JP3303322B2 - 投影露光装置及び方法、並びに素子製造方法 - Google Patents

投影露光装置及び方法、並びに素子製造方法

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JP3303322B2 JP01659092A JP1659092A JP3303322B2 JP 3303322 B2 JP3303322 B2 JP 3303322B2 JP 01659092 A JP01659092 A JP 01659092A JP 1659092 A JP1659092 A JP 1659092A JP 3303322 B2 JP3303322 B2 JP 3303322B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路や液晶
表示素子製造のリソグラフィ工程において使用されるマ
スクやレチクルのパターンを感光基板に転写するための
投影露光装置に関し、特に露光用光源としてコヒーレン
トなレーザ光源を備えた投影露光装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等の回路パターン形成には、
一般にフォトリソグラフィと呼ばれる工程が必要であ
る。この工程では通常、レチクル(マスク)パターンを
半導体ウエハ等の基板上に転写する方法が採用される。
基板上には感光性のフォトレジストが塗布されており、
照射光像、すなわちレチクルパターンの透明部分のパタ
ーン形状に応じて、フォトレジストに回路パターンが転
写される。一般に投影露光装置(例えばステッパー)で
は、レチクル上に描画された転写すべき回路パターンの
像が、投影光学系を介して基板(ウエハ)上に投影、結
像される。
【0003】また、レチクルを照明するための照明光学
系中には、フライアイレンズ、ファイバー等のオプチカ
ルインテグレータが使用されており、レチクル上に照射
される照明光の強度分布がほぼ均一化される。この均一
化を最適に行うため、フライアイレンズを用いる場合に
は、レチクル側焦点面(射出面側)とレチクル面(パタ
ーン面)とはほぼフーリエ変換の関係で結ばれており、
さらにレチクル側焦点面と光源側焦点面(入射面側)と
もフーリエ変換の関係で結ばれている。従って、レチク
ルのパターン面とフライアイレンズの光源側焦点面(正
確にはフライアイレンズの個々のレンズの光源側焦点
面)とは、結像関係(共役関係)で結ばれている。この
ため、レチクル上では、フライアイレンズの各光学エレ
メント(2次光源像)からの照明光がコンデンサーレン
ズ等を介することによってそれぞれ加算(重畳)される
ことで平均化され、レチクル上の照度均一性を良好にす
ることが可能になっている。このことは、現在露光用光
源として一般的に用いられている高圧水銀ランプであっ
ても、最近注目を集めているKrF、ArFエキシマレ
ーザのようなレーザ光源であっても原理的には変わらな
い。
【0004】従来の投影露光装置では、上述のフライア
イレンズ等のオプチカルインテグレータの入射面に入射
する照明光束の光量分布を、照明光学系の光軸を中心と
するほぼ円形内(あるいは矩形内)でほぼ一様になるよ
うにしていた。図11は上述の如き従来の投影露光装置
(ステッパー)の概略的な構成を示しており、エキシマ
レーザ光源(不図示)から射出された照明光束L140
は、照明光学系中のビーム整形光学系、フライアイレン
ズ41c、空間フィルター(開口絞り)4a、及びコン
デンサーレンズ7を介してレチクル8のパターン9を照
射する。ここで、空間フィルター4aはフライアイレン
ズ41cのレチクル側焦点面414c、すなわちレチク
ルパターン9に対するフーリエ変換面17(以後、瞳面
と略す)、もしくはその近傍面内に配置されるととも
に、投影光学系10の光軸AXを中心としたほぼ円形状
の開口を有し、瞳面17内に形成される2次光源(面光
源)像を円形に制限する。こうしてレチクル8のパター
ン9を通過した照明光は、投影光学系10を介してウエ
ハ12のレジスト層に結像される。このとき、照明光学
系(41c、4a、7)の開口数と投影光学系10のレ
チクル側開口数との比、いわゆるσ値は開口絞り(例え
ば空間フィルター4aの開口径)により決定され、その
値は0. 3〜0. 6程度が一般的である。
【0005】さて、照明光L140はレチクル8にパタ
ーニングされたパターン9により回折され、パターン9
からは0次回折光D0 、+1次回折光Dp 、及び−1次
回折光Dm が発生する。各回折光(D0 、Dp 、Dm
は投影光学系10により集光され、ウエハ12上に干渉
縞を発生させる。この干渉縞がパターン9の像である。
このとき、0次回折光D0 と±1次回折光Dp 、Dm
各々とのなす角θ(レチクル側)は、 sinθ=λ/P
(λ:露光波長、P:パターンピッチ)により決まる。
【0006】ところで、パターンピッチが微細化すると
sinθが大きくなっていき、 sinθが投影光学系10の
レチクル側開口数(NAR )より大きくなると、±1次
回折光Dp 、Dm は投影光学系10の瞳面(フーリエ変
換面)11の有効径で制限され、投影光学系10を透過
できなくなる。このとき、ウエハ12上には0次回折光
0 のみしか到達せず干渉縞は生じない。つまり、 sin
θ>NAR となる場合にはパターン9の像は得られず、
パターン9をウエハ12上に転写することができなくな
ってしまう。
【0007】以上のことから、今までの投影露光装置に
おいては、 sinθ=λ/P≒NARとなるピッチPは次
式で与えられていた。 P≒λ/NAR これより、最小パターンサイズはピッチPの半分である
から、最小パターンサイズは0. 5×λ/NAR 程度と
なるが、実際のフォトリソグラフィ工程においてはウエ
ハの湾曲、プロセスによるウエハの段差等の影響、また
はフォトレジスト自体の厚さのために、ある程度の焦点
深度が必要となる。このため、実用的な最小解像パター
ンサイズは、k×λ/NAR として表される。ここで、
kはプロセス係数と呼ばれ、レジストの特性等に依存す
るが、通常0. 6〜0. 8程度である。レチクル側開口
数NAR とウエハ側開口数NAW との比は、投影光学系
10の結像倍率と同じであるので、レチクル上における
最小解像パターンサイズはk×λ/NAR 、ウエハ上の
最小パターンサイズは、k×λ/NAW =k×λ/B・
NAR (但し、Bは結像倍率(縮小率))となる。
【0008】従って、より微細なパターンを転写するた
めには、より短い波長の露光光源を使用するか、あるい
はより開口数の大きな投影光学系を使用するかを選択す
る必要があった。もちろん、露光波長と開口数の両方を
最適化する努力も考えられる。しかしながら、上記の如
き従来の投影露光装置において、照明光源を現在より短
波長化(例えば200nm以下)することは、透過光学部
材として使用可能な適当な光学材料が存在しない等の理
由により現時点では困難である。また、投影光学系の開
口数は、現状でも既に理論的限界に近く、これ以上の大
開口化はほぼ望めない状態である。さらに、仮に現状以
上の大開口化が可能であるとしても、±λ/2NA2
表される焦点深度は開口数の増加に伴って急激に減少
し、実使用に必要な焦点深度がますます少なくなるとい
う問題が出てくる。このことは、当然ながら光源を短波
長化するほど深刻になってくる。
【0009】また、レチクルの回路パターンの透過部分
のうち、特定の部分からの透過光の位相を、他の透過部
分からの透過光の位相よりπだけずらす、いわゆる位相
シフトレチクルが、例えば特公昭62―50811号公
報等で提案されている。この位相シフトレチクルを使用
すると、従来よりも微細なパターンの転写が可能とな
る。ところが、位相シフトレチクルについては、その製
造工程が複雑になる分コストも高く、また検査及び修正
方法も未だ確立されていないので、多くの問題が残され
ている。
【0010】そこで、位相シフトレチクルを使用しない
投影露光技術として、レチクルの照明方法を改良するこ
とで転写解像力を向上させる試みがなされている。その
1つの照明方法は、例えば図11の空間フィルター4a
を輪帯状の開口にし、照明光学系の瞳面(フーリエ変換
面)17上で照明光学系の光軸の回りに分布する照明光
束を部分的にカットすることにより、レチクル8に達す
る照明光束に一定の傾斜を持たせるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の如
き従来技術において、光源がエキシマレーザのような空
間的コヒーレンスをもったレーザである場合には、フラ
イアイレンズのレチクル側焦点面に形成される2次光源
を考えると、各レンズエレメントに対応した照明光束が
互いにある程度可干渉性を有することになる。このた
め、レチクル面、またはそれと共役なウエハ面上にはラ
ンダムな干渉縞(スペックル干渉縞)が形成され、照度
均一性が低下し得る。ここで、その空間的周波数を考え
ると、レンズエレメントの最小間隔に対応したフーリエ
成分が支配的である。つまり、干渉に寄与する光束の組
み合わせの個数が一番多いためである。従って、レチク
ル面またはウエハ面ではレンズエレメントの配列方向に
対応して、限界解像度と比較して比較的低周波(ピッチ
の長い)の縞が観測されることになる。KrFエキシマ
レーザの場合には、空間的コヒーレンスが比較的低いた
め、形成される干渉縞のコントラストも低いが、本来の
パターンに対して有害なノイズとして作用し、今後益々
要求が厳しくなる照度均一性にとって干渉縞の発生は十
分に問題となる。また、上記輪帯状の照明を考えた場
合、ちょうど限界解像度付近に集中してこのノイズが重
畳してくることになり、通常の照明法に比べて影響が大
きい。
【0012】また、照明光学系のフーリエ変換面内での
照明光束分布を輪帯状にするような特殊な照明方法を採
用すると、確かに通常のレチクルでも解像力の向上は認
められるが、レチクルの全面に渡って均一な照度分布を
保証することが難しくなるといった問題点が生じた。ま
た、図11に示した如く単に空間フィルター等のような
部分的に照明光束をカットする部材を設けた系では、当
然のことながらレチクル上、またはウエハ上での照明強
度(照度)を大幅に低下させることになり、照明効率の
低下に伴う露光処理時間の増大という問題に直面する。
さらに、照明光学系中のフーリエ変換面には、光源から
の光束が集中して通るため、空間フィルター等の遮光部
材の光吸収による温度上昇が著しくなり、照明光学系の
熱的な変動による性能劣化の対策(空冷等)も考える必
要がある。
【0013】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、通常のレチクルを使用しても、高解像度かつ大焦点
深度が得られるとともに、照度均一性に優れ、かつエキ
シマレーザに代表されるレーザを光源として使用する場
合にも、有害なスペックルノイズの影響の少ない投影露
光装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる問題点を解決する
ため、本発明による第1の投影露光装置においては、光
源(1)からの照明光を、マスク(8)のパターン
(9)の微細度(ピッチP)に応じた入射角(ψ)で照
明光学系の光軸に対して傾いてマスクに入射する複数の
光束に分割する光束分割部材(20、21)と、その複
数の光束に対して光路差を与える光路差発生部材(3
0)とを設け、各光束の照射によってパターンから発生
する互いに次数が異なる2つの回折光(±n次回折光の
一方と0次回折光)が投影光学系の瞳面(11)上で光
軸(AX)からの距離がほぼ等しい位置を通るように入
射角を決定することとした。また、本発明による第2の
投影露光装置においては、照明光学系内のマスク(8)
のパターンに対するフーリエ変換面(17)上で照明光
を輪帯状に分布させるとともに、輪帯状の照明光の内径
又は外径を可変とするために円錐状の入射面と射出面と
の間隔を変更する光学部材(70)と、輪帯状の照明光
に対して部分的に光路差を与える光路差発生部材(6
0)とを設けることとした。さらに、本発明による第3
の投影露光装置においては、光源(1)と照明光学系内
に配置されるロッド型インテグレータとの間に配置さ
れ、照明光学系内のマスク(8)のパターンに対するフ
ーリエ変換面(17)上で照明光を中心部よりも外側に
分布させるとともに、そのフーリエ変換面上で照明光学
系の光軸を中心として照明光を放射方向に移動する光学
部材(20、21)とを設けることとした。また、本発
明による投影露光方法においては、照明光学系内のマス
ク(8)のパターンに対するフーリエ変換面(17)上
で照明光を中心部よりも外側に分布させるとともに、パ
ターン(9)に応じて光源(1)と照明光学系内のロッ
ド型インテグレータとの間に配置される光学部材(2
0、21)を移動して、そのフーリエ変換面上で照明光
学系の光軸を中心として照明光を放射方向にシフトさせ
ることとした。
【0015】
【作用】本発明による作用を図10を用いて説明する。
図10中、本発明の第2フライアイレンズに相当する第
2フライアイレンズ群40a、40bは投影光学系10
の光軸AXに対する垂直な面内に並び、これより射出さ
れる光束は、それぞれガイド光学系42a、42bによ
り、本発明の第1フライアイレンズに相当する第1フラ
イアイレンズ群41a、41bに入射する。第1フライ
アイレンズ入射面における照度分布は第2フライアイレ
ンズ群によって均一化されている。
【0016】第1フライアイレンズ群を射出した光束
は、コンデンサーレンズ7によりレチクル8に照射され
る。レチクル8上での照度分布は、上記の第1、第2の
両フライアイレンズ群で均一化され、極めて均一性の良
いものとなっている。ここで、第1フライアイレンズ群
41a、41bの各中心は共に、光軸AXより離れた位
置に存在している。また、第1フライアイレンズ群41
a,41bのレチクル側焦点面414a、414bは、
レチクルパターン9のフーリエ変換面17とほぼ一致し
ているので、光軸AXと第1フライアイレンズの中心と
の距離によって、第1フライアイレンズを射出した光束
のレチクル8への入射角が決定される。
【0017】レチクル(マスク)上に描画された回路パ
ターン9は、一般に周期的なパターンを多く含んでい
る。従って、1つのフライアイレンズ群41aからの照
明光が照射されたレチクルパターン9からは0次回折光
成分D0 及び±1次回折光成分Dp 、Dm 、さらにより
高次の回折光成分が、パターンの微細度に応じた方向に
発生する。このとき、照明光束(主光束)が傾いた角度
でレチクル8に入射するから、発生した各次数の回折光
成分も、垂直に照明された場合に比べ、傾き(角度ず
れ)をもってレチクルパターン9から発生する。図10
中の照明光L130は、光軸に対してψだけ傾いてレチ
クル8に入射する。
【0018】照明光L130はレチクルパターン9によ
り回折され、光軸AXに対してψだけ傾いた方向に進む
0次回折光D0 、0次回折光D0 に対してθp だけ傾い
て進む+1次回折光Dp 、及び0次回折光D0 に対して
θm だけ傾いて進む−1次回折光Dm が発生する。しか
しながら、照明光L130は両側テレセントリックな投
影光学系10の光軸AXに対して角度ψだけ傾いてレチ
クルパターン9に入射するので、0次回折光D0 もまた
投影光学系10の光軸AXに対して角度ψだけ傾いた方
向に進行する。
【0019】従って、+1次回折光Dp は光軸AXに対
して(θp +ψ)の方向に進行し、−1次回折光Dm
光軸AXに対してその反対側に(θm −ψ)の角度で進
行する。このとき、回折角θp 、θm はそれぞれ sin(θp +ψ)− sinψ=λ/P sin(θm −ψ)+ sinψ=λ/P である。但し、ここでは+1次回折光Dp 、−1次回折
光Dm の両方が投影光学系10の瞳面11を透過してい
るものとする。
【0020】レチクルパターン9の微細化に伴って回折
角が増大すると、まず角度(θp +ψ)の方向に進行す
る+1次回折光Dp が投影光学系10の瞳11を透過で
きなくなる。すなわち、sin(θp +ψ)>NAR の関係
になってくる。しかし、照明光L130が光軸AXに対
して傾いて入射しているため、このときの回折角でも−
1次回折光Dm は、投影光学系10を透過可能である。
すなわち、sin(θm −ψ)<NAR の関係になる。
【0021】従って、ウエハ12上には0次回折光D0
と−1次回折光Dm の2光束による干渉縞が生じる。こ
の干渉縞はレチクルパターン9の像であり、レチクルパ
ターン9が1:1のラインアンドスペースのとき、約9
0%のコントラストとなってウエハ12上に塗布された
レジストに、レチクルパターン9の像をパターニングす
ることが可能となる。
【0022】このときの解像限界は、 sin(θm −ψ)=NAR となるときであり、従って NAR + sinψ=λ/P P=λ/(NAR + sinψ) が転写可能な最小パターンのレチクル側でのピッチであ
る。
【0023】一例として今 sinψを0. 5×NAR 程度
に定めるとすれば、転写可能なレチクル上のパターンの
最小ピッチは P=λ/(NAR +0. 5×NAR )=2λ/3NAR となる。一方、図11に示したように、照明光の瞳17
上での分布が投影光学系10の光軸AXを中心とする円
形領域内である従来の露光装置の場合、上述した如く解
像限界はP≒λ/NAR であった。従って、従来の露光
装置より高い解像度が実現できることが分かる。
【0024】次に、レチクルパターンに対して特定の入
射方向と入射角で露光光を照射して、0次回折光成分と
1次回折光成分とを用いてウエハ上に結像パターンを形
成する本方法によって、焦点深度も大きくなる理由につ
いて説明する。図10のようにウエハ12が投影光学系
10の焦点位置(最良結像面)に一致している場合は、
レチクルパターン9中の1点を出てウエハ12上の1点
に達する各回折光は、投影光学系10のどの部分を通る
ものであっても全て等しい光路長を有する。このため、
従来のように0次回折光成分が投影光学系10の瞳面1
1のほぼ中心(光軸近傍)を貫通する場合でも、0次回
折光成分とその他の回折光成分とで光路長は相等しく、
従って波面収差も零である。しかし、ウエハ12が投影
光学系10の焦点位置に一致していないデフォーカス状
態の場合、斜めに入射する高次の回折光の光路長は光軸
近傍を通る0次回折光に対して焦点前方(投影光学系1
0に近づく方向)では短く、焦点後方(投影光学系10
から遠ざかる方向)では長くなり、その差は入射角の差
に応じたものとなる。従って、0次、±1次、及びその
他の各回折光は波面収差を形成して焦点位置の前後にお
けるボケを生じることとなる。
【0025】前述のデフォーカスによる波面収差は、ウ
エハ12の焦点位置からのずれ量をΔF、各回折光がウ
エハ上の1点に入射するときの入射角θW の正弦をr
(r=sinθW )とすると、ΔFr2 /2で与えられる
量である。このとき、rは各回折光の瞳面11での光軸
AXからの距離を表す。図11に示した従来の投影露光
装置では、0次回折光D0 は光軸AXの近傍を通るの
で、r(0次)=0となり、一方±1次回折光Dp 、D
m は、r(1次)=M・λ/Pとなる(Mは投影光学系
の倍率)。従って、0次回折光D0 と±1次回折光
p 、Dm とのデフォーカスによる波面収差は ΔF・M2 (λ/P)2/2 となる。
【0026】一方、本発明による投影露光装置では、図
10に示すように0次回折光成分D 0 は光軸AXから角
度ψだけ傾いた方向に発生するから、光軸AXからの距
離はr(0次)=M・ sinψである。一方、−1次回折
光成分Dm についてはr(−1次)=M・sin(θm
ψ)となる。従って、 sinψ=sin(θm −ψ)となれ
ば、0次回折光成分D0 と−1次回折光成分Dm とのデ
フォーカスによる光路長差がなくなって波面収差は零と
なり、ウエハ12が焦点位置より光軸方向に若干ずれて
もパターンの像ボケは従来ほど大きく生じないことにな
る。すなわち、焦点深度が増大することになる。また、
上記の如くsin(θm −ψ)+ sinψ=λ/Pであるか
ら、照明光束L130のレチクル8への入射角ψを、ピ
ッチPのパターンに対して sinψ=λ/2Pなる関係に
定めれば、焦点深度を極めて増大させることが可能であ
る。
【0027】さらに、本発明では光源より発せられる照
明光束を複数の光束に分割してから、複数の光束の各々
の間に照明光の可干渉距離(コヒーレント長)よりも長
い位相差(光路長差)を与えるようにした。ここで、照
明光のコヒーレント長Lは、照明波長をλ、そのスペク
トル幅をΔλとすると、 L=λ2 /Δλ で表される。
【0028】つまり、同一光源から射出された2つの光
束の間に、コヒーレント長L以上の光路長の差があれ
ば、この2つの光束は互いに干渉しない。例えば光源が
狭帯化されたKrFエキシマレーザの場合、コヒーレン
ト長Lは20mm程度であり、複数の光束の相互にこの程
度の光路差を与えるのは比較的容易である。従って、あ
る程度の可干渉性を有するレーザであっても、本来のパ
ターンに対してノイズとして重畳してくるスペックル干
渉縞を効果的に低減することが可能となる。
【0029】
【実施例】図1は本発明の実施例による投影露光装置
(ステッパー)の概略的な構成を示す図であって、本実
施例では光分割器として2個の多面体プリズムを使用
し、さらに光路差発生部材として平行平板ガラスを使用
したものである。図1において、露光用光源1はKr
F、ArFエキシマレーザ、あるいは金属蒸気レーザや
YAGレーザの高調波等のレジスト層を感光させる波長
域の照明光を発生する。この照明光(レーザビーム)は
ほぼ平行光束であり、ビームエクスパンダー等を含むビ
ーム整形光学系2によってビーム断面が適当な形状(通
常は正方形)、大きさに整形された後、平行光束のまま
折り曲げミラー3を介して光分割器(20、21)に入
射する。ここで本実施例の光分割器は、V型の凹部を持
つ第1の多面体プリズム20と、V型の凸部を持つ第2
の多面体プリズム21とが組み合わされたものである。
これら2つのプリズムの屈折作用によって照明光束は2
つの光束に分割され、各光束は別々の第2フライアイレ
ンズ群40a、40bに入射する。
【0030】ここで、図1に示すように光分割器20、
21で分割された2つの光束のうち、いずれか一方の光
路中(図1では第2フライアイレンズ群40aへ入射す
る光束の光路中)に、光路差発生部材としての平行平板
ガラス30が配置されている。このため、第2フライア
イレンズ群40aに入射する光束は、第2フライアイレ
ンズ群40bに入射する光束に対して所定量だけ位相遅
れが与えられる、すなわち2つの光束の間に光路長の差
が生じることになる。本実施例では、2つの光束の光路
差が照明光のコヒーレント長L(L=λ2 /Δλ)より
も長くなる(但し、光路差がコヒーレント長Lの整数倍
とならない)ように、平行平板ガラス30の厚さが定め
られている。尚、ここでは2つの光束のうちの一方の光
路中にのみ平行平板ガラス30を配置したが、2つの光
束の光路差が常にコヒーレント長Lより長くなっていれ
ば、両方の光路中に平行平板ガラスを配置しても構わな
い。また、光路差発生部材は平行平板ガラス以外、例え
ばミラーを用いて光束を引き回して光路差を与えるもの
であっても良い。
【0031】ところで、本実施例では第2フライアイレ
ンズを2個としたが、この数量は任意で良い。また、光
分割器も第2フライアイレンズ群の個数に合わせて照明
光束を2分割にするものとしたが、複数の第2フライア
イレンズ群の各々に光束が入射するように、第2フライ
アイレンズ群の個数に応じていくつに分割しても良い。
さらに光路差発生部材も光束相互の位相差が適当に与え
られるものであれば良く、その数も光分割器で分割され
た複数の光束の各々の間に互いに異なる光路差(コヒー
レント長以上)が与えられるように、第2フライアイレ
ンズ群の数と同数、もしくは1つ少ない数だけ用意して
各光束の光路中に配置すれば良い。例えば第2フライア
イレンズ群が4個より成れば、光分割器を4角錘型(ピ
ラミッド型)の凹部を有する第1の多面体プリズム20
と、4角錘型(ピラミッド型)の凸部を有する第2の多
面体プリズム21とより構成し、さらに4つの光束相互
に互いに異なる位相差(光路差)が与えられるように、
コヒーレント長Lに応じて互いに異なる厚さに定められ
た4つ(または3つ)の平行平板ガラスを各光束の光路
中に配置すれば良い。
【0032】さて、第2フライアイレンズ群40a、4
0bを射出した照明光はそれぞれガイド光学系42a、
43a、42b、43bにより、第1フライアイレンズ
群41a、41bに入射する。このとき、第1フライア
イレンズ41aには第2フライアイレンズ40aからの
光束のみが入射し、第1フライアイレンズ群41bには
第2フライアイレンズ群40bからの光束のみが入射す
る。さらに第1フライアイレンズ41a、41bを射出
した各光束は、コンデンサーレンズ5、7、及び折り曲
げミラー6に導かれ、レチクル8の下側面に形成された
パターン9をほぼ均一な照度で照明する。パターン9を
透過、回折した光は投影光学系10により集光結像さ
れ、ウエハ12上にパターン9の像を形成する。
【0033】尚、同図中11は投影光学系10中のパタ
ーン9に対するフーリエ変換面(以後、投影光学系の瞳
面と称す)を表し、この投影光学系の瞳面には可変絞り
(N.A.絞り)を設ける場合もある。一方、照明光学
系中にもパターン9に対するフーリエ変換面に相当する
照明光学系の瞳面17が存在するが、前述の第1フライ
アイレンズ41a、41bのレチクル側焦点面(射出側
焦点面)は、照明光学系の瞳面17とほぼ一致した位置
にある。また、第2フライアイレンズ40a、40bの
射出面は、ガイド光学系42、43によって第1フライ
アイレンズ41a、41bの入射面に対するフーリエ変
換面になっている。但し、厳密にフーリエ変換の関係に
維持される必要はなく、要は第2フライアイレンズ群の
各エレメントから射出した光束が、第1フライアイレン
ズ群の入射面上で重畳されているような関係が維持され
ていれば良い。
【0034】また、第1フライアイレンズ群41a、4
1bは光軸AXより離れた位置にあるため、レチクルパ
ターン9中で特定の方向及びピッチを有するパターンの
投影像の焦点深度を極めて大きくすることが可能となっ
ている。但し、レチクルパターン9の方向やピッチは、
使用するレチクル8により異なることが予想される。従
って、レチクル毎にそのパターンに対して瞳面内での第
1フライアイレンズ群41a、41bの各中心位置が最
適となるように、駆動系51により第1フライアイレン
ズ群41a、41b、及びガイド光学系42a、42
b、43a、43b、あるいはさらに第2フライアイレ
ンズ群40a、40b、平行平板ガラス00、光分割器
20、21の位置等を変更可能としておくと良い。尚、
駆動系51は主制御系50の動作命令により動作する
が、このときの位置等の設定条件はキーボード52より
入力する。あるいはバーコードリーダーによりレチクル
上のバーコードパターンを読み、その情報に基づいて設
定を行っても良い。
【0035】図2は、図1中の光分割器20、21から
第1フライアイレンズ群41a、41bまでの拡大図で
ある。ここでは、第1の多面体プリズム20と第2の多
面体プリズム21との互いに対向する面は平行であるも
のとし、プリズム20の入射面とプリズム21の射出面
とは光軸AXと垂直であるものとする。その第1の多面
体プリズム20は保持部材22により保持され、第2の
多面体プリズム21は保持部材23により保持される。
各保持部材22、23はそれぞれ可動部材24a、24
b、及び25a、25bにより保持され、固定部材26
a、26b上を図中左右方向、すなわち光軸AXに反っ
た方向に可動となっている。この動作はモータ等の能動
部材27a、27b、28a、28bによって行われ
る。また、第1の多面体プリズム20と第2の多面体プ
リズム21とは独立に移動可能であるので、2つのプリ
ズムの間隔の変更により射出する2光束の間隔を光軸A
Xを中心として放射方向に変更することができる。
【0036】さて、多面体プリズム21から射出する複
数の光束は、複数(光束と同数)の第2フライアイレン
ズ群の各々に入射する。図2では第2フライアイレンズ
群中の1つと、第1フライアイレンズ群中の1つと、1
つのガイド光学系及び平行平板ガラスが1つの保持部材
44a、44b(但し、本実施例では上述の如く保持部
材の一方(図では44b)に平行平板ガラスを配置して
いない)に一体に保持されている。また、保持部材44
a、44bはそれぞれ可動部材45a、45bにより保
持されているため、固定部材46a、46bに対して可
動となっている。この動作は能動部材47a、47bに
より行われる。
【0037】第2フライアイレンズ、第1フライアイレ
ンズ、ガイド光学系、及び平行平板ガラスを一体に保持
及び移動することにより、第1フライアイレンズと第2
フライアイレンズとの間の光学的な位置関係をずらすこ
となく、第1フライアイレンズから射出する光束の位置
を光軸AXと垂直な面(すなわち照明光学系の瞳面)内
で任意に変更することができる。尚、保持部材44a、
44bより突き出た部材48a、48bは遮光板であ
る。これにより、光分割器より発生する迷光を遮断し、
不必要な光がレチクルへ達することを防止する。また、
遮光板48aと48bとが光軸AX方向に各々ずれてい
ることにより、保持部材44a、44bの可動範囲の制
限を少なくすることができる。
【0038】図2中では、光分割器(多面体プリズム)
20、21の光軸方向の間隔を変更することで、分割し
た各光束の位置を光軸AXに対して放射方向に変更可能
としたが、各光束を光軸AXを中心とする同心円方向に
変更することも可能である。図6はその場合の実施例で
あって、第2の多面体プリズム(ピラミッド型プリズ
ム)21を保持する保持部材23は、固定具25により
保持されるが、保持部材23は図6(A)において固定
具25に対して紙面内で回転可能である。また、この回
転は固定具29に設けたモータ等の駆動部材29により
行う。さらに保持具23の周辺には、モータ29の位置
に対応してギア201を設けておく。尚、図6(B)は
図6(A)の3A矢視断面図である。
【0039】ここで固定具25は、さらに図2の如く保
持され、光軸AX方向に可動であっても構わない。ま
た、図6では第2の多面体プリズム21の場合の例のみ
を示したが、第1の多面体プリズム20に対しても同様
に回転(光軸AXに対して)可能に構成することができ
る。また、多面体プリズム20、21を別々に回転する
のではなく、図2中の固定部材26a、26bを、さら
に別の固定部(露光装置本体等)に対して、光軸AXを
中心に一体に回転可能に構成しても良い。この場合の回
転機構は、例えば図6中の保持部材23が、多面体プリ
ズム21の代わりに、図1で示す固定部材26a、26
bを保持するように構成すれば良い。
【0040】以上のように、光分割器20、21から射
出される複数の光束が、光軸AXを中心として放射方向
及び同心円方向に位置変化する場合、これらの光束が入
射する第2フライアイレンズ群40a、40bの位置
も、それに応じて可変となる必要がある。図7は、この
ための2次元的(光軸AXに垂直な面内方向)な動作を
可能とする機構の例を示す。図7では図2の如く、第2
フライアイレンズ40a、40b、ガイド光学系42
a、42b、43a、43b、及び第1フライアイレン
ズ41a、41bが一体に保持された部材(保持部材4
4a、44b)を光軸AXのレチクル側方向から見た図
である。それぞれの合成フライアイレンズ41A〜41
Dは保持部材44A〜44Dに保持され、それらはさら
に可動部材45A〜45Dにより保持され、かつ能動部
材46A〜46Dによって光軸AXを中心として放射方
向に可動となっている。また、能動部材46A〜46D
は固定部材49A〜49D上を、前記の放射方向とほぼ
直交する方向(ほぼ同心方向)に移動可能であるので、
合成フライアイレンズ41A〜41Dはそれぞれ光軸A
Xに垂直な面内(紙面内)に2次元的に可動である。こ
れによって光分割器で分割された各光束を効率良くレチ
クルに照射することができる。
【0041】尚、図7中の可動部材45A〜45Dの動
作方向は光軸AXを中心とする放射方向に限定されるわ
けではなく、光軸AXに垂直な任意の方向であって良
い。また、図2に示した如く1次元のみ可動な系の場合
にも、その方向は同様に、光軸AXに垂直な任意の方向
であって良い。以上の説明では平行平板ガラス30につ
いて述べていないが、ここでは保持部材44aに保持さ
れ、第2フライアイレンズ群40aと一体に移動可能と
なっているので(図2)、何ら問題はない。また、平行
平板ガラス30を保持部材44aに固定せず、独立に移
動可能に構成し、保持部材44aの移動に連動して平行
平板ガラス30を駆動するようにしても良い。または、
第2フライアイレンズ群40aに入射する光束の光軸A
Xと垂直な面内での移動範囲と比較して、平行平板ガラ
ス30の面積を大きくしておけば、特に移動機構を設け
る必要がなく、さらに保持部材44aと一体に固定する
必要もなく、単に装置に対して機械的に固定しておくだ
けで良い。
【0042】尚、光分割器20、21で分割された各光
束を光軸AXを中心とする同心円方向に変更するときに
は、各光束の移動に伴って平行平板ガラス30も光軸A
Xを中心として回転させることが望ましい。また、光分
割器20、21から射出される複数の光束の各々を、光
軸AXを中心として放射方向及び同心円方向に位置変化
させる場合、特に同心円方向に位置変化させるときに
は、上述した如くこれらの光束が入射する第2フライア
イレンズ群40a、40bの位置を、フライアイレンズ
群を構成する各エレメントの配列方向とレチクルパター
ンの周期方向とがほぼ一致するように移動させることが
望ましい。このとき、各フライアイレンズ群を独立に回
転可能に構成しても、あるいは複数の合成フライアイレ
ンズ(保持部材44a、44b)を一体に、光軸AXを
中心として回転可能に構成しても良い。複数の光束の各
々を同心円方向に位置変化させるのは、レチクルパター
ンが、例えばX方向に規則的に配列された1次元のライ
ンアンドスペースパターンからX、Y方向に対して45
°だけ傾いた方向に規則的に配列された1次元のライン
アンドスペースパターンに変更されたときである。
【0043】次に、図3、図4、図5を参照して本発明
の光路差発生部材の変形例について説明する。各図と
も、図2の部材と同じ機能、作用の部材には同一の符号
を付してある。図3の例では、上記実施例(図2)と同
様に光路差発生部材として平行平板ガラスを使用する
が、ここでは光源からの照明光束が光分割器20、21
に入射する前に、光分割器20、21の2つの斜面のい
ずれか一方に対応したその照明光路の一部(図では光軸
AXの上半分)に平行平板ガラス30を配置する構成と
した。このため、光分割器20、21で分割された2つ
の光束のうち、第2フライアイレンズ群40aに入射す
る光束のみに対してその位相を遅らせ、両者の光路差を
コヒーレント長Lより長くすることが可能となる。図3
において、平行平板ガラス30は保持部材31により保
持されており、さらに保持部材31は可動部材32によ
り保持されているため、固定部材33に対して可動とな
っている。この動作は能動部材34により行われる。以
上のように平行平板ガラス30を光軸AXと垂直方向に
移動可能に構成したため、平行平板ガラス30を光軸A
Xを境界にして精度良く照明光路中に配置することがで
き、2つの光束のいずれか一方の位相(光路長)のみを
変化させることが可能となる。尚、図3の残りの装置部
分については図2と基本的に同一であり、ここでは説明
は省略する。また、本例における平行平板ガラス30
は、光源1と光分割器20、21との間の光路中であれ
ばどこに配置しても良い。図2、図3から明らかなよう
に、平行平板ガラス30は光源1と第2フライアイレン
ズ群40a、40bとの間の光路中であればどこに配置
しても良い。さらには第1フライアイレンズ群41a、
41bとレチクル8との間の光路中にも配置できるが、
ここでは第1フライアイレンズ群41a、41bからの
各光束が重なり合っていない位置(例えば、第1フライ
アイレンズ群41a、41bの射出側焦点面近傍、ある
いはその共役面近傍)に配置する必要がある。
【0044】図4は、光路差発生部材として平行平板ガ
ラスの代わりにミラーを使用した例を示しており、図3
の例と同様に光源1からの照明光束が光分割器20、2
1に入射する前に、分割される2つの光束のいずれか一
方に対応した光束部分に位相差(光路長差)を与えるも
のである。図4において光源1からの照明光束はビーム
スプリッター(ハーフミラー)30aで2つの光束(光
量比は1:1)に分割され、ここを透過した光束はその
まま直進して光分割器20、21に入射し、反射した光
束は図中で上方に折り曲げられた後、反射ミラー30b
で再度折り曲げられて光分割器20、21に入射する。
この結果、ハーフミラー30aで反射した光束はハーフ
ミラー30aから反射ミラー30bまでの距離だけ遅延
する(位相が遅れる)ことになる。従って、本例でも光
分割器20、21で分割された2つの光束のいずれか一
方のみ、その光路長を変化させることが可能となる。
尚、ハーフミラー30aと反射ミラー30bとは、2つ
の光束の光路差がコヒーレント長Lより長くなるような
距離だけ離して、不図示の保持部材に一体に固定される
とともに、ハーフミラー30aからの透過光束と反射光
束とが光軸AXを挟んで対称的に光分割器20に入射す
るように照明光路中に配置されている。図4から明らか
なように、本例では光路差発生部材としてミラー30
a、30bを使用しているので、光源1からの照明光束
を照明光学系の光軸AXに対して偏心させている。ま
た、ミラー30aと30bとを一体に、光軸AXと垂直
な方向へ移動可能に構成し、光分割器20への透過光束
と反射光束の各入射位置を微調整できるようにしておく
ことが望ましい。図4において残りの装置部分は図3の
例と全く同じである。
【0045】図5の例は、光路差発生部材30a、30
b及び光分割器20、21を含めた構成は図4の例と全
く同一であるが、ここではさらにイメージローテーター
35を1つの光束の光路中に配置した例を示している。
このイメージローテーター35によって、ハーフミラー
30aで分割された一方の光束(図では反射光束)のみ
を、光軸AXと垂直な面内で、例えば180°回転させ
る。以上の構成によって、各光束の可干渉性がさらに低
減され、ノイズ成分となるスペックル干渉縞のコントラ
ストがますます低下して有利である。尚、イメージロー
テーターとしては、図5中に示したようなプリズムを組
み合わせたもの以外であっても構わない。
【0046】本例のようにイメージローテーター35を
光路中に配置すると、反射光束の位相が少し遅れること
になるので、この遅れを考慮してハーフミラー30aと
反射ミラー30bとの距離(間隔)を設定することが望
ましい。また、イメージローテーター35の設置位置は
本例に限られるものではなく、光路差発生部材と同様に
光源1とレチクル8との間の光路中であればどこに配置
しても良く、例えば光分割器20、21の後方(第2フ
ライアイレンズ群側)に設置しても良い。さらにイメー
ジローテーター35は、光路差発生部材(30または3
0a、30b)より光源側、あるいは第2フライアイレ
ンズ群側のいずれに配置しても構わない。また、図2、
図3に示した構成に対しても、イメージローテーター3
5を配置して同様の効果を得ることができる。換言すれ
ば、イメージローテーター35の設置位置やその数につ
いての条件は光路差発生部材の条件と全く同じであり、
例えば光源1からの照明光束を4分割する場合には、分
割された4つの光束のうち、3つの光束の各光路中にイ
メージローテターを配置し、それぞれ光軸方向を軸とし
て90゜、180゜、270゜ずつ回転させる(残りの
1つの光束の回転角は0°)と良い。または、4つの光
束の各光路中にイメージローテターを配置し、それぞれ
光軸方向を軸として90゜、180゜、270゜、36
0°ずつ回転させても良い。
【0047】次に、図8、図9を参照して光分割器の変
形例について説明する。各図とも、図2の部材と同じ機
能、作用の部材には同一の符号を付し、ここでは説明を
省略する。図8、図9は光分割器としてそれぞれ光ファ
イバー20c、複数のミラー20d〜20fを使用した
例である。図8では、ファイバー20cの入射部20b
に入射した照明光束は、射出部21b、21cでは2光
束に分割される。射出部21b、21cは、保持部材4
4a、44bに一体に保持され、各合成フライアイレン
ズの移動に伴って各光束の位置も自動的に移動(追従)
することになる。
【0048】図9では、V字型の第1ミラー20dによ
り照明光束を2分割する。第2ミラー21e、21fは
平面ミラーであって、各光束を第1フライアイレンズ群
40a、40bに導く。さらに第2ミラー21e、21
fは、合成フライアイレンズを一体に保持する保持部材
44a、44bと一体に保持され、本例でも各合成フラ
イアイレンズの移動に伴って各光束の位置も自動的に移
動(追従)することになる。
【0049】ところで、図8、図9に示した光分割器を
使用する場合においても、光路差発生部材(平行平板ガ
ラス30)を、例えば図2の例と同様にファイバー射出
部21b、21cと第2フライアイレンズ群40a、4
0bとの間、第1ミラー20dと第2ミラー21e、2
1f(または、第2フライアイレンズ群40a、40
b)との間の光路中、あるいは図3の例と同様にファイ
バー入射部20f、第1ミラー20dより光源側の光路
中に配置すれば良い。また、各合成フライアイレンズの
個数及び光分割器による分割数は2個に限られず何個で
も良い。図8ではファイバー20cの分割数(射出部の
数)を変えれば良く、図9では第1ミラー21dとして
ピラミッド型ミラー(4分割)等を用いれば良い。尚、
光分割器の構成はこれらに限定されるものではなく、例
えば凹形状の多面体プリズムと凸レンズ(または正のパ
ワーを持つレンズ群)とを組み合わせたもの、回折格
子、特に位相型回折格子、あるいは凸レンズアレイ等を
用いても構わない。
【0050】次に、露光すべきレチクルパターンに応じ
て、これらの系をどのように最適にするかを説明する。
第1フライアイレンズ群の各位置(光軸と垂直な面内で
の位置)は、転写すべきレチクルパターンに応じて決定
(変更)するのが良い。この場合の位置決定方法は作用
の項で述べた通り、各第1フライアイレンズ群からの照
明光束が転写すべきパターンの微細度(ピッチ)に対し
て最適な解像度、及び焦点深度の向上効果を得られるよ
うにレチクルパターンに入射する位置(入射角ψ)とす
ればよい。
【0051】次に、第1フライアイレンズ群の各位置の
決定の具体例を、図12及び図13を用いて説明する。
図12は第1フライアイレンズ群41a、41bからレ
チクルパターン9までの部分を模式的に表わす図であ
り、第1フライアイレンズ群41a、41bのレチクル
側焦点面414a、414bが、レチクルパターン9の
フーリエ変換面17と一致している。また、このとき両
者をフーリエ変換の関係とならしめるレンズ、またはレ
ンズ群を、1枚のレンズ5として表してある。さらに、
レンズ5のフライアイレンズ側主点から第1フライアイ
レンズ群41のレチクル側焦点面414a、414bま
での距離と、レンズ5のレチクル側主点からレチクルパ
ターン9までの距離は共にfであるとする。
【0052】図13(A)、(C)はともに、レチクル
パターン9中に形成される一部分のパターンの例を表わ
す図であり、図13(B)は図13(A)のレチクルパ
ターンの場合に最適な第1フライアイレンズ群の中心の
フーリエ変換面17(投影光学系の瞳面)での位置を示
し、図13(D)は図13(C)のレチクルパターンの
場合に最適な第1フライアイレンズ群の位置(各フライ
アイレンズ群の中心位置)を表す図である。
【0053】図13(A)は、いわゆる1次元ラインア
ンドスペースパターンであって、透過部と遮光部が等し
い幅でY方向に帯状に並び、それらがX方向にピッチP
で規則的に並んでいる。このとき、個々の第1フライア
イレンズの最適位置は図13(B)に示すようにフーリ
エ変換面内に仮定したY方向の線分Lα上、及び線分L
β上の任意の位置となる。図13(B)はレチクルパタ
ーン9に対するフーリエ変換面17を光軸AX方向から
見た図であり、かつ面17内の座標系XYは、同一方向
からレチクルパターン9を見た図13(A)と同一にし
てある。
【0054】さて、図13(B)において、光軸AXが
通る中心Cから各線分Lα、Lβまでの距離α、βはα
=βであり、λを露光波長としたとき、α=β=f・
(1/2)・(λ/P)に等しい。この距離α・βをf
・ sinψと表せれば、 sinψ=λ/2Pであり、これは
作用の項で述べた数値と一致している。従って、第1フ
ライアイレンズ群の各中心(第1フライアイレンズ群の
各々によって作られる2次光源像の光量分布の各重心)
位置が線分Lα、Lβ上にあれば、図13(A)に示す
如きラインアンドスペースパターンに対して、各フライ
アイレンズ群からの照明光により発生する0次回折光と
±1次回折光のいずれか一方との2つの回折光は、投影
光学系10の瞳面11において光軸AXからほぼ等距離
となる位置を通る。従って、前述の如くラインアンドス
ペースパターン(図13(A))に対する焦点深度を最
大とすることができ、かつ高解像度を得ることができ
る。
【0055】次に、図13(C)はレチクルパターンが
いわゆる孤立スペースパターンである場合であり、パタ
ーンのX方向(横方向)ピッチがPx、Y方向(縦方
向)ピッチがPyとなっている。図13(D)は、この
場合の各第1フライアイレンズの最適位置を表わす図で
あり、図13(C)との位置、回転関係は図13
(A)、(B)の関係と同じである。図13(C)の如
き2次元パターンに照明光が入射すると、パターンの2
次元方向の周期性(X:Px、Y:Py)に応じた2次
元方向に回折光が発生する。図13(C)の如き2次元
パターンにおいても回折光中の±1次回折光のいずれか
一方と0次回折光とが投影光学系10の瞳面12におい
て光軸AXからほぼ等距離となるようにすれば、焦点深
度を最大とすることができる。図13(C)のパターン
ではX方向のピッチがPxであるから、図13(D)に
示す如く、α=β=f・(1/2)・(λ/Px)とな
る線分Lα、Lβ上に各フライアイレンズ群の中心があ
れば、パターンのX方向成分について焦点深度を最大と
することができる。同様に、r=ε=f・(1/2)・
(λ/Py)となる線分Lγ、Lε上に各フライアイレ
ンズ群の中心があれば、パターンのY方向成分について
も焦点深度を最大とすることができる。
【0056】以上、図13(B)または(D)に示した
各位置に配置したフライアイレンズ群からの照明光束が
レチクルパターン9に入射すると、0次光回折光成分D
0 と、+1次回折光成分Dp または−1次回折光成分D
m のいずれか一方とが、投影光学系10の瞳面11では
光軸AXからほぼ等距離となる光路を通る。従って、作
用の項で述べた通り、高解像及び大焦点深度の投影露光
装置が実現できる。
【0057】以上、レチクルパターン9として図13
(A)、(C)に示した2例のみを考えたが、他のパタ
ーンであってもその周期性(微細度)に着目し、そのパ
ターンからの+1次回折光成分または−1次回折光成分
のいずれか一方と0次回折光成分との2光束が投影光学
系の瞳面11では光軸AXからほぼ等距離になる光路を
通るような位置に各フライアイレンズ群の中心を配置す
れば良い。また、図13(A)、(C)のパターン例
は、ライン部とスペース部の比(デューティ比)が1:
1のパターンであったため、ここで発生する回折光中で
は±1次回折光が強くなる。このため、±1次回折光の
いずれか一方と0次回折光との位置関係に着目した。し
かしながら、パターンがデューティ比1:1から異なる
場合等では、他の回折光、例えばデューティ比1:3の
パターンでは、±2次回折光のいずれか一方と0次回折
光との位置関係が、投影光学系瞳面11において光軸A
Xからほぼ等距離となるようにしても良い。
【0058】また、レチクルパターン9が図13(D)
の如く2次元の周期性パターンを含む場合、特定の1つ
の0次回折光成分に着目したとき、投影光学系の瞳面1
1上ではその1つの0次回折光成分を中心としてX方向
(第1方向)に分布する1次以上の高次回折光成分と、
Y方向(第2方向)に分布する1次以上の高次回折光成
分とが存在し得る。そこで、特定の1つの0次回折光成
分に対して2次元のパターンの結像を良好に行うものと
すると、第1方向に分布する高次回折光成分の1つと、
第2方向に分布する高次回折光成分の1つと、特定の0
次回折光成分との3つが、瞳面11上で光軸AXからほ
ぼ等距離に分布するように、特定の0次回折光成分(1
つの第1フライアイレンズ)の位置を調節すれば良い。
例えば、図13(D)中で第1フライアイレンズの各中
心位置を点Pζ、Pη、Pκ、Pμのいずれかと一致さ
せると良い。点Pζ、Pη、Pκ、Pμはいずれも線分
LαまたはLβ(X方向の周期性について最適な位置、
すなわち0次回折光とX方向の±1次回折光の一方とが
投影光学系瞳面12上で光軸からほぼ等距離となる位
置)及び線分Lγ、Lε(Y方向の周期性について最適
な位置)の交点であるため、X方向、Y方向のいずれの
パターン方向についても最適な光源位置となる。
【0059】尚、以上において2次元パターンとしてレ
チクル上の同一箇所に2次元の方向性を有するパターン
を仮定したが、同一レチクルパターン中の異なる位置に
異なる方向性を有する複数のパターンが存在する場合に
も上記の方法を適用することができる。また、レチクル
上のパターンが複数の方向性、及び/又は微細度を有し
ている場合、フライアイレンズ群の最適位置は上述の如
くパターンの各方向性、及び微細度に対応したものとな
るが、例えば各最適位置の平均位置に第1フライアイレ
ンズを配置するようにしても良い。ここで、この平均位
置はパターンの微細度や重要度に応じた重みを加味した
荷重平均としても良い。
【0060】さらに、各第1フライアイレンズ群を射出
した光束の0次回折光成分は、それぞれウエハに対して
傾いて入射する。このときこれらの傾いた入射光束(複
数)の光量重心の方向がウエハに対して垂直でないと、
ウエハ12の微小デフォーカス時に、転写像の位置がウ
エハ面内方向にシフトするという問題が発生する。これ
を防止するためには、各フライアイレンズ群からの照明
光束(複数)の結像面、もしくはその近傍の面上での光
量重心の方向は、ウエハと垂直、すなわち光軸AXと平
行であるようにする。つまり、各第1フライアイレンズ
群に光軸(中心線)を仮定したとき投影光学系10の光
軸AXを基準としたその光軸(中心線)のフーリエ変換
面内での位置ベクトルと、各フライアイレンズ群から射
出される光量との積のベクトル和が零になるようにすれ
ば良い。また、より簡単な方法としては、第1フライア
イレンズ群を2m個(mは自然数)とし、そのうちのm
個の位置を前述の最適化方法(図12)により決定し、
残るm個は前記m個と光軸AXについて対称となる位置
に配置すれば良い。
【0061】以上のように、各第1フライアイレンズ群
の位置が決定されると、それに従って光分割器の状態
(図2、図8、図9)が決定される。このとき、ガイド
光学系や光分割光学系、あるいは第2フライアイレンズ
群の位置等は最も効率良く(光量損出なく)、第1フラ
イアイレンズ群に照明光を入射すべく決定する。尚、以
上の系において、各動作部にはエンコーダ等の位置検出
器を備えておくと良い。図1中の主制御系50または駆
動系51は、これらの位置検出器からの位置情報を基に
各構成要素の移動、回転、交換を行なう。また、各フラ
イアイレンズ群のレンズエレメントの形状であるが、通
常レチクルの有効エリア、又は回路パターンエリアは直
方形であることが多い。従って、第1フライアイレンズ
の各エレメントの入射面(レチクルパターンと結像関
係:なぜなら射出面とレチクルパターン面はフーリエ変
換の関係であり、入射面(光源側焦点面)と射出面(レ
チクル側焦点)も当然フーリエ変換の関係であるため)
は、レチクルパターン面の平面形状に応じた矩形である
と、効率良くレチクルのパターン部のみを照明できる。
【0062】第1フライアイレンズ群は各エレメントの
組みとして成るが、その全入射面の合計は、任意の形状
でよい。但し、この全入射面の合計と、第2フライアイ
レンズ群の1つのエレメントの入射面とは結像関係とな
るので、第2フライアイレンズ群の1つのエレメントの
入射面と似たような形状であると、光量損出が少なくて
済む。例えば、第2フライアイレンズ群の1つのエレメ
ントの入射面が長方形ならば、各第1フライアイレンズ
群の全入射面もまた長方形とする。あるいは、第2フラ
イアイレンズ群の1つのエレメントの入射面が正六角形
ならば、各第1フライアイレンズ群の全入射面は、正六
角形に内接するような形状とすると良い。
【0063】尚、第2フライアイレンズ群の1つのエレ
メントの入射面形状の像が、ガイド光学系によって各第
1フライアイレンズ群の全入射面よりやや大きくなるよ
うに投影されると、第1フライアイレンズ群での照度均
一化効果が一層高まる。また、各第1フライアイレンズ
群の射出面の大きさは、射出する各光束の1つあたりの
開口数(レチクル上の角度分布の片幅)が、投影光学系
のレチクル側開口数に対して0.1から0.3倍程度で
あると良い。これは0.1倍以下では転写パターン
(像)の忠実度が低下し、0.3倍以上では高解像度か
つ大焦点深度の効果が薄らぐからである。
【0064】また、本発明の実施例で示した装置におい
て、光分割器から第1フライアイレンズ群、ガイド光学
系、第2フライアイレンズ群の各光学系(図2に示す構
成)を、従来の照明光学系における対応部分、すなわち
リレーレンズと1つのフライアイレンズとを一体にした
ものと交換可能にしても良い。以上の実施例では照度均
一性を向上させるため、光分割器20、21で分割され
た複数の光束の各々に対して、2組のフライアイレンズ
群を設ける2段のインテグレータ構造としていたが、例
えばオプチカルインテグレータとして角柱状のロッド型
インテグレータを用いても良く、2組のロッド型インテ
グレータ、あるいはロッド型インテグレータとフライア
イ型インテグレータとを組み合わせて、上記の如き2段
のインテグレータ構造としても良い。尚、このような構
成については、例えば特開平1−271718号公報等
に開示されている。さらに2段のインテグレータ構造以
外に、例えば光分割器20、21で分割された複数の光
束の各々を、さらに多面体プリズムやミラー等を用いて
複数の光束に分割し、この分割された複数の光束の各々
を、1つのフライアイレンズ群(またはロッド型インテ
グレータでも良い)の入射面に重畳して入射させるよう
に構成しても良い。このような構成によれば、1つのオ
プチカルインテグレータを用いるだけでも、ある程度の
照度均一性の向上効果を得ることができる。また、例え
ばフライアイレンズを構成する各エレメントの大きさ
(断面積)を小さくすれば、2段のインテグレータ構造
を採用せずとも、1つのメッシュ状のフライアイレンズ
を用いるだけで、照度均一性をある程度向上させること
ができる。さらに、上記実施例では光分割器20、21
で分割された複数の光束の各々に対して2組のフライア
イレンズ群(40a、41a)、(40b、41b)を
配置していたが、例えば第1フライアイレンズ群と第2
フライアイレンズ群の少なくとも一方を、照明光学系の
光軸AXと垂直な面内で各光束が通過する領域の全面に
広がる1つの大きなフライアイレンズとしても良い。こ
のとき、レチクルパターンの周期性や微細度に応じた光
軸AXと垂直な面内での各光束の移動範囲を考慮して、
そのフライアイレンズの大きさを定めることが望まし
い。このことは、フライアイレンズを1組だけ用いる場
合についても同様である。尚、図2〜図5、図8、図9
に示した照明光学系において、各フライアイレンズ群に
入射する光束は、各フライアイレンズ群の入射端面より
もある程度外側まで広く照明されており、かつ各フライ
アイレンズ群に入射する光量分布が均一であると、レチ
クルパターン面での照度均一性を一層高められるので好
ましい。
【0065】以上のことから明らかなように、光分割
器、フライアイレンズ群等の構成に関係なく、照明光学
系の瞳面17、もしくはその近傍の面内で少なくとも2
つの光量分布(フライアイレンズ群の2次光源像)を形
成する照明光学系を備えた投影露光装置であれば、平行
平板ガラス等の光路差発生部材を用いて各光束間にコヒ
ーレント長Lより長い光路差を発生させることで、レチ
クルパターン面での照度均一性の向上効果を得ることが
できる。
【0066】ところで、上記実施例では光分割器20、
21で分割された2つの光束のいずれか一方の光路中に
光路差発生部材としての平行平板ガラス30を配置して
いたが、2光束の光路差がコヒーレント長Lより長くな
るようにその厚さが定められた2つの平行平板ガラスを
各光路中に配置しても良く、さらに2つの平行平板ガラ
スを一体に構成しておいても良い。例えば照明光束を光
分割器20、21で4分割する場合には、図14(A)
に示すような光学部材60、すなわち互いに厚さの異な
る4枚の平行平板ガラス60a〜60dを一体に組み合
わせたものを用いても良い。このとき、平行平板ガラス
60a〜60dの各々を通過する光束の相互の光路差が
全てコヒーレント長Lより長くなるように、各平行平板
ガラスの厚さが定められている。尚、上述した如く4光
束のうちの1つの光束の光路中には平行平板ガラスを配
置しなくても良い。また、光路差発生部材として平行平
板ガラスを用いる代わりに、図14(B)に示すような
段差プリズム61を用いても良い。段差プリズム61
は、例えばフライアイレンズ群を構成するエレメントの
数と同数の角柱状のプリズムを組み合わせたものであっ
て、各プリズムを通過する光束の相互の光路差が全てコ
ヒーレント長Lより長くなるように、各プリズムの長さ
が定められている。上記の如き段差プリズム61を1つ
の光束の光路中に配置すると、フライアイレンズ群の各
エレメント間で生じる干渉を低減でき、より一層照度均
一性を向上させることができる。尚、光学部材60や段
差プリズム61ではその厚さ(長さ)を異ならせること
で光路差を生じさせていたが、平行平板ガラス、プリズ
ムの厚さ(長さ)だけでなく、屈折率の異なる光学材料
にて各平行平板ガラスやプリズムを構成しても、同様に
相互の光束間に光路差を生じさせることが可能となる。
【0067】以上の実施例では、照明光学系の瞳面1
7、もしくはその近傍の面内で少なくとも2つの光量分
布(フライアイレンズ群の2次光源像)を形成する照明
光学系を備えた投影露光装置について述べたが、例えば
図14(A)に示した光路差発生部材60を、輪帯照明
法を採用した投影露光装置に対して適用すると、レチク
ルパターン面での照度均一性の向上が期待できる。以
下、図15を参照して簡単に説明する。図15におい
て、光源(不図示)からの照明光束はプリズム70に入
射し、ここで輪帯状に整形された後、光路差発生部材6
0を介して第2フライアイレンズ群71に入射する。さ
らに照明光束は、レンズ73及び第1フライアイレンズ
群72を通過した後、コンデンサーレンズによりレチク
ルパターンにほぼ均一な照度で照射される。尚、図15
に示した構成以外は、図1に示した装置構成と全く同じ
であるとする。ところで、プリズム70は入射面と射出
面の各々に円錐状の斜面を有する、いわゆるコーンプリ
ズムであって、プリズム70の屈折作用によって照明光
束は輪帯状に整形され、光路差発生部材60に照射され
ることになる。また、第1、第2フライアイレンズ群7
2、71はともに、光軸AXと垂直な面内での輪帯状の
照明光束の通過領域の全面に広がる1つの大きなフライ
アイレンズであって、各エレメントはその断面積が非常
に小さく作られている。上記構成、すなわち2段のイン
テグレータ構造を採用し、かつ光路差発生部材60によ
って輪帯状の照明光束を4分割し、この分割された各光
束間の相互の光路差をコヒーレント長Lより長く定める
ことにより、レチクルパターン面での照度均一性を向上
させることができる。尚、図15では輪帯状の照明光束
を4分割する例を示したが、その分割数は任意(少なく
とも2つ)で良い。さらに露光中に、光路差発生部材6
0を光軸AXを中心として回転させれば、より一層の照
度均一性の向上が期待できる。また、レチクルパターン
の周期性や微細度に応じて輪帯状照明光束の内径や外径
を変化させる場合には、例えば互いに厚さの異なる複数
のコーンプリズムを照明光路中に交換可能に配置するよ
うに構成するとともに、コーンプリズム70に入射する
円形状の照明光束の大きさ(直径)を、可変開口絞りに
よって変更可能に構成しておけば良い。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、通常の透
過及び遮光パターンから成るレチクルを使用しながら、
従来より高解像度かつ大焦点深度の投影露光装置を実現
することが可能である。しかも本発明は、特にエキシマ
レーザのようなレーザを光源とする投影露光装置に好適
であり、簡易な構成、すなわち光路差発生部材によって
スペックル干渉縞を低減し、レチクルパターン面での照
度均一性を向上させることができる。さらに2段のイン
テグレータ構造を採用することで、より一層の照度均一
性の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による投影露光装置の概略的な
構成を示す図。
【図2】図1中の照明光学系の一部の具体的な構成を示
す図。
【図3】図1中の照明光学系の一部の構成の変形例を示
す図。
【図4】図1中の照明光学系の一部の構成の変形例を示
す図。
【図5】図1中の照明光学系の一部の構成の変形例を示
す図。
【図6】照明光学系中の光分割器を4分割にするときの
プリズムの構成を示す図。
【図7】フライアイレンズ群の移動機構の構造を示す
図。
【図8】照明光学系中の光分割器の変形例を示す図。
【図9】照明光学系中の光分割器の変形例を示す図。
【図10】本発明の原理を説明するための装置構成を示
す図。
【図11】従来の投影露光装置での投影原理を説明する
図。
【図12】フライアイレンズの照明光学系内での配置の
原理を説明する図。
【図13】フライアイレンズの配置方法を説明する図。
【図14】照明光学系中の光路差発生部材の変形例を示
す図。
【図15】輪帯照明法を採用した投影露光装置に光路差
発生部材を適用した例を示す図。
【符号の説明】
1 光源 7 コンデンサーレンズ 8 レチクル 10 投影レンズ 11 瞳 12 ウエハ 20、21 多面体プリズム 30 平行平板ガラス 35 イメージローテーター 41a、41b 第1フライアイレンズ群 40a、40b 第2フライアイレンズ群 42a、42b、43a、43b ガイド光学素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの照明光をほぼ均一な強度分布に
    成形するとともに、前記照明光をマスクに照射する照明
    光学系と、前記マスクのパターンを感光基板上に投影す
    る投影光学系とを備えた投影露光装置において、 前記照明光を、前記パターンの微細度に応じた入射角で
    前記照明光学系の光軸に対して傾いて前記マスクに入射
    する複数の光束に分割する光束分割部材と、 前記複数の光束に対して光路差を与える光路差発生部材
    とを備え 前記各光束の照射によって前記パターンから発生する互
    いに次数が異なる2つの回折光が前記投影光学系の瞳面
    上で光軸からの距離がほぼ等しい位置を通るように前記
    入射角を決定する ことを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】前記光路差発生部材は、前記複数の光束間
    の光路差を前記照明光の可干渉距離よりも長くすること
    を特徴とする請求項1に記載の投影露光装置。
  3. 【請求項3】前記光束分割部材は、前記照明光学系内の
    前記マスクのパターンに対するフーリエ変換面上で前記
    照明光学系の光軸から偏心し、かつ前記光軸との距離が
    ほぼ等しい複数の領域で前記照明光の光量分布を高めて
    前記各領域から前記光束を射出させることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の投影露光装置。
  4. 【請求項4】前記光束分割部材は、前記光源と前記照明
    光学系内のオプチカルインテグレータとの間に配置され
    るとともに、前記照明光学系の光軸に沿って可動な光学
    素子を含み、前記光学素子の移動によって前記照明光学
    系の光軸との距離を前記複数の領域でほぼ等しく変更す
    ることを特徴とする請求項3に記載の投影露光装置。
  5. 【請求項5】前記光学素子は、前記照明光学系の光軸方
    向の間隔が可変な一対のプリズムを含むことを特徴とす
    る請求項4に記載の投影露光装置。
  6. 【請求項6】光源からの照明光をほぼ均一な強度分布に
    成形するとともに、前記照明光をマスクに照射する照明
    光学系と、前記マスクのパターンを感光基板上に投影す
    る投影光学系とを備えた投影露光装置において、 前記照明光学系内の前記マスクのパターンに対するフー
    リエ変換面上で前記照明光を輪帯状に分布させるととも
    に、前記輪帯状の照明光の内径又は外径を可変とするた
    めに円錐状の入射面と射出面との間隔を変更する光学部
    材と、 前記輪帯状の照明光に対して部分的に光路差を与える光
    路差発生部材とを備えたことを特徴とする投影露光装
    置。
  7. 【請求項7】前記光学部材は、前記照明光の大きさを変
    更可能であることを特徴とする請求項6に記載の投影露
    光装置。
  8. 【請求項8】光源からの照明光をマスクに照射する照明
    光学系と、前記マスクのパターンを感光基板上に投影す
    る投影光学系とを備えた投影露光装置において、 前記照明光学系内に配置されるロッド型インテグレータ
    と、 前記光源と前記ロッド型インテグレータとの間に配置さ
    れ、前記照明光学系内の前記マスクのパターンに対する
    フーリエ変換面上で前記照明光を中心部よりも外側に分
    布させるとともに、前記フーリエ変換面上で前記照明光
    学系の光軸を中心として前記照明光を放射方向に移動す
    る光学部材とを備えたことを特徴とする投影露光装置。
  9. 【請求項9】前記光学部材は、前記照明光学系の光軸に
    沿って可動な光学素子を含み、前記光学素子の移動によ
    って前記照明光を前記放射方向に移動することを特徴と
    する請求項に記載の投影露光装置。
  10. 【請求項10】前記光学素子は、前記照明光学系の光軸
    方向の間隔が可変な一対のプリズムを含むことを特徴と
    する請求項に記載の投影露光装置。
  11. 【請求項11】前記光学部材は、前記フーリエ変換面上
    で前記照明光学系の光軸から偏心し、かつ前記パターン
    の微細度に応じて前記光軸との距離がほぼ等しく設定さ
    れる複 数の領域で前記照明光の光量分布を高めることを
    特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の投影
    露光装置。
  12. 【請求項12】前記各領域から射出される光束の照射に
    よって前記パターンから発生する互いに次数が異なる2
    つの回折光が、前記投影光学系の瞳面上で光軸からの距
    離がほぼ等しい位置を通るように前記各領域の位置を決
    定することを特徴とする請求項11に記載の投影露光装
    置。
  13. 【請求項13】前記パターンが少なくとも第1方向に延
    びるとき、前記照明光の光量分布は、前記第1方向とほ
    ぼ平行で、かつ前記第1方向と直交する第2方向に関し
    て前記照明光学系の光軸から前記パターンの前記第2方
    向に関する微細度に応じた距離だけ離れた一対の第1線
    分上に配置される複数の領域で高められることを特徴と
    する請求項3〜5、11、12のいずれか一項に記載の
    投影露光装置。
  14. 【請求項14】前記パターンが前記第1及び第2方向に
    それぞれ延びるとき、前記複数の領域は、前記第2方向
    とほぼ平行で、かつ前記第1方向に関して前記照明光学
    系の光軸から前記パターンの前記第1方向に関する微細
    度に応じた距離だけ離れた一対の第2線分、及び前記一
    対の第1線分の各線分上に配置されることを特徴とする
    請求項13に記載の投影露光装置。
  15. 【請求項15】前記複数の領域は、前記一対の第1線分
    と前記一対の第2線分との交点上に配置されることを特
    徴とする請求項14に記載の投影露光装置。
  16. 【請求項16】前記各領域から射出される光束の前記マ
    スクへの入射角をψ、前記パターンから発生する±n次
    回折光の回折角をθ、前記投影光学系の前記マスク側の
    開口数をNA R とすると、前記±n次回折光の一方でs
    in(θ−ψ)=NA R なる関係が満たされるときを前記
    投影光学系の解像限界とすることを特徴とする請求項3
    〜5、11〜15のいずれか一項に記載の投影露光装
    置。
  17. 【請求項17】前記関係を満たす一方の回折光は、前記
    投影光学系の光軸に関して前記パターンから発生する0
    次回折光とほぼ対称になることを特徴とする請求項16
    に記載の投影露光装置。
  18. 【請求項18】前記照明光の波長をλ、前記パターンの
    ピッチをPとし、前記各領域から射出される光束の前記
    マスクへの入射角ψsinψ=λ/2Pなる関係を満
    たすように前記各領域の位置を決定することを特徴とす
    る請求項3〜5、11〜17のいずれか一項に記載の投
    影露光装置。
  19. 【請求項19】前記各領域から射出される光束の前記マ
    スクへの入射角をψ、前記照明光の波長をλ、前記投影
    光学系の前記マスク側の開口数をNA R として、前記感
    光基板上に転写可能なパターンの最小ピッチがλ/(N
    R +sinψ)であることを特徴とする請求項3〜5、
    11〜18のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  20. 【請求項20】前記パターンが互いに交差する第1及び
    第2方向にそれぞれ延びるとき、前記各領域から射出さ
    れる光束の照射によって前記パターンから発生する0次
    回折光、前記0次回折光を中心として前記第1方向に分
    布する高次回折光の1つ、及び前記0次回折光を中心と
    して前記第2方向に分布する高次回折光の1つが、前記
    投影光学系の瞳面上で光軸からほぼ等距離に分布するよ
    うに前記各領域の位置を決定することを特徴とする請求
    3〜5、11〜19のいずれか一項に記載の投影露光
    装置。
  21. 【請求項21】前記各領域から射出される光束の開口数
    を、前記投影光学系の前記マスク側の開口数に対して
    0.1〜0.3程度に定めることを特徴とする請求項
    〜5、11〜20のいずれか一項に記載の投影露光装
    置。
  22. 【請求項22】前記照明光は前記フーリエ変換面上での
    光量重心が前記照明光学系の光軸とほぼ一致することを
    特徴とする請求項3〜5、11〜21のいずれか一項に
    記載の投影露光装置。
  23. 【請求項23】前記複数の領域はm個(mは自然数)の
    第1領域と、前記光軸に関して前記m個の第1領域とほ
    ぼ対称に配置されるm個の第2領域とを含むことを特徴
    とする請求項3〜5、11〜22のいずれか一項に記載
    の投影露光装置。
  24. 【請求項24】請求項1〜23のいずれか一項に記載の
    投影露光装置を用いた素子製造方法。
  25. 【請求項25】照明光学系を通して光源からの照明光を
    マスクに照射するとともに、投影光学系を介して前記照
    明光で感光基板を露光する投影露光方法において、 前記照明光学系内の前記マスクのパターンに対するフー
    リエ変換面上で前記照明光を中心部よりも外側に分布さ
    せるとともに、前記パターンに応じて、前記光源と前記
    照明光学系内に配置されるロッド型インテグレータとの
    間に配置される光学部材を移動して、前記フーリエ変換
    面上で前記照明光学系の光軸を中心として前記照明光を
    放射方向にシフトさせることを特徴とする投影露光方
    法。
  26. 【請求項26】前記照明光の光量分布は、前記フーリエ
    変換面上で前記照明光学系の光軸から偏心し、かつ前記
    パターンの微細度に応じて前記光軸との距離がほぼ等し
    く設定される複数の領域で高められ、前記光学部材の移
    動によって前記各領域の位置が放射方向にシフトするこ
    とを特徴とする請求項25に記載の投影露光方法。
  27. 【請求項27】前記各領域から射出される光束の照射に
    よって前記パターンから発生する互いに次数が異なる2
    つの回折光が、前記投影光学系の瞳面上で光軸からの距
    離がほぼ等しい位置を通るように前記各領域の位置を決
    定することを特徴とする請求項26に記載の投影露光方
    法。
  28. 【請求項28】前記照明光の波長をλ、前記パターンの
    ピッチをPとし、前記各領域から射出される光束の前記
    マスクへの入射角ψがsinψ=λ/2Pなる関係を満
    たすように前記各領域の位置を決定することを特徴とす
    る請求項26又は27に記載の投影露光方法。
  29. 【請求項29】前記パターンが少なくとも第1方向に延
    びるとき、前記照明光の光量分布は、前記第1方向とほ
    ぼ平行で、かつ前記第1方向と直交する第2方向に関し
    て前記照明光学系の光軸から前記パターンの前記第2方
    向に関する微細度に応じた距離だけ離れた一対の第1線
    分上に配置される複数の領域で高められることを特徴と
    する請求項26〜28のいずれか一項に記載の投影露光
    方法。
  30. 【請求項30】前記パターンが前記第1及び第2方向に
    それぞれ延びるとき、前記複数の領域は、前記第2方向
    とほぼ平行で、かつ前記第1方向に関して前記照明光学
    系の光軸から前記パターンの前記第1方向に関する微細
    度に応じた距離だけ離れた一対の第2線分、及び前記一
    対の第1線分の各線分上に配置されることを特徴とする
    請求項29に記載の投影露光方法。
  31. 【請求項31】前記パターンが第1及び第2方向にそれ
    ぞれ延びるとき、前記各領域から射出される光束の照射
    によって前記パターンから発生する0次回折光、前記0
    次回折光を中心として前記第1方向に分布する高次回折
    光の1つ、及び前記0次回折光を中心として前記第2方
    向に分布する高次回折光の1つが、前記投影光学系の瞳
    面上で光軸からほぼ等距離に分布するように前記各領域
    の位置を決定することを特徴とする請求項26〜30の
    いずれか一項に記載の投影露光方法。
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