JPH11192683A - 厚膜ペースト塗布膜の形成方法及び膜形成装置 - Google Patents

厚膜ペースト塗布膜の形成方法及び膜形成装置

Info

Publication number
JPH11192683A
JPH11192683A JP75698A JP75698A JPH11192683A JP H11192683 A JPH11192683 A JP H11192683A JP 75698 A JP75698 A JP 75698A JP 75698 A JP75698 A JP 75698A JP H11192683 A JPH11192683 A JP H11192683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
film
screen
paste
squeegee
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP75698A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromi Tozaki
博己 戸▲崎▼
Akihiro Yasuda
明弘 安田
Hiroshi Kojima
洋 小島
Takanao Nakamura
孝直 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP75698A priority Critical patent/JPH11192683A/ja
Publication of JPH11192683A publication Critical patent/JPH11192683A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Screen Printers (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、印刷の位置ずれが小さく、膜
表面の凹部の膜厚が厚いとともに、微小パターンも形成
が行え、また、グリーンシート破れ等も生じない厚膜ペ
ースト塗布膜の形成方法及び膜形成装置を提供すること
にある。 【解決手段】印刷用スクリーン100のペースト遮蔽膜
120をグリーンシートGSの表面に接触させて、印刷
用スキージ20を用いてペースト遮蔽膜120に設けた
開口部130に厚膜ペーストPを充填する。次に、印刷
用スキ―ジ20の後段に設けたブレード30を印刷用ス
クリーン100に接触させながら移動するとともに、印
刷開始側の印刷用スクリーン100の枠110の位置を
上昇させて、印刷用スクリーン100をグリーンシート
GSに対して傾斜させることにより、印刷用スキージ2
0の印刷開始端からぺースト遮蔽膜120をグリーンシ
ートGSから離して、スクリーンを離す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は 厚膜ペーストを用
いて膜パターンを基板上に形成する厚膜ペースト塗布膜
の形成方法及び膜形成装置に係り、特に、多層構造の回
路基板を作製する場合や膜厚の厚い配線膜を作製する場
合に用いるに好適な厚膜ペースト塗布膜の形成方法及び
膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子応用製品においては、基板表
面に微細な端子及び端子ピッチを多数配置した半導体部
品が搭載されるようになり、例えば、50μm程度の微
細な幅や間隔を有する配線膜等の膜を十層以上設ける多
層構造の回路基板の形成が必要となってきている。回路
基板の作製工程において直接ホトプロセスを用いる薄膜
形成法やめっき膜形成法では、高精度で微細な膜パター
ンが形成できるが、一方では、多層構造の回路基板を作
製するプロセス工程には煩雑性があり、また、低抵抗の
配線膜を形成するために例えば10μm以上の厚い膜厚
を必要とする場合には、その膜厚を得るには長時間の膜
形成時間を要するものである。
【0003】それに対して、金属粉末を分散させた厚膜
導電ペーストあるいは絶縁性セラミック粉末を分散させ
た厚膜絶縁ペースト等の厚膜ペーストを印刷用スクリー
ンに設けたペースト遮蔽膜の膜パターンの形状に応じた
開口部を透過させ、厚膜ペースト塗布膜をスクリーン印
刷により作製した回路基板は、回路基板の作製工程にお
いて直接ホトプロセスを用いる薄膜形成法やめっき膜形
成法に比べて、比較的安価に基板が製造でき、各種の電
子応用製品に使用されているとともに、多層構造の回路
基板を作製する場合や、膜厚の厚い配線膜を作製する場
合には適しているものである。
【0004】従来、印刷用スクリーンを用いる厚膜ペー
スト塗布膜の形成方法としては、例えば、特開平5−2
00974号公報の図1に記載されているギャップ印刷
方式が知られている。ギャップ印刷方式による厚膜ペー
スト塗布膜の形成方法では、ステージに吸引装着したグ
リーンシートの表面と、印刷用スクリーンのペースト遮
蔽膜面との間に、数mmのギャップを設けるとともに、
印刷用スキージを下降させ、印刷用スクリーン面をグリ
ーンシート表面に線状で接触させた後、印刷用スキージ
を移動させ、スクリーン印刷している。
【0005】しかしながら、ギャップ印刷方式では、印
刷用スクリーンが印刷用スキージの下降によりスクリー
ン面がステージに押し付けられ、スクリーン面が伸ばさ
れるため、印刷膜の位置ずれが大きくなるものである。
【0006】また、印刷用スキージを移動させて厚膜ペ
ーストを印刷する際、印刷用スキージの移動に伴って印
刷用スクリーンとグリーンシートは離れるため、膜表面
の凹部の膜厚が薄くなるものである。
【0007】それに対して、他の印刷用スクリーンを用
いる厚膜ペースト塗布膜の形成方法としては、コンタク
ト印刷方式が知られている。コンタクト印刷方式におい
ては、ステージに吸引装着したグリーンシートの表面
と、印刷用スクリーンのペースト遮蔽膜の面とを接触さ
せた上で、印刷用スキージを移動させて、スクリーン印
刷するようにしている。従って、ギャップ印刷方式のよ
うに、スクリーン面の伸びが生じないため、印刷膜の位
置ずれが小さくなり、また、厚膜ペーストがグリーンシ
ートに接触させた状態が一時保持された後、スクリーン
離しが行われるため、膜表面の凹部の膜厚を厚くできる
ものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コンタ
クト印刷方式においては、印刷用スクリーンをグリーン
シート面から離す際に、厚膜ペーストの粘着性の影響で
ペースト遮蔽膜の開口部に充填した厚膜ペーストが引き
付けられるため、100μm径程度の微少パターンがペ
ースト遮蔽膜の開口部に付着したままとなり、グリーン
シートに膜パターンが形成されなくなったり、さらに
は、厚膜ペースト塗布膜を形成したグリーンシートが破
れを生じる等の問題があった。
【0009】本発明の目的は、印刷の位置ずれが小さ
く、膜表面の凹部の膜厚が厚いとともに、微小パターン
も形成が行え、また、グリーンシート破れ等も生じない
厚膜ペースト塗布膜の形成方法及び膜形成装置を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、印刷用スクリーンのペースト遮蔽
膜を基板表面に接触させ、印刷用スキージを用いて上記
ペースト遮蔽膜に設けた開口部に厚膜ペーストを充填
し、ペースト遮蔽膜を基板表面から離すことにより厚膜
ペースト塗布膜を基板上に形成する厚膜ペースト塗布膜
の形成方法において、上記厚膜ペーストを上記ペースト
遮蔽膜の開口部に充填させた後、上記印刷用スキ―ジの
後段に設けたブレードを上記印刷用スクリーンに接触さ
せながら移動するとともに、印刷開始側の上記印刷用ス
クリーンの枠の位置を上昇させて、上記印刷用スクリー
ンを上記基板に対して傾斜させることにより、上記印刷
用スキージの印刷開始端から上記ぺースト遮蔽膜を上記
基板表面から離すようにしたものである。かかる方法に
より、印刷時にペースト遮蔽膜を基板表面に接触させる
ことにより、印刷の位置ずれが小さく、印刷された厚膜
ペーストと基板との保持時間を確保することにより、膜
表面の凹部の膜厚が厚いとともに、基板表面からのスク
リーン離しをブレードの移動とスクリーンの上昇とによ
り徐々に行うことにより、微小パターンも形成が行え、
また、グリーンシート破れ等も生じないものとなる。
【0011】(2)上記目的を達成するために、本発明
は、ペースト遮蔽膜を有する印刷用スクリーンを上下動
して、上記ペースト遮蔽膜を基板表面に接触させるスク
リーン駆動手段と、上記印刷用スクリーンに接触して移
動しながら上記ペースト遮蔽膜に設けた開口部に厚膜ペ
ーストを充填する印刷用スキージを駆動するスキージ駆
動手段と、上記スクリーン駆動手段及び上記スキージ駆
動手段を制御する制御手段を有する厚膜ペースト塗布膜
の膜形成装置において、上記印刷用スキ―ジの後段に設
けたブレードを上記印刷用スクリーンに接触させながら
移動するブレード駆動手段を備え、上記制御手段は、上
記スキージ駆動手段を制御して上記厚膜ペーストを上記
ペースト遮蔽膜の開口部に充填させた後、上記ブレード
駆動手段を制御して、上記ブレードを上記印刷用スクリ
ーンに接触させながら移動するとともに、上記スクリー
ン駆動手段を制御して、印刷開始側の上記印刷用スクリ
ーンの枠の位置を上昇させて、上記印刷用スクリーンを
上記基板に対して傾斜させることにより、上記印刷用ス
キージの印刷開始端より上記ぺースト遮蔽膜を上記基板
表面から離すようにしたものである。かかる構成によ
り、印刷時にペースト遮蔽膜を基板表面に接触させるこ
とにより、印刷の位置ずれが小さく、印刷された厚膜ペ
ーストと基板との保持時間を確保することにより、膜表
面の凹部の膜厚が厚いとともに、基板表面からのスクリ
ーン離しをブレードの移動とスクリーンの上昇とにより
徐々に行うことにより、微小パターンも形成が行え、ま
た、グリーンシート破れ等も生じないものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図5を用いて、本発
明の一実施形態による厚膜ペースト塗布膜の形成方法及
び膜形成装置について説明する。最初に、図1を用い
て、本発明の一実施形態による厚膜ペースト塗布膜の膜
形成装置の構成について説明する。
【0013】ステージ10の表面には、グリーンシート
GSが吸引装着されている。ステージ10の上には、ス
クリーン100が配置される。スクリーン100は、ス
クリーン枠110に固定されている。スクリーン駆動装
置210は、スクリーン枠110を保持して、スクリー
ン100を上下に移動することができる。図示の状態で
は、スクリーン100は、ステージ10の表面から所定
のギャップGだけ離れており、スクリーン駆動装置21
0によりスクリーン100を下降して、スクリーン10
0をステージ10及びグリーンシートGSの表面に接触
させることができる。また、スクリーン駆動装置210
は、例えば、図示の右側のスクリーン枠の位置は保った
まま、図示の左側のスクリーン枠を上昇させることによ
ってスクリーン100をステージ10に対して傾斜させ
ることも可能である。
【0014】スクリーン100の上部には、スキージ2
0が配置されている。スキージ20は、スキージ駆動装
置220によって駆動される。スキージ駆動装置220
は、スキージ20を上昇・下降するとともに、スクリー
ン100と平行な方向に移動することもできる。スキー
ジ20の先端が、スクリーン100に接触した状態で、
スキージ20が水平移動することにより、厚膜ペースト
Pをスクリーン100の開口部130を介して、グリー
ンシートGS上に印刷できる。
【0015】スキージ20の後段には、ブレード30が
配置されている。ブレード30は、ブレード駆動装置2
30によって駆動される。ブレード駆動装置230は、
ブレード30を上昇・下降するとともに、スクリーン1
00と平行な方向に移動することもできる。
【0016】制御装置200は、スクリーン駆動装置2
10,スキージ駆動装置220及びブレード駆動装置2
30の動作を制御して、スクリーン100の上昇・下
降,スキージ20の上昇・下降及び水平移動,ブレード
30の上昇・下降及び水平移動をシーケンシャルに制御
する。また、制御装置200は、スクリーン駆動装置2
10とブレード駆動装置230とを関連して動作するこ
とも可能であり、例えば、ブレード30を水平移動しな
がら、スクリーン100を上昇させることができる。ま
た、制御装置200は、スクリーン駆動装置210,ス
キージ駆動装置220及びブレード駆動装置230を関
連して動作することもできる。即ち、スキージ20とブ
レード30を所定の距離隔てて共に水平移動しながら、
スクリーン100を上昇させることもできる。
【0017】なお、制御装置200によってスクリーン
駆動装置210,スキージ駆動装置220及びブレード
駆動装置230を制御して、厚膜ペースト塗布膜を形成
する方法については、図4を用いて後述する。
【0018】次に、図2及び図3を用いて、本発明の一
実施形態による厚膜ペースト塗布膜の形成方法及び膜形
成装置に用いるスクリーンの構成の一例について説明す
る。なお、図2は、本実施形態による厚膜ペースト塗布
膜の形成方法及び膜形成装置に用いるスクリーンの全体
構成を示しており、図3は、スクリーンの要部を拡大し
た状態を示している。
【0019】最初に、図2を用いて、本実施形態による
印刷用スクリーンの断面構成の概要について説明する。
スクリーン100は、スクリーン枠110に取り付けら
れている。スクリーン100は、スクリーン枠110の
底面側に貼り付けられたステンレス線の編込みメッシュ
140と、ステンレス線の編込みメッシュ140の中央
部に接合されたペースト遮蔽膜120とによって構成さ
れている。ペースト遮蔽膜120は、Ni接合めっき膜
150によって、編込みメッシュ140に接合されてい
る。
【0020】ペースト遮蔽膜120は、印刷する厚膜ペ
ーストが通過するための開口部130を有している。開
口部130の幅は、印刷すべき回路パターンに応じた線
幅のものである。開口部130は、実際の寸法よりも拡
大して、模式的に図示している。
【0021】編込みメッシュ140には、スクリーン枠
110との接合部より内周側で、かつ、スクリーンのペ
ースト遮蔽膜120との接合部より外周側の部分に、目
止め膜160が形成されている。目止め膜160は、ス
クリーンのペースト遮蔽膜120の開口部130以外の
不要な部分から印刷用の厚膜ペーストが透過しないよう
にするためのものである。
【0022】ペースト遮蔽膜120は正方形であり、一
辺の長さは、W1である。スクリーン枠110は正方形
であり、内寸の一辺の長さは、W0である。目止め膜1
60は、環状の矩形であり、目止め膜160の幅は、W
2である。例えば、スクリーン100の大きさ(W0)
が450mm□の場合、ペースト遮蔽膜100の一辺の
長さW1は、200mmであり、従って、長さW2は、
125mmである。
【0023】次に、図3を用いて、本実施形態における
編込みメッシュとペースト遮蔽膜の接合状態について説
明する。図3に示すように、開口部130を有するペー
スト遮蔽膜120は、編込みメッシュ140に対して、
Ni接合めっき膜150により接合されている。
【0024】次に、図4を用いて、本発明の一実施形態
による厚膜ペースト塗布膜の形成方法について説明す
る。なお、図1,図2及び図3と同一符号は、同一部分
を示している。
【0025】図4(a)に示すように、印刷用スクリー
ン100に設けたペースト遮蔽膜120の開口部130
に厚膜ペーストPを充填する印刷用スキージ20と、そ
の後段にペースト遮蔽膜120を基板(グリーンシー
ト)GSの表面から離す位置を規定するためのブレード
30が配設されている。最初に状態においては、印刷用
スクリーン100のペースト遮蔽膜120とグリーンシ
ートGSの間に、数mmのギャップGを設けて印刷用ス
クリーン100が膜形成装置に設置される。厚膜ペース
トPは、印刷用スキージ20の前面に置かれている。
【0026】次に、図4(b)に示すように、印刷の開
始に当たっては、図1に示した制御装置200は、スク
リーン駆動装置210に制御信号を出力し、スクリーン
駆動装置210は、印刷用スクリーン100を下降させ
てペースト遮蔽膜120とグリーンシートGSを全面で
接触させる。即ち、本実施形態においては、従来のコン
タクト印刷方式と同様に、印刷時には、印刷用スクリー
ン100のペースト遮蔽膜120とグリーンシートGS
を接触させるようにしている。これによって、ギャップ
印刷方式における位置ずれの問題を解消するようにして
いる。
【0027】次に、図4(c)に示すように、制御装置
200は、スキージ駆動装置220及びブレード駆動装
置230に制御信号を出力し、スキージ駆動装置220
は印刷用スキージ20を下降させ、また同時に、ブレー
ド駆動装置230はブレード30を下降させ、印刷用ス
キージ20及びブレード30の先端を印刷用スクリーン
100に接触させる。
【0028】次に、図4(d)に示すように、制御装置
200は、スキージ駆動装置220に制御信号を出力
し、スキージ駆動装置220は印刷用スキージ20をス
クリーン100の表面に沿って水平方向に移動させ、厚
膜ペーストPをペースト遮蔽膜120の開口部130に
充填する。
【0029】このとき、ブレード30は停止した状態の
ままとしている。そして、印刷用スキージ20が移動ス
トロークの終端まで移動すると、印刷用スキージ20
は、終端位置で停止する。
【0030】次に、図4(e)に示すように、制御装置
200は、ブレード駆動装置230に制御信号を出力
し、ブレード駆動装置230は、ブレード30をスクリ
ーン100の表面に沿って所定の速度v1で水平方向に
移動させる。このとき、印刷用スキージ20を移動スト
ロークの終端で下降したまま停止させた状態とする。
【0031】また、制御装置200は、ブレード30の
移動制御と同時に、スクリーン駆動装置210に制御信
号を出力して、印刷用スクリーン100全体を所定の速
度v2で上昇させ、印刷用スクリーンのスクリーン枠1
10とブレード30の間の印刷スクリーン面を傾斜さ
せ、ブレード30の移動によりペースト印刷用スキージ
の印刷開始端より基板表面と接触状態にあったぺースト
遮蔽膜120を基板GSの表面から徐々に離す。
【0032】即ち、本実施形態においては、従来のコン
タクト方式とは異なり、厚膜ペーストの印刷終了後、ス
クリーンをグリーンシートから一気に離すのではなく、
ブレード30によってスクリーン100を押さえなが
ら、ブレード30の移動に応じてスクリーン100を上
昇させるようにして、ぺースト遮蔽膜120を基板GS
の表面から徐々に離すようにしている。これによって、
従来のコンタクト印刷方式のように、ペースト遮蔽膜を
グリーンシートから離す際に、厚膜ペーストの粘着性の
影響でペースト遮蔽膜の開口部に充填した厚膜ペースト
が引き付けられて、膜パターンににじみ等のパターン形
状の乱れを生じることもなく、また、微細配線膜やこれ
と同時に形成する100μm径程度の微少パターンがペ
ースト遮蔽膜の開口部に付着したままとなり、グリーン
シートに膜パターンが形成されなくなることもなく、さ
らには、厚膜ペースト塗布膜を形成したグリーンシート
の中央部でシート破れを生じることもなくなるものであ
る。
【0033】また、図4(d)に示したように、印刷用
スキージ20によって厚膜ペーストPをグリーンシート
GS上に印刷した後、図4(e)に示したブレード30
の移動とスクリーン100の上昇によるスクリーン離し
までの間、ペースト遮蔽膜の開口部に充填した厚膜ペー
ストは、グリーンシートに一定時間接触させた状態が保
持されるので、その後のスクリーン離しの際にも、グリ
ーンシート表面に形成した厚膜は、膜表面の凹部の膜厚
を厚くすることができる。
【0034】なお、ブレード30の移動速度v1と、印
刷用スクリーン100の上昇速度v2との関係について
は、図5を用いて後述する。
【0035】そして、図4(f)に示すように、制御装
置200は、ブレード駆動装置230に制御信号を出力
し、ブレード駆動装置230は、ブレード30をスクリ
ーン100の終端位置まで移動し、スクリーン駆動装置
210は、印刷用スクリーン100の上昇を終了する。
【0036】次に、図4(g)に示すように、制御装置
200は、スキージ駆動装置220及びブレード駆動装
置230に制御信号を出力し、スキージ駆動装置220
は印刷用スキージ20を上昇させ、また同時に、ブレー
ド駆動装置230はブレード30を上昇させる。
【0037】その後、制御装置200は、スキージ駆動
装置220及びブレード駆動装置230に制御信号を出
力し、印刷開始の原点に印刷用スキージ20とブレード
30とを復帰させるとともに、印刷用スキージの前段に
設けてある図示しないインク返しにより厚膜ペーストP
を印刷開始の位置に戻して、図4(a)に示した最初の
状態に復帰する。
【0038】次に、図5を用いて、本実施形態における
ブレード30の移動速度v1と、印刷用スクリーン10
0の上昇速度v2との関係について説明する。なお、図
1と同一符号は、同一部分を示している。
【0039】ブレード30の移動の終端Endは、グリ
ーンシートGSの最終端側に印刷される厚膜TLから距
離L離れ、そして、遮蔽膜端から距離L1離れた位置と
している。具体的には、例えば、距離Lは10mmであ
り、距離L1は8mmである。ブレード30が終端位置
Endにあるとき、ペースト遮蔽膜120は、印刷され
た厚膜TLの頂部に触れないようにするため、スクリー
ン100をステージ10に対して、角度θだけ傾けるよ
うにする。
【0040】厚膜TLの高さHは、印刷膜厚あり、例え
ば、50μmである。スクリーン100の大きさW0が
450mmの場合、図示のW2+W1+L1は、333
mmであり、ギャップGを2.1mmとすると、角度θ
は、約0.35度となる。この角度θを維持するよう
に、ブレード30の移動速度v1と印刷用スクリーン1
00の上昇速度v2との関係を、ブレード30の移動速
度v1を10mm/秒とし、印刷用スクリーン100の
上昇速度v2を0.1mm/秒としている。
【0041】なお、角度θを0.35度としているが、
この角度θは、0.3度以上あれば、ブレードの終点位
置においても、ペースト遮蔽膜とグリーンシート上に印
刷された厚膜が触れることがなくなる。
【0042】なお、以上の説明は、スクリーン100の
大きさW0が450mmの場合であるが、他の場合につ
いても説明する。例えば、スクリーン100の大きさW
0が200mmの場合、ペースト遮蔽膜120の長さW
1は100mmであり、W2+W1+L1は158mm
となる。このとき、ブレード30の移動速度v1を10
mm/秒とし、印刷用スクリーン100の上昇速度v2
を0.1mm/秒とすると、スクリーン100を上昇し
たときのギャップGを1.1mmとすることにより、角
度θを0.40度とすることができる。
【0043】また、スクリーン100の大きさW0が6
00mmの場合、ペースト遮蔽膜120の長さW1は4
00mmであり、W2+W1+L1は508mmとな
る。このとき、ブレード30の移動速度v1を10mm
/秒とし、印刷用スクリーン100の上昇速度v2を
0.07mm/秒とすると、スクリーン100を上昇し
たときのギャップGを2.9mmとすることにより、角
度θを0.33度とすることができる。
【0044】なお、ブレード30の移動速度v1と印刷
用スクリーン100の上昇速度v2との関係は、上述の
例によらず、遅くしても早くしてもよく、スクリーン1
00とステージ10の角度θを0.3度以上とするよう
に相対的に移動すればよいものである。
【0045】ここで、表1を用いて、本実施形態による
厚膜ペースト塗布膜の形成方法によって形成された導体
配線膜の評価結果について、従来のギャップ印刷方式と
コンタクト方式に対比して説明する。
【0046】
【表1】
【0047】なお、表1に示す例においては、スクリー
ンのペースト遮蔽膜の大きさW1を200mm角とし、
このペースト遮蔽膜の領域内に形成した60μm幅で
0.2mmピッチの導体配線膜を形成するようにしてい
る。また、従来方式のギャップ印刷方式及びコンタクト
印刷方式についても、同じペースト遮蔽膜を使用して導
体配線膜を形成している。
【0048】ここで、表1に示す各評価項目について説
明する。
【0049】(1)シート破れ:厚膜ペースト塗布膜を
形成したシートの、版離れによる破れの有無を示してい
る。
【0050】(2)膜厚:塗布膜の表面では、開口部の
遮蔽膜支持材(編込みメッシュ140)の存在により、
凹凸が発生する。凸部は遮蔽膜支持材のない部分に相当
し、凹部は支持材のある部分に相当する。それぞれの平
均値は、50点の測定結果の平均値を示している。総平
均値は、全測定値の平均値を示している。
【0051】(3)位置ずれ量:ペースト遮蔽膜とグリ
ーンシート表面との間にギャップを設け、スキージ等に
より遮蔽膜をグリーンシート表面に押し付ける塗布膜の
形成方法(ギャップ印刷方式)では、ペースト遮蔽膜に
形成した開口部の位置が、僅かながらずれる。ここで
は、グリーンシートに形成した塗布膜の位置と 印刷用
スクリーンに形成した位置(座標)とのずれ量の最大値
を示している。
【0052】表1から明らかなように、本実施形態にお
いては、シート破れがなくなる。また、本実施形態にお
いては、膜厚が厚くでき、また位置ずれも少ないという
良好な結果を得ることができている。
【0053】なお、多層構造の回路基板は、次のような
製造工程で製造される。セラミック粉末を有機ポリマー
で結合した可撓性のあるグリーン(未焼結)シートを配
線層の1層分の基板とし、グリーンシートの所定の位置
に100μm径程度の微細径の穴あけし、このグリーン
シートを吸引によりステージに固定し、図4において説
明した工程により、印刷用スクリーンのペースト遮蔽膜
に形成した微細径の円形の開口部をグリーンシートの穴
位置に整合させ、厚膜導電ペーストをペースト遮蔽膜の
円形開口部を透過させ、グリーンシートの穴に印刷充填
し、ペーストを乾燥させる。
【0054】次に、穴埋めしたグリーンシートを吸引に
よりステージに固定し、図4に示した工程により、グリ
ーンシート表面に形成する1層分の配線膜パターンに対
応する開口部を有するペースト遮蔽膜を配設した別の印
刷用スクリーンを用い、印刷用スクリーンを位置合わせ
後、厚膜導電ペーストをペースト遮蔽膜の開口部を透過
させ、グリーンシートの表面に配線膜パターンを形成す
る。
【0055】このようにして、おのおのに所定の膜パタ
ーンを形成したグリーンシートを位置合わせして積層
し、さらにグリーンシートの有機ポリマが軟化する温度
で加熱圧着して一体化した多層構造体を形成し、その後
セラミック粉末材料が焼結する温度で加熱して多層回路
基板を作製する。
【0056】なお、ペースト遮蔽膜の構造としては、図
2及び図3において説明したものに限らないものであ
り、例えば、膜パターンに対応する開口部を有するペー
スト遮蔽膜を、微細径のメッシュワイヤを挟み込んだ構
造の感光性樹脂膜のホト加工により形成したものや、膜
パターンに対応する開口部を有するペースト遮蔽膜を、
20μm乃至40μm厚さの金属あるいはプラスチック
箔材をエッチングやホト加工により開口部を形成したも
のを用いることができる。これらの構成材は、形成する
膜パターンの繰り返し印刷における位置の安定性(精
度)、膜パターン及びその間隔の微細度、印刷寿命耐
性、価格等その重要度に応じて選択される。
【0057】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、従来のコンタクト印刷方式のように、スクリーン離
しを一気に行わないようにしているので、グリーンシー
トのシート破れが生じなくなる。また、従来のコンタク
ト印刷方式のように、ペースト遮蔽膜をグリーンシート
から離す際に、厚膜ペーストの粘着性の影響でペースト
遮蔽膜の開口部に充填した厚膜ペーストが引き付けられ
て、膜パターンににじみ等のパターン形状の乱れを生じ
ることもなく、また、微細配線膜やこれと同時に形成す
る100μm径程度の微少パターンがペースト遮蔽膜の
開口部に付着したままとなり、グリーンシートに膜パタ
ーンが形成されないこともなくなる。
【0058】また、厚膜ペーストをグリーンシート上に
印刷した後、スクリーン離しまでの間、ペースト遮蔽膜
の開口部に充填した厚膜ペーストは、グリーンシートに
一定時間接触させた状態が保持されるので、その後のス
クリーン離しの際にも、グリーンシート表面に形成した
厚膜は、膜表面の凹部の膜厚を厚くすることができる。
【0059】さらに、印刷用スクリーンのペースト遮蔽
膜とグリーンシートを全面で接触させるようにしている
ため、従来のギャップ方式のように、スクリーンの伸び
による位置ずれも低減する。
【0060】次に、図6を用いて、本発明の第2の実施
形態による厚膜ペースト塗布膜の形成方法について説明
する。なお、図4と同一符号は同一部分を示すととも
に、本実施形態による形成方法は、図1に示した厚膜ペ
ースト塗布膜の膜形成装置によって実施される。
【0061】本実施形態においては、図4に示した実施
形態とは、厚膜の印刷後のスクリーンの上昇の仕方が異
なるものである。即ち、図4に示した実施形態において
は、スクリーンは、全体的に上昇するようにしているの
に対して、本実施形態においては、スクリーン枠の一方
のみを上昇することによって、スクリーンを傾けるよう
にしている。
【0062】図6(a)〜(d)の工程は、図4(a)
〜(d)と同一であり、簡単に説明すると、図6(a)
に示すように、最初に状態においては、印刷用スクリー
ン100のペースト遮蔽膜120とグリーンシートGS
の間に、数mmのギャップGを設けて印刷用スクリーン
100が膜形成装置に設置される。印刷の開始に当たっ
ては、図6(b)に示すように、印刷用スクリーン10
0が下降して、ペースト遮蔽膜120とグリーンシート
GSを全面で接触させる。
【0063】次に、図6(c)に示すように、印刷用ス
キージ20及びブレード30を下降させ、印刷用スキー
ジ20及びブレード30の先端を印刷用スクリーン10
0に接触させる。そして、図6(d)に示すように、印
刷用スキージ20をスクリーン100の表面に沿って水
平方向に移動させ、厚膜ペーストPをペースト遮蔽膜1
20の開口部130に充填する。このとき、ブレード3
0は停止した状態のままとしている。そして、印刷用ス
キージ20が移動ストロークの終端まで移動すると、印
刷用スキージ20は、終端位置で停止する。
【0064】次に、図6(e)に示すように、制御装置
200は、ブレード駆動装置230に制御信号を出力
し、ブレード駆動装置230は、ブレード30をスクリ
ーン100の表面に沿って所定の速度v1で水平方向に
移動させる。このとき、印刷用スキージ20を移動スト
ロークの終端で下降したまま停止させた状態とする。
【0065】また、制御装置200は、ブレード30の
移動制御と同時に、スクリーン駆動装置210に制御信
号を出力して、印刷用スクリーン100の1辺のスクリ
ーン枠110Aを所定の速度v2で上昇させる。このと
き、スクリーン枠110Aに対向するスクリーン枠11
0Bは上昇することなく、元の位置に留まっている。こ
れにより、印刷用スクリーンのスクリーン枠110Aと
ブレード30の間の印刷スクリーン面を傾斜させ、ブレ
ード30の移動によりペースト印刷用スキージ20の印
刷開始端より基板表面と接触状態にあったぺースト遮蔽
膜120を基板GSの表面から徐々に離す。なお、ブレ
ード30の移動速度v1と、印刷用スクリーン100の
上昇速度v2との関係については、図5を用いて説明し
たような関係としている。
【0066】そして、図6(f)に示すように、制御装
置200は、ブレード駆動装置230に制御信号を出力
し、ブレード駆動装置230は、ブレード30をスクリ
ーン100の終端位置まで移動し、スクリーン駆動装置
210は、印刷用スクリーン100のスクリーン枠11
0Aの上昇を終了する。
【0067】次に、図6(g)に示すように、制御装置
200は、スキージ駆動装置220及びブレード駆動装
置230に制御信号を出力し、スキージ駆動装置220
は印刷用スキージ20を上昇させ、また同時に、ブレー
ド駆動装置230はブレード30を上昇させる。
【0068】次に、図6(h)に示すように、制御装置
200は、スクリーン駆動装置210に制御信号を出力
し、スクリーン駆動装置210は印刷用スクリーン10
0のスクリーン枠110Bを上昇させる。
【0069】その後、制御装置200は、スキージ駆動
装置220及びブレード駆動装置230に制御信号を出
力し、印刷開始の原点に印刷用スキージ20とブレード
30とを復帰させるとともに、印刷用スキージの前段に
設けてある図示しないインク返しにより厚膜ペーストP
を印刷開始の位置に戻して、図6(a)に示した最初の
状態に復帰する。
【0070】ここで、表2を用いて、本実施形態による
厚膜ペースト塗布膜の形成方法によって形成された導体
配線膜の評価結果について、従来のギャップ印刷方式と
コンタクト方式に対比して説明する。
【0071】
【表2】
【0072】なお、表2に示す例においては、表1と同
じように、スクリーンのペースト遮蔽膜の大きさW1を
200mm角とし、このペースト遮蔽膜の領域内に形成
した60μm幅で0.2mmピッチの導体配線膜を形成
するようにしている。また、従来方式のギャップ印刷方
式及びコンタクト印刷方式についても、同じペースト遮
蔽膜を使用して導体配線膜を形成している。また、表2
に示す各評価項目は、表1の各項目と同じである。
【0073】表2から明らかなように、本実施形態にお
いては、シート破れがなくなる。また、本実施形態にお
いては、膜厚が厚くでき、また位置ずれも少ないという
良好な結果を得ることができている。
【0074】特に、本実施形態においては、スクリーン
枠は一方のみが上昇するため、スクリーンの伸びが、図
4に示す例に比べて少なくなるため、位置ずれをさらに
少なくすることができる。
【0075】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、グリーンシートのシート破れが生じなくなり、ペー
スト遮蔽膜をグリーンシートから離す際に、ペースト遮
蔽膜の開口部に充填した厚膜ペーストが引き付けられ
て、膜パターンににじみ等のパターン形状の乱れを生じ
ることもなく、また、グリーンシートに膜パターンが形
成されないこともなくなる。
【0076】また、ペースト遮蔽膜の開口部に充填した
厚膜ペーストは、グリーンシートに一定時間接触させた
状態が保持されるので、グリーンシート表面に形成した
厚膜は、膜表面の凹部の膜厚を厚くすることができる。
【0077】さらに、印刷用スクリーンのペースト遮蔽
膜とグリーンシートを全面で接触させるようにしている
とともに、スクリーン枠は一方のみを持ち上げるように
しているため、スクリーンの伸びによる位置ずれも低減
する。
【0078】次に、図7を用いて、本発明の第3の実施
形態による厚膜ペースト塗布膜の形成方法について説明
する。なお、図4及び図6と同一符号は同一部分を示す
とともに、本実施形態による形成方法は、図1に示した
厚膜ペースト塗布膜の膜形成装置によって実施される。
【0079】本実施形態においては、図6に示した実施
形態と同様に、スクリーン枠の一方のみを上昇すること
によって、スクリーンを傾けるようにしている。しかし
ながら、ブレードの移動及びスクリーンの傾けは、スキ
ージによる印刷が終了する前に行うようにしている。ま
た、ブレードの下降は、スクリーン枠の上昇前に行うよ
うにしている。
【0080】図7(a)〜(d)の工程は、図6(a)
〜(d)と同様であり、簡単に説明すると、図7(a)
に示すように、最初に状態においては、印刷用スクリー
ン100のペースト遮蔽膜120とグリーンシートGS
の間に、数mmのギャップGを設けて印刷用スクリーン
100が膜形成装置に設置される。印刷の開始に当たっ
ては、図7(b)に示すように、印刷用スクリーン10
0が下降して、ペースト遮蔽膜120とグリーンシート
GSを全面で接触させる。
【0081】次に、図7(c)に示すように、印刷用ス
キージ20を下降させ、印刷用スキージ20の先端を印
刷用スクリーン100に接触させる。なお、この時点で
は、ブレード30は下降させていない。ブレード30
は、必ずしも、スキージ20と同時に下降させる必要が
ないものである。
【0082】そして、図7(d)に示すように、印刷用
スキージ20をスクリーン100の表面に沿って水平方
向に移動させ、厚膜ペーストPをペースト遮蔽膜120
の開口部130に充填する。そして、印刷用スキージ2
0が移動ストロークの終端まで移動すると、印刷用スキ
ージ20は、終端位置で停止する。また、このとき、制
御装置200は、ブレード駆動装置230に制御信号を
出力して、ブレード駆動装置230は、ブレード30を
ペースト遮蔽膜と目止め膜の境界の位置まで移動する。
【0083】次に、図7(e)に示すように、制御装置
200は、ブレード駆動装置230に制御信号を出力
し、ブレード駆動装置230は、ブレード30を下降さ
せる。下降した後、ブレード30は停止した状態のまま
としている。
【0084】次に、図7(f)に示すように、制御装置
200は、印刷用スキージ20とブレード30の間の距
離Dが所定の値になると、ブレード駆動装置230に制
御信号を出力し、ブレード駆動装置230は、ブレード
30をスクリーン100の表面に沿って所定の速度v1
で水平方向に移動させる。
【0085】ここで、印刷用スキージ20の移動速度を
ブレード30の移動速度と同じv1とし、例えば、10
mm/秒とすると、距離Dは、例えば、50mmとして
いる。即ち、印刷用スキージ20によって厚膜ペースト
PをグリーンシートGS上に印刷した後、グリーンシー
トGSに接触したペースト遮蔽膜120の開口部に厚膜
ペーストPを充填したまま保持する時間として、5秒を
確保するようにしている。これによって、印刷された厚
膜の凹部の膜厚を厚くすることができる。この保持時間
は、数秒程度でよいものである。印刷用スキージとブレ
ードの移動速度が異なる場合には、所定の保持時間(数
秒)を確保できるように、印刷用スキージによる印刷開
始後、所定のタイミングでブレードを移動するようにす
る。これによって、ブレードの移動開始を、図6に示し
た例に比べて早くできるため、印刷時間を短縮すること
ができる。
【0086】また、制御装置200は、ブレード30の
移動制御と同時に、スクリーン駆動装置210に制御信
号を出力して、印刷用スクリーン100の1辺のスクリ
ーン枠110Aを所定の速度v2で上昇させる。このと
き、スクリーン枠110Aに対向するスクリーン枠11
0Bは上昇することなく、元の位置に留まっている。こ
れにより、印刷用スクリーンのスクリーン枠110Aと
ブレード30の間の印刷スクリーン面を傾斜させ、ブレ
ード30の移動によりペースト印刷用スキージ20の印
刷開始端より基板表面と接触状態にあったぺースト遮蔽
膜120を基板GSの表面から徐々に離す。なお、ブレ
ード30の移動速度v1と、印刷用スクリーン100の
上昇速度v2との関係については、図5を用いて説明し
たような関係としている。
【0087】なお、印刷用スキージ20が移動ストロー
クの終端まで移動すると、その位置で停止して、ブレー
ド30が終端まで移動するのを待っている。
【0088】そして、図7(g)に示すように、制御装
置200は、ブレード駆動装置230に制御信号を出力
し、ブレード駆動装置230は、ブレード30をスクリ
ーン100の終端位置まで移動し、スクリーン駆動装置
210は、印刷用スクリーン100のスクリーン枠11
0Aの上昇を終了する。
【0089】次に、図7(h)に示すように、制御装置
200は、スキージ駆動装置220及びブレード駆動装
置230に制御信号を出力し、スキージ駆動装置220
は印刷用スキージ20を上昇させ、また同時に、ブレー
ド駆動装置230はブレード30を上昇させる。
【0090】次に、図7(i)に示すように、制御装置
200は、スクリーン駆動装置210に制御信号を出力
し、スクリーン駆動装置210は印刷用スクリーン10
0のスクリーン枠110Bを上昇させる。
【0091】その後、制御装置200は、スキージ駆動
装置220及びブレード駆動装置230に制御信号を出
力し、印刷開始の原点に印刷用スキージ20とブレード
30とを復帰させるとともに、印刷用スキージの前段に
設けてある図示しないインク返しにより厚膜ペーストP
を印刷開始の位置に戻して、図7(a)に示した最初の
状態に復帰する。
【0092】ここで、表3を用いて、本実施形態による
厚膜ペースト塗布膜の形成方法によって形成された導体
配線膜の評価結果について、従来のギャップ印刷方式と
コンタクト方式に対比して説明する。
【0093】
【表3】
【0094】なお、表3に示す例においては、表1と同
じように、スクリーンのペースト遮蔽膜の大きさW1を
200mm角とし、このペースト遮蔽膜の領域内に形成
した60μm幅で0.2mmピッチの導体配線膜を形成
するようにしている。また、従来方式のギャップ印刷方
式及びコンタクト印刷方式についても、同じペースト遮
蔽膜を使用して導体配線膜を形成している。また、表3
に示す各評価項目は、表1の各項目と同じである。
【0095】表3から明らかなように、本実施形態にお
いては、シート破れがなくなる。また、本実施形態にお
いては、膜厚が厚くでき、また位置ずれも少ないという
良好な結果を得ることができている。
【0096】特に、本実施形態においては、スクリーン
枠は一方のみが上昇するため、スクリーンの伸びが、図
4に示す例に比べて少なくなるため、位置ずれをさらに
少なくすることができる。
【0097】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、グリーンシートのシート破れが生じなくなり、ペー
スト遮蔽膜をグリーンシートから離す際に、ペースト遮
蔽膜の開口部に充填した厚膜ペーストが引き付けられ
て、膜パターンににじみ等のパターン形状の乱れを生じ
ることもなく、また、グリーンシートに膜パターンが形
成されないこともなくなる。
【0098】また、ペースト遮蔽膜の開口部に充填した
厚膜ペーストは、グリーンシートに一定時間接触させた
状態が保持されるので、グリーンシート表面に形成した
厚膜は、膜表面の凹部の膜厚を厚くすることができる。
【0099】さらに、印刷用スクリーンのペースト遮蔽
膜とグリーンシートを全面で接触させるようにしている
とともに、スクリーン枠は一方のみを持ち上げるように
しているため、スクリーンの伸びによる位置ずれも低減
する。
【0100】さらに、スキージの移動後、所定の保持時
間を確保した後、ブレードを移動するようにしているた
め、スクリーン印刷による時間を短くすることができ
る。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、厚膜ペースト塗布膜の
形成方法及び膜形成装置において、印刷の位置ずれが小
さく、膜表面の凹部の膜厚が厚いとともに、微小パター
ンも形成が行え、また、グリーンシート破れ等も生じな
いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による厚膜ペースト塗布膜
の膜形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による厚膜ペースト塗布膜
の形成方法及び膜形成装置に用いるスクリーンの全体構
成を示しす断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による厚膜ペースト塗布膜
の形成方法及び膜形成装置に用いるスクリーンの要部拡
大図である。
【図4】本発明の一実施形態による厚膜ペースト塗布膜
の形成方法について説明する工程図である。
【図5】本発明の一実施形態による厚膜ペースト塗布膜
の形成方法におけるブレードの移動速度と、印刷用スク
リーンの上昇速度との関係の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による厚膜ペースト塗
布膜の形成方法について説明する工程図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による厚膜ペースト塗
布膜の形成方法について説明する工程図である。
【符号の説明】
10…ステージ 20…印刷用スキージ 30…ブレード 100…印刷用スクリーン 110…スクリーン枠 120…ペースト遮蔽膜 130…開口部 140…編込みメッシュ 150…接合めっき膜 160…目止め膜 200…制御装置 210…スクリーン駆動装置 220…スキージ駆動装置 230…ブレード駆動装置 G…ギャップ(間隔) GS…グリーンシート P…厚膜ペースト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 3/46 H05K 3/46 C (72)発明者 中村 孝直 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所汎用コンピュータ事業部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印刷用スクリーンのペースト遮蔽膜を基板
    表面に接触させ、印刷用スキージを用いて上記ペースト
    遮蔽膜に設けた開口部に厚膜ペーストを充填し、ペース
    ト遮蔽膜を基板表面から離すことにより厚膜ペースト塗
    布膜を基板上に形成する厚膜ペースト塗布膜の形成方法
    において、 上記厚膜ペーストを上記ペースト遮蔽膜の開口部に充填
    させた後、上記印刷用スキ―ジの後段に設けたブレード
    を上記印刷用スクリーンに接触させながら移動するとと
    もに、印刷開始側の上記印刷用スクリーンの枠の位置を
    上昇させて、上記印刷用スクリーンを上記基板に対して
    傾斜させることにより、上記印刷用スキージの印刷開始
    端から上記ぺースト遮蔽膜を上記基板表面から離すこと
    を特徴とする厚膜ペースト塗布膜の形成方法。
  2. 【請求項2】ペースト遮蔽膜を有する印刷用スクリーン
    を上下動して、上記ペースト遮蔽膜を基板表面に接触さ
    せるスクリーン駆動手段と、 上記印刷用スクリーンに接触して移動しながら上記ペー
    スト遮蔽膜に設けた開口部に厚膜ペーストを充填する印
    刷用スキージを駆動するスキージ駆動手段と、 上記スクリーン駆動手段及び上記スキージ駆動手段を制
    御する制御手段を有する厚膜ペースト塗布膜の膜形成装
    置において、 上記印刷用スキ―ジの後段に設けたブレードを上記印刷
    用スクリーンに接触させながら移動するブレード駆動手
    段を備え、 上記制御手段は、上記スキージ駆動手段を制御して上記
    厚膜ペーストを上記ペースト遮蔽膜の開口部に充填させ
    た後、上記ブレード駆動手段を制御して、上記ブレード
    を上記印刷用スクリーンに接触させながら移動するとと
    もに、上記スクリーン駆動手段を制御して、印刷開始側
    の上記印刷用スクリーンの枠の位置を上昇させて、上記
    印刷用スクリーンを上記基板に対して傾斜させることに
    より、上記印刷用スキージの印刷開始端より上記ぺース
    ト遮蔽膜を上記基板表面から離すことを特徴とする厚膜
    ペースト塗布膜の膜形成装置。
JP75698A 1998-01-06 1998-01-06 厚膜ペースト塗布膜の形成方法及び膜形成装置 Pending JPH11192683A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP75698A JPH11192683A (ja) 1998-01-06 1998-01-06 厚膜ペースト塗布膜の形成方法及び膜形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP75698A JPH11192683A (ja) 1998-01-06 1998-01-06 厚膜ペースト塗布膜の形成方法及び膜形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11192683A true JPH11192683A (ja) 1999-07-21

Family

ID=11482545

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP75698A Pending JPH11192683A (ja) 1998-01-06 1998-01-06 厚膜ペースト塗布膜の形成方法及び膜形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11192683A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6955737B2 (en) 2003-06-30 2005-10-18 International Business Machines Corporation Supported greensheet structure and method in MLC processing
JP2007109662A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Samsung Electronics Co Ltd プリンティング装置、その制御方法とこれを利用した平板表示装置の製造方法
CN104325778A (zh) * 2014-09-24 2015-02-04 深圳市华星光电技术有限公司 网版印刷机及其印刷方法
JP2017213783A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 太陽誘電株式会社 メッシュ一体型メタルマスク

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6955737B2 (en) 2003-06-30 2005-10-18 International Business Machines Corporation Supported greensheet structure and method in MLC processing
US7247363B2 (en) 2003-06-30 2007-07-24 International Business Machines Corporation Supported greensheet structure and method in MLC processing
JP2007109662A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Samsung Electronics Co Ltd プリンティング装置、その制御方法とこれを利用した平板表示装置の製造方法
CN104325778A (zh) * 2014-09-24 2015-02-04 深圳市华星光电技术有限公司 网版印刷机及其印刷方法
JP2017213783A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 太陽誘電株式会社 メッシュ一体型メタルマスク

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3780386B2 (ja) セラミック回路基板及びその製造方法
TWI316468B (ja)
US5623872A (en) Apparatus and method for separating a mask plate and printed circuit board
EP1416779A2 (en) Multi-layer circuit board and method of manufacturing the same
US20070264813A1 (en) Process for producing a film carrier tape for mounting an electronic part
JPH11192683A (ja) 厚膜ペースト塗布膜の形成方法及び膜形成装置
TW200409579A (en) Solder paste printing method, solder paste printing apparatus, and method for manufacturing a wiring substrate having solder-printed layers
JPH11129640A (ja) 印刷用マスクとその製造方法及び回路基板の製造方法
JP2001076912A (ja) チップ抵抗器におけるレーザトリミング方法
JPH1168267A (ja) 樹脂シート及び多層プリント配線板の製造方法
JP3231918B2 (ja) 積層型セラミック回路基板の製造方法
JP2002009451A (ja) プリント配線板の製造方法およびその製造装置
GB2177262A (en) Making printed circuits
JP3469072B2 (ja) スクリーン印刷によるパターン形成方法及び装置
JPH0537153A (ja) 多層フレキシブルプリント基板
JPH05131609A (ja) ソルダーペースト印刷機
JP3693421B2 (ja) スクリーン版およびスクリーン印刷装置
JP3191800B2 (ja) スクリーン印刷装置及びスクリーン印刷方法
JP3627450B2 (ja) 電子部品の実装方法
JP2710187B2 (ja) セラミック多層配線基板のスルーホール形成方法
JPH05345406A (ja) クリーム半田の印刷方法
JP2002103561A (ja) プリント回路基板の印刷方法および印刷装置
JP2014086544A (ja) バンプ形成方法、積層配線基板の製造方法、及び、積層配線基板
JP2000185387A (ja) スクリーン印刷装置およびスクリーン印刷方法
JPH0722734A (ja) セラミックグリーンシートの処理方法およびそれに使用されるキャリヤフィルム