JPH09314243A - 絞り抜き加工装置及びその加工方法 - Google Patents

絞り抜き加工装置及びその加工方法

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JPH09314243A
JPH09314243A JP8136467A JP13646796A JPH09314243A JP H09314243 A JPH09314243 A JP H09314243A JP 8136467 A JP8136467 A JP 8136467A JP 13646796 A JP13646796 A JP 13646796A JP H09314243 A JPH09314243 A JP H09314243A
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JP
Japan
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work
punching
die
cushion ring
drawing process
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JP8136467A
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English (en)
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Toshitaka Miyaki
利孝 宮木
Shinichi Iwagami
眞市 岩上
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Kanto Jidosha Kogyo KK
Toyota Motor Corp
Toyota Motor East Japan Inc
Original Assignee
Kanto Jidosha Kogyo KK
Toyota Motor Corp
Kanto Auto Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの金型で絞り加工の後に抜き加工を行
う。 【解決手段】 上型1の絞りプロファイル4と下型2の
絞りプロファイル5とが、絞り加工完了時点で少なくと
もワークWの板厚と同量のオーバーラップをなすように
形成する。そして、上下型の絞りプロファイル4、5
に、抜き刃8および9を設けることにより、絞りプロフ
ァイル4、5を抜きプロファイルとしても用いる。加工
手順として、まず、上型1を下降させることによりワー
クWに絞り加工を施す。さらに上型1を下降させて、絞
り加工が完了する直前で抜き刃8、9をオーバーラップ
させて、ワークWを剪断する。抜き加工を施す前は、上
下型により、製品Wm への必要量の素材流入を許容しな
がら、ワーク端部にしわの形成を抑える為の張力を付与
し、製品Wm の成形不良や精度不良を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板材に絞り加工及
び抜き加工を施してプレス製品を得るための加工装置及
びその加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のボデーを構成するパネルは、板
材をプレス加工することによって生産される。ところ
で、外装パネルを加工するための金型は、外装パネル以
上の大きさを要することから、金型に使用される鋼材の
ボリュームは大きくなり、これを駆動するプレス装置も
大型化する。すると、1つの金型のコストやプレス装置
のコストは必然的に高くなる。したがって、必要な製品
形状を得るまでの工程毎に金型を起こすと、全工程にお
ける製造コストは非常に高いものとなる。このため、1
つの金型のコストが多少高くなっても、複数の工程を1
つの金型でまとめて施すことができるようにして、全体
としての金型コストを低減する手法が考えられている。
以下に、抜き加工と絞り加工とを1つの金型で連続して
行うことを可能とした従来例を上げる。
【0003】特開昭59-225831 号公報等には、1つの金
型で、ワークに対して最初に絞り加工を施し、その後に
抜き加工を施す手法が開示されている。また、特開平3-
189018号公報、特開平3-264126号公報等には、1つの金
型で、ワークに対して最初に抜き加工を施し、その後に
絞り加工を施す(この場合には、しわ押さえなしに雄型
と雌型とでプレス成形する)手法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
には以下のような問題点があった。まず、1つの金型
で、ワークに対して最初に絞り加工を施し、その後に抜
き加工を施す手法(特開昭59-225831 号公報)において
は、最初にワークを保持する工程、次に絞り加工を施す
工程、最後に抜き加工を施す工程の各工程を実施するた
めに、夫々独立した動力源を必要とするため、絞り抜き
加工装置の構造が複雑化するものであった。また、夫々
の動力源が順序通りに作動するための制御、および、絞
り加工時にワーク(板材)をストレッチする力の制御も
必要であった。
【0005】また、1つの金型で、ワークに対して最初
に抜き加工を施し、その後に絞り加工を施す手法(特開
平3-189018号公報、特開平3-264126号公報)の場合に
は、絞り加工を施すための上型の下降に伴って、抜き加
工が施されるために、複数の動力源は不要である。よっ
て、複雑な作動制御も不要となる。しかしながら、抜き
加工が施されたワークに対して絞り加工を施すと、製品
面のしわや、エッジ部の割れ等の成形不良を生ずるおそ
れがあり、これを避けるためには、絞り加工の深さを小
さいものに制限する必要があった。また、製品に対する
素材の流入量がばらつく為に、製品の寸法精度も安定し
なくなるおそれがあった。しかも、これらの不具合が発
生した場合でも、金型には見込み修正を施すのみであ
り、より適切な修正を施すことが困難であった。
【0006】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、簡単な型構造で、絞り
深さの制限を受けることなく、絞り加工の後に抜き加工
を行うことを可能とすることにより、製品の成形不良や
精度不良を防止して、プレス製品のコストダウンを図る
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
の本発明に係る手段は、板材からなるワークに、同一の
型によって絞り加工及び抜き加工を連続して施す加工装
置であって、上下型の絞りプロファイルが、絞り加工完
了時点で少なくともワークの板厚と同量のオーバーラッ
プをなすように形成し、該上下型の絞りプロファイルに
抜き刃を設けたことを特徴とする。
【0008】絞り加工の完了直前に、前記上下型の絞り
プロファイル(絞り加工を施す部分の輪郭部)に設けた
抜き刃によって、ワークに抜き加工を施す。このとき、
ワークに抜き加工を施すまでは、上型およびクッション
リングにより、製品への適正な素材流入を許容しなが
ら、製品部にしわの形成を抑える為の張力を付与する。
【0009】本発明においては、前記上下型の抜き刃の
うち、ワーク中心に対して外側に位置する抜き刃の刃先
に、所定の面取り(R付け)加工を施すことが望まし
い。そして、このようにして面取りすることにより、必
要な素材流入を円滑に行い、製品部における割れ等の発
生を防止する。
【0010】また、上記問題を解決するための本発明に
係る手段は、板材からなるワークに、同一の型によって
絞り加工及び抜き加工を連続して施す加工方法であっ
て、上型及びクッションリングでワークを挟持し、該上
型及びクッションリングを下降させて前記ワークを下型
に押圧し絞り加工を行い、絞り加工の完了直前に、前記
上下型の絞りプロファイルに設けた抜き刃をオーバーラ
ップさせて前記ワークに抜き加工を施し、絞り加工およ
び抜き加工を完了することを特徴とする。
【0011】本発明では、絞り加工の完了直前に、上下
型の絞りプロファイルに設けた抜き刃をオーバーラップ
させてワークに抜き加工を施すので、抜き加工を施す以
前では、絞り加工を行う際に、製品に対して必要量の素
材流入を許容することが可能であり、製品にしわ等の成
形不良が発生することを防止する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。従来例と同一部分または相当
する部分についての詳しい説明は省略する。
【0013】図1には、本発明の第1の実施の形態に係
る絞り抜き加工装置によって、ワークWに対する絞り抜
き加工が完了した状態を示している。この絞り抜き加工
装置は、上型1および下型2を有し、下型2はクッショ
ンリング3を有する。そして、上型1の絞りプロファイ
ル4(絞り加工を施す部分の輪郭線)の内側に、下型2
の絞りプロファイル5が入り込むように構成されてい
る。ところで、上型1はスライド6に取付けられ、下型
2はボルスタ7に取付けられている。
【0014】図2には、図1において円Aで囲まれた部
分を拡大して示している。図2から明らかなように、上
下型1、2の絞りプロファイル4、5は、絞り加工完了
時点で、少なくともワークWの板厚tと同量のオーバー
ラップTをなすように形成されている(例えば、オーバ
ーラップT=t+0.5 mm)。そして、この上下型1、2
の絞りプロファイル4、5には、夫々抜き刃8、9を設
けている。さらに、ワーク中心に対して外側に位置する
抜き刃(絞り抜き完了時点で、スクラップWsを挟持す
る方の抜き刃)である、上型1の抜き刃8の刃先10を面
取り加工している。この面取り形状は、後述する絞り抜
き加工工程において、製品Wm に対する素材流入を円滑
に行う為に設けられている。なお、刃先10の面取り形状
の決定方法については、後述する。なお、Lは抜き加工
完了後の素材流入量を示しているが、ごく微量である。
【0015】ここで、図1に示す絞り抜き加工装置によ
って、ワークに絞り抜き加工を施す工程を、図3ないし
図7に示して説明する。本発明の第1の実施の形態で
は、上型1及びクッションリング3でワークWを挟持
し、上型1及びクッションリング3を下降させることの
みによって、ワークWを下型2に押圧し絞り加工を施
す、いわゆるシングルアクション絞りを実施する。
【0016】図3には、絞り抜き加工の第1工程を示し
ている。この工程では、まずクッションリング3の上面
を下型2の上面と同一高さまで上昇させ、下型2および
クッションリング3の上に、板材からなるワークWを載
置する。そして、スライド6を駆動して、上型1を下降
させる。
【0017】図4には、絞り抜き加工の第2工程を示し
ている。上型1を下降させて、ワークWに当接させる。
そして、上型1とクッションリング3とでワークWを挟
持する。このとき、ワークWを挟持する力は、後述する
第3工程以降の絞り加工において、ワークWに適当な張
力を付与し、かつ、適量の素材流入を許容する大きさと
する。
【0018】図5には、絞り抜き加工の第3工程を示し
ている。第3工程では、さらに上型1の下降を続けてク
ッションリング3を押し下げ、ワークWに絞り加工を施
していく。このとき、ワークWの上型1およびクッショ
ンリング3によって挟持された部分には、ワークWの絞
り加工が施される部分にしわが形成されないように、上
型1およびクッションリング3によって適当な張力が付
与されており、かつ、ワークWを完全に固定せずに適量
の素材流入も許容するので、ワークWの中心方向(ワー
クWが下型2の上面と接する方向)に素材(ワークWの
端部)を流入させる。
【0019】図6には、絞り抜き加工の第4工程を示し
ている。第4工程は、絞り加工の完了直前状態であり、
かつ、抜き加工の開始直前状態でもある。このときワー
クWは、上型1の絞りプロファイル4(図2参照)に設
けた抜き刃8と、下型2の絞りプロファイル5(図2参
照)に設けた抜き刃9とで挟持された状態にある。この
状態で、さらに上型1を下降させると、2つの抜き刃
8、9はオーバーラップし、ワークWは剪断される。
【0020】図7には、絞り抜き加工の第5工程を示し
ている。第5工程では、スライド6が下降下死点まで移
動し、絞り加工および抜き加工が同時に終了する。そし
て、ワークWは、所定の形状に絞り抜き加工が施された
製品Wm と、スクラップWsとに分割される。なお図7
に示す状態は、図1および図2に示す状態と同一であ
る。
【0021】ところで、絞り抜き加工の第3工程(図
5)から、第5工程(図7)に至る間は、ワークWの上
型1およびクッションリング3によって挟持された部分
は、素材流入によって徐々にワーク中心に向けて引っ張
り込まれる。このとき、図8に示すように、ワークWは
上型1の抜き刃8を擦るようにして素材流入を生ずる。
よって、抜き刃8の刃先10は素材流入を円滑に行う為
に、面取りがなされている。このときの面取り形状につ
いては、ワークWが抜き刃8の下面に対してなす角度θ
によって決定されるものであり、角度θの値が大きくな
るほど、面取り量を大きくする必要がある。
【0022】上記構成をなす本発明の第1の実施の形態
から得られる作用効果は、以下の通りである。本実施の
形態では、絞り加工完了時点で、少なくともワークWの
板厚tと同量のオーバーラップTをなすように、しか
も、上型1の絞りプロファイル4の内側に、下型2の絞
りプロファイル5が入り込むように金型を構成してい
る。さらに、絞りプロファイル4、5には抜き刃8、9
を設けている。これにより、絞りプロファイル4、5が
抜きプロファイル(抜き加工を施す部分の輪郭線)とし
ても作用することになる。よって、スライド6を作動さ
せて上型1を下降させることにより、ワークWに絞り加
工を施し、さらに上型1を下降させて絞り加工が完了す
る直前で、抜き刃8、9によってワークWの剪断を開始
し、上型1(すなわちスライド6)が下降下死点に到達
した時点で、絞り加工および抜き加工を終了させること
ができる。
【0023】この加工工程において、最初に上型1及び
クッションリング3でワークWを挟持し絞り加工を進行
するので、ワークWの上型1およびクッションリング3
によって挟持された部分は、ワークWの絞り加工が施さ
れる部分にしわが形成されないように張力を付与し、か
つ、ワークWを完全に固定せずに適量の素材流入を許容
して、ワークの中心方向に向けて素材を無理なく流入さ
せる。よって、製品端部でのしわの発生を防ぎ、製品の
寸法精度も安定させることができる。
【0024】また、ワークWに絞り加工を施す際には、
ワークWは上型1の抜き刃8の刃先10を擦るようにして
素材流入を生ずる。そこで本実施の形態では、上型1の
抜き刃8の刃先10に面取り加工を施しているので、素材
流入を円滑に行うことが可能であり、製品に対する素材
の流入量が安定し、割れ等の成形不良や精度不良を防止
することができる。
【0025】本発明の第1の実施の形態においては、い
わゆるシングルアクション絞りを行い、絞り工程完了直
前に、上下型1、2の絞りプロファイル4、5に設けた
抜き刃8、9が、上下にオーバーラップすることによっ
て抜き加工を施すので、金型の駆動に必要な動力源は上
型1(すなわちスライド6)及びクッションリング3の
昇降に係るものだけとなる。
【0026】次に、本発明の第2の実施の形態を、図9
ないし図15に示して説明する。第2の実施の形態におい
て、第1の実施の形態と同一部分または相当する部分に
ついては、同一符号で示し詳しい説明は省略する。
【0027】図9には、本発明の第2の実施の形態に係
る絞り抜き加工装置によって、ワークWに対する絞り抜
き加工が完了した状態を示している。この絞り抜き加工
装置は、上型1および下型2を有し、下型2はクッショ
ンリング3を有する。ところで、上型1のクッションリ
ング3と対向する部分には、バネ等の弾性体11を介して
パット12が設けられている。なお、弾性体11の弾性力の
設定については後述する。また、第2の実施の形態で
は、下型2の一部であるクッションリング3の輪郭線を
下型2の絞りプロファイル14として用いる。そして、絞
りプロファイル14の内側に、上型1の絞りプロファイル
13が入り込むように構成している。
【0028】図10には、図9において円Bで囲まれた部
分を拡大して示している。図10から明らかなように、上
型1の絞りプロファイル13およびクッションリング3の
絞りプロファイル14は、絞り加工完了時点で少なくとも
ワークWの板厚tと同量のオーバーラップTをなすよう
に形成されている。そして、この上型1の絞りプロファ
イル13およびクッションリング3の絞りプロファイル14
には、夫々抜き刃15、16を設けている。さらに、ワーク
中心に対して外側に位置する抜き刃(絞り抜き完了時点
で、スクラップWs を挟持する方の抜き刃)である、ク
ッションリング3の抜き刃16の刃先17に面取り加工を施
している。この面取り加工を施す理由は、第1の実施の
形態において抜き刃8の刃先10に面取り加工を施した場
合と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0029】ここで、図9に示す絞り抜き加工装置によ
って、ワークに絞り抜き加工を施す工程を、図11ないし
図15に示して説明する。本発明の第2の実施の形態にお
いては、パット12及びクッションリング3でワークWを
挟持し、上型1及びクッションリング3を下降させるこ
とのみによって、ワークWを下型2に押圧し絞り加工を
施す、いわゆるシングルアクション絞りを実施する。
【0030】図11には、絞り抜き加工の第1工程を示し
ている。この工程では、まずクッションリング3の上面
を下型2の上面と同一高さまで上昇させ、下型2および
クッションリング3の上に、板材からなるワークWを載
置する。ところで、パット12の下面は、弾性体11の弾性
力によって上型1の下面と同一面をなすように支持され
ている。この状態で、スライド6を駆動して上型1を下
降させる。
【0031】図12には、絞り抜き加工の第2工程を示し
ている。上型1を下降させて、ワークWに当接させる。
そして、パット12およびクッションリング3でワークW
を挟持する。ところで、クッションリング3を押し下げ
るパット12の押圧力は、弾性体11によって付与する必要
があるので、弾性体11の弾性力は、絞り加工の際にクッ
ションリング3を押し下げるために必要な力よりも大き
くなるように設定する。
【0032】図13には、絞り抜き加工の第3工程を示し
ている。第3工程では、さらに上型1の下降を続け、弾
性体11の弾性力によってパット12を介してクッションリ
ング3を押し下げ、ワークWに絞り加工を施していく。
このとき、ワークWのパット12およびクッションリング
3に挟持された部分には、ワークWの絞り加工を施され
る部分にしわが形成されないように、パット12およびク
ッションリング3によって、適当な張力が付与されてお
り、かつ、ワークWを完全に固定せずに、適量の素材流
入も許容し、ワークの中心方向(下型2の上面と接する
方向)へ素材(ワークWの端部)を流入させる。
【0033】図14には、絞り抜き加工の第4工程を示し
ている。第4工程は、絞り加工の完了直前状態であり、
かつ、抜き加工の開始直前状態でもある。このとき、ク
ッションリング3は下降下死点に到達するが、上型1
(すなわちスライド6)は、下降下死点に達するまで
に、図10に示すオーバーラップTの分だけ余裕がある状
態となっている。このとき、上型1がさらに下降するた
めには、弾性体11を押し縮めて、パット12の下面を上型
1の下面より上方に変位させる必要がある。また、この
状態でワークWは、上型1の絞りプロファイル13(図10
参照)に設けた抜き刃15と、クッションリング3の絞り
プロファイル14(図10参照)に設けた抜き刃16とで挟持
された状態にある。ここで、さらにスライド6を下降さ
せると、スライド6の推力に弾性体11の弾性力が負け
て、パット12は上型1の内部に押し込まれていく。そし
て、2つの抜き刃15、16がオーバーラップし、ワークW
は剪断される。
【0034】図15には、絞り抜き加工の第5工程を示し
ている。第5工程では、スライド6が下降下死点まで移
動し、絞り加工および抜き加工が同時に終了する。そし
て、ワークWは、所定の形状に絞り抜き加工が施された
製品Wm と、スクラップWsとに分割される。なお、図1
5に示す状態は、図9および図10に示す状態と同一であ
る。
【0035】ところで、ワークWに抜き加工を施すため
の、第3工程(図13)から第5工程(図15)の間では、
ワークWのパット12およびクッションリング3によって
挟持された部分は、素材流入によって徐々にワーク中心
に向けて引っ張り込まれる。そして抜き加工の直前で
は、図16に示すように、ワークWはクッションリング3
の抜き刃16を擦るようにして素材流入を生ずる。そこ
で、第1の実施の形態における抜き刃8の刃先10と同様
に、抜き刃16の刃先17には面取り加工を施し、素材流入
を円滑に行うことを可能としている。
【0036】上記構成をなす第2の実施の形態から得ら
れる作用効果は、以下の通りである。本実施の形態で
は、下型2の一部であるクッションリング3の絞りプロ
ファイル14の内側に、上型1の絞りプロファイル13が入
り込むように構成し、しかも絞りプロファイル13および
絞りプロファイル14の夫々には、抜き刃15、16を設けて
いる。すなわち、絞りプロファイル13、14が抜きプロフ
ァイルとしても作用することになる。そして、上型1の
クッションリング3と対向する部分には、バネ等の弾性
体11を介してパット12を設け、弾性体11の弾性力は、絞
り加工の際にクッションリング3を押し下げるために必
要な力よりも大きくなるように設定している。したがっ
て、クッションリング3が下降下死点に到達するまで
は、パット12によってクッションリング3を押し下げ、
ワークWに絞り加工を施すことができる。
【0037】さらに、クッションリング3が下降下死点
に到達した時点では、上型1(すなわちスライド6)の
下降下死点までにオーバーラップTの分だけの余裕があ
るので、上型1が下降下死点に至るまでの間は、弾性体
11が押し縮められ、上型1の抜き刃15とクッションリン
グ3の抜き刃16とが上下にオーバーラップし、ワークW
を剪断する。そして、上型1が下降下死点に到達した時
点で、絞り加工および抜き加工を終了させることができ
る。
【0038】この加工工程において、最初にパット12お
よびクッションリング3でワークWを挟持し絞り加工を
進行するので、ワークWのパット12およびクッションリ
ング3によって挟持された部分は、ワークWの絞り加工
が施される部分にしわが形成されないように張力を付与
し、かつ、ワークWを完全に固定せずに、適量の素材流
入を許容して、ワークの中心方向に素材を無理なく流入
させる。よって、製品に対する素材の流入量が安定し、
製品の寸法精度も安定する。
【0039】また、ワークWに絞り加工を施す際には、
ワークWはクッションリング3の抜き刃16の刃先17を擦
るようにして素材流入を生ずるので、本実施の形態では
刃先17に面取り加工を施し、素材流入を円滑に行うこと
を可能としている。よって、製品に対する素材の流入量
が安定し、製品の成形不良や精度不良を防止することが
できる。
【0040】しかも、本発明の第2の実施の形態におい
ては、シングルアクション絞りを行い、絞り工程完了直
前に、上型1の絞りプロファイル13と、パット12の絞り
プロファイル14とに設けた抜き刃15、16がオーバーラッ
プすることによって抜き加工を施すので、金型の駆動に
必要な動力源は、上型1(すなわちスライド6)及びク
ッションリング3の昇降に係るものだけとなる。
【0041】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。本発明においては、上下型の絞
りプロファイルが、絞り加工完了時点で少なくともワー
クの板厚と同量のオーバーラップをなすように形成し、
該上下型の絞りプロファイルに抜き刃を設けることによ
って、前記上下型の絞りプロファイルが、抜きプロファ
イルとしても作用し、絞り加工完了直前に、ワークに抜
き加工を施すことができる。よって、ワークに抜き加工
を施す前までは、上下型により、製品への必要量の素材
流入を許容しながら、ワークにしわの形成を抑える為の
張力を付与することが可能となり、製品の成形不良や精
度不良を防止することができる。なお、ワークに絞り加
工を施す間に、ワークに適当な張力を付与する手段とし
ては、上下型の端部によりワークを挟持するだけでな
く、別体のワーク保持装置を用いることも可能である。
【0042】また、本発明においては、前記上下型の抜
き刃のうち、ワーク中心に対して外側に位置する抜き刃
の刃先に、所定の面取り加工を施すことによって、切断
される製品への素材流入を円滑に行い、製品部における
割れ等の発生を防止することができる。
【0043】本発明では上型及びクッションリングでワ
ークを挟持し、該上型及びクッションリングを下降させ
て、前記ワークを下型に押圧し絞り加工を施すシングル
アクション絞りにおいて、絞り加工の完了直前に、上下
型の絞りプロファイルに設けた抜き刃によってワークに
抜き加工を施している。よって、抜き加工を施す以前で
は、絞り加工を行う際に、製品に対して必要量の素材流
入を許容し、製品に割れ等の成形不良が発生することを
防止する。よって従来の、1つの金型でワークに対して
最初に抜き加工を施し、その後に絞り加工を施す手法の
ように、絞り加工の深さが制限される不具合がなくな
り、さまざまな製品形状に対応することができる。そし
て、良品を安定して生産することが可能となり、プレス
製品のコストを低減することができる。
【0044】また、金型の駆動に必要な動力源は上型及
びクッションリングの昇降に係るものだけとなる。よっ
て、従来の1つの金型で、ワークに対して最初に絞り加
工を施し、その後に抜き加工を施す手法のように、複数
の動力源を必要とせず、作動制御も必要ないので、絞り
抜き加工装置のコストダウンを図ることが可能となる。
また、絞り加工と抜き加工とを1つの金型で行うので、
工程間のワークの移動の必要がなく、抜き精度のばらつ
きをなくし、安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る絞り抜き加工
装置において、ワークWに対する絞り抜き加工が完了し
た状態を示す摸式図である。
【図2】図1の円Aで囲まれた部分の拡大図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る絞り抜き加工
装置による、絞り抜き加工工程の第1工程を示す摸式図
である。
【図4】図3に続く、絞り抜き加工工程の第2工程を示
す摸式図である。
【図5】図4に続く、絞り抜き加工工程の第3工程を示
す摸式図である。
【図6】図5に続く、絞り抜き加工工程の第4工程を示
す摸式図である。
【図7】図6に続く、絞り抜き加工工程の第5工程を示
す摸式図である。
【図8】ワークに絞り加工を施す際の、ワークと抜き刃
との関係を示す摸式図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る絞り抜き加工
装置において、ワークWに対する絞り抜き加工が完了し
た状態を示す摸式図である。
【図10】図9の円Bで囲まれた部分の拡大図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る絞り抜き加
工装置による、絞り抜き加工工程の第1工程を示す摸式
図である。
【図12】図11に続く、絞り抜き加工工程の第2工程
を示す摸式図である。
【図13】図12に続く、絞り抜き加工工程の第3工程
を示す摸式図である。
【図14】図13に続く、絞り抜き加工工程の第4工程
を示す摸式図である。
【図15】図14に続く、絞り抜き加工工程の第5工程
を示す摸式図である。
【図16】ワークに絞り加工を施す際の、ワークと抜き
刃との関係を示す摸式図である。
【符号の説明】
1 上型 2 下型 3 クッションリング 4 絞りプロファイル 5 抜きプロファイル 8 抜き刃 9 抜き刃 10 刃先 W ワーク Wm 製品 Ws スクラップ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板材からなるワークに、同一の型によっ
    て絞り加工及び抜き加工を連続して施す加工装置であっ
    て、上下型の絞りプロファイルが、絞り加工完了時点で
    少なくともワークの板厚と同量のオーバーラップをなす
    ように形成し、該上下型の絞りプロファイルに抜き刃を
    設けたことを特徴とする絞り抜き加工装置。
  2. 【請求項2】 前記上下型の抜き刃のうち、ワーク中心
    に対して外側に位置する抜き刃の刃先に、所定の面取り
    加工を施したことを特徴とする請求項1に記載の絞り抜
    き加工装置。
  3. 【請求項3】 板材からなるワークに、同一の型によっ
    て絞り加工及び抜き加工を連続して施す加工方法であっ
    て、上型及びクッションリングでワークを挟持し、該上
    型及びクッションリングを下降させて前記ワークを下型
    に押圧し絞り加工を行い、絞り加工の完了直前に、前記
    上下型の絞りプロファイルに設けた抜き刃をオーバーラ
    ップさせて前記ワークに抜き加工を施し、絞り加工およ
    び抜き加工を完了する絞り抜き加工方法。
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