JPH11191454A

JPH11191454A - 圧接型コネクタの製造方法

Info

Publication number: JPH11191454A
Application number: JP9359305A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Ogino; 勉荻野; Shuzo Matsumoto; 周三松本
Original assignee: Shin Etsu Polymer Co Ltd; Shin Etsu Chemical Co Ltd
Current assignee: Shin Etsu Polymer Co Ltd; Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date: 1997-12-26
Filing date: 1997-12-26
Publication date: 1999-07-13

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】コネクタの導電性細線がねじれて斜めに配列さ
れることのない、かつ切断端部に導電性細線の切断バリ
を生じず、コネクタ周辺に配設された部品との回路ショ
ートを引き起こさない、端部が確実に電気的に絶縁され
たコネクタの製造方法を提供することにある。【解決手段】本発明の圧接型コネクタの製造方法は、成
形部がＵ字状溝をなす成形用下金型２上に、このＵ字状
溝の上縁に沿って、上部に段部４を有しこれと対応する
下部に張出し部７を有する中型３をセットし、絶縁性ゴ
ムシート上に導電性細線が所定のピッチで平行に配列さ
れてなる芯材シート５を前記段部４に載置し、この上方
から芯材押込み型８を成形用下金型２内に押し込み、芯
材シート５を成形用下金型２内にセットした後、この芯
材シート５上にスポンジシリコーンゴム原料からなる切
断品９を載置し、成形用上金型10を被せ、加圧、加熱し
て前記切断品９を発泡させた後、金型から取り出し所定
のサイズに切断することにある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
（ＣＯＧ、ＴＡＢタイプ）と回路基板との接続あるいは
電子回路基板間の接続に用いられる圧接型コネクタの製
造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、電子回路基板間の接続に、弾性を
有する絶縁材の外周面に、多数の金属細線をＵ字状に平
行に配列してなるＵ字型金属線コネクタが用いられてい
る。このＵ字型金属線コネクタ（以下、単にコネクタと
称する）は圧接型コネクタに属し、圧接によりコネクタ
が有する弾性でソフトに接続される。従来、このタイプ
のコネクタは、絶縁性エラストマ上に被覆された絶縁性
ゴムシートの外周面上に、多数の導電性細線をＵ字状に
平行に配列して長尺のコネクタ素材を製造し、次いで切
断刃で所定の長さに切断してコネクタを得ていた。

【０００３】従来のコネクタの製造方法について説明す
ると、先ず、長尺のＰＥＴシート上に、未加硫の絶縁性
シリコーンゴムをシーティングして絶縁性ゴムシートを
形成し、このシート上に金属細線を平行に等ピッチで配
列した後、オーブン中で加熱して１次加硫を行った後、
ＰＥＴシートを剥離して取り去り、より高温のオーブン
中で加熱して２次加硫を行う。このシートを金属細線を
横切る方向に切断して所定の幅のシートを得る。

【０００４】得られたシートを成形部がＵ字状溝をなす
成形用下金型内に金属細線側を成形面に向けてセットす
る。一方、所定の形状に賦形されたスポンジシリコーン
ゴム原料を所定の幅、長さに切断し、この切断品を金型
内で先にＵ字状に成形されたシート上に載置し、上金型
を被せ、加圧、加熱して未加硫のスポンジシリコーンゴ
ムを発泡させた後、金型から取り出し、所定の長さに切
断してコネクタを得ていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記絶縁性シリコーン
ゴム上に金属細線が配列されたシートを、所定のコネク
タ形状を有する金型内にセットしてＵ字状に成形し、ス
ポンジシリコーンゴム原料から切り出した切断品を供給
し発泡させてコネクタを製作する際、金型内にセットさ
れたシートが曲げ弾性により金型内でねじれたり、スポ
ンジシリコーンゴム原料供給時にシートが変形したりし
て、金属細線がコネクタの軸線に対して斜めに配列され
た図３（ｂ）に示すようなコネクタが形成される。図３
において、このコネクタａと回路基板ｂの電極ｃとの接
続の様子を示す。（ａ）は正常な接続状態を示し、
（ｂ）は不都合な接続状態を示す。この（ｂ）のような
接続では隣接する電極間でのリークを生じる。

【０００６】また、従来の成形用金型を用いて成形した
場合は、スポンジシリコーンゴムの硬化収縮により図４
（ｂ）に示したような断面形状が変形したコネクタとな
ってしまい、このようなコネクタを実装すると接続不良
を起こしたり、あるいはコネクタホルダから脱離するこ
とがある。図４の（ａ）は正常な形状を有するコネクタ
の断面形状を示す。さらに加えて、この従来のコネクタ
は、金属細線上で切断されて形成されるため、前記図３
（ａ）に示すコネクタ左端の金属細線ｄのようにバリを
生じやすく、コネクタａの切断端部が電気的に絶縁され
ていない。

【０００７】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、コネクタの金属細線がねじれて斜めに
配列されることのない、かつ切断端部に金属細線の切断
バリを生じず、コネクタ周辺に配設された部品との回路
ショートを引き起こさない、端部が確実に電気的に絶縁
されたコネクタの製造方法を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のコネクタの製造
方法は、成形部がＵ字状溝をなす成形用下金型上に、こ
のＵ字状溝の上縁に沿って、上部に段部を有しこれと対
応する下部に張出し部を有する中型をセットし、絶縁性
ゴムシート上に導電性細線が所定のピッチで平行に配列
されてなる芯材シートを前記段部に載置し、上方から芯
材押込み型を成形用下金型内に押し込み、芯材シートを
成形用金型内にセットした後、この芯材シート上にスポ
ンジシリコーンゴム原料からなる切断品を載置し、成形
用上金型を被せ、加圧、加熱して前記切断品を発泡させ
た後、金型から取り出し所定のサイズに切断することに
ある。前記コネクタの成形に用いる成形用下金型が、コ
ネクタの収縮量に対応した角度でＵ字状溝底面に対して
外方に傾斜する内壁と、Ｕ字状溝底面にバキューム孔を
有し、成形用上金型が、コネクタの収縮量に対応する曲
率で形成された成形面を有する金型を用いるのが好まし
い。

【０００９】

【発明の実施の態様】本発明の製造方法によって得られ
たコネクタの一例を図２に示す。コネクタ21は、横断面
形状がＵ字状をなす絶縁性ゴムシート22の外周面上に導
電性細線23が絶縁性ゴムシート22の幅方向に沿ってＵ字
状に敷設され、かつ長さ方向に等ピッチで配列されてい
る。この絶縁性ゴムシート22はスポンジシリコーンゴム
24上に断面視Ｕ字状に被覆されている。コネクタ21の両
端部には絶縁性端部25，25が形成され、図２（ａ）に示
すコネクタの絶縁性端部25はスポンジシリコーンゴム24
が露出してなり、図２（ｂ）に示すコネクタの絶縁性端
部25は絶縁性ゴムシート22とスポンジシリコーンゴム24
からなっている。コネクタの適正な圧縮率は10〜60％、
好ましくは20〜40％である。なお、Ｌ、Ｗ、Ｈはそれぞ
れ順にコネクタの長さ、幅、高さを示す。

【００１０】本発明で用いられる絶縁性ゴムシートは、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンニトリル等のようなポリエステルフ
ィルムやポリイミドフィルム等のフィルム上に、クロロ
プレンゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブチル
ゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等から選択したゴム材
料を、例えばトッピング法によって厚さ50〜 200μｍ程
度に塗布したもので、この厚さのバラツキは好ましくは
±５μｍ以下とされる。これは厚さのバラツキ（Ｒmax
）が10μｍを超えると、導電性細線の配列ピッチが乱
れやすくなるためである。このようなゴムシートを得る
ためには、２〜３本のカレンダーロールで混練したゴム
材料を、ＰＥＴなどの非伸縮性（５％以下）の基材シー
ト上に分出しするのがよい。なお、ゴム材料としては、
耐環境特性、機械特性などに優れたシリコーンゴムが好
ましい。

【００１１】スポンジシリコーンゴムとしては、過酸化
物による加硫タイプや付加反応による加硫タイプのミラ
ブルシリコーンゴムに各種発泡剤を添加したものが用い
られる。発泡倍率は1.1 〜6.0 、好ましくは1.2 〜2.0
である。

【００１２】導電性細線としては、金、金合金、白金、
銅、アルミニウム、アルミニウム−珪素合金、真鍮、り
ん青銅、ベリリウム銅、ニッケル、モリブデン、タング
ステン、ステンレスなどからなる金属細線、あるいはこ
れらに金、金合金、ロジウムなどの導電性および耐環境
特性に優れる材料をメッキ加工した金属細線、導電性合
成樹脂線や炭素繊維からなる細線、あるいはこれらに
金、金合金、ロジウムなどの導電性および耐環境特性に
優れる材料をめっき加工した細線などを使用でき、ヤン
グ率が8000〜13000 ｋｇｆ／ｍｍ² で、優れた導電性と
耐環境特性、低い接触特性を有する金細線や金めっき金
属細線が好ましく使用される。しかし、金属細線の径が
大きすぎると細かい配線ピッチのものが得られなくな
り、さらに円筒形状に成形する際、金属細線の曲げ弾性
が強すぎて、金型に沿って円形にし難く、また、径が小
さすぎると配線時に断線しやすくなるので、金属細線の
太さは、成形しやすく、取り扱いやすい３〜500 μｍ、
好ましくは10〜100 μｍ、より好ましくは15〜50μｍの
範囲とするのがよく、未加硫の絶縁性ゴムシート上に金
属細線の太さの 20 〜80％、好ましくは 40 〜60％が埋
設される太さが好ましい。

【００１３】

【実施例】実施例；図１に基いて本発明のコネクタの製
造方法について説明する。ａ．芯材シートの製作工程シリコーンゴムコンパウンドＫＥ−153 Ｕ（信越化学工
業社製、商品名）100重量部に、加硫剤Ｃ−19Ａ、19Ｂ
（同前）をそれぞれ0.5 、2.5 重量部およびシランカッ
プリング剤ＫＢＭ403 （同前）1.0 重量部を添加配合し
たシリコーンゴム原料を、カレンダーロールにより非伸
縮性基材である厚さ50μｍ、幅350 ｍｍのＰＥＴシート
からなる長尺のＰＥＴシート上に、厚さ100 μｍ、幅30
0 ｍｍとなるようにシーティングして絶縁性ゴムシート
を形成した。

【００１４】次に、得られたシートを長さ600 ｍｍに切
断し、これを外周600 ｍｍの回転ドラムの周面上に絶縁
性ゴムシートが外側となるように固定し、絶縁性ゴムシ
ート上に表面に金メッキを施した線径40μｍ、ヤング率
11000 ｋｇｆ／ｍｍ² の真鍮線からなる導電性細線を、
送り出し装置から回転している回転ドラム上に供給する
とともに、真鍮線の供給部を回転ドラムの軸方向に１回
転当り100 μｍ移動させながらピッチ100 μｍで真鍮線
を軸方向に10ｍｍ配列した後、さらに回転ドラムを１回
転させて真鍮線の供給部を回転ドラムの軸方向に0.4 ｍ
ｍ移動し、その後引き続きピッチ100 μｍで真鍮線を軸
方向に10ｍｍ配列する。この操作を繰り返してシート全
面への真鍮線の配列が終了した時点でドラムを停止して
回転ドラムから取り外し、前記0.4 ｍｍ移動箇所の真鍮
線を取り除いた。

【００１５】得られたシートを120 ℃のオーブン中で30
分間加熱して１次加硫を行った後、ＰＥＴシートを剥離
して取り去り、さらに195 ℃のオーブン中で４時間加熱
して２次加硫を行った。次に、このシートを導電性細線
（真鍮線）の長さ方向に切断して、幅4.5 ｍｍ、長さ30
0 ｍｍの芯材シートを製作した。

【００１６】ｂ．スポンジシリコーンゴム原料の調製工
程シリコーンゴムコンパウンドＫＥ−151 Ｕ（信越化学工
業社製、商品名）100重量部に、加硫剤Ｃ−１、Ｃ−３
（同前）をそれぞれ0.5 、2.0 重量部および発泡剤2,2
アゾビスイソブチロニトリル1.8 重量部を添加配合した
スポンジシリコーンゴム原料を、カレンダーロールを用
いて所定の厚さにシーティングした。このスポンジシリ
コーンゴム原料を所定の幅、長さに切断して、スポンジ
シリコーンゴム原料からなる切断品を得た。

【００１７】ｃ．コネクタの成形工程図１（ａ）〜（ｄ）はコネクタの成形工程を示す概略断
面図である。図１（ａ）において、成形部がＵ字状溝を
なし、底部にバキューム孔１を有する成形用下金型２上
に中型３をセットし、この中型３の前記Ｕ字状溝に沿っ
て設けられた段部４に、先に製作した芯材シート５をこ
の導電性細線側を成形面に向けて載置した。なお、成形
用下金型２の内壁６は、コネクタの収縮量に対応して角
度 0〜15°の範囲、好ましくは 2〜10°のテーパーがＵ
字状溝底面に対して設けられている。また、中型３の段
部４に対向する下端部は、成形時の芯材シート５のねじ
れすなわちスキューを防止するため、張出し部７を有し
ている。

【００１８】次に、図１（ｂ）に示すように、芯材押込
み型８を成形用下金型２内に押し込み、その後、図１
（ｃ）に示すように、芯材シート５上に先に製作したス
ポンジシリコーンゴム原料の切断品９を載置し、図１
（ｄ）に示すように、成形用上金型10を被せ、10ｋｇ／
ｃｍ² の加圧下にて175 ℃、５分間加熱してスポンジシ
リコーンゴム原料を発泡させ、次いで金型から取り出
し、200 ℃で１時間のポストキュアを行い、長尺のコネ
クタ素材を得た。なお、成形用上金型10の成形面11は、
コネクタの収縮量に対応する曲率で形成されている。

【００１９】このコネクタ素材を、導電性細線が配設さ
れていない絶縁性ゴムシートが露出する前記0.4 ｍｍ移
動箇所で切断して、図２（ｂ）に示すコネクタを製作し
た。このようにして製作されたコネクタは、両端切断部
に導電性細線の脱離、バリは全く認められず、さらに、
図４（ａ）に示すような全く変形のない正常な形状を有
するものであった。

【００２０】なお、図２（ａ）に示すコネクタは、例え
ば、下記のようにして製作される。上記芯材シートの製
作工程において、絶縁性ゴムシート上に真鍮線を所定の
長さに亙って配列後、真鍮線の供給部を１回転させる間
に所定の間隔をあけ、さらに引き続き配列するという操
作を繰り返していたのを、間隔をあけることなく連続し
て真鍮線を配列し、真鍮線が密に配列された長尺の芯材
シートを製作する。この長尺の芯材シートを所定の長さ
に切断し、この切断品を成形用下金型２のＵ字状溝内に
所定の間隔を保って配置し、上記の通りに成形すること
により得られた長尺のコネクタ素材のスポンジシリコー
ンゴム部を切断することにより得られる。このコネクタ
は図２（ａ）に示すように、両端部に絶縁性ゴムシート
22が露出している絶縁性端部25を有し、図２（ｂ）のコ
ネクタと同様に、両端切断部に導電性細線の脱離、バリ
は全く認められず、全く変形のない正常な形状を有して
いる。

【００２１】

【発明の効果】本発明のコネクタの製造方法によって得
られたコネクタは、導電性細線のねじれ（スキュー）が
なく、回路基板の電極と正しく接続される。また、全く
変形のない正常な形状を有し、コネクタホルダから脱落
することもない。さらに、両端に絶縁性端部を有してい
るため、両端部に従来品のような導電性細線の脱離、バ
リは全く認められず、電気的に確実に絶縁され、コネク
タ周辺の部品との電気的絶縁が十分なものであった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のコネクタの製造方法によるコネクタの
成形工程を示す概略断面図である。

【図２】（ａ）、（ｂ）は、それぞれ本発明の製造方法
によって得られたコネクタを示す平面図および側面図で
ある。

【図３】コネクタと回路基板電極との接続状態を説明す
る概略図であり、（ａ）は正常な接続状態を示し、
（ｂ）は不都合な接続状態を示す。

【図４】コネクタの断面形状を示す概略図であり、
（ａ）は正常な形状を、（ｂ）は変形したコネクタ形状
を示す。

【符号の説明】

１．・・・・・・・・・・・・バキューム孔、２．・・・・・・・・・・・・成形用下金型、３．・・・・・・・・・・・・中型、４．・・・・・・・・・・・・段部、５．・・・・・・・・・・・・芯材シート、６．・・・・・・・・・・・・内壁、７．・・・・・・・・・・・・張出し部、８．・・・・・・・・・・・・芯材押込み型、９．・・・・・・・・・・・・切断品、 10．・・・・・・・・・・・・成形用上金型、 11．・・・・・・・・・・・・成形面、 21．・・・・・・・・・・・・コネクタ、 22．・・・・・・・・・・・・絶縁性ゴムシート、 23．・・・・・・・・・・・・導電性細線、 24．・・・・・・・・・・・・スポンジシリコーンゴム、 25．・・・・・・・・・・・・絶縁性端部、ａ．・・・・・・・・・・・・コネクタ、ｂ．・・・・・・・・・・・・回路基板、ｃ．・・・・・・・・・・・・電極、ｄ．・・・・・・・・・・・・金属細線。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】成形部がＵ字状溝をなす成形用下金型上
に、このＵ字状溝の上縁に沿って、上部に段部を有しこ
れと対応する下部に張出し部を有する中型をセットし、
絶縁性ゴムシート上に導電性細線が所定のピッチで平行
に配列されてなる芯材シートを前記段部に載置し、上方
から芯材押込み型を成形用下金型内に押し込み、芯材シ
ートを成形用下金型内にセットした後、この芯材シート
上にスポンジシリコーンゴム原料からなる切断品を載置
し、成形用上金型を被せ、加圧、加熱して前記切断品を
発泡させた後、金型から取り出し所定のサイズに切断す
ることを特徴とする圧接型コネクタの製造方法。
【請求項２】前記圧接型コネクタの成形に用いる成形用
下金型が、コネクタの収縮量に対応した角度でＵ字状溝
底面に対して外方に傾斜する内壁と、Ｕ字状溝底面にバ
キューム孔を有し、成形用上金型が、コネクタの収縮量
に対応する曲率で形成された成形面を有する請求項１に
記載の圧接型コネクタの製造方法。