JP3049776B2 - 投影露光装置及び方法、並びに素子製造方法 - Google Patents

投影露光装置及び方法、並びに素子製造方法

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JP3049776B2 JP2408095A JP40809590A JP3049776B2 JP 3049776 B2 JP3049776 B2 JP 3049776B2 JP 2408095 A JP2408095 A JP 2408095A JP 40809590 A JP40809590 A JP 40809590A JP 3049776 B2 JP3049776 B2 JP 3049776B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体等の回路パター
ン又は液晶表示素子のパターン等の転写に使用される投
影型露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体等の回路パターン形成には、一般
にフォトリソグラフ技術と呼ばれる工程が必要である。
レチクル(マスク)パターンをウェハ等の試料基板上に
転写する方法が採用されている。試料基板上には感光性
のフォトレジストが塗布されており、照射影像、即ちレ
チクルパターンの透過部形状に応じて、フォトレジスト
に回路パターンが転写される。そして、投影型露光装置
では、レチクル上に描画された転写すべき回路パターン
が、投影光学系を介して試料基板(ウェハ)上に投影、
結像される。
【0003】また、レチクルを照明するための照明光学
系中には、フライアイレンズ、ファイバー等のオプチカ
ルインテグレータが使用されている。このオプチカルイ
ンテグレータは、レチクル上に照射される照明光の強度
分布を均一化するための手段である。この均一化を最適
に行うために、フライアイレンズを用いた場合、レチク
ル側焦点面とレチクル面とはほぼフーリエ変換の関係で
結ばれており、また、レチクル側焦点面と光源側焦点面
ともフーリエ変換の関係で結ばれている。従って、レチ
クルパターン面と、フライアイレンズの光源側の焦点面
(正確にはフライアイレンズの個々のレンズエレメント
の光源側の焦点面)とは、結像関係(共役関係)で結ば
れている。このため、レチクル上では、フライアイレン
ズの各エレメント(2次光源像)からの照明光がそれぞ
れ加算(重畳)されることで平均化され、レチクル上の
照度均一性を良好とすることが可能となっている。
【0004】従来の投影型露光装置では、上述のフライ
アイレンズ等のオプチカルインテグレータ入射面に入射
する照明光束の光量分布を、照明光学系の光軸を中心と
するほぼ円形内(あるいは矩形内)でほぼ一様となるよ
うにしていた。図13は、上述の従来の投影光学系を示
し、照明光束L81は、照明光学系中のフライアイレン
ズ11,空間フィルター12、及びコンデンサーレンズ
15を介してレチクルパターン17を照射する。ここ
で、空間フィルター12はフライアイレンズ11のレチ
クル側焦点面11b、すなわちレチクル16に対するフ
ーリエ変換面(以後、瞳面と略す)、もしくはその近傍
に配置され、投影光学系の光軸AXを中心としたほぼ円
形領域の開口を有し、瞳面内にできる2次光源(面光
源)像を円形に制限する。こうしてレチクル16のパタ
ーン17を通過した照明光は、投影光学系18を介して
ウェハ20のレジスト層に結像される。ここで、光束を
表す実線は1点から出た光の主光線を表している。
【0005】このとき照明光学系(11,12,15)
の開口数と投影光学系18のレチクル側開口数の比、所
謂σ値は開口絞り(例えば空間フィルター12の開口
径)により決定され、その値は0.3〜0.6程度が一
般的である。照明光L81はレチクル16にパターニン
グされたパターン17により回折され、パターン17か
らは0次回折光D0 ,+1次回折光DP ,−1次回折光
m が発生する。夫々の回折光(D0 ,DP,Dm )は
投影光学系18により集光されウェハ(試料基板)20
上に干渉縞を発生させる。この干渉縞がパターン17の
像である。
【0006】このとき0次回折光D0 と±1次回折光D
P ,Dm のなす角θ(レチクル側)はsinθ=λ/P
(λ:露光波長、P:パターンピッチ)により決まる。
パターンピッチが微細化するとsinθが大きくなり、
sinθが投影光学系18のレチクル側開口数(N
R )より大きくなると±1次回折光DP ,Dm は投影
光学系18の瞳面19をを通過できなくなる。
【0007】このときウェハ20上には0次回折光D
のみしか到達せず干渉縞は生じない。つまりsin
θ>NAR となる場合にはパターン17の像は得られ
ず、パターン17をウェハ20上に転写することができ
なくなってしまう。以上のことから、今までの露光装置
においては、sinθ=λ/P≒NAR となるピッチP
は次式で与えられていた。 P≒λ/NAR (1) 最小パターンサイズはピッチPの半分であるから、最小
パターンサイズは、0.5×λ/NAR 程度となるが、
実際のフォトリソグラフィーにおいてはウェハの湾曲、
プロセスによるウェハの段差等の影響、又はフォトレジ
スト自体の厚さのために、ある程度の焦点深度が必要と
なる。このため、実用的な最小解像パターンサイズは、
k×λ/NAとして表される。ここでkはプロセス定数
と呼ばれ0.6〜0.8程度となる。レチクル側開口数
NAR とウェハ側開口数NAW との比は、投影光学系の
結像倍率と同じであるので、結像倍率を1/5とした時
のレチクル上における最小解像パターンサイズはk×λ
/NAR 、ウェハ上における最小解像パターンサイズは
k×λ/NAW =k×λ/5NAR となる。
【0008】従って、より微細なパターンを転写するた
めには、より短い波長の露光光源を使用するか、或いは
より開口数の大きな投影光学系を使用するかを選択する
必要があった。もちろん、波長と開口数の両方を最適化
する努力も考えられる。また、レチクルの回路パターン
の透過部分のうち、特定の部分からの透過光の位相を他
の透過部分からの透過光の位相よりπだけずらす、所謂
位相シフトレチクルが特公昭62−50811号公報等
で提案されている。この位相シフトレチクルを使用する
と従来よりも、より微細なパターンの転写が可能とな
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
露光装置においては、照明光源を現在より短波長化する
ことは、透過光学部材として使用可能な適当な光学材料
が存在しない等の理由により困難であった。短波長の光
の透過率が高い石英をレチクルブランクとして使用した
としても、波長200nm以下では、透過率が低下して
くる。
【0010】また投影光学系の開口数は、現状でも既に
理論的限界に近く、これ以上の大開口化はほぼ望めない
状態であった。また、もし現状以上の大開口化が可能で
あるとしても、±λ/2NA2 で表される焦点深度は開
口数の増加に伴って急激に減少し、実使用に必要な焦点
深度がますます少なくなるという問題が顕著になってく
る。
【0011】一方、位相シフトレチクルについては、そ
の製造工程が複雑であり、従ってコストも高く、また検
査及び修正方法も未だ確立されていないなど多くの問題
が残されており、昨今の早急な微細化要求に確実に対応
できるか不安視されている。本発明は上記問題点に鑑み
てなされたもので、通常のレチクルを使用して高解像
度、且つ大焦点深度が得られる投影型露光装置の実現を
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、光源(1)か
らの照明光をマスク(16)に照射する照明光学系と、
照明光を基板(20)上に投射する投影光学系(18)
とを備え、照明光の照射によってマスクのパターン(1
7)を基板上に転写する投影露光装置に関するものであ
る。そして、本発明による第1の投影露光装置では、照
明光学系内のパターンに対するフーリエ変換相当面(瞳
面)もしくはその近傍に2次光源を形成するオプチカル
インテグレータ(11)と、光源とオプチカルインテグ
レータとの間に設けられ、パターンの微細度(ピッチ
P)に応じた距離だけ照明光学系の光軸(AX)に対し
て偏心した領域に2次光源が形成されるように、照明光
を照明光学系の光軸と異なる方向に進ませる光学部材
(5;5A;6;7;8)とを設けることとした。この
ため、照明光の光量損失を大幅に低減できるとともに、
高解像度かつ大焦点深度でパターンを基板上に転写する
ことが可能となっている。また、本発明による第2の投
影露光装置では、照明光学系内のフーリエ変換面(瞳
面)上での照明光の光量分布を照明光学系の光軸(A
X)から偏心した複数の領域で高めるとともに、パター
ン(17)の微細度(ピッチP)に応じてその光軸との
距離を複数の領域でほぼ等しく規定する光学部材(5;
5A;6;7;8)を、光源(1)と照明光学系内に設
けられるオプチカルインテグレータ(11)との間に配
置することとした。このため、マスク上での照度均一性
を低下させることなく、高解像度かつ大焦点深度でパタ
ーンを基板上に転写することが可能となっているさら
に、本発明による第3の投影露光装置では、照明光学系
内のフーリエ変換面(瞳面)上での照明光の光量分布を
照明光学系の光軸(AX)から偏心した複数の領域で高
めるとともに、パターン(17)の微細度(ピッチP)
に応じてその光軸との距離を複数の領域でほぼ等しく規
定する第1光学部材(12)と、光源(1)と照明光学
系内のオプチカルインテグレータ(11)との間に配置
され、第1光学部材に対して照明光を、照明光学系の光
軸上の領域よりもその外側で光量を多くして入射させる
第2光学部材(5;5A;6;7;8)とを設けること
とした。このため、第1光学部材での照明光の光量損失
を大幅に低減できるとともに、高解像度かつ大焦点深度
でパターンを基板上に転写することが可能となってい
る。ここで、本発明の投影露光装置は、オプチカルイン
テグレータとしてフライアイレンズを用いるものとする
と、原理的に図12に示すように構成される。図12に
おいて図13と同じ部材には同一の符号を付してある。
図12において、フライアイレンズ11の光源側焦点面
11a近傍に設けられた空間フィルター10は、フライ
アイレンズ11に入射する照明光束L70を、フライア
イレンズ11の光源側焦点面(入射面)11aの特定位
置に入射するものに制限する。このため、フライアイレ
ンズ11のレチクル側焦点面11bに形成される2次光
源像も、ほぼフライアイレンズ11の光源側焦点面11
aに入射する照明光に従ったものとなる。ここで、空間
フィルター10の透過部分はマスク上のパターンに応じ
た分だけ照明光学系もしくは投影光学系の光軸から偏心
した位置に設けられている。また、空間フィルター10
等の光学部材の透過部分の位置、形状を変更することに
より、フライアイレンズ11の光源側焦点面11a上に
入射する照明光を可変とすることができる。従って、フ
ライアイレンズ11のレチクル側焦点面11b上におけ
る2次光源像の位置、大きさも可変とすることができ
る。また、フライアイレンズ11のレチクル側焦点面1
1bは、レチクルパターン17に対してほぼフーリエ変
換面(投影レンズ18の瞳面19と略共役な面)となっ
ており、このフーリエ変換面上での2次光源像の位置、
大きさを可変とすることとなる。また、2次光源像のレ
チクル側焦点面11b(瞳面19)内での位置は、レチ
クル16に入射する光束の入射角度や方向を決定するの
で、本発明における投影露光装置においては、レチクル
16に入射する照明光束の入射角度ψや方向をほぼ任意
に制御することが可能である。また、本発明による投影
露光装置を用いた素子製造方法では、回路パターン形成
のフォトリソグラフィ工程で微細な半導体素子などを製
造することができる。さらに、本発明による投影露光方
法は、照明光学系を通して光源(1)からの照明光をマ
スク(16)に照射するとともに、投影光学系(18)
を介して照明光で基板(20)を露光するものである。
そして、照明光学系内のフーリエ変換面(瞳面)上で、
マスクのパターン(17)の微細度(ピッチP)に応じ
た距離だけ照明光学系の光軸(AX)から偏心し、かつ
光軸との距離がほぼ等しい複数の領域内に照明光を分布
させるために、光源(1)と照明光学系内のオプチカル
インテグレータ(11)との間で照明光を互いに異なる
方向に進む複数の光束に変換することとした。なお、フ
ーリエ変換面上の複数の領域以外で照明光の光量をほぼ
零にしてもよい。このため、照明光の光量損失を大幅に
低減できるとともに、マスク上での照度均一性を低下さ
せることなく、高解像度かつ大焦点深度でパターンを基
板上に転写することが可能となっている。
【0013】
【作 用】レチクル(マスク)上に描画された回路パタ
ーン(レチクルパターン)17は、一般に周期的なパタ
ーンを多く含んでいる。従って、空間フィルター10の
透過部を透過した照明光が照射されたレチクルパターン
17からは、0次回折光成分D0 及び±1次回折光成分
P ,Dm 、及びさらに高次の回折光成分がパターンの
微細度に応じた方向に発生する。
【0014】このとき、図12のごとく照明光束L71
(主光線)が光軸AXに対して角度ψだけ傾いた角度で
フォトマスクに入射するから、発生した各次数の回折光
成分も垂直に照明された場合に比べ、傾き(角度ずれ)
をもってレチクルパターン17より発生する。照明光L
71はレチクルパターン17により回折され光軸AXに
対してψだけ傾いた方向に進む0次回折光成分D0 ,
次回折光成分D0 に対してθP だけ傾いた方向に進む+
1次回折光成分DP ,及び0次回折光成分D0 に対して
θm だけ傾いて進む−1次回折光成分Dm を発生する。
しかしながら、照明光L71は両側テレセントリックな
投影光学系18の光軸AXに対して角度ψだけ傾いてレ
チクルパターン17に入射するので、0次回折光成分D
0 もまた投影光学系の光軸AXに対して角度ψだけ傾い
た方向に進行する。
【0015】従って、+1次光回折光成分DP は光軸A
Xに対してθP +ψの方向に進行し、−1次回折光成分
m は光軸AXに対してθm −ψの方向に進行する。こ
のとき回折角θP ,θm は夫々、 sin(θP +ψ)−sinψ=λ/P (2) sin(θm −ψ)+sinψ=λ/P (3) である。
【0016】ここでは、+1次回折光成分DP ,−1次
回折光成分Dm の両方が投影光学系18の瞳面19を透
過しているものとする。レチクルパターン17の微細化
に伴って回折角が増大すると先ず、角度θP +ψの方向
に進行する+1次回折光成分DP が投影光学系18の瞳
面19を通過できなくなる。すなわちsin(θP
ψ)>NAR の関係になってくる。しかし照明光L71
が光軸AXに対して傾いて入射しているため、このとき
の回折角でも−1次回折光Dm は、投影光学系18に入
射可能となる。すなわちsin(θm −ψ)<NAR
関係になる。
【0017】従って、ウェハ2上には0次回折光成分D
0 と−1次回折光成分Dm の2光束による干渉縞が生じ
る。この干渉縞はレチクルパターン17の像であり、レ
チクルパターン17が1:1のラインアンドスペースの
とき、約90%のコントラストとなって、ウェハ20上
に塗布されたレジストにレチクルパターン17の像をパ
ターニングすることが可能となる。
【0018】このときの解像限界は、 sin(θm −ψ)=NAR (4) となるときであり、従って、 NAR +sinψ=λ/P P=λ/(NAR +sinψ) (5) が転写可能な最小パターンのレチクル側でのピッチであ
る。
【0019】一例として今sinψを0.5×NAR
度に定めるとすれば、転写可能なレチクル上の最小ピッ
チは、 P=λ/(NAR +0.5×NAR ) =2λ/3NAR (6) となる。
【0020】一方、図13に示す照明光の瞳面19上で
の分布が投影光学系18の光軸AXを中心とする円形領
域内である従来の露光装置の場合、解像限界は(1)式
に示したようにP≒λ/NAR であった。従って、従来
の露光装置より高い解像度が実現できることがわかる。
次に、レチクルパターンに対して特定の入射方向と入射
角で露光光を照射して、0次回折光成分と1次回折光成
分とを用いてウェハ上に結像パターン形成方法によっ
て、焦点深度も大きくなる理由について説明する。
【0021】図12のようにウェハ20が投影光学系1
8の焦点位置に一致している場合には、レチクルパター
ン17中の1点を出てウェハ上の1点に達する各回折光
は、投影光学系18のどの部分を通るものであっても全
て等しい光路長を有する。このため従来のように0次回
折光成分が投影光学系18の瞳面19のほぼ中心(光軸
近傍)を貫通する場合でも、0次回折光成分とその他の
回折光成分とで光路長は相等しく、相互の波面収差も零
である。しかし、ウェハ20が投影光学系18の焦点位
置に一致していないデフォーカス状態の場合、斜めに入
射する高次の回折光の光路長は光軸近傍を通る0次回折
光に対して焦点前方(投影光学系18から遠ざかる方)
では短く、焦点後方(投影光学系18に近づく方)では
長くなり、その差は入射角の差に応じたものとなる。従
って、0次、1次、…の各回折光は相互に波面収差を形
成して焦点位置の前後におけるボケを生じることとな
る。
【0022】前述のデフォーカスによる波面収差は、ウ
ェハ20の焦点位置からのずれ量をΔF、各回折光がウ
ェハ20に入射するときの入射角θw の正弦をr(r=
sinθw )とすると、ΔFr2 /2で与えられる量で
ある(このときrは各回折光の瞳面19での光軸AXか
らの距離を表す。)。従来の図13に示した投影型露光
装置では、0次回折光成分D0 は光軸AXの近傍を通る
ので、r(0次)=0となり、一方、±1次回折光成分
P ,Dm は、r(1次)=Mλ/Pとなる(Mは投影
光学系の倍率)。従って、0次回折光成分D0 と±1次
回折光成分DP ,Dm のデフォーカスによる波面収差
は、ΔF・M2 (λ/P)2 /2となる。
【0023】一方、本発明における投影型露光装置で
は、図12に示すように0次回折光成分D0 は、光軸A
Xから角度ψだけ傾いた方向に発生するから、瞳面19
における0次回折光成分D0 の光軸AXからの距離は、
r(0次)=Msinψである。 一方、−1次回折光
成分Dm の瞳面19における光軸AXからの距離は、r
(−1次)=Msin(θm −ψ)となる。このとき、
sinψ=sin(θm −ψ)となれば、0次回折光成
分D0 と−1次回折光成分Dm のデフォーカスによる相
対的な波面収差は零となり、ウェハ20が焦点位置より
光軸方向に若干ずれてもパターン17の像ボケは従来程
大きく生じないことになる。即ち、焦点深度が増大する
ことになる。
【0024】また、(3)式のようにsin(θm
ψ)+sinψ=λ/Pであるから、照明光束L71の
レチクル16への入射角ψをピッチPのパターンに対し
て、sinψ=λ/2Pの関係にすれば、焦点深度を極
めて増大させることが可能である。ここでは、フライア
イレンズ11のレチクル側焦点面11b上の2次光源像
を、フライアイレンズ11の光源側焦点面11aに入射
する照明光束を制御することによって与えている。
【0025】
【実 施 例】以下、図面を参照して本発明の第1の実
施例を説明する。図1は、本発明の第1の実施例に好適
な投影型露光装置(ステッパー)の概略を示し、フライ
アイレンズ11の光源側焦点面11a上に照明光を集中
させる光学部材(本発明のインプット光学系の一部)と
して、回折格子状パターン5を設けるようにした。
【0026】水銀ランプ1より発生した照明光束は、楕
円鏡2の第2焦点f0 に集光した後、ミラー3、リレー
系等のレンズ系4を介して回折格子状パターン5に照射
される。このときの照明方法は、ケーラー照明法であっ
ても、クリチカル照明法であっても良いが、強い光量を
得るためにはクリチカル照明法の方が望ましい。回折格
子状パターン5から発生した回折光は、リレーレンズ9
によりフライアイレンズ11の光源側焦点面11a(入
射面)の光軸AXから偏心した位置に集中して入射す
る。ここでは0次,±1次の回折光が発生しているもの
とする。このとき、フライアイレンズ11の光源側焦点
面11aと、回折格子状パターン5とは、リレーレンズ
9を介してほぼフーリエ変換の関係となっている。尚、
図1では回折格子状パターン5への照明光は平行光束と
して図示したが、実際は発散光束となっているため、フ
ライアイレンズ11の光源側焦点面11aへの入射光束
はある大きさ(太さ)を持っている。従って、光源側焦
点面11aへの入射光束に応じたフライアイレンズ11
のレチクル側焦点面11bからの射出光束もある大きさ
をもっている。
【0027】一方、フライアイレンズ11のレチクル側
焦点面11bは、レチクルパターン17のフーリエ変換
面(瞳共役面)とほぼ一致する様に配置されている。ま
た、図1に示したフライアイレンズ11の各レンズエレ
メントは両凸レンズとし、且つ光源側焦点面11aと入
射面、レチクル側焦点面11bと射出面が夫々一致する
場合の例であったが、フライアイのレンズエレメントは
この関係を厳密に満たさなくても良く、また平凸レンズ
や、凸平レンズ、あるいは平凹レンズであっても良い。
【0028】尚、フライアイレンズ11の光源側焦点面
11aと、レチクル側焦点面11bとは、当然ながらフ
ーリエ変換の関係である。従って図1の例の場合、フラ
イアイレンズ11のレチクル側焦点面11b、即ちフラ
イアイレンズ射出面は、回折格子状パターン5と結像関
係(共役)になっている。さて、フライアイレンズ11
のレチクル側焦点面11bより射出される光束は、コン
デンサーレンズ13、15、ミラー14を介してレチク
ル16を均一な照度分布で照明する。本実施例では、フ
ライアイレンズ11のレチクル側焦点面11b(射出
側)近傍に回折格子状パターン5からの±1次回折光に
合わせて2つの開口部をくり抜かれた金属板等からなる
遮光部材12を配置し、回折格子状パターン5からの0
次回折光等をカットする。このため、レチクルパターン
17に照明される照明光は、フライアイレンズ11のレ
チクル側焦点面11b上で光軸AXから偏心した位置に
2つの2次光源像を持つものに制限される。フライアイ
レンズの11の光源側焦点面11a上に照明光を集中さ
せる光学部材として回折格子状パターン5を用いている
ため、光軸AXについて対称な2つの2次光源像が形成
される。従ってレチクルパターン17に照明される照明
光は、レチクルパターン17への入射角が特定の入射角
を持つ光束のみに制限される。また前述の如く、フライ
アイレンズ11のレチクル側焦点面11bには回折格子
状パターン5の像ができているが、レチクル側焦点面1
1bとレチクルパターン面17とはフーリエ変換面の関
係となっているため、回折格子状パターン5そのものが
レチクル16に結像して照度均一性を劣化させることも
なく、さらに回折格子状パターン5の欠陥や、ゴミ等に
より不均一化されることがない。回折格子状パターン5
は、透過性の基板、例えばガラス基板の表面にCr等の
遮光膜がパターニングされたものであっても良いし、S
iO2 等の誘電体膜がパターニングされた、所謂位相グ
レーティングであっても良い。位相グレーテイングの場
合、0次回折光の発生を押さえることができ、空間フィ
ルター12を省略することができるとともに光量損失が
少ないといった利点がある。
【0029】尚、空間フィルター12はフライアイレン
ズ11の射出面側であるフライアイレンズ11の光源側
焦点面11b近傍に設けたが、入射面側であるレチクル
側焦点面11aに設けるようにしてもよい。こうして照
明されたレチクル16上のレチクルパターン17から発
生した回折光は、図12で説明したのと同様にテレセン
トリックな投影光学系18により集光、結像され、ウェ
ハ20上にレチクルパターン17の像が転写される。
【0030】また、回折格子状パターン5は透過性のパ
ターンのみでなく、反射性のパターンであっても良い。
例えばガラス等の平面反射鏡の表面に、高反射率膜、即
ちAl等の金属膜や、誘電体多層膜をパターニングした
ものでも良く、また、反射光に位相差を与えるための段
差が回折格子状にパターニングされた高反射率鏡であっ
ても良い。
【0031】回折格子状パターン5が反射性のものであ
る場合には、図2に示すように、反射性回折格子状パタ
ーン5aに、リレーレンズ4からの照明光束を照射し、
そこで反射及び回折された回折光をリレーレンズ9を介
して、フライアイレンズ11に入射させればよい。この
とき、レチクル16上のレチクルパターン17に入射す
る照明光束(複数)の入射方向,入射角は、レチクルパ
ターン17に応じて定められ、回折格子状パターン5、
5aの方向性、及びピッチを変更することにより、任意
に調整することが可能である。例えば、回折格子状パタ
ーン5、5aをピッチの異なるものに交換することによ
り、フライアイレンズ11の光源側焦点面11aに入射
する照明光を可変とでき、フライアイレンズ11のレチ
クル側焦点面11bでの光軸AXからの2次光源像の距
離を可変とできる。従って、レチクル16上のレチクル
パターン17への照明光の入射角を可変とすることがで
きる。また回折格子状パターン5、5aを光軸AXと垂
直な面内で任意の方向に回転可能(例えば90°回転可
能)とすると、レチクルパターン17中のラインアンド
スペースのパターンピッチ方向がx,y方向と異なる場
合にも対応できる。また、リレーレンズ9を複数枚のレ
ンズよりなるズームレンズ系(アフォーカルズームエキ
スパンダ等)とし、焦点距離を変えることにより集光位
置を変えることもできる。ただし、このときは回折格子
状パターン5又は5aと、フライアイレンズ11の光源
側焦点面11aとがほぼフーリエ変換の関係になること
をくずさないようにする。
【0032】以上述べたようなフライアイレンズの11
の光源側焦点面11a上に照明光を集中させる光学部材
は、回折格子状パターン5又は5aに限定されない。図
3に示すように、前述の図2に示した、反射性の回折格
子状パターン5aの代わりに可動平面鏡30を配置し、
且つ、平面鏡30を回転可能ならしめるモータ等の駆動
部材30aを設ける。そして駆動部材30aにより平面
鏡30を回転又は振動させ、フライアイレンズ11の光
源側焦点面11aに照明光を入射させれば、フライアイ
レンズ11のレチクル側焦点面11bの2次光源像を時
間によって変更することができる。露光動作中に平面鏡
30を適当な複数の角度位置に回動させれば、フライア
イレンズ11のレチクル側焦点面11bの2次光源像を
任意の形状にすることができる。尚、このような可動反
射鏡30を使う場合はリレーレンズ系9は省略してしま
っても良い。ところで、図3中に示した空間フィルター
12はフライアイレンズ11の入射面側に設けたが、図
1と同様に射出面側に設けてもよい。
【0033】図4は、フライアイレンズの11の光源側
焦点面11a上に照明光を集中させる光学部材として、
光ファイバー束7を用いた場合の略図である。リレーレ
ン4より光源側、及びフライアイレンズ11よりレチク
ル側は図1と同じ構成であるとする。光源から発生し、
リレーレンズ4を透過した照明光は、光ファイバー束7
へ入射部7aに所定の開口数(NA)に調整されて入射
する。光ファイバー束7は射出部7bに至る間に、複数
の束に分割され、夫々の射出部7bは、フライアイレン
ズ光源側焦点面11a近傍でレチクルパターン17に応
じた位置に配置される。従って、光ファイバー束7を用
いても、前述の回折格子状パターン5と同様にフライア
イレンズ光源側焦点面11a近傍に任意の照明光量分布
を形成することができる。
【0034】またこのとき、光ファイバー束7の各射出
部7bとフライアイレンズ11の間に、夫々レンズ(例
えばフィールドレンズ)を設けても良いし、また、その
レンズによりフライアイレンズ光源側焦点面11aと光
ファイバー射出部7bの光射出面とをフーリエ変換の関
係としても良い。また、各射出部7b(又は射出部7b
とフライアイレンズ11との間のレンズ)を、モータ等
の駆動部材により、光軸と垂直な面内で一次元,又は二
次元に可動とすれば、フライアイレンズ光源側焦点面1
1aに入射する照明光を可変とすることができ、フライ
アイレンズレチクル側焦点面11bでの2次光源像を可
変とすることができる。
【0035】図5は、フライアイレンズの11の光源側
焦点面11a上に照明光を集中させる光学部材として、
複数の屈折面を有するプリズム8を用いた例である。図
5中のプリズム8は光軸AXを境界として2つの屈折面
に分割されており、光軸AXより上方に入射した照明光
は上方へ屈折し、光軸AXより下方に入射した照明光は
下方へ屈折させる。従って、フライアイレンズ11の光
源側焦点面11aにプリズム8の屈折角に応じて、照明
光束を入射させることができる。プリズム8の屈折面の
分割数は2面に限ったものではなく、光源側焦点面11
a上での所望の光量分布に応じて、何面に分割されてい
ても良い。また、分割される位置は光軸AXと対称な位
置にこだわらなくとも良い。
【0036】プリズム8を交換することにより、フライ
アイレンズ光源側焦点面11に入射する照明光束の入射
位置を可変とすることができる。またこのときのプリズ
ム8はウォラストンプリズム等の偏光性の光分割器であ
っても良い。ただし、この場合は、分割された光束同志
の偏光方向が異なるため、ウェハ20のレジストの偏光
特性を考慮して、その偏光特性は一方向に揃えた方がよ
い。また、プリズム8の代わりに複数の角度の異なる反
射面を持つ反射鏡を使用し、図3のように配置すれば、
駆動部材30aは不要となる。装置内にこのプリズム等
の交換機能を有していると良いことは言うまでもない。
また、このようなプリズム等を使う場合もリレーレンズ
系9を省略してしまっても良い。
【0037】図6は、フライアイレンズの11の光源側
焦点面11a上に照明光を集中させる光学部材として、
複数のミラー8a,8b,8c,8dを用いた例であ
る。リレーレンズ系4を透過した照明光は1次ミラー8
b,8cにより2方向に分離されるように反射され、2
次ミラー8a,8dに導かれ、再び反射してフライアイ
レンズ11の光源側焦点面11aに達する。各ミラー8
a,8b,8c,8dに位置調整機構及び光軸AXの回
りの回転角度調整機構を設けておけば、この機構により
フライアイレンズ11の光源側焦点面11aでの照明光
量分布を任意に可変とすることができる。また各ミラー
8a,8b,8c,8dは、平面ミラーであっても凸
面、或いは凹面ミラーであっても良い。また図6に示す
とおり、ミラーに1度も反射されずに、リレーレンズ4
から直接フライアイレンズ11に入射する光束があって
も良い。
【0038】また、2次ミラー8a,8dとフライアイ
レンズ11の夫々の間に、レンズを設けても良い。図6
では1次ミラー8b,8c、2次ミラー8a,8d共に
2個ずつとしたが、数量はこれに限定されるものではな
く、レチクルパターン17に応じた光源側焦点面11a
に入射する所望の照明光に応じて適宜ミラーを配置すれ
ばよい。また、必要に応じて全てのミラーを、照明光束
がミラーに当たらない位置まで、退避させる構成である
ものとする。
【0039】 また、フライアイレンズ11の光源側焦
点面11a上に照明光を集中させる光学部材は、前述の
図12の如く、フライアイレンズ光源側点面11a近傍
に設けられた、空間フィルター10に置換してもよい
し、図1から図6に示される各実施例と、図12に示し
た空間フィルター10を組み合わせて使用しても良い。
このとき、空間フィルター10の開口部は1つでなくレ
チクルパターン17に応じた任意の数で良い。
【0040】図7は本発明の他の実施例による、投影型
露光装置の構成を示す図であって、ミラー14、コンデ
ンサーレンズ15、レチクル16、投影光学系18は図
1と同様である。またフライアイレンズ11より光源側
は前述の図1から図6、或いは図12に示した実施例の
何れかとなっている。フライアイレンズ11のレチクル
側焦点面11b近傍に任意の開口部(透過部、またはさ
らに半透過部)を有する空間フィルター12aが設けら
れフライアイレンズ11から射出される照明光束を制限
する。
【0041】リレーレンズ13aに対するフライアイレ
ンズ11のレチクル側焦点面11bのフーリエ変換面は
レチクルパターン17と共役面となるので、ここに可変
視野絞り(レチクルブラインド)13dを設ける。そし
て再びリレーレンズ13bによりフーリエ変換され、フ
ライアイレンズ11のレチクル側焦点面11bの共役面
(フーリエ面)12bに到る。先の空間フィルター12
aはフーリエ面12bに設けても良い。フライアイレン
ズ11からの照明光束は、さらにコンデンサーレンズ1
3c,15、ミラー14によってレチクル16に導かれ
る。尚、フライアイレンズの11の光源側焦点面11a
上でレチクルパターン17に応じてきまる量だけ光軸か
ら偏心した位置に照明光を集中させる系であれば、空間
フィルターを光学部材12a又は12bの位置に設けな
くても全く問題ない。この場合でも、視野絞り(レチク
ルブラインド)13dの使用が可能である。
【0042】又、前述のフライアイレンズの11の光源
側焦点面11a上に照明光を集中させる光学部材からの
照明光は複数である例を示したが、1本の光束を光軸A
Xから所定量偏心した位置に入射させてもよく、例えば
図4のファイバー7の射出部を1つとして、フライアイ
レンズの11の光源側焦点面11a上に入射する光束を
1本としてもよい。
【0043】上記いずれの実施例においても、空間フィ
ルター10,12,12aの開口部1つあたりの径は、
その開口部を透過する照明光束のレチクル16に対する
開口数と投影光学系18のレチクル側開口数(NAR
との比、所謂σ値が0.1〜0.3程度になるように設
定することが望ましい。σ値が0.1より小さいと、転
写像のパターン忠実度が劣化し、0.3より大きいと解
像度向上や、焦点深度増大の効果が弱くなってしまう。
【0044】また、フライアイレンズ11の光源側焦点
面11aに入射する照明光束の1つよって決まるσ値の
条件を満たすために、フライアイレンズ11のレチクル
側焦点面11b近傍の空間フィルター12aの代わり
に、前述のフライアイレンズ光源側焦点面11aに照明
光を集中させ、焦点面11a近傍での光量分布を可変と
する光学部材にσ値可変の機能を持たせても良い。例え
ば、フライアイレンズ光源側焦点面11aに空間フィル
ター12を配置し、その開口の径により一光束あたりの
σ値を決定しても良い。それと合わせて、投影光学系1
8内の瞳(入射瞳もしくは射出瞳)19近傍に可変開口
絞り(NA制限絞り)を設けて投影系としてのNAやσ
値をより最適化することも出来る。また、空間フィルタ
ー12aには、フライアイレンズの11の光源側焦点面
11a上に照明光を集中させる光学部材より発生する光
束のうち、不必要な光束を遮光する効果もある。また特
定の光束については開口部の透過率を下げ、ウェハへ到
達する光量を減じる効果もある。
【0045】また、レチクル16を照明する光束(1
本、又は複数本)は、投影光学系18の光軸AXに対し
て傾いてレチクル16に入射する。このとき、これらの
照明光束の光量重心方向が、光軸AXに対して傾いてい
ると、ウェハ20の微小なデフォーカス時に、転写像の
位置がウェハ面内方向にシフトするという問題が発生す
る。これを防止するために、フライアイレンズ11の光
源側焦点面11a上に分布する照明光束の光量重心の方
向はレチクルパターン17と垂直すなわち光軸AXと平
行となるようにする。例えばフライアイレンズの11の
光源側焦点面11a上に照明光を集中させる光学部材と
して空間フィルター10を用いる場合には、開口部の位
置(開口部が作る光量分布の重心の光軸AXからのフー
リエ変換面内での位置ベクトル)と、透過光量との積の
ベクトル和(積分)が零になるようにする。フライアイ
レンズの11の光源側焦点面11a上に照明光を集中さ
せる光学部材として他の部材を使用する場合も同様であ
り、フライアイレンズ11の光源側焦点面11a内に
て、各開口部の光軸AXからのフーリエ変換面内での位
置ベクトルと、照明光量との積のベクトル和(積分)が
ほぼ零となるようにすればよい。尚、フライアイレンズ
の11の光源側焦点面11a上に照明光を集中させる光
学部材として回折格子状パターン5を使用すると、この
条件は自動的に満たされる。上記照明光量分布の具体例
としては、光束を2m(mは自然数)本として、そのう
ちのm本の位置は任意とし、残るm本の位置は先のm本
と、夫々光軸AXについて対称となるようにすれば良
い。
【0046】フライアイレンズ11の光源側焦点面11
aでの照明光束(1本又は複数本)の入射位置(フライ
アイレンズ11の光源側焦点面11bでの2次光源像の
位置)は、転写すべきレチクルパターンに応じて決定
(変更)するのが良い。この場合の位置決定方法は作用
の項で述べたとおり、フライアイレンズ11からの照明
光束が転写すべきパターンの微細度(ピッチ)に対して
最適な解像度、及び焦点深度の向上効果を得られるよう
にレチクルパターンに入射する位置(入射角ψ)とすれ
ばよい。
【0047】次に2次光源像の位置決定の具体例を、図
8、図9(A)、(B)、(C)、(D)を用いて説明
する。図8はフライアイレンズ11のレチクル側焦点面
11bからレチクルパターン17までの部分を模式的に
表わす図であり、フライアイレンズ11のレチクル側焦
点面11bが、レチクルパターン17のフーリエ変換面
12cと一致している。またこのとき両者をフーリエ変
換の関係とならしめるレンズ、またはレンズ群を、一枚
のレンズ15として表わしてある。さらに、レンズ15
のフライアイレンズ側主点からフライアイレンズ群11
のレチクル側焦点面11bまでの距離と、レンズ15の
レチクル側主点からレチクルパターン17までの距離は
共にfであるとする。
【0048】図9(A)、(C)は共にレチクルパター
ン17中に形成される一部分のパターンの例を表わす図
であり、図9(B)は図9(A)のレチクルパターンの
場合に最適な2次光源像のレチクルパターン17のフー
リエ変換面(又は投影光学系の瞳面)での位置を示し、
図9(D)は図9(C)のレチクルパターンの場合に最
適な2次光源像の位置(最適な2次光源像の中心位置)
を表わす図である。図9(A)は、いわゆる1次元ライ
ンアンドスペースパターンであって、透過部と遮光部が
等しい幅でY方向に帯状に並び、それらがX方向にピッ
チPで規則的に並んでいる。このとき、1つの2次光源
像の中心位置(1つの2次光源像が作る光量分布の重心
の最適位置)は図9(B)に示すようにフーリエ変換面
内に仮定したY方向の線分Lα上、または線分Lβ上の
任意の位置となる。図9(B)はレチクルパターン17
に対するフーリエ変換面12c(11b)を光軸AX方
向から見た図であり、かつ、面12c内の座標系X,Y
は、同一方向からレチクルパターン17を見た図9
(A)と同一にしてある。さて、図9(B)において光
軸AXが通る中心Cから、各線分Lα、Lβまでの距離
α、βはα=βであり、λを露光波長としたとき、α=
β=f・(1/2)・(λ/P)に等しい。この距離
α,βをf・sinψと表わせれば、sinψ=λ/2
Pであり、これは作用の項で述べた数値と一致してい
る。従って複数の2次光源像を配置する場合、各2次光
源像の各中心(各2次光源像の光量分布の各重心)位置
が線分Lα、Lβ上にあれば図9(A)に示す如きライ
ンアンドスペースパターンに対して、各2次光源像から
の照明光により発生する0次回折光と±1次回折光のう
ちのどちらか一方との2つの回折光は、投影光学系瞳面
19において光軸AXからほぼ等距離となる位置を通
る。従って前述の如く、ラインアンドスペースパターン
(図11(A))に対する焦点深度を最大とすることが
でき、かつ高解像度を得ることができる。尚、ウェハ2
0のデフォーカスに伴う位置ずれ等を無視するならば線
分Lα、Lβ上に形成する2次光源像は1つでもよい。
【0049】次に図9(C)は、レチクルパターンがい
わゆる孤立スペースパターンである場合であり、かつ、
パターンのX方向(横方向)ピッチがPx、Y方向(縦
方向)ピッチがPyとなっている。図9(D)はこの場
合の2次光源像の最適位置を表わす図であり、図9
(C)との位置、回転関係は図9(A),(B)の関係
と同じである。図9(C)の如き、2次元パターンに照
明光が入射するとパターンの2次元方向の周期性(X:
Px、Y:Py)に応じた2次元方向に回折光が発生す
る。図9(C)の如き2次元パターンにおいても回折光
中の0次回折光と±1次回折光のうちのいずれか一方と
が投影光学系瞳面19において光軸AXからほぼ等距離
となるようにすれば、焦点深度を最大とすることができ
る。図9(C)のパターンではX方向のピッチはPxで
あるから図9(D)に示す如く、α=β=f・(1/
2)・(λ/Px)となる線分Lα、Lβ上に各2次光
源像の各中心があれば、パターンのX方向成分について
焦点深度を最大とすることができる。同様に、γ=ε=
f・(1/2)・(λ/Py)となる線分Lγ、Lε上
に各2次光源像の各中心があれば、パターンY方向成分
について焦点深度を最大とすることができる。
【0050】以上、図9(B)、又は(D)に示した各
位置に形成された2次光源像に対応する照明光束がレチ
クルパターン17に入射すると、0次光回折光成分D0
と、+1次回折光成分DR または−1次回折光成分Dm
のいずれか一方とが、投影光学系18内の瞳面19では
光軸AXから等距離となる光路を通る。従って作用の項
で述べたとおり、高解像及び大焦点深度の投影型露光装
置が実現できる。以上、レチクルパターン17として図
9(A)、又は(B)に示した2例のみを考えたが、他
のパターンであってもその周期性(微細度)に着目し、
そのパターンからの+1次回折光成分または−1次回折
光成分のいずれか一方と0次回折光成分との2光束が、
投影光学系内の瞳面19では光軸AXからほぼ等距離に
なる光路を通る様な位置に各光量分布を設定すればよ
い。また図9(A)、(C)のパターン例は、ライン部
とスペース部の比(デューティ比)が1:1のパターン
であった為、発生する回折光中では±1次回折光が強く
なる。このため、±1次回折光のうちの一方と0次回折
光との位置関係に着目したが、パターンがデューティ比
1:1から異なる場合等では他の回折光、例えば±2次
回折光のうちの一方と0次回折光との位置関係が、投影
光学系瞳面19において光軸AXからほぼ等距離となる
ようにしてもよい。
【0051】また、レチクルパターン17が図9(D)
の如く2次元の周期性パターンを含む場合、特定の1つ
の0次回折光成分に着目したとき、投影光学系の瞳面1
9上ではその1つの0次回折光成分を中心としてX方向
(第1方向)に分布する1次以上の高次回折光成分と、
Y方向(第2方向)に分布する1次以上の高次回折光成
分とが存在し得る。そこで、特定の1つの0次回折光成
分に対して2次元のパターンの結像を良好に行うものと
すると、第1方向に分布する高次回折光成分の1つと、
第2方向に分布する高次回折光成分の1つと、特定の0
次回折光成分との3つが、瞳面19上で光軸AXからほ
ぼ等距離に分布するように、特定の0次回折光成分の位
置を調節すればよい。例えば、図9(D)中でフライア
イレンズ中心位置を点Pζ、Pη、Pκ、Pμのいずれ
かと一致させるとよい。点Pζ、Pη、Pκ、Pμはい
ずれも線分LαまたはLβ(X方向の周期性について最
適な位置、すなわち0次回折光とX方向の±1次回折光
の一方とが投影光学系瞳面19上で光軸からほぼ等距離
となる位置)及び線分Lγ、Lε(Y方向の周期性につ
いて最適な位置)の交点であるためX方向、Y方向のい
ずれのパターン方向についても最適な光源位置である。
【0052】なお、以上において2次元パターンとして
レチクル上の同一箇所に2次元の方向性を有するパター
ンを仮定したが、同一レチクルパターン中の異なる位置
に異なる方向性を有する複数のパターンが存在する場合
にも上記の方法を適用することが出来る。レチクル上の
パターンが複数の方向性又は微細度を有している場合、
2次光源像の最適位置は、上述の様にパターンの各方向
性及び微細度に対応したものとなるが、或いは各最適位
置の平均位置に2次光源像を配置してもよい。また、こ
の平均位置は、パターンの微細度や重要度に応じた重み
を加味した荷重平均としてもよい。
【0053】以上の実施例に於て、光源は水銀ランプ1
を用いて説明したが、他の輝線ランプやレーザー(エキ
シマ等)、あるいは連続スペクトルの光源であっても良
い。また照明光学系中の光学部材の大部分をレンズとし
たが、ミラー(凹面鏡、凸面鏡)であっても良い。投影
光学系としては屈折系であっても、反射系であっても、
あるいは反射屈折系であってもよい。また実施例として
両側テレセントリック系を使用したが片側テレセントリ
ック系でも、非テレセントリック系でもよい。
【0054】また、光源から発生する照明光のうち、特
定の波長の光のみを利用する為に、照明光学系中に干渉
フィルター等の単色化手段を設けてもよい。また、フラ
イアイレンズ11の光源側焦点面11a近傍に、拡散板
や光ファイバー束等の光散乱部材を用いることで、照明
光の均一化を行なっても良い。あるいは本発明の実施例
で使用されたフライアイレンズ11とは別に、さらにフ
ライアイレンズ(以後、別フライアイレンズ)等のオプ
チカルインテグレーターを用いて、照明光の均一化を行
なっても良い。このとき別フライアイレンズは、上記フ
ライアイレンズ11の光源側焦点面11a近傍での照明
光量分布を可変とする光学部材、例えば図1,図2に示
した回折格子状パターン5、又は5aよりも光源(ラン
プ)1側であることが望ましい。
【0055】さらに別フライアイレンズのレンズエレメ
ントの断面形状は正方形(矩形)よりも正六角形にする
のが望ましい。図10は本発明の各実施例に適用される
投影露光装置のウェハステージ周りの構成を示し、投影
光学系18のウェハ20上での投影視野領域内に向けて
斜めにビーム100Aを照射し、その反射ビーム100
Bを受光する斜入射式のオートフォーカスセンサーを設
ける。このフォーカスセンサーは、ウェハ20の表面と
投影光学系18の最良結像面との光軸AX方向のずれを
検出するもので、そのずれが零となるように、ウェハ2
0を載置するZステージ110のモータ112をサーボ
制御する。これによってZステージ110はXYステー
ジ114に対して上下方向(光軸方向)に微動し、常に
ベストフォーカス状態で露光が行なわれる。このような
フォーカス制御が可能な露光装置においては、そのZス
テージ110を露光動作中に光軸方向に制御された速度
特性で移動させることで、さらに見かけ上の焦点深度を
拡大させることができる。この手法は、投影光学系18
の像側(ウェハ側)がテレセントリックであれば、どの
ようなタイプのステッパーでも実現可能である。
【0056】図11(A)は、Zステージ110の露光
中の移動に伴ってレジスト層内に得られる光軸方向の光
量(dose)分布、或いは存在確率を表し、図11
(B)は図11(A)のような分布を得るためのZステ
ージ110の速度特性を表す。図11(A)、(B)と
も縦軸はZ(光軸)方向のウェハ位置を表し、図11
(A)の横軸は存在確率を表し,図11(B)の横軸は
Zステージ110の速度Vを表す。また同図中、位置Z
0 はベストフォーカス位置である。
【0057】ここでは位置Z0 から上下に投影光学系1
8の理論的な焦点深度±ΔD0 fだけ離れた2つの位置
+Z1 ,−Z1 で存在確率をほぼ等しい極大値にし、そ
の間の位置+Z3 〜−Z3 の範囲では存在確率を小さな
値に押さえるようにした。そのために、Zステージ11
0は、照明系内部のシャッターの開放開始時の位置−Z
2 で、低い速度V1 で等速に上下へ移動し、シャッター
が全開になった直後に、高い速度V2 まで加速する。速
度V2 でZステージ110が等速に上下移動している
間、存在確率は低い値に押されられ、位置+Z3 に達し
た時点でZステージ110は低い速度V1 に向けて減速
を始め、位置+Z1 で存在確率が極大値になる。このと
きほぼ同時にシャッターの閉成指令が出力され、位置+
2 でシャッターが完全に閉じる。
【0058】このように、ウェハ20のレジスト層に与
えられる露光量の光軸方向に関する光量分布(存在確
率)を焦点深度の幅(2・ΔD0 f)程度だけ離れた2
点で極大値となるように、Zステージ110の速度を制
御すると、レジスト層に形成されるパターンのコントラ
ストは若干低下するものの、光軸方向の広い範囲に渡っ
て一様な解像力が得られる。
【0059】以上の累進焦点露光方法は、本発明の各実
施例に示したような特別な照明方式を採用した投影露光
装置でも全く同じように使用することができ、見かけ上
の焦点深度は、本発明の照明方式によって得られる拡大
分と、累積焦点露光方式によって得られる拡大分とのほ
ぼ積に応じた量だけ拡大される。しかも特別な照明方式
を採用していることから、解像力そのものも高くなる。
例えば、従来の1/5縮小のi線ステッパー(投影レン
ズのNA0.42)に位相シフトレチクルを組み合わせ
て露光できる最小線幅は0.3〜0.35μm程度であ
り、焦点深度の拡大率は最大40%程度である。これに
対して本発明のような特別な照明方式を同じi線ステッ
パーに組み込んで、普通のレチクルで実験したところ、
最小線幅は0.25〜0.3μm程度が得られ、焦点深
度の拡大率も位相シフトレチクルの使用時と同程度に得
られた。
【0060】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、回折格子
状パターンや光ファイバー等のフライアイレンズの11
の光源側焦点面11a上に照明光を集中させる光学部材
により、フライアイレンズ光源側焦点面近傍に入射する
照明光束を可変とすることによりフライアイレンズのレ
チクル側焦点面、即ち、レチクルパターンのフーリエ変
換面での2次光源像を可変とできる。従って、レチクル
パターンに対する照明光の入射角をレチクルパターンに
応じて可変とでき、従来のレチクルを使用して、高い解
像度と、深い焦点深度が得られる投影型露光装置を実現
できる。またフライアイレンズの11の光源側焦点面1
1a上に照明光を集中させる光学部材はフライアイレン
ズより光源側に配置される為レチクル上の照度ムラ等の
性能には影響を与えないという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による投影型露光装置の
構成を示す図である。
【図2】照明光量分布を作成するための光学部材の第1
の変形例を示す図である。
【図3】照明光量分布を作成するための光学部材の第1
の変形例を示す図である。
【図4】照明光量分布を作成するための光学部材の第1
の変形例を示す図である。
【図5】照明光量分布を作成するための光学部材の第1
の変形例を示す図である。
【図6】照明光量分布を作成するための光学部材の第1
の変形例を示す図である。
【図7】図1の装置にレチクルブラインドを組み込んだ
ときの照明系を示す図である。
【図8】フライアイレンズ群から投影光学系までの光路
を模式的に表した図である。
【図9】(A)、(C)はマスク上に形成されたレチク
ルパターンの一例を示す平面図である。(B)、(D)
は(A)、(C)の夫々に対応した瞳共役面における各
フライアイレンズ群の配置を説明する図である。
【図10】投影型露光装置のウェハステージ回りの構成
を示す図である。
【図11】ウェハステージのうちのZステージを用いて
累進焦点露光方法を実行する際の露光量の存在確率と、
Zステージの速度特性とを示すグラフである。
【図12】本発明の原理を説明する図である。
【図13】従来の投影型露光装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
5 回折格子状パターン(光学部材) 9 レンズ系 10,12,12a 空間フィルター 15 主コンデンサーレンズ 16 レチクル 17 レチクルパターン 18 投影光学系 19 瞳 20 ウェハ

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの照明光をマスクに照射する照明
    光学系と、前記照明光を基板上に投射する投影光学系と
    を備え、前記照明光の照射によって前記マスクのパター
    ンを前記基板上に転写する投影露光装置において、 前記照明光学系内の前記パターンに対するフーリエ変換
    相当面もしくはその近傍に2次光源を形成するオプチカ
    ルインテグレータと、 前記光源と前記オプチカルインテグレータとの間に設け
    られ、前記パターンの微細度に応じた距離だけ前記照明
    光学系の光軸に対して偏心した領域に前記2次光源が形
    成されるように、前記照明光を前記照明光学系の光軸と
    異なる方向に進ませる光学部材とを備えたことを特徴と
    する投影露光装置。
  2. 【請求項2】前記パターンは少なくとも第1方向に沿っ
    て延び、前記2次光源は、前記フーリエ変換面上で前記
    照明光学系の光軸と交差し、かつ前記第1方向に沿って
    規定される第1軸によって区画される領域内に形成され
    ることを特徴とする請求項1に記載の投影露光装置。
  3. 【請求項3】前記パターンは前記第1方向と直交する第
    2方向に沿って延び、前記2次光源は、前記第1軸と、
    前記照明光学系の光軸で前記第1軸と直交し、かつ前記
    第2方向に沿って規定される第2軸とによって区画され
    る領域内に形成されることを特徴とする請求項2に記載
    の投影露光装置。
  4. 【請求項4】前記2次光源は、前記照明光学系の光軸と
    の距離がほぼ等しく、かつ前記第1及び第2軸によって
    区画される複数の領域内にそれぞれ形成されることを特
    徴とする請求項3に記載の投影露光装置。
  5. 【請求項5】光源からの照明光をマスクに照射する照明
    光学系と、前記照明光を基板上に投射する投影光学系と
    を備え、前記照明光の照射によって前記マスクのパター
    ンを前記基板上に転写する投影露光装置において、 前記照明光学系内の前記パターンに対するフーリエ変換
    面上での前記照明光の光量分布を前記照明光学系の光軸
    から偏心した複数の領域で高めるとともに、前記パター
    ンの微細度に応じて前記光軸との距離を前記複数の領域
    でほぼ等しく規定する光学部材を備え、前記光源と前記
    照明光学系内に設けられるオプチカルインテグレータと
    の間に前記光学部材を配置したことを特徴とする投影露
    光装置。
  6. 【請求項6】前記光学部材は、前記照明光を互いに異な
    る方向に進む複数の光束に変換する光学素子を含むこと
    を特徴とする請求項5に記載の投影露光装置。
  7. 【請求項7】光源からの照明光をマスクに照射する照明
    光学系と、前記照明光を基板上に投射する投影光学系と
    を備え、前記照明光の照射によって前記マスクのパター
    ンを前記基板上に転写する投影露光装置において、 前記照明光学系内の前記パターンに対するフーリエ変換
    面上での前記照明光の光量分布を前記照明光学系の光軸
    から偏心した複数の領域で高めるとともに、前記パター
    ンの微細度に応じて前記光軸との距離を前記複数の領域
    でほぼ等しく規定する第1光学部材と、 前記光源と前記照明光学系内のオプチカルインテグレー
    タとの間に配置され、前記第1光学部材に対して前記照
    明光を、前記照明光学系の光軸上の領域よりもその外側
    で光量を多くして入射させる第2光学部材とを備えたこ
    とを特徴とする投影露光装置。
  8. 【請求項8】前記第2光学部材は、前記照明光を互いに
    異なる方向に進ませることを特徴とする請求項7に記載
    の投影露光装置。
  9. 【請求項9】前記パターンは少なくとも第1方向に沿っ
    て延び、前記複数の領域は、前記フーリエ変換面上で前
    記照明光学系の光軸と交差し、かつ前記第1方向に沿っ
    て規定される第1軸によって区切られることを特徴とす
    る請求項5〜8のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  10. 【請求項10】前記パターンは前記第1方向と直交する
    第2方向に沿って延び、前記複数の領域は、前記第1軸
    と、前記フーリエ変換面上の前記照明光学系の光軸で前
    記第1軸と直交し、かつ前記第2方向に沿って規定され
    る第2軸とによって区切られることを特徴とする請求項
    9に記載の投影露光装置。
  11. 【請求項11】前記複数の領域は、前記第1及び第2軸
    によって区切られる4つの領域を有することを特徴とす
    る請求項10に記載の投影露光装置。
  12. 【請求項12】前記複数の領域は、前記パターンから発
    生する±n次回折光の一方と0次回折光とが前記投影光
    学系の瞳面上でその光軸からほぼ等距離に分布するよう
    に配置されるm個の第1領域と、前記照明光学系の光軸
    に関して前記m個の第1領域とほぼ対称に配置されるm
    個の第2領域とを含むことを特徴とする請求項4〜11
    のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  13. 【請求項13】前記偏心した領域から射出される光の照
    射によって前記パターンから発生する次数が異なる2つ
    の回折光が、前記投影光学系の瞳面上でその光軸からの
    距離がほぼ等しい位置を通過するように、前記偏心した
    領域の位置を決定することを特徴とする請求項1〜11
    のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  14. 【請求項14】前記2つの回折光は±n次回折光の一方
    と0次回折光とであることを特徴とする請求項13に記
    載の投影露光装置。
  15. 【請求項15】前記偏心した領域から射出される光の前
    記マスクへの入射角をψ、前記パターンから発生する±
    n次回折光の回折角をθ、前記投影光学系のマスク側開
    口数をNARとすると、前記±n次回折光の一方でsi
    n(θ−ψ)=NARなる関係が満たされるように、前記
    偏心した領域の位置を決定することを特徴とする請求項
    1〜14のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  16. 【請求項16】前記照明光の波長をλ、前記パターンの
    ピッチをPとし、前記偏心した領域から射出される光の
    前記マスクへの入射角ψがsinψ=λ/2Pなる関係
    を満たすように、前記偏心した領域の位置を決定するこ
    とを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の
    投影露光装置。
  17. 【請求項17】前記パターンが互いに交差する第1及び
    第2方向に沿って延びるとき、前記偏心した領域から射
    出される光の照射によって前記パターンから発生する0
    次回折光、前記0次回折光を中心として前記第1方向に
    分布する高次回折光の1つ、及び前記0次回折光を中心
    として前記第2方向に分布する高次回折光の1つが、前
    記投影光学系の瞳面上でその光軸からほぼ等距離に分布
    するように、前記偏心した領域の位置を決定することを
    特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の投影
    露光装置。
  18. 【請求項18】前記偏心した領域から射出される光の開
    口数と前記投影光学系のマスク側開口数との比を0.1
    〜0.3程度に設定することを特徴とする請求項1〜1
    7のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  19. 【請求項19】前記照明光による前記基板の露光中に、
    前記基板と前記投影光学系の像面とをその光軸に沿って
    相対移動する手段を更に備えることを特徴とする請求項
    1〜18のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  20. 【請求項20】請求項1〜19のいずれか一項に記載の
    投影露光装置を用いた素子製造方法。
  21. 【請求項21】照明光学系を通して光源からの照明光を
    マスクに照射するとともに、投影光学系を介して前記照
    明光で基板を露光する投影露光方法において、 前記照明光学系内の前記パターンに対するフーリエ変換
    面上で、前記パターンの微細度に応じた距離だけ前記照
    明光学系の光軸から偏心し、かつ前記光軸との距離がほ
    ぼ等しい複数の領域内に前記照明光を分布させるため
    に、前記光源と前記照明光学系内のオプチカルインテグ
    レータとの間で前記照明光を互いに異なる方向に進む複
    数の光束に変換することを特徴とする投影露光方法。
  22. 【請求項22】前記フーリエ変換面上の前記複数の領域
    以外で前記照明光の光量をほぼ零にすることを特徴とす
    る請求項21に記載の投影露光方法。
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