JPH11192514A - 帯状部材の曲げ成形方法及びその装置 - Google Patents

帯状部材の曲げ成形方法及びその装置

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JPH11192514A
JPH11192514A JP160998A JP160998A JPH11192514A JP H11192514 A JPH11192514 A JP H11192514A JP 160998 A JP160998 A JP 160998A JP 160998 A JP160998 A JP 160998A JP H11192514 A JPH11192514 A JP H11192514A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 くら型変形することなく帯状部材を確実に曲
げ成形でき、しかも板厚の均一化,平坦度の向上を図
り、高精度な曲げ成形を実現すること。 【解決手段】 下型2の曲げ型部2aと上型15とで帯
状部材1の上下面1c,1dを挟み付けると共に、曲げ
型2aに帯状部材1の側面1aが当接したままであるの
で、帯状部材1の曲げ部内径側の肉厚が厚くなるのを防
ぐことができる一方、押し込みローラ3が下型2,上型
15間のギャップ内で帯状部材1の側面1bを求心方向
に次第に押圧しているので、帯状部材1の塑性流動を助
長でき、該帯状部材1の曲げ部外径側の肉厚が薄くなる
のを防げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、矩形断面を有する
帯状部材の曲げ成形方法とその方法を実施するための成
形装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、矩形断面を有する金属製帯状部
材を曲げ成形した場合、帯状部材の曲げ部内径側が圧縮
力を受けることによって板厚が増加する反面、曲げ部外
径側が引張り力を受けることによって板厚が減少すると
いう、いわゆるくら型変形を生じる不具合がある。しか
し、製品によっては曲げ成形後の板厚の精度、平坦度を
重視するものもあり、このような曲げ成形時のくら型変
形による板厚の不均一性を改善することを目的とした曲
げ装置が種々提案され、実用に供されている。
【0003】例えば、曲げ部内径側の板厚増加を抑制す
る第一の従来技術として、特公昭53−7300号公報
に記載の如く、帯状金属板を連続的に曲げ成形する装置
がある。従来技術のものは、図26(a)〜(c)に示
すように、回転可能で一部に切欠部を形成した巻型48
により帯状金属板49を挟持しながら、曲げアーム50
により帯状金属板49を保持して巻型48の形状に沿っ
て折り曲げた後、巻型48の切欠部に設けた切削刃51
により、その曲げ部内径側に発生した膨らみを切削する
というものである。
【0004】これに対し、曲げ部内径側の板厚増加を抑
制し、且つ曲げ部外径側の板厚減少も抑制する第二の従
来技術として、特開平6−269862号公報に示され
る技術のものがある。この第二の従来技術では、図27
(a),(b)に示すように、矩形断面形状の金属素材
を、上下対向配置した環状の成型用上金型52及び下金
型53にそれぞれ穿設されたテーパー状溝部54に挟み
込む状態でセットし、前記成型用上下各金型52,53
の外周に配置された該各金型の環状周面と対応した曲面
を内方に有する異なるR形状の複数個の横押し金型5
5,56,57を、第1の横押し金型55を内方向に向
けて摺動させることにより第1工程の曲げ加工を行う。
【0005】ついで前記成型用上金型52の上面部分を
加圧して第1工程の曲げ加工により生じた素材の増肉部
分を平坦化した後で加圧を解除し、その後、角度の深い
R曲げ用第二,第三の横押し金型56,57を所定の位
置までガイド手段により周方向に移動して第1工程と同
様手順で曲げ加工を行い、最後に成型用上金型52の上
面部分を再び加圧して板厚を平坦化した後、全ての金型
55〜57を元に戻し金属素材を取り出すというもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記第一の
従来技術に示す装置では、帯状金属板49の曲げ部内径
側に発生した膨らみを切削するので、曲げ部内径側のみ
の板厚の均一化,平坦度の高精度化を図れるものの、曲
げ部外径側の板厚が減少してしまうので、板厚減少を抑
制することが出来ない問題がある。また、切削刃51に
より加工をするので切粉やバリ等が発生してしまい、そ
のため、帯状金属板49の製品として絶縁性が要求され
る場合には、バリや切粉を処分したりしなければなら
ず、加工後の処理が必要となる問題があり、しかもそれ
だけ構造的に複雑となる問題がある。
【0007】一方、第二の従来技術では、Rの異なる三
個の横押し金型55〜57を順次移動させると共に、そ
の移動する度に油圧ジャッキにより下方に押圧して第一
加工,第二加工,最終加工を順次行うようにしているの
で、それだけ工程数が多くかつ加工時間がかかる問題が
ある。しかも、上記各加工においては、それぞれ別工程
で行われるばかりでなく、それぞれの成形工程毎に単軸
応力場となっているため、成型時の荷重に大きなものが
必要となり、それだけ装置の大型化を招く問題がある。
【0008】また、横押し金型55〜57が成型用上,
下金型52,53の外周位置に配置されると共に、その
金型52,53の上方に油圧シジャッキ等が設けられて
いるので、さらには金属素材と横押し金型55〜57と
の摩擦係数損失から多大な回転力が必要となるので、装
置の大型化を招く問題がある。
【0009】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
を解決し、くら型変形することなく帯状部材を確実に曲
げ成形でき、しかも板厚の均一化、平坦度の向上を図
り、高精度な曲げ成形を実現することができ、さらには
簡単な段取りで曲げ成形できると共に、装置が大形化す
ることのない帯状部材の曲げ成形方法を提供することに
あり、他の目的は、上記方法を的確に実施し得る帯状部
材の曲げ成形装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明方法においては、
A)帯状部材の曲げ部内径側となる一側面を一方の金型
の曲げ型部に接触させた状態で、帯状部材の厚み方向の
両面を両金型で挟みつけること、B)帯状部材を挟み付
けた両金型間のギャップに、押し込み体を挿入すると共
に、該押し込み体の先端を帯状部材の曲げ外径側となる
他側面に押圧すること、C)その押圧状態時、前記押し
込み体を、前記曲げ型部を中心として回動し、該曲げ型
部の周面に沿い帯状部材を所定の角度で曲げ成形するこ
とを特徴とする。
【0011】また、本発明装置においては、断面矩形を
なす帯状部材を所望の角度で曲げ成形する装置であっ
て、外周が帯状部材の曲げ部と同じ曲率をもつと共に該
帯状部材の曲げ部内径側となる一側面と接する曲げ型部
を設けた第一金型と、第一金型の曲げ型部内に帯状部材
をセットしたとき、その金型と共に帯状部材を挟み付け
る第二金型と、これら両金型間のギャップに対し進退可
能に取付けられ、かつ両金型に挟み付けられた帯状部材
の曲げ部外径側となる他側面を押圧する押し込み体と、
帯状部材他側面に対し押し込み体が押圧状態にあると
き、その押し込み体を、前記曲げ型部を中心として回動
し、帯状部材を曲げ型部に沿い曲げ成形する回動手段と
を有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1〜図
25により説明する。図1〜図10は本発明の曲げ成形
方法を実施するための曲げ成形装置の一実施例を示して
いる。これら図に示す実施例の曲げ成形装置について述
べる前に、本例で取り扱う帯状部材1について説明する
と、該帯状部材1は、その断面が例えば図7(b)を参
照すれば、幅方向の両側面1a,1bと厚み方向をなす
上,下面1c,1dとを有する金属製の矩形形状をな
し、曲げ成形装置により特定の角度に曲げたとき、その
一方の側面1aが内側になると共に、他方の側面1bが
外側になる。以下便宜上、帯状部材1の内側を曲げ部内
径側と呼び、外側を曲げ部内径側と呼ぶ。
【0013】そして、帯状部材1を曲げ成形するための
実施例の曲げ成形装置は、大別すると図1乃至図6に示
すように、帯状部材1の曲げ部内径側と当接した状態で
該帯状部材1を挟み付ける上下一対の金型15,2と、
この両金型15,2により帯状部材1を挟み付けたと
き、該帯状部材1の曲げ部外径側となる側面1bを押圧
する押し込みローラ3と、帯状部材1の側面1bに接触
し、帯状部材1の曲げ部分を押し込みローラ3に先行し
て変形させる二個の曲げローラ26とを有している。
【0014】即ち、上下一対の金型15,2のうち、下
型2は筒状をなし、床に設置された枠組台23のベース
板23aに固定されている。この下型2は、その上面が
帯状部材1の下面1dを載置し得るようにするため平坦
に形成されると共に、帯状部材1を所定の内径寸法で曲
げることができるようにするため、その上面中央部に、
帯状部材1の厚み(1a,1b)に相当する分だけ筒状
に突設された曲げ型部2aを設けている。この曲げ型部
2aの外周は、帯状部材1の曲げ部内径側と同じ曲率を
もって形成され、曲げ成形時、帯状部材1の側面1aと
当接するようにしている。
【0015】一方、上型15は、その底面が下型2の曲
げ型部2aと当接するよう平坦に形成され、下型2に対
し第一移動機構を介し進退可能に取付けられている。第
一移動機構は、枠組台23の下ベース板23bに設置さ
れた昇降用シリンダ16と、該シリンダ16のロッドに
装着されたシャフト20とを有している。そして、シャ
フト20が図1乃至図3に示す如く、枠組台23の上ベ
ース板23a,下型2を挿通すると共に、その先端部に
ナット47により上型15を取付けている。シャフト2
0の外周と下型2の内周間には摺動ブッシュ19が設け
られている。
【0016】この第一移動機構は、通常では図2,図3
に示す如く下型2に対し上型15が上昇して互いに離間
した状態にあり、帯状部材1の曲げ成形時、図6に示す
ようにシリンダ16の駆動によってシャフト20及び上
型15が降下し、上型15が下型2に当接することによ
り、帯状部材1を上下で挟み付けるようにしている。
【0017】また第一移動機構は、前記曲げ成形時、上
型15が下型2から離れるのを防ぐための浮き上がり防
止機構を有している。該浮き上がり防止機構は、ベース
板23aの底部に取付ブラケットを介し設置され、かつ
互いにシャフト20を挟んで対向するように配置された
シリンダ17と、該シリンダ17のロッド先端に装着さ
れたコッタ18とを有し、該シリンダ16の駆動により
上型15が下降したとき、図6に示すようにシリンダ1
7を駆動すると、その先端のコッタ18がベース板23
aに固定されたコッタ受け部23cとシャフト20の底
部に装着されたコッタ受け部49との間に押し込まれる
ことにより、上型15を下型2に対し強力に押圧し、こ
れにより、上型15が浮き上がることがないようにして
いる。なお、前記コッタ受け部49は、シャフト20の
下部にナット48により装着されている。
【0018】前記押し込みローラ3は、下型2,上型1
5間に帯状部材1がセットされた状態にあるとき、図
5,図6,図7(a)及び(b)に示すように、その先
端が両金型2,15間に入り込み、かつ帯状部材1の曲
げ部外径側1bに接してこれを押圧すると共に、その押
圧により帯状部材1の曲げ部外径側の材料を板厚方向に
塑性変形させ、これにより曲げ部外径側が薄肉になるの
を防ぐようにしている。そのため、押し込みローラ3
は、図1乃至図6に示すように、曲げヘッド10に取付
けられたユニットケーシング9に移動可能に支持され、
しかも金型2の曲げ型部2aの中心軸と、該曲げ型部2
aに接している帯状部材との接点を延長した法線上に押
し込みローラ3の中心軸が配置されるようになってお
り、従って、後述する第二移動機構の駆動力により、帯
状部材1の曲げ部外径側1bを金型2の曲げ型部2aの
求心方向に移動し、押圧するようにしている。
【0019】具体的に述べると、押し込みローラ3は、
その外周部に図7(a),(b)に示すように、金型
2,15間にある帯状部材1の曲げ部外径側1bを押圧
するための押し込み突起3aを有する回転体であって、
図1及び図2に示すように、シャフト6,摺動ブッシュ
5a,摺動ワッシャ5bを介しホルダ4に軸周りに回転
自在に保持されている。前記第二移動機構としては、ホ
ルダ4が曲げヘッド10に固定されたユニットケーシン
グ9内に摺動板8a〜8dを介し摺動可能に取付けられ
ている。またホルダ4にはケーシング9の外側に設置さ
れたシリンダ7のロッドが連結されている。従って、帯
状部材1の成形に際し、該帯状部材1が上下の金型2,
15で挟み付けられたとき、シリンダ7の前進によりホ
ルダ4がユニットケーシング9内を移動して押し込みロ
ーラ3が前進すると、該押し込みローラ3の押し込み突
起3aが両金型2,15間のギャップにある帯状部材1
の曲げ部外径側を、該帯状部材と曲げ型部2aとの接線
方向に沿い押圧する。
【0020】前記曲げローラ26は、帯状部材1の成形
時、帯状部材1を下型2の曲げ型部2aに沿って曲げる
ようにするためのものであり、曲げヘッド10上のユニ
ットケーシング9内に押し込みローラ3と平行に移動可
能に取付けられている。即ち、この曲げローラ26の各
々は図1及び図3に示すように、ホルダ27の先端部に
曲げローラ用シャフト29により軸周りに回転自在に保
持されている。ホルダ27は、前記ホルダ4と同様、ユ
ニットケーシング9内に摺動板8d〜8gを介し移動可
能に取付けられ、またケーシング9内の外側に設置され
たシリンダ7のロッドに連結されることにより、第三移
動機構が構成されている。従って、第三移動機構は、シ
リンダ30の駆動によりホルダ27がユニットケーシン
グ9内を移動し、曲げローラ26が押し込みローラ3側
より先端側の帯状部材1に接触させ、位置決めできるよ
うにしている。
【0021】また、ホルダ27内には帯状部材1に対す
る曲げローラ26の位置を調整するための調整手段を有
している。該調整手段は、図1,図3,図4に示すよう
に、ユニットケーシング9に突設されたブラケット部3
1がホルダ27に挿通されると共に、該ブラケット部3
1内にストッパボルト32が螺着され、ユニットケーシ
ング9内をホルダ27が移動したとき、図4に示すよう
に、ストッパボルト32の先端がホルダ27と当接する
ことにより、帯状部材1に対する曲げローラ26の位置
決めを行うようにしている。この位置決めは、ブラケッ
ト部31におけるストッパボルト32の位置に応じ調節
されることとなる。
【0022】さらに、下型2とベース板23a間には、
帯状部材1の曲げ成形に際し、図1,図4に示す如く帯
状部材1の曲げ部分の根元側を押さえ付けることによ
り、曲げ成形を良好に行わせるための固定パッド21,
固定22が設けられている。固定パッド21は、下型2
の一部に突設された延長部に形成されている。固定パッ
ド22はベース板23上に設置したシリンダ25のロッ
ド先端に装着され、シリンダ25の駆動により前進する
ことにより、帯状部材1の曲げ部より根元部分の両側面
1a,1bを固定パッド21と共に挟み付けるようにし
ている。なお、曲げローラ26及び曲げローラ用シャフ
ト29間には、押し込みローラ3の場合と同様に摺動ブ
ッシュ28a,摺動ワッシャ28bがそれぞれ介装され
ている。
【0023】一方、ユニットケーシング9を搭載してい
る曲げヘッド10は、後述する回動機構により、下型2
の曲げ型部2aを中心として軸周りに回動するように構
成されている。前記回動機構としては、図1,図3,図
5に示すように曲げヘッド10及び下型2間に軸方向に
沿い二組のベアリング11a,11bが取付けられてい
る。また、曲げヘッド10の外周にピニオン12が固着
され、そのピニオン12と噛合するラック14が枠組台
23のベース板23aに移動可能に取付けられ、そのラ
ック14の先端がラック駆動用のシリンダ13に連結さ
れている。このシリンダ13は詳細に図示していない
が、ベース板23上に設置されており、ロッドの前進に
伴ってラック14が移動すると、該ラック14と噛合し
ているピニオン12が回転し、これと一体の曲げヘッド
10も同時に回転することにより、押し込みローラ3と
曲げローラ26との双方が下型2の曲げ型部2aを中心
として回動する。そして、この押し込みローラ3と曲げ
ローラ26との回動時、これら3,26が両金型2,1
5間の帯状部材1を、図8の如く下型2の曲げ型部2a
に沿い押し曲げれるようにしている。なお、図示実施例
では、一度の曲げにより帯状部材1を図8に示す如く約
90度の角度で曲げるようにした例を示したが、その角
度は、任意に設定することができる。
【0024】次に、実施例の曲げ成形装置の動作に関連
して、曲げ成形方法の一実施例について図9を用いて述
べる。まず、下型2に対し上型15が図2に示す如き開
いた状態にあるとき、帯状部材1の先端側を、その側面
1aが曲げ型部2aに当接したままで下型2に載置する
ことによりセットし(10a)、次いでシリンダ25の
駆動により固定パッド22を前進させ、該固定パッド2
2が帯状部材1の曲げ部より根元部分を固定パッド21
と共にクランプする(10b)。
【0025】そして、シャフト昇降用シリンダ16の駆
動により図6に示す如くシャフト20を下降させ(10
c)、その後、コッタ駆動用シリンダ17の駆動により
コッタ18を前進させ、該コッタ18がベース板23a
のコッタ受け部23cとシャフト20のコッタ受け部4
9との間に挿入することにより、上型15を下型2に対
し強力に押圧させ、上型15の上方への移動を拘束する
(10d)。
【0026】しかる後、シリンダ30の駆動によりホル
ダ27を前進させ、二組の曲げローラ26を帯状部材1
の対向する側面1bに突き合わせて位置決めし(10
e)、次いで押し込みローラ駆動用シリンダ7の駆動に
よりホルダ4を前進させ、該ホルダ先端の押し込みロー
ラ3を図7(a)に示すように、下型2と上型15との
ギャップ間に挿入し、その状態で同図(b)に示すよう
に、帯状部材1の側面1bに対する押し込みローラ3の
押し付けを開始する(10f)。
【0027】上記押し込みローラ3の押し付けに伴い、
ラック駆動用シリンダ13を駆動し(10g)、ラック
14を図1に示す矢印の如く次第に前進させて曲げヘッ
ド10を反時計方向に回動すると、その曲げヘッド10
と共に押し込みローラ3及び曲げローラ26も同様に回
動することにより、帯状部材1を図8に示す如く下型2
の曲げ型部2aに沿って曲げることができる。
【0028】このとき、帯状部材1が曲げ応力を受ける
ことによってくら型変形を発生するおそれがある。しか
し本発明の曲げ成形方法では、下型2の曲げ型部2aと
上型15とで帯状部材1の上下面1c,1dを挟み付け
ると共に、曲げ型2aに帯状部材1の側面1aが当接し
たままであるので、帯状部材1の曲げ部内径側の肉厚が
厚くなるのを防ぐことができる一方、押し込みローラ3
が下型2,上型15間のギャップ内で帯状部材1の側面
1bを求心方向に次第に押圧しているので、帯状部材1
の塑性流動を助長でき、該帯状部材1の曲げ部外径側の
肉厚が薄くなるのを防ぐことができる。
【0029】その結果、帯状部材1の曲げ部の内径側と
外径側とで板厚差のない均一な曲げ成形を行うことがで
きるので、第一の従来技術に比較し、曲げ部がくら型変
形するのを確実に防ぐことができ、良好な矩形断面を有
した曲げ成形を確実に行うことができる。これに加え、
第一の従来技術のように切削加工を行うことがないの
で、バリや切粉を処理することもなく、かつその処理に
必要な構成も不要になり、また第二の従来技術のように
第一加工〜最終加工まで順次加工することもないので、
1段取りで簡単に曲げ成形でき、それだけ工程の簡素化
を図ることができると共に、装置が大型化するのも防げ
る。
【0030】また、下型2,上型15,押し込みローラ
3により帯状部材1を一括的に三次元応力を作用させる
ので、成形工程毎に単軸応力を作用させる第二の従来技
術に比較し、成型時の荷重を大きくする必要がなく、そ
れぞれ小さな成形力で曲げ部分の平坦度が良く、均一な
板厚の確保を図ることができ、かつ成形後のスプリング
バック量を確実に抑制することができる。
【0031】さらに、押し込みローラ3だけ用いた場合
で、かつ帯状部材1と上下の金型2,15との摩擦係数
が大きい場合、両者間に潤滑剤等を塗布して摩擦係数を
減少させるが、そのようにしたとしても、図3に示すよ
うに、押し込みローラ3だけでは帯状部材1のこれから
曲げようとする箇所1Aを下型2の曲げ型部2aに巻き
込ませることが困難となるおそれがある。
【0032】しかし、上述の如く、押し込みローラ3よ
り曲げ成形時の回転方向に先行させた位置に曲げローラ
26が配置され、該曲げローラ26が帯状部材1の曲げ
部外径側に接触し、押し込みローラ3と共に回動するよ
うに構成しているので、該曲げローラ26により帯状部
材1のこれから曲げようする箇所1Aを二点鎖線にて示
す如く曲げ方向に誘導することができる。
【0033】しかも、曲げローラ26を用いていると、
帯状部材1と下型2の曲げ型部2aにおける曲げ接点に
対し曲げ成形モーメントに係わる脚長を稼ぐことがで
き、そのため、帯状部材1の剛性が大きくて曲げにくい
場合でも曲げモーメントが不足することがないばかりで
なく、成形時の曲げヘッド10の回転力が小さく済む
上、連続的な成形が可能となる。
【0034】図11乃至図14は本発明の第二の実施例
を示している。この場合は、帯状部材1に対する押し込
みローラ3の押し込み量(押圧力)を制御するようにし
たものである。そのための押圧力制御手段としては、図
11に示すようにラック駆動用のシリンダ13にはその
ロッドのストロークを検出するエンコーダ33が設置さ
れている。このエンコーダ33の検出により、曲げヘッ
ド駆動用のラック14とピニオン12との関係により曲
げヘッド10の回動角度がわかる。また押圧力制御手段
は、図12に示すように、シリンダ7のストロークを制
御する比例電磁弁40と、エンコーダ33の検出に基づ
き、比例電磁弁40を制御するNC装置34とを有して
いる。
【0035】このNC装置34は、曲げ成形時、エンコ
ーダ33の検出信号がパルスカウンタ35を介し演算部
36に入力されると、演算部36がその検出信号に基づ
き、予めオペレータにより種々の製品に応じて入力され
ている曲げ角度毎の設定値を入設定部37から呼び出
し、該呼び出したデータをD/A変換器38を介し変換
し、かつ出力部39より比例制御弁40に出力する。そ
して、比例制御弁40が、演算部36より出力されたデ
ータに従いシリンダ7のストロークを調整することによ
り、押し込みローラ3の押し込み量を調節制御する。
【0036】このような押し込みローラ3の押圧力制御
手段は、以下の理由によるものである。即ち、曲げ成形
時には、帯状部材1に対し、下型2,上型15による板
厚拘束、及び押し込みローラ3による側面押圧の二荷重
が作用するが、例えば、押し込みローラ3の押圧力を一
定にした場合、曲げ始め直前では帯状部材1の曲げ部内
径側の増肉が発生しないため、金型2,15による板厚
拘束力は殆ど作用せず、帯状部材1に対する負荷応力と
しては、押し込みローラ3による側面押圧のみの単軸応
力である。そのため、帯状部材1の降伏応力はさほど下
がらず、よって押し込みローラ3の押圧による帯状部材
1の幅方向への凹みは小さい(図13において、曲げ始
めの部分を示す)。
【0037】一方、曲げ開始から曲げ終わり直前までの
負荷荷重としては、金型2,15による板厚拘束、押し
込みローラ3による側面押圧、曲げヘッド10の回転に
よる曲げ力の三方向荷重となるため、三次元応力場とな
り、帯状部材1の降伏応力が大きく下がり、よって押し
込みローラ3の押圧による帯状部材1の幅方向への凹み
が次第に大きくなる(図13において、曲げ終わりの部
分を示す)。そのため、曲げ成形時においては、曲げ始
めと曲げ終わりでの幅方向形状の対称性を重視する製品
の場合、その幅寸法が同じになるように押し込みローラ
3の押圧力調整が必要となる。
【0038】また、図7(a),(b)に前述した如
く、帯状部材1の曲げ部外径側に押し込みローラ3の押
圧力をかけ、該ローラ3と下型2の曲げ型部2aと上型
15との間のギャップ内に帯状部材1が充満するように
したものであるが、さらに曲げ成形過程における押し込
みローラ3の作用について詳述すれば、図7(c)に示
す通りである。即ち、押し込みローラ3の押し込み時に
は、帯状部材1の長さ方向にも一部材料が流され、そし
て、曲げ成形角度が進むにつれ、流された材料の余剰分
が増加することとなる。しかるに、長さ方向への材料流
れには限界があり、その結果、材料には金型2,15を
押し戻して板厚方向に広がろうとする力が作用する。
【0039】そのため、板厚を重視する曲げ成形を行う
には、材料の余剰流れを板厚方向に流すのではなく、図
7(b)に示す破線の如く、押し込みローラ3の位置を
徐々に戻し、材料を板幅方向に流す押圧制御が必要とな
る。
【0040】従って、本実施例の押圧力制御手段は、図
14に示すように、帯状部材の曲げ始め部分に対する押
し込みローラ3の押圧力を最も大きくし、そこから曲げ
ヘッド10の回動角度(曲げ成形角度)が進むに従い押
し込みローラ3の押圧力を次第に減少させ、これによ
り、材料の余剰分を板幅方向に流すことによって曲げ始
め部分と曲げ終わり部分との板幅寸法の均一化及び平坦
度の高制度化をいっそう高め得るようにしたものであ
る。なお、調節方法としては図28に示すように、押圧
力を次第に減少させるようにしてもよく、また図29に
示すように階段状に押圧力を減少させるようにしてもよ
く、本例に示す限りではない。このように曲げヘッド1
0の回動角度に応じ押し込みローラ3の押圧力が減少す
るよう調節制御すると、対称性を重視する製品にも容易
に対処することができる。
【0041】図15乃至図18は本発明の第三の実施例
を示す。この場合は、第二の実施例にて前述した押圧力
制御手段の他の例を示したものである。
【0042】即ち、図15及び図16に示すように、シ
リンダ13ロッドのストロークを検出するエンコーダ3
3を有する他、押し込みローラ3の駆動源としてのサー
ボシリンダ41と、該シリンダ41のストロークを検出
するリニアスケール42を有している。NC装置34は
図17に示すように、パルスカウンタ35,演算部3
6,設定部37,位置司令部43を有している。
【0043】そして、曲げ成形時、シリンダ13が駆動
されると、そのロッドのストロークに応じエンコーダ3
3が検出するが、該エンコーダ33の検出信号をNC装
置34内のパルスカウンタ35を介し演算部36に送信
し、演算部36ではその検出信号に応じ、予め人手によ
り各製品寸法毎に曲げ成形角度のデータが入力されてい
る設定部37から、対応する角度のデータを呼び出し、
呼び出したデータに基づき位置司令部43により押し込
みローラ3の位置制御を行う。この場合、位置制御にお
いては、サーボシリンダ41の駆動時、位置司令部43
からの信号とリニアスケール42の検出信号とを比較
し、該検出信号をフィードバックすることにより、サー
ボシリンダ41を制御するものである。即ち、この実施
例は、図18に示すように、曲げ成形の開始時に押し込
みローラ3の押し込み量(押圧力)を高め、そこから曲
げヘッド10の回動角度(曲げ角度)が進むにつれ最も
大きい押し込み量(押圧力)の状態を保ち、さらに曲げ
成形の終了が近づいてきた時点で押圧力を弱め、かつ終
了時に押圧力をなくし、これによって帯状部材1の板厚
の均一化及び平坦度の高精度化を図ると共に、曲げ部外
径側における曲げ始め部分と曲げ終わり部分との凹みを
なだらかにできるようにしたものである。
【0044】従って、曲げ外径側における曲げ始め部分
と曲げ終わり部分とに生じる凹みをなだらかにすること
により、曲げ部と曲げ部の不要な部分との境界に形状上
での違和感を与えることがなくなる。
【0045】図19は本発明の第四の実施例を示す。こ
の場合は、押圧力制御手段として第三の実施例に加え、
帯状部材1に対し先端から他端に向かう圧縮力を付与し
たものである。その圧縮力を付与する機構は、曲げヘッ
ド10の延長部10aに設置されたシリンダ44と、該
シリンダ44のロッド先端に装着された圧縮パッド43
とからなり、曲げ成形時、シリンダの駆動で圧縮パッド
43が帯状部材1を矢印の如く、先端から他端側に向か
う圧縮力を付与し続ける。
【0046】これは、帯状部材1に対し上述の如く圧縮
力を付与しながら曲げ成形を行うと、帯状部材1の曲げ
部内径側においては圧縮力が助長されることによって板
厚増肉量及び増肉領域が拡大される一方、曲げ部外径側
においては発生する引張り力が打ち消されることによっ
て減肉領域が殆どなくなる。そして、曲げ部内径側の板
厚増肉分は上下の金型2,15によって拘束され、余剰
材料が板幅方向及び長手方向に移動する。この場合、押
し込みローラ3は押圧位置を固定したままとし、その状
態で曲げ角度が進行するに従い回動するので、所定の板
幅寸法を超えた余剰材料を長手方向に移動させることが
でき、結果的に、帯状部材1の曲げ部分の板幅寸法の減
少を抑制することができ、曲げ部分の変化を防止でき
る。
【0047】なお、以上述べた実施例においては、帯状
部材1の断面形状,押し込みローラ3及び曲げローラ2
6の形状,大きさ,数について特に制限したものでない
ので、例えば図20及び図21に示す以下のように構成
すれば、特有の効果を奏することもできる。
【0048】即ち、図20(a)にはこれまで前述した
外径同一となる押し込みローラ3を示しているが、例え
ば同図(b)においては、押し込みローラ3の外周部に
突起部3bが形成されている。そして、押し込みローラ
3による側面押圧開始時(曲げ成形開始時)、突起部3
bの先端のみが帯状部材1の側面1bに接触することに
より、側面1bに対する面圧が大きくなり、そのため、
突起部3bがより小さな荷重で側面1bに食い込むと共
に、側面1bの材料を板厚方向に押し拡げるので、曲げ
部外径側の減肉箇所を増肉させることが容易となる。
【0049】また、図20(c)においては、押し込み
ローラ3が外周に上端から下端に至るに従い次第に外径
が大きくなるようテーパ面3cを有して形成されてい
る。これは帯状部材1が断面台形形状の場合に対応させ
たものである。これは、帯状部材1の側面1bに均等面
圧を負荷することが可能となり、その結果、曲げ部外径
側に局部変形を生じさせることなく曲げ部外径側を均等
に増肉でき、従って、台形形状のようなものでも曲げ部
外径側の形状を保ったままで曲げ成形することができる
ものである。
【0050】さらには図示していないが、押し込みロー
ラ3全体を小径化することによってヘルツ応力を増大さ
せることができるので、小さな荷重で曲げ部外径側の減
肉箇所を増肉することが可能となる等の効果もある。
【0051】図21(a)にはこれまで述べた実施例に
適用した曲げローラ26を示しているが、同図(b)に
おいては、曲げローラ26の外周に台形形状の帯状部材
1に対応する形状の切欠き26aが設けられている。こ
れは曲げ成形する際、曲げローラ26が帯状部材1との
接触荷重の分力から、矢印の如く板厚方向に推力が働
き、帯状部材1が板厚方向に変形するのを防止する等の
効果がある。
【0052】この曲げローラ26に関しては、その他、
大径化することによりヘルツ応力を低減でき、帯状部材
側面1bに凹みなどの変形が生じるのを低減することが
できる効果もある。
【0053】図22及び図23は曲げ成形装置の第四の
実施例を示している。これまでの実施例では何れも、押
し込みローラ3と曲げローラ26との双方を用いたもの
であるが、本実施例においては、押し込みローラ3のみ
で帯状部材1の曲げ成形を行うようにしたものである。
但し、これは、帯状部材1の剛性が低い場合、帯状部材
1と金型2,15との摩擦係数が小さい場合等の特有の
条件下である。そして、その条件下では次に述べる数式
(3),(4)を満足する必要がある。
【0054】即ち、図23において、符号50は曲げ成
形中、帯状部材1が上下金型2,15により拘束される
ことによる押し込みローラ3との接触面、Fは押し込み
ローラ3による側面押圧力を、μは接触面50の摩擦係
数、pは金型2,15により拘束されることによる接触
面圧、Aは接触面50の面積、f1は帯状部材1の曲げ
部外径側の減肉箇所を増肉させるのに必要な荷重、θは
帯状部材1側面及び下型曲げ型部2a間の接触点(曲げ
支点)と、押し込みローラ3押圧位置との角度、L1は
前記曲げ支点と押し込みローラ3押圧位置との距離、L
2は前記曲げ支点と接触面重心位置との距離、Mbは帯
状部材1を曲げる(塑性変形させる)のに必要な曲げモ
ーメントを表している。
【0055】ここで、接触面50では帯状部材1の上下
面1c,1dの二面に合わせて摩擦力2μpAが発生
し、押圧力Fがその摩擦力2μpAより大きくないと、
接触面50は金型2,15間のギャップに入り込むこと
ができない(帯状部材1のこれから曲げようとする箇所
を上型2,15間ギャップに誘導できない)ので、次の
数式(1)を満たす必要がある。
【0056】
【数1】F>2μpA …(数1) また、押し込みローラ3は、帯状部材1の曲げ部外径側
の減肉箇所を増肉させなければならず、側面押圧力Fか
ら摩擦損失分2μpAを引いた残りの荷重は、帯状部材
1の曲げ部外径側減肉箇所を増肉させるのに必要な荷重
f1より大きくなければ、帯状部材1の曲げ部外径側減
肉箇所の増肉が不可能となり、これにより以下の数2を
満たす必要がある。
【0057】
【数2】F−2μpA>f1 …(数2) 従って、上記数式(1),(2)より次の数3を満たさ
なければ、押し込みローラ3のみによる曲げ成形が不可
能となる。
【0058】
【数3】 F−2μpA>f1(>0) …(数3) 次に、側面押圧力Fの分力Fcosθと距離L1とによ
り発生するモーメント(Fcosθ×L1)から、接触
面50の摩擦力2μpAと距離L2とにより発生する摩
擦損失モーメント(2μpA×L2)を引いた残りのモ
ーメントが、帯状部材1を曲げるのに必要なモーメント
Mbよりおおきくないと、帯状部材1への曲げ成形が不
可能であるから、次の式をみたさなければならない。
【0059】
【数4】 Fcosθ×L1−(2μpA×L2)>Mb …(数4) 即ち、上記数3及び数4を満たす成形条件下において
は、図22に示す如く、曲げローラを用いなくとも押し
込みローラ3のみで曲げ成形を実施することが可能とな
るものである。
【0060】図24及び図25は曲げ成形装置の他の実
施例を示している。
【0061】この場合は、押し込みローラ3及び曲げロ
ーラ26の代わりとして、帯状部材1との接触面が単に
平坦をなす形状の押し込み板体45及び曲げ板体46が
設けられたものである。これら押し込み板体45,曲げ
板体46は第二,第三の実施例と同様のシリンダ7(4
1),30により駆動されるが、帯状部材1との摩擦係
数の小さい金属により形成されるのが望ましい。
【0062】従って、摩擦係数の小さい上記板体45,
46を用いることにより、帯状部材1の曲げ成形を良好
に行うことが可能となるので、ローラを用いた実施例に
比較し、構成上の簡素化を実現することができる。
【0063】
【発明の効果】以上述べたように、本発明方法によれ
ば、帯状部材の曲げ成型時、両金型により帯状部材を挟
み付けると共に、曲げ型に帯状部材の一側面が当接した
ままであることにより、帯状部材の曲げ部内径側の肉厚
が厚くなるのを防ぐことができる一方、押し込み体が両
金型間のギャップ内で帯状部材の他側面を求心方向に次
第に押圧することにより、帯状部材の塑性流動を助長で
き、該帯状部材の曲げ部外径側の肉厚が薄くなるのを防
げるように構成したので、くら型変形することなく帯状
部材を確実に曲げ成形でき、また板厚の均一化,平坦度
の向上を図ることもできると共に、高精度な曲げ成形を
実現することができる効果がある。
【0064】また、本発明装置によれば、外周が帯状部
材の曲げ部と同じ曲率をもつと共に該帯状部材の曲げ部
内径側となる一側面と接する曲げ型部を設けた第一金型
と、第一金型の曲げ型部内に帯状部材をセットしたと
き、その金型と共に帯状部材を挟み付ける第二金型と、
これら両金型間のギャップに対し進退可能に取付けら
れ、かつ両金型に挟み付けられた帯状部材の曲げ部外径
側となる他側面を押圧する押し込み体と、帯状部材他側
面に対し押し込み体が押圧状態にあるとき、その押し込
み体を、前記曲げ型部を中心として回動し、帯状部材を
曲げ型部に沿い曲げ成形する回動手段とを有して構成し
たので、上記方法を的確に実施し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の曲げ成形方法を実施するための曲げ成
形装置の第一の実施例を示す要部段目の平面説明図。
【図2】同じく押し込みローラ部分から垂直断面した正
面説明図。
【図3】同じく曲げローラ部分から垂直断面した正面説
明図。
【図4】帯状部材に対する押し込みローラの押圧状態と
曲げローラの接触状態を示す説明図。
【図5】図4の曲げローラ部分の正面説明図。
【図6】帯状部材の曲げ成形時の状態を示す説明図。
【図7】帯状部材と押し込みローラとの関係を示す説明
図。
【図8】帯状部材の曲げ成形が終了した状態を示す説明
図。
【図9】本発明の曲げ成形方法の一実施例を示すフロー
チャート。
【図10】帯状部材に対する押し込みローラと曲げロー
ラとの関係を示す説明図。
【図11】曲げ成形装置の第二の実施例を示す要部破断
の平面説明図。
【図12】同じく押圧力制御手段の構成とその機能を示
す説明図。
【図13】帯状部材の曲げ始め部分と曲げ終わり部分と
の形状の変化を示す説明図。
【図14】押し込みローラによる押圧力と曲げ角度との
関係を示す説明図。
【図15】曲げ成形装置の第三の実施例を示す要部破断
の平面説明図。
【図16】同じく押し込みローラ部分から垂直断面した
正面説明図。
【図17】この曲げ成形装置の押圧力制御手段の構成と
その機能を示す説明図。
【図18】押し込みローラ駆動用のシリンダストローク
と曲げ角度との関係を示す説明図。
【図19】曲げ成形装置の第四の実施例を示す説明図。
【図20】押し込みローラの種々の変形例を示す断面説
明図。
【図21】曲げローラの種々の変形例を示す断面説明
図。
【図22】曲げ成形装置の第五の実施例を示す説明図。
【図23】押し込みローラのみにより帯状部材を曲げ成
形するときの条件の説明図。
【図24】曲げ成形装置の他の実施例を示す要部破断の
平面説明図。
【図25】同じく押し込みローラ部分から垂直断面した
正面説明図。
【図26】従来の曲げ成形装置の一例を示す説明図。
【図27】従来の曲げ成形装置の他の例を示す説明図。
【図28】図14に対応し、押し込みローラによる押圧
力と曲げ角度との関係を示す他の説明図。
【図29】同じく図14に対応し、押し込みローラによ
る押圧力と曲げ角度との関係を示すさらに他の説明図。
【符号の説明】
1…帯状部材、1a,1b板幅方向の側面、1c,1d
…厚み方向の側面、2…下型、2a…曲げ型部、3…押
し込みローラ、4…押し込みローラ用ホルダ、6…押し
込みローラ用シャフト、7・・・押し込みローラ駆動用の
シリンダ、9…押し込みユニットケーシング、10…曲
げヘッド、11a,11b…ベアリング、12…曲げヘ
ッド駆動用のピニオン、13…ラック駆動用のシリン
ダ、14…ヘッド駆動用のラック、15…上型、20…
シャフト、26…曲げローラ。
フロントページの続き (72)発明者 内沼 善朗 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 小田島 伸也 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面矩形をなす帯状部材を所望の角度で
    曲げ成形する方法において、 A)帯状部材の曲げ部内径側となる一側面を一方の金型
    の曲げ型部に接触させた状態で、帯状部材の厚み方向の
    両面を両金型で挟みつけ、 B)帯状部材を挟み付けた両金型間のギャップに、押し
    込み体を挿入すると共に、該押し込み体の先端を帯状部
    材の曲げ外径側となる他側面に押圧し、 C)その押圧状態時、前記押し込み体を、前記曲げ型部
    を中心として回動し、該曲げ型部の周面に沿い帯状部材
    を所定の角度で曲げ成形することを特徴とする帯状部材
    の曲げ成形方法。
  2. 【請求項2】 断面矩形をなす帯状部材を所望の角度で
    曲げ成形する方法において、 A)帯状部材の曲げ部内径側となる一側面を一方の金型
    の曲げ型部に接触させた状態で、帯状部材の厚み方向の
    両面を両金型で挟みつけ、 B)帯状部材を挟み付けた両金型間のギャップに、押し
    込み体を挿入すると共に、該押し込み体の先端を帯状部
    材の曲げ外径側となる他側面に押圧する一方、 C)帯状部材の曲げ部に対し前記押し込み体より先行し
    た位置に配置された曲げ体を、帯状部材の他側面に接触
    位置決めし、 D)帯状部材の他側面に対する押し込み体の押圧状態と
    曲げ体の接触状態とのままで、押し込み体と曲げ体との
    双方を、前記曲げ型部を中心として回動し、該曲げ型部
    の周面に沿い帯状部材を所定の角度で曲げ成形すること
    を特徴とする帯状部材の曲げ成形方法。
  3. 【請求項3】 前記帯状部材の曲げ成形時、該曲げ成形
    開始時には帯状部材の他側面に対する押し込み体の押圧
    力を最も大きくし、そこから曲げ成形終了時に至るまで
    押し込み体の押圧力を次第に小さく、若しくは段階的に
    減少することを特徴とする請求項1または2に記載の帯
    状部材の成形方法。
  4. 【請求項4】 前記帯状部材の曲げ成形時、該曲げ成形
    開始し時点では帯状部材に対する押し込み体の押圧力を
    増圧することと押し込み量を増加することとの一方を行
    い、その何れか一方のままで曲げ成形を続行し、曲げ成
    形終了時点では帯状部材に対する押し込み体の押圧力を
    減圧することと押し込み量を減少することとの一方を、
    前記曲げ成形開始時に対応して行うことを特徴とする請
    求項1または2に記載の帯状部材の成形方法。
  5. 【請求項5】 断面矩形をなす帯状部材を所望の角度で
    曲げ成形する装置であって、外周が帯状部材の曲げ部と
    同じ曲率をもつと共に該帯状部材の曲げ部内径側となる
    一側面と接する曲げ型部を設けた第一金型と、第一金型
    の曲げ型部内に帯状部材をセットしたとき、その金型と
    共に帯状部材を挟み付ける第二金型と、これら両金型間
    のギャップに対し進退可能に取付けられ、かつ両金型に
    挟み付けられた帯状部材の曲げ部外径側となる他側面を
    押圧する押し込み体と、押し込み体より帯状部材の曲げ
    部末端側の位置に配置され、帯状部材の曲げ部外径側と
    なる他側面に接触する曲げ体と、帯状部材他側面に対し
    押し込み体が押圧状態にあってかつ曲げ体が接触状態に
    あるとき、その押し込み体と曲げ体との双方を、前記曲
    げ型部を中心として回動し、帯状部材を曲げ型部に沿い
    曲げ成形する回動手段とを有することを特徴とする帯状
    部材の曲げ成形装置。
  6. 【請求項6】 断面矩形をなす帯状部材を所望の角度で
    曲げ成形する装置であって、外周が帯状部材の曲げ部と
    同じ曲率をもつと共に該帯状部材の曲げ部内径側となる
    一側面と接する曲げ型部を設けた第一金型と、第一金型
    の曲げ型部内に帯状部材をセットしたとき、その金型と
    共に帯状部材を挟み付ける第二金型と、これら両金型間
    のギャップに対し進退可能に取付けられ、かつ両金型に
    挟み付けられた帯状部材の曲げ部外径側となる他側面を
    押圧する押し込み体と、帯状部材他側面に対し押し込み
    体が押圧状態にあるとき、その押し込み体を、前記曲げ
    型部を中心として回動し、帯状部材を曲げ型部に沿い曲
    げ成形する回動手段とを有することを特徴とする帯状部
    材の曲げ成形装置。
  7. 【請求項7】 前記押し込み体の回動時、その回動角度
    位置に基づき帯状部材の曲げ部外径側の他側面に対する
    押圧力と押し込み量との何れかを制御する制御手段を有
    することを特徴とする請求項5または6に記載の帯状部
    材の曲げ成形装置。
  8. 【請求項8】 前記押し込み体と前記曲げ体との双方
    は、軸周りに回転自在なローラ形状であることを特徴と
    する請求項5または6に記載の帯状部材の曲げ成形装
    置。
  9. 【請求項9】 前記押し込み体は、その中心が曲げ型部
    の中心とこれに接触する帯状部材との接点を結ぶ法線上
    に配置してあることを特徴とする請求項8に記載の帯状
    部材の曲げ成形装置。
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