JPH11191232A - 対物レンズ制御駆動装置及びこれを具備した光学ピックアップ装置ならびに光記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヨークの形状に基づく固有の一次共振周波数
を従来よりも低域側に導く対物レンズ制御駆動装置を提
供し、この一次共振周波数の振動が光記録媒体に伝達さ
れてもフォーカシングサーボとトラッキングサーボとが
安定である光学ピックアップ装置ならびに光記録再生装
置の提供。 【解決手段】 基部１３ａと、この基部１３ａの所定箇
所を直角且つ平行に折り曲げた一対の立設部１３ｂとで
構成されたヨーク１３と、少なくとも一対の立設部１３
ｂの対向面の何れか一方の面に固着されたマグネット１
４とで構成された磁気回路により、対物レンズがフォー
カシング方向とトラッキング方向とに制御駆動される対
物レンズ制御駆動装置において、磁気回路を構成するヨ
ーク１３の基部１３ａと立設部１３ｂとのトラッキング
方向の幅をほぼ同一にしてヨークの形状に基づく固有の
一次共振周波数を従来よりも低域側に導く。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は対物レンズ制御駆動
装置及びこれを具備した光学ピックアップ装置ならびに
光記録再生装置に関し、さらに詳しくは、基部と、この
基部の所定箇所を直角且つ平行に折り曲げた一対の立設
部とで構成されたヨークと、少なくとも一対の立設部の
対向面の何れか一方の面に固着されたマグネットとで構
成された磁気回路により、対物レンズがフォーカシング
方向とトラッキング方向とに制御駆動される対物レンズ
制御駆動装置及びこれを具備した光学ピックアップ装置
ならびに光記録再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的に、光記録媒体を記録／再生する
光記録再生装置には光学ピックアップ装置が具備されて
おり、この光学ピックアップ装置には対物レンズをフォ
ーカシング方向とトラッキング方向とに制御駆動する対
物レンズ制御駆動装置がさらに具備されている。以下、
ディスク状の光記録媒体を記録／再生する光記録再生装
置及び光学ピックアップ装置の一例について、図２の概
略平面図及び図２における概略Ａ−Ａ断面図である図３
を参照し、その概略構成を説明する。

【０００３】ディスク状の光記録媒体１は、スピンドル
モータ１９の回転軸に取り付けられたターンテーブル
（図示せず）にチャッキングされ、所定の回転数で回転
される。光学ピックアップ装置を構成する、例えば半導
体レーザ２、コリメータレンズ３、ビームスプリッタ
４、ミラー５、対物レンズ制御駆動装置８、集光レンズ
６及び受光素子７等は接着剤やネジ等によりブロック１
７に固着され、このブロック１７が一対の平行配置され
たガイド軸１８と、例えば図示を省略するリニアモータ
で構成された駆動手段とにより一体的にトラッキング方
向に移動可能な構成となっている。そして、スピンドル
モータ１９と一対のガイド軸１８及びリニアモータ等は
光記録再生装置を構成するシャーシ（図示せず）に取り
付けられている。

【０００４】半導体レーザ２から出射されたレーザ光は
コリメータレンズ３により平行ビームに変換され、ビー
ムスプリッタ４を透過して図２及び図３中の二点鎖線で
示した光記録媒体１に対してほぼ４５度傾斜した反射面
を有するミラー５により光記録媒体１方向に反射され
る。ミラー５で反射されたレーザ光は対物レンズ９によ
り光記録媒体１の記録再生面に集光される。光記録媒体
１で反射されたレーザ光は再び対物レンズ９を透過し、
ミラー５及びビームスプリッタ４で反射され、集光レン
ズ６により受光素子７に集光される。この受光素子７に
より光電変換が行われ、フォーカシングエラー信号、ト
ラッキングエラー信号及びＲＦ信号等が検出される。

【０００５】図４は、対物レンズ制御駆動装置８の磁気
回路を構成するヨーク１３の概略外観斜視図である。対
物レンズ制御駆動装置８は、対物レンズ９を保持した可
動部１１が固定部１２から延設された、例えば一対の平
行バネ等で構成された弾性体１０により支持されてい
る。また、可動部１１にはフォーカシングコイル１６と
トラッキングコイル１５とが固着されている。このフォ
ーカシングコイル１６とトラッキングコイル１５は、基
部１３ａと、この基部１３ａから直角且つ平行に折り曲
げられた一対の立設部１３ｂとで構成されたヨーク１３
と、少なくとも一対の立設部１３ｂの対向面の何れか一
方の面に固着されたマグネット１４とで構成される磁気
回路の空隙部に配設されている。そして、フォーカシン
グコイル１６及びトラッキングコイル１５の各々に上記
したフォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー
信号に基づく電流が流され、対物レンズ９を保持した可
動部１１をフォーカシング方向とトラッキング方向とに
制御駆動するように概略構成されている。

【０００６】対物レンズ９を保持した可動部１１がフォ
ーカシング方向とトラッキング方向に制御駆動される
際、ヨーク１３の立設部１３ｂにはこれらの反力が作用
し、ヨーク１３はヨーク１３の形状に基づく固有の一次
共振周波数で振動する。このヨーク１３の形状に基づく
固有の一次共振周波数ｆは、基部１３ａのトラッキング
方向両端を支点とするバネ常数をｋ、基部１３ａのトラ
ッキング方向の幅をｌ、ヨーク１３（基部１３ａ＋立設
部１３ｂ）の質量をｍとすると、ｆ∝（ｋｌ／ｍ）^1/2
の関係にある。ところで、従来のヨーク１３の形状に基
づく固有の一次共振周波数ｆはほぼ６００Ｈｚ程度であ
り、また、例えば外径が３．５インチの光記録媒体１固
有の一次共振周波数も６００Ｈｚ〜８００Ｈｚであり、
両者の周波数の間隔は小である。そして、ヨーク１３の
形状に基づく固有の一次共振周波数６００Ｈｚの振動
が、光学ピックアップ装置を構成するブロック１７、光
記録再生装置を構成するシャーシに取り付けられている
ガイド軸１８、スピンドルモータ１９を介して光記録媒
体１へと伝達され、フォーカシングサーボやトラッキン
グサーボを不安定にする虞があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ヨー
クの形状に基づく固有の一次共振周波数と光記録媒体固
有の一次共振周波数との間隔が大となるように、ヨーク
の形状に基づく固有の一次共振周波数を従来よりも低域
側に導く対物レンズ制御駆動装置を提供し、このヨーク
の形状に基づく固有の一次共振周波数の振動が光記録媒
体に伝達されてもフォーカシングサーボとトラッキング
サーボとが安定である光学ピックアップ装置ならびに光
記録再生装置を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の対物レンズ制御駆動装置では、基部と、こ
の基部の所定箇所を直角且つ平行に折り曲げた一対の立
設部とで構成されたヨークと、少なくとも一対の立設部
の対向面の何れか一方の面に固着されたマグネットとに
より磁気回路を構成し、この磁気回路により、対物レン
ズがフォーカシング方向とトラッキング方向とに制御駆
動される対物レンズ制御駆動装置において、磁気回路を
構成するヨークの基部と立設部とのトラッキング方向の
幅が、ほぼ同一であることを特徴とする。

【０００９】本発明の光学ピックアップ装置では、少な
くとも光源である半導体レーザと、半導体レーザから出
射されたレーザ光を光記録媒体に集光する対物レンズ
を、基部と、この基部の所定箇所を直角且つ平行に折り
曲げた一対の立設部とで構成されたヨークと、少なくと
も一対の立設部の対向面の何れか一方の面に固着された
マグネットとで構成された磁気回路により、フォーカシ
ング方向とトラッキング方向とに制御駆動する対物レン
ズ制御駆動装置と、光記録媒体で反射されたレーザ光を
受光し、少なくともフォーカシングエラー信号とトラッ
キングエラー信号とを検出する受光素子とを有する光学
ピックアップ装置において、対物レンズ制御駆動装置の
磁気回路を構成するヨークの基部と立設部とのトラッキ
ング方向の幅が、ほぼ同一であることを特徴とする。

【００１０】本発明の光記録再生装置では、少なくとも
光源である半導体レーザと、半導体レーザから出射され
たレーザ光を光記録媒体に集光する対物レンズを、基部
と、この基部の所定箇所を直角且つ平行に折り曲げた一
対の立設部とで構成されたヨークと、少なくとも一対の
立設部の対向面の何れか一方の面に固着されたマグネッ
トとで構成された磁気回路により、フォーカシング方向
とトラッキング方向とに制御駆動する対物レンズ制御駆
動装置と、光記録媒体で反射されたレーザ光を受光し、
少なくともフォーカシングエラー信号とトラッキングエ
ラー信号とを検出する受光素子とを有する光学ピックア
ップ装置と、光学ピックアップ装置のトラッキング方向
への移動手段とを有する光記録再生装置において、対物
レンズ制御駆動装置の磁気回路を構成するヨークの基部
と立設部とのトラッキング方向の幅が、ほぼ同一である
ことを特徴とする。なお、ここで言う光記録再生装置
は、再生のみを行う再生専用装置、記録のみを行う記録
専用装置、記録と再生の両方を行うことができる装置を
含むものである。

【００１１】上述した手段によれば、対物レンズ制御駆
動装置のヨークの形状に基づく固有の一次共振周波数を
従来のものよりも低域側に導くことができ、この対物レ
ンズ制御駆動装置を具備する光学ピックアップ装置なら
びに光記録再生装置ではヨークの形状に基づく固有の一
次共振周波数と光記録媒体固有の一次共振周波数との間
隔が大となり、ヨークの形状に基づく固有の一次共振周
波数の振動が光記録媒体に伝達されてもフォーカシング
サーボ及びトラッキングサーボが不安定となる虞がな
い。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明は、基部と、この基部の所
定箇所を直角且つ平行に折り曲げた一対の立設部とで構
成されたヨークと、少なくとも一対の立設部の対向面の
何れか一方の面に固着されたマグネットとにより磁気回
路が構成され、この磁気回路により、対物レンズがフォ
ーカシング方向とトラッキング方向とに制御駆動される
対物レンズ制御駆動装置及びこれを具備した光学ピック
アップ装置ならびに光記録再生装置に適用することがで
きる。以下、本発明の実施例について図１を参照して説
明するが、対物レンズ制御駆動装置、光学ピックアップ
装置及び光記録再生装置の概略構成については、従来の
技術において図２〜図４を参照して説明した事例と同様
なので、重複する説明を省略する。なお、図中の構成要
素で従来の技術と同様の構造を成しているものについて
は、同一の参照符号を付すものとする。

【００１３】

【実施例】図１は、対物レンズ制御駆動装置の磁気回路
を構成するヨークの概略外観斜視図である。従来の技術
における図４を参照して説明したように、ヨーク１３の
形状に基づく固有の一次共振周波数ｆは、基部１３ａの
トラッキング方向両端を支点とするバネ常数をｋ、基部
１３ａのトラッキング方向の幅をｌ、ヨーク１３（基部
１３ａ＋立設部１３ｂ）の質量をｍとすると、ｆ∝（ｋ
ｌ／ｍ）^1/2の関係にある。従って、基部１３ａのトラ
ッキング方向の幅ｌを従来のものよりも小とすれば
（（ｋｌ／ｍ）^1/2の値は従来のものよりも小となる。
即ち、本発明は図１に示したように、基部１３ａと立設
部１３ｂのトラッキング方向の幅をほぼ同一とすれば、
ヨーク１３の形状に基づく固有の一次共振周波数ｆ∝
（ｋｌ／ｍ）^1/2の値を従来のものよりも低域側に導く
ことができる。

【００１４】

【発明の効果】本発明の対物レンズ制御駆動装置のヨー
クの形状に基づく固有の一次共振周波数は、ヨークを構
成する基部と立設部のトラッキング方向の幅をほぼ同一
にすることにより従来のものよりも低域側に導くことが
でき、ヨークの形状に基づく固有の一次共振周波数と光
記録媒体固有の一次共振周波数との間隔を大とすること
ができる。また、本発明の対物レンズ制御駆動装置を具
備する光学ピックアップ装置ならびに光記録再生装置で
は、ヨークの形状に基づく固有の一次共振周波数の振動
が光記録媒体に伝達されてもフォーカシングサーボ及び
トラッキングサーボが不安定になる虞がなく、これらの
安定化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の対物レンズ制御駆動装置の磁気回路
を構成するヨークの概略外観斜視図である。

【図２】 従来の光記録再生装置及び光学ピックアップ
装置の概略平面図である。

【図３】 図２における概略Ａ−Ａ断面図である。

【図４】 従来の対物レンズ制御駆動装置の磁気回路を
構成するヨークの概略外観斜視図である。

【符号の説明】

１…光記録媒体、２…半導体レーザ、３…コリメータレ
ンズ、４…ビームスプリッタ、５…ミラー、６…集光レ
ンズ、７…受光素子、８…対物レンズ制御駆動装置、９
…対物レンズ、１０…弾性体、１１…可動部、１２…固
定部、１３…ヨーク、１３ａ…基部、１３ｂ…立設部、
１４…マグネット、１５…トラッキングコイル、１６…
フォーカシングコイル、１７…ブロック、１８…ガイド
軸、１９…スピンドルモータ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基部と、 前記基部の所定箇所を、直角且つ平行に折り曲げた一対
   の立設部とで構成されたヨークと、 少なくとも前記一対の立設部の対向面の何れか一方の面
   に固着されたマグネットとで構成された磁気回路によ
   り、 対物レンズが、フォーカシング方向とトラッキング方向
   とに制御駆動される対物レンズ制御駆動装置において、 前記基部と前記立設部とのトラッキング方向の幅が、ほ
   ぼ同一であることを特徴とする対物レンズ制御駆動装
   置。
2. 【請求項２】 少なくとも光源である半導体レーザと、 前記半導体レーザから出射されたレーザ光を光記録媒体
   に集光する対物レンズを、 基部と、 前記基部の所定箇所を、直角且つ平行に折り曲げた一対
   の立設部とで構成されたヨークと、 少なくとも前記一対の立設部の対向面の何れか一方の面
   に固着されたマグネットとで構成された磁気回路によ
   り、フォーカシング方向とトラッキング方向とに制御駆
   動する対物レンズ制御駆動装置と、 前記光記録媒体で反射されたレーザ光を受光し、少なく
   ともフォーカシングエラー信号とトラッキングエラー信
   号とを検出する受光素子とを有する光学ピックアップ装
   置において、 前記基部と前記立設部とのトラッキング方向の幅が、ほ
   ぼ同一であることを特徴とする光学ピックアップ装置。
3. 【請求項３】 少なくとも光源である半導体レーザと、 前記半導体レーザから出射されたレーザ光を光記録媒体
   に集光する対物レンズを、 基部と、 前記基部の所定箇所を、直角且つ平行に折り曲げた一対
   の立設部とで構成されたヨークと、 少なくとも前記一対の立設部の対向面の何れか一方の面
   に固着されたマグネットとで構成された磁気回路によ
   り、フォーカシング方向とトラッキング方向とに制御駆
   動する対物レンズ制御駆動装置と、 前記光記録媒体で反射されたレーザ光を受光し、少なく
   ともフォーカシングエラー信号とトラッキングエラー信
   号とを検出する受光素子とを有する光学ピックアップ装
   置と、 前記光学ピックアップ装置のトラッキング方向への移動
   手段とを有する光記録再生装置において、 前記基部と前記立設部とのトラッキング方向の幅が、ほ
   ぼ同一であることを特徴とする光記録再生装置。