JP3259220B2 - 光学装置及び投影露光装置 - Google Patents

光学装置及び投影露光装置

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JP3259220B2
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    • G03F7/70308Optical correction elements, filters or phase plates for manipulating imaging light, e.g. intensity, wavelength, polarisation, phase or image shift

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体集積回路、液晶デ
ィスプレイ等の微細パターンの形成に用いる投影型露光
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の投影型露光装置に使われている
投影光学系は、高度な光学設計、硝材の厳選、硝材の超
精密加工、及び精密な組立て調整をへて装置内に組み込
まれる。現在、半導体製造工程では水銀ランプのi線
(波長365nm)を照明光としてレチクル(マスク)
を照射し、そのレチクル上の回路パターンの透過光を投
影光学系を介して感光基板(ウェハ等)上に結像するス
テッパーが主に使われている。また評価用、あるいは研
究用としてエキシマレーザ(波長248nmのKrFレ
ーザ)を照明光とするエキシマステッパーも使われてい
る。エキシマステッパー用の投影光学系は屈折レンズの
みで構成した場合、使用できる硝材が石英やホタル石等
に限定される。
【0003】一般に、投影光学系を用いた露光によって
微細なレチクルパターンを感光基板へ忠実に転写するた
めには、投影光学系の解像力と焦点深度(DOF:デプ
スオブフォーカス)とが重要なファクタとなっている。
現在実用化されている投影光学系のうち、i線用のもの
で開口数(NA)として0.6程度のものが得られてい
る。使用する照明光の波長が同じであるとき、投影光学
系の開口数を大きくすると、それに応じて解像力も向上
する。しかしながら焦点深度(DOF)は開口数NAの
増大に伴って減少する。焦点深度は照明光の波長をλと
したとき、DOF=±λ/NA2 によって定義される。
【0004】図1は従来の投影光学系の結像光路を模式
的に表したものであり、投影光学系は前群のレンズ系G
Aと後群のレンズ系GBとによって構成される。この種
の投影光学系はレチクルR側とウェハW側との両方をテ
レセントリックにしたもの、あるいはウェハW側のみを
テレセントリックにしたものが一般的である。さて、図
1においてレチクルRのパターン面(投影光学系の物体
面)上に任意の3つの点A、B、Cを想定する。点Aか
ら様々の方向に進む光線L1 、L2 、L3 、La、L
a’、La”のうち、光線L1 は投影光学系のレンズ系
GAに入射できないような角度で発生する。また、前群
のレンズ系GAに入射した光線のうち、光線L2 、L3
は投影光学系内のフーリエ変換面FTPに位置する瞳e
pを通過することができない。そして他の光線La、L
a’、La”は瞳epを通過して後群のレンズ系GBに
入射し、ウェハWの表面(投影光学系の瞳面)上の点
A’に収斂する。従って、レチクルR上の点Aから発生
した光線のうち、投影光学系の瞳ep(光軸AXを中心
とする円形領域)を通過した光線が点A’に点像を結像
するのに寄与する。ここで点Aから点A’に向う光線の
うち瞳epの中心点CC(光軸AXの位置)を通る光線
Laを主光線と呼び、この主光線Laは両側がテレセン
トリックな投影光学系の場合、物体面側、像面側の夫々
の空間で光軸AXと平行になっている。
【0005】またレチクルR上の他の点B、Cの夫々か
ら発生した光線についても全く同じであり、瞳epを通
過する光線のみが点像B’、C’の結像に寄与する。同
様に点B、Cの夫々から光軸AXと平行に進んでレンズ
系GAに入射する光線Lb、Lcは、いずれも瞳epの
中心点CCを通る主光線となる。このように瞳epはレ
チクルRのパターン面とウェハWの表面との夫々に対し
てフーリエ変換、及び逆フーリエ変換の関係にあり、レ
チクル上のパターンからの光線のうち結像に寄与する光
線は全て瞳epを重畳して通ることになる。
【0006】このような投影光学系の開口数は一般にウ
ェハ側の値として表されている。図1において、点像
A’の結像に寄与する光線のうち、瞳ep内の最外部を
通る光線La’、La”がウェハW上で主光線Laと成
す角度θwが、この投影光学系のウェハ(像面)側での
開口数NAW に相当し、NAw=sinθwで表され
る。従って光線La’、La”がレチクルR側で主光線
Laと成す角度θrは、レチクル(物体面)側での開口
数NArと呼ばれ、NAr=sinθrで表される。さ
らに投影光学系の結像倍率をM(1/5縮小の場合はM
=0.2)とすると、NAr=M・NAwの関係にあ
る。
【0007】ところで解像力を高めるためには、開口数
NAw(NAr)を大きくする訳であるが、このことは
換言すれば瞳epの径を大きくすること、さらにレンズ
系GA、GBの有効径を大きくすることに他ならない。
ところが、焦点深度DOFの方は開口数NAwの2乗に
反比例して減少してしまうため、例え高開口数の投影光
学系が製造できたとしても、必要な焦点深度が得られな
いことになり、実用上の大きな障害となる。
【0008】照明光の波長をi線の365nmとし、開
口数NAwを0.6とすると、焦点深度DOFは幅で約
1μm(±0.5μm)になってしまい、ウェハW上の
1つのショット領域(20mm角〜30mm角程度)内
で表面の凹凸や湾曲がDOF以上の部分については解像
不良を起こすことになる。またステッパーのシステム上
でも、ウェハWのショット領域毎のフォーカス合わせ、
レベリング等を格段に高精度に行う必要が生じ、メカ
系、電気系、ソフトウェアの負担(計測分解能、サーボ
制御精度、設定時間等の向上努力)が増大することにな
る。
【0009】そこで本件出願人は、このような投影光学
系の諸問題を解決し、しかも特公昭62−50811号
公報に開示されているような位相シフトレチクルを使わ
なくとも、高い解像力と大きな焦点深度との両方を得る
ことができる新たな投影露光技術を、特開平4−101
148号公報、特開平4−225358号公報等で提案
した。この露光技術は、投影光学系は既存のままで、レ
チクルへの照明方法を特殊な形体に制御することで見か
け上の解像力と焦点深度とを増大させるものであり、S
HRINC(Super High Resoluti
on by IllumiNation Contro
l)法と呼んでいる。このSHRINC法は、レチクル
R上のライン・アンド・スペースパターン(L&Sパタ
ーン)のピッチ方向に対称的に傾斜した2つの照明光
(又は4つの照明光)をレチクルへ照射し、L&Sパタ
ーンから発生する0次回折光成分と±1次回折光成分の
一方とを、投影光学系の瞳ep内で中心点CCに関して
対称的に通し、2光束干渉(一方の1次回折光と0次回
折光との干渉)の原理を利用して、L&Sパターンの投
影像(干渉縞)を生成するものである。
【0010】このように2光束干渉を利用した結像によ
ると、デフォーカス時の波面収差の発生が従来の方法
(通常の垂直照明)の場合よりも押さえられるため、見
かけ上焦点深度が大きくなるのである。ところが、この
SHRINC法はレチクルR上に形成されるパターンが
L&Sパターン(格子)のように、周期構造を持つとき
に所期の効果が得られるのであり、コンタクトホール等
の孤立したパターンに対してはその効果が得られない。
一般に、孤立した微小パターンの場合、そこからの回折
光はほとんどフランフォーファ回折として発生するた
め、投影光学系の瞳ep内では0次回折光と高次回折光
とに明確に分離しないためである。
【0011】そこでコンタクトホール等の孤立パターン
に対して見かけ上の焦点深度を拡大させる露光方法とし
て、ウェハWの1つのショット領域に対する露光を複数
回に分け、各露光の間にウェハWを光軸方向に一定量だ
け移動させる方法が、例えば特開昭63−42122号
公報で提案された。この露光方法はFLEX(Focu
s Latitude enhancement EX
posure)法と呼ばれ、コンタクトホール等の孤立
パターンに対しては十分な焦点深度拡大効果を得ること
ができる。ただしFLEX法は、わずかにデフォーカス
したコンタクトホール像を多重露光することを必須とす
るため、現像後に得られるレジスト像は必然的に鮮鋭度
が低下したものとなる。この鮮鋭度低下(プロファイル
悪化)の問題は、ガンマ値が高いレジストを用いたり、
多層レジストを用いたり、あるいはCEL(Contr
ast Enhancement Layer)を用い
たりすることで補うことができる。
【0012】またFLEX法のように露光動作中にウェ
ハWを光軸方向に移動させなくても、コンタクトホール
パターンの投影時の焦点深度を拡大する試みとして、1
991年春季応用物理学会の予稿集29a−ZC−8,
9で発表されたSuper−FLEX法も知られてい
る。このSuper FLEX法は、投影光学系の瞳e
pに透明な位相板を設け、この位相板によって結像光に
与えられる複素振幅透過率が光軸AXから周辺に向かっ
て順次変化するような特性を持たせたものである。この
ようにすると、投影光学系によって結像された像はベス
トフォーカス面(レチクルRと共役な面)を中心に光軸
方向に一定の幅(従来よりは広い)でシャープさを保つ
ことになり、焦点深度が増大するのである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上で述べた各種従来
技術のうち、FLEX法、及びSuper FLEX法
では、孤立的なコンタクトホールパターンに対して十分
な焦点深度の増大効果を得ることができる。しかしなが
ら、ある程度接近した複数のコンタクトホールパターン
では、両方法共にホール間のフォトレジストに不要な膜
べりを生じさせてしまい、事実上使用することが困難に
なることがわかった。
【0014】さらに、FLEX法では、孤立的なコンタ
クトホールパターンについてもその像(多重露光で得ら
れる合成光学像)のシャープネスを必然的に悪化させる
ために、焦点深度は増大しても露光量裕度が減少すると
いう問題もある。また露光作業中にウェハを光軸方向に
連続的に移動又は振動する方式のFLEX法では走査露
光方式の露光装置への適用が難しく、また露光を第1の
露光と第2の露光に分割し、各露光間にウェハを光軸方
向に移動する方式では処理能力の低下が大きく、スルー
プットが著しく低下するという問題がある。
【0015】本発明は、光路内や鏡筒内にダスト等の異
物の進入を防ぐこと光学装置及びそれを備えた投影露光
装置を得ることを目的とする。また、投影光学系を介し
た正確なアライメントマークの計測が行なえる投影露光
装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、照明光で照明されるマスクのパターンを基板に転写
する露光装置において、前記照明光の光路中に配置され
る光学素子と、前記光学素子を駆動し、塵埃を生じさせ
る駆動機構と、前記光学素子と前記駆動機構の少なくと
も一部とを収容する空間に、気体を供給する供給手段と
を備え、前記空間に供給された前記気体が、前記空間内
に収容された前記駆動機構の少なくとも一部を介して排
気されるように構成した。
【0017】
【作用】本発明では、光路内空間に供給された気体を駆
動機構を介して排気することができる。また、レチクル
パターン面に対して、光学的にフーリエ変換の関係とな
る投影光学系内の面(以後瞳面と略す)、又はその近傍
面に偏光状態制御部材を設け、その瞳面内で円形または
輪帯状に分布する結像光の一部と、それ以外の部分に分
布する結像光とを互いに干渉し合わない偏光状態とす
る。この結果レチクルパターン中の、特にコンタクトホ
ールパターンを透過、回折した露光光束(結像光)は瞳
面内で干渉し合わない2つの光束に空間的に分割され、
ウェハ等の被露光体に到達する。ウェハ上でも2つの光
束は干渉し合わない(インコヒーレントである)ため
に、それぞれの光束が作り出す像(コンタクトホールの
像)の光量上での強度合成像が得られる。従来の露光方
式ではレチクル上の微小コンタクトホールパターンを透
過、回折した光束は投影光学系を経てウェハ面に達する
と、ここですべて振幅的に合成(コヒーレント加算)さ
れてレチクルパターンの像(光学像)を形成していた。
従来のSuper−FLEX法においても、瞳面に分布
する結像光を部分的に位相シフトさせているだけなの
で、コヒーレント加算であることに変わりはない。
【0018】さて、投影光学系の瞳面に位相シフト板等
がないものとすると、ベストフォーカス(合焦状態)で
は、レチクル上の任意の1点からウェハ上の対応する像
点までの光路長は投影光学系中のどこの光線路を通るか
にかかわらずすべて等しく(フェルマーの原理)、従っ
てウェハ上の振幅合成は位相差のない光の合成となり、
すべてコンタクトホールパターンの強度を増大する方向
に作用する。
【0019】ところがウェハがデフォーカスすると、上
記の光路長は投影光学系内の光線路によって異なった長
さとなる。この結果上記の振幅合成は光路差(位相差)
を有する光の加算となり、一部で相殺効果が生じ、コン
タクトホールパターンの中心強度を弱めることになる。
このとき生じる光路差はウェハ上の1つの像点に入射す
る任意の光線の入射角をθとし、かつウェハに垂直に入
射する光線(主光線)の光路長を基準(=0)とする
と、ほぼ1/2(ΔF・sin2 θ)と表される。ここ
でΔFはデフォーカス量を表す。sinθの最大値は投
影光学系のウェハ側の開口数NAwであるから、従来の
如く微小ホールパターンからの回折光のうち瞳epを通
過したすべての光がウェハ上で振幅合成される場合、最
大で1/2(ΔF・NAw2 )の光路差を生じてしまう
ことになる。このとき焦点深度としてλ/4の光路差ま
でを許容すると仮定すれば、以下の関係が成り立つ。
【0020】1/2(ΔF・NAw2 )=λ/4 この式をまとめ直すと、ΔF=λ/(2NAw2 )とな
って一般に言われる焦点深度幅と一致する。例えば露光
用照明光波長として現在使われているi線(波長0.3
65μm)を前提とし、開口数としてNAw=0.50
を想定すると、焦点深度±ΔF/2は±0.73μmと
なり、ウェハ上のプロセス段差1μm程度に対してほと
んど余裕のない値となっている。
【0021】一方、本発明では図2に示すように、投影
光学系の瞳面(FTP)に偏光状態制御部材PCMを設
ける。このとき、レチクルRのパターン面に形成された
孤立パターンPrで回折した結像光束(主光線はLL
p)は投影光学系PLの前群レンズ系GAに入射した
後、フーリエ変換面FTPに達する。そしてフーリエ変
換面FTPにおいて、瞳面ep内の中心部の円形状透過
部分FAと輪帯状の透過部FBとの夫々を透過する光束
が互いに干渉し合わない偏光状態に制御(変換)され
る。このためウェハW上では偏光状態制御部材PCMの
円形状の透過部FAを透過した光束LFaと周辺の透過
部FBを通過した光束LFbは干渉を起こさない。その
結果、円形の透過部FAからの光束LFaと周辺部FB
からの光束LFbはそれぞれ独立して自分自身のみで干
渉し合い、それぞれホールパターンの像(強度分布)P
r’を形成する。すなわち光束LFaのみの干渉によっ
てウェハW上に生成される像と、光束LFbのみの干渉
によって生成される像とを、単純に強度的に加算したも
のが、本発明によって得られるコンタクトホール等の孤
立パターンの像Pr’となる。
【0022】尚、レチクルRへの照明光ILBは従来と
同様に一定の開口数sinψ/2をもつものとする。た
だし投影光学系PLのレチクル側の開口数NArに対し
ては、NAr>sinψ/2の条件に設定される。そこ
で、本発明における結像原理を、さらに図3を参照して
説明する。図3は偏光状態制御部材PCMの構造と、コ
ンタクトホールの像Pr’を生成する結像光束の様子
と、デフォーカス時の各光束の光路差ΔZとの各関係を
模式的に示したものである。
【0023】図3(A)の如く中心部を通る光束LFa
内での振幅合成では、光束LFaが垂直入射光(主光線
LLp)から入射角度θ1 までの角度範囲を含むから、
デフォーカス量がΔFの時の光路差の最大値ΔZ1 はΔ
Z1 =1/2(ΔF・sin2 θ1 )となる。尚、図3
の最下段のグラフの横軸は入射角の正弦を表し、sin
θ1 =NA1 とする。一方、図3(B)の如く周辺部を
通る光束LFb内での振幅合成では、光束LFbが入射
角度θ1 から開口数NAw(sinθw)までの入射角
度範囲を有するので、デフォーカス量がΔFの時の最大
光路長差ΔZ2 は、ΔZ2 =1/2(ΔF)(NAw2
−sin2 θ1 )となる。
【0024】第1の光束LFaと第2の光束LFbは互
いには干渉し合わないので、光束LFaのみの干渉によ
る像Pr'1と、光束LFbのみの干渉による像Pr'2の
劣化は、各光束内での光路長差ΔZ1 、ΔZ2 のみに起
因する。例えば、sin2 θ1 =1/2(NAw2 )で
あるようにsinθ1 を設定する、すなわち
【0025】
【数1】
【0026】の関係をほぼ満たすように第1の透過部F
Aの半径を設定すると、第1の光束LFaによる最大光
路差ΔZ1 と、第2の光束LFbによる最大光路差ΔZ
2 はそれぞれ以下のようになる。 ΔZ1 =1/2(ΔF・sin2 θ1 )=1/4(ΔF
・NAw2 ) ΔZ2 =1/2(ΔF)(NAw2−sin2θ1 )=1/4
(ΔF・NAw2) このように、2つのインコヒーレントな光束LFa、L
Fbの夫々は、いずれもΔFのデフォーカス時にほぼ同
一の最大光路差、1/4(ΔF・NAw2 )をもつこと
になり、この値は従来の場合の半分である。換言する
と、従来の2倍のデフォーカス量(2ΔF)でも、従来
の投影方式でのデフォーカス量ΔFのときと同じ最大光
路長差で済むこととなり、その結果、孤立パターンPr
の結像時の焦点深度は約2倍に増大することになる。こ
のように投影光学系PLの瞳面epにおいて、結像光束
を互いに干渉しない複数の光束に交換する手法を、以後
SFINCS(Spatial Filter for
INCoherent Stream)法と呼ぶこと
にする。
【0027】
【実施例】図4は本発明の実施例による投影露光装置の
全体的な構成を示す。図4において、水銀ランプ1から
放射された高輝度光は楕円鏡2によって第2焦点に収斂
した後、発散光となってコリメータレンズ4に入射す
る。その第2焦点の位置にはロータリーシャッター3が
配置され、照明光の通過、遮断を制御する。コリメータ
レンズ4によってほぼ平行光束に変換された照明光は、
干渉フィルター5に入射し、ここで露光に必要とされる
所望のスペクトル、例えばi線のみが抽出される。干渉
フィルター5を射出した照明光(i線)は、偏光方向を
揃えるための偏光制御部材6を通った後、オプチカルイ
ンテグレータとしてのフライアイレンズ7に入射する。
この偏光制御部材6は投影光学系PL内の偏光状態制御
部材PCMの構成と光源の性質によっては省略してもよ
く、そのことについては後述する。また偏光制御部材6
はフライアイレンズ7に入射する照明光を一定の偏光方
向に揃えるだけなので、偏光板でよい。
【0028】さて、フライアイレンズ7に入射した照明
光(ほぼ平行光束)は、フライアイレンズ7の複数のレ
ンズエレメントによって分割され、各レンズエレメント
の夫々の射出側には2次光源像(水銀ランプ1の発光点
の像)が形成される。従ってフライアイレンズ7の射出
側にはレンズエレメントの数と同じ数の点光源像が分布
し、面光源像が作られる。フライアイレンズ7の射出側
には、面光源像の大きさを調整するための可変絞り8が
設けられる。この絞り8を通った照明光(発散光)はミ
ラー9で反射され、集光レンズ系10に入射した後、レ
チクルブラインド11の矩形の開口部を均一な照度分布
で照射する。図4では、フライアイレンズ7の射出側に
形成される複数の2次光源像(点光源)のうち、光軸A
X上に位置する1つの2次光源像からの照明光のみを代
表的に図示してある。また集光レンズ系10によって、
フライアイレンズ7の射出側(2次光源像が形成される
面)はレチクルブラインド11の矩形開口面に対するフ
ーリエ変換面になっている。従ってフライアイレンズ7
の複数の2次光源像の夫々から発散して集光レンズ系1
0に入射した各照明光は、レチクルブラインド11上で
互いにわずかずつ入射角が異なる平行光束となって重畳
される。
【0029】レチクルブラインド11の矩形開口を通過
した照明光はレンズ系12、ミラー13を介してコンデ
ンサーレンズ14に入射し、コンデンサーレンズ14を
射出する光が照明光ILBとなってレチクルRに達す
る。ここでレチクルブラインド11の矩形開口面とレチ
クルRのパターン面とは、レンズ系12とコンデンサー
レンズ14との合成系によって互いに共役に配置され、
レチクルブラインド11の矩形開口の像が、レチクルR
のパターン面内に形成された矩形のパターン形成領域を
含むように結像される。図4に示すように、フライアイ
レンズ7の2次光源像のうち光軸AX上に位置する1つ
の2次光源像からの照明光ILBは、レチクルR上では
光軸AXに対して傾きのない平行光束になっているが、
これは投影光学系PLのレチクル側がテレセントリック
だからである。もちろん、フライアイレンズ7の射出側
には光軸AX上からずれて位置する多数の2次光源像
(軸外の点光源)が形成されるから、それらからの照明
光はいずれもレチクルR上では光軸AXに対して傾いた
平行光束となってパターン形成領域内で重畳される。
尚、レチクルRのパターン面とフライアイレンズ7の射
出側面とが、集光レンズ系10、レンズ系12、コンデ
ンサーレンズ14の合成系によって光学的にフーリエ変
換の関係になっていることは言うまでもない。またレチ
クルRへの照明光ILBの入射角度範囲ψ(図2参照)
は絞り8の開口径によって変化し、絞り8の開口径を小
さくして面光源の実質的な面積を小さくすると、入射角
度範囲ψも小さくなる。そのため絞り8は、照明光の空
間的コヒーレンシィを調整することになる。その空間的
コヒーレンシィの度合いを表すファクタとして、照明光
ILBの最大入射角ψ/2の正弦と投影光学系PLのレ
チクル側の開口数NArとの比(σ値)が用いられてい
る。このσ値は通常、σ=sin(ψ/2)/NArで
定義され、現在稼働中のステッパーの多くは、σ=0.
5〜0.7程度の範囲で使われている。
【0030】さて、レチクルRのパターン面にはクロム
層によって所定のレチクルパターンが形成されている
が、ここではクロム層が全面に蒸着され、その内に微小
な矩形開口部(クロム層のない透明部)で形成された複
数のコンタクトホールパターンが存在するものとする。
コンタクトホールパターンはウェハW上に投影したと
き、0.5μm角(又は径)以下の寸法になるように設
計されていることもあり、投影光学系PLの投影倍率M
を考慮してレチクルR上での寸法が決められている。ま
た互いに隣接するコンタクトホールパターン間の寸法
は、通常1つのコンタクトホールパターンの開口部寸法
に対してかなり大きくなっているため、孤立的な微小パ
ターンとして存在する。すなわち、隣接する2つのコン
タクトホールパターンは、それぞれから発生した光(回
折、散乱光)が、回折格子のように互いに強く影響し合
うことがない程度に離れていることが多い。ところが後
で詳しく述べるが、かなり接近した配置でコンタクトホ
ールパターンを形成したレチクルも存在する。
【0031】図4において、レチクルRはレチクルステ
ージRSTに保持され、レチクルRのコンタクトホール
パターンの光学像(光強度分布)は投影光学系PLを介
してウェハWの表面のフォトレジスト層に結像される。
ここで、図4中のレチクルRからウェハWまでの光路
は、結像光束の主光線のみで示す。そして投影光学系P
L内のフーリエ変換面FTPには、先の図2、図3で説
明した偏光状態制御部材PCMが設けられる。この偏光
状態制御部材PCMは、瞳epの最大径をカバーする直
径を有し、スライダー機構20によって光路外へ退出し
たり、光路内に進入したりすることができる。仮りにそ
のステッパーが専らコンタクトホールパターンを露光す
るために使われるのであれば、偏光状態制御部材PCM
は投影光学系PL内に固定しておいてもよい。しかしな
がら、複数台のステッパーによってリソグラフィ工程の
露光作業を行う場合、各ステッパーのもっとも効率的な
運用を考えると、特定の一台のステッパーをコンタクト
ホールパターン専用の露光に割り当てることは躊躇され
る。そのため、偏光状態制御部材PCMは投影光学系P
Lの瞳epに対して挿脱可能に設け、コンタクトホール
パターン以外のレチクルパターンの露光時にも、そのス
テッパーが使えるようにしておくことが望ましい。尚、
投影光学系によっては、その瞳位置(フーリエ変換面F
TP)に実効的な瞳径を変えるための円形開口絞りを設
けることもある。この場合、その開口絞りと偏光状態制
御部材PCMは機械的に干渉しないように、かつできる
だけ接近して配置される。
【0032】さて、ウェハWは、光軸AXと垂直な面内
で2次元移動(以下、XY移動とする)するとともに、
光軸AXと平行な方向に微動(以下、Z移動とする)す
るウェハステージWST上に保持される。ウェハステー
ジWSTのXY移動、Z移動は、ステージ駆動ユニット
22によって行われ、XY移動に関してはレーザ干渉計
23による座標計測値に従って制御され、Z移動に関し
てはオートフォーカス用のフォーカスセンサー24の検
出値に基づいて制御される。ステージ駆動ユニット2
2、スライダー機構20等は、主制御ユニット25から
の指令で動作する。この主制御ユニット25は、さらに
シャッタ駆動ユニット26へ指令を送り、シャッター3
の開閉を制御するとともに、開口制御ユニット27へ指
令を送り、絞り8、又はレチクルブラインド11の各開
口の大きさを制御する。また主制御ユニット25は、レ
チクルステージRSTへのレチクルの搬送路中に設けら
れたバーコードリーダー28が読み取ったレチクル名を
入力できるようになっている。従って主制御ユニット2
5は、入力したレチクル名に応じてスライダー機構20
の動作、開口駆動ユニット27の動作等を統括的に制御
し、絞り8、レチクルブラインド11の各開口寸法、及
び偏光状態制御部材PCMの要、不要を、そのレチクル
に合わせて自動的に調整することができる。
【0033】ここで図4中の投影光学系PLの一部分の
構造を、図5を参照して説明する。図5は全て屈折性硝
材で作られた投影光学系PLの部分的な断面を示し、前
群のレンズ系GAの最下部のレンズGA1 と後群のレン
ズ系GBの最上部のレンズGB1 との間の空間中にフー
リエ変換面FTPが存在する。投影光学系PLは複数枚
のレンズを鏡筒で保持しているが、偏光状態制御部材P
CMの挿脱のために、鏡筒の一部に開口部を設ける。ま
た偏光状態制御部材PCM、及びスライダー機構20の
全部、又は一部を、外気に直接露出させないようなカバ
ー20Bを、鏡筒の開口部から延設する。このカバー2
0Bは外気に浮遊する微小なダストが投影光学系PLの
瞳空間内に進入するのを防ぐ。スライダー機構20に
は、回転モータ、ペンシリンダー、ソレノイド等のアク
チュエータ20Aが結合されている。さらに、鏡筒の一
部に瞳空間に連通する流路Afを設け、パイプ29を介
して温度制御されたクリーンエアを瞳空間へ供給するこ
とで、偏光状態制御部材PCMの露光光の一部吸収によ
る温度上昇、及び瞳空間全体の温度上昇を押さえるよう
にする。尚、瞳空間へ強制的に供給されたクリーンエア
を、スライダー機構20、アクチュエータ20Aを介し
て強制的に排出するようにすれば、スライダー機構20
等で発生した埃塵が瞳空間内に進入することを防止する
ことができる。
【0034】図6は偏光状態制御部材PCMの第1の実
施例による構造を示し、図6(A)は断面図、図6
(B)は平面図である。先に図3とともに説明した通
り、第1の偏光状態を与える円形透過部FAの半径r1
は瞳epの実効的な最大半径r2 に対して、
【0035】
【数2】
【0036】に設定されるが、実際はそれよりも数%程
度大きい方がよい。この式から明らかなように、円形透
過部FAの面積πr12は実効的な瞳開口の面積πr22に
対して約半分になっている。さて、図4中の光源(水銀
ランプ1)はランダムな偏光状態の光(種々の偏光状態
の光の合成された光であり、かつその偏光状態が時間と
共に変化する)を発生する。本発明の第1の実施例で
は、図6の偏光状態制御部材PCMとして直線偏光板を
用いることにするので、図4中の偏光制御部材6を省略
する。その場合、レチクル上のコンタクトホールパター
ンを透過して偏光状態制御部材PCMに達する光束の偏
光状態もランダムである。図6に示す偏光状態制御部材
PCMは中心点CCから半径r1 の円形透過部FA内
を、特定方向の直線偏光のみを透過させる偏光板で構成
し、中心点CCと同軸の輪帯状の周辺透過部FBを、円
形透過部FAとは直交する方向の直線偏光のみを透過さ
せる偏光板で構成する。従って、図6の偏光状態制御部
材PCMを透過した後の結像光束の偏光状態は図6
(c)に示す如く、中央透過部FAでは、例えば同図中
の右上から左上への電場の振動面(偏光面)となり、周
辺透過部FBでは左上から右下への偏光面となり、互い
に直交する偏光方向を持った直線偏光となり、互いに干
渉し合わない光束(LFa、LFb)となる。これら互
いに干渉し合わない中心部と周辺部の両光束がウェハW
に達し、それぞれが自分自身とのみ振幅合成し、別々に
像(強度分布)Pr1 ’、Pr2 ’を作ることで、その
合成像(合成強度分布)の焦点深度が増大する原理は作
用の項で述べた通りである。
【0037】図7は偏光状態制御部材PCMの第2の実
施例による構造を示す。本実施例では、図6と同様に中
心の円形透過部FAと周辺の輪帯状透過部FBとは互い
に直交する偏光方向の直線偏光のみを通す偏光板となっ
ている点は全く同じであるが、その射出側の全面にさら
に1/4波長板FCを設けた点が異なる。1/4波長板
FCの軸方向(入射光束に対して結晶の屈折率の高い方
向)は、円形透過部FAを透過した直線偏光と輪帯状透
過部FBを透過した直線偏光とを、それぞれ逆の(左・
右)円偏光に交換する軸方向としてある。ここで、1/
4波長板FCの波長とは、もちろん露光光の波長λであ
る。1/4波長板FCの材質は水晶等の複屈折物質を用
いる。さて、図7(A)、(B)に示した偏光状態制御
部材PCMを透過した結像光束の偏光状態は、図7
(C)に示す如く、透過部FAの部分では、例えば右回
り円偏光になり、周辺透過部FBの部分では左回り円偏
光となっており、互いに干渉し合わない偏光状態にな
る。当然ながら、この円偏光状態は中心透過部FAの透
過光が左回りで周辺透過部FBの透過光が右回りである
ように1/4波長板FCと偏光板FA、FBの回転方向
を定めてもよい。
【0038】以上の第1、第2の実施例では、投影光学
系PL中の偏光状態制御部材PCMが偏光板で構成され
ているため、投影光学系PLを透過すべき本来の光量の
うち半分の光量は偏光状態制御部材PCMとしての偏光
板に吸収されることになる。これは露光パワーの低下も
意味するが投影光学系内に、熱(吸収した露光光のエネ
ルギー)が蓄積することとなり、光学系や硝材の安定性
という点で問題となる。
【0039】そこで、この熱の問題(露光パワーの損
失)を解決する実施例を図8、9、10、11、12を
参照して説明する。本実施例では、照明光ILBの偏光
特性が重要になるので、まずそのことから説明する。図
8は照明光学系中に設ける偏光制御部材6のいくつかの
実施例を示したものである。図8(A)は偏光制御部材
6として偏光板6Aを用いる例であり、ランダム偏光で
ある水銀ランプ1からの入射光は特定の直線偏光となっ
て射出される。図8(B)は偏光制御部材6として偏光
板6Aと1/4波長板6Bとを組み合わせた例を示す。
このときも、ランダム偏光である入射光は、偏光板6A
によって先ず直線偏光にされ、次に1/4波長板6Bに
より、右回りまたは左回りのいずれか一方の円偏光とな
って射出される。このときも1/4波長板6Bの軸方向
は偏光板6Aからの直線偏光を円偏光に変換する軸方向
としておく。また光源からの光束(入射光束)自体が、
直線偏光の場合、例えばレーザ光源を使用した場合に
は、レチクルRに達する照明光ILBは偏光制御部材6
は設けなくても直線偏光となっている。しかしながら、
後述する投影光学系内の偏光状態制御部材の構成によっ
ては、図8(C)に示す如く、1/4波長板6Bのみを
偏光制御部材6として設けて、円偏光にしておくとよ
い。この場合の1/4波長板6Bの軸方向も上述した通
りに設定される。
【0040】さて、図8に示したような、偏光制御部材
6を用いてレチクルRへの照明光ILBの偏光特性を揃
えておくと、コンタクトホールパターンを透過、回折し
て、投影光学系PL中の偏光状態制御部材PCMに達す
る結像光束も特定の直線偏光又は円偏光に揃った状態と
なっている。そこで照明光ILBが直線偏光に揃ってい
る場合に好適な偏光状態制御部材PCMの構造を第3の
実施例として図9に示す。図9(A)は偏光状態制御部
材PCMとして1/2波長板を使用する例である。図9
(A)は偏光状態制御部材PCMに入射する直前の光の
偏光状態を示し、ここでは同図中で上下方向に電場の振
動面をもつ直線偏光であるものとする。図9(B)は偏
光状態制御部材PCMの平面構造を示し、半径r1 の円
形透過部FA1 は1/2波長板で構成され、周辺の輪帯
状透過部FA2 は透過部FA1 (1/2波長板)とほぼ
同等の厚さ(光学的厚さ)を持った通常の透明板(例え
ば石英)である。この図9の偏光状態制御部材PCMを
通過した直後の光の偏光状態は図9(C)に示すように
円形透過部FA1 の部分偏光状態が左右方向の直線偏光
に変換され、周辺の輪帯状透過部FA2 の部分では偏光
状態は何ら変化しない。このため、先の第1の実施例と
同様に結像光束の中心部と周辺部とで互いに干渉し合わ
ない偏光状態を得ることができる。ここで、透過部FA
1 としての1/2波長板の軸方向(面内の回転)は、入
射する直線偏光の方向をそれと直交する方向に変換する
軸方向に設定されるが、1/2波長板の軸方向と照明光
ILBの偏光方向とを最適化するように、偏光状態制御
部材PCMと偏光制御部材6とを面内で回転方向に相対
的に調整できるようにしてもよい。
【0041】一方、図10(B)は偏光状態制御部材P
CMとして、半径r1 の円形透過部FA2 と周辺の輪帯
状透過部FB2 とを共に1/4波長板(同一厚)で構成
した第4の実施例である。この場合も入射する光束は図
10(A)のように全て直線偏光なので、各透過部FA
2 、FB2 の1/4波長板の軸方向を入射光束の偏光状
態に対して最適化することにより、図10(C)に示す
ように円形透過部FA2 を通過した光束は右回りの円偏
光に、輪帯状透過部FB2 を通過した光束は左回りの円
偏光に変換でき、互いに偏光状態の異なる(干渉し合わ
ない)光束(LFa、LFb)を得ることができる。こ
の第4の実施例の場合も、第3の実施例と同様に偏光状
態制御部材PCMとしての1/4波長板の軸方向に合わ
せて、照明光ILBの偏光方向を偏光制御部材6により
調整できるようにしておくとよい。尚、図9(B)に示
した円形透過部FA1 としての1/2波長板は、水晶等
の旋光物質に代えてもよく、その場合でも全く同様に直
線偏光の方向を変換することができる。
【0042】また図11は、円偏光の照明光ILBに対
して好適な偏光状態制御部材PCMの構成を示す第5の
実施例である。この第5の実施例は、基本的には先の第
3の実施例(図9)の偏光状態制御部材PCMと同じも
のを使う。従って図11(B)のように円形透過部FA
1 を1/2波長板で構成するだけで透過光の円偏光状態
を図11(C)に示すように逆にすることができる。周
辺の輪帯状透過部FB1 は透過部FA1 の1/2波長板
と同程度の厚さの透過物体(石英板等)である。尚、図
11(B)の場合も図9(B)のときと同様に、輪帯状
透過部FB1 の方を1/2波長板で構成してもよい。
【0043】図12は、円偏光の照明光ILBに対して
好適な第6の実施例による偏光状態制御部材PCMの構
成を示し、先の図10の場合と全く同一のものでよい。
すなわち、円形透過部FA2 と輪帯状透過部FB2 とを
それぞれ1/4波長板で構成し、各1/4波長板の軸方
向を互いに直交するように調整して組み合わせておく。
この図12の場合、各透過部FA2 、FB2 の透過光は
図12(C)のように互いに直交した直線偏光となる。
【0044】以上、図11、図12のように入射光束
(照明光ILB)が円偏光であると、1/2波長板や1
/4波長板の軸方向を照明光の偏光特性に合わせて回転
調整する必要がなくなるので好都合である。以上のよう
に図8に示した偏光制御部材6と図9〜図12の夫々に
示した偏光状態制御部材PCMを用いると、先に述べた
ような偏光状態制御部材PCMでの露光エネルギーの吸
収の問題がなくなり、投影光学系PL内での熱蓄積が押
さえられる点で極めて好都合である。しかしながら、今
度は照明光学系中で照明光ILBを1つの偏光状態に揃
えることに伴う光量損失(半分以上)が問題点として残
る。そこで照明光の光量損失を低減させた照明系の一例
を、第7の実施例として図13を参照して説明する。図
13の系は図4中の偏光制御部材6の代わりに設けられ
るものである。先ず、図13(A)において入射光束は
2つの偏光ビームスプリッター6C、6Dにより分割、
合成される。すなわち、1番目の偏光ビームスプリッタ
ー6CではP偏光(上下方向の偏光)成分が透過して2
番目の偏光ビームスプリッター6Dも透過して直進す
る。一方、ビームスプリッター6Cで分割されたS偏光
(紙面と垂直な方向の偏光)成分はミラー6E、6Fを
介してビームスプリッター6Dで合成され、P偏光成分
と同軸になって進む。このとき、ミラー6E、6Fの光
路によってP偏光とS偏光とに光路差2×d1 を与え
る。従って入射光束の時間的コヒーレント長ΔLcが2
d1 より短かければ、合成後のP偏光成分とS偏光成分
とは、偏光方向が相補的であることの他に時間的にもイ
ンコヒーレント(非可干渉)になる。これら2つの偏光
成分を持った照明光が使われ、偏光状態制御部材PCM
として図9のものが使われると、図14に示す通り、偏
光状態制御部材PCMに入射するとP偏光成分(例えば
白ヌキの矢印方向)とS偏光成分(例えば黒ヌリ矢印方
向)は、それぞれ図14(C)のように偏光状態制御部
材PCMを透過した後では互いに干渉し合わない4つの
光束となる。すなわち円形透過部FA1 (1/2波長
板)では元の偏光方向が90°だけ回転させられる。こ
の4つの光束はそれぞれ偏光方向が異なるとともに、透
過部FA1 、FB1 の夫々で偏光方向が同一であっても
時間的にインコヒーレントであるために干渉し合うこと
はない。すなわち、透過部FA1 を通過したS偏光成分
はP偏光成分に変換され、透過部FB1 を透過したP偏
光成分と同一偏光方向となるが、その2つの光は時間的
にインコヒーレントであるので干渉しない。もし、図1
3(A)のような構成の偏光制御部材からの照明光を用
いないと、図14のP偏光とS偏光は時間的にはコヒー
レントのままであるため、偏光状態制御部材PCMを透
過した後の各光束も偏光方向が同じであれば互いに干渉
し合うこととなり、本発明の効果は薄らぐ。図13
(A)に示した系は合成すべき2つの偏光成分の光路長
差を大きくとることができるので、比較的時間的コヒー
レント長の長い光源、例えば狭帯化したレーザ光源等に
適している。
【0045】尚、レーザ光源として直線偏光を使用する
場合は、あえて図13(A)の構成の偏光制御手段を用
いなくても、本発明の効果を得ることができる。ただ
し、直線偏光のレーザ光源に対して図13(A)の如き
偏光制御手段を用いると、照明光を時間的にインコヒー
レントな2つの光束とすることができるため、レーザ光
源使用時に問題となるスペックルや干渉縞(照度ムラ)
を低減することができるという効果がある。この場合、
図13(A)の1段目のビームスプリッター6Cに入射
する直線偏光の偏光方向は、偏光ビームスプリッタ−6
Cに対して図13(A)に示すように、P偏光方向とS
偏光方向との中間(両者から45°方向)の偏光方向L
PLとするとよい。
【0046】ところで、光源が水銀ランプのように比較
的大きなスペクトル幅を有する光源の場合にはその時間
的コヒーレント長は短いので、図13(B)のような簡
単な部材を図4中の偏光制御部材6として用いることが
できる。この部材は石英等の透明平行平板6Gの表面に
偏光反射膜6Hを付け、裏面に金属等で全反射膜6Jを
付けたもので、水銀ランプからのコリメートされた光束
を所定角度で反射するように配置される。このとき、水
銀ランプからのランダム偏光の入射光のうち、S偏光成
分(紙面と垂直な方向)は表面の膜6Hで反射され、P
偏光成分は表面の膜6H、平行平板6Gを透過して裏面
の膜6Jで反射され、S偏光成分とP偏光成分とにはほ
ぼ平行平板6Gの厚さ(光学的厚さ)のほぼ2倍に相当
する光路差が与えられる。
【0047】例えば水銀ランプからのi線の場合、中心
波長λが365nm、波長幅Δλが5nm程度なので、
一般に使われるコヒーレント長の式、ΔLc=λ2 /Δ
λより、コヒーレント長ΔLcは26μm程度となる。
従って十分に薄い平行平板6G(例えば1mm厚程度)
であっても、時間的コヒーレンスを消すために十分な光
路長差を与えることができる。
【0048】次に、以上の図13(A)、又は13
(B)の偏光制御手段と図9の偏光状態制御部材PCM
とを組み合わせた第8の実施例を図15により説明す
る。この実施例では図13(A)、又は(B)の系の射
出側に1/4波長板を設けて2つの直線偏光を、図15
(A)に示すように互いに逆方向の円偏光に変換してお
く。このとき偏光状態制御部材PCMを透過した後の光
束は図15(C)に示すようになり、同様に干渉し合わ
ない4つの光束となっている。図15(C)において例
えば透過部FA1 を通った左回りの偏光成分(白ヌキ矢
印)と透過部FB1 を通った左回りの偏光成分(黒ヌリ
矢印)とは時間的にインコヒーレントであるため、互い
に干渉しない。
【0049】図16は偏光状態制御部材PCMの第9の
実施例による構造を示し、中心の円形透過部FA1 とそ
の直近の周辺の輪帯透過部FB2 と、さらにその周辺の
輪帯透過部FB3 との3重構造となっている。ここで円
形透過部FA1 と最外の輪帯透過部FB3 とは同じ偏光
状態を透過する偏光板であり、中間の輪帯透過部FB2
はそれらと直交する偏光状態を通す偏光板であり、偏光
方向は図16(C)に示すようになる。ここで中間の輪
帯透過部FB2 の透過光と円形透過部FB1 の透過光と
が作る光束による焦点深度が増大する原理は先に述べた
通りだが、円形透過部FA1 と最外の輪帯透過部FB3
の透過光束は同じ偏光状態であり、ウェハWへの入射角
度範囲もsinθ=0(垂直入射)からNAwまでと広
い範囲となっている。しかしながら、円形透過部FA1
と輪帯透過部FB3 とは一種の3重焦点フィルターを構
成するため、大きな焦点深度を得ることができる。その
3重焦点フィルターについては、昭和36年1月23日
付で発行された。機械試験所報告第40号の「光学系に
おける結像性能とその改良方法に関する研究」と題する
論文中の第41頁〜第55頁に詳しく述べられている。
【0050】図17は図16の偏光状態制御部材PCM
の変形例を示し、円形透過部FA1と最外の輪帯透過部
FB3 は同じ偏光成分を通す偏光板であり、中間の輪帯
透過部FB2 はそれらと直交する方向の偏光成分を通す
偏光板である。ただし、円形透過部FA1 には、図17
(A)に示すように、さらに最外の輪帯透過部FB3の
透過光に対して光路長差を1/2波長だけずらす位相板
(位相膜)FC2 を設けてある。これにより、円形透過
部FA1 と最外の輪帯透過部FB3 との各透過光の位相
(振幅)を反転させることで、その部分で2重焦点フィ
ルターを形成し、焦点深度の増大効果が得られる。もち
ろん中間の輪帯状透過部FB2 からの光束もウェハWへ
の入射角度範囲が狭いため、焦点深度の増大に寄与す
る。尚、図16、17に示した各透過部FA1 、FB2
、FB3 は面積的にほぼ等しくなるように各径を決め
ておくと最大の効果が得られる。このことは、先の図3
に示した光路長差ΔZを各透過部FA1 、FB2 、FB
3 の夫々の光束によってほぼ等分することを意味する。
【0051】さて図18は偏光状態制御部材PCMの第
10の実施例であって、2重の輪帯透過部FAと、FB
とで構成され、さらに中心に円形遮光部FD1 を設けた
ものである。このとき結像光束のウェハWへの入射角度
範囲は、遮光部FD1 の半径をK1 とすると、図18
(C)のようにsinθK1からNAwまでの2光束(透
過部FA,FBの各透過光)に限定される。このとき遮
光部FD1 を含めて考えると、入射角度範囲NAw内に
存在する結像光束は3分割されるため、1つの光束の角
度範囲(デフォーカスによる光路長差ΔZ)も3分割さ
れ、それだけ、デフォーカス時に悪影響する光路差が減
少する。これによって、さらなる焦点深度の拡大が図れ
る。
【0052】図19は図18に示した透過部FAと遮光
部FD1 との関係を逆にし、輪帯状遮光部FD2 を設け
たものである。このとき遮光部FD2 の幅はK2 −K1
であり、図19(C)に示すように入射角度範囲θK2−
θK1の間で結像光束の一部が遮蔽される。この図19の
場合も図18の場合と同等の効果が得られる。ところ
で、図16〜19に示した偏光状態制御部材PCMで
は、中心円形透過部,又は輪帯透過部を偏光板としたが
図9〜図12に示した如く1/4波長板、1/2波長板
あるいは旋光物質を用いてもよい。また図18、19中
の遮光部FD1 、FD2 は、例えば偏光板や波長板上に
金属膜等を蒸着した遮光膜でもよく、さらには偏光状態
制御部材PCMとは離して設けられた金属板等でもよ
い。
【0053】また、遮光部FD1 、FD2 、あるいはそ
れと均等の遮光板は、露光波長についてのみ遮光すれば
よいので、誘電体薄膜等による光学的なシャープカット
フィルター等を用いて、露光波長(紫外光)等の短波長
域を吸収してしまうものでもよい。このようにすると、
例えばHe−Neレーザーを光源としてウェハW上のア
ライメントマークを照射し、その反射光等を投影光学系
PLを介して検出するTTL方式のアライメント系を使
う場合、瞳面に位置する遮光部FD1 、FD2、又は遮
光板がマークからの反射光に対して悪影響(遮光)を与
えるなどの問題はなくなる。あるいはウェハマーク照明
用のレーザビームやマークからの反射光が通る上述の金
属等の遮光板又は遮光部FD1 、FD2 上の位置だけ透
過領域としてもよく、その面積が小さければ本発明の効
果を特に損なうものとはならない。
【0054】図20は、第11の実施例としてのTTL
アライメント系の一例を示し、ウェハW上に格子マーク
GRが形成され、このマークGRの格子ピッチ方向の位
置ずれを検出するものとする。ここで図20(A)は紙
面上の左右方向がピッチ方向となるような方向からアラ
イメント系を見たもので、図20(B)は図20(A)
の系を90°回転した方向から見たものである。レチク
ルRの上方に設けられたアライメント光学系の対物レン
ズOBJからはコヒーレントなレーザビーム(He−N
e)ALB1 、ALB2 の2本が、ミラーMRで反射さ
れて面CFで交差した後、レチクルRの周辺の窓RMを
介して投影光学系PLに入射する。まず図20(A)に
示すように、2本のビームALB1 、ALB2 は、瞳に
位置する偏光状態制御部材PCMに形成された屈曲性補
正素子PG1 、PG2 の夫々に入射し、ここで投影光学
系PLの軸上色収差分に対応した量で2本のビームAL
B1 、ALB2 の進行方向を変える。これによって2本
のビームALB1 、ALB2 はウェハW上の格子マーク
GRを、そのピッチ方向に関して対称的に傾いた角度で
照射する。このとき、格子マークGRのピッチPg、ビ
ームALB1 、ALB2 の波長λa、及びビームALB
1 、ALB2 の入射角θaが、sinθa=λa/Pg
を満たしていると、ビームALB1 の照射によって格子
マークGRから発生した+1次回折光と、ビームALB
2 の照射によってマークGRから発生した−1次回折光
とは、図20(A)のように2本のビームALB1 、A
LB2の丁度中間の光路を同軸となって干渉ビームAD
Lとして逆進する。この干渉ビームADLは偏光状態制
御部材PCMに形成された屈曲性補正素子PG3 で進行
方向を変えられ、レチクルRの窓RMを通ってアライメ
ント光学系の方へ戻っていく。このとき、図20(B)
にも示すように、ウェハWのマークGRに達する2本の
ビームALB1 、ALB2 はピッチ方向と直交する方向
(非計測方向)に関して傾斜しているため、干渉ビーム
ADLも傾斜して発生する。また図20(A)に示すよ
うに、2本のビームALB1 、ALB2 は面CFで交差
するとしたが、実際は面CFを窓RMの位置に一致させ
ることができる。すなわち2本のビームALB1 、AL
B2 に対して生ずる軸上色収差分をほぼ完全に補償する
ことができる。さらに図20(B)のように2本のビー
ムALB1 、ALB2 を非計測方向に関してテレセント
リックな条件からずらして窓RMに入射させることによ
って、倍率色収差分を補償することができる。尚、対物
レンズOBJの光軸AXaはレチクルRに対して垂直に
設定される。
【0055】マークGRの位置ずれ計測にあたっては、
2つの方法がある。その1つは、2本のビームALB1
、ALB2 の交差によってマークGR上に形成される
干渉縞を基準にしてマークGRのピッチ方向の位置ずれ
を検出するものである。そのためには、アライメント光
学系内に、戻ってきた干渉ビームADLを光電検出する
光電センサーを設け、その出力信号レベルを計ればよ
い。もつ1つの方法は、2本のビームALB1 、ALB
2 の間にわずかな周波数差(例えば20〜100KHz
程度)を与え、マークGR上に生成された干渉縞をその
周波数差に応じた速度で走らせるヘテロダイン法であ
る。この場合、2本のビームALB1 、ALB2 の周波
数差をもつ基準交流信号を作り、光電センサーからの出
力信号(ヘテロダインの場合、干渉ビームADLはビー
ト周波数で強度変化しているため、交流信号となる)と
の間で位相差を求めることで、マークGRの位置ずれが
計測できる。
【0056】このように、投影光学系PLの瞳面に、色
収差補償用の屈曲補正素子PG1 、PG2 、PG3 を設
ける場合、それらの配置によっては図18、19で示し
た遮光部FD1 、FD2 (又は遮光板)の形状と位置的
に干渉してしまうこともある。しかしながら、この種の
アライメント方式のビームALB1 、ALB2 、又は干
渉ビームADLは極めて小さなスポット径であるため、
補正素子PG1 、PG2 、PG3 の夫々の寸法も極めて
小さくてよい。通常、補正素子PG1 〜PG3は透明な
硝材の表面にエッチング等によって位相格子として作り
込まれる。そのため先にも述べたように、遮光部FD1
、FD2 が位置的に干渉するときは、その位置の遮光
部のみを透明部にしておけばよい。
【0057】また図20では、補正素子PG1 〜PG3
を偏光状態制御部材PCM上に直接形成するように示し
たが、補正素子PG1 〜PG3 を形成した通常の石英板
を瞳面に固定的に配置し、偏光状態制御部材PCMはそ
の石英板の極近傍に挿脱可能に配置するようにしてもよ
い。尚、投影光学系PLの瞳面内の中心部に小さな径の
補正レンズ(凸レンズ)を設け、それによってアライメ
ントビームの色収差分を補償する方式が、例えばUS
P.5,100,237に提案されている。この場合、
その補正レンズの部分に露光波長に対する透過率が小さ
く、アライメントビームの波長に対する透過率が極めて
高いダイクロイック膜を蒸着しておくと、図18に示し
た偏光状態制御部材PCMの中心遮光部FD1 と実質等
価なものが容易に構成できる。ただし、上記USP.
5,100,237には、図18のような透過部FA、
FBも同時に設けておくことについては全く示唆されて
いない。
【0058】また図4に示したウェハステージWSTの
駆動ユニット22のうち、ウェハWを光軸方向に微動さ
せる制御の中に、従来のFLEX法の機能を持たせても
よい。FLEX法の併用により本発明による焦点深度の
増大効果を飛躍的に増大させることができる。本発明は
投影型露光装置であればどのタイプのものにも適用でき
る。例えば投影レンズを用いたステッパータイプのもの
でもよく、あるいは反射屈折光学系を用いたステップア
ンドスキャン型のものであっても1:1のミラープロジ
ェクションタイプのものであってもよい。特にスキャン
タイプ(ステップアンドスキャン)やミラープロジェク
ション方式では、レチクルやウェハを投影光学系の光軸
と垂直な面内で走査移動させながら露光するため、従来
のFLEX法の適用が難しいとされていたが、本発明は
そのような走査型の露光方式の装置に極めて簡単に適用
できるといった利点がある。
【0059】そこで等倍のミラープロジェクション方式
のアライナーに本発明を適用した場合を第12の実施例
として図21、22を参照して説明する。図21におい
て、水銀ランプ(Xe−Hg)ランプ1からの照明光は
照明光学系ILSを介してレチクル(マスク)R上で円
弧スリット状の照明領域内に投射される。レチクルRは
1次元走査可能なレチクルステージRSTに保持され、
ウェハステージWSTと同期して同一速度で移動する。
投影光学系はレチクル側とウェハ側の夫々に反射面MR
1 、MR4 を有する台形状の光学ブロックと、大きな凹
面ミラーMR2と小さな凸面ミラーMR3 とで構成さ
れ、凸面ミラーMR3 の曲率半径に対して凹面ミラーM
R2 の曲率半径は約2倍に設定されている。この図21
のような系の場合、凸面ミラーMR3 の表面がレチクル
パターン面(又はウェハ面)に対するフーリエ変換面F
TPに一致していることが多い。
【0060】このとき、レチクルR上の点Prから発生
した結像光束は主光線LLPに沿って、反射面MR1 、
凹面ミラーMR2 の上側、凸面ミラーMR3 の全面、凹
面ミラーMR2 の下側、及び反射面MR4 の順に進み、
ウェハW上の点Pr’に収斂する。このように凸面ミラ
ーMR3 の表面が系の瞳面となっているときでも、今ま
で述べてきた各実施例で使用した偏光状態制御部材PC
Mがそのまま、あるいは若干の変形によって同様に用い
ることができる。
【0061】具体的には図22に示すように偏光状態制
御部材PCMを凸面ミラーMR3 の直近に配置し、凹面
ミラーMR2 から凸面ミラーMR3 へ入射してくるとき
と、凸面ミラーMR3 から凹面ミラーMR2 へ射出して
いくときとの2回(往復)の光路で、結像光束の偏光状
態を制御するようにすればよい。ただし、中心の円形
(又は輪帯)透過部FAと周辺の輪帯透過部FBとがい
ずれも図6、図16、図18、図19に示すように、単
純に偏光板のみで構成されているときは、そのまま使用
することができるが、透過部FA、FBの一部に1/2
波長板や1/4波長板を用いた図7、図9〜図12、図
17の構成を使用するときは、往復の光路で2倍の偏光
作用を受けることを考慮して1/2波長板は1/4波長
板に、1/4波長板は1/8波長板にそれぞれ変更する
必要がある。
【0062】またエキシマレーザを光源とする投影露光
装置では、投影光学系の瞳面に、フライアイレンズ等の
射出側に形成される2次光源面(多数の点光源)が再結
像されるため、その瞳面に光学素子(レンズ、反射面、
開口絞り、PCM等)を配置すると長期間の使用によっ
て、その光学素子が収斂した光源像のために劣化する可
能性がある。そのため偏光状態制御部材PCM等は瞳面
に厳密に配置するのではなく、むしろ若干ずらして配置
した方が好ましい。
【0063】また以上の各実施例では、図4中の偏光制
御部材6を照明光学系内に設けたが、この偏光制御部材
6は投影光学系PL内の偏光状態制御部材PCMに達す
る直前までの光路中であれば、どこに配置してもよい。
例えば光源として直線偏光レーザを用い、偏光制御部材
6としての1/4波長板をレチクルRと投影光学系PL
との間に挿入し、レチクルRから発生する結像光束の全
体を円偏光に変換してもよい。
【0064】ところで、この種の露光装置に使われる投
影光学系のレンズや反射面は極めて均一な硝材で作られ
ているため、投影光学系に入射する光束の偏光方向と射
出する光束の偏光方向とがよく一致しているはずである
が、わずかにずれてくることも起こり得る。この場合、
偏光状態制御部材PCMを理想的に配置しても、2つの
光束LFa、LFbの偏光方向が完全に相補的な関係に
ならないことになる。しかしながら、その相補的な関係
からのずれはわずかな量でしかないため、本発明の効果
を大きく損なうことは皆無である。
【0065】次に本発明の各実施例によって得られる作
用、効果について、シミュレーション結果をもとに説明
する。図23(A)は以下のシミュレーションに用いた
1辺がウェハ上で0.3μmに相当する正方形のコンタ
クトホールパターンPAであり、以下のシミュレーショ
ンでは図23(A)中のA−A’断面でのウェハ上での
像強度分布を扱うものとする。図23(B)は先の図6
に示した偏光状態制御部材PCMを示すもので、中心の
円形透過部FAの半径r1 と瞳の最大半径r2との比r1
/r2 は、原理説明のところで述べたようにNA1 /
NAw=0.707になるように定められている。すな
わち、透過部FAを通った結像光束の最大入射角をθ1
とすると、sin2 θ1 =1/2(NAw2 )を満たす
ように決められている。尚、以下のシミュレーション
は、全てNAw=0.57、露光波長はi線(波長0.
365μm)という条件のもとで行った。また照明光束
のコヒーレンスファクターであるσ値は0.6とした。
さて図23(C)、(D)、(E)はパターンPAのウ
ェハ上での像強度分布を示し、それぞれベストフォーカ
ス位置での強度分布I1 、1μmのデフォーカス位置で
の強度分布I2 、2μmのデフォーカス位置での強度分
布I3 である。また図23(C)、(D)、(E)中の
Ethはウェハ上のポジ型フォトレジストを完全に除去
(感光)させるに必要な強度を示し、Ecはポジレジス
トが溶解(膜ベリ)し始める強度を示す。各強度分布の
縦方向の倍率(露光量)はベストフォーカスでのコンタ
クトホール径(Ethを横切るスライス部の幅)が0.
3μmとなるように設定した。比較のために図24
(A)、(B)、(C)にそれぞれ通常の露光装置(制
御部材PCMを取り除いたもの)によるベストフォーカ
ス位置での強度分布I7 、1μmのデフォーカス位置で
の強度分布I8 、2μmのデフォーカス位置での強度分
布I9 を示す。このときのシミュレーション条件も同様
にNAw=0.57、波長λ=0.365μm、σ=
0.6である。
【0066】この図24(A)〜(C)と先の図23
(D)〜(F)とを比較すると、デフォーカス時の像強
度の変化(コントラスト低下)が減少し、焦点深度が増
大することがわかる。一方、図25は通常の投影露光装
置にFLEX法を組み合わせたときの像強度分布I10、
I11、I12の変化を表したものである。FLEX法の露
光条件はベストフォーカス位置と、±1.25μmだけ
デフォーカスした位置の夫々とで各1回の計3回の分割
露光とした。この図25のシミュレーション結果と図2
3(C)〜(E)のシミュレーション結果とを比較する
と、本発明での焦点深度の増大効果はFLEX法と同程
度に得られることがわかる。図26は本発明の実施例中
の図18に示した偏光状態制御部材PCMを用いた場合
のシミュレーション結果を示す。このとき図26(B)
に示すように偏光状態制御部材PCMの中心の円形遮光
部FD1 の半径K1 は0.31r2 (すなわちsinθ
K1=0.31NAw)の関係に決定され、その外側の中
間の輪帯状透過部FAの半径K2 は0.74r2 (すな
わちsinθK2=0.74NAw)の関係に設定されて
いるものとする。もちろん露光条件として、NAw=
0.57、σ=0.6、λ=0.365μmはそのまま
である。この図26(B)のような制御部材PCMで
も、図26(C)、(D)、(E)に示す通りベストフ
ォーカス位置での強度分布I4 、1μmのデフォーカス
位置での強度分布I5 、2μmのデフォーカス位置での
強度分布I6 の如く、十分な焦点深度増大効果が得られ
る。
【0067】図27は比較のために従来のSuper
FLEX法でのシミュレーション結果を示したものであ
る。図27(A)、(B)、(C)は開口数NAwが
0.57で、瞳中心点から0.548NAwの半径内の
部分の複素振幅透過率を−0.3にしたフィルターを瞳
に設けたときに得られるベストフォーカス位置での強度
分布I13、1μmのデフォーカス位置での強度分布I1
4、2μmのデフォーカス位置での強度分布I15を示
す。Super FLEX法では図27のようにベスト
フォーカス位置での中央強度が高く、プロファイルがシ
ャープであるが、デフォーカス量による中心強度低下
は、ある量から急峻に起こっている。しかしながら焦点
深度の拡大効果としては、図23、図26に示した本発
明による効果と同程度である。ただし、Super F
LEX法では本来の像(中心強度)の周辺に、図27
(A)に示すようなサブピーク(リンギング)が発生す
る。これは、図27でシミュレーションのモデルとなっ
た孤立したコンタクトホールパターンPAでは問題ない
が、後述する近接した複数のコンタクトホールパターン
への適用時に大きな問題となる。
【0068】図28(A)、(B)、(C)はそのよう
なリンギングを防止するために、図27でシミュレーシ
ョンモデルとしたSuper FLEX法の瞳フィルタ
ーよりも作用を弱めたフィルターを用いた場合のシミュ
レ−ション結果を示す。この場合、投影光学系の開口数
NAwは0.57とし、瞳中心部の半径0.447NA
wに相当する部分内の複素振幅透過率を−0.3とした
フィルターを用いる。図28(A)〜(C)はそれぞれ
ベストフォーカス位置での強度分布I16、1μmのデフ
ォーカス位置での強度分布I17、2μmのデフォーカス
位置での強度分布I18を示し、確かに図27の場合に比
べてリンギングは弱くなるが、同時に焦点深度の増大効
果も低減してしまう。
【0069】図29(A)〜(D)は、近接した2つの
コンタクトホールパターンPA1 、PA2 が例えば図2
9(E)のように中心間距離0.66μm(ウェハ上換
算)だけ離れて並ぶ場合に、各種露光方法で得られる像
強度分布をシミュレーションした結果を示す。図29
(A)は、図14と同じシミュレーション条件によるS
FINCS法(本発明)によって得られた像強度分布を
示し、図29(B)は従来のFLEX法によって得られ
た像強度分布を示し、図29(C)は図27と同じ条件
でのSuper FLEX法(1)で得られた像強度分
布を示し、そして図29(D)は図28と同じ条件での
Super FLEX法(2)で得られた像強度分布を
示し、いずれの強度分布もベストフォーカス位置でのも
のである。このシミュレーション結果からわかるよう
に、図29(A)、(C)、(D)で得られる像は、2
つのホール像の間の強度が膜ベリ強度Ecより低いた
め、両ホール間のレジスト(ポジ型)は完全に残膜し、
両ホールのレジスト像は分離して良好に形成される。と
ころが、図29(B)に示したFLEX法では、2つの
ホール像の間の強度が十分に低くなく、両ホール間のレ
ジストが膜ベリし、良好なパターンは形成できない。す
なわち、わずかな露光量のちがいによって、2つのコン
タクトホールの像がつながってしまうこともある。この
ように孤立的なコンタクトホールパターンの投影時の焦
点深度は本発明のSFINCS法と従来のFLEX法と
では同程度の拡大効果が得られたが、近接したホールパ
ターンの解像度(忠実度)の点では本発明のSFINC
S法の方がFLEX法より優れていることがわかる。
【0070】尚、図29(C)、(D)のシミュレーシ
ョンでは一方のホールパターンによるリンギングのピー
ク部が他方のホールパターンの中心強度部と重なるよう
な条件で2つのホールパターンPA1 、PA2 の中心間
距離を定めたので、2つのホールパターン像の間にはリ
ンギングの影響が現れない。このことは逆に、2つのホ
ールパターンPA1 、PA2 の中心間距離が先の条件
(ウェハ上で0.66μm)と異なってくると、リンギ
ングの影響が現れることを意味する。
【0071】図30は中心間距離が0.96μm(ウェ
ハ上換算)で並んだ2つのコンタクトホール像のベスト
フォーカス位置での強度分布のシミュレーション結果で
ある。図26に示した条件でのSFINCS法(本発
明)による像強度分布I23は、図30(A)のように2
つのホール像の間が十分に暗く、良好なレジストパター
ンが形成できる。ところが、図27に示した条件でのS
uper FLEX法(1)では、図30(B)の強度
分布I24のように、2つのホールパターンの夫々による
リンギングが合成(加算)されてしまい、2つのホール
像の中間に明るいサブピーク(膜ベリ強度Ec以上)が
生じ、この部分のレジストが膜ベリしてしまう。このた
め、良好なレジスト像を得ることができない。一方、図
28に示した条件でのSuper FLEX法(2)に
よって中心間距離が0.96μmの2つのホールパター
ンを投影すると、その像強度分布I25は図30(C)に
示すようになる。このように比較的効果の弱いSupe
r FLEX法(2)の場合は、リンギングが少なく膜
ベリもないため、良好なレジスト像を得ることができ
る。ところが、この条件では図28で説明した通り、本
発明でのSFINCS法に比べて十分な焦点深度拡大効
果を得ることができない。
【0072】図31は、その他の投影露光法として、投
影光学系の瞳面に瞳の実効的な半径r2 に対して0.7
07倍の半径(NAw×0.707)をもつ円形遮光板
のみを配置したときに得られる孤立したホールパターン
の像強度分布I26を示したものである。この場合も、や
はり本来の像の周囲にリンギングが生じることになり、
近接したコンタクトホールパターンの投影露光への適用
は難しい。
【0073】図32は近接した複数のコンタクトホール
の例として、DRAM中のメモリーセル部に使われるコ
ンタクトホールパターンPA1 、PA2 、PA3 、PA
4 の2次元的な配列の一例を示すものである。このよう
なホールパターン群に対してSuper FLEX法を
使うと、各ホールの周囲にはリンギング(サブピーク)
Ra、Rb、Rc、Rdが生じ、それらが重なる領域R
oでは4つのリンギングの夫々のピーク強度が重なり合
うことになる。このような場合には2個のホールパター
ン(2つのリンギングが重なる)のみの場合には膜ベリ
の発生しなかった比較的効果の弱いSuper FLE
X法(2)であっても、サブピークの大きさが図30
(C)に示す状態の約2倍となり、やはり膜ベリ強度E
c以上となるため、良好なパターン転写ができなくな
る。すなわち、ウェハ上の領域Roの位置に本来レチク
ル上には存在しないホールの像(ゴースト像)を形成し
てしまうことになる。
【0074】一方、本発明によるSFINCS法であれ
ば図30(A)に示すように、2つのホールパターンの
中間の光強度分布は膜ベリ強度Ecの1/2以下である
ので、図32に示した領域Ro内では、その加算強度が
図30(A)の状態からさらに2倍となっても膜ベリ強
度Ec以下にすることができる。以上、本発明の各実施
例とその作用について説明したが、レチクルRへの照明
光ILBに特定の偏光方向を持たせるとき、その偏光方
向の適、不適を判断したり、あるいは偏光状態制御部材
PCMを通過した後の結像光束の偏光状態の良否を判断
するために、投影光学系を通った光束の一部を光電検出
する手段をウェハステージWST上に設けてもよい。ま
た、ラインアンドスペースをもつレチクルを使用すると
きは、偏光状態制御部材PCMを投影光学系PL外へ退
出させ、照明系の一部をSHRINC法に適するように
交換可能としてもよい。尚、コンタクトホールパターン
の投影露光時に偏光状態制御部材PCMを用いるととも
に、SHRINC法又は輪帯照明光源等の変形照明系を
併用するようにしてもよい。その場合、露光すべきレチ
クルをコンタクトホール用からラインアンドスペース用
に交換するときは、偏光状態制御部材PCMのみを退出
させればよい。
【0075】また本発明の各実施例に示した偏光状態制
御部材PCMは、円形状、あるいは輪帯状の透過部で構
成したが、これは文字通りの形状に限られるものではな
い。例えば円形状の透過部は矩形を含む多角形に、輪帯
状の透過部はその多角形を環状に取り囲む形状に、それ
ぞれ変形してもよい。さらに、偏光状態制御部材PCM
は、中心の円形透過部を取り囲んで最大2重の輪帯透過
部で構成するようにしたが、その輪帯透過部はそれ以上
に分割した構成にしてもよい。その場合、円形透過部と
n重の各輪帯透過部の夫々の面積はほぼ等しくなるよう
に、すなわち瞳の実効的な開口面積をn+1等分するよ
うな面積に設定される。
【0076】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、光路内
空間に対し、外気や、駆動機構によって発生する塵埃の
進入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の投影露光方法を説明する図である。
【図2】本発明の投影露光方法を実施するための原理的
な構成を示す図である。
【図3】本発明の露光方法により焦点深度が増大する原
理を説明する図である。
【図4】本発明の実施に好適な投影露光装置の全体的な
構成を示す図である。
【図5】投影光学系の部分的な構造を示す部分断面図で
ある。
【図6】本発明の第1の実施例による偏光状態制御部材
PCMの構成を示す図。
【図7】本発明の第2の実施例による偏光状態制御部材
PCMの構成を示す図。
【図8】照明光の偏光特性を一様に揃えるための偏光制
御手段の構成を示す図。
【図9】本発明の第3の実施例による偏光状態制御部材
PCMの構成を示す図。
【図10】本発明の第4の実施例による偏光状態制御部
材PCMの構成を示す図。
【図11】本発明の第5の実施例による偏光状態制御部
材PCMの構成を示す図。
【図12】本発明の第6の実施例による偏光状態制御部
材PCMの構成を示す図。
【図13】照明光の偏光特性を互いに異ならせ、同時に
時間的にインコヒーレントにするための第7の実施例に
よる偏光制御手段の構成を示す図。
【図14】本発明の第7の実施例による偏光状態制御部
材PCMの構成を示す図。
【図15】本発明の第8の実施例による偏光状態制御部
材PCMの構成を示す図。
【図16】本発明の第9の実施例による偏光状態制御部
材PCMの構成を示す図。
【図17】図16の構成に対する変形例を示す図。
【図18】本発明の第10の実施例による偏光状態制御
部材PCMの構成を示す図。
【図19】図18の構成に対する変形例を示す図。
【図20】本発明の第11の実施例による構成を示し、
アライメント系を用いたときの投影光学系の構成を示
す。
【図21】本発明の第12実施例によるミラープロジェ
クション方式のアライナーの構成を示す。
【図22】図21のアライナーに、本発明の各実施例に
よる偏光状態制御部材PCMを適用した様子を示す。
【図23】単独のホールパターンに対する本発明のSF
INCS法による効果を像強度分布としてシュミレーシ
ョンしたグラフを示す。
【図24】単独のホールパターンに対する従来の通常露
光法による効果を像強度分布としてシュミレーションし
たグラフを示す。
【図25】単独のホールパターンに対する従来のFLE
X法による効果を像強度分布としてシュミレーションし
たグラフを示す。
【図26】単独のホールパターンに対する本発明のSF
INCS法による効果を像強度分布としてシュミレーシ
ョンしたグラフを示す。
【図27】単独のホールパターンに対する従来のSup
er FLEX法(1)による効果を像強度分布として
シュミレーションしたグラフを示す。
【図28】単独のホールパターンに対する従来のSup
er FLEX法(2)による効果を像強度分布として
シュミレーションしたグラフを示す。
【図29】2個の接近したホールパターンに対する各種
露光法による効果を像強度分布としてシュミレーション
したグラフを示す。
【図30】接近した2個のホールパターンの間隔を図2
9の場合と考えたときに各種露光法による効果を像強度
分布としてシュミレーションしたグラフを示す。
【図31】瞳の中心に円形遮光部のみを設けたときに、
単独のホールパターンの像強度分布にリンギングが生じ
ることを示すグラフ。
【図32】2次元的に分布したコンタクトホールパター
ンとリンギングの発生位置との関係を示す。
【符号の説明】
R・・・レチクル W・・・ウェハ PL・・・投影光学系 AX・・・光軸 PA、PA1 、PA2 ・・・ホールパターン PCM・・・偏光状態制御部材 FA・・・円形状透過部 FB・・・輪帯状透過部 ILB・・・照明光

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】照明光で照明されるマスクのパターンを基
    板に転写する露光装置において、 前記照明光の光路中に配置される光学素子と、 前記光学素子を駆動し、塵埃を生じさせる駆動機構と、 前記光学素子と前記駆動機構の少なくとも一部とを収容
    する空間に、気体を供給する供給手段とを備え、 前記空間に供給された前記気体が、前記空間内に収容さ
    れた前記駆動機構の少なくとも一部を介して排気される
    ことを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】前記駆動機構は、アクチュエータを備え、 前記気体は、前記照明光の光路を挟んだ一方側から供給
    されると共に、前記照明光の光路を挟んだ他方側で、か
    つ前記駆動機構の少なくとも一部及び前記アクチュエー
    タを介して排出されることを特徴とする請求項1に記載
    の露光装置。
  3. 【請求項3】前記マスクのパターンの像を基板に転写す
    る投影光学系を有し、 前記光学素子は、前記投影光学系を構成する2つのレン
    ズの間に配置され、 前記空間は、前記2つのレンズと、該2つのレンズを保
    持する鏡筒とによって形成されることを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の露光装置。
  4. 【請求項4】前記光学素子は、前記投影光学系内の前記
    マスクのパターン面に対する光学的なフーリエ変換面又
    はその近傍に配置されることを特徴とする請求項3に記
    載の露光装置。
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