JPH11191532A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JPH11191532A
JPH11191532A JP10296277A JP29627798A JPH11191532A JP H11191532 A JPH11191532 A JP H11191532A JP 10296277 A JP10296277 A JP 10296277A JP 29627798 A JP29627798 A JP 29627798A JP H11191532 A JPH11191532 A JP H11191532A
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projection optical
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70325Resolution enhancement techniques not otherwise provided for, e.g. darkfield imaging, interfering beams, spatial frequency multiplication, nearfield lenses or solid immersion lenses
    • G03F7/70333Focus drilling, i.e. increase in depth of focus for exposure by modulating focus during exposure [FLEX]

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンタクトホールパターンの投影露光時の焦
点深度を拡大する。 【構成】 投影光学系PLの瞳面の中心円形領域を通過
する結像光束LFaとその周辺の輪帯状領域を通過する
結像光束LFbとの偏光状態を互いに異ならせる偏光
板、1/2波長板、1/4波長板、又は旋光物質を瞳面
に配置することにより、少なくとも2つの結像光束(L
Fa、LFb)をインコヒーレントな状態に変換するS
FINCS法を適用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体集積回路、液晶デ
ィスプレイ等の微細パターンの形成に用いる投影型露光
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の投影型露光装置に使われている
投影光学系は、硝材の超精密加工、及び精密な組立て調
整をへて装置内に組み込まれる。現在、半導体製造工程
では水銀ランプのi線(波長365nm)を照明光とし
てレチクル(マスク)を照射し、そのレチクル上の回路
パターンの透過光を投影光学系を介して感光基板(ウェ
ハ等)上に結像するステッパーが主に使われている。ま
た評価用、あるいは研究用としてエキシマレーザ(波長
248nmのKrFレーザ)を照明光とするエキシマス
テッパーも使われている。エキシマステッパー用の投影
光学系は屈折レンズのみで構成した場合、使用できる硝
材が石英やホタル石等に限定される。
【0003】一般に、投影光学系を用いた露光によって
微細なレチクルパターンを感光基板へ忠実に転写するた
めには、投影光学系の解像力と焦点深度(DOF:デプ
スオブフォーカス)とが重要なファクタとなっている。
現在実用化されている投影光学系のうち、i線用のもの
で開口数(NA)として0.6程度のものが得られてい
る。使用する照明光の波長が同じであるとき、投影光学
系の開口数を大きくすると、それに応じて解像力も向上
する。しかしながら焦点深度(DOF)は開口数NAの
増大に伴って減少する。焦点深度は照明光の波長をλと
したとき、DOF=±λ/NA2 によって定義される。
【0004】図1は従来の投影光学系の結像光路を模式
的に表したものであり、投影光学系は前群のレンズ系G
Aと後群のレンズ系GBとによって構成される。この種
の投影光学系はレチクルR側とウェハW側との両方をテ
レセントリックにしたもの、あるいはウェハW側のみを
テレセントリックにしたものが一般的である。さて、図
1においてレチクルRのパターン面(投影光学系の物体
面)上に任意の3つの点A、B、Cを想定する。点Aか
ら様々の方向に進む光線L1 、L2 、L3 、La、L
a’、La”のうち、光線L1 は投影光学系のレンズ系
GAに入射できないような角度で発生する。また、前群
のレンズ系GAに入射した光線のうち、光線L2 、L3
は投影光学系内のフーリエ変換面FTPに位置する瞳e
pを通過することができない。そして他の光線La、L
a’、La”は瞳epを通過して後群のレンズ系GBに
入射し、ウェハWの表面(投影光学系の瞳面)上の点
A’に収斂する。従って、レチクルR上の点Aから発生
した光線のうち、投影光学系の瞳ep(光軸AXを中心
とする円形領域)を通過した光線が点A’に点像を結像
するのに寄与する。ここで点Aから点A’に向う光線の
うち瞳epの中心点CC(光軸AXの位置)を通る光線
Laを主光線と呼び、この主光線Laは両側がテレセン
トリックな投影光学系の場合、物体面側、像面側の夫々
の空間で光軸AXと平行になっている。
【0005】またレチクルR上の他の点B、Cの夫々か
ら発生した光線についても全く同じであり、瞳epを通
過する光線のみが点像B’、C’の結像に寄与する。同
様に点B、Cの夫々から光軸AXと平行に進んでレンズ
系GAに入射する光線Lb、Lcは、いずれも瞳epの
中心点CCを通る主光線となる。このように瞳epはレ
チクルRのパターン面とウェハWの表面との夫々に対し
てフーリエ変換、及び逆フーリエ変換の関係にあり、レ
チクル上のパターンからの光線のうち結像に寄与する光
線は全て瞳epを重畳して通ることになる。
【0006】このような投影光学系の開口数は一般にウ
ェハ側の値として表されている。図1において、点像
A’の結像に寄与する光線のうち、瞳ep内の最外部を
通る光線La’、La”がウェハW上で主光線Laと成
す角度θwが、この投影光学系のウェハ(像面)側での
開口数NAW に相当し、NAw=sinθwで表され
る。従って光線La’、La”がレチクルR側で主光線
Laと成す角度θrは、レチクル(物体面)側での開口
数NArと呼ばれ、NAr=sinθrで表される。さ
らに投影光学系の結像倍率を1/M(1/5縮小の場合
はM=5)とすると、M・NAr=NAwの関係にあ
る。
【0007】ところで解像力を高めるためには、開口数
NAw(NAr)を大きくする訳であるが、このことは
換言すれば瞳epの径を大きくすること、さらにレンズ
系GA、GBの有効径を大きくすることに他ならない。
ところが、焦点深度DOFの方は開口数NAwの2乗に
反比例して減少してしまうため、例え高開口数の投影光
学系が製造できたとしても、必要な焦点深度が得られな
いことになり、実用上の大きな障害となる。
【0008】照明光の波長をi線の365nmとし、開
口数NAwを0.6とすると、焦点深度DOFは幅で約
1μm(±0.5μm)になってしまい、ウェハW上の
1つのショット領域(20mm角〜30mm角程度)内
で表面の凹凸や湾曲がDOF以上の部分については解像
不良を起こすことになる。またステッパーのシステム上
でも、ウェハWのショット領域毎のフォーカス合わせ、
レベリング等を格段に高精度に行う必要が生じ、メカ
系、電気系、ソフトウェアの負担(計測分解能、サーボ
制御精度、設定時間等の向上努力)が増大することにな
る。
【0009】そこで本件出願人は、このような投影光学
系の諸問題を解決し、しかも特公昭62−50811号
公報に開示されているような位相シフトレチクルを使わ
なくとも、高い解像力と大きな焦点深度との両方を得る
ことができる新たな投影露光技術を、特開平4−101
148号公報、特開平4−225358号公報等で提案
した。この露光技術は、投影光学系は既存のままで、レ
チクルへの照明方法を特殊な形体に制御することで見か
け上の解像力と焦点深度とを増大させるものであり、S
HRINC(Super High Resoluti
on by IllumiNation Contro
l)法と呼んでいる。このSHRINC法は、レチクル
R上のライン・アンド・スペースパターン(L&Sパタ
ーン)のピッチ方向に対称的に傾斜した2つの照明光
(又は4つの照明光)をレチクルへ照射し、L&Sパタ
ーンから発生する0次回折光成分と±1次回折光成分の
一方とを、投影光学系の瞳ep内で中心点CCに関して
対称的に通し、2光束干渉(一方の1次回折光と0次回
折光との干渉)の原理を利用して、L&Sパターンの投
影像(干渉縞)を生成するものである。
【0010】このように2光束干渉を利用した結像によ
ると、デフォーカス時の波面収差の発生が従来の方法
(通常の垂直照明)の場合よりも押さえられるため、見
かけ上焦点深度が大きくなるのである。ところが、この
SHRINC法はレチクルR上に形成されるパターンが
L&Sパターン(格子)のように、周期構造を持つとき
に所期の効果が得られるのであり、コンタクトホール等
の孤立したパターンに対してはその効果が得られない。
一般に、孤立した微小パターンの場合、そこからの回折
光は回折角についてほとんど一様なフランフォーファ回
折として発生し、投影光学系の瞳ep内では0次回折光
と高次回折光とに明確に分離せずに、ほぼ一様に分布す
る。
【0011】そこでコンタクトホール等の孤立パターン
に対して見かけ上の焦点深度を拡大させる露光方法とし
て、ウェハWの1つのショット領域に対する露光を複数
回に分け、各露光の間にウェハWを光軸方向に一定量だ
け移動させる方法が、例えば特開昭63−42122号
公報で提案された。この露光方法はFLEX(Focu
s Latitude enhancement EX
posure)法と呼ばれ、コンタクトホール等の孤立
パターンに対しては十分な焦点深度拡大効果を得ること
ができる。ただしFLEX法は、わずかにデフォーカス
したコンタクトホール像を多重露光することを必須とす
るため、現像後に得られるレジスト像は必然的に鮮鋭度
が低下したものとなる。この鮮鋭度低下(プロファイル
悪化)の問題は、ガンマ値が高いレジストを用いたり、
多層レジストを用いたり、あるいはCEL(Contr
ast Enhancement Layer)を用い
たりすることで補うことができる。
【0012】またFLEX法のように露光動作中にウェ
ハWを光軸方向に移動させなくても、コンタクトホール
パターンの投影時の焦点深度を拡大する試みとして、1
991年春季応用物理学会の予稿集29a−ZC−8,
9で発表されたSuper−FLEX法も知られてい
る。このSuper FLEX法は、投影光学系の瞳e
pに透明な位相板を設け、この位相板によって結像光に
与えられる複素振幅透過率が光軸AXから周辺に向かっ
て順次変化するような特性を持たせたものである。この
ようにすると、投影光学系によって結像された像はベス
トフォーカス面(レチクルRと共役な面)を中心に光軸
方向に一定の幅(従来よりは広い)でシャープさを保つ
ことになり、焦点深度が増大するのである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上で述べた各種従来
技術のうち、FLEX法、及びSuper FLEX法
では、孤立的なコンタクトホールパターンに対して十分
な焦点深度の増大効果を得ることができる。しかしなが
ら、ある程度接近した複数のコンタクトホールパターン
では、両方法共にホール間のフォトレジストに不要な膜
べりを生じさせてしまい、事実上使用することが困難に
なることがわかった。
【0014】さらに、FLEX法では、孤立的なコンタ
クトホールパターンについてもその像(多重露光で得ら
れる合成光学像)のシャープネスを必然的に悪化させる
ために、焦点深度は増大しても露光量裕度が減少すると
いう問題もある。また露光作業中にウェハを光軸方向に
連続的に移動又は振動する方式のFLEX法では走査露
光方式の露光装置への適用が難しく、また露光を第1の
露光と第2の露光に分割し、各露光動作の間の非露光期
間中にウェハを光軸方向に一定量だけ移動させておく方
式では、処理能力の低下が大きく、スループットが著し
く低下するという問題がある。
【0015】そこで本発明は、コンタクトホール等の孤
立したパターンの投影露光の際に、焦点深度を拡大した
投影露光装置を得ることを目的とし、特に比較的接近し
た複数の孤立パターンに対しても転写忠実度を損なうこ
となく焦点深度拡大効果が得られる装置を提供すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記問題点の解決の為に
本発明では 微細なパターンが形成されたマスク(レチ
クルR)を露光用の照明光で照射する照明手段(1〜1
4)と、マスクのパターンから発生した光を入射してパ
ターンの像を感応基板(ウェハW)上に結像投影する投
影光学系(PL)とを備えた投影露光装置において、マ
スクと感応基板との間の結像光路内のフーリエ変換面
(FTP)、又はその近傍面に配置され、フーリエ変換
面上、又はその近傍面上の投影光学系の光軸を中心とす
る円形領域(FA)内に分布する結像光(LFa)とそ
の外側の領域(FB)に分布する結像光(LFb)との
間の干渉性を低減させる干渉性低減部材(CCM)を設
けるようにし、さらにマスクへの照明光のコヒーレンス
ファクター(σ値:照明光束の開口数と投影光学系のマ
スク側開口数との比)を0.5程度以上にした照明光学
系を用いるようにした。
【0017】また、干渉性低減部材(CCM)を設けた
投影光学系を用いるとともに、照明手段内に生成される
投影光学系のフーリエ変換面と共役な光源像面に、輪帯
状の光源像を形成する手段(82)を設けたり、あるい
はSHRINC法と同様に、その光源像面に互いに離間
した複数の光源像を形成する手段(83、84)を設け
たりした。
【0018】
【作用】本発明においては、レチクルパターン面に対し
て、光学的にフーリエ変換の関係となる投影光学系内の
面(以後瞳面と略す)、又はその近傍面に干渉性低減部
材を設け、その瞳面内で円形または輪帯状に分布する結
像光の一部と、それ以外の部分に分布する結像光とを互
いに干渉し合わない状態とする。この結果レチクルパタ
ーン中の、特にコンタクトホールパターンを透過、回折
した露光光束(結像光)は瞳面内で干渉し合わない2つ
の光束に空間的に分割され、ウェハ等の被露光体に到達
する。ウェハ上でも2つの光束は干渉し合わない(イン
コヒーレントである)ために、それぞれの光束が作り出
す像(コンタクトホールの像)の光量上での強度合成像
が得られる。従来の露光方式ではレチクル上の微小コン
タクトホールパターンを透過、回折した光束は投影光学
系を経てウェハ面に達すると、ここですべて振幅的に合
成(コヒーレント加算)されてレチクルパターンの像
(光学像)を形成していた。従来のSuper−FLE
X法においても、瞳面に分布する結像光を部分的に位相
シフトさせているだけなので、コヒーレント加算である
ことに変わりはない。
【0019】さて、投影光学系の瞳面に位相シフト板等
がないものとすると、ベストフォーカス(合焦状態)で
は、レチクル上の任意の1点からウェハ上の対応する像
点までの光路長は投影光学系中のどこの光線路を通るか
にかかわらずすべて等しく(フェルマーの原理)、従っ
てウェハ上の振幅合成は位相差のない光の合成となり、
すべてコンタクトホールパターンの強度を増大する方向
に作用する。
【0020】ところがウェハがデフォーカスすると、上
記の光路長は投影光学系内の光線路によって異なった長
さとなる。この結果上記の振幅合成は光路差(位相差)
を有する光の加算となり、一部で相殺効果が生じ、コン
タクトホールパターンの中心強度を弱めることになる。
このとき生じる光路差はウェハ上の1つの像点に入射す
る任意の光線の入射角をθとし、かつウェハに垂直に入
射する光線(主光線)の光路長を基準(=0)とする
と、ほぼ1/2(ΔF・sin2 θ)と表される。ここ
でΔFはデフォーカス量を表す。sinθの最大値は投
影光学系のウェハ側の開口数NAwであるから、従来の
如く微小ホールパターンからの回折光のうち瞳epを通
過したすべての光がウェハ上で振幅合成される場合、最
大で1/2(ΔF・NAw2 )の光路差を生じてしまう
ことになる。このとき焦点深度としてλ/4の光路差ま
でを許容すると仮定すれば、以下の関係が成り立つ。
【0021】1/2(ΔF・NAw2 )=λ/4 この式をまとめ直すと、ΔF=λ/(2NAw2 )とな
って一般に言われる焦点深度幅と一致する。例えば露光
用照明光波長として現在使われているi線(波長0.3
65μm)を前提とし、開口数としてNAw=0.50
を想定すると、焦点深度±ΔF/2は±0.73μmと
なり、ウェハ上のプロセス段差1μm程度に対してほと
んど余裕のない値となっている。
【0022】一方、本発明では図2に示すように、投影
光学系の瞳面(FTP)に干渉性低減部材CCMを設け
る。このとき、レチクルRのパターン面に形成された孤
立パターンPrで回折した結像光束(主光線はLLp)
は投影光学系PLの前群レンズ系GAに入射した後、フ
ーリエ変換面FTPに達する。そしてフーリエ変換面F
TPにおいて、瞳面ep内の中心部の円形状透過部分F
Aと輪帯状の透過部FBとの夫々を透過する光束が互い
に干渉し合わない状態に制御(変換)される。このため
ウェハW上では干渉性低減部材CCMの円形状の透過部
FAを透過した光束LFaと周辺の透過部FBを通過し
た光束LFbは干渉を起こさない。その結果、円形の透
過部FAからの光束LFaと周辺部FBからの光束LF
bはそれぞれ独立して自分自身のみで干渉し合い、それ
ぞれホールパターンの像(強度分布)Pr’を形成す
る。すなわち光束LFaのみの干渉によってウェハW上
に生成される像と、光束LFbのみの干渉によって生成
される像とを、単純に強度的に加算したものが、本発明
によって得られるコンタクトホール等の孤立パターンの
像Pr’となる。
【0023】尚、レチクルRへの照明光ILBは従来と
同様に一定の開口数sinψ/2をもつものでよい。た
だし投影光学系PLのレチクル側の開口数NArに対し
ては、NAr>sinψ/2の条件に設定される。そこ
で、本発明における結像原理を、さらに図3を参照して
説明する。図3は干渉性低減部材CCMの構造と、コン
タクトホールの像Pr’を生成する結像光束の様子と、
デフォーカス時の各光束の光路差ΔZとの各関係を模式
的に示したものである。
【0024】図3(A)の如く中心部を通る光束LFa
内での振幅合成では、光束LFaが垂直入射光(主光線
LLp)から入射角度θ1 までの角度範囲を含むから、
デフォーカス量がΔFの時の光路差の最大値ΔZ1 はΔ
Z1 =1/2(ΔF・sin2 θ1 )となる。尚、図3
の最下段のグラフの横軸は入射角の正弦を表し、sin
θ1 =NA1 とする。一方、図3(B)の如く周辺部を
通る光束LFb内での振幅合成では、光束LFbが入射
角度θ1 から開口数NAw(sinθw)までの入射角
度範囲を有するので、デフォーカス量がΔFの時の最大
光路長差ΔZ2 は、ΔZ2 =1/2(ΔF)(NAw2
−sin2 θ1 )となる。
【0025】第1の光束LFaと第2の光束LFbは互
いには干渉し合わないので、光束LFaのみの干渉によ
る像Pr'1と、光束LFbのみの干渉による像Pr'2の
劣化は、各光束内での光路長差ΔZ1 、ΔZ2 のみに起
因する。例えば、sin2 θ1 =1/2(NAw2 )で
あるようにsinθ1 を設定する、すなわち 2sin2 θ1 =NAw2 の関係をほぼ満たすように第1の透過部FAの半径を設
定すると、第1の光束LFaによる最大光路差ΔZ1
と、第2の光束LFbによる最大光路差ΔZ2 はそれぞ
れ以下のようになる。
【0026】ΔZ1 =1/2(ΔF・sin2 θ1 )=
1/4(ΔF・NAw2 ) ΔZ2 =1/2(ΔF)(NAw2−sin2θ1 )=1/4
(ΔF・NAw2) このように、2つのインコヒーレントな光束LFa、L
Fbの夫々は、いずれもΔFのデフォーカス時にほぼ同
一の最大光路差、1/4(ΔF・NAw2 )をもつこと
になり、この値は従来の場合の半分である。換言する
と、従来の2倍のデフォーカス量(2ΔF)でも、従来
の投影方式でのデフォーカス量ΔFのときと同じ最大光
路長差で済むこととなり、その結果、孤立パターンPr
の結像時の焦点深度は約2倍に増大することになる。こ
のように投影光学系PLの瞳面epにおいて、結像光束
を互いに干渉しない複数の光束に交換する手法を、以後
SFINCS(Spatial Filter for
INCoherent Stream)法と呼ぶこと
にする。
【0027】以上の様に、SFINCS法によって特に
コンタクトホールパターンの像の焦点深度は増大し、こ
れは投影光学系中の瞳面に配した干渉性低減部材による
ものである。しかし、この干渉性低減部材の作用は、レ
チクル上の1つの微小透過領域(コンタクトホールパタ
ーン)を透過し、且つ回折した1つの光束内部の干渉性
を低減するのみであり、例えば、レチクル上で近接した
2つのコンタクトホールをそれぞれ透過した光束間の干
渉性を低減する作用はない。従って、従来から知られて
いる通り、レチクル上の照明光の干渉性(空間的コヒー
レンス)が高いと、即ち照明光束の入射角度範囲が狭い
と、近接したパターン間で像のつながり(近接効果)が
生じてしまう。
【0028】実際のレチクルパターンでは、複数のコン
タクトホールパターンが近接して配置されることが多く
あり、従って、単にSFINCS法を用いただけでは、
この様な近接したホールパターンに対して十分な解像度
(分離能力)を発揮することができない。そこで、本発
明では、σ値(照明光束の開口数(入射角度範囲に対
応)と、投影光学系のレチクル側開口数の比)を比較的
大きな値、例えば0.5以上にすることで、レチクル上
での照明光の空間的コヒーレンシーを低減し、近接効果
が起きにくいようにしたのである。すなわち、1つのコ
ンタクトホールパターンを透過する照明光と、それに近
接したコンタクトホールパターンを透過する照明光と
を、互いに干渉し合わない状態にすることができる。或
いは、さらに照明光学系を輪帯照明系や、いわゆる変形
光源(前述のSHRINC法)とすることにより、近接
したコンタクトホールの透過光のコヒーレンス(干渉
性)を互いに逆符号とすることで、両像の振幅的な相殺
を生じさせ、両コンタクトホールパターンの中間をより
暗くして、より分離能力を高めることもできる。
【0029】
【実施例】図4は本発明の実施例による投影露光装置の
全体的な構成を示す。図4において、水銀ランプ1から
放射された高輝度光は楕円鏡2によって第2焦点に収斂
した後、発散光となってコリメータレンズ4に入射す
る。その第2焦点の位置にはロータリーシャッター3が
配置され、照明光の通過、遮断を制御する。コリメータ
レンズ4によってほぼ平行光束に変換された照明光は、
干渉フィルター5に入射し、ここで露光に必要とされる
所望のスペクトル、例えばi線のみが抽出される。干渉
フィルター5を射出した照明光(i線)は、偏光方向を
揃えるための偏光制御部材6を通った後、オプチカルイ
ンテグレータとしてのフライアイレンズ7に入射する。
この偏光制御部材6は投影光学系PL内の干渉性低減部
材CCMの構成と光源の性質によっては省略してもよ
く、そのことについては後述する。
【0030】さて、フライアイレンズ7に入射した照明
光(ほぼ平行光束)は、フライアイレンズ7の複数のレ
ンズエレメントによって分割され、各レンズエレメント
の夫々の射出側には2次光源像(水銀ランプ1の発光点
の像)が形成される。従ってフライアイレンズ7の射出
側にはレンズエレメントの数と同じ数の点光源像が分布
し、面光源像が作られる。フライアイレンズ7の射出側
には、面光源像の大きさを調整するための可変絞り8が
設けられる。この絞り8を通った照明光(発散光)はミ
ラー9で反射され、集光レンズ系10に入射した後、レ
チクルブラインド11の矩形の開口部を均一な照度分布
で照射する。図4では、フライアイレンズ7の射出側に
形成される複数の2次光源像(点光源)のうち、光軸A
X上に位置する1つの2次光源像からの照明光のみを代
表的に図示してある。また集光レンズ系10によって、
フライアイレンズ7の射出側(2次光源像が形成される
面)はレチクルブラインド11の矩形開口面に対するフ
ーリエ変換面になっている。従ってフライアイレンズ7
の複数の2次光源像の夫々から発散して集光レンズ系1
0に入射した各照明光は、レチクルブラインド11上で
互いにわずかずつ入射角が異なる平行光束となって重畳
される。
【0031】レチクルブラインド11の矩形開口を通過
した照明光はレンズ系12、ミラー13を介してコンデ
ンサーレンズ14に入射し、コンデンサーレンズ14を
射出する光が照明光ILBとなってレチクルRに達す
る。ここでレチクルブラインド11の矩形開口面とレチ
クルRのパターン面とは、レンズ系12とコンデンサー
レンズ14との合成系によって互いに共役に配置され、
レチクルブラインド11の矩形開口の像が、レチクルR
のパターン面内に形成された矩形のパターン形成領域を
含むように結像される。図4に示すように、フライアイ
レンズ7の2次光源像のうち光軸AX上に位置する1つ
の2次光源像からの照明光ILBは、レチクルR上では
光軸AXに対して傾きのない平行光束になっているが、
これは投影光学系PLのレチクル側がテレセントリック
だからである。もちろん、フライアイレンズ7の射出側
には光軸AX上からずれて位置する多数の2次光源像
(軸外の点光源)が形成されるが、それらからの照明光
はいずれもレチクルR上では光軸AXに対して傾いた平
行光束となってパターン形成領域内で重畳される。尚、
レチクルRのパターン面とフライアイレンズ7の射出側
面(光源像面)とが、集光レンズ系10、レンズ系1
2、コンデンサーレンズ14の合成系によって光学的に
フーリエ変換の関係になっていることは言うまでもな
い。またレチクルRへの照明光ILBの入射角度範囲ψ
(図2参照)は絞り8の開口径によって変化し、絞り8
の開口径を小さくして面光源の実質的な面積を小さくす
ると、入射角度範囲ψも小さくなる。そのため絞り8
は、照明光の空間的コヒーレンシィを調整することにな
る。その空間的コヒーレンシィの度合いを表すファクタ
として、照明光ILBの最大入射角ψ/2の正弦と投影
光学系PLのレチクル側の開口数NArとの比(σ値)
が用いられている。このσ値は通常、σ=sin(ψ/
2)/NArで定義され、現在稼働中のステッパーの多
くは、σ=0.5〜0.7程度の範囲で使われている。
本実施例では、現在通常に使われているレジストの特性
及び、実用上の観点からσ≧0.7とする。
【0032】さて、レチクルRのパターン面にはクロム
層によって所定のレチクルパターンが形成されている
が、ここではクロム層が全面に蒸着され、その内に微小
な矩形開口部(クロム層のない透明部)で形成された複
数のコンタクトホールパターンが存在するものとする。
コンタクトホールパターンはウェハW上に投影したと
き、0.5μm角(又は径)以下の寸法になるように設
計されていることもあり、投影光学系PLの投影倍率1
/Mを考慮してレチクルR上での寸法が決められてい
る。また互いに隣接するコンタクトホールパターン間の
寸法は、通常1つのコンタクトホールパターンの開口部
寸法に対してかなり大きくなっているため、孤立的な微
小パターンとして存在する。すなわち、隣接する2つの
コンタクトホールパターンは、それぞれから発生した光
(回折、散乱光)が、回折格子のように互いに強く影響
し合うことがない程度に離れていることが多い。ところ
が後で詳しく述べるが、かなり接近した配置でコンタク
トホールパターンを形成したレチクルも存在する。
【0033】図4において、レチクルRはレチクルステ
ージRSTに保持され、レチクルRのコンタクトホール
パターンの光学像(光強度分布)は投影光学系PLを介
してウェハWの表面のフォトレジスト層に結像される。
ここで、図4中のレチクルRからウェハWまでの光路
は、結像光束の主光線のみで示す。そして投影光学系P
L内のフーリエ変換面FTPには、先の図2、図3で説
明した干渉性低減部材CCMが設けられる。この干渉性
低減部材CCMは、瞳epの最大径をカバーする直径を
有し、スライダー機構20によって光路外へ退出した
り、光路内に進入したりすることができる。仮りにその
ステッパーが専らコンタクトホールパターンを露光する
ために使われるのであれば、干渉性低減部材CCMは投
影光学系PL内に固定しておいてもよい。しかしなが
ら、複数台のステッパーによってリソグラフィ工程の露
光作業を行う場合、各ステッパーのもっとも効率的な運
用を考えると、特定の一台のステッパーをコンタクトホ
ールパターン専用の露光に割り当てることは躊躇され
る。そのため、干渉性低減部材CCMは投影光学系PL
の瞳epに対して挿脱可能に設け、コンタクトホールパ
ターン以外のレチクルパターンの露光時にも、そのステ
ッパーが使えるようにしておくことが望ましい。尚、投
影光学系によっては、その瞳位置(フーリエ変換面FT
P)に実効的な瞳径を変えるための円形開口絞りを設け
ることもある。この場合、その開口絞りと干渉性低減部
材CCMは機械的に干渉しないように、かつできるだけ
接近して配置される。
【0034】さて、ウェハWは、光軸AXと垂直な面内
で2次元移動(以下、XY移動とする)するとともに、
光軸AXと平行な方向に微動(以下、Z移動とする)す
るウェハステージWST上に保持される。ウェハステー
ジWSTのXY移動、Z移動は、ステージ駆動ユニット
22によって行われ、XY移動に関してはレーザ干渉計
23による座標計測値に従って制御され、Z移動に関し
てはオートフォーカス用のフォーカスセンサー24の検
出値に基づいて制御される。ステージ駆動ユニット2
2、スライダー機構20等は、主制御ユニット25から
の指令で動作する。この主制御ユニット25は、さらに
シャッタ駆動ユニット26へ指令を送り、シャッター3
の開閉を制御するとともに、開口制御ユニット27へ指
令を送り、絞り8、又はレチクルブラインド11の各開
口の大きさを制御する。また主制御ユニット25は、レ
チクルステージRSTへのレチクルの搬送路中に設けら
れたバーコードリーダー28が読み取ったレチクル名を
入力できるようになっている。従って主制御ユニット2
5は、入力したレチクル名に応じてスライダー機構20
の動作、開口駆動ユニット27の動作等を統括的に制御
し、絞り8、レチクルブラインド11の各開口寸法、及
び干渉性低減部材CCMの要、不要を、そのレチクルに
合わせて自動的に調整することができる。
【0035】ここで図4中の投影光学系PLの一部分の
構造を、図5を参照して説明する。図5は全て屈折性硝
材で作られた投影光学系PLの部分的な断面を示し、前
群のレンズ系GAの最下部のレンズGA1 と後群のレン
ズ系GBの最上部のレンズGB1 との間の空間中にフー
リエ変換面FTPが存在する。投影光学系PLは複数枚
のレンズを鏡筒で保持しているが、干渉性低減部材CC
Mの挿脱のために、鏡筒の一部に開口部を設ける。また
干渉性低減部材CCM、及びスライダー機構20の全
部、又は一部を、外気に直接露出させないようなカバー
20Bを、鏡筒の開口部から延設する。このカバー20
Bは外気に浮遊する微小なダストが投影光学系PLの瞳
空間内に進入するのを防ぐ。スライダー機構20には、
回転モータ、ペンシリンダー、ソレノイド等のアクチュ
エータ20Aが結合されている。さらに、鏡筒の一部に
瞳空間に連通する流路Afを設け、パイプ29を介して
温度制御されたクリーンエアを瞳空間へ供給すること
で、干渉性低減部材CCMの露光光の一部吸収による温
度上昇、及び瞳空間全体の温度上昇を押さえるようにす
る。尚、瞳空間へ強制的に供給されたクリーンエアを、
スライダー機構20、アクチュエータ20Aを介して強
制的に排出するようにすれば、スライダー機構20等で
発生した埃塵が瞳空間内に進入することを防止すること
ができる。
【0036】図6は干渉性低減部材の第1の実施例によ
る構造を示し、本実施例では干渉性低減のために、結像
光の偏光状態を制御するようにした。このように偏光作
用を利用した干渉性低減部材を、以後偏光状態制御部材
PCMと呼ぶ。図6(A)はその偏光状態制御部材PC
Mの断面図、図6(B)は平面図である。先に図3とと
もに説明した通り、円形透過部FAの半径r1 は瞳ep
の実効的な最大半径r2 に対して、 2r1 2 =r22 に設定されるが、実際はそれよりも数%程度大きい方が
よい。この式から明らかなように、円形透過部FAの面
積πr12は実効的な瞳開口の面積πr22に対して約半分
になっている。
【0037】さて、図4中の光源(水銀ランプ1)はラ
ンダムな偏光状態の光(種々の偏光状態の光の合成され
た光であり、かつその偏光状態が時間と共に変化する)
を発生する。本発明の第1の実施例では、図6の偏光状
態制御部材PCMとして直線偏光板を用いることにする
ので、図4中の偏光制御部材6を省略する。その場合、
レチクル上のコンタクトホールパターンを透過して偏光
状態制御部材PCMに達する光束の偏光状態もランダム
である。図6に示す偏光状態制御部材PCMは中心点C
Cから半径r1 の円形透過部FA内を、特定方向の直線
偏光のみを透過させる偏光板で構成し、中心点CCと同
軸の輪帯状の周辺透過部FBを、円形透過部FAとは直
交する方向の直線偏光のみを透過させる偏光板で構成す
る。従って、図6の偏光状態制御部材PCMを透過した
後の結像光束の偏光状態は図6(c)に示す如く、中央
透過部FAでは、例えば同図中の右上から左上への電場
の振動面(偏光面)となり、周辺透過部FBでは左上か
ら右下への偏光面となり、互いに直交する偏光方向を持
った直線偏光となり、互いに干渉し合わない光束(LF
a、LFb)となる。これら互いに干渉し合わない中心
部と周辺部の両光束がウェハWに達し、それぞれが自分
自身とのみ振幅合成し、別々に像(強度分布)Pr1
’、Pr2 ’を作ることで、その合成像(合成強度分
布)の焦点深度が増大する原理は作用の項で述べた通り
である。
【0038】あるいは、図6に示す偏光状態制御部材P
CMの射出側(ウェハ側)に1/4波長板を設け、中心
透過部FAを透過した第1の直線偏光と、その第1の直
線偏光とは直交する周辺透過部FBを透過した第2の直
交偏光を、それぞれ互いに逆回りの円偏光に変換しても
よい。このように、互いに逆回りの円偏光も、互いに干
渉し合うことがなく、本発明に好適である。
【0039】以上の第1の実施例では、投影光学系PL
中の偏光状態制御部材PCMが偏光板で構成されている
ため、投影光学系PLを透過すべき本来の光量のうち半
分の光量は偏光状態制御部材PCMとしての偏光板に吸
収されることになる。これは露光パワーの低下も意味す
るが投影光学系内に、熱(吸収した露光光のエネルギ
ー)が蓄積することとなり、光学系や硝材の安定性とい
う点で問題となる。
【0040】そこで、この熱の問題(露光パワーの損
失)を解決する実施例を第2の実施例として図7を参照
して説明する。本実施例では、照明光ILBの偏光特性
が重要になる。そこで、図4中の偏光制御部材6として
偏光板を用いる。あるいは光源がレーザ等で最初から直
線偏光であれば、この偏光板は用いなくてもよい。この
ような、偏光制御部材6を用いてレチクルRへの照明光
ILBの偏光特性を揃えておくと、コンタクトホールパ
ターンを透過、回折して、投影光学系PL中の偏光状態
制御部材PCMに達する結像光束も特定の直線偏光に揃
った状態となっている。
【0041】そこで照明光ILBが直線偏光に揃ってい
る場合には、図7(A)に示すように偏光状態制御部材
PCMとして1/2波長板を使用する。図7(A)は偏
光状態制御部材PCMに入射する直前の光の偏光状態を
示し、ここでは同図中で上下方向に電場の振動面をもつ
直線偏光であるものとする。図7(B)は偏光状態制御
部材PCMの平面構造を示し、半径r1 の中心の円形透
過部FA1 は1/2波長板で構成され、周辺の輪帯状透
過部FA2 は透過部FA1 (1/2波長板)とほぼ同等
の厚さ(光学的厚さ)を持った通常の透明板(例えば石
英)である。この図7の偏光状態制御部材PCMを通過
した直後の光の偏光状態は図7(C)に示すように円形
透過部FA1 の部分偏光状態が左右方向の直線偏光に変
換され、周辺の輪帯状透過部FA2 の部分では偏光状態
は何ら変化しない。このため、先の第1の実施例と同様
に結像光束の中心部と周辺部とで互いに干渉し合わない
偏光状態を得ることができる。ここで、透過部FA1 と
しての1/2波長板の軸方向(面内の回転)は、入射す
る直線偏光の方向をそれと直交する方向に変換する軸方
向に設定されるが、1/2波長板の軸方向と照明光IL
Bの偏光方向とを最適化するように、偏光状態制御部材
PCMと偏光制御部材6とを面内で回転方向に相対的に
調整できるようにしてもよい。
【0042】また、変形例として、中心の透過部FA1
と周辺の輪帯状透過部FA2 を共に1/4波長板とし、
かつ両者の軸方向(平板面内で、屈折率の高い方向)を
互いに直交させたものを用いてもよい。このときは、両
方の透過部FA1 、FA2 の透過光は互いに逆回りの円
偏光となり、やはり干渉し合うことはない。尚、このと
きの両者の軸方向と照明光の直線偏光の偏光方向は、4
5°ずつずれるように調整する。
【0043】あるいは、上記2つの構成の波長板に対し
て、照明光ILB自体を円偏光として使用してもよい。
この場合、偏光状態制御部材PCMとして1/2波長板
を利用しているときは、中心透過部FA1 と周辺透過部
FA2 とを通った光が、互いに逆回りの円偏光状態とな
り、偏光状態制御部材PCMとして1/4波長板を利用
しているときは、互いに直交する直線偏光となる。照明
光ILB自体を円偏光とするには、照明系中の前述の偏
光板6よりレチクル寄りに、1/4波長板やフレネルの
斜方体等を設ければよい。
【0044】このように入射光束(照明光ILB)が円
偏光であると、1/2波長板や1/4波長板の軸方向を
照明光の偏光特性に合わせて回転調整する必要がなくな
るので好都合である。以上のような偏光状態制御部材P
CMを用いると、先に述べた第1の実施例のような露光
エネルギーの吸収の問題がなくなり、投影光学系PL内
での熱蓄積が押さえられる点で極めて好都合である。し
かしながら、今度は照明光学系中で照明光ILBを1つ
の偏光状態に揃えることに伴う光量損失(半分以上)が
問題点として残る。そこで照明光の光量損失を低減させ
た照明系の一例を、第3の実施例として図8を参照して
説明する。図8の系は図4中の偏光制御部材6の代わり
に設けられるものである。先ず、図8(A)において入
射光束は2つの偏光ビームスプリッター6C、6Dによ
り分割、合成される。すなわち、1番目の偏光ビームス
プリッター6CではP偏光(上下方向の偏光)成分が透
過して2番目の偏光ビームスプリッター6Dも透過して
直進する。一方、ビームスプリッター6Cで分割された
S偏光(紙面と垂直な方向の偏光)成分はミラー6E、
6Fを介してビームスプリッター6Dで合成され、P偏
光成分と同軸になって進む。このとき、ミラー6E、6
Fの光路によってP偏光とS偏光とに光路差2×d1 を
与える。従って入射光束の時間的コヒーレント長ΔLc
が2d1 より短かければ、合成後のP偏光成分とS偏光
成分とは、偏光方向が相補的であることの他に時間的に
もインコヒーレント(非可干渉)になる。これら2つの
偏光成分を持った照明光が使われ、偏光状態制御部材P
CMとして図7のものが使われると、図9に示す通り、
偏光状態制御部材PCMに入射するとP偏光成分(例え
ば白ヌキの矢印方向)とS偏光成分(例えば黒ヌリ矢印
方向)は、それぞれ図9(C)のように偏光状態制御部
材PCMを透過した後では互いに干渉し合わない4つの
光束となる。すなわち円形透過部FA1 (1/2波長
板)では元の偏光方向が90°だけ回転させられる。こ
の4つの光束はそれぞれ偏光方向が異なるとともに、透
過部FA1 、FB1 の夫々で偏光方向が同一であっても
時間的にインコヒーレントであるために干渉し合うこと
はない。すなわち、透過部FA1 を通過したS偏光成分
はP偏光成分に変換され、透過部FB1 を透過したP偏
光成分と同一偏光方向となるが、その2つの光は時間的
にインコヒーレントであるので干渉しない。もし、図8
(A)のように構成された偏光制御部材からの照明光を
用いないと、図9のP偏光とS偏光は時間的にはコヒー
レントのままであるため、偏光状態制御部材PCMを透
過した後の各光束も偏光方向が同じであれば互いに干渉
し合うこととなり、本発明の効果は薄らぐ。図8(A)
に示した系は合成すべき2つの偏光成分の光路長差を大
きくとることができるので、比較的時間的コヒーレント
長の長い光源、例えば狭帯化したレーザ光源等に適して
いる。
【0045】尚、レーザ光源として直線偏光を使用する
場合は、あえて図8(A)の構成の偏光制御手段を用い
なくても、本発明の効果を得ることができる。ただし、
直線偏光のレーザ光源に対して図8(A)の如き偏光制
御手段を用いると、照明光を時間的にインコヒーレント
な2つの光束とすることができるため、レーザ光源使用
時に問題となるスペックルや干渉縞(照度ムラ)を低減
することができるという効果がある。この場合、図8
(A)の1段目のビームスプリッター6Cに入射する直
線偏光の偏光方向は、偏光ビームスプリッタ−6Cに対
して図8(A)に示すように、P偏光方向とS偏光方向
との中間(両者から45°方向)の偏光方向LPLにす
るとよい。
【0046】ところで、光源が水銀ランプのように比較
的大きなスペクトル幅を有する光源の場合にはその時間
的コヒーレント長は短いので、図8(B)のような簡単
な部材を図4中の偏光制御部材6として用いることがで
きる。この部材は石英等の透明平行平板6Gの表面に偏
光反射膜6Hを付け、裏面に金属等で全反射膜6Jを付
けたもので、水銀ランプからのコリメートされた光束を
所定角度で反射するように配置される。このとき、水銀
ランプからのランダム偏光の入射光のうち、S偏光成分
(紙面と垂直な方向)は表面の膜6Hで反射され、P偏
光成分は表面の膜6H、平行平板6Gを透過して裏面の
膜6Jで反射され、S偏光成分とP偏光成分とには、ほ
ぼ平行平板6Gの厚さ(光学的厚さ)のほぼ2倍に相当
する光路差が与えられる。
【0047】例えば水銀ランプからのi線の場合、中心
波長λが365nm、波長幅Δλが5nm程度なので、
一般に使われるコヒーレント長の式、ΔLc=λ2 /Δ
λより、コヒーレント長ΔLcは26μm程度となる。
従って十分に薄い平行平板6G(例えば1mm厚程度)
であっても、時間的コヒーレンスを消すために十分な光
路長差を与えることができる。
【0048】もちろん、上記の実施例であっても照明光
ILBを互いに直交する直線偏光で、かつ時間的にイン
コヒーレントな2つの光束にする代わりに、互いに逆回
りの円偏光で、かつ時間的にインコヒーレントな2つの
光束としても、前述の実施例と同様に良好な効果が得ら
れ、光量損失もない。照明光ILB、あるいは偏光状態
制御部材PCMに達する前の光束を円偏光にするには、
やはり図8(A)、(B)に示した系から偏光状態制御
部材PCMまでの光路中に1/4波長板等を設ければよ
い。
【0049】以上、投影光学系の瞳面に設ける干渉性低
減部材として、偏光特性を利用した偏光板や、1/4波
長板、1/2波長板を使用する実施例を示したが、干渉
性低減部材として、上述の時間的コヒーレンシーを利用
する部材を用いてもよい。即ち、瞳面の中心部分と周辺
部分とを通る結像光の間に、その光のコヒーレント長以
上の光路差を与える部材を用いてもよい。
【0050】例えば図6(A)、(B)に示した偏光状
態制御部材PCMと同様の構成であって、中心透過部F
Aと周辺透過部FBとを厚さの多少異なる通常のガラ
ス、又は石英等とすると、中心透過部FAを透過した光
束と、周辺透過部FBを透過した光束との間の時間的コ
ヒーレンシーを、ほとんど消失させることができる。例
えば、上述の如くi線のコヒーレント長ΔLcは約26
μmであるから、使用するガラスの屈折率nを1.5と
すると、両者(FA、FB)の厚さの違いをtとしたと
き、(n−1)t≧26μmであればよく、t≧52μ
mの厚さの差があればよい。あるいは、両方の透過部
(FA、FB)は同じ厚さとして両者の材質の屈折率を
異ならせる(異なる材料を用いる)ことで、コヒーレン
ト長以上の光路長差を与えることもできる。前述の如
く、偏光作用により瞳面内の光束の干渉性を低減させて
も、光路長差により干渉性を低減させても、本発明の効
果は同様に得られる。
【0051】以上、投影光学系の瞳面に設ける干渉性低
減部材の各実施例を述べたが、次に、照明光束ILBの
レチクルへの入射角度範囲(σ値等)について説明す
る。図10(A)は、ウェハ上の寸法に換算して0.3
μm角のコンタクトホールパターンとなるような透明パ
ターンPA、PBが、同じくウェハ上の換算寸法で0.
66μmだけ離れて2個並んだコンタクトホールパター
ン用レチクルR1の部分断面図ある。図10(B)、
(C)、(D)は、上記のレチクルR1のパターンをウ
ェハ側の開口数NAwが0.57であるi線用の投影光
学系PLにより投影するとき、σ値がそれぞれ0.4、
0.6、0.8の照明系で照明した場合の、レチクル上
でのコヒーレンス関数(複素可干渉度)のシミュレーシ
ョン結果を示したものである。コヒーレンス関数は一般
に、ファンシターツェルニケの定理より物体(ここでは
レチクル)上から見た光源形状をフーリエ変換すること
で得られる。この種の投影露光装置(ステッパー)にお
いて、光源形状は一般にフライアイレンズ7の射出面に
配置された円形絞り(例えば図4中の絞り8)の開口形
と等価の円形となる。円のフーリエ変換は良く知られた
第1種ベッセル関数となり、また光源形状である円の半
径はσ・NArで規定されるので、コヒーレンス関数は
2・J1 (2πxNArσ/λ)/(2πxNArσ/
λ)となる。ここでxはレチクル上の任意の位置に定め
た基準点からの距離に相当する。
【0052】さて、図10の場合のコヒーレンス関数の
基準は、左側のコンタクトホールパターンPAの中心位
置としてある。図10(B)に示したσ=0.4の場合
のコヒーレンス関数C4では、右側のコンタクトホール
PBの位置でのコヒーレンス関数の値も+となる。従っ
て、基準とした左側のコンタクトホールパターンPAを
透過した光束と、右側のコンタクトホールパターンPB
を透過した光束とは、振幅的に強め合う干渉性を示す。
この結果、本来暗部となるべき両ホールパターンPA、
PBの中間の遮光部PMに対応するウェハ上の部分に
は、両ホール像の光量の一部が回折により到達すると共
に、これらが干渉して強め合うために中間の遮光部PM
を十分に暗くすることができない。
【0053】図11(A)は、このような照明条件(σ
=0.4)のときに瞳面epに干渉性低減部CCMを設
けた場合に形成されるホールパターンの光学像(シミュ
レーション値)の強度分布を示す。同図中Ethは現像
後にポジレジストが完全に溶解するために必要な光量
(露光量)を示し、Ecはポジレジストが溶解し始める
光量(膜べり強度)を示す。尚、同図中に示した光学像
(強度分布)の縦方向の倍率は、光量をEthとしたレ
ベルでのスライス幅が設計値である0.3μmとなるよ
うに揃えてある。
【0054】さて、σ=0.4では図11(A)に示し
た分布I4の如く、両ホール像間の光強度は膜べり強度
Ecより大きくなり、従って両ホール像間のポジレジス
トは膜べりしてしまい、完全に分離された良好なパター
ンを得ることはできない。尚、ここで瞳面epに配置し
た干渉性低減部材CCMは、中心透過部FA、又はFA
1 の半径が瞳半径(NAw=0.57に相当)の1/√
2であり、周辺透過部(輪帯)FB(又はFB1 )の内
半径は中心透過部FA(又はFA1 )の半径に等しく、
外半径は瞳半径と等しいとした。また、前述の如く干渉
性低減部材の材質は、偏光作用を利用するものでも、コ
ヒーレント長以上の光路長差を利用するものでも同様の
結果が得られる。
【0055】図10(C)は図10(B)と同様の条件
でσ値のみを0.6とした場合のコヒーレンス関数C6
を示す。このとき、右側のコンタクトホールパターンP
Bの位置ではコヒーレンス関数の値がほぼ0となってお
り、従って、両ホールパターンを透過した各光束は、相
互に干渉し合うことがほとんどない。この結果、両ホー
ル像から中間の遮光部PMに相当するウェハ上の部分に
回り込む光束は、相互に強め合うことがないため、両ホ
ール間の分離はσ=0.4の場合より良好となる。
【0056】図11(B)にこの場合の光学像の強度分
布I6のシミュレーション結果を示す。このシミュレー
ション結果では、中間部の光量は膜べり強度Ecよりわ
ずかに大きく、レジストパターンに若干の膜べりを生じ
ることが予想される。ただし、この程度の量であれば、
現在のものよりも性能の改善されたレジストを用いるこ
とで問題は解決されるであろう。なお、図11(B)の
σ=0.6の条件でも瞳面に配置する干渉性低減部材は
前述したσ=0.4の場合と全く同じものが使われる。
【0057】図10(D)はσ値を0.8としたときの
コヒーレンス関数C8を示す。このときは右側のコンタ
クトホールパターンPB部に達する照明光のコヒーレン
ス関数の値が、左側のコンタクトホールパターンPA部
に達する照明光のコヒーレンス関数の値とは逆符号(逆
極性)となり(すなわち逆位相の光となり)、従って、
両ホールパターンPA,PBからの回り込み光は互いに
相殺し、中間の遮光部PMを十分に暗くすることができ
る。
【0058】図11(C)はσ=0.8での光学像(シ
ミュレーション値)の強度分布I8を示す。σ値以外の
条件は図11(A)、(B)と同じにしてある。σ=
0.8では光学像の強度分布I8 は中間部で膜べり強度
Ecを下まわり、両ホールパターンのレジストパターン
は完全に分離する。なお以上においてポジレジストの膜
べりが始まる光量EcはEthの半分としたが、これは
現状のポジレジストの能力であり、将来的にポジレジス
トの能力が進歩すれば膜べり強度EcはEthにより近
づく。この場合には前述の如くσ=0.6程度でも両ホ
ールパターンを完全に分離することができる。また両ホ
ールパターン間の距離が以上の条件0.66μmより離
れていれば、例えば0.8μm程度離れていればσ=
0.6でも両ホールパターンが良好に分離する。これ
は、2つのホールパターンの距離が大きくなったことに
よる効果のみでなく、σ=0.6の条件下で0.8μm
離れた位置(ホールパターンPB)でのコヒーレンス関
数C6が負になっていることも大きく寄与している。以
上のことから、レジストの特性(改良)にもよるが、現
状のホールパターン間距離(1μm程度)を考えると、
おおむね0.5以上のσ値で投影露光を行うのが望まし
い。
【0059】このように、近接したコンタクトホールの
双方でのコヒーレンス関数の値を逆符号とするために
は、上述の如く大きめのσ値を持つ照明光を使用するこ
とが1つの方法であるが、さらに効果を得るために輪帯
照明法やSHRINC法を用いることもできる。図12
は図4に示す装置においてこれらの照明方法を実現する
ための実施例であり、図12(A)は図4中のフライア
イレンズ7近傍の別の形態を示す。フライアイレンズ7
の射出側面近傍に、ターレット式の変換可能な複数の絞
り80、81─が設けられ、このターレット800は駆
動系800aにより回転可能となっている。この交換用
の回転駆動系800aは駆動ユニット27aを介した主
制御ユニット25の指令により動作する。このときの指
令は例えば前述の様にレチクル上のバーコードからの情
報に基づいたもの、あるいはオペレータが入力するもの
である。図12(B)はターレットに装着された各絞り
の形状を表す。図12(B)で81は円形開口を有する
従来の照明系の絞りを表し、82は輪帯状の開口を有す
る輪帯照明用の絞りを表し、83,84はいわゆる変形
光源と呼ばれるSHRINC法の絞りをそれぞれ表す。
各絞り81、82、83、84はフライアイレンズ7の
射出側に接近して配置されるため、投影レンズPLの瞳
ep(フーリエ変換面)とほぼ共役になっている。図1
3は輪帯照明法、SHRINC法の夫々を本発明に適用
した場合の照明光のレチクルパターン上でのコヒーレン
ス関数を示したものである。ここで図18(A)は、図
10(A)と同じレチクルR1の部分断面図である。ま
たここでのシミュレーション条件は、照明系以外は図1
0の条件と同様である。さて、図13(B)はσ=0.
7となる条件での照明光束(2次光源像)の中心部を、
その最大半径に対して約2/3だけ遮光した輪帯照明の
場合のコヒーレンス関数のシミュレーション結果を示
す。ここでもコヒーレンス関数は光源形状をフーリエ変
換すれば求まるが、例えば輪帯照明の場合、輪帯比(こ
こでは2/3とした)をξ、輪帯光源像の最外径をσと
するとコヒーレンス関数(複素可干渉度)は、ρ=2π
xNArσ/λと置き、第1種ベッセル関数を用いて
【0060】
【数1】
【0061】となる。ここでもxは基準点に対する任意
の点までの距離である。また図13(C)は直交する2
方向に0.66μmピッチでホールパターンが存在する
場合に最適となる4点を中心に、各開口のσ値としてそ
れぞれ約0.25を有する4個の光源像を形成するSH
RINC法でのコヒーレンス関数を表す。レチクル上で
並んだ2つのコンタクトホールパターンPA、PBに対
して上記SHRINC法の4つの光源像は最適位置とな
るように調整(回転方向)されている。なお、SHRI
NC法における最適な光源像位置は、特開平4−225
514号公報等に詳細に記述されている通り、レチクル
上のパターンの周期性(ピッチ)に応じて決定される。
また図12(B)に示すように、SHRINC法が適用
される絞り83、84は2種類用意されているが、いず
れか一方が使われる。さて、これらの照明系によって右
側のコンタクトホールパターンPBでのコヒーレンス関
数の値は左側のホールパターンPAを基準として、大き
く負にすることができる。従ってこれらの輪帯照明系、
又はSHRINC系を使用すると、前述の円形絞り81
を用いたσ=0.8の場合よりも、2つのホール像の中
間の部分では光の相殺効果が強く働くために、遮光部P
Mでの光量はさらに低くなり、2つのホール像はより良
好に分離されるようになる。図14は、この場合の光学
像の強度分布IA,ISのシミュレーション結果を示
し、図14(A)は上記条件の輪帯照明法の場合を示
し、図14(B)は上記条件のSHRINC法の場合を
示す。これらのシミュレーションからわかるようにいず
れの照明法であっても2つのホールパターン像の中間部
は十分に暗くなっている。ここでも瞳面の干渉性低減部
材は前述のσ=0.4、0.6、0.8のときと同じも
のとした。
【0062】次に本発明による焦点深度の増大について
シミュレーション結果に基づいて説明する。図15
(A)は干渉性低減部材を用いるSFINCS法に、σ
=0.8の照明系(σ=0.8となるように選定された
円形開口絞り81)を付加した場合のベストフォーカス
位置での強度分布を表し、図15(B)、(C)はそれ
ぞれ1μmのデフォーカス位置、2μmのデフォーカス
位置での強度分布を表し、これらの分布はホールパター
ンの光学像のシミュレーション結果である。ここでの条
件(N.A.,波長,パターン形状)は図11,14と
同一である。尚、図15(A)は図11(C)と同一の
図であるがデフォーカス状態との比較を容易とするため
に、ここに再度記載した。この図15のシミュレーショ
ンからも明らかなように、2μmのデフォーカス位置に
おいても、2つのホールパターン像の間の像強度は膜べ
り強度Ecよりも小さく押さえられている。
【0063】さて、図16(A)、(B)、(C)は干
渉性低減部材を用いるSFINCS法に前述の図13
(A)のシミュレーションに用いたのと同じ輪帯照明系
(σ=0.8に相当する大きさの2次光源像の中心部を
半径で2/3だけ遮光する輪帯絞り82)を付加したと
きに得られるホールパターン像の強度分布のシミュレー
ション結果を表し、それぞれベストフォーカス位置、1
μmのデフォーカス位置、2μmのデフォーカス位置で
の各強度分布である。
【0064】図17(A)、(B)、(C)は図13
(B)で用いたSHRINC法をSFINCS法と組み
合わせた場合のホールパターン像の強度分布をシミュレ
ーションした結果を示す。比較のために図19に通常
(従来)の結像方式による光学像の強度分布のシミュレ
ーション結果を示す。通常の方式では瞳面の干渉性低減
部材はなく、σ値は0.6とした。他の条件(N.
A.,波長,パターン形状)は今までに述べてきたSF
INCS法での条件と同様である。通常の結像方式(図
19)と比べると本発明によるSFINCS方式(図1
5、16、17)では焦点深度の増大が明らかであり、
通常方式の1μmデフォーカス位置での強度分布に対し
て、本発明によるSFINCS法を用いたときの2μm
デフォーカス位置での強度分布は、ほぼ同等の像質(コ
ントラスト)を保っている。すなわち、焦点深度が約2
倍に拡大されたことになる。図18は本発明の変形例に
より得られる像強度分布であり、照明系のσ値は円形開
口絞り81を用いて0.8に設定されるが、瞳面に設け
る干渉性低減部材は前述のものと少し異なった構造にす
る。具体的には図6(B)の如き干渉性低減部材の中心
近傍を光軸CCを中心とする円形の遮光部とした。この
とき、その遮光部の半径は瞳の有効半径(すなわち開口
数=NAw)に対して、0.31×NAwとした。また
中心透過部FAの半径(周辺透過部FBの内半径と同
一)を0.74×NAwとした。なお、ここで用いる干
渉性低減の方式は、偏光作用を利用するもの、光路長差
を利用するもののどちらでもよいことは言うまでもな
い。この図18のシミュレーション結果から明らかなよ
うに、おなじσ=0.8の照明系を用いても、図18の
方が図15の例に比べて2つのホール像間の暗部が十分
に暗く、分離能力が向上していることがわかる。
【0065】図20は、比較のために通常の照明方式に
FLEX法を組み合わせた場合のホールパターン像の強
度分布のシミュレーション結果を示す。ここでのFLE
X法は、3つのフォーカス位置の夫々にウェハを移動さ
せて多重露光する方法とし、ウェハのZ方向の移動位置
(フォーカス位置)はそれぞれ−1μm、0μm、+1
μmとした。また、このFLEX法では、ベストフォー
カス位置において、2つのコンタクトホールパターンP
A、PBのレジスト像が分離し(中間の遮光部PMでの
強度が膜べり強度Ec以下)、かつ焦点深度を増大でき
る最適条件となっている。このシミュレーション結果か
らわかるように、従来のFLEX法により得られる2μ
mデフォーカスした位置での強度分布(図20(C))
と、本発明のSFINCS法で得られる2μmデフォー
カスした位置での強度分布(図14〜18)とを比較す
ると、本発明によって得られるホールパターン像の方が
ピーク強度が高く、良質な像になることがわかる。尚、
図20でシミュレーションしたFLEX法の条件を変更
して、例えば各フォーカス位置の差をそれ以上にした
り、あるいはフォーカス位置を4点以上にして多重露光
したりすれば、図20(C)に示した2μmデフォーカ
ス位置での像強度分布は改善されるが、図20(A)の
ベストフォーカス位置での強度分布において、2つのホ
ールパターン像の中間部の強度が膜べり強度Ecを超え
てしまい、レジストパターンに膜べりが生じることにな
る。
【0066】図21は比較のために従来のSuper
FLEX法でのシミュレーション結果を示したものであ
る。図21(A)、(B)、(C)は開口数NAwが
0.57で、瞳中心点から0.548NAwの半径内の
部分の複素振幅透過率を−0.3にしたフィルターを瞳
に設けたときに得られるベストフォーカス位置での強度
分布I13、1μmのデフォーカス位置での強度分布I1
4、2μmのデフォーカス位置での強度分布I15を示
す。Super FLEX法では図21のようにベスト
フォーカス位置での中央強度が高く、プロファイルがシ
ャープであるが、デフォーカス量による中心強度低下
は、ある量から急峻に起こっている。しかしながら焦点
深度の拡大効果としては、図15〜図18に示した本発
明による効果と同程度である。ただし、Super F
LEX法では本来の像(中心強度)の周辺に、図21
(A)に示すようなサブピーク(リンギング)が発生す
る。
【0067】図22(A)、(B)、(C)はそのよう
なリンギングを防止するために、図21でシミュレーシ
ョンモデルとしたSuper FLEX法の瞳フィルタ
ーよりも作用を弱めたフィルターを用いた場合のシミュ
レ−ション結果を示す。この場合、投影光学系の開口数
NAwは0.57とし、瞳中心部の半径0.447NA
wに相当する部分内の複素振幅透過率を−0.3とした
フィルターを用いる。図22(A)〜(C)はそれぞれ
ベストフォーカス位置での強度分布I16、1μmのデフ
ォーカス位置での強度分布I17、2μmのデフォーカス
位置での強度分布I18を示し、確かに図21の場合に比
べてリンギングは弱くなるが、同時に焦点深度の増大効
果も低減してしまう。
【0068】尚、図21、22のシミュレーションでは
一方のホールパターンによるリンギングのピーク部が他
方のホールパターンの中心強度部と重なるような条件で
2つのホールパターンPA、PBの中心間距離を定めた
ので、2つのホールパターン像の間にはリンギングの影
響が現れない。このことは逆に、2つのホールパターン
PA、PBの中心間距離が先の条件(ウェハ上で0.6
6μm)と異なってくると、リンギングの影響が現れる
ことを意味する。
【0069】図23は中心間距離が0.96μm(ウェ
ハ上換算)で並んだ2つのコンタクトホール像のベスト
フォーカス位置での強度分布のシミュレーション結果で
ある。図18に示した条件でのSFINCS法(本発
明)による像強度分布I23は、323(A)のように2
つのホール像の間が十分に暗く、良好なレジストパター
ンが形成できる。ところが、図21に示した条件でのS
uper FLEX法(1)では、図23(B)の強度
分布I24のように、2つのホールパターンの夫々による
リンギングが合成(加算)されてしまい、2つのホール
像の中間に明るいサブピーク(膜ベリ強度Ec以上)が
生じ、この部分のレジストが膜ベリしてしまう。このた
め、良好なレジスト像を得ることができない。一方、図
22に示した条件でのSuper FLEX法(2)に
よって中心間距離が0.96μmの2つのホールパター
ンを投影すると、その像強度分布I25は図23(C)に
示すようになる。このように比較的効果の弱いSupe
r FLEX法(2)の場合は、リンギングが少なく膜
ベリもないため、良好なレジスト像を得ることができ
る。ところが、この条件では図22で説明した通り、本
発明でのSFINCS法に比べて十分な焦点深度拡大効
果を得ることができない。
【0070】図24は近接した複数のコンタクトホール
の例として、DRAM中のメモリーセル部に使われるコ
ンタクトホールパターンPA1 、PA2 、PA3 、PA
4 の2次元的な配列の一例を示すものである。このよう
なホールパターン群に対してSuper FLEX法を
使うと、各ホールの周囲にはリンギング(サブピーク)
Ra、Rb、Rc、Rdが生じ、それらが重なる領域R
oでは4つのリンギングの夫々のピーク強度が重なり合
うことになる。このような場合には2個のホールパター
ン(2つのリンギングが重なる)のみの場合には膜ベリ
の発生しなかった比較的効果の弱いSuper FLE
X法(2)であっても、サブピークの大きさが図23
(C)に示す状態の約2倍となり、やはり膜ベリ強度E
c以上となるため、良好なパターン転写ができなくな
る。すなわち、ウェハ上の領域Roの位置に本来レチク
ル上には存在しないホールの像(ゴースト像)を形成し
てしまうことになる。
【0071】これに対して、本発明によるSFINCS
法であれば図23(A)に示すように、2つのホールパ
ターンの中間の光強度分布は膜ベリ強度Ecの1/2以
下であるので、図24に示した領域Ro内では、その加
算強度が図23(A)の状態からさらに2倍となっても
膜ベリ強度Ec以下にすることができる。以上の各シミ
ュレーション結果で示したような、接近した複数のコン
タクトホールパターンの投影時の像のつながりは、主に
投影レンズPLの瞳面ep内の中心円形領域FA(又は
FA1 )を通る結像光束に起因して生じる。ところで中
心の円形領域FA(又はFA1 )のみを通る結像光束L
Faによって形成される1つのコンタクトホールパター
ンの像Pr1 ’の寸法(半径)D1 は、露光波長λ程度
に微細な寸法であれば、円形領域FAの半径r1 に相当
する開口数NA1 に基づいて、ほぼ以下の関係で与えら
れることが光学理論上で知られている。
【0072】D1 ≒0.61・(λ/NA1 ) ここでNA1 は半径r1 に相当するウェハ側での開口数
であり、図3に示すように決められる。この場合、レチ
クル上のホールパターンPA、又はPBが正方形であっ
ても、ウェハ上に形成される像Pr1 ’は、ほぼ円形状
になる。従って、2つの接近したホールパターン像の分
離の程度を高めるためには、投影レンズPLの倍率1/
Mを考慮して、レチクル上で距離0.61・M・(λ/
NA1 )だけ離れた2つの位置に到達する照明光の間
で、空間的にインコヒーレントな状態、すなわち、その
2つの位置の一方に対する他方のコヒーレンス関数をほ
ぼ零、又は負にすることが重要である。このことは、レ
チクルに達する照明光束ILBの開口数NAi(sin
ψ/2)を、瞳ep内の中心円領域FA(又はFA1 )
を通る結像光束LFaのレチクル側での開口数NA1 /
M以上にすることに他ならない。なぜなら前述のコヒー
レンス関数の式より、コヒーレンス関数が0となるウェ
ハ上での距離も上記と同様にほぼ0.61λ/NA1 と
なるからである。
【0073】ここで、結像光束LFaのレチクル側での
開口数NA1 /MをNAr1 としたとき、通常の円形開
口絞り81を用いてもNAi>NAr1 が実現できない
ような場合には、輪帯照明系(図12中の輪帯絞り8
2)を採用するとよい。この場合、輪帯絞り82の中心
円形遮光部の半径に相当する開口数をNAs(レチクル
上での値)としたとき、k=NAi/NAr≦1とし
て、近似的に
【0074】
【数2】
【0075】の関係を満たすように、中心の円形遮光部
の半径を決定すればよいことが見出された。このような
関係にすると、レチクル上で距離0.61・M・(λ/
NA1 )だけ離れた2つの位置の夫々に到達する照明光
同志をインコヒーレントな状態、すなわちその2つの位
置の一方に対する他方の位置でのコヒーレンス関数を
零、又は負の状態にすることができる。尚、輪帯照明系
の利用は、NAi/NAr1 ≦1の場合に限られる訳で
はなく、NAi/NAr1 ≧1の場合であっても、当然
に輪帯照明系を採用することができる。
【0076】図25は投影レンズPLの瞳面ep内に結
像されるフライアイレンズ7の射出側の面の様子を模式
的に示したものである。図25(A)では、瞳epの有
効最大半径r2 に対して、約80%(0.8r2 )程度
の大きさの円CN1 内にフライアイレンズ7の射出面側
の像、すなわち2次光源像が形成される。この場合、円
CN1 はσ値で0.8を表している。また図25(A)
中の半径r1 の円CNは、干渉性低減部材CCMの中心
円形透過領域FA(又はFA1 )と輪帯透過領域FB
(又はFB1 )との境界を表す。
【0077】ここで、2r1 2 ≒r2 2の関係に設定さ
れているものとすると、半径r1 はσ値で0.707に
相当している。先にも述べたように、特にσ=0.8の
照明条件が接近した複数のコンタクトホールパターンの
結像において良好な結果を示すのは、結果的に瞳ep内
での2次光源像(フライアイレンズ7の射出面)の大き
さが境界の円CN(σ=0.707に相当)よりも大き
くなっているからである。このことは先に述べた条件、
NAi/NAr1 >1と全く等価のことである。
【0078】これに対して図25(B)は、瞳面ep内
での2次光源像の面積が比較的に小さく、σ=0.5の
円CN2 (半径が0.5r2 )内にフライアイレンズ7
の射出面の像が形成された場合を示す。当然のことなが
ら、円CN2 は境界の円CNよりも小さく、先の条件k
=NAi/NAr1 ≦1に相当している。このときk=
0.5/0.707≒0.71になり、輪帯照明に切り
替える場合の中心円形遮光部の開口数NAsは、
【0079】
【数3】
【0080】となり、NAr1 がσ値で0.707に対
応していることから、NAsはσ値で約0.38に対応
する。図25(B)中の円CN3 は、その中心遮光部の
瞳面ep上での配置を示し、これからフライアイレンズ
7の射出面上での遮光部の大きさが特定される。図25
(B)の場合、2次光源像の大きさがσ値で0.5に対
応し、輪帯照明絞り82の中心遮光部の大きさがσ値で
0.38に対応することから、フライアイレンズ7の射
出面の2次光源像の半径に対して中心遮光部の半径は、
0.38/0.5≒0.76程度に設定される。
【0081】尚、輪帯状絞り82の中心遮光部の大きさ
(開口数NAs)を決める式は、0.62≦k≦1の条
件のもとで適用されるものとしたが、kの下限値0.6
2は2次光源像に輪帯絞りを設けたときに、必要とされ
る遮光部の半径が、2次光源像の半径と同等になるとい
う条件で決められる。例えば、干渉性低減部材CCMの
境界円CN(σ値で0.707)をそのままで、σ=
0.42の照明条件のときを考えてみる。このときk=
0.42/0.707≒0.594となり、輪帯絞り8
2の中心遮光部の開口数NAsは、σ値で0.45以上
必要となる。ところが元々の2次光源像の大きさがσ値
で0.42しかないため、その数値は不適当なものとな
る。これは、元々の2次光源像の大きさ(σ=0.4
2)がレチクル上で0.61・M・λ/NA1 (=0.
61・λ/NAr1 )だけ離れた2つのコンタクトホー
ルパターンを良好に分離して投影結像できない程度に、
空間的コヒーレンシーが高くなってしまっていることを
意味する。すなわち、σ=0.42の照明条件が、レチ
クル上で0.61λ/NAr1 程度に接近した複数のコ
ンタクトホールパターンのSFINCS法による投影に
元々不適当であることを意味する。
【0082】またウェハ上に転写すべき複数のコンタク
トホールパターン像の間隔チが寸法D1 (レチクル上で
は0.61・M・λ/NA1 )程度にされたときは、そ
のピッチに対して最適化された配置をもつ4つ(又は2
つ)の2次光源像(絞り83、84中の4つの開口部
分)を用いるSHRINC法を採用すれば、レチクル上
でピッチM・D1 〜2M・D1 の間隔をもつ2つの位置
において、一方の位置に対する他方の位置でのコヒーレ
ンス関数をほぼ零、又は負(逆符号)にすることができ
る。ここで間隔がD1 のとき、SHRINC法による4
光源像の配置が間隔D1 に最適だとコヒーレンス関数は
負になり、SHRINC法による4光源像の配置が間隔
2×D1 に最適だとコヒーレンス関数は0になる。
【0083】図26は投影レンズPLの瞳面epにおけ
る絞り83の像83’の配置を示し、x方向とy方向と
に延びた遮光部は中心CCで交差して十字状になってい
る。このとき、十字状の遮光部のx、y方向の各幅は、
フライアイレンズ7を構成する複数の角柱状エレメント
の境界線に合わせるように設定される。さらに十字状遮
光部の4つの開口部の夫々に現れるフライアイレンズ7
のエレメント数も極力等しくするのが望ましい。
【0084】さて、図26においてフライアイレンズ7
の射出端面は絞り83の4つの開口部によって4分割さ
れ、分割されたそれぞれのフライアイレンズの組の光量
上の重心点PG1 〜PG4 が黒丸で示されている。この
光量重心点PG1 〜PG4 の中心CCからのx方向、y
方向の各偏心量はPx、Pyが、レチクル上のパターン
のピッチMD1 〜2MD1 に対応したものとなってい
る。
【0085】重心点PG1 〜PG4 の位置がパターンピ
ッチMD1 〜2MD1 に対応すると言う意味は、SHR
INC法の原理から図27に示すように説明される。す
なわち、レチクルR上にピッチMD1 〜2MD1 の周期
性パターンが存在するとき、4分割された1つのフライ
アイレンズの組の光量重心点から発生した照明光線LB
Pは、レチクルRと垂直な主光線(破線)に対して傾い
てレチクルRに入射する。そしてレチクルパターンから
の0次光線は投影レンズPL(前群レンズGA、後群レ
ンズGB)内の瞳ep内の点PG1 上を通る。この点P
G1 が図26中の光量重心点PG1 である。
【0086】一方、レチクルパターンからの1つの1次
回折光線は主光線(破線)に対して0次光線と対称に進
み、瞳面epでは中心CCに関して点PG1 と対称な点
を通るようにする。x方向にピッチを有するパターンの
場合、その1次回折光線は図26中で瞳ep内の光量重
心点PG2 の位置を通り、y方向にピッチを有するパタ
ーンの場合、その1次回折光線は図26中で光量重心点
PG4 の位置を通る。
【0087】すなわち、そのような状態が得られるよう
にパターンピッチに応じて照明光線LBPの傾き、換言
すれば4分割されたフライアイレンズの各組の光量重心
点の偏心量Px、Pyを決めるのである。ウェハ上に転
写される少なくとも2つのコンタクトホールパターン像
の間隔がD1 〜2D2 とすると、露光波長がi線(λ=
0.365μm)で円形透過領域FAのウェハ側開口数
NA1 が0.707NAw、投影レンズのウェハ側開口
数NAwを0.57とすると、その間隔D1 はD1 =
0.61λ/NA1 より、約0.55μm(レチクル上
では2.76μm)となる。またウェハ上での間隔D1
をピッチと考えたときに、SHRINC法で最適な照明
光線LBP(図27)のレチクルへの入射角θk は、s
in2θk =λ/MD1 で定められる。この式より、M
・sinθk ≒λ/2D1 は、照明光線LBPによる0
次光線のウェハ側での開口数NAkと同じ値である。よ
って次式が成り立つ。
【0088】NAk=λ/2D1 =λ/2(0.61λ
/NA1 )=NA1 /1.22 よって、間隔D1 〜2D1 に対応するための光量重心点
の位置は、ウェハ側の開口数としてNAk〜NAk/2
に存在させればよいことになる。すなわち、図26に示
すようにPx=Pyのときは開口数NA1 の円CNに対
してNA1 /1.22〜NA1 /2.44の間に相当す
る円(半径Px√2)上に各重心点PG1〜PG4 が配
置される。
【0089】以上、本発明の各実施例とその作用につい
て説明したが、レチクルRへの照明光ILBに特定の偏
光方向を持たせるとき、その偏光方向の適、不適を判断
したり、あるいは偏光状態制御部材PCMを通過した後
の結像光束の偏光状態の良否を判断するために、投影光
学系を通った光束の一部を光電検出する手段をウェハス
テージWST上に設けてもよい。また、ラインアンドス
ペースをもつレチクルを使用するときは、干渉性低減部
材CCMを投影光学系PL外へ退出させ、照明系の一部
をSHRINC法に適するように交換可能としてもよ
い。尚、コンタクトホールパターンの投影露光時に干渉
性低減部材CCMを用いるとともに、SHRINC法又
は輪帯照明光源等の変形照明系を併用する場合、露光す
べきレチクルをコンタクトホール用からラインアンドス
ペース用に交換するときは、干渉性低減部材CCMのみ
を退出させればよい。
【0090】また本発明の各実施例に示した干渉性低減
部材CCMは、円形状、あるいは輪帯状の透過部で構成
したが、これは文字通りの形状に限られるものではな
い。例えば円形状の透過部は矩形を含む多角形に、輪帯
状の透過部はその多角形を環状に取り囲む形状に、それ
ぞれ変形してもよい。さらに、干渉性低減部材CCM
は、中心の円形透過部を取り囲んで最大2重の輪帯透過
部で構成するようにしたが、その輪帯透過部はそれ以上
に分割した構成にしてもよい。
【0091】その場合、円形の透過部とn重の各輪帯透
過部のうち、少なくとも一組の干渉し合う部分(偏光状
態が同じになる等)の透過光に互いにπの位相差を与え
るように、位相シフターを設けてもよい。さらに干渉性
低減部材CCMは、実効的な瞳面積をn+1等分するよ
うな円形状、又は輪帯状の領域のうち、任意の1つ以上
の領域を遮光部としてもよい。
【0092】また本発明の各実施例では、投影光学系と
して全て屈折素子で構成される投影レンズを掲げたが、
その他、全て反射素子で構成される投影光学系、あるい
は反射素子と屈折素子とを組み合わせた投影光学系のい
ずれの系に対しても、本発明は全く同様に適用できる。
特にキセノン水銀ランプからのブロードバンド光、又は
水銀ランプからの複数の輝線を照明光とする反射方式、
又は反射屈折方式の投影露光装置では、露光光の時間的
コヒーレント長ΔLcが短い(数μm程度)ために、光
路長差を利用した干渉性低減部材を使用するのに好都合
である。また以上の各実施例中のシミュレーションとし
ては例示していないが、本発明によるSFINCS法と
FLEX法とを組み合わせれば、ウェハをZステージに
より光軸方向に移動させる量が少なくても、十分に焦点
深度拡大効果が得られることになる。このことは換言す
ると、SFINCS法による焦点深度拡大とFLEX法
(又は露光中のウェハの連続移動)による焦点深度拡大
との相乗効果が得られることを意味する。
【0093】尚、本発明の各実施例においては、干渉性
低減部材CCM(偏光状態制御部材PCM)を、投影光
学系PLのフーリエ変換面FTPに配置するようにした
が、投影光学系の光学素子の構造や組み合わせ状態によ
っては、フーリエ変換面FTPからわずかにはずして配
置することもできる。例えば先の図5のような構成の投
影レンズであれば、前群レンズ系GAの最下側のレンズ
GA1 から2〜3枚程度上方(レチクル側)のレンズ近
傍の空気間隔の位置に、干渉性低減部材CCMを設けて
もよい。要するにホールパターンの投影時に、フーリエ
変換面FTPの瞳ep内での結像光束の分布とほぼ同等
の光束分布をもつ位置であれば、干渉性低減部材CCM
はどこに設けてもよい。従って本発明における瞳近傍面
とは、そのようにフーリエ変換面での光束分布がある程
度保存されている範囲内の任意の位置を意味する。
【0094】
【発明の効果】以上、本発明によれば、コンタクトホー
ル等の孤立的なパターンの投影露光時の焦点深度を、F
LEX法、あるいはSuper FLEX法と同程度に
拡大させることができるとともに、FLEX法のように
感光基板を光軸方向に移動、又は振動させることなく、
またSuper FLEX法のように複雑な複素振幅透
過率の関数をもつ空間フィルターを作成する必要もない
と言った利点がある。特に本発明では、投影光学系の瞳
面(フーリエ変換面)での空間的フィルタリングにとも
なって発生しやすいリンギング自体が十分に小さく押さ
えられるため、複数個のコンタクトホールパターンが比
較的接近して配置される場合であっても、Super
FLEX法のようにリンギングのサブピーク部の重畳に
よって生じる悪影響(ゴースト像の発生等)は皆無にな
るといった大きな効果が得られる。また従来のFLEX
法のように感光基板を光軸方向に移動させなくても、実
効的な焦点深度が約2倍以上に拡大されるため、マスク
と感光基板とを光軸と垂直な面内で相対移動させる走査
露光方式(ステップアンドスキャン方式)の投影結像系
にもそのまま適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の投影露光方法を説明する図である。
【図2】本発明の投影露光方法を実施するための原理的
な構成を示す図である。
【図3】本発明の露光方法により焦点深度が増大する原
理を説明する図である。
【図4】本発明の実施に好適な投影露光装置の全体的な
構成を示す図である。
【図5】投影光学系の部分的な構造を示す部分断面図で
ある。
【図6】本発明の第1の実施例による偏光状態制御部材
PCMの構成を示す図。
【図7】本発明の第2の実施例による偏光状態制御部材
PCMの構成を示す図。
【図8】照明光の偏光特性を互いに異ならせ、同時に時
間的にインコヒーレントにするための第3の実施例によ
る偏光制御手段の構成を示す図。
【図9】図7の偏光状態制御部材PCMと図8の偏光状
態制御手段とを組み合わせたときの偏光特性を説明する
図。
【図10】レチクル上の接近した2つのコンタクトホー
ルパターンに対するコヒーレンス関数の照明光のσ値に
よる変化をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図11】2つのホールパターンを異なるσ値の通常露
光法で投影したときの像強度分布をシミュレーションし
た結果を示すグラフ。
【図12】照明系内部の光源像の形状を切り替える変換
絞り機構を示す図。
【図13】レチクル上の接近した2つのコンタクトホー
ルパターンに対するコヒーレンス関数を、輪帯照明法と
SHRINC法との夫々でシミュレーションした結果を
示すグラフ。
【図14】SFINCS法を用いた2つのホールパター
ンの像強度分布を、輪帯照明法とSHRINCS法との
夫々についてシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図15】σ=0.8でSFINCS法を適用したとき
のコンタクトホールパターン像のデフォーカスに伴う強
度分布の変化をシミュレーションしたグラフ。
【図16】輪帯照明法でSFINCS法を適用したとき
のコンタクトホールパターン像のデフォーカスに伴う強
度分布の変化うシミュレーションしたグラフ。
【図17】SHRINC法でSFINCS法を適用した
ときのコンタクトホールパターン像のデフォーカスに伴
う強度分布の変化をシミュレーションしたグラフ。
【図18】σ=0.8で、干渉性低減部材の中心部を遮
光したSFINCS法を適用したときのコンタクトホー
ルパターン像のデフォーカスに伴う強度分布の変化をシ
ミュレーションしたグラフ。
【図19】σ=0.6の従来の通常露光法(円形光源
像)を適用したときのコンタクトホールパターン像のデ
フォーカスに伴う強度分布の変化をシミュレーションし
たグラフ。
【図20】2つのホールパターンを従来のFLEX法で
投影したときのデフォーカスに伴う像強度分布の変化を
シミュレーションしたグラフ。
【図21】2つのホールパターンを従来のSuper
FLEX法(1)で投影したときのデフォーカスに伴う
像強度分布の変化をシミュレーションしたグラフ。
【図22】2つのホールパターンを従来のSuper
FLEX法(2)で投影したときのデフォーカスに伴う
像強度分布の変化をシミュレーションしたグラフ。
【図23】接近した2個のホールパターンの間隔を図2
2の場合と異ならせたときに各種露光法で得られるベス
トフォーカス時の像強度分布をシミュレーションしたグ
ラフ。
【図24】2次元的に分布したコンタクトホールパター
ンとリンギングの発生位置との関係を示す図。
【図25】照明系のフライアイレンズの射出面形状と投
影レンズ内の瞳面との配置関係を示す図。
【図26】照明系のフライアイレンズとSHRINC法
で使う絞りとの配置関係を投影レンズ内の瞳面内で見た
図。
【図27】SHRINC法の原理を説明する光線図。
【符号の説明】
1‥光源 7‥フライアイレンズ 8‥照明系絞り 14‥コンデンサーレンズ R‥レチクル W‥ウェハ PL‥投影レンズ CCM‥干渉性低減部材 PCM‥偏光状態制御部材
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【課題を解決するための手段】上記問題点の解決の為に
本発明では、パターンが形成されたマスクを照明光で照
明する照明光学系と、前記パターンからの光を基板に転
写する投影光学系とを備える投影露光装置において、前
記照明光学系内の前記マスクのパターン面に対する光学
的なフーリエ変換面における前記照明光の光量分布が、
前記照明光の中心部の光量より該中心部から離れた位置
での光量が大きくなるように設定する光量分布設定手段
と、前記投影光学系内の前記マスクのパターン面に対す
る光学的なフーリエ変換面又はその近傍の面に配置さ
れ、前記パターンからの光を互いに光学特性が異なる複
数の光に変換するフィルタとを備えるようにした。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】また、フィルタとして、パターンからの光
を互いに干渉が低減された複数の光に変換したり、パタ
ーンからの光をマスクを照明する照明光の波長範囲より
定まる可干渉距離以上の光路差を有する複数の光に変換
する。さらに、光量分布設定手段は、前記フーリエ変換
面又はその近傍の面に配置され、輪帯状の開口を有する
輪帯照明用の絞りであったり、前記フーリエ変換面又は
その近傍の面内で、互いに離間した複数の開口を有する
絞りである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】本実施例においては、レチクルパターン面
に対して、光学的にフーリエ変換の関係となる投影光学
系内の面(以後瞳面と略す)、又はその近傍面に干渉性
低減部材を設け、その瞳面内で円形または輪帯状に分布
する結像光の一部と、それ以外の部分に分布する結像光
とを互いに干渉し合わない状態とする。この結果レチク
ルパターン中の、特にコンタクトホールパターンを透
過、回折した露光光束(結像光)は瞳面内で干渉し合わ
ない2つの光束に空間的に分割され、ウェハ等の被露光
体に到達する。ウェハ上でも2つの光束は干渉し合わな
い(インコヒーレントである)ために、それぞれの光束
が作り出す像(コンタクトホールの像)の光量上での強
度合成像が得られる。従来の露光方式ではレチクル上の
微小コンタクトホールパターンを透過、回折した光束は
投影光学系を経てウェハ面に達すると、ここですべて振
幅的に合成(コヒーレント加算)されてレチクルパター
ンの像(光学像)を形成していた。従来のSuper−
FLEX法においても、瞳面に分布する結像光を部分的
に位相シフトさせているだけなので、コヒーレント加算
であることに変わりはない。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細なパターンが形成されたマスクを、露
    光用の照明光により所定の開口数で照射する照明手段
    と、前記マスクのパターンから発生した光を入射して、
    前記パターンの像を感応基板上に結像投影する投影光学
    系とを備えた投影露光装置において、 前記照明手段による前記照明光の開口数と前記投影光学
    系の開口数との比によって決まるコヒーレンスファクタ
    ー(σ値)を0.5以上に設定するとともに、前記マス
    クと前記感応基板との間の結像光路内のフーリエ変換
    面、又はその近傍面に配置され、該フーリエ変換面上、
    又はその近傍面上の前記投影光学系の光軸を中心とする
    所定半径の円形領域内、あるいは前記光軸を中心とする
    所定幅の輪帯状領域内と、それ以外の領域とに分布する
    結像光の間の干渉性を低減させる干渉性低減素子を備え
    たことを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】微細なパターンが形成されたマスクを、露
    光用の照明光により照射する照明手段と、前記マスクの
    パターンから発生した光を入射して、前記パターンの像
    を感応基板上に結像投影する投影光学系とを備えた投影
    露光装置において、 前記マスクと前記感応基板との間の結像光路内のフーリ
    エ変換面、又はその近傍面に配置され、該フーリエ変換
    面上、又はその近傍面上の前記投影光学系の光軸を中心
    とする所定半径の円形領域内、あるいは前記光軸を中心
    とする所定幅の円環状領域内と、それ以外の領域とに分
    布する結像光の間の干渉性を低減させる干渉性低減素子
    を有し、さらに前記照明手段は、前記投影光学系のフー
    リエ変換面とほぼ共役な関係の光源像面を備え、該光源
    像面における光源像の形状を輪帯状にする手段を含むこ
    とを特徴とする投影光学装置。
  3. 【請求項3】微細なパターンが形成されたマスクを、露
    光用の照明光により照射する照明手段と、前記マスクの
    パターンから発生した光を入射して、前記パターンの像
    を感応基板上に結像投影する投影光学系とを備えた投影
    露光装置において、 前記マスクと前記感応基板との間の結像光路内のフーリ
    エ変換面、又はその近傍面に配置され、該フーリエ変換
    面上、又はその近傍面上の前記投影光学系の光軸を中心
    とする所定半径の円形領域内、あるいは前記光軸を中心
    とする所定幅の円環状領域内と、それ以外の領域とに分
    布する結像光の間の干渉性を低減させる干渉性低減素子
    を有し、さらに前記照明手段は、前記投影光学系のフー
    リエ変換面とほぼ共役な関係の光源像面を備え、該光源
    像面に互いに離間した複数の光源像を形成する手段を含
    むことを特徴とする投影光学装置。
  4. 【請求項4】前記感応基板と前記投影光学系とを前記光
    軸の方向に移動させるステージと、前記マスクのパター
    ンの前記感応基板への投影露光中に、前記ステージを一
    定量だけ移動、又は振動させる駆動部材とを有すること
    を特徴とする請求項第1項、第2項、第3項のいずれか
    1項に記載の装置。
  5. 【請求項5】少なくとも2つの微細なホール用パターン
    が所定の間隔で形成されたマスクを、露光用の照明光で
    照射する照明手段と、前記マスクのホール用パターンか
    ら発生した光を入射して前記ホール用パターンの像を感
    応基板上に結像投影する投影光学系とを備えた投影露光
    装置において、 前記マスクと前記感応基板との間の結像光路内のフーリ
    エ変換面、又はその近傍面に配置され、該フーリエ変換
    面上、又はその近傍面上の前記投影光学系の光軸を中心
    とする所定半径の円形領域内とその外側の領域内との夫
    々に分布する結像光の間、もしくは前記フーリエ変換面
    上、又はその近傍面上の前記光軸を中心とする所定幅の
    輪帯状領域内とそれ以外の領域内との夫々に分布する結
    像光の間での干渉性を低減させる干渉性低減部材と;前
    記マスクのパターン面における照明光のコヒーレンス関
    数の値が、前記所定間隔だけ離れた2つのホール用パタ
    ーンの一方のの位置に対して他方の位置でほぼ零、もし
    くは逆極性となるように、前記照明光のマスクへの入射
    角度範囲を設定する設定部材とを設けたことを特徴とす
    る投影露光装置。
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