JPH07122469A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

Info

Publication number
JPH07122469A
JPH07122469A JP26228893A JP26228893A JPH07122469A JP H07122469 A JPH07122469 A JP H07122469A JP 26228893 A JP26228893 A JP 26228893A JP 26228893 A JP26228893 A JP 26228893A JP H07122469 A JPH07122469 A JP H07122469A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
image
optical system
reticle
coherence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26228893A
Other languages
English (en)
Inventor
Naomasa Shiraishi
直正 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP26228893A priority Critical patent/JPH07122469A/ja
Publication of JPH07122469A publication Critical patent/JPH07122469A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70483Information management; Active and passive control; Testing; Wafer monitoring, e.g. pattern monitoring
    • G03F7/7055Exposure light control in all parts of the microlithographic apparatus, e.g. pulse length control or light interruption
    • G03F7/70583Speckle reduction, e.g. coherence control or amplitude/wavefront splitting
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70308Optical correction elements, filters or phase plates for manipulating imaging light, e.g. intensity, wavelength, polarisation, phase or image shift

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンタクトホールパターンの投影露光時の焦
点深度を拡大する。 【構成】 投影光学系PLの瞳面上の光軸を中心とする
半径r1 の円形透過部FA及び光軸を中心とする内半径
1 、外半径r2 の輪帯透過部FBを通過する結像光束
LFa、LFbと、その外側の輪帯透過部FCを通過す
る結像光束LFcとの間の干渉性を低減させる干渉性低
減部材CCMを瞳面に配置する。さらに、円形透過部F
Aの結像光LFaと輪帯透過部FBの結像光LFbとの
間に(2m+1)π〔rad〕の位相差を与える位相シ
フターを設けることにより、少なくとも2つの結像光束
(LFa、LFb)、LFcをインコヒーレントな状態
に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体集積回路、液晶デ
ィスプレイ等の微細パターンの形成に用いる投影型露光
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の投影型露光装置に使われている
投影光学系は、高度な光学設計、硝材の厳選、硝材の超
精密加工、及び精密な組立て調整をへて装置内に組み込
まれる。現在、半導体製造工程では水銀ランプのi線
(波長365nm)を照明光としてレチクル(マスク)
を照射し、そのレチクル上の回路パターンの透過光を投
影光学系を介して感光基板(ウェハ等)上に結像するス
テッパーが主に使われている。また評価用、あるいは研
究用としてエキシマレーザ(波長248nmのKrFレ
ーザ)を照明光とするエキシマステッパーも使われてい
る。エキシマステッパー用の投影光学系は屈折レンズの
みで構成した場合、使用できる硝材が石英やホタル石等
に限定される。
【0003】一般に、投影光学系を用いた露光によって
微細なレチクルパターンを感光基板へ忠実に転写するた
めには、投影光学系の解像力と焦点深度(DOF:デプ
スオブフォーカス)とが重要なファクタとなっている。
現在実用化されている投影光学系のうち、i線用のもの
で開口数(NA)として0.6程度のものが得られてい
る。使用する照明光の波長が同じであるとき、投影光学
系の開口数を大きくすると、それに応じて解像力も向上
する。しかしながら焦点深度(DOF)は開口数NAの
増大に伴って減少する。焦点深度は照明光の波長をλと
したとき、DOF=±λ/NA2 によって定義される。
【0004】図1は従来の投影光学系の結像光路を模式
的に表したものであり、投影光学系は前群のレンズ系G
Aと後群のレンズ系GBとによって構成される。この種
の投影光学系はレチクルR側とウェハW側との両方をテ
レセントリックにしたもの、あるいはウェハW側のみを
テレセントリックにしたものが一般的である。さて、図
1においてレチクルRのパターン面(投影光学系の物体
面)上に任意の3つの点A、B、Cを想定する。点Aか
ら様々の方向に進む光線L1 、L2 、L3 、La、L
a’、La”のうち、光線L1 は投影光学系のレンズ系
GAに入射できないような角度で発生する。また、前群
のレンズ系GAに入射した光線のうち、光線L2 、L3
は投影光学系内のフーリエ変換面FTPに位置する瞳e
pを通過することができない。そして他の光線La、L
a’、La”は瞳epを通過して後群のレンズ系GBに
入射し、ウェハWの表面(投影光学系の瞳面)上の点
A’に収斂する。従って、レチクルR上の点Aから発生
した光線のうち、投影光学系の瞳ep(光軸AXを中心
とする円形領域)を通過した光線が点A’に点像を結像
するのに寄与する。ここで点Aから点A’に向う光線の
うち瞳epの中心点CC(光軸AXの位置)を通る光線
Laを主光線と呼び、この主光線Laは両側がテレセン
トリックな投影光学系の場合、物体面側、像面側の夫々
の空間で光軸AXと平行になっている。
【0005】またレチクルR上の他の点B、Cの夫々か
ら発生した光線についても全く同じであり、瞳epを通
過する光線のみが点像B’、C’の結像に寄与する。同
様に点B、Cの夫々から光軸AXと平行に進んでレンズ
系GAに入射する光線Lb、Lcは、いずれも瞳epの
中心点CCを通る主光線となる。このように瞳epはレ
チクルRのパターン面とウェハWの表面との夫々に対し
てフーリエ変換、及び逆フーリエ変換の関係にあり、レ
チクル上のパターンからの光線のうち結像に寄与する光
線は全て瞳epを重畳して通ることになる。
【0006】このような投影光学系の開口数は一般にウ
ェハ側の値として表されている。図1において、点像
A’の結像に寄与する光線のうち、瞳ep内の最外部を
通る光線La’、La”がウェハW上で主光線Laと成
す角度θwが、この投影光学系のウェハ(像面)側での
開口数NAW に相当し、NAw=sinθwで表され
る。従って光線La’、La”がレチクルR側で主光線
Laと成す角度θrは、レチクル(物体面)側での開口
数NArと呼ばれ、NAr=sinθrで表される。さ
らに投影光学系の結像倍率をM(1/5縮小の場合はM
=0.2)とすると、NAr=M・NAwの関係にあ
る。
【0007】ところで解像力を高めるためには、開口数
NAw(NAr)を大きくする訳であるが、このことは
換言すれば瞳epの径を大きくすること、さらにレンズ
系GA、GBの有効径を大きくすることに他ならない。
ところが、焦点深度DOFの方は開口数NAwの2乗に
反比例して減少してしまうため、例え高開口数の投影光
学系が製造できたとしても、必要な焦点深度が得られな
いことになり、実用上の大きな障害となる。
【0008】照明光の波長をi線の365nmとし、開
口数NAwを0.6とすると、焦点深度DOFは幅で約
1μm(±0.5μm)になってしまい、ウェハW上の
1つのショット領域(20mm角〜30mm角程度)内
で表面の凹凸や湾曲が焦点深度DOF以上の部分につい
ては解像不良を起こすことになる。またステッパーのシ
ステム上でも、ウェハWのショット領域毎のフォーカス
合わせ、レベリング等を格段に高精度に行う必要が生
じ、メカ系、電気系、ソフトウェアの負担(計測分解
能、サーボ制御精度、設定時間等の向上努力)が増大す
ることになる。
【0009】そこで本件出願人は、このような投影光学
系の諸問題を解決し、しかも特公昭62−50811号
公報に開示されているような位相シフトレチクルを使わ
なくとも、高い解像力と大きな焦点深度との両方を得る
ことができる新たな投影露光技術を、特開平4−101
148号公報、特開平4−225358号公報等で提案
した。この露光技術は、投影光学系は既存のままで、レ
チクルへの照明方法を特殊な形体に制御することで解像
力と焦点深度とを増大させるものであり、SHRINC
uper igh esolution by
llumiation ontrol)法と呼
んでいる。このSHRINC法は、レチクルR上のライ
ン・アンド・スペースパターン(L&Sパターン)のピ
ッチ方向に対称的に傾斜した2つの照明光(又は4つの
照明光)をレチクルへ照射し、L&Sパターンから発生
する0次回折光成分と±1次回折光成分の一方とを、投
影光学系の瞳ep内で中心点CCに関して対称的に通
し、2光束干渉(一方の1次回折光と0次回折光との干
渉)の原理を利用して、L&Sパターンの投影像(干渉
縞)を生成するものである。
【0010】このように2光束干渉を利用した結像によ
ると、デフォーカス時の波面収差の発生が従来の方法
(通常の垂直照明)の場合よりも押さえられるため、焦
点深度が大きくなるのである。ところが、このSHRI
NC法はレチクルR上に形成されるパターンがL&Sパ
ターン(格子)のように、周期構造を持つときに所期の
効果が得られるのであり、コンタクトホール等の孤立し
たパターンに対してはその効果が得られない。一般に、
孤立した微小パターンの場合、そこからの回折光は回折
角度に対してほとんどフランフォーファ回折として発生
するため、投影光学系の瞳ep内では0次回折光と高次
回折光とに明確に分離しないためである。
【0011】そこで、コンタクトホール等の孤立パター
ンに対して見かけ上の焦点深度を拡大させる露光方法と
して、ウェハWの1つのショット領域に対する露光を複
数回に分け、各露光の間にウェハWを光軸方向に一定量
だけ移動させる方法が、例えば特開昭63−42122
号公報で提案された。この露光方法はFLEX(oc
us atitude enhancement
posure)法と呼ばれ、コンタクトホール等の孤
立パターンに対しては十分な焦点深度拡大効果を得るこ
とができる。ただしFLEX法は、わずかにデフォーカ
スしたコンタクトホール像を多重露光することを必須と
するため、現像後に得られるレジスト像は必然的に鮮鋭
度が低下したものとなる。この鮮鋭度低下(プロファイ
ル悪化)の問題は、ガンマ値が高いレジストを用いた
り、多層レジストを用いたり、あるいはCEL(Con
trast Enhancement Layer)を
用いたりすることで補うことができる。
【0012】またFLEX法のように露光動作中にウェ
ハWを光軸方向に移動させなくても、コンタクトホール
パターンの投影時の焦点深度を拡大する試みとして、1
991年春季応用物理学会の予稿集29a−ZC−8、
9で発表されたSuper−FLEX法も知られてい
る。このSuper FLEX法は、投影光学系の瞳e
pに透明な位相板を設け、この位相板によって結像光に
与えられる複素振幅透過率が光軸AXから周辺に向かっ
て順次変化するような特性を持たせたものである。この
ようにすると、投影光学系によって結像された像はベス
トフォーカス面(レチクルRと共役な面)を中心に光軸
方向に一定の幅(従来よりは広い)でシャープさを保つ
ことになり、焦点深度が増大するのである。
【0013】尚、上記のSuper FLEX法の如く
投影光学系の瞳面でのフィルタリングにより透過率分布
や位相差を変化させ焦点深度を向上する方法は多重焦点
フィルター法として一般に知られている。多重焦点フィ
ルターについては、昭和36年1月23日付で発行され
た機械試験所報告第40号の「光学系における結像性能
とその改良方法に関する研究」と題する論文中の第41
頁〜第55頁に詳しく述べられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上で述べた各種従来
技術のうち、FLEX法、及びSuper FLEX法
では、孤立的なコンタクトホールパターンに対して十分
な焦点深度の増大効果を得ることができる。しかしなが
ら、ある程度接近した複数、例えば2個のコンタクトホ
ールパターンでは、両ホールのリンギング(本来のホー
ル像の周囲に生じる不要なサブピーク)がその中間で加
算されて極めて明るいゴースト像が作り出されるため、
ホール間のフォトレジストに不要な膜べりが生じてしま
い、事実上使用することが困難になることがわかった。
【0015】さらに、FLEX法では、孤立的なコンタ
クトホールパターンについてもその像(多重露光で得ら
れる合成光学像)のシャープネスを必然的に悪化させる
ために、焦点深度は増大しても露光量裕度が減少すると
いう問題もある。また露光作業中にウェハを光軸方向に
連続的に移動又は振動する方式のFLEX法では走査露
光方式の露光装置への適用が難しく、また露光を第1の
露光と第2の露光に分割し、各露光間にウェハを光軸方
向に移動する方式では処理能力の低下が大きく、スルー
プットが著しく低下するという問題がある。
【0016】そこで本発明は、コンタクトホール等の孤
立したパターンの投影露光の際に、焦点深度を拡大した
投影露光装置を得ることを目的とし、特に比較的接近し
た複数の孤立パターンに対しても忠実な転写を可能と
し、同時に焦点深度拡大効果が得られる装置を提供する
ことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記問題点の解決の為に
本発明では 微細なパターンが形成されたマスク(レチ
クルR)を露光用の照明光で照射する照明手段(1〜1
4)と、マスクのパターンから発生した光を入射してパ
ターンの像を感光基板(ウェハW)上に結像投影する投
影光学系(PL)とを備えた投影露光装置において、投
影光学系内のマスクに対する光学的フーリエ変換面(F
TP)上、又はその近傍面上の光軸を中心とする半径r
1 の円形状の第1領域(FA)内に分布する結像光と、
光軸を中心とする内半径r1 、外半径r2 の輪帯状の第
2領域(FB)内に分布する結像光との間に(2m+
1)π [rad](mは整数)の位相差を与える位相シフト
部材と、光軸を中心とする半径r2 以上の輪帯状の第3
領域(FC)内に分布する結像光と、第1領域及び第2
領域内に分布する結像光との間の干渉性を低減する干渉
性低減部材とを設けることとした。
【0018】
【作用】本発明においては、レチクルパターン面に対し
て光学的にフーリエ変換の関係となる投影光学系内の面
(以後、瞳面と略す)、又はその近傍面に干渉性低減部
材を設け、その瞳面内で円形状に分布する結像光と、そ
れ以外の部分に分布する結像光とを互いに干渉し合わな
い状態とする。この結果、レチクルパターン中の、特に
コンタクトホールパターンを透過、回折した露光光束
(結像光)は瞳面内で干渉し合わない2つの光束に空間
的に分割され、ウェハ等の被露光体に到達する。これら
の像のうち、円形状に分布する結像光によって作られる
像、すなわち中心の円形透過部(半径r1 の第1領域F
A)内に分布する結像光と、中間の輪帯透過部(内半径
1 、外半径r2 の第2領域FB)内に分布する結像光
とによって作られる像は、円形透過部(FA)内の結像
光と輪帯透過部(FB)内の結像光との間の位相が(2
m+1)π [rad]だけずれているため、2重焦点フィル
ターとしての作用を受ける。もう一方の像は、周辺の輪
帯透過部(半径r2 以上の第3領域FC)内に分布する
結像光によって作られるが、輪帯透過部(FC)を透過
した結像光は円形透過部(FA)及び輪帯透過部(F
B)を透過した結像光と干渉し合わない(インコヒーレ
ントである)ために、ウェハ上でも2つの光束は振幅的
に干渉し合うことはない。従って、コンタクトホールパ
ターンの像として、それぞれの光束が作り出す像(コン
タクトホールの像)の光量上での強度合成像が得られ
る。従来の露光方式ではレチクル上の微小コンタクトホ
ールパターンを透過、回折した光束は投影光学系を経て
ウェハ面に達すると、ここで全て振幅的に合成(コヒー
レント加算)されてレチクルパターンの像(光学像)を
形成していた。従来のSuper−FLEX法において
も、瞳面に分布する結像光を部分的に位相シフトさせて
いるだけなので、コヒーレント加算であることに変わり
はない。
【0019】さて、投影光学系の瞳面に位相シフト板等
がないものとすると、ベストフォーカス(合焦状態)で
は、レチクル上の任意の1点からウェハ上の対応する像
点までの光路長は投影光学系中のどこの光線路を通るか
にかかわらず全て等しい(フェルマーの原理)。従っ
て、ウェハ上の振幅合成は位相差のない光の合成とな
り、全てコンタクトホールパターンの強度を増大する方
向に作用する。
【0020】ところが、ウェハがデフォーカス(ウェハ
表面とベストフォーカス面との光軸方向のずれ)する
と、上記の光路長は投影光学系内の光線路によって異な
った長さとなる。この結果、上記の振幅合成は光路差
(位相差)を有する光の加算となり、一部で相殺効果が
生じ、コンタクトホールパターンの中心強度を弱めるこ
とになる。このとき生じる光路差はウェハ上の1つの像
点に入射する任意の光線の入射角をθとし、かつウェハ
に垂直に入射する光線(主光線)の光路長を基準(=
0)とすると、ほぼ1/2(ΔF・sin2 θ)と表さ
れる。ここでΔFはデフォーカス量を表す。sinθの
最大値は投影光学系のウェハ側の開口数NAwであるか
ら、従来の如く微小ホールパターンからの回折光のうち
瞳epを通過した全ての光がウェハ上で振幅合成される
場合、最大で1/2(ΔF・NAw2)の光路差を生じて
しまうことになる。このとき焦点深度としてλ/4の光
路差までを許容すると仮定すれば、以下の関係が成り立
つ。
【0021】1/2(ΔF・NAw2)=λ/4 この式をまとめ直すと、ΔF=λ/(2NAw2)となっ
て、一般に言われる焦点深度幅と一致する。例えば露光
用照明光波長として現在使われているi線(波長0.3
65μm)を前提とし、開口数としてNAw=0.50
を想定すると、焦点深度±ΔF/2は±0.73μmと
なり、ウェハ上のプロセス段差1μm程度に対してほと
んど余裕のない値となっている。
【0022】以上の原理を模式的に表したものが図6で
ある。図6の横軸は光軸を中心(0)とした瞳の径方向
の距離を表す。図6(A)中のtcは瞳の振幅透過率を
表すが、通常の結像では瞳面には位相シフト板や、吸光
物質を置かないので、コンスタントに+1の振幅透過率
となっている。図6(B)はウェハに入射する光束の角
度範囲を表し、sinθn=NA(ウェハ側開口数)で
あり、最大値はθw、NAwである。
【0023】さて、瞳面に位相板等がなく、かつ−θn
から+θnの入射角度範囲の光がウェハに達するとき、
すなわちベストフォーカス(ΔF=0)状態のときは、
図6(C)に示すように、レチクル上の一点とウェハ上
の像点との光路長差ΔLCOはウェハへの入射角度又は
その正弦(sin)によらず等しくなる(ΔLCO=
0)。一方、ウェハWがΔF=Fだけデフオォーカスす
ると上記の光路長差は入射角度(θ)の正弦に応じて1
/2ΔFsin2 θだけ異なってくる。これを図6
(D)に示す。θ=0からsinθ=NAwの間にはΔ
LCFだけの光路差(デフォーカスによる波面収差)が
生じる。この光路差(波面収差)が像のプロファイルを
悪化させる。これがすなわちデフォーカスによる像の劣
化である。
【0024】一方、図7はいわゆる多重焦点フィルター
の一例として2重焦点フィルターによる結像の原理を模
式的に示すものである。ここでは図7(A)のように2
重焦点フィルターとして瞳面の中心部と周辺部で透過光
の位相をπ〔rad〕だけ異ならしめるフィルターを用
いる。すなわちフィルターの振幅透過率は中心(円形領
域)で負、周辺(輪帯領域)で正となるが、この符号関
係は相対的なものであり、正負を反対にしても勿論構わ
ない。振幅透過率が負である領域は、図7(B)のよう
にウェハへの入射角として、−θ1 <θ<θ1 であり、
振幅透過率が正である領域はウェハへの入射角として、
−θw<θ<θ1 及びθ1 <θ<θwとなる(sinθ
1 =NA1 とする)。
【0025】さて、レチクル上の一点からウェハ上の像
点までの光路長差は、図7(C)のように使用する2重
焦点フィルタのためにベストフォーカス(ΔF=0)に
おいてもΔLFO=λ/2だけの光路差を含んでいる。
このため、ベストフォーカス(ΔF=0)における像
は、通常の(2重焦点フィルターを用いない)場合の像
よりもむしろ劣化したものとなる。ところが、ΔF=F
のデフォーカス状態においては、図7(D)のように2
重焦点フィルターの位相シフト効果により発生する位相
差ΔLFFを、図6(D)の通常の光路長差ΔLCFよ
りも少なくすることができる。従って、2重焦点フィル
ターによりある程度デフォーカスした位置での像を改善
できることとなり、焦点深度を増大することができる。
【0026】尚、上記の説明では片側(正方向)のみの
デフォーカスを考えたが、逆側(負方向)のデフォーカ
スに対しても同様に2重焦点フィルターの効果は表れ
る。逆側のデフォーカスでは、図6(D)、図7(D)
共に放物線が上に凸となるが、このとき図6(D)中で
−NAw〜−NA1 、及びNA1 〜NAwの間に相当す
る光束は、図7(D)に示した−NA1 〜NA1 の間の
光束より1波長分ずれた(−側)の光束と干渉し、従っ
てΔF=−Fの場合も光路差は同様にΔLFFとなる。
【0027】一方、本発明では図2に示すように、投影
光学系の瞳面(FTP)に干渉性低減部材CCMを設け
る。このとき、レチクルRのパターン面に形成された孤
立パターンPrで回折した結像光束(主光線はLLp)
は投影光学系PLの前群レンズ系GAに入射した後、フ
ーリエ変換面FTPに達する。そしてフーリエ変換面F
TPにおいて、瞳面ep内の中心部の円形状透過部FA
及び中間部の輪帯状透過部FBを透過する光束(それぞ
れLFa、LFb)と、周辺部の輪帯状透過部FCを透
過する光束(LFc)とが互いに干渉し合わない状態に
制御(変換)される。このため、ウェハW上では干渉性
低減部材CCMの円形状透過部FA及び中間の輪帯状透
過部FBを透過した光束LFa、LFbと、周辺の輪帯
状透過部FCを透過した光束LFcとは干渉を起こさな
い。その結果、中心透過部FA及び中間透過部FBから
の光束LFa、LFbと周辺透過部FCからの光束LF
cとはそれぞれ独立して自分自身のみで干渉し合い、そ
れぞれホールパターンの像(強度分布)Pr’を形成す
る。すなわち光束LFa、LFbのみの干渉によってウ
ェハW上に生成される像と、光束LFcのみの干渉によ
って生成される像とを、単純に強度的に加算したもの
が、本発明によって得られるコンタクトホール等の孤立
パターンの像Pr’となる。
【0028】尚、レチクルRへの照明光ILBは、従来
と同様に一定の開口数sin(ψ/2)をもつものとす
る。但し、投影光学系PLのレチクル側の開口数NAr
に対しては、NAr>sin(ψ/2)の条件に設定さ
れる。そこで、本発明における結像原理を、さらに図
3、図4、及び図5を参照して説明する。図3は本発明
で用いる瞳フィルターとしての干渉性低減部材CCMの
平面図及び振幅透過率を表す。
【0029】前述の如く中心の半径r1 の円形透過部F
A、及び中間の内半径r1 、外半径r2 の輪帯状透過部
FBに対して、周辺の内半径r2 、外半径r3(投影光学
系のウェハ側開口数NAに相当する)の輪帯状透過部F
Cには、上記透過部FA、FBの各透過光との干渉性を
低減する部材が設けられている。従って、透過部FA、
FBと透過部FCとの振幅透過率を同一の座標上に表す
ことはあまり意味がない。なぜなら、2つの透過部F
A、FBの各透過光(LFa、LFb)と透過部FCの
透過光(LFc)とは、振幅的に合成(干渉)し合うこ
とがないからである。従って図3では、(B)、(C)
のように夫々の振幅透過率を別々に、|a>(ケット
a)、及び|b>(ケットb)として表した。この|a
>、|b>は互いに干渉しない光を意味する。
【0030】|a>(透過部FAとFBの振幅透過率)
については、本発明では両部の透過光に(2m+1)π
〔rad〕の位相差を与える位相シフト部材を用いるの
で、中央部(FA)と中間部(FB)とでは逆符号とな
る。図3(B)中では中心を負とし、中間を正とした
が、この符号関係は相対的なものなので、正負を逆の関
係にしても構わない。また、図3(C)に示すように、
周辺の輪帯透過部FCの振幅透過率はここでは正とした
が、この値はその絶対値が1であればどのようなもので
あっても良い、また、図3(C)の振幅透過率と図3
(B)の振幅透過率とは全く無関係なものである。
【0031】図5の如く、周辺の輪帯透過部FCを通る
光束LFc内での振幅合成では、光束LFcのウェハへ
の入射角度θは輪帯透過部FCの半径r2 、r3 に対応
してθ2 <θ<θ3 の範囲となるので、ΔF=Fのとき
の光路長差ΔLは図5(D)のようにΔLbF=1/2
F(sin2 θ3 −sin2 θ2 )となる。勿論、ΔF
=0では、図5(C)のように光路長差ΔLbOは0で
ある。
【0032】一方、図4の如く中心透過部FA、及び中
間透過部FBの透過光LFa 、LFbによる像(振幅
合成)は、透過率分布|a>が前述の2重焦点フィルタ
ーと同様になっている。従って、ベストフォーカスΔF
=0においても、図4(C)のようにΔLaO=λ/2
の光路長差を生じるが、ΔF=Fのデフォーカス時には
光路長差が図4(D)のようにΔLaF程度となり、デ
フォーカス時(ΔF=±F)の方が波面収差が少ない、
すなわちプロファイルの良い像が得られることになる。
【0033】第1の光束LFa及びLFbと第2の光束
LFcとは互いには干渉し合わないので、光束LFa、
LFbのみの干渉による像Pr'1と、光束LFcのみの
干渉による像Pr'2の劣化は、各光束内での光路長差Δ
LbF、ΔLaO、ΔLaFのみに起因する。これらの
光路長差のうち、ΔLbF、ΔLaFについては、図
4、図5より明らかなように、従来のΔF=Fのデフォ
ーカス時の光路長差ΔLCF=1/2F(NAw)2
り小さく、またΔLaO=λ/2については2重焦点フ
ィルター用の光路長差であり、一概に像を悪化させるも
のではない。
【0034】この結果、本発明では同一量のデフォーカ
ス時において、従来の結像より光路長差を少なくするこ
とができ、すなわちより大きな焦点深度を得ることがで
きるようになる。このように投影光学系PLの瞳面ep
において、結像光束を互いに干渉しない複数の光束に変
換する手法を、以後SFINCS(patial
lter for INCoherent trea
m)法と呼ぶことにする。
【0035】また本発明によると、前述のような従来の
2重焦点フィルター、あるいは3重焦点フィルターのみ
の使用時に問題となるリンギングも、全く問題がなくな
るが、この作用については実施例中で詳しく述べる。
【0036】
【実施例】図8は本発明の実施例による投影露光装置の
全体的な構成を示す。図8において、水銀ランプ1から
放射された高輝度光は楕円鏡2によって第2焦点に収斂
した後、発散光となってコリメータレンズ4に入射す
る。その第2焦点の位置にはロータリーシャッター3が
配置され、照明光の通過、遮断を制御する。コリメータ
レンズ4によってほぼ平行光束に変換された照明光は、
干渉フィルター5に入射し、ここで露光に必要とされる
所望のスペクトル、例えばi線のみが抽出される。干渉
フィルター5を射出した照明光(i線)は、オプチカル
インテグレータとしてのフライアイレンズ7に入射す
る。もちろんi線以外の波長、あるいは複数の波長を使
用してもよく、また光源自体もレーザー等でもよい。図
中、偏光制御部材6は本発明の実施形態によっては使用
するものであり、詳しくは後述する。
【0037】さて、フライアイレンズ7に入射した照明
光(ほぼ平行光束)は、フライアイレンズ7の複数のレ
ンズエレメントによって分割され、各レンズエレメント
の夫々の射出側には2次光源像(水銀ランプ1の発光点
の像)が形成される。従って、フライアイレンズ7の射
出側にはレンズエレメントの数と同じ数の点光源像が分
布し、面光源像が作られる。フライアイレンズ7の射出
側には、面光源像の大きさを調整するための可変絞り8
が設けられる。この絞り8を通った照明光(発散光)は
ミラー9で反射され、集光レンズ系10に入射した後、
レチクルブラインド11の矩形の開口部を均一な照度分
布で照射する。図8では、フライアイレンズ7の射出側
に形成される複数の2次光源像(点光源)のうち、光軸
AX上に位置する1つの2次光源像からの照明光のみを
代表的に図示してある。また、集光レンズ系10によっ
て、フライアイレンズ7の射出側(2次光源像が形成さ
れる面)はレチクルブラインド11の矩形開口面に対す
るフーリエ変換面になっている。従って、フライアイレ
ンズ7の複数の2次光源像の夫々から発散して集光レン
ズ系10に入射した各照明光は、レチクルブラインド1
1上で互いにわずかずつ入射角が異なる平行光束となっ
て重畳される。
【0038】レチクルブラインド11の矩形開口を通過
した照明光はレンズ系12、ミラー13を介してコンデ
ンサーレンズ14に入射し、コンデンサーレンズ14を
射出する光が照明光ILBとなってレチクルRに達す
る。ここでレチクルブラインド11の矩形開口面とレチ
クルRのパターン面とは、レンズ系12とコンデンサー
レンズ14との合成系によって互いに共役に配置され、
レチクルブラインド11の矩形開口の像が、レチクルR
のパターン面内に形成された矩形のパターン形成領域を
含むように結像される。図8に示すように、フライアイ
レンズ7の2次光源像のうち光軸AX上に位置する1つ
の2次光源像からの照明光ILBは、レチクルR上では
光軸AXに対して傾きのない平行光束になっているが、
これは投影光学系PLのレチクル側がテレセントリック
だからである。もちろん、フライアイレンズ7の射出側
には光軸AX上からずれて位置する多数の2次光源像
(軸外の点光源)が形成されるから、それらからの照明
光はいずれもレチクルR上では光軸AXに対して傾いた
平行光束となってパターン形成領域内で重畳される。
尚、レチクルRのパターン面とフライアイレンズ7の射
出側面とが、集光レンズ系10、レンズ系12、コンデ
ンサーレンズ14の合成系によって光学的にフーリエ変
換の関係になっていることは言うまでもない。また、レ
チクルRへの照明光ILBの入射角度範囲ψ(図2参
照)は絞り8の開口径によって変化し、絞り8の開口径
を小さくして面光源の実質的な面積を小さくすると、入
射角度範囲ψも小さくなる。そのため絞り8は、照明光
の空間的コヒーレンシィを調整することになる。その空
間的コヒーレンシィの度合いを表すファクタとして、照
明光ILBの最大入射角ψ/2の正弦と投影光学系PL
のレチクル側の開口数NArとの比(σ値)が用いられ
ている。このσ値は通常、σ=sin(ψ/2)/NA
rで定義され、現在稼働中のステッパーの多くは、σ=
0.5〜0.7程度の範囲で使われている。本発明で
は、そのσ値がどのような値であってもよく、極端な場
合σ=0.1〜0.3程度であってもよい。
【0039】さて、レチクルRのパターン面にはクロム
層によって所定のレチクルパターンが形成されている
が、ここではクロム層が全面に蒸着され、その内に微小
な矩形開口部(クロム層のない透明部)で形成された複
数のコンタクトホールパターンが存在するものとする。
コンタクトホールパターンはウェハW上に投影したと
き、0.5μm角(又は径)以下の寸法になるように設
計されていることもあり、投影光学系PLの投影倍率M
を考慮してレチクルR上での寸法が決められている。ま
た、互いに隣接するコンタクトホールパターン間の寸法
は、通常1つのコンタクトホールパターンの開口部寸法
に対してかなり大きくなっているため、孤立的な微小パ
ターンとして存在する。すなわち、隣接する2つのコン
タクトホールパターンは、それぞれから発生した光(回
折、散乱光)が、回折格子のように互いに強く影響し合
うことがない程度に離れていることが多い。ところが後
で詳しく述べるが、かなり接近した配置でコンタクトホ
ールパターンを形成したレチクルも存在する。
【0040】図8において、レチクルRはレチクルステ
ージRSTに保持され、レチクルRのコンタクトホール
パターンの光学像(光強度分布)は投影光学系PLを介
してウェハWの表面のフォトレジスト層に結像される。
ここで、図8中のレチクルRからウェハWまでの光路
は、結像光束の主光線のみで示す。そして、投影光学系
PL内のフーリエ変換面FTPには、先の図2、図3で
説明した干渉性低減部材CCMが設けられる。この干渉
性低減部材CCMは、瞳epの最大径をカバーする直径
を有し、スライダー機構20によって光路外へ退出した
り、光路内に進入したりすることができる。仮りにその
ステッパーが専らコンタクトホールパターンを露光する
ために使われるのであれば、干渉性低減部材CCMは投
影光学系PL内に固定しておいてもよい。しかしなが
ら、複数台のステッパーによってリソグラフィ工程の露
光作業を行う場合、各ステッパーの最も効率的な運用を
考えると、特定の一台のステッパーをコンタクトホール
パターン専用の露光に割り当てることは躊躇される。そ
のため、干渉性低減部材CCMは投影光学系PLの瞳e
pに対して挿脱可能に設け、コンタクトホールパターン
以外のレチクルパターンの露光時にも、そのステッパー
が使えるようにしておくことが望ましい。ここで、干渉
性低減部材CCMの挿脱に伴う投影光学系PLの結像特
性の変動を防止するために、コンタクトホールパターン
以外のレチクルパターンの露光時には、干渉性低減部材
CCMと同等の光学厚さを持つ光学部材(例えば平行平
板ガラス)を、干渉性低減部材CCMの代わりに瞳ep
に配置するとよい。尚、投影光学系によっては、その瞳
位置(フーリエ変換面FTP)に実効的な瞳径を変える
ための円形開口絞り(NA可変絞り)を設けることもあ
る。この場合、その開口絞りと干渉性低減部材CCMは
機械的に干渉しないように、かつできるだけ接近して配
置される。
【0041】さて、ウェハWは、光軸AXと垂直な面内
で2次元移動(以下、XY移動とする)するとともに、
光軸AXと平行な方向に微動(以下、Z移動とする)す
るウェハステージWST上に保持される。ウェハステー
ジWSTのXY移動、Z移動は、ステージ駆動ユニット
22によって行われ、XY移動に関してはレーザ干渉計
23による座標計測値に従って制御され、Z移動に関し
てはオートフォーカス用のフォーカスセンサー24の検
出値に基づいて制御される。ステージ駆動ユニット2
2、スライダー機構20等は、主制御ユニット25から
の指令で動作する。主制御ユニット25は、さらにシャ
ッタ駆動ユニット26へ指令を送り、シャッター3の開
閉を制御するとともに、開口制御ユニット27へ指令を
送り、絞り8、又はレチクルブラインド11の各開口の
大きさを制御する。また主制御ユニット25は、レチク
ルステージRSTへのレチクルの搬送路中に設けられた
バーコードリーダー28が読み取ったレチクル名を入力
できるようになっている。従って主制御ユニット25
は、入力したレチクル名に応じてスライダー機構20の
動作、開口駆動ユニット27の動作等を統括的に制御
し、絞り8、レチクルブラインド11の各開口寸法、及
び干渉性低減部材CCMの要、不要を、そのレチクルに
合わせて自動的に調整することができる。
【0042】ここで図8中の投影光学系PLの一部分の
構造を、図9を参照して説明する。図9は全て屈折性硝
材で作られた投影光学系PLの部分的な断面を示し、前
群のレンズ系GAの最下部のレンズGA1 と後群のレン
ズ系GBの最上部のレンズGB1 との間の空間中にフー
リエ変換面FTPが存在する。投影光学系PLは複数枚
のレンズを鏡筒で保持しているが、干渉性低減部材CC
Mの挿脱のために、鏡筒の一部に開口部を設ける。ま
た、干渉性低減部材CCM、及びスライダー機構20の
全部、又は一部を、外気に直接露出させないようなカバ
ー20Bを、鏡筒の開口部から延設する。このカバー2
0Bは外気に浮遊する微小なダストが投影光学系PLの
瞳空間内に進入するのを防ぐ。スライダー機構20に
は、回転モータ、ペンシリンダー、ソレノイド等のアク
チュエータ20Aが結合されている。さらに、鏡筒の一
部に瞳空間に連通する流路Afを設け、パイプ29を介
して温度制御されたクリーンエアを瞳空間へ供給するこ
とで、干渉性低減部材CCMの露光光の一部吸収による
温度上昇、及び瞳空間全体の温度上昇を押さえるように
する。尚、瞳空間へ強制的に供給されたクリーンエア
を、スライダー機構20、アクチュエータ20Aを介し
て強制的に排出するようにすれば、スライダー機構20
等で発生した埃塵が瞳空間内に進入することを防止する
ことができる。
【0043】図10は干渉性低減部材CCMの第1の実
施例による構造を示し、(A)は光軸AXを通る点での
断面図、(B)は平面図である。さて、図8中の光源
(水銀ランプ1)からの光はランダムな偏光状態(種々
の偏光状態の光の合成された光であり、かつその偏光状
態が時間と共に変化する)であるとともに、そのコヒー
レント長ΔLcは極めて短い。今、照明光をi線とし
て、中心波長λ0 =365nm、波長幅Δλ=5nmで
あると、コヒーレント長ΔLcは以下のように求まる。
【0044】ΔLc=λ0 2 /Δλ≒26μm 図10に示す干渉性低減部材CCMは、紫外線に対して
高い透過率を有する透明平行平板上に、中心CCから半
径r2 の円形領域FA及びFBに厚さh1 の平行平板状
の透過物体を貼りつけたものである。このとき、貼りつ
ける透過物体の屈折率をn1 とすると、厚さh1 は、
(n1 −1)h1 ≧ΔLc(コヒーレント長)を満たす
ようにする。すると、透過部FA、FBの各透過光と、
透過部FCの透過光との間には(n−1)h1 、すなわ
ちコヒーレント長ΔLc以上の光路差が与えられ、両光
束相互間の可干渉性が消失する。透過物体はガラスや石
英、蛍石等であり、屈折率n1 は1.5程度なので、厚
さh1 は52μm以上であれば良い。
【0045】さらに中心透過部FAには、中間透過部F
Bの透過光との間に(2m+1)π〔rad〕の位相差
を与える位相シフターを付加する。これはSiO2 等の
薄膜を蒸着、スパッター、CVD等で形成したものであ
る。位相シフターの屈折率をn2 とすれば、厚さdは
(n2 −1)d=(m+1/2)λ0 、(λ0 =0.3
65μm)とすればよい。屈折率n2 が1.5程度であ
れば、例えばm=0としたとき、厚さdはd=0.36
5μmとすればよい。
【0046】厚さdはm=1、2、3‥‥に対応してよ
り厚くすることも可能ではあるが、位相シフターとして
の薄膜の材質による光の吸収の問題が生じてしまう等の
問題があるので、実用上はm=0、1、2程度に対応し
た厚さとする方が良い。同様に、透過部FA、FBに付
加する透過平行平板の厚さh1 も、あまり厚いと吸収や
幾何光学的な収差への悪影響を生じるので、必要以上に
厚くすることは得策ではない。
【0047】また、図10に示した例の変形として、平
行平板状である基板自体を加工して、透過部FA及びF
Bに凸部又は凹部の段差を与えてもよい。この場合も段
差h 1'(すなわち透過部FA、FBと透過部FCの厚さ
の段)は基板の屈折率をn0として、(n0 −1)h1'
≧ΔLcとする。図11は干渉性低減部材の第2の実施
例を示す。図11の例では、中心の円形透過部FA及び
中間の輪帯透過部FBに別の平行平板を貼り付ける代わ
りに、その透過部FA、FBにイオン打ち込み法等によ
って部分的に他より屈折率の高い領域を作る。この部分
の屈折率をn3 、他の部分の屈折率をn0 とし、かつ深
さをh2 とすれば、(n3 −n0 )h2 ≧ΔLcであれ
ば、透過部FCの透過光と他の透過部FA、FBの透過
光との間の干渉性は消失する。この例でも、中心の透過
部FAには厚さdの位相シフターを設けた。厚さdの条
件は図10の例と同様である。
【0048】図12は干渉性低減部材CCMの第3の実
施例による構成を示す。本実施例は、顕微鏡による試料
観察用のプレパラートのカバーガラス、高分子による薄
膜(ペリクル)、又はアクリル薄板等のような薄い透明
基板(厚さh3)の一部を図12(B)に示すようにくり
抜いたものであり、くり抜き部が周辺の透過部FCにあ
たる。図12では、中心の円形透過部FA及び中間の輪
帯透過部FBを一体に保持するために、何本かの支柱e
によって透過部FA、FBと透過部FCの外形を規定す
る外枠とを結合させておく。薄い透明基板の厚さを
3 、屈折率をn5としたとき、(n5 −1)h3 ≧Δ
Lcであれば、透過部FA、FBの各透過光と透過部F
Cの透過光との間の干渉性は消失する。尚、この例でも
中心の透過部FAには厚さdの位相シフターを付加す
る。支柱eは遮光性であるのが望ましいが、透過性であ
ってもその支柱部の面積は小さいため、結像性能への悪
影響はほとんどなく、金属膜等を付けて遮光部にしてし
まうこともできる。
【0049】尚、図12の例では干渉性低減部材CCM
の厚さh3 を薄くする(≒52μm程度)ことができる
ので、干渉性低減部材CCM等の平行平板を瞳面に設け
ることを前提にせずに設計、製造されている従来の投影
光学系に挿入しても、干渉性低減部材CCMにより発生
する幾何光学的な諸収差を少なく押さえるこができる。
一方、図10、図11に示したように、ある程度厚さ
(基板の厚さ)のある干渉性低減部材CCMでは、投影
光学系として瞳面に平行平板を備えて使用することを前
提として設計、製造されたものを用いることとなる。こ
の場合には逆に、瞳面から干渉性低減部材CCMを除い
た状態では幾何光学的な諸収差が悪化するので、コンタ
クトホール等以外の工程で使用する場合には干渉性低減
部材CCMを光学系から取り除き、代わりにほぼ同様の
厚さの平行平板を挿入するとよい。
【0050】以上の各実施例では、干渉性低減部材とし
て光束間に時間的なコヒーレント長以上の光路差を与え
る部材を用いたが、他の方式の部材を用いてもよい。図
13は別の方式による干渉性低減部材の構成を示す第4
の実施例であって、図13(A)、(B)は夫々断面図
及び平面図を示す。中心透過部FAと中間透過部FBと
は、図13(C)に示すように周辺透過部FCに対して
直交する方向の直線偏光のみを透過する偏光板で構成
し、透過部FCの透過光は透過部FA、FBの透過光の
直線偏光方向と直交する。偏光方向の直交する直線偏光
同士は互いに干渉し合わないので、このように偏光特性
を制御することでも、両光束の干渉性を解消(低減)す
ることができる。
【0051】尚、図13(A)の如くこの場合も中心透
過部FAには厚さdの位相シフト部材を設ける。これに
よって、透過部FAと透過部FBとが2重焦点フィルタ
ーを形成することは、これまでの実施例と全く同様であ
る。また、厚さdの条件も前述と同様である。あるい
は、図13(A)の位相シフターを廃止し、その代わり
に透過部FA、FBの各偏光板の厚さ自体を異ならせ
て、(2m+1)π〔rad〕の位相差を与えてもよ
い。
【0052】また、図13の例の偏光板による干渉性低
減部材CCMよりもウェハ側に1/4波長板(λ/4
板)を設けて、上記2つの直交する直線偏光を、互いに
逆回転の円偏光に変えてしまってもよい。この場合に
も、互いに逆回転の円偏光は干渉し合わないので、偏光
板と1/4波長板とを組み合わせた干渉性低減部材とし
て用いることができる。このとき、1/4波長板の軸方
向(屈折率の高い方向)は、前述した直交する2偏光の
両者の偏光方向に対して45°ずれた方向としておく。
【0053】以上の偏光板を用いる実施例では、投影光
学系PL中の干渉性低減部材CCMが偏光板で構成され
ているために、投影光学系PLを透過すべき本来の光量
のうち半分の光量は干渉性低減部材CCMとしての偏光
板に吸収されることになる。これは露光パワーの低下も
意味するが、投影光学系内に熱(吸収した露光光のエネ
ルギー)が蓄積することとなり、光学系や硝材の安定性
という点で問題となる。
【0054】そこで、この熱の問題(露光パワーの損
失)を解決する実施例を図14、15、16、17を参
照して説明する。本実施例では、照明光ILBの偏光特
性が重要になるので、まずそのことから説明する。図1
4は照明光学系中に設ける偏光制御部材6(図8)のい
くつかの実施例を示したものである。図14(A)は偏
光制御部材6として偏光板6Aを用いる例であり、ラン
ダム偏光である水銀ランプ1からの入射光は特定の直線
偏光となって射出される。図14(B)は偏光制御部材
6として偏光板6Aと1/4波長板6Bとを組み合わせ
た例を示す。このときも、ランダム偏光である入射光
は、偏光板6Aによって先ず直線偏光にされ、次に1/
4波長板6Bにより、右回り、又は左回りのいずれか一
方の円偏光となって射出される。このときも1/4波長
板6Bの軸方向は偏光板6Aからの直線偏光を円偏光に
変換する軸方向としておく。また光源からの光束(入射
光束)自体が、直線偏光の場合、例えばレーザ光源を使
用した場合には、レチクルRに達する照明光ILBは偏
光制御部材6は設けなくても直線偏光となっている。し
かしながら、後述する投影光学系内の偏光状態制御部材
の構成によっては、図14(C)に示す如く、1/4波
長板6Bのみを偏光制御部材6として設けて、円偏光に
しておくとよい。この場合の1/4波長板6Bの軸方向
も上述した通りに設定される。
【0055】さて、図14に示したような偏光制御部材
6を用いてレチクルRへの照明光ILBの偏光特性を揃
えておくと、コンタクトホールパターンを透過、回折し
て、投影光学系PL中の干渉性低減部材CCMに達する
結像光束も特定の直線偏光、又は円偏光に揃った状態と
なっている。そこで照明光ILBが、例えば図14
(A)のように直線偏光に揃っている場合に好適な干渉
性低減部材CCMの構造を第5の実施例として図15に
示す。図15(A)は干渉性低減部材CCMとして1/
2波長板を使用する例である。図15(A)は干渉性低
減部材CCMに入射する直前の光(照明光ILB)の偏
光状態を示し、ここでは同図中で上下方向に電場の振動
面をもつ直線偏光であるものとする。図15(B)は干
渉性低減部材CCMの平面構造を示し、中心の円形透過
部FA及び中間の輪帯透過部FBは1/2波長板で構成
され、周辺の輪帯透過部FCは透過部FA、FB(1/
2波長板)とほぼ同等の厚さ(光学的厚さ)を持った通
常の透明板(例えば石英)である。また、円形透過部F
Aには厚さdの位相シフター(λ/2シフター)が設け
られており、厚さdの条件は図10の例と同様である。
図15の干渉性低減部材CCMを通過した直後の光の偏
光状態は図15(C)に示すように、中心の円形透過部
FA及び中間の輪帯透過部FBの部分の偏光状態が左右
方向(但し、向きは逆)の直線偏光に変換され、周辺の
輪帯透過部FCの部分では偏光状態は何ら変化しない。
このため、先の第1の実施例と同様に結像光束を互いに
干渉し合わない偏光状態に分けることができる。ここ
で、透過部FA、FBとしての1/2波長板の軸方向
(面内の回転)は、入射する直線偏光の方向をそれと直
交する方向に変換する軸方向に設定されるが、1/2波
長板の軸方向と照明光ILBの偏光方向とを最適化する
ように、干渉性低減部材CCMと偏光制御部材6とを面
内で回転方向に相対的に調整できるようにしてもよい。
【0056】あるいは干渉性低減部材CCMとして、中
心の円形透過部FA及び中間の輪帯透過部FBと周辺の
輪帯透過部FCとを共に1/4波長板(ほぼ同一厚)で
構成してもよい。この場合も入射する光束は図15
(A)のように全て直線偏光なので、各透過部(FA、
FB)、及びFCの1/4波長板の軸方向を入射光束の
偏光状態に対して互いに逆方向の円偏光となるように最
適化することにより、中心の円形透過部FA及び中間の
輪帯透過部FBを通過した光束は右回りの円偏光に、周
辺の輪帯透過部FCを通過した光束は左回りの円偏光に
変換でき、互いに偏光状態の異なる(干渉し合わない)
光束を得ることができる。この場合も、上述の実施例と
同様に干渉性低減部材CCMとしての1/4波長板の軸
方向に合わせて、照明光ILBの偏光方向を偏光制御部
材6により調整できるようにしておくとよい。尚、図1
5(B)に示した中心の円形透過部FA及び中間の輪帯
透過部FBとしての1/2波長板は、水晶等の旋光物質
に代えてもよく、その場合でも全く同様に直線偏光の方
向を変換することができる。
【0057】また、上記の1/2波長板又は1/4波長
板を用いる実施例に対しては、照明光は直線偏光ではな
くて、図14(B)、(C)のような円偏光を用いるこ
ともできる。すなわち、円偏光は図15(B)の如き干
渉性低減部材によって円形透過部FA及び輪帯透過部F
Bの透過光は逆回りの円偏光に変換され、周辺の輪帯透
過部FCの透過光は元の円偏光のままである。あるいは
透過部FA、FBと透過部FCとを軸方向の異なる1/
4波長板とする例でも、入射する円偏光は夫々直交する
直線偏光に変換され、やはり互いに干渉し合わない2つ
の光束に分割される。また、入射光束(照明光ILB)
が円偏光であると、1/2波長板や1/4波長板の軸方
向を照明光の偏光特性に合わせて回転調整する必要がな
くなるので好都合である。
【0058】以上のように、図14に示した偏光制御部
材6と図15に示した干渉性低減部材CCMを用いる
と、先に述べたような偏光板を用いた干渉性低減部材C
CMでの露光エネルギーの吸収の問題がなくなり、投影
光学系PL内での熱蓄積が押さえられる点で極めて好都
合である。しかしながら、今度は照明光学系中で照明光
ILBを1つの偏光状態に揃えることに伴う光量損失
(半分以上)が問題点として残る。そこで、照明光の光
量損失を低減させた照明系の一例を、図16を参照して
説明する。図16の系は、図14中の偏光制御部材6の
代わりに設けられるものである。
【0059】まず、図16(A)において入射光束は2
つの偏光ビームスプリッター6C、6Dによって分割、
合成される。すなわち、1番目の偏光ビームスプリッタ
ー6CではP偏光(紙面内上下方向の偏光)成分が透過
して2番目の偏光ビームスプリッター6Dも透過して直
進する。一方、ビームスプリッター6Cで分割されたS
偏光(紙面と垂直な方向の偏光)成分はミラー6E、6
Fを介してビームスプリッター6Dで合成され、P偏光
成分と同軸になって進む。このとき、ミラー6E、6F
の光路によってP偏光とS偏光とに光路差としてほぼ2
×d1 を与える。従って、入射光束の時間的コヒーレン
ト長ΔLcが2d1 よりも短かければ、合成後のP偏光
成分とS偏光成分とは、偏光方向が相補的であることの
他に時間的にもインコヒーレント(非可干渉)になる。
これら2つの偏光成分を持った照明光が使われ、かつ干
渉性低減部材CCMとして図15(B)のものが使われ
ると、図17(A)に示す通り、干渉性低減部材CCM
に入射するP偏光成分(例えば白ヌキの矢印方向)とS
偏光成分(例えば黒ヌリ矢印方向)は、それぞれ図17
(C)のように干渉性低減部材CCMを透過した後では
互いに干渉し合わない4つの光束となる。すなわち、中
心の円形透過部FA及び中間の輪帯透過部FB(1/2
波長板)では元の偏光方向が90°だけ回転させられ
る。この4つの光束はそれぞれ偏光方向が異なるととも
に、透過部FA、FBと透過部FCとで偏光方向が同一
であっても時間的にインコヒーレントであるために干渉
し合うことはない。すなわち、透過部FA、FBを通過
したS偏光成分はP偏光成分に変換され、透過部FCを
通過したP偏光成分と同一偏光方向となるが、その2つ
の光は時間的にインコヒーレントであるので干渉しな
い。もし、図16(A)のような構成の偏光制御部材か
らの照明光を用いないと、図17中のP偏光とS偏光は
時間的にはコヒーレントのままであるため、干渉性低減
部材CCMを透過した後の各光束も偏光方向が同じであ
れば互いに干渉し合うこととなり、本発明の効果は薄ら
ぐ。図16(A)に示した系は合成すべき2つの偏光成
分の光路長差を大きくとることができるので、比較的に
時間的コヒーレント長の長い光源、例えば狭帯化したレ
ーザ光源等に適している。
【0060】尚、レーザ光源として直線偏光を使用する
場合は、あえて図16(A)の構成の偏光制御手段を用
いなくても、本発明の効果を得ることができる。ただ
し、直線偏光のレーザ光源に対して図16(A)の如き
偏光制御手段を用いると、照明光を時間的にインコヒー
レントな2つの光束とすることができるため、レーザ光
源使用時に問題となるスペックルや干渉縞(照度ムラ)
を低減することができるという効果がある。この場合、
図16(A)の1段目のビームスプリッター6Cに入射
する直線偏光の偏光方向は、偏光ビームスプリッタ−6
Cに対して図16(A)に示すように、P偏光方向とS
偏光方向との中間(両者から45°方向)の偏光方向L
PLとするとよい。
【0061】ところで、光源が水銀ランプのように比較
的大きなスペクトル幅を有する光源の場合にはその時間
的コヒーレント長は短いので、図16(B)のような簡
単な部材を図8中の偏光制御部材6として用いることが
できる。この部材は石英等の透明平行平板6Gの表面に
偏光反射膜6Hを付け、裏面に金属等で全反射膜6Jを
付けたもので、水銀ランプからのコリメートされた光束
を所定角度で反射するように配置される。このとき、水
銀ランプからのランダム偏光の入射光のうち、S偏光成
分(紙面と垂直な方向)は表面の膜6Hで反射され、P
偏光成分は表面の膜6H、平行平板6Gを透過して裏面
の膜6Jで反射され、S偏光成分とP偏光成分とにはほ
ぼ平行平板6Gの厚さ(光学的厚さ)のほぼ2倍に相当
する光路差が与えられる。例えば水銀ランプからのi線
の場合、前述の如くコヒーレント長ΔLcは26μm程
度となる。従って、十分に薄い平行平板6G(例えば1
mm厚程度)であっても、時間的コヒーレンスを消すた
めに十分な光路長差を与えることができる。
【0062】また、別の実施例として図16(A)、又
は(B)の系の射出側に1/4波長板を設けて2つの直
線偏光を、互いに逆方向の円偏光に変換してもよい。こ
のとき、図17(B)の干渉性低減部材CCMを透過し
た後の光束は同様に、4つの互いに干渉し合わない光束
に分割される。そしてそれらは互いに時間的に干渉し合
わないか、逆回りの円偏光であるために干渉し合わない
かのいずれかになっている。
【0063】尚、以上の1/2波長板、又は1/4波長
板を用いる干渉性低減部材の実施例中での説明を省略し
たが、ここでも当然に中心の円形透過部FAと中間の輪
帯透過部FBとの透過光の間に(2m+1)π〔ra
d〕の位相差を与える位相シフターを設ける。また、以
上のいずれの実施例でも位相シフターは中心透過部FA
に設けるとしたが、位相差は相対的なものなので、位相
シフターを中間の輪帯透過部FBに設けても全く同様の
効果が得られる。
【0064】また、1/2波長板、1/4波長板を用い
る実施例については、図15、17の構成のように中心
透過部FA及び輪帯透過部FBに、あるいは周辺透過部
FCにも1/2ないし1/4波長板を基板となる透明板
に貼り付ける構成としてもよい。また、以上の全ての実
施例において中心の円形透過部FAの半径及び中間の輪
帯透過部FBの内半径をr1 、中間の輪帯透過部FBの
外半径及び周辺の輪帯透過部FCの内半径をr2 とした
が、半径r1 、r2 はr1 =α・r3 (但し、0.25
≦α≦0.30)、r2 =β・r3 (但し、0.60≦
β≦0.80)であるものとする。この理由については
後述する。また、半径r3 は投影光学系の実効的な最大
開口数(NAw)に相当する値となる。ところで、図8
に示したウェハステージWSTの駆動ユニット22のう
ち、ウェハWを光軸方向に微動させる制御の中に、従来
のFLEX法の機能を持たせてもよい。FLEX法の併
用により本発明による焦点深度の増大効果をさらに増大
させることができる。さらに本発明は投影型露光装置で
あればどのタイプのものにも適用できる。例えば投影レ
ンズを用いたステッパータイプのものでもよく、あるい
は反射屈折光学系を用いたステップアンドスキャン型の
ものであっても、1:1のミラープロジェクションタイ
プのものであってもよい。特にスキャンタイプ(ステッ
プアンドスキャン)やミラープロジェクション方式で
は、レチクルやウェハを投影光学系の光軸と垂直な面内
で走査移動させながら露光するため、従来のFLEX法
の適用が難しいとされていたが、本発明はそのような走
査型の露光方式の装置に極めて簡単に適用できるといっ
た利点がある。
【0065】そこで、等倍のミラープロジェクション方
式のアライナーに本発明を適用した場合を図18、19
を参照して説明する。図18において、水銀ランプ(X
e−Hg)ランプ1からの照明光は照明光学系ILSを
介してレチクル(マスク)R上で円弧スリット状の照明
領域内に投射される。レチクルRは1次元走査可能なレ
チクルステージRSTに保持され、ウェハステージWS
Tと同期して同一速度で移動する。投影光学系はレチク
ル側とウェハ側の夫々に反射面MR1 、MR4を有する
台形状の光学ブロックと、大きな凹面ミラーMR2 と小
さな凸面ミラーMR3 とで構成され、凸面ミラーMR3
の曲率半径に対して凹面ミラーMR2 の曲率半径は約2
倍に設定されている。この図21のような系の場合、凸
面ミラーMR3 の表面がレチクルパターン面(又はウェ
ハ面)に対するフーリエ変換面FTPに一致しているこ
とが多い。
【0066】このとき、レチクルR上の点Prから発生
した結像光束は主光線LLPに沿って、反射面MR1
凹面ミラーMR2 の上側、凸面ミラーMR3 の全面、凹
面ミラーMR2 の下側、及び反射面MR4 の順に進み、
ウェハW上の点Pr’に収斂する。このように凸面ミラ
ーMR3 の表面が系の瞳面となっているときでも、今ま
で述べてきた各実施例で使用した干渉性低減部材CCM
がそのまま、あるいは若干の変形によって同様に用いる
ことができる。
【0067】具体的には、図19(A)に示すように干
渉性低減部材CCMを凸面ミラーMR3 の直近に配置
し、凹面ミラーMR2 から凸面ミラーMR3 へ入射して
くるときと、凸面ミラーMR3 から凹面ミラーMR2
射出していくときとの2回(往復)の光路で、中心の円
形透過部FA及び中間の輪帯透過部FBを通った光束と
周辺の輪帯透過部FCを通った光束とがコヒーレント長
ΔLc以上の光路長差をもつように構成すればよい。あ
るいは図19(B)に示すように、フーリエ変換面とな
っている凸面ミラーMR3'の表面に所定の半径(面積)
で微小な段差を設け、その段差の上面部と下面部とが反
射光束に対してコヒーレント長ΔLc以上の光路長差
(段差量の2倍)を与えるようにしてもよい。この場
合、その段差はミラーMR3'と一体に形成されることも
あるが、いずれにしろその段差部分が干渉性低減部材C
CMに相当する。尚、図19(B)に示した凸面ミラー
MR3'の表面に形成する段差部は透過物体(薄膜)とし
てもよい。その場合、凸面ミラーMRの表面とその透過
物体(透過部FAに相当)の表面との段差、すなわち透
過物体の厚みdは、屈折率nの透過物体中を光束が往復
することにより生じる光路長差2(n−1)dがコヒー
レント長ΔLcよりも大きくなるように定められる。
【0068】また、透過部FA,FB、FCのいずれか
に1/2波長板や1/4波長板を組み合わせ、偏光状態
を制御する場合は往復の光路で2倍の偏光作用を受ける
ことを考慮して1/2波長板は1/4波長板に、1/4
波長板は1/8波長板にそれぞれ変更する必要がある。
さらにエキシマレーザを光源とする投影露光装置では、
投影光学系の瞳面に、フライアイレンズ等の射出側に形
成される2次光源面(多数の点光源)が再結像されるた
め、その瞳面に光学素子(レンズ、反射面、開口絞り、
CCM等)を配置すると長期間の使用によって、その光
学素子が収斂した光源像のために劣化する可能性があ
る。そのため、干渉性低減部材CCM等は瞳面に厳密に
配置するのではなく、むしろ若干ずらして配置した方が
好ましい。
【0069】また、以上の各実施例において、干渉性低
減部材CCMを透過部材として使用する場合には、その
界面(表面)に反射防止コートを施しておくとよい。以
上、本発明の各実施例のうち、光束(照明光ILB)の
時間的なコヒーレント長ΔLc以上の光路差を与える方
式の干渉性低減部材CCMによって分割された結像光束
間の光路長差は、従来のSuper FLEX法で与え
られる光路長差(1/2波長〜数波長分)と比べて格段
に大きなものとなる。さらにSuper FLEX法で
は、投影光学系の瞳面に配置されたフィルター(複素振
幅透過率)を通った結像光束の全てがウェハW上で干渉
(振幅合成)することにより変わりはなく、本発明とS
uper FLEX法とは原理的に全く異なるものであ
る。その原理的な違いによって、本発明においてはSu
per FLEX法で得られなかった新たな効果が得ら
れる。このことについては、以下で述べるシミュレーシ
ョンを参考にして説明する。
【0070】尚、本発明で用いる干渉性低減部材CCM
は、瞳面を通る結像光束(コンタクトホールパターンの
場合、ほぼ一様に分布する)を瞳の径方向で複数部分に
分割し、各部分光束間の干渉性を低減させる目的のため
のみに作用する。従って各実施例で用いた干渉性低減部
材CCMには、各部分光束によって互いに独立に結像し
た複数の像(Pr'1、Pr'2等)の夫々のベストフォー
カス位置(焦点位置)を、投影光学系の光軸AX方向に
相互にずらす効果、すなわちある種の球面収差を与える
効果は全くない。
【0071】次に、本発明の各実施例によって得られる
作用、効果についてシミュレーション結果をもとに説明
する。以下のシミュレーションでは、光学系の条件とし
て露光波長はi線(波長:0.365μm)、投影光学
系の開口数はNA=0.57、照明光学系のσ値(コヒ
ーレンスファクター)は0.6であるものとした。ま
た、レチクルパターンとしては図20(A)、(B)に
示した近接した2個のコンタクトホールパターンを用い
るものとし、各ホールパターンの大きさはウェハ上換算
で0.30μm角、ホールパターンの間隔はウェハ上換
算でそれぞれ中心間距離が0.75μm(図20
(A))、1.05μm(図20(B))であるものとす
る。
【0072】図21(A)は、本発明による図20
(A)に示したコンタクトホールパターンのA−A’断
面におけるウェハ上での像強度分布を示し、図21
(B)は、図20(B)に示したコンタクトホールパタ
ーンのB−B’断面におけるウェハ上での像強度分布を
示す。図21(A)、(B)では、実線はベストフォー
カス位置での強度分布を表し、一点鎖線は±1μmのデ
フォーカス位置での強度分布を表し、二点鎖線は±2μ
mのデフォーカス位置での強度分布を表している。ま
た、図21(A)、(B)中のEthはウェハ上のポジ型
フォトレジストを完全に除去(溶解)させるのに必要な
露光光強度を表している。従って、同図中でこの強度値
Ethのもとでの光学像のスライス幅が、ウェハ上に形成
されるホールパターンの径になると考えられる。尚、図
21(A)、(B)中の光学像のゲイン(像強度分布の
縦方向の倍率)は、強度値Ethのもとでの光学像のスラ
イス幅がベストフォーカス位置での像強度分布(実線)
で0.03μm(設計値)となるように定めている。ま
た、前述のシミュレーションに用いた本発明による瞳フ
ィルターは、中心の円形透過部FAの半径及び中間の輪
帯透過部FBの内半径r1 と、中間の輪帯透過部FBの
外半径及び周辺の輪帯透過部FCの内半径r2 とをそれ
ぞれ投影光学系PLの瞳面半径(実効的な最大開口数に
相当)r3 に対して、r1 =0.28×r3 、r2
0.74×r3 とした。
【0073】図21(A)、(B)に示す通り本発明に
よる瞳フィルターでは、ベストフォーカス位置での像
(実線)と±1μmのデフォーカス位置での像(一点鎖
線)とがほとんど重なっている、すなわち焦点深度が十
分に大きくなっている。従って、大きな焦点深度でコン
タクトホールパターンを投影露光することが可能であ
る。また、図20(A)の如き比較的近接した2個のホ
ールパターンに対しても十分な分離能力(解像力)があ
り、かつリンギング(本来のホール像の周囲に生じる不
要なサブピーク)がなく両ホール間に明ピークが生じな
い、すなわち不要なホールパターンがフォトレジストに
転写されることがないという利点が得られる。一方、図
20(B)の如きある程度離れて並ぶ2個のホールパタ
ーンでも、同様に両ホール間に不要なホールパターン
(明ピーク)が生じることはない。
【0074】図22は比較のために、従来の通常露光で
のシミュレーション結果を示したものであり、図22
(A)は図20(A)のパターンの光学像、図22
(B)は図20(B)のパターンの光学像を示してい
る。図23でのシミュレーション条件(λ、NA、σ、
ホールパターン、フォーカス位置)は全て図21と同様
である。図22(A)、(B)では、瞳フィルター及び
FLEX法を用いないため、共に±1μmのデフォーカ
ス位置(1点鎖線)での像はベストフォーカス位置での
像(実線)に比べて大きく劣化している。従って、通常
の結像方法では十分な焦点深度が得られないことがわか
る。
【0075】図23も比較のために、通常露光にFLE
X法を適用した場合でのシミュレーション結果を示した
ものである。図23でのシミュレーション条件は図2
1、図22と全く同様であるが、FLEX法は光軸方向
に関して離散的な3点の各々で露光を行うものとし、そ
の間隔は各1.5μmとした。図23(A)、(B)に
示すように、通常露光とFLEX法との併用でも±1μ
mのデフォーカス位置での像(一点鎖線)をベストフォ
ーカス位置での像(実線)に近づけること、すなわち焦
点深度を増大することは可能ではある。しかしながら、
図20(B)の如きある程度離れて並ぶホールパターン
の像(図23(B))では両ホールは完全に分離するが、
それよりも近接した図20(A)のホールパターンの像
(図23(A))では両ホールの分離が十分でなく、両ホ
ールがつながって形成されてしまう恐れがある。これ
は、図23(A)中のホール間の像強度がEth/2に近
づいているためである。尚、図21〜図25中のEth/
2は、ポジ型フォトレジストで膜ベリが生じ始める露光
量にほぼ対応しているものとする。従って、単なるFL
EX法では、両ホールの中間のフォトレジストが膜ベリ
を起こしてしまう可能性がある。これに対して、前述の
本発明による像(図21)では両ホールの中間部の光量
は十分に小さく膜ベリの心配は全くない。
【0076】図24、図25は比較のために、従来の2
重焦点型瞳フィルター(位相差フィルター)、一例とし
てSuper FLEX法でのシミュレーション結果を
示したものである。図24、図25ではシミュレーショ
ン条件は全て図21〜図23と同様であるが、瞳フィル
ターとしては瞳中心部(例えば光軸を中心とした半径r
1 の円形領域内)に分布する結像光と、その周辺部(例
えば内半径r1 、外半径が投影光学系の最大開口数に相
当する瞳面の最大径となる輪帯領域内)に分布する結像
光とにπ〔rad]の位相差を与える2重焦点フィルターを
用いるものとした。また、図24ではr1 =0.4×r
3 、図25ではr1 =0.3×r3 とした。但し、r3
は瞳面半径、すなわち投影光学系の開口数NAに相当す
る。
【0077】図24(A)、(B)では共に焦点深度は
十分に大きくなっている、すなわちベストフォーカス位
置での像(実線)と±1μmのデフォーカス位置での像
(一点鎖線)とがほとんど重なっているが、本来のホー
ル像の周囲に生じる不要なサブピーク(リンギング)は
非常に大きくなっている。特に図20(B)の如きある
程度離れて並ぶホールパターンの像(図24(B))で
は、両ホールのリンギングがその中間で加算されて極め
て明るいゴースト像を作り出してしまう。このため、両
ホール間に不要なホールパターンが誤転写されることと
なり、このような瞳フィルターは実際には使用すること
ができない。一方、図25(A)、(B)では、図24
の場合に比べて半径r1 の値が小さくなっているので、
図24よりもリンギングが多少小さくなるが、その一方
で焦点深度は減少する、すなわちベストフォーカス位置
での像(実線)と±1μmのデフォーカス位置での像
(一点鎖線)との差が大きくなり、実用上十分な焦点深
度を得ることができない。
【0078】以上のように、従来提案されている二重焦
点フィルター(位相差フィルター)においては、半径r
1 の値によって焦点深度とリンギングとが大きく変動す
るが、どちらも良好とするような半径r1 の最適化は不
可能である。これに対して本発明においては、既に図2
1に示した通り十分大きな焦点深度を持ちながらリンギ
ングも十分小さく、かつ近接したホールパターンの分離
能力も高いといった、極めて優れた投影露光装置を実現
することができる。
【0079】ところで、本発明による瞳フィルター(C
CM)の各透過部の半径r1 、r2は、前述の実施例
(シミュレーション)での値、すなわちr1 =0.28
×r3、r2 =0.74×r3 にのみ限定されるもので
はなく、r1 =α・r3 、r2=β・r3 としたとき、
α、βが0.25≦α≦0.30、0.60≦β≦0.
80なる範囲であれば、前述の実施例と全く同様に良好
な結像性能が得られる。すなわち十分な焦点深度拡大効
果が得られるとともに、比較的近接した2個のホールパ
ターンでも高い分離能力(解像力)があり、かつ両ホー
ル間に不要なホールパターンが転写されることがない。
【0080】また、前述の実施例(シミュレーション)
では、レチクル上のコンタクトホールパターンとしてウ
ェハ上換算で0.3μm角(又は径)のパターン、すな
わち1/5縮小系ならレチクル上では1.5μm角(又
は径)を、ウェハ上で0.3μm角に転写するものとし
たが、レチクルパターンのサイズは必ずしもウェハ上換
算で所望のサイズでなくてもよい。例えば、ウェハ上換
算で0.4μm角となるレチクル上の2μm角のホール
パターンがウェハ上で0.3μm角となるように、露光
量を調整して転写してもよい。
【0081】さらに本発明による投影露光装置に、例え
ば特開平4−136854号公報、特開平4−1620
39号公報に開示された、いわゆるハーフトーン型位相
シフトレチクルやエッジ強調型位相シフトレチクル等を
併用して露光を行うようにしても良い。また、本発明に
よる投影露光装置において前述したFLEX法を併用し
て露光を行うようにしても良い。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、コンタク
トホールパターンの転写に際して十分な焦点深度が得ら
れるのみでなく、比較的近接して並ぶ複数のコンタクト
ホールパターンの分離能力(解像度)が高く、かつある
程度離れて並ぶコンタクトホール間に不要な誤転写を生
じない、すなわちリンギングの小さな投影露光装置を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の投影露光方法を説明する図。
【図2】本発明の投影露光方法を実施するための原理的
な構成を示す図。
【図3】本発明の投影露光装置に使用する干渉性低減部
材の原理的な構成を説明する図。
【図4】図3の干渉性低減部材による焦点深度増大の原
理を説明する図。
【図5】図3の干渉性低減部材による焦点深度増大の原
理を説明する図。
【図6】従来の投影露光法における焦点深度の考え方を
説明する図。
【図7】従来の2重焦点フィルターにおける焦点深度の
考え方を説明する図。
【図8】本発明の実施例による投影露光装置の全体的な
構成を示す図。
【図9】投影光学系の一部の構造を詳細に示す断面図。
【図10】本発明の第1の実施例による干渉性低減部材
CCMの構成を示す図。
【図11】本発明の第2の実施例による干渉性低減部材
CCMの構成を示す図。
【図12】本発明の第3の実施例による干渉性低減部材
CCMの構成を示す図。
【図13】本発明の第4の実施例による干渉性低減部材
CCMの構成を示す図。
【図14】本発明の実施例に適用される照明光学系の一
部の変形例を示す図。
【図15】本発明の第5の実施例による干渉性低減部材
CCMの構成とその作用を説明する図。
【図16】偏光方向を制御した照明光学系の一部の構成
を示す図。
【図17】図15の第5の実施例による干渉性低減部材
CCMと図16の照明光学系とを組み合わせたときの状
態を示す図。
【図18】本発明の各実施例が適用されるミラープロジ
ェクション方式のアライナーの構成を示す図。
【図19】図18のアライナーに、本発明の各実施例に
よる干渉性低減部材CCMを適用した様子を示す図。
【図20】(A)はレチクル上で比較的近接した2個の
ホールパターンの様子を示す図、(B)はレチクル上で
ある程度離れた2個のホールパターンの様子を示す図。
【図21】複数のホールパターンに対する本発明による
効果を像強度分布としてシミュレーションしたグラフ。
【図22】複数のホールパターンに対する従来の通常露
光法による効果を像強度分布としてシミュレーションし
たグラフ。
【図23】複数のホールパターンに対する従来の通常露
光法とFLEX法との併用による効果を像強度分布とし
てシミュレーションしたグラフ。
【図24】複数のホールパターンに対する従来の2重焦
点型フィルター(Super FLEX法)による効果
を像強度分布としてシミュレーションしたグラフ。
【図25】複数のホールパターンに対する従来の2重焦
点型フィルター(Super FLEX法)による効果
を像強度分布としてシミュレーションしたグラフ。
【符号の説明】
R・・・レチクル W・・・ウェハ PL・・・投影光学系 FTP・・・フーリエ変換面(瞳面) AX・・・光軸 PA・・・ホールパターン CCM・・・干渉性低減部材 FA・・・円形状透過部 FB・・・輪帯状透過部 ILB・・・照明光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/207 H 9122−2H 7/26 511 7124−2H 7352−4M H01L 21/30 528

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細なパターンが形成されたマスクを露光
    用の照明光で照射する照明手段と、前記マスクのパター
    ンから発生した光を入射して前記パターンの像を感光基
    板上に結像投影する投影光学系とを備えた投影露光装置
    において、 前記投影光学系内の前記マスクに対する光学的フーリエ
    変換面上、又はその近傍面上の光軸を中心とする半径r
    1 の円形状の第1領域内に分布する結像光と、前記光軸
    を中心とする内半径r1 、外半径r2 の輪帯状の第2領
    域内に分布する結像光との間に(2m+1)π [rad]
    (mは整数)の位相差を与える位相シフト部材と;前記
    光軸を中心とする半径r2 以上の輪帯状の第3領域内に
    分布する結像光と、前記第1領域及び第2領域内に分布
    する結像光との間の干渉性を低減する干渉性低減部材と
    を備えたことを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】前記干渉性低減部材として、前記第1領域
    及び第2領域内に分布する結像光と、前記第3領域内に
    分布する結像光との間に時間的コヒーレント長以上の光
    路差を与える時間的コヒーレンス低減部材を用いること
    を特徴とする請求項1に記載の投影露光装置。
  3. 【請求項3】前記干渉性低減部材として、前記第1領域
    及び第2領域内に分布する結像光と、前記第3領域内に
    分布する結像光との間の偏光状態を互いに異ならせる偏
    光状態制御部材を用いることを特徴とする請求項1に記
    載の投影露光装置。
  4. 【請求項4】前記半径r1 、r2 は、前記投影光学系の
    前記フーリエ変換面の半径をr3 とすると、 r1 =α・r3 (0.25≦α≦0.30) r2 =β・r3 (0.60≦β≦0.80) なる関係を満足するように定めたことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の投影露光装置。
JP26228893A 1993-10-20 1993-10-20 投影露光装置 Pending JPH07122469A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26228893A JPH07122469A (ja) 1993-10-20 1993-10-20 投影露光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26228893A JPH07122469A (ja) 1993-10-20 1993-10-20 投影露光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07122469A true JPH07122469A (ja) 1995-05-12

Family

ID=17373705

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26228893A Pending JPH07122469A (ja) 1993-10-20 1993-10-20 投影露光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07122469A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980018960A (ko) * 1996-08-27 1998-06-05 요시다 쇼이치로 투영 노광 장치(Projection exposure apparatus)
JP2006511967A (ja) * 2003-02-21 2006-04-06 エーエスエムエル ホールディング ナームローゼ フェンノートシャップ 偏光された光によるリソグラフィ印刷
JP2012134494A (ja) * 2010-12-23 2012-07-12 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置及びリソグラフィ装置内の放射ビームを修正する方法
US20130271945A1 (en) 2004-02-06 2013-10-17 Nikon Corporation Polarization-modulating element, illumination optical apparatus, exposure apparatus, and exposure method
US9164393B2 (en) 2003-04-09 2015-10-20 Nikon Corporation Exposure method and apparatus, and method for fabricating device with light amount distribution having light larger in four areas
US9341954B2 (en) 2007-10-24 2016-05-17 Nikon Corporation Optical unit, illumination optical apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method
US9423698B2 (en) 2003-10-28 2016-08-23 Nikon Corporation Illumination optical apparatus and projection exposure apparatus
US9678332B2 (en) 2007-11-06 2017-06-13 Nikon Corporation Illumination apparatus, illumination method, exposure apparatus, and device manufacturing method
KR20170073612A (ko) * 2014-11-07 2017-06-28 데이코 아이피 홀딩스 엘엘시 개선된 시일링 부재를 구비한 체크 밸브
US9885872B2 (en) 2003-11-20 2018-02-06 Nikon Corporation Illumination optical apparatus, exposure apparatus, and exposure method with optical integrator and polarization member that changes polarization state of light
US9891539B2 (en) 2005-05-12 2018-02-13 Nikon Corporation Projection optical system, exposure apparatus, and exposure method
JP2018507425A (ja) * 2014-12-15 2018-03-15 エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ. 光学瞳対称化のための方法および装置
US10101666B2 (en) 2007-10-12 2018-10-16 Nikon Corporation Illumination optical apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method
US10451973B2 (en) 2005-05-03 2019-10-22 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
US10495981B2 (en) 2005-03-04 2019-12-03 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method

Cited By (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980018960A (ko) * 1996-08-27 1998-06-05 요시다 쇼이치로 투영 노광 장치(Projection exposure apparatus)
JP2006511967A (ja) * 2003-02-21 2006-04-06 エーエスエムエル ホールディング ナームローゼ フェンノートシャップ 偏光された光によるリソグラフィ印刷
JP2008258637A (ja) * 2003-02-21 2008-10-23 Asml Holding Nv 偏光された光によるリソグラフィ印刷
US7445883B2 (en) 2003-02-21 2008-11-04 Asml Holding N.V. Lithographic printing with polarized light
US9164393B2 (en) 2003-04-09 2015-10-20 Nikon Corporation Exposure method and apparatus, and method for fabricating device with light amount distribution having light larger in four areas
US9885959B2 (en) 2003-04-09 2018-02-06 Nikon Corporation Illumination optical apparatus having deflecting member, lens, polarization member to set polarization in circumference direction, and optical integrator
US9678437B2 (en) 2003-04-09 2017-06-13 Nikon Corporation Illumination optical apparatus having distribution changing member to change light amount and polarization member to set polarization in circumference direction
US9760014B2 (en) 2003-10-28 2017-09-12 Nikon Corporation Illumination optical apparatus and projection exposure apparatus
US9423698B2 (en) 2003-10-28 2016-08-23 Nikon Corporation Illumination optical apparatus and projection exposure apparatus
US10281632B2 (en) 2003-11-20 2019-05-07 Nikon Corporation Illumination optical apparatus, exposure apparatus, and exposure method with optical member with optical rotatory power to rotate linear polarization direction
US9885872B2 (en) 2003-11-20 2018-02-06 Nikon Corporation Illumination optical apparatus, exposure apparatus, and exposure method with optical integrator and polarization member that changes polarization state of light
US10234770B2 (en) 2004-02-06 2019-03-19 Nikon Corporation Polarization-modulating element, illumination optical apparatus, exposure apparatus, and exposure method
US20130271945A1 (en) 2004-02-06 2013-10-17 Nikon Corporation Polarization-modulating element, illumination optical apparatus, exposure apparatus, and exposure method
US10241417B2 (en) 2004-02-06 2019-03-26 Nikon Corporation Polarization-modulating element, illumination optical apparatus, exposure apparatus, and exposure method
US10007194B2 (en) 2004-02-06 2018-06-26 Nikon Corporation Polarization-modulating element, illumination optical apparatus, exposure apparatus, and exposure method
US10495980B2 (en) 2005-03-04 2019-12-03 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
US10495981B2 (en) 2005-03-04 2019-12-03 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
US10488759B2 (en) 2005-05-03 2019-11-26 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
US10451973B2 (en) 2005-05-03 2019-10-22 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
US9891539B2 (en) 2005-05-12 2018-02-13 Nikon Corporation Projection optical system, exposure apparatus, and exposure method
US10101666B2 (en) 2007-10-12 2018-10-16 Nikon Corporation Illumination optical apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method
US9341954B2 (en) 2007-10-24 2016-05-17 Nikon Corporation Optical unit, illumination optical apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method
US9857599B2 (en) 2007-10-24 2018-01-02 Nikon Corporation Optical unit, illumination optical apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method
US9678332B2 (en) 2007-11-06 2017-06-13 Nikon Corporation Illumination apparatus, illumination method, exposure apparatus, and device manufacturing method
JP2012134494A (ja) * 2010-12-23 2012-07-12 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置及びリソグラフィ装置内の放射ビームを修正する方法
US9146477B2 (en) 2010-12-23 2015-09-29 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and method of modifying a beam of radiation within a lithographic apparatus
KR20170073612A (ko) * 2014-11-07 2017-06-28 데이코 아이피 홀딩스 엘엘시 개선된 시일링 부재를 구비한 체크 밸브
JP2018507425A (ja) * 2014-12-15 2018-03-15 エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ. 光学瞳対称化のための方法および装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2884947B2 (ja) 投影露光装置、露光方法および半導体集積回路の製造方法
US5467166A (en) Projection exposure method and apparatus
US6310679B1 (en) Projection exposure method and apparatus
JP3291849B2 (ja) 露光方法、デバイス形成方法、及び露光装置
US5715089A (en) Exposure method and apparatus therefor
JPH05226227A (ja) 投影露光装置
JPH0653120A (ja) 照明光学装置
JPH07122469A (ja) 投影露光装置
JPH06244082A (ja) 投影露光装置
US20060197933A1 (en) Exposure apparatus
JP3647272B2 (ja) 露光方法及び露光装置
JP2936190B2 (ja) 投影露光装置、露光方法および半導体集積回路の製造方法
JP3148818B2 (ja) 投影型露光装置
JPH05234850A (ja) 投影露光装置及びそれを用いた半導体デバイスの製造方法
JP3303322B2 (ja) 投影露光装置及び方法、並びに素子製造方法
JP2884950B2 (ja) 投影露光装置、露光方法および半導体集積回路の製造方法
JPH0757992A (ja) 投影露光装置
JP3189009B2 (ja) 露光装置及び方法、並びに半導体素子の製造方法
JP3357928B2 (ja) 露光方法、デバイス形成方法、及び露光装置
JP2001272310A (ja) 投影光学系の収差計測装置及び計測方法、それに用いられるマスク並びに露光装置
JP3647271B2 (ja) 露光方法及び露光装置
JPH07130633A (ja) 投影露光装置
JP3244076B2 (ja) 露光装置及び方法、並びに半導体素子の製造方法
JP3438730B2 (ja) 走査型露光装置、その走査型露光装置を用いるデバイス製造方法
JPH04225359A (ja) 投影露光装置及び方法、並びに素子製造方法