 塗布膜形成方法および塗布装置 - Google Patents

塗布膜形成方法および塗布装置

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JPH1119565A
JPH1119565A JP10130970A JP13097098A JPH1119565A JP H1119565 A JPH1119565 A JP H1119565A JP 10130970 A JP10130970 A JP 10130970A JP 13097098 A JP13097098 A JP 13097098A JP H1119565 A JPH1119565 A JP H1119565A
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rotating
forming
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用する塗布液の量を極力少なくすることが
できる塗布膜形成方法および塗布装置を提供すること。 【解決手段】 処理容器41内に収容された基板Gの表
面上に塗布液を供給して塗布膜を形成するに際し、基板
Gを回転させない状態でその表面上に塗布液を噴霧する
ことにより基板全面に塗布膜を形成し、処理容器41を
蓋体46で閉塞して基板Gを処理容器41内に封入し、
その処理容器41および基板Gを回転させて、塗布膜の
膜厚を整える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置(L
CD)基板や半導体基板の表面上に、例えばレジスト膜
のような溶剤による液状塗布膜を形成するための塗布膜
形成方法および塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、LCD基板の製造においては、
LCD基板にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラ
フィ技術を用いて回路パターンをフォトレジストに転写
し、これを現像処理することにより回路が形成される。
この工程には、塗布液を基板の表面上に供給する塗布膜
形成工程が含まれる。
【0003】この場合のレジスト膜の形成方法として
は、例えば、矩形のLCD基板を処理容器内に配設され
た載置台上に載置固定し、処理容器の開口部を蓋体で閉
塞して、処理容器と載置台とを共に回転させ、この基板
上面の中心部に溶剤と感光性樹脂とからなるレジスト液
(塗布液)を滴下し、このレジスト液を基板の回転力と
遠心力とにより基板中心部から周縁部に向けて渦巻状に
拡散させて塗布する方法が知られている。
【0004】この方法においては、基板の回転させて基
板中心部から周縁部に向けてレジスト液を拡散させて基
板上にレジスト液を塗布し、中心位置よりも周速が著し
く大きい外周部から相当量のレジスト液を処理容器に向
って飛散させている。この場合、滴下するレジスト液の
うち基板面に塗布される量は10〜20%であり、残り
の80〜90%は処理容器に向って飛散させている。
【0005】特に、矩形であるLCD基板にレジスト液
を塗布する場合には、基板全面に塗り残しなくレジスト
液を塗布するために、非常に多量のレジスト液を無駄に
することになる。近年、LCD基板の大型化が進んでお
り、従来の方法では、レジスト液の無駄がさらに多くな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる点に鑑
みてなされたものであり、使用する塗布液の量を極力少
なくすることができる塗布膜形成方法および塗布装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の観点によれば、処理容器内に収容さ
れた基板の表面上に塗布液を供給して塗布膜を形成する
塗布膜形成方法であって、前記基板を回転させない状態
でその表面上に塗布液を噴霧することにより基板表面に
塗布液を塗布し、塗布膜を形成する工程と、前記基板を
回転させて、前記塗布膜の膜厚を整える工程とを具備す
ることを特徴とする塗布膜形成方法が提供される。
【0008】本発明の第2の観点によれば、処理容器内
に収容された基板の表面上に塗布液を供給して塗布膜を
形成する塗布膜形成方法であって、前記基板を回転させ
ない状態でその表面上に塗布液を噴霧することにより基
板表面に塗布液を塗布する工程と、前記基板を第1の回
転数で回転させて、前記塗布液を前記基板の面上で拡散
させて塗布膜を形成する工程と、前記処理容器内に封入
された基板を前記第1の回転数より大きい第2の回転数
で回転させて、前記塗布膜の膜厚を整える工程とを具備
することを特徴とする塗布膜形成方法が提供される。
【0009】上記構成によれば、基板に塗布液を塗布す
る際に塗布液を噴霧して基板に供給するので、基板を回
転させなくても基板にまんべんなく塗布液を供給するこ
とができるとともに、基板を回転させないので基板回転
の遠心力により塗布液を飛散させることを防止すること
ができる。したがって、基板全面に塗布するのに必要な
塗布液の量を少なくすることができ、しかも周囲に飛散
する無駄な塗布液も少なくすることができるので、塗布
液の使用量を極めて少なくすることができる。特に、基
板のサイズが大きくなると、その周縁部における回転に
よる遠心力が大きくなり、塗布液が飛散する確率が高く
なるので、基板を回転させない状態で塗布液を噴霧する
ことは省塗布液の観点から有効である。
【0010】また、第2の観点のように、基板をより低
速な第1の回転数で回転させて塗布液を基板の面上で拡
散させる場合には、より確実に塗り残しなく基板全面に
塗布液を塗布することができる。この場合に、塗布液を
噴霧することによりほぼ基板全面に塗布液が供給されて
いるので、基板全面に塗布液を塗布する場合のように大
きな遠心力は不要である。したがって、基板の回転のみ
で塗布液を基板全面に拡散させる場合に比べて塗布液の
飛散を最少限に抑えることができる。
【0011】本発明の第3の観点によれば、処理容器内
に収容された基板の表面上に塗布液を供給して塗布膜を
形成する塗布膜形成方法であって、前記基板の表面上に
溶剤を塗布する工程と、前記基板の表面上に塗布液を噴
霧することにより基板表面に塗布液を塗布し、塗布膜を
形成する工程と、前記基板を回転させて、前記塗布膜の
膜厚を整える工程とを具備することを特徴とする塗布膜
形成方法が提供される。
【0012】本発明の第4の観点によれば、処理容器内
に収容された基板の表面上に塗布液を供給して塗布膜を
形成する塗布膜形成方法であって、前記基板の表面上に
溶剤を塗布する工程と、前記基板の表面上に塗布液を噴
霧することにより基板表面に塗布液を塗布する工程と、
前記基板を第1の回転数で回転させて、前記塗布液を前
記基板の面上で拡散させて塗布膜を形成する工程と、前
記処理容器内に封入された基板を前記第1の回転数より
大きい第2の回転数で回転させて、前記塗布膜の膜厚を
整える工程とを具備することを特徴とする塗布膜形成方
法が提供される。
【0013】これら第3の観点および第4の観点によれ
ば、塗布液の供給に先立って基板の表面上に溶剤を塗布
するので、基板表面上に塗布液を噴霧したときに塗布液
が溶剤を介して基板表面に拡散する。したがって、基板
全面に対してむらなく塗布液を塗布することができ、一
層塗布液量を少なくすることができる。
【0014】以上の塗布方法において、前記基板表面に
塗布膜を形成した後、処理容器を蓋体で閉塞して、前記
基板を前記処理容器内に封入する工程を具備し、その後
膜厚を整える工程を実施することにより、膜厚の均一性
を良好にすることができる。
【0015】また、前記基板および処理容器を第1の回
転数で回転させながら、前記基板の表面上に前記溶剤お
よび前記塗布液の少なくとも一方を塗布することによ
り、塗布液の拡散効果を向上させることができ、よりむ
らなく塗布液を塗布することができる。この場合、溶剤
を供給しているので、第1の回転数はあまり大きくなく
ても十分に塗布液を拡散させることができる。
【0016】さらに、溶剤を塗布する際に溶剤を噴霧す
ることにより、少ない溶剤量でも基板表面に均一に溶剤
を塗布することができる。さらにまた、基板とともに処
理容器も回転させることにより、回転中に処理容器内を
密閉状態とすることが容易となる。さらにまた、基板を
回転させない状態で塗布液を噴霧する手段を移動させ
て、基板の表面上に塗布液を噴霧して基板全面に塗布液
を塗布することにより、基板のサイズが大きくても十分
に塗布液を基板全面に塗布することができる。
【0017】本発明の第5の観点によれば、処理容器内
に収容された基板の表面上に塗布液を供給して塗布膜を
形成する塗布装置であって、開口部を有するカップ形状
をなし、基板を包囲する処理容器と、基板の表面を水平
にした状態で前記基板を支持する支持手段と、前記支持
手段を回転させることにより前記基板を回転させる基板
回転手段と、前記基板の表面に塗布液を噴霧する塗布液
噴霧手段と、前記塗布液噴霧手段を基板面に沿って走査
する走査手段とを具備することを特徴とする塗布装置が
提供される。
【0018】このように、塗布液を噴霧して基板に供給
するので、塗布液が基板全体に行き渡りやすく、また、
基板の表面に塗布液を噴霧する塗布液噴霧手段を基板面
に沿って走査する走査手段を備えているので、基板のサ
イズが大きくても十分に塗布液を基板全面に塗布するこ
とができる。
【0019】本発明の第6の観点によれば、処理容器内
に収容された基板の表面上に塗布液を供給して塗布膜を
形成する塗布装置であって、開口部を有するカップ形状
をなし、基板を包囲する処理容器と、基板の表面を水平
にした状態で前記基板を支持する支持手段と、前記支持
手段を回転させることにより前記基板を回転させる基板
回転手段と、前記基板の表面に塗布液を噴霧する塗布液
噴霧手段と、前記基板の表面に塗布液の溶剤を供給する
溶剤供給手段とを具備することを特徴とする塗布装置が
提供される。
【0020】このように、基板の表面に塗布液の溶剤を
供給する溶剤供給手段を備えているので、基板表面上に
溶剤を介して塗布液を拡散させて塗布することができ、
基板全面に対してむらなく塗布液を塗布することがで
き、塗布液の使用量を一層低減することができる。この
装置において、塗布液噴霧手段を基板面に沿って走査す
る走査手段を設けることにより、大きい基板であっても
溶剤を基板全面に亘って塗布することができ、溶剤の量
を極めて少なくすることができる。
【0021】この装置において、前記溶剤供給手段が、
溶剤を噴霧して供給することにより、少ない溶剤量でも
基板表面に均一に溶剤を塗布することができる。この場
合に、前記溶剤供給手段を覆う溶剤カバーをさらに具備
するにより、噴霧した溶剤が周囲に飛散することを防止
することができる。溶剤カバーに排気部を設けカバー内
を排気することもできる。また、溶剤カバーが、排気部
と溶剤供給手段とを隔てる隔壁を有することにより、溶
剤供給手段から出された溶剤の蒸気が周囲に拡散するこ
とをより一層効果的に防止することができる。
【0022】また、これら装置において塗布液噴霧手段
を塗布液カバーで覆うことにより、塗布液が周囲に飛散
することを防止することができる。この場合に、カバー
内側を洗浄する洗浄手段を設けることにより、乾燥した
塗布液がパーティクルとなることを防止することができ
る。また、塗布液カバーに排気部を設けカバー内を排気
することもできる。また、塗布液カバーが、排気部と溶
剤供給手段とを隔てる隔壁を有することにより、塗布液
噴霧手段から噴霧された塗布液が周囲に拡散することを
より一層効果的に防止することができる。
【0023】これらの装置において、さらに、塗布液噴
霧手段を複数の塗布液噴霧部を有しているものとするこ
とにより、基板のサイズが大きくてもより効率良く塗布
液を基板全面に塗布することができる。さらにまた、処
理容器を閉塞する蓋体を有することにより、基板表面に
塗布膜を形成した後、処理容器を蓋体で閉塞して、前記
基板を前記処理容器内に封入することができるので、膜
厚の均一性を良好にすることができる。さらにまた、基
板とともに処理容器も回転させることにより、回転中に
処理容器内を密閉状態とすることが容易となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発
明が適用されるLCD基板の塗布・現像処理システムを
示す平面図である。
【0025】この塗布・現像処理システムは、複数の基
板Gを収容するカセットCを載置するカセットステーシ
ョン1と、基板Gにレジスト塗布および現像を含む一連
の処理を施すための複数の処理ユニットを備えた処理部
2と、露光装置(図示せず)との間で基板Gの受け渡し
を行うためのインターフェース部3とを備えており、処
理部2の両端にそれぞれカセットステーション2および
インターフェース3が配置されている。
【0026】カセットステーション1は、カセットCと
処理部2との間でLCD基板の搬送を行うための搬送機
構10を備えている。そして、カセットステーション1
においてカセットCの搬入出が行われる。また、搬送機
構10はカセットの配列方向に沿って設けられた搬送路
10a上を移動可能な搬送アーム11を備え、この搬送
アーム11によりカセットCと処理部2との間で基板G
の搬送が行われる。
【0027】処理部2は、前段部2aと中段部2bと後
段部2cとに分かれており、それぞれ中央に搬送路1
2、13、14を有し、これら搬送路の両側に各処理ユ
ニットが配設されている。そして、これらの間には中継
部15、16が設けられている。
【0028】前段部2aは、搬送路12に沿って移動可
能な主搬送装置17を備えており、搬送路12の一方側
には、2つの洗浄ユニット(SCR)21a、21bが
配置されており、搬送路12の他方側には紫外線照射・
冷却ユニット(UV/COL)25、それぞれ上下2段
に積層されてなる加熱処理ユニット(HP)26および
冷却ユニット(COL)27が配置されている。
【0029】また、中段部2bは、搬送路13に沿って
移動可能な主搬送装置18を備えており、搬送路13の
一方側には、レジスト塗布処理ユニット(CT)22お
よび基板Gの周縁部のレジストを除去する周縁レジスト
除去ユニット(ER)23が一体的に設けられており、
搬送路13の他方側には、二段積層されてなる加熱処理
ユニット(HP)28、加熱処理ユニットと冷却処理ユ
ニットが上下に積層されてなる加熱処理・冷却ユニット
(HP/COL)29、およびアドヒージョン処理ユニ
ットと冷却ユニットとが上下に積層されてなるアドヒー
ジョン処理・冷却ユニット(AD/COL)30が配置
されている。
【0030】さらに、後段部2cは、搬送路14に沿っ
て移動可能な主搬送装置19を備えており、搬送路14
の一方側には、3つの現像処理ユニット24a、24
b、24cが配置されており、搬送路14の他方側には
上下2段に積層されてなる加熱処理ユニット31、およ
び加熱処理ユニットと冷却処理ユニットが上下に積層さ
れてなる2つの加熱処理・冷却ユニット(HP/CO
L)32、33が配置されている。
【0031】なお、処理部2は、搬送路を挟んで一方の
側に洗浄処理ユニット21a、レジスト処理ユニット2
2、現像処理ユニット24aのようなスピナー系ユニッ
トのみを配置しており、他方の側に加熱処理ユニットや
冷却処理ユニット等の熱系処理ユニットのみを配置する
構造となっている。
【0032】また、中継部15、16のスピナー系ユニ
ット配置側の部分には、薬液供給ユニット34が配置さ
れており、さらに主搬送装置の出し入れが可能なスペー
ス35が設けられている。
【0033】上記主搬送装置17,18,19は、それ
ぞれ水平面内の2方向のX軸駆動機構、Y軸駆動機構、
および垂直方向のZ軸駆動機構を備えており、さらにZ
軸を中心に回転する回転駆動機構を備えている。
【0034】上記主搬送装置17は、搬送機構10のア
ーム11との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、前
段部2aの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬
出、さらには中継部15との間で基板Gの受け渡しを行
う機能を有している。また、主搬送装置18は中継部1
5との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、中段部2
bの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さら
には中継部16との間の基板Gの受け渡しを行う機能を
有している。さらに、主搬送装置19は中継部16との
間で基板Gの受け渡しを行うとともに、後段部2cの各
処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さらにはイ
ンターフェース部3との間の基板Gの受け渡しを行う機
能を有している。なお、中継部15、16は冷却プレー
トとしても機能する。
【0035】インターフェース部3は、処理部2との間
で基板を受け渡しする際に一時的に基板を保持するエク
ステンション36と、さらにその両側に設けられた、バ
ッファーカセットを配置する2つのバッファーステージ
37と、これらと露光装置(図示せず)との間の基板G
の搬入出を行う搬送機構38とを備えている。搬送機構
38はエクステンション36およびバッファステージ3
7の配列方向に沿って設けられた搬送路38a上を移動
可能な搬送アーム39を備え、この搬送アーム39によ
り処理部2と露光装置との間で基板Gの搬送が行われ
る。
【0036】このように各処理ユニットを集約して一体
化することにより、省スペース化および処理の効率化を
図ることができる。
【0037】このように構成される塗布・現像処理シス
テムにおいては、カセットC内の基板Gが、処理部2に
搬送され、処理部2では、まず、前段部2aの紫外線照
射・冷却ユニット(UV/COL)25で表面改質・洗
浄処理およびその後の冷却された後、洗浄ユニット(S
CR)21a,21bでスクラバー洗浄が施され、加熱
処理ユニット(HP)26の一つで加熱乾燥された後、
冷却ユニット(COL)27の一つで冷却される。
【0038】その後、基板Gは中段部2bに搬送され、
レジストの定着性を高めるために、ユニット30の上段
のアドヒージョン処理ユニット(AD)にて疎水化処理
(HMDS処理)され、冷却ユニット(COL)で冷却
後、レジスト塗布ユニット(CT)22でレジストが塗
布され、周縁レジスト除去ユニット(ER)23で基板
Gの周縁の余分なレジストが除去される。その後、基板
Gは、中段部2bの中の加熱処理ユニット(HP)の一
つでプリベーク処理され、ユニット29または30の下
段の冷却ユニット(COL)で冷却される。
【0039】その後、基板Gは中継部16から主搬送装
置19にてインターフェース部3を介して露光装置に搬
送されてそこで所定のパターンが露光される。そして、
基板Gは再びインターフェース部3を介して搬入され、
現像処理ユニット(DEV)24a,24b,24cの
いずれかで現像処理され、所定の回路パターンが形成さ
れる。現像処理された基板Gは、後段部2cのいずれか
の加熱処理ユニット(HP)にてポストベーク処理が施
された後、冷却ユニット(COL)にて冷却され、主搬
送装置19,18,17および搬送機構10によってカ
セットステーション1上の所定のカセットに収容され
る。
【0040】次に、本発明の塗布膜形成方法および塗布
装置が適用されるレジスト塗布ユニット25について説
明する。
【0041】図2は、本発明の一実施形態に係る塗布装
置である塗布ユニット25を示すものであり、LCD基
板Gを水平状態に真空吸着によって回転可能に保持する
スピンチャック40と、このスピンチャック40の上部
および外周部を包囲する処理室41を有する上方部が開
口したカップ状の回転可能な処理容器(回転カップ)4
2と、回転カップ42の開口部42aを閉止可能に、か
つカップ42に対して着脱可能に設けられた蓋体46
と、この蓋体46を閉止位置と待機位置との間で移動さ
せるロボットアーム50と、回転カップ42の外周側を
取囲むように配置された中空リング状のドレンカップ4
4と、スピンチャック40と回転カップ42とを回転さ
せる駆動モータ51と、スピンチャック40の上方位置
に移動可能に設けられた噴頭90と、この噴頭90を把
持して噴頭待機位置と基板上方位置間で移動させる移動
機構100とを備えている。噴頭90は、塗布液の溶剤
(溶媒)A(例えばシンナー)を供給する溶剤供給ノズ
ル70と塗布液であるレジスト液Bを供給する塗布液供
給ノズル80とを近接させて一体に取り付けた構造を有
している。
【0042】ノズル70,80からの溶剤供給路および
レジスト液供給路のそれぞれには、中を流れる溶剤Aお
よびレジスト液Bを予め設定された温度(例えば23
℃)にするための温度調整液Dを循環供給する温度調整
機構91が設けられている。
【0043】上記スピンチャック40は、例えばポリエ
ーテルエーテルケトン(PEEK)のような耐熱性合成
樹脂で形成され、予め設定されたプログラムに基いて駆
動し、回転速度を可変できる駆動モータ51の駆動によ
って回転される回転軸52を介して水平方向に回転(自
転)可能であり、また回転軸52に連結される昇降シリ
ンダ53の駆動によって上下方向に移動可能である。こ
の場合、回転軸52はスプライン軸受57に上下方向に
摺動可能に連結されている。スプライン軸受57は、固
定カラー54の内周面にベアリング55aを介して回転
可能に装着される回転内筒56aの内周面に嵌着されて
いる。スプライン軸受57には従動プーリ58aが装着
されており、従動プーリ58aには駆動モータ51の駆
動軸51aに装着された駆動プーリ51bとの間にベル
ト59aが掛け渡されている。したがって、駆動モータ
51の駆動によってベルト59aを介して回転軸52が
回転してスピンチャック40が回転される。また、回転
軸52の下部側は図示しない筒体内に配設されており、
この筒体内において回転軸52がバキュームシール部6
0を介して昇降シリンダ53に連結され、昇降シリンダ
53の駆動によって回転軸52が上下方向に移動可能と
なっており、これによりスピンチャックが上下方向に移
動する。
【0044】上記固定カラー54の外周面にベアリング
55bを介して装着される回転外筒56bの上端部には
連結筒61が固定されており、上記回転カップ42はこ
の連結筒61を介して取り付けられている。回転カップ
42の底部42bとスピンチャック40の下面との間に
は、シール機能を有するベアリング52が介在されてお
り、回転カップ42がスピンチャック40に対して相対
的に回転可能である。そして、回転外筒56bには従動
プーリ58bが装着されており、この従動プーリ58b
と上記駆動モータ51に装着された駆動プーリ51bに
はベルト59bが掛け渡されている。したがって、この
ベルト59bによって駆動モータ51からの駆動が回転
カップ42に伝達されて回転カップ42が回転される。
【0045】この場合、従動プーリ58bの直径は上記
回転軸52に装着された従動プーリ58aの直径と同一
に形成され、同一の駆動モータ51にベルト59a,5
9bが掛け渡されているので、回転カップ42とスピン
チャック40とは同一速度で回転される。
【0046】回転カップ42は上方に向かって縮径され
た側壁42cを有しており、この側壁42c面はテーパ
面42eとなっている。この側壁42cの上端には、内
方側に向って内向きフランジ42dが形成されている。
回転カップ42の内向きフランジ42dには周方向に適
宜間隔をおいて給気孔64が穿設され、側壁42cの下
部側の周方向の適宜位置には排気孔65が穿設されてい
る。このように給気孔64と排気孔65を設けることに
より、回転カップ42が回転する際に、給気孔64から
処理室41内に流れる空気が排気孔65から外部に流れ
るので、回転カップ42の回転時に処理室41内が負圧
になるのを防止することができ、処理後に回転カップ4
2から蓋体46を開放する際に大きな力を要することな
く、蓋体46を容易に開放することができる。
【0047】一方、上記ドレンカップ44の内部には環
状通路44aが設けられており、その外周壁の適宜箇所
(例えば周方向の4箇所)には排気口66が設けられて
いて、この排気口66は排気装置(図示せず)に連結さ
れている。またドレンカップ44の内周側上方部には、
環状通路44aおよび排気口66に連通する放射状の排
気通路67が形成されている。このようにドレンカップ
44の外周部に排気口66を設けると共に、ドレンカッ
プ44の内周側上方部に排気通路67を形成することに
より、回転処理時に処理室41内で遠心力により飛散し
排気孔64を通ってドレンカップ44内に流れ込んだミ
ストが回転カップ42の上部側へ舞い上がることが防止
され、ミストを排気口66から外部に排出させることが
できる。
【0048】上記環状通路44aは、ドレンカップ44
の底部から起立する外側壁44bとドレンカップ44の
天井部から垂下する内側壁44cとで区画され、これに
より迂回路が形成されるため排気が均一に行うことが可
能である。また、外側壁44bと内側壁44cとの間に
位置する底部44dには周方向沿って適宜間隔をおいて
ドレン孔44eが設けられている。
【0049】また、ドレンカップ44の内周面には、上
記回転カップ42のテーパ面42eに対応するテーパを
有するテーパ面44fが形成されており、回転カップ4
2のテーパ面42eとドレンカップ44のテーパ面44
fとの間に微少隙間が形成されている。このように下方
に向って拡開するテーパ状の微少隙間を形成することに
よって、回転カップ42の回転時に微少隙間の上下の間
で生じる周速差から圧力差が誘発され、この圧力差が回
転カップ42の外周部の微少隙間の上側から下側に向う
気流を助長させてドレンカップ44内の排気ミストが上
記微少隙間を通って回転カップ42外へ飛散するのを防
止することができる。
【0050】また、微小隙間を通って上方に向い回転カ
ップ42外へ飛散しようとするミストがあっても、排気
通路67、ドレンカップ44内の環状通路44aを通っ
て、排気口66から排出される。ここでは、ドレンカッ
プ44が回転カップ42の外周側を取囲むように配置さ
れる場合について説明したが、ドレンカップ44は必ず
しも回転カップ42の外周側に配置される必要はなく、
回転カップ42の下部側に配置してもよい。
【0051】上記蓋体46には、その上面中央に上方に
向かって伸びる支持部材49が設けられており、その上
端には支持部材49よりも大径の頭部48が設けられて
いる。蓋体46を開閉する場合には、蓋体46の上面に
支持部材49を介して設けられた頭部48の下に、図2
の二点鎖線で示すように、ロボットアーム50を挿入
し、頭部48に設けられた係止溝にロボットアーム50
から突出する係止ピン50aを係合させた後、ロボット
アーム50を上下動させる。
【0052】なお、上記蓋体46と基板Gとの中間位置
に、中心部分で蓋体46に取着された基板G以上の大き
さの多孔板等にて形成されるバッフル板(図示せず)を
配置することも可能である。このようにバッフル板を配
置することにより、塗布処理時にさらに確実に処理室4
1内の乱流の発生を防止することができる。
【0053】上記溶剤供給ノズル70は、溶剤供給路で
ある溶剤供給チューブ71と開閉バルブ72を介して溶
剤タンク73に接続されており、溶剤タンク73内に窒
素(N2)ガスを供給することによって、その加圧力に
より溶剤タンク73内の溶剤Aが基板G上に供給され
る。この場合にN2ガスの加圧力を制御することによっ
て溶剤Aの流量が制御され、所定時間中、所定量の溶剤
Aが供給される。なお、溶剤供給ノズルは、溶剤を噴霧
するようにしてもよい。
【0054】レジスト液供給ノズル80は、レジスト液
を噴霧できるように複数の微孔で構成されており、レジ
スト液供給路であるレジスト液供給チューブ81を介し
てレジスト液Bを収容するレジスト液タンク82(塗布
液供給源)に連通されている。このチューブ81には、
サックバックバルブ83、エアーオペレーションバルブ
84、レジスト液B中の気泡を分離除去するための気泡
除去機構85、フィルタ86およびベローズポンプ87
が順次設けられている。このベローズポンプ87は、駆
動部により伸縮可能となっており、この伸縮が制御され
ることにより所定量のレジスト液Bがレジスト液供給ノ
ズル80を介して基板Gの表面に噴霧されることが可能
となっている。このベローズポンプ87により従来のレ
ジスト液Bの供給量より少量のレジスト液Bの供給量制
御を可能としている。この駆動部は、一端がベローズポ
ンプの一端に取り付けられたネジ88aと、このネジに
螺合されるナット88bとからなるボールネジ機構88
と、このナット88bを回転させることによりネジ88
aを直線動させるステッピングモータ89とにより構成
されている。
【0055】上記レジスト液供給系に設けられたサック
バックバルブ83は、レジスト液供給ノズル80からの
レジスト液吐出後、レジスト液供給ノズル80先端内壁
部に表面張力によって残留しているレジスト液Bをレジ
スト液供給ノズル80内に引き戻し、これによって残留
レジスト液の固化を阻止するためのものである。この場
合、少量のレジスト液Bを吐出するレジスト液供給ノズ
ル80において、通常通りサックバックバルブ83の負
圧作用によってレジスト液Bをレジスト液供給ノズル8
0内に引き戻すと、ノズル80先端付近の空気も一緒に
ノズル80内に巻き込まれてしまい、ノズル80先端に
付着したレジスト液Bの残渣がノズル80内に入り、ノ
ズル80の目詰まりを起こすばかりか、乾燥したレジス
トがパーティクルとなり基板Gが汚染されると共に、歩
留まりの低下をきたすという虞れがある。
【0056】噴頭90は移動機構100により移動可能
に設けられている。具体的には、図3に示すように、移
動機構100は、噴頭90を支持する支持部材101
と、この支持部材101を回転可能および進退可能に支
持する回転シャフト102と、支持部材101を駆動す
る駆動手段(図示せず)とから主に構成されている。こ
の構成により、支持部材101に設けられた噴頭90
は、回転シャフト102を回転軸として図中の矢印E方
向に回転することおよび図中の矢印F方向に進退可能と
なっており、噴頭90を図中の矢印E,F方向に移動さ
せながら溶剤供給ノズル70やレジスト供給ノズル80
からレジスト液や溶剤を基板Gに対して供給するように
なっている。
【0057】上記構成の塗布装置により基板G表面にレ
ジスト液を塗布する第1の方法について説明する。ま
ず、回転カップ42の蓋体46が開放され、基板Gが図
示しない搬送アームによって静止したスピンチャック4
0上に搬送され、基板Gが真空吸着によってスピンチャ
ック40に保持される。
【0058】この状態で、移動機構100により回転シ
ャフト102を軸として支持部材101を図3における
矢印E方向に回転させて噴頭90の位置を移動させなが
ら、基板Gを回転させない状態でレジスト供給ノズル8
0からレジスト液を基板Gに向けて噴霧する。さらに、
レジスト液を噴霧した状態で支持部材101を矢印F方
向に進退させて基板G全面に対してむらなくレジスト液
を塗布して基板G全面にレジスト膜を形成する。なお、
レジスト液を噴霧する際に基板Gを回転カップ42とと
もに処理時の定常回転より低速に回転(第1の回転数:
例えば100〜600rpm,加速度:300〜500
rpm/sec)で回転させても良い。
【0059】次いで、レジスト液の供給を停止した後、
レジスト液供給ノズル80を待機位置に移動し、ロボッ
トアーム50によって蓋体46を回転カップ42の上方
開口部42aに閉止して回転カップ42内に基板Gを封
入する。
【0060】このようにして回転カップ42の開口部4
2aを蓋体46で閉止し密閉した状態で、スピンチャッ
ク40および回転カップ42を回転(第2の回転数:例
えば1350rpm,加速度:500rpm/sec)
させてレジスト膜の膜厚を整える。この場合、第2の回
転数は第1の回転数より大きい値に設定することが好ま
しい。
【0061】塗布処理が終了した後、スピンチャック4
0および回転カップ42の回転を停止した後、ロボット
アーム50によって蓋体46を待機位置に移動させて、
図示しない搬送アームによって基板Gを取出して、塗布
作業を完了する。
【0062】次に、上記構成の塗布装置により基板G表
面にレジスト液を塗布する第2の方法について説明す
る。まず、回転カップ42の蓋体46が開放され、基板
Gが図示しない搬送アームによって静止したスピンチャ
ック40上に搬送され、基板Gが真空吸着によってスピ
ンチャック40に保持される。
【0063】この状態で、スピンチャック40を回転駆
動させ、基板Gを処理時の定常回転より低速に回転(第
1の回転数:例えば100〜600rpm,加速度:3
00〜500rpm/sec)させると同時に、回転カ
ップ42を同じ速度で回転させる。この回転中に、移動
機構100によって支持部材101に把持されて基板G
の中心部上方に移動された噴頭90の溶剤供給ノズル7
0から基板表面に塗布液の溶剤Aとして例えばエチルセ
ロソルブアセテート(ECA)を例えば26.7cc供
給(例えば滴下)する。また、基板Gを回転させずに静
止した状態で溶剤Aを滴下し、その後回転しても良い。
【0064】このようにして溶剤Aを供給した後、スピ
ンチャック40および回転カップ42の回転数を上記低
速回転数に維持した状態で溶剤Aの供給を停止し、その
後スピンチャック40および回転カップ42の回転を停
止する。
【0065】この状態で、移動機構100により回転シ
ャフト102を軸として支持部材101を図3における
矢印E方向に回転させて噴頭90の位置を移動させなが
ら、レジスト供給ノズル80からレジスト液Bを基板G
に向けて噴霧する。さらに、レジスト液Bを噴霧した状
態で支持部材101を矢印F方向に進退させて基板G全
面に対してむらなくレジスト液を塗布して基板G全面に
レジスト膜を形成する。なお、溶剤Aの供給のときのス
ピンチャック40および回転カップ42の回転を維持し
たまま、レジスト液Bを噴霧しても良い。
【0066】このようにしてレジスト液Bを噴霧した
後、レジスト液Bの供給を停止すると同時に、スピンチ
ャック40および回転カップ42の回転を停止する。そ
の後、レジスト液供給を停止し、レジスト液供給ノズル
80を待機位置に移動した後、ロボットアーム50によ
って蓋体46を回転カップ42の上方開口部42aに閉
止して回転カップ42内に基板Gを封入する。
【0067】このようにして回転カップ42の開口部4
2aを蓋体46で閉止し密閉した状態で、スピンチャッ
ク40および回転カップ42を回転(第2の回転数:例
えば1350rpm,加速度:500rpm/sec)
させてレジスト膜の膜厚を整える。この場合に第2の回
転数は第1の回転数より大きい値に設定することが好ま
しい。
【0068】塗布処理が終了した後、スピンチャック4
0および回転カップ42の回転を停止した後、ロボット
アーム50によって蓋体46を待機位置に移動させて、
図示しない搬送アームによって基板Gを取出して、塗布
作業を完了する。
【0069】以上のように、レジスト液を噴霧すること
により、基板Gにまんべんなくレジスト液を供給するこ
とができるので、基板Gの全面に塗布するのに必要なレ
ジスト液の量を少なくすることができる。
【0070】また、基板Gの表面にレジスト液を噴霧す
る際に基板Gを回転させない状態にすることにより、基
板Gの回転の遠心力によりレジスト液が飛散することを
防止することができるので、無駄なレジスト量を少なく
することができ、レジストの使用量を極めて少なくする
ことができる。
【0071】さらに、レジスト液を噴霧する際に、低速
の第1の回転数で回転させることによりレジスト液を基
板Gの面上で拡散させるので、より確実に塗り残しなく
基板全面にレジスト液を塗布することができる。
【0072】さらにまた、レジスト液の噴霧に先立っ
て、基板Gの表面に溶剤Aを塗布することにより、レジ
スト液を噴霧したときに、レジスト液が溶剤Aを介して
基板Gの表面に拡散するので、基板Gの全面に対してレ
ジスト液をむらなく塗布することができる。
【0073】さらにまた、上記のように基板Gを回転さ
せない状態で支持部材101を移動させて、基板Gの表
面上にレジスト液を噴霧することにより、基板のサイズ
が大きくても十分に塗布液を基板全面に塗布することが
できるようになる。また、基板Gを回転させる際に回転
カップ42も回転させる機構を採用したので、回転中に
処理容器内を密閉状態とすることが容易となる。
【0074】次に、レジスト液供給ノズルの他の例につ
いて説明する。ここでは、複数のレジスト液供給ノズル
80’を設け、各ノズルからレジスト液を噴霧する場合
について説明する。図4に示すように、回転カップ42
を挟むように矢印H方向に移動可能な一対のシャフト1
05が設けられており、4個のレジスト液供給ノズル8
0’が両シャフト105間に掛け渡された支持部材10
4に支持されている。各ノズル80’へのレジスト液の
供給はレジスト液供給チューブ81’を介して行われ
る。回転カップ42の外側には各シャフト105をガイ
ドする一対のガイド部材106が設けられている。各ガ
イド部材106の外側にはそれぞれ一対のプーリー10
9が取り付けられており、プーリー109にはベルト1
07が巻き掛けられている。ベルト107にはシャフト
105が取り付けられており、また一方のプーリーはモ
ーター108の軸に取り付けられている。したがって、
モーター108の回転によって、一対のシャフト105
は、それぞれガイドレール106にガイドされつつ、ベ
ルト駆動により矢印H方向に沿って移動され、これにと
もなって支持部材104に支持されたレジスト液供給ノ
ズル80’が矢印H方向に沿って移動可能となってい
る。そして、レジスト液供給ノズル80’は、レジスト
液を塗布しない場合には、基板Gから離隔した2点鎖線
で示す退避位置に移動される。なお、このようにノズル
を平行移動させる他、基板Gを回転するようにしてもよ
い。
【0075】この場合においては、複数のレジスト供給
ノズル80’を設けたので、効率良く基板G全面にレジ
スト液を噴霧することができる。なお、レジスト供給ノ
ズル80’を個々にまたは一体的に旋回する構成にして
レジスト液を種々の方向に噴霧するようにしても良い。
また、この場合に、溶剤供給ノズルはレジスト供給ノズ
ルと別個に設けてもよいし、複数のノズルのうちいくつ
かのノズルを溶剤供給ノズルとして用いて、上述したよ
うに、溶剤およびレジスト液を供給するようにしても良
い。
【0076】次に、溶剤供給ノズルの他の例について説
明する。上記実施の形態では溶剤供給ノズル70は通常
の滴下式ノズルを用いているが、この例では図5に示す
ように、噴霧式の溶剤供給ノズル70’を用いている。
このように溶剤供給ノズルを噴霧式とすることにより、
より少ない溶剤量で基板表面に均一に溶剤Aを塗布して
濡れ性を改善することができる。また、図6に示すよう
に、複数の噴霧式の溶剤ノズル70”を設けてもよい。
この場合には、回転カップ42を挟むように矢印H方向
に移動可能な一対のシャフト111が設けられており、
4個の噴霧式の溶剤ノズル70”が両シャフト111間
に掛け渡された支持部材110に支持されている。各ノ
ズル70”への溶剤の供給は溶剤供給チューブ71”を
介して行われる。このように、複数の噴霧式の溶剤供給
ノズル70”を設ることにより、効率良く基板G全面に
溶剤を噴霧することができる。なお、溶剤供給ノズル7
0”を個々にまたは一体的に旋回する構成にして溶剤を
種々の方向に噴霧するようにしても良い。なお、このよ
うにノズルを平行移動させる他、基板Gを回転するよう
にしてもよい。
【0077】本実施の形態では、レジスト液を噴霧して
基板Gに供給するが、このようにレジスト液を噴霧する
場合には、霧状のレジスト液がまき散らかされ、周囲に
付着するおそれがある。これを防止するには、図7に示
すように、レジスト液供給ノズルをカバーで覆うことが
有効である。ここでは、図3に示すような複数のレジス
ト液供給ノズル80’をカバー120で覆った状態を示
している。このカバー120の上面から、レジスト液供
給チューブ81’がその内部に挿入され、カバー120
内においてノズル80’からレジスト液が噴霧されるよ
うになっている。また、カバー120の上面には2つの
排気ダクト121が接続されており、カバー120内を
排気可能になっている。さらに、カバー120の側面か
ら複数の洗浄ノズル123がカバー120内に挿入され
ており、ノズル123に接続された洗浄液チューブ12
2から洗浄液、例えばシンナーが噴出可能となってい
る。これにより、カバー120内面に付着したレジスト
を洗い落とすことができ、乾燥したレジストがパーティ
クルとなって飛散することを防止することができる。
【0078】また、溶剤を噴霧する場合にも同様に、溶
剤が周囲に噴霧状に飛散する。これを防止するには、図
8に示すように、溶剤供給ノズルをカバーで覆うことが
有効である。ここでは、図6に示すような複数の溶剤供
給ノズル70”をカバー130で覆った状態を示してい
る。このカバー130の上面から、レジスト液供給チュ
ーブ71”がその内部に挿入され、カバー130内にお
いてノズル70”から溶剤が噴霧されるようになってい
る。また、カバー130の上面には2つの排気ダクト1
31が接続されており、カバー130内を排気可能にな
っている。
【0079】上記レジスト供給ノズル80’のカバー1
20は、図9に示すように、その中に仕切125を設
け、中央のスプレー領域126とその両外側の排気領域
127に分離してもよい。各排気領域127には排気ダ
クト121’が接続されており、この排気ダクト12
1’を介して排気される。このような構成においては、
排気領域127を排気することにより、ノズル80’か
ら噴霧されたレジストが周囲に拡散することをより一層
効果的に防止することができる。このような構造は、溶
剤供給ノズル70”のカバー130にも同様に適用する
ことができる。
【0080】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態
では、処理容器を基板と共に回転させているが、基板の
みを回転させてもよい。また、レジスト膜厚を整える際
に回転カップを蓋体で閉止したが、必ずしも蓋体で閉止
する必要はない。さらに、上記実施の形態では、本発明
をレジスト塗布ユニット25に適用し、塗布液としてレ
ジスト液を用いた例について説明しているが、本発明を
現像ユニット29に適用し、塗布液として現像液を用い
ても上記と同様の効果が得られるし、また、さらに他の
塗布液を用いることも可能である。さらにまた、本発明
は、レジスト塗布・現像システムに限定されず適用可能
である。さらにまた、上記実施の形態では、被処理体と
してLCD基板を用いた場合について示したが、これに
限らず半導体ウエハ等他の基板への塗布膜形成にも適用
することができる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基板に塗布液を塗布する際に塗布液を噴霧して基板に供
給するので、基板を回転させなくても基板にまんべんな
く塗布液を供給することができるとともに、基板を回転
させないので基板回転の遠心力により塗布液を飛散させ
ることを防止することができる。したがって、基板全面
に塗布するのに必要な塗布液の量を少なくすることがで
き、しかも周囲に飛散する無駄な塗布液も少なくするこ
とができるので、塗布液の使用量を極めて少なくするこ
とができる。特に、基板のサイズが大きくなると、その
周縁部における回転による遠心力が大きくなり、塗布液
が飛散する確率が高くなるので、基板を回転させない状
態で塗布液を噴霧することは省塗布液の観点から有効で
ある。
【0082】また、基板をより低速な第1の回転数で回
転させて塗布液を基板の面上で拡散させる場合には、よ
り確実に塗り残しなく基板全面に塗布液を塗布すること
ができる。この場合に、塗布液を噴霧することによりほ
ぼ基板全面に塗布液が供給されているので、基板全面に
塗布液を塗布する場合のように大きな遠心力は不要であ
る。したがって、基板の回転のみで塗布液を基板全面に
拡散させる場合に比べて塗布液の飛散を最少限に抑える
ことができる。
【0083】さらに、塗布液の供給に先立って基板の表
面上に溶剤を塗布することにより、基板表面上に塗布液
を噴霧したときに塗布液が溶剤を介して基板表面に拡散
する。したがって、基板全面に対してむらなく塗布液を
塗布することができ、一層塗布液量を少なくすることが
できる。
【0084】さらにまた、塗布液を噴霧する塗布液噴霧
手段を基板面に沿って走査する手段を備えることによ
り、基板のサイズが大きくても十分に塗布液を基板全面
に塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる塗布液形成方法および塗布
装置が適用されるレジスト塗布・現像システムを示す平
面図。
【図2】本発明の塗布液形成方法の実施に適用される塗
布装置としてのレジスト塗布ユニットを示す断面図。
【図3】図2のレジスト塗布ユニットにおけるレジスト
液供給ノズルの走査方法を示す斜視図。
【図4】複数のレジスト液供給ノズルを有する塗布装置
の概略構成をレジスト液供給ノズルの走査機構ともに示
す斜視図。
【図5】噴霧式の溶剤供給ノズルを備えた噴頭を示す概
略図。
【図6】複数の噴霧式溶剤供給ノズルを有する塗布装置
の概略構成を示す斜視図。
【図7】複数のレジスト液供給ノズルがカバーに覆われ
た状態を示す斜視図。
【図8】複数の噴霧式溶剤供給ノズルがカバーに覆われ
た状態を示す斜視図。
【図9】複数のレジスト液供給ノズルを覆うカバーの他
の例を示す断面図。
【符号の説明】
40…スピンチャック 41…処理室 42…回転カップ 44…ドレンカップ 46…蓋体 50…ロボットアーム 51…駆動モータ 70,70’,70”…溶媒供給ノズル 80,80’…レジスト液供給ノズル 90…噴頭 100,110…移動機構 101,112…支持部材 102…回転シャフト 111…可動シャフト G…基板

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理容器内に収容された基板の表面上に
    塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成方法であ
    って、 前記基板を回転させない状態でその表面上に塗布液を噴
    霧することにより基板表面に塗布液を塗布し、塗布膜を
    形成する工程と、 前記基板を回転させて、前記塗布膜の膜厚を整える工程
    とを具備することを特徴とする塗布膜形成方法。
  2. 【請求項2】 処理容器内に収容された基板の表面上に
    塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成方法であ
    って、 前記基板を回転させない状態でその表面上に塗布液を噴
    霧することにより基板表面に塗布液を塗布する工程と、 前記基板を第1の回転数で回転させて、前記塗布液を前
    記基板の面上で拡散させて塗布膜を形成する工程と、 前記処理容器内に封入された基板を前記第1の回転数よ
    り大きい第2の回転数で回転させて、前記塗布膜の膜厚
    を整える工程とを具備することを特徴とする塗布膜形成
    方法。
  3. 【請求項3】 前記基板表面に塗布膜を形成した後、処
    理容器を蓋体で閉塞して、前記基板を前記処理容器内に
    封入する工程を具備し、その後膜厚を整える工程を実施
    することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    塗布膜形成方法。
  4. 【請求項4】 処理容器内に収容された基板の表面上に
    塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成方法であ
    って、 前記基板の表面上に溶剤を塗布する工程と、 前記基板の表面上に塗布液を噴霧することにより基板表
    面に塗布液を塗布し、塗布膜を形成する工程と、 前記基板を回転させて、前記塗布膜の膜厚を整える工程
    とを具備することを特徴とする塗布膜形成方法。
  5. 【請求項5】 処理容器内に収容された基板の表面上に
    塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成方法であ
    って、 前記基板の表面上に溶剤を塗布する工程と、 前記基板の表面上に塗布液を噴霧することにより基板表
    面に塗布液を塗布する工程と、 前記基板を第1の回転数で回転させて、前記塗布液を前
    記基板の面上で拡散させて塗布膜を形成する工程と、 前記処理容器内に封入された基板を前記第1の回転数よ
    り大きい第2の回転数で回転させて、前記塗布膜の膜厚
    を整える工程と、を具備することを特徴とする塗布膜形
    成方法。
  6. 【請求項6】 前記基板表面に塗布膜を形成した後、処
    理容器を蓋体で閉塞して、前記基板を前記処理容器内に
    封入する工程を具備し、その後膜厚を整える工程を実施
    することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の
    塗布膜形成方法。
  7. 【請求項7】 前記基板および処理容器を第1の回転数
    で回転させながら、前記基板の表面上に前記溶剤および
    前記塗布液の少なくとも一方を塗布することを特徴とす
    る請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の塗布
    膜形成方法。
  8. 【請求項8】 前記溶剤の塗布は、溶剤を噴霧して行う
    ことを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか1
    項に記載の塗布膜形成方法。
  9. 【請求項9】 前記基板と共に前記処理容器を回転させ
    ることを特徴とする請求項3または請求項6に記載の塗
    布膜形成方法。
  10. 【請求項10】 前記基板の表面上に前記塗布液を噴霧
    して基板に塗布液を塗布する際に、前記基板を回転させ
    ない状態で前記塗布液を噴霧する手段を移動させること
    を特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に
    記載の塗布膜形成方法。
  11. 【請求項11】 処理容器内に収容された基板の表面上
    に塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布装置であっ
    て、 開口部を有するカップ形状をなし、基板を包囲する処理
    容器と、 基板の表面を水平にした状態で前記基板を支持する支持
    手段と、 前記支持手段を回転させることにより前記基板を回転さ
    せる基板回転手段と、前記基板の表面に塗布液を噴霧す
    る塗布液噴霧手段と、 前記塗布液噴霧手段を基板面に沿って走査する走査手段
    とを具備することを特徴とする塗布装置。
  12. 【請求項12】 処理容器内に収容された基板の表面上
    に塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布装置であっ
    て、 開口部を有するカップ形状をなし、基板を包囲する処理
    容器と、 基板の表面を水平にした状態で前記基板を支持する支持
    手段と、 前記支持手段を回転させることにより前記基板を回転さ
    せる基板回転手段と、 前記基板の表面に塗布液を噴霧する塗布液噴霧手段と、 前記基板の表面に塗布液の溶剤を供給する溶剤供給手段
    とを具備することを特徴とする塗布装置。
  13. 【請求項13】 前記塗布液噴霧手段を基板面に沿って
    走査する走査手段をさらに具備することを特徴とする請
    求項12に記載の塗布装置。
  14. 【請求項14】 前記溶剤供給手段は、溶剤を噴霧して
    供給することを特徴とする請求項12または請求項13
    に記載の塗布装置。
  15. 【請求項15】 前記溶剤供給手段を覆う溶剤カバーを
    さらに具備することを特徴とする請求項14に記載の塗
    布装置。
  16. 【請求項16】 前記溶剤カバーは、排気部を有してい
    ることを特徴とする請求項15に記載の塗布装置。
  17. 【請求項17】 前記溶剤カバーは、前記排気部と前記
    溶剤供給手段とを隔てる隔壁を有することを特徴とする
    請求項16に記載の塗布装置。
  18. 【請求項18】 さらに、前記処理容器の開口部を閉塞
    する蓋体を有することを特徴とする請求項11ないし請
    求項17のいずれか1項に記載の塗布装置。
  19. 【請求項19】 さらに、前記処理容器を前記基板と共
    に回転させる容器回転手段を有することを特徴とする請
    求項18に記載の塗布装置。
  20. 【請求項20】 前記塗布液噴霧手段は、複数の塗布液
    噴霧部を有していることを特徴とする請求項11ないし
    請求項19のいずれか1項に記載の塗布装置。
  21. 【請求項21】 前記処理容器の前記開口部を閉塞する
    蓋体を具備することを特徴とする請求項11ないし請求
    項20のいずれか1項に記載の塗布装置。
  22. 【請求項22】 前記塗布液噴霧手段を覆う塗布液カバ
    ーをさらに具備することを特徴とする請求項11ないし
    請求項21のいずれか1項に記載の塗布装置。
  23. 【請求項23】 前記塗布液カバーは、排気部を有して
    いることを特徴とする請求項22に記載の塗布装置。
  24. 【請求項24】 前記塗布液カバーは、前記排気部と前
    記塗布液噴霧手段とを隔てる隔壁を有することを特徴と
    する請求項23に記載の塗布装置。
  25. 【請求項25】 前記塗布液カバーの内側を洗浄する洗
    浄手段をさらに具備することを特徴とする請求項22な
    いし請求項24のいずれか1項に記載の塗布装置。
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