JPH1119108A - スト−マ装具のパウチ - Google Patents

スト−マ装具のパウチ

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JPH1119108A
JPH1119108A JP9187626A JP18762697A JPH1119108A JP H1119108 A JPH1119108 A JP H1119108A JP 9187626 A JP9187626 A JP 9187626A JP 18762697 A JP18762697 A JP 18762697A JP H1119108 A JPH1119108 A JP H1119108A
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JP
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pouch
stoma
film
excrement
polyolefin
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Kazuhiro Sasaki
和弘 佐々木
哲也 ▲高▼橋
Tetsuya Takahashi
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Alcare Co Ltd
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Alcare Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スト−マから排出される排泄物を受入れるス
ト−マ装具のパウチを、丈夫で、排泄物が漏れず、皮膚
になじみ易いようにする。 【解決手段】 スト−マ装具のパウチを、メタロセン触
媒を用いて製造したポリオレフィン系プラスチックフイ
ルムを用いて形成する。これは低温ヒ−トシ−ル性が良
好で、確実なヒ−トシ−ルを行ってパウチを形成するこ
とがきる。また、薄いフイルムであっても丈夫で破れ難
く、皮膚へのなじみもよく、内面に排泄物が付着するこ
とも少なくて、排泄物の廃棄もスム−ズに行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体の表面に形成
したストーマから排出される排泄物を受入れて収納する
スト−マ装具のパウチに関する。
【0002】
【従来の技術】直腸、結腸、膀胱その他の疾患のために
これらを摘除し、体壁を通って体外に便や尿の排泄物が
出るように作られたスト−マには、その排出物を収納す
るためのスト−マ装具が用いられている。こうしたスト
−マ装具には、スト−マの周囲の皮膚表面に貼付けて固
定する接皮部材に、排泄物を受入れて収納するパウチを
直接取付けた単品系のものと、上記接皮部材とは別体
で、これに係脱可能な着脱部材に上記パウチを取付けた
多品系のものが知られているが、いずれもパウチ内にス
ト−マからの排泄物を収納するようにしている。
【0003】上記パウチは、スト−マからの排泄物を確
実に受入れ、排泄物が中に溜っているときにも身体に装
着していなければならないことが多いこともあって、排
泄物が漏れないようにシ−ルが確実であり、また耐衝撃
性、引張強度が高いと共に、皮膚になじみ易いように柔
軟性も要求されている。従来、こうしたパウチは、高圧
ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EV
A)等のフイルムを用いて形成されていた。また臭気漏
れを防止するために、これらの間にエチレン・ビニルア
ルコール共重合体を挟んだ多層フイルムも使用されてい
たが、それぞれ一長一短があって上記した要求特性を充
分に満足するものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな要求特性をバランスよく充足するようなパウチを得
ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記したスト
−マ装具のパウチに、メタロセン触媒を用いて製造した
ポリオレフィン系プラスチックフイルムを使用すること
によって、上記課題を解決することができることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】スト−マ装具1の接皮部材2の中
心部には皮膚表面に形成されたスト−マ3が入る開口4
があり、この接皮部材の一面には開口を囲むようにフラ
ンジ片5が溶着、接着その他の適宜方法で取付けられて
いる。このフランジ片5には、上記開口4を囲むように
リング状をしている嵌合部6が形成されている。上記接
皮部材2の他面には粘着層7を形成して剥離紙(図示
略)で覆っており、この剥離紙を剥がして粘着層7でス
ト−マ3周縁の皮膚表面9に貼付けるようにしている。
この粘着層7は、疎水性ポリマ−と親水性ポリマ−を組
合せて、粘着性を有すると共に皮膚に刺激を与えること
が少い皮膚保護剤で形成することができる。
【0007】上記接皮部材2の嵌合部6と嵌り合う嵌合
部14を有する着脱部材12には、便や尿などの排泄物
を受入れて収納するパウチ11が溶着、接着等により取
付けられており、このパウチの周縁はヒ−トシ−ル15
によって封止されている。
【0008】上記スト−マ3に上記接皮部材2の開口4
を当て、上記粘着層7によって身体の皮膚表面9に密接
するように固定し、その嵌合部6に着脱部材12の嵌合
部14を当てて、順次そのリングに沿って嵌め合わせる
ようにすれば、着脱部材12は接皮部材2に取付けら
れ、スト−マ3から排出される排泄物は、着脱部材12
のパウチ11に受入れられる。袋内に受入れられた排泄
物は、上記嵌合部6,14の嵌め合せを外すことによっ
て着脱部材のパウチ内より廃棄される。
【0009】上記パウチ11は、メタロセン触媒を使用
して製造されたポリオレフィン系プラスチックフイルム
によって形成される。メタロセン触媒は、ジルコニウム
等の遷移金属をπ電子系の不飽和環状化合物で挟んだ構
造をしており、トルエン等の芳香族溶媒に可溶な均一系
となっていて、メチルアルモキサン等の助触媒と組合せ
て使用されるものがある。このメタロセン触媒は、エチ
レン、プロピレンなどのオレフィンに対して高い重合活
性を示すと共に、活性点が均一なシングルサイトという
特徴を有していることから、ポリマ−の分子量、コモノ
マ−の分布や分岐がより均一化されるものと考えられて
いる。
【0010】こうしたメタロセン触媒を使用して製造し
たポリオレフィン系プラスチックの一つとして、ポリエ
チレンを主鎖とし、C4 〜C8 のα−オレフィンが分岐
状に共重合したものをフイルムに形成したもので、厚み
を50μm としたときに、引張強度(MPa 、MD/TD、測
定法 JIS Z1707)30〜60/30〜60、引張弾性(MPa 、MD
/TD、測定法 ASTM D882に準ず)50〜 600/50〜 600、
引張伸度(%、MD/TD、測定法 JIS Z1707)400 〜1000
/ 400〜1000、引裂強度(N/cm、MD/TD、測定法 JIS P
8116) 450以上/ 450以上、曇度(%、測定法 JIS K71
05)3〜30、光沢(%、60°、測定法 JIS K7105)50〜
150 、静摩擦係数(tanθ、測定法・傾斜角法)0.1〜1.0
の物理特性を有し、低温シ−ル性である。上記のMDはフ
イルムの流れ方向を表し、上記のTDはフイルムの幅方向
を表す。こうしたプラスチックフイルムとしてはタマポ
リ(株)の SE605M 等が知られている。
【0011】上記フイルムは低温シ−ル性に優れている
ので、約115℃前後と従来に比べて10℃程度低温で
ヒ−トシ−ルを行うことができ、パウチを作るときに容
易かつ確実に行うことができるし、衝撃強度、引裂強度
に優れていて丈夫で、ピンホ−ルを生ずることが少ない
ので、パウチ内に入った排泄物が漏れるようなことがな
く、フイルムを薄くして使用することができるので柔軟
性があって皮膚に対する馴染みがよくガサガサと音がし
ないようなパウチとすることができる。また、従来のも
のに比べて耐ブロッキング性がよいので、パウチの前後
のフイルム同志が付着することがなく、スト−マから排
出された排泄物はスム−ズに底部へと移動して行くし、
排泄物をパウチ内から容易に取出せる。更に、透明性に
富んでいるのでスト−マの位置や状況、排泄物の性状等
の確認が容易にできて使用し易い。
【0012】上記フイルムはガス透過性があって、排泄
物からの臭気が少し外に漏れることがあるので、上記フ
イルムにガスバリヤ−性に優れたポリ塩化ビニリデン、
エチレン・ビニルアルコール共重合体等のフイルムと一
体にした積層フイルムとして用いると一層好ましく、こ
の場合上記メタロセン系のフイルムをパウチの内側にな
るようにして形成するとよい。この場合、中間にポリ塩
化ビニリデンフイルムを位置させ、両面を上記メタロセ
ン系のフイルムで挟むようにして形成した積層フイルム
にすると使用し易いことが多い。
【0013】このパウチは上記したように底部の閉じら
れているものの他、底部が開放されていて封止具によっ
て閉じるようにしたもの、上記接皮部材とパウチが一体
的にされた単品系のものにおいても同様に形成すること
ができる。
【0014】
【実施例】
(実施例1)メタロセン触媒を用いて、ポリエチレンの
主鎖にα−ヘキセンを分岐状に共重合したエチレン・ヘ
キセン・レジンを用いて、厚さ50μm のフイルムに形
成したタマポリ(株)製のSE605Mを使用して、ヒ−トシ
−ル法により上記図示したスト−マ装具のパウチを形成
した。上記フイルムSE605Mの特性は次のとおりである。 引張強度(MPa 、MD/TD)(JIS Z1707) 40/40 引張弾性(MPa 、MD/TD)(ASTM D882) 90/110 引張伸度(%、MD/TD)(JIS Z1707) 650/730 引裂強度 (N/cm、MD/TD)(JIS P8116) 850/1450 曇度(%)(JIS K7105) 12
【0015】(実施例2)上記フイルムSE605Mの厚さ3
0μm のもの2枚の間に、厚さ15μm のポリ塩化ビニ
リデンフイルムを挟んで三層構造とした複合フイルムに
よって、上記と同様に図示のスト−マ装具のパウチを形
成した。
【0016】(比較例)タマポリ(株)製の厚さ50μ
m のEVAフイルムであるSB−51を用いて、上記実
施例1と同様にヒ−トシ−ル法により図示のスト−マ装
具のパウチを形成した。このEVAフイルムの特性は次
のとおりである。 引張強度(MPa 、MD/TD)(JIS Z1707) 24/20 引張弾性(MPa 、MD/TD)(ASTM D882) 170/220 引張伸度(%、MD/TD)(JIS Z1707) 320/500 引裂強度 (N/cm、MD/TD)(JIS P8116) 400/300 曇度(%)(JIS K7105) 13
【0017】(試用テスト等の結果)実施例1,2のも
のは、比較例に比べて約10℃低い110℃でヒ−トシ
−ルを行うことができ、パウチの形成がやり易く、確実
にできた。実施例1のものは、比較例に比べてピンホ−
ルの生成が少ないものと考えられ、尿や糞等の排泄物が
もれ出してくることもなかった。また実施例1のものは
引張強度、引裂強度も大きいことから丈夫であり、もう
少し厚みの薄いものを使用しても充分に実用性があるも
のと考えられた。比較例のものは、パウチフイルムのブ
ロッキング現象によりパウチ内に排出された排泄物が底
部まで落下しないものが見られたが、実施例1,2のも
のでは、排泄物がスム−ズに底部まで落下した。また、
排泄物をパウチから取出すときも、比較例では内壁に付
着する量が多かったが、実施例のものではその量が非常
に少なかった。また、実施例2のものでは排泄物からの
臭気が殆ど感じられなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明は上記したように、低温シ−ル
性、耐ピンホ−ル性に優れており、薄いフイルム厚で丈
夫で破れ難いパウチを得ることができ、装着したときの
皮膚に対する馴染みがよくて、体の動きに応じてガサガ
サと音がするようなこともなく、内面に排泄物が付着す
ることも少くて、溜っていた排泄物もスム−ズにパウチ
外に廃棄することができて使用に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す分解正面図である。
【図2】図1のものをストーマに取り付けた状態を示す
一部省略断面図である。
【符号の説明】
1 スト−マ装具 2 接皮部材 3 スト−マ 4 接皮部材の開口 5 接皮部材のフランジ片 6 接皮部材の嵌合部 7 接皮部材の粘着層 11 パウチ 12 着脱部材 14 着脱部材の嵌合部 15 パウチ周縁のヒートシール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体に形成したスト−マより排出される
    排泄物を受入れて収納するパウチをメタロセン触媒を用
    いて製造されたポリオレフィン系プラスチックフイルム
    で形成したことを特徴とするスト−マ装具のパウチ。
  2. 【請求項2】 上記メタロセン触媒を用いて製造された
    ポリオレフィン系プラスチックフイルムは、ポリエチレ
    ンの主鎖にC5 〜C8 のα−オレフィンが分岐共重合し
    たものを、フイルムに形成したもので、厚み50μm と
    したときに引張強度(MPa 、MD/TD)30〜60/30〜60、
    引張弾性(MPa 、MD/TD)50〜 600/50〜600 、引張伸
    度(%、MD/TD) 400〜1000/ 400〜1000、引裂強度(N
    /cm、MD/TD) 450以上/450 以上の特性を有するもの
    で形成されている請求項1記載のスト−マ装具のパウ
    チ。
  3. 【請求項3】 生体に形成したスト−マより排出される
    排泄物を受入れて収納するパウチを、メタロセン触媒を
    用いて製造されたポリオレフィン系プラスチックフイル
    ムを両面に有し、中間にポリ塩化ビニリデンフイルムま
    たはエチレン・ビニルアルコール共重合体フイルムを介
    在させた複層フイルムで形成したことを特徴とするスト
    −マ装具のパウチ。
  4. 【請求項4】 上記両面に位置するメタロセン触媒を用
    いて製造されたポリオレフィン系プラスチックフイルム
    の厚みは各々15〜45μm であり、その間に介在して
    いるポリ塩化ビニリデンフイルムまたはエチレン・ビニ
    ルアルコール共重合体フイルムの厚みが10〜20μm
    である請求項3記載のスト−マ装具のパウチ。
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