JPH11191265A - 磁気検出体とこれを備えた磁気式エンコ―ダ - Google Patents

磁気検出体とこれを備えた磁気式エンコ―ダ

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JPH11191265A
JPH11191265A JP35964897A JP35964897A JPH11191265A JP H11191265 A JPH11191265 A JP H11191265A JP 35964897 A JP35964897 A JP 35964897A JP 35964897 A JP35964897 A JP 35964897A JP H11191265 A JPH11191265 A JP H11191265A
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magnetoresistive
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Kazuhito Goto
和仁 後藤
Fumiteru Asai
文輝 浅井
Atsushi Tani
厚 谷
Yoshiji Hasegawa
美次 長谷川
Atsushi Kawamoto
淳 川本
Yoshihiro Tsuboi
義博 坪井
Chikashi Takatori
史 鷹取
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Nitto Denko Corp
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工上の煩雑化やコストの上昇を招くことな
く、比較的簡単な回路構成により、出力信号の周期を小
さくできる磁気検出体を提供する。 【解決手段】 一定の設定間隔λで配列された磁気目盛
4を有する磁性部材1に対して、上記目盛の配列方向x
の相対的な変位を検出する2個の磁気抵抗素子6A,6
Bを備えているとともに、両磁気抵抗素子6A,6Bの
中点電位Voを出力として取り出すように構成し、かつ
両磁気抵抗素子6A,6Bは、それぞれ、m個(mは2
以上の整数)の磁気抵抗路7A1,7A2,7B1,7
B2を有するとともに、これらを上記設定間隔λの2m
倍の周期λoの交流信号が取り出されるように配置して
なる磁気検出体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転モ―タなどの
回転運動量や、リニアモ―タなどの直線運動量を磁気的
に検出して電気信号を出力する磁気検出体と、これを備
えた磁気式エンコ―ダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、エンコ―ダは、被検出体
を検出する方法の違いから、光学式のものと磁気的なも
のとに大別される。磁気式エンコ―ダは、光学式エンコ
―ダに比べて、検出部分に塵芥が付着したり汚れがあつ
ても検出感度が影響を受けにくい、電力の消費が少な
い、発光素子や受光素子を配置する必要がなくコンパク
トに制作できる、また機械的強度が高いなどの点で、有
利とされている。
【0003】磁気式エンコ―ダは、一般に、被検出体に
取り付けられる磁性部材を、たとえば、主面側に被検出
体の運動方向においてN極とS極とを交互に形成した、
いわゆる多極磁石により構成するとともに、この多極磁
石が回転または直線運動した際の交番する磁気を、ホ―
ル素子や磁気抵抗素子のような磁気検出素子をもつた磁
気検出体で検出する構成となつている。
【0004】多極磁石の作製は、たとえば、リニアエン
コ―ダでは、図12に示すように、長尺状の磁性部材1
01の主面側に対向して着磁ヘツド102を配設し、こ
の磁性部材101を長手方向に一定の速度で直線移動さ
せながら、この移動に同期させて着磁ヘツド102のコ
イル103に交番電流を流し、これにより磁性部材10
1の主面に多数のN極とS極とを交互に着磁するのが一
般的である。しかしながら、上記従来のエンコ―ダで
は、上記の製造方法のように、磁性部材101を移動さ
せてN極とS極とを交互に着磁する必要があるため、1
回の着磁処理で1つの多極磁石しか製作できないという
欠点がある。また、交番する磁気に対する検出精度の高
いエンコ―ダを得るには、微細なコイル103に強磁界
を発生させることが可能な高度の着磁装置を用意しなけ
ればならず、かなりの経済的負担を強いられるなどの問
題もある。
【0005】このような事情に照らし、本出願人らは、
先に、製作条件が簡単であり、検出性能にもすぐれた磁
気式エンコ―ダを提案した(特願平7−129604
号)。これは、被検出体に取り付けられる磁性部材と、
この磁性部材に対して相対運動可能な位置に配置された
磁気検出体を備えているとともに、上記の磁性部材を、
基板とこの基板の主面側に上記運動方向で一定の設定間
隔で設けられてかつ一定方向に磁化された複数の磁区と
で構成し、上記の磁気検出体に被検出体の運動時に上記
磁区の磁気を検出する磁気抵抗素子を備えたものであ
る。
【0006】この種の磁気式エンコ―ダは、前記従来の
N,S多極式のエンコ―ダとは本質的に異なる、いわゆ
る単極式のエンコ―ダと称されるものであつて、基板に
磁区を形成する場合、磁区に付与しようとする磁化の方
向と磁場の磁力線とが一致するように上記基板を磁場中
に配置して着磁すればよい。このため、複数の基板を積
み重ねて磁場中に配置すれば、一度の着磁処理で複数の
基板主面側に磁区を同時に形成することが可能となり、
また着磁装置の精度に関係なく、基板の加工限界付近ま
での微細な間隔での磁区形成が可能となる。しかしなが
ら、上記提案の磁気式エンコ―ダにおいては、磁区がN
またはSの単極で構成されているため、磁気検出体の検
出出力の波形がゼロ点に対し非対称なものとなり、多極
磁石を用いたものに比べて、ゼロ点を明確にするための
信号処理回路が非常に複雑になるといつた難点を有して
いた。
【0007】本出願人らは、このような難点を克服する
ため、上記の磁気式エンコ―ダをさらに改良して、磁気
検出体による出力信号のゼロ点が明確になり、信号処理
が簡易に行える磁気式エンコ―ダを提案した(特願平9
−17156号)。これは、被検出体側に取り付けられ
る磁性部材とこの磁性部材に対して相対運動可能な位置
に配設される磁気検出体を備えているとともに、上記の
磁性部材を、基板とこの基板の主面側に上記運動方向で
一定の設定間隔で設けられてかつ一定方向に磁化された
複数の磁区とで構成し、上記の磁気検出体に、上記運動
方向で一定の設定間隔で配置されてかつ上記磁性部材と
の相対運動に伴つて上記磁区の磁気を検出する少なくと
も2個の磁気検出体を備えたものである。
【0008】この磁気式エンコ―ダでは、被検出体に磁
性部材を取り付ける一方、磁気検出体の少なくとも2個
の磁気検出素子を直列接続し、この直列接続体の両端を
電源に接続し、たとえば2個の磁気検出素子の接続点を
中点電位の出力端子とする。この状態で被検出体を回転
または直線運動させると、磁気検出体が磁性部材に対し
て相対運動し、これに伴い磁気検出体の各磁気検出素子
により磁性部材の磁区の磁気を検出するので、磁気検出
体からは被検出体の運動量に対応した検出出力が電気信
号に変換して出力される。ここで、各磁気検出素子が被
検出体の運動方向で一定の設定間隔で設けられているた
め、上記接続点には磁界の方向に変化しかつ磁気検出体
の設定間隔に対応した位相差の中点電位が生起する。そ
の結果、中点電位に対して正負対称な波形の検出出力が
一定の周期で現れ、これにより検出出力のゼロ点が明確
になり、その後の信号の後処理が容易となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような磁気式エン
コ―ダにおいて、各種機器の高精度化に対応した測定精
度(分解能)の向上のため、上記出力信号の周期を小さ
くすることが望まれる。測定精度は上記磁区の設定間隔
に依存しているので、周期の小さい出力信号を得るに
は、磁区の設定間隔を小さくすればよい。しかし、磁区
の設定間隔を小さくするには、磁性部材の基板などの加
工精度を上げなければならず、加工技術上の難題も多く
なるうえ、製造コストの高騰は避けられない。
【0010】特開平8−203038号公報には、測定
精度の向上に対応できるようにしたものが開示されてい
る。これは、共通端子に接続される一対の磁気抵抗素子
のほかに、5対の磁気抵抗素子を備え、対となる磁気抵
抗素子の各接続点を中間電位を取り出す出力端子とし、
共通端子と5個の出力端子との間で位相が異なる5相の
交流信号を得、各交流信号のゼロクロス点とこれら5相
の交流信号が交差する点をそれぞれ検出して、出力信号
の周期を小さくするものである。しかし、この場合、5
対の磁気抵抗素子ごとにブリツジを構成して、5相の交
流信号の各ゼロクロス点や互いに交わる点などを検出す
る必要があり、回路構成が煩雑になるうえ、5相の交流
信号の交点を検出するため、5相の交流信号の波形が正
確に揃つていないと、出力信号の周期がばらつくなどの
問題がある。
【0011】本発明は、上記の事情に照らし、加工上の
煩雑化やコストの上昇を回避でき、しかも電気的構成も
簡単にして、出力信号の周期を小さくできる磁気検出体
と、この磁気検出体を用いて被検出体の変移量などの測
定精度を容易に高めることができる磁気式エンコ―ダを
提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、鋭意検討した結果、磁気検出体に
2個の磁気抵抗素子を装備させて、これら磁気抵抗素子
にそれぞれm個(mは2以上の整数)の磁気抵抗路を設
けるとともに、磁気目盛の配列方向でそれらの位置関係
を特定する構成とすれば、出力信号の周期を2m倍に小
さくできることを知り、本発明を完成するに至つたもの
である。
【0013】本発明は、一定の設定間隔λで配列された
磁気目盛を有する磁性部材に対して上記目盛の配列方向
の相対的な変移を磁気抵抗素子により検出する磁気検出
体において、電気的に直列に接続されてその中点電位を
出力とする2個の磁気抵抗素子を備え、かつこれらの磁
気抵抗素子は、それぞれm個(mは2以上の整数)の磁
気抵抗路を有して、磁気目盛の設定間隔λの2m倍の周
期の交流信号を取り出せれるように、上記m個の磁気抵
抗路とともに磁気目盛の配列方向に配置されていること
を特徴とする磁気検出体(請求項1,2)と、一定の設
定間隔λで配列された磁気目盛を有する磁性部材と上記
構成の磁気検出体とを備えていることを特徴とする磁気
式エンコ―ダ(請求項3〜6)に係るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面にしたがつて説明する。図1は、本発明の磁気検出体
を備えた磁気式リニアエンコ―ダに用いられる磁性部材
の外観を示す斜視図、図2は、同磁気式リニアエンコ―
ダの概要を示す全体の構成図である。
【0015】図1および図2において、1は矢印xまた
はy方向へ直線運動する被検出体(図示せず)に取り付
けられる磁性部材、2は上記の磁性部材1に対して相対
運動可能な位置に配設された磁気検出体である。
【0016】磁性部材1は、上記の運動方向に沿う長尺
状の基板3と、この基板の主面3a側に形成された磁気
目盛としての複数の磁区4とからなる。上記の基板3
は、たとえば、強磁性体から板状に形成されており、そ
の主面3a側には、基板3を幅方向で横断する複数個の
孔部5が、上記運動方向(基板の長手方向)で一定の設
定間隔λをおいて形成されている。この各孔部5には基
板の主面3aと面一となるように別の磁性材が嵌着固定
されて磁区4を構成している。この各磁区4は、基板の
主面3aに対して垂直な方向に沿つて磁化されている。
【0017】なお、磁性部材1は、上記のように磁区4
を強磁性体からなる基板3とは別の磁性材で構成し、互
いに隣り合う磁区4を上記の強磁性体(非磁化領域)で
隔てるようにしたものに限らず、たとえば、基板3を非
磁性材また弱磁性材で構成して、互いに隣り合う磁区を
上記の非磁性材または弱磁性材(非磁化領域)で隔てる
ようにしたものなど、様々な態様をとることができる。
【0018】磁性部材1において、各磁区4の運動方向
の幅wは、たとえば(1/2)×λに設定され、これに
より磁区4の平面形状は、一定の幅wを有し、基板3の
幅方向に沿う線形となつている。磁区4は上記の線形に
こだわらないが、線形であると、磁気検出体2が磁性部
材1に対して運動方向で横ずれしても、磁気検出の有効
面が確保され、磁気検出動作が問題なく行われる。もち
ろん、磁区4は、基板3を幅方向で完全に横断するよう
な線形であつてもよい。
【0019】磁気検出体2は、検出面2aが基板3の主
面3aと平行となるように配設されるとともに、2個の
磁気抵抗素子6A,6Bを備えており、運動時に磁区4
における磁力線(磁気)を垂直方向と交差する水平方向
の磁化成分として検出する。2個の磁気抵抗素子6A,
6Bは電気的に直列接続されており、その接続点に中点
電位を取り出すための出力端子Qが接続される(図3参
照)。
【0020】これらの磁気抵抗素子6A,6Bは、それ
ぞれm個(mは2以上の整数)の磁気抵抗回路7A…,
7B…を有している。磁気抵抗素子6A,6Bと磁気抵
抗路7A…,7B…は、磁区4の設定間隔λの2m倍の
周期の交流の出力信号が取り出される位置関係でx方向
に配置されている。具体的には、磁気抵抗素子6Aとそ
の磁気抵抗路7Aは、磁気目盛の設定間隔λに対して、
つぎの式(A); (式中、kは自然数、nkは0以上の整数である)を満
たす位置関係で配置され、また磁気抵抗素子6Bとその
磁気抵抗路7Bは、磁気目盛の設定間隔λに対して、つ
ぎの式(B); (式中、kは自然数、n*kは0以上の整数である)を
満たす位置関係で配置されている。
【0021】上記の構成において、被検出体の矢印y方
向の直線運動に伴つて磁性部材1も同方向へ直線運動
し、また磁気検出体2も磁性部材1に対して相対的(矢
印x方向)に直線運動する。その結果、磁気抵抗素子6
A,6Bが磁性部材1の各磁区4の磁界を磁化方向と交
差する方向に横切り、磁気抵抗素子6A,6Bの各磁気
抵抗路7A…,7B…で上記磁区4の磁気が水平方向の
磁化成分として検出される。この検出出力fは、図2に
示すように、CPUのような演算装置8に順次送出され
る。演算装置8では、上記出力fを受けて、単位時間あ
たりの磁区4の磁気検出回数を算出し、被検出体への直
線運動デ―タgとして送出する。
【0022】ここで、磁気検出素子6A,6Bがそれぞ
れm個の磁気抵抗路7A…,7B…を備え、磁気検出素
子6A,6Bと磁気抵抗路7A…,7B…との位置関係
を、出力信号の周期が磁区の配列方向で2m倍となるよ
うに特定したので、各磁気抵抗素子6A(6B)は、磁
区4の設定間隔λの範囲内で最大磁気抵抗値がそれぞれ
m個となる。このため、磁区4の設定間隔λが小さくな
るように基板3を微細に加工することなく、磁気抵抗素
子6A,6Bの中点電位での出力信号fの周期を2m倍
に小さくすることができ、測定精度が高められる。
【0023】また、2個の磁気抵抗素子6A,6Bにそ
れぞれ2個以上の磁気抵抗路7A…,7B…を設け、磁
気抵抗素子6A,6Bの一つの中点電位を出力信号Vo
として取り出すだけであり、5対の磁気抵抗素子を使用
して5相の交流信号のゼロクロス点とそれらの信号の交
差する点を検出するものに比べて、回路構成の簡素化が
図られるとともに、5相の交力信号を検出するもののよ
うに、出力信号の周期がばらついたりするといつた不具
合は全く生じない。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、さらに
具体的に説明する。なお、以下の各例において、磁性部
材1における磁区4の幅wを、磁区4の設定間隔λに対
して1/2に設定してある。
【0025】実施例1 図3は実施例1における磁気検出体2の電気的構成図で
ある。同図において、一方の磁気抵抗素子6Aは、直列
接続された第1および第2の2個(m=2)の磁気抵抗
路7A1,7A2を有しており、その磁気抵抗値が2個
の磁気抵抗路7A1,7A2の各磁気抵抗値の和で表さ
れる。また、他方の磁気抵抗素子6Bは、直列接続され
た第1および第2の2個(m=2)の磁気抵抗路7B
1,7B2を有しており、その磁気抵抗値が2個の磁気
抵抗路7B1,7B2の各磁気抵抗値の和で表される。
このような磁気抵抗素子6A,6Bからなる直列接続体
の両端Pa,Pbを電源eに接続し、一端Pbを接地し
てある。これら磁気抵抗素子6A,6Bの接続点(磁気
抵抗回路7A2と磁気抵抗路7B1との接続点)を中点
電位Voの出力端子Qとしてある。
【0026】ここで、磁気抵抗素子6Aの第1の磁気抵
抗路7A1の位置は、式(A)において、m=2、k=
1、n1=0として、第2の磁気抵抗路7A2の位置
は、m=2、k=2、n2=0として、求められ、第1
の磁気抵抗路7A1を運動方向xの基準点(x=0)に
すると、2個の磁気抵抗路7A1,7A2は、x=0、
x=1/4・λの各位置に配置される。また、磁気抵抗
素子6Bの第1の磁気抵抗路7B1の位置は、式(B)
において、m=2、k=1、n*1=1として、第2の
磁気抵抗路7B2の位置は、m=2、k=2、n*2=
1として、求められ、その結果、2個の磁気抵抗路7B
1,7B2は、運動方向xにおいて、x=5/8・λ、
x=7/8・λの各位置に配置される。
【0027】図4は、上記の磁性部材に対して磁気検出
体2がx方向に移動した際に、上記の磁気抵抗路7A
1,7A2,7B1,7B2の各磁気抵抗値が磁界変化
に応じて変化する様子を示したものである。磁性部材1
による磁界変化は、x=0から1/2・λごとに最大と
なるため、磁気抵抗路7A1,7A2,7B1,7B2
は、x=0からx=1/2・λごとの位置に達したもの
(○印で示す)の磁気抵抗値が最大となる。このことか
ら、磁気抵抗素子6A,6Bの中点電位Voは、図5に
示すように、周期λ0 が1/4・λ、つまり上記設定間
隔λの4倍まで小さくした周期の交流信号となり、出力
端子Qから取り出される。
【0028】実施例2 図6は実施例2における磁気検出体2の電気的構成図で
ある。同図において、一方の磁気抵抗素子6Aは、直列
接続された第1、第2および第3の3個(m=3)の磁
気抵抗路7A1,7A2,7A3を有し、その磁気抵抗
値が3個の磁気抵抗路7A1,7A2,7A3の各磁気
抵抗値の和で表される。また、他方の磁気抵抗素子6B
は、直列接続された第1、第2および第3の3個(m=
3)の磁気抵抗回路7B1,7B2,7B3を有し、そ
の磁気抵抗値が3個の磁気抵抗路7B1,7B2,7B
3の各磁気抵抗値の和で表される。
【0029】磁気抵抗路7A1,7A2,7A3と磁気
抵抗路7B1,7B2,7B3は、互いにx方向で交互
になるように配置されている。この磁気抵抗素子6A,
6Bからなる直列接続体の両端Pa,Pbを電源eに接
続し、一端Pbを接地してある。これら磁気抵抗素子6
A,6Bの接続点(磁気抵抗回路7A3と磁気抵抗路7
B3との接続点)を中点電位Voの出力端子Qとしてあ
る。
【0030】磁気抵抗素子6Aにおける第1の磁気抵抗
路7A1の位置は、式(A)において、m=3、k=
1、n1=0として、第2の磁気抵抗路7A2の位置
は、m=3、k=3、n3=0として、第3の磁気抵抗
路7A3の位置は、m=3、k=2、n2=1として、
求められ、第1の磁気抵抗路7A1を運動方向xの基準
点(x=0)にすると、3個の磁気抵抗路7A1,7A
2,7A3は、x=0、x=4/12・λ、x=8/1
2・λの各位置に配置される。
【0031】また、磁気抵抗素子6Bにおける第1の磁
気抵抗路7B1の位置は、式(B)において、m=3、
k=1、n*1=0として、第2の磁気抵抗路7B2の
位置は、m=3、k=3、n*3=0として、第3の磁
気抵抗路7B3の位置は、m=3、k=2、n*2=1
として、求められ、その結果、上記3個の磁気抵抗路7
B1,7B2,7B3は、運動方向xにおいて、x=1
/12・λ、x=5/12・λ、x=9/12・λの各
位置に配置される。
【0032】図7は、上記磁性部材1に対して磁気検出
体2がx方向に移動した際に、上記の磁気抵抗路7A
1,7A2,7A3,7B1,7B2,7B3の各磁気
抵抗値が磁区4からの磁界変化に応じて変化する様子を
示したものである。磁性部材1による磁界変化は、x=
0から1/2・λごとに最大となるため、磁気抵抗路7
A1,7B1,7A2,7B2,7A3,7B3は、x
=0からx=1/2・λごとの位置に達したもの(○
印)の磁気抵抗値が最大となる。
【0033】このために、磁気抵抗素子6A,6Bの中
点電位Voは、図8に示すように、周期λoが1/6・
λ、つまり、上記設定間隔λの6倍まで小さくした周期
の交流信号となり、出力端子Qから取り出される。な
お、この例では、磁気抵抗路7A1,7A2,7A3と
磁気抵抗路7B1,7B2,7B3とが互いにx方向で
交互になるように配置したもので説明しているが、x方
向において、磁気抵抗路7A1,7A2,7A3をこの
順に配置し、続いて磁気抵抗回路7B1,7B2,7B
3をこの順に配置した構成とすることもできる。
【0034】参考例1 図9は参考例における磁気検出体2の電気的構成図であ
る。同図において、磁性部材101は、主面に多数のN
極とS極とを長手方向に交互に着磁した多極磁石で構成
されている。また、磁気検出体2は、一方の磁気抵抗素
子6Aが、直列接続された第1および第2の2個の磁気
抵抗路7A1,7A2を有し、その磁気抵抗値が2個の
磁気抵抗路7A1,7A2の各磁気抵抗値の和で表わさ
れる。また、他方の磁気抵抗素子6Bが、直列接続され
た第1および第2の2個の磁気抵抗路7B1,7B2を
有し、その磁気抵抗値が2個の磁気抵抗路7B1,7B
2の各磁気抵抗値の和で表わされる。この磁気抵抗路7
A1,7A2と磁気抵抗路7B1,7B2とは、前記の
実施例2と同じように、互いにx方向で交互になるよう
に配置されている。
【0035】上記2個の磁気抵抗素子6A,6Bは、出
力信号の周期λoがN(S)極の設定間隔λに対し、2
m倍(mは2以上の整数)となるような配置ではなく、
一方の磁気抵抗素子6Aの2個の磁気抵抗路7A1,7
A2をx=0、x=1/2・λの各位置に配置し、他方
の磁気抵抗素子6Bの2個の磁気抵抗路7B1,7B2
をx=1/4・λ、x=3/4・λの各位置に配置して
いる。
【0036】図10は、上記の磁性部材101に対して
磁気検出体2がx方向に移動した際に、磁気抵抗路7A
1,7A2,7B1,7B2の各磁気抵抗値が磁界変化
に応じて変化する様子を示している。磁性部材101に
よる磁界変化は、x=0から1/2・λごとに最大とな
るため、磁気抵抗路7A1,7A2,7B1,7B2
は、x=0からx=1/2・λごとの位置に達したもの
(○印で示す)の磁気抵抗値が最大となる。しかし、磁
気抵抗素子6A,6Bの中点電位Voは、図11のよう
に、周期λoが1/2・λ、つまり設定間隔λの2倍ま
でしか小さくできない交流信号となり、これ以上の測定
精度の向上は不可能である。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明では、電気的に直
列接続されてその中点電位を出力する2個の電気抵抗素
子に、m個(mは2以上の整数)の磁気抵抗路を設ける
一方、これらを磁気目盛の設定間隔λの2m倍の周期の
交流信号が得られるような配置構成としたことにより、
中点電位による出力信号周期を2m倍まで小さくでき、
磁気目盛の加工精度を高めたりコストの上昇を招くこと
なく、測定精度の向上を図ることができる。とくに、m
個の磁気抵抗路をそれぞれ有する2個の磁気抵抗素子の
中点電位から一つの交流信号の出力を取り出せばよいの
で、従来のような5対の磁気抵抗素子を用いて5相の交
流信号のゼロクス点と各信号の交わる点を検出するもの
に比べて、回路構成が簡単で、また出力信号の周期が精
確となる。また、本発明では、上記の磁気検出体を使用
することにより、直線運動量などの測定精度の高い磁気
式エンコ―ダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気検出体を備えた磁気式リニアエン
コ―ダに用いられる磁性部材の外観を示す斜視図であ
る。
【図2】同磁気式リニアエンコ―ダの概要を示す全体の
構成図である。
【図3】本発明の実施例1における磁気検出体の電気的
構成図である。
【図4】実施例1における磁気検出体の相対変位に伴つ
て磁気検出素子が磁気検出を行う様子の説明図である。
【図5】実施例1における磁気検出体の出力信号の周期
の説明図である。
【図6】本発明の実施例2における磁気検出体の電気的
構成図である。
【図7】実施例2における磁気検出体の相対変位に伴つ
て磁気検出素子が磁気検出を行う様子の説明図である。
【図8】実施例2における磁気検出体の出力信号の周期
の説明図である。
【図9】参考例における磁気検出体の電気的構成図であ
る。
【図10】参考例における磁気検出体の相対変位に伴つ
て磁気検出素子が磁気検出を行う様子の説明図である。
【図11】参考例における磁気検出体の出力信号の周期
の説明図である。
【図12】従来一般の磁気式エンコ―ダの磁性部材の着
磁手段を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 磁性部材 2 磁気検出体 3 基板 3a 基板の主面 4 磁気目盛(磁区) 6A,6B 磁気抵抗素子 7A(7A1,7A2,7A3) 磁気抵抗路 7B(7B1,7B2,7B3) 磁気抵抗路 Vo 中点電位(出力信号) x 磁気目盛の配列方向 λ 磁気目盛の設定間隔 λo 出力信号の周期
フロントページの続き (72)発明者 谷 厚 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 長谷川 美次 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 川本 淳 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 坪井 義博 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 鷹取 史 東京都港区新橋5−11−3 住友金属鉱山 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の設定間隔λで配列された磁気目盛
    を有する磁性部材に対して上記目盛の配列方向の相対的
    な変移を磁気抵抗素子により検出する磁気検出体におい
    て、電気的に直列に接続されてその中点電位を出力とす
    る2個の磁気抵抗素子を備え、かつこれらの磁気抵抗素
    子は、それぞれm個(mは2以上の整数)の磁気抵抗路
    を有して、磁気目盛の設定間隔λの2m倍の周期の交流
    信号を取り出せれるように、上記m個の磁気抵抗路とと
    もに磁気目盛の配列方向に配置されていることを特徴と
    する磁気検出体。
  2. 【請求項2】 2個の磁気抵抗素子のうちの一方の磁気
    抵抗素子とそのm個の磁気抵抗路が、磁気目盛の設定間
    隔λに対して、つぎの式; (式中、kは自然数、nkは0以上の整数である)を満
    たす位置関係で配置され、他方の磁気抵抗素子とそのm
    個の磁気抵抗路が、磁気目盛の設定間隔λに対して、つ
    ぎの式; (式中、kは自然数、n*kは0以上の整数である)を
    満たす位置関係で配置されている請求項1に記載の磁気
    検出体。
  3. 【請求項3】 一定の設定間隔λで配列された磁気目盛
    を有する磁性部材と請求項1または請求項2に記載の磁
    気検出体とを備えていることを特徴とする磁気式エンコ
    ―ダ。
  4. 【請求項4】 磁性部材は、基板と、この基板の主面側
    に変位方向で一定の設定間隔λで配設されて一定方向に
    磁化された磁気目盛としての複数の磁区とから構成され
    ている請求項3に記載の磁気式エンコ―ダ。
  5. 【請求項5】 互いに隣り合う磁区が磁性材で隔てられ
    ているとともに、各磁区の磁化方向が基板の主面に対し
    て垂直方向に設定されている請求項4に記載の磁気式エ
    ンコ―ダ。
  6. 【請求項6】 互いに隣り合う磁区が非磁性部材または
    弱磁性材で隔てられているとともに、各磁区の磁化方向
    が基板の主面に対して垂直方向に設定されている請求項
    4に記載の磁気式エンコ―ダ。
JP35964897A 1997-12-26 1997-12-26 磁気検出体とこれを備えた磁気式エンコ―ダ Pending JPH11191265A (ja)

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