JPH11190408A - トロイダル型無段変速機のディスク - Google Patents

トロイダル型無段変速機のディスク

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JPH11190408A
JPH11190408A JP9361151A JP36115197A JPH11190408A JP H11190408 A JPH11190408 A JP H11190408A JP 9361151 A JP9361151 A JP 9361151A JP 36115197 A JP36115197 A JP 36115197A JP H11190408 A JPH11190408 A JP H11190408A
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metal flow
traction
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diameter
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潔 大久保
Hiroshi Tsubouchi
啓 坪内
Takashi Imanishi
尚 今西
Nobuo Goto
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    • B21K1/00Making machine elements
    • B21K1/28Making machine elements wheels; discs
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
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    • F16H15/04Gearings providing a continuous range of gear ratios
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    • F16H15/36Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface
    • F16H15/38Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産コストの低減を可能にするとともに、長
寿命化を図ることができるトロイダル型無段変速機のデ
ィスクを提供する。 【解決手段】 ディスク1は小径端部2と大径端部3と
の間に断面円弧凹状のトラクション面4を備えており、
小径端部2側の端面中心部には大径端部3側の端面まで
貫通する穴が形成されて該穴の内周面が内径面5とされ
ている。ここで、ディスク1に存在するメタルフロー6
のうちで、トラクション面4側のメタルフロー6と該ト
ラクション面4の接線とのなす角度θが30°以下にな
るような位置関係をディスク1の表面に対して有するメ
タルフロー6を「ディスク表面に沿うメタルフロー6」
と定義した場合に、「ディスク表面に沿うメタルフロー
6」が少なくともトラクション面4に存在するように構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や各種産業
用機械等に用いられるトロイダル型無段変速機のディス
クに関する。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型無段変速機は、例えば、図
15に示すように、互いに同軸配置された入力及び出力
ディスクa,bと、入力及び出力ディスクa,bの各ト
ラクション面f,i間に介在されたパワーローラcとを
備える。
【0003】入力ディスクaは小径端部dと大径端部e
との間に断面円弧凹状のトラクション面fが形成され、
出力ディスクbも同様に小径端部gと大径端部hとの間
に断面円弧凹状のトラクション面iが形成されている。
入力ディスクaのパワーローラcから離間する側には複
数の係合ローラを介してローディングカム(共に図示せ
ず。)が同心に配置されており、ローディングカムと入
力ディスクaとの間に供給された油圧により、トルクに
比例した入力ディスクa側への推力を付与するようにし
ている。
【0004】パワーローラcは、入力及び出力ディスク
a,bの各トラクション面f,iに摩擦係合して動力の
伝達を行うものであり、トラニオンjによってディスク
a,bの径方向に傾動可能に支持されている。そして、
図示しない駆動機構でトラニオンjを操作してパワーロ
ーラcの入力及び出力ディスクa,bに対する径方向の
接触位置を変えることにより、入力ディスクaと出力デ
ィスクbとの間の回転速度比、即ち変速比を連続的に変
化させることができるようになっている。
【0005】ところで、トロイダル型無段変速機は、よ
り高いトルクの伝達が必要とされており、このため、入
力及び出力ディスクa,bとパワーローラーcは、通常
の機械部品(一般的なギア、軸受)に比べて非常に大き
な繰り返し曲げ応力や繰り返しせん断応力を受け、入力
及び出力ディスクa,bについては、特に、図17に細
いハッチングで示すように、トラクション面f,i、小
径端部d及び該小径端部d側の内径面が大きな繰り返し
曲げ応力や繰り返しせん断応力を受ける。従って、入力
及び出力ディスクa,bの製造に際しては、これらの繰
り返し曲げ応力や繰り返しせん断応力に影響されないよ
うな耐久性の高い材料を用いる必要がある。
【0006】入力及び出力ディスクa,bを製造するに
は、例えば図12に示すような入力及び出力ディスク
a,bの軸長と同じ長さの円柱素材(浸炭鋼等)を、削
り出しや切り出しによって図16に示すような最終形状
に加工している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
入力及び出力ディスクa,bの製造方法においては、材
料の歩留りが悪く、しかも、切削時間も長時間を要する
ため、生産コストが高騰するという不都合がある。
【0008】また、メタルフロー(組織の流れ)kが軸
線方向に沿って配置されるため、パワーローラcが大き
な圧力で摩擦係合するトラクション面f,iにおいてメ
タルフローkが途切れてしまって該トラクション面f,
iに沿う部分がなくなり、この結果、トラクション面
f,iのパワーローラcの摩擦係合部分に材料の剥離が
生じやすくなるとともに、メタルフローkの分断箇所が
破壊の起点となって、入力及び出力ディスクa,bに衝
撃割れや疲労割れが発生しやすくなり、入力及び出力デ
ィスクa,bの長寿命化を妨げる原因になるという不都
合がある。
【0009】本発明はかかる不都合を解消するためにな
されたものであり、生産コストの低減を可能にするとと
もに、長寿命化を図ることができるトロイダル型無段変
速機のディスクを提供することを目的とする。
【0010】なお、円柱素材の中心及び中心近傍の部分
(図12及び図16において0.3D部分:Dは円柱素
材の直径)は疲労破壊強度に大きな影響を及ぼす非金属
介在物の密度が高いため(図13参照)、該介在物がデ
ィスクの曲げ応力等の厳しい領域(例えば小径端部側の
内径面)やトラクション面のうちで最も厳しいせん断応
力を受ける領域に存在しないようすることが望まれる。
【0011】非金属介在物について説明すると、材料の
繰り返し曲げなどに対する材料強度には、その破壊の起
点となる欠陥の大きさが大きく影響を及ぼすことが知ら
れており、例えば「微小欠陥と介在物の影響」(村上
著、1993年、養賢堂発行)には、繰り返し曲げが加
わった場合の材料の疲労限度が K:1.43(欠陥が表面に存在する場合) 1.41(欠陥が表面に接するように存在する場合) 1.56(欠陥が内部に存在する場合) σw :疲労限度 Hv:材料の硬さ(材料素材のマトリックスの強さに関
するもの) (area)1/2 :欠陥やき裂を最大主応力方向に投影した投
影面積の平方根(欠陥やき裂の寸法を代表する量) で表わせることが述べられている。
【0012】従って、トロイダル型無段変速機のような
過酷な条件(大きな繰り返し曲げ応力と同時に大きな繰
り返しせん断応力を受ける)で使用される機械部品にお
いては、このような破壊の起点となる欠陥を管理した材
料を使用することが望ましい。
【0013】一般に、高強度を必要とする鋼の主な欠陥
原因は、酸化物系介在物であることが知られている。こ
のような酸化物系介在物を管理する方法としては、JI
S法(JIS−G−0555)やASTM法(ASTM
―E45)などが知られている。また、特に高清浄度を
要求する軸受材料において、例えば特開平3−2944
35号公報に開示されているように電子ビーム溶解法を
使つて材料を再溶解し、大きな酸化物系介在物を浮遊さ
せて材料の清浄度を管理する方法や、「微小欠陥と介在
物の影響」(村上著、1993年、養賢堂発行)に開示
されている極値統計法(単位面積S0 あたりの最大酸化
物系介在物径を数個の試験片から調査し、その後、統計
処理を行なうことにより、必要とする面積Sでの推定最
大酸化物系介在物怪を予測する方法)がある。
【0014】このような清浄度の管理方法を用いて、例
えば転がり軸受やギアなどでは、その機能に十分対応で
きる鋼の清浄度管理が行われているが、トロイダル型無
段変速機を構成するディスクやパワーローラにおいて
は、転がり軸受やギアなどのように通常の繰り返し応力
を受ける機械部品に比べて応力の絶対値が大きく(接触
面圧4.0GPa程度、曲げ応力90kgf/mm2
度)、しかも、繰り返し曲げ応力と繰り返しせん断応力
が同時に加わるとともに、応力を受ける体積が大きい。
このため、トロイダル型無段変速機のディスクにおいて
は、このような介在物管理法では十分な強度を得ること
が困難であり、従って、介在物の影響を受けないようす
るための新たな手段が望まれる。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明に係るトロイダル型無段変速機のディスク
は、小径端部と大径端部との間に断面円弧凹状のトラク
ション面が形成され、該トラクション面を互いに対向さ
せた状態で同軸配置された入力及び出力ディスクと、該
入力及び出力ディスクの各トラクション面に摩擦係合し
て動力の伝達を行うパワーローラとを備えたトロイダル
型無段変速機において、全ての仕上加工が行われた完成
状態での前記トラクション面側のメタルフローと該トラ
クション面の接線とのなす角度θの上限値を30°以
下、好ましくは20°以下になるような位置関係を前記
ディスク表面に対して有するメタルフローを該ディスク
表面に沿うメタルフローと定義した場合に、前記ディス
クの表面に沿うメタルフローを少なくとも前記トラクシ
ョン面に備えたことを特徴とする。
【0016】ここで、トラクション面の接線とのなす角
度θが30°を越えるメタルフローは、エンドフロー
(ディスク表面に沿わないメタルフロー)と同等となっ
て材料の剥離を発生させるとともに、曲げ疲労等による
ディスクの破壊(割れ寿命低下)を招く原因になる。
【0017】また、θの下限値は限りなくθ≒0°が望
ましいが、図5、図9の鍛造後(二点鎖線)と加工完了
後(実線)の関係にみられる様に、トラクション面4、
内径面2の例で言えば取代が変化することにより、加工
後のトラクション面4、内径面2と交わるメタルフロー
6の角度は鍛造後に対し変化する。鍛造後の1本のメタ
ルフロー6に着目すれば、上の各面に対しそれぞれの深
さ方向(取代量相当)に一定の角度で交わるのではな
く、刻々変化していることから明らかである。そして、
本願発明でいう各面の接線とのなす角度θ、即ち、剥離
や曲げ疲労に影響を及ぼすθの意味は、鍛造後の状態で
いうのではなく、加工完了後、即ち、使用状態で定義す
るものである。
【0018】従って、鍛造後のメタルフロー6は所定取
代によって加工完了時に本願発明でいうθ範囲になる状
態になっていれば足りる。とは言え、θが0°又は限り
なく0°に近い製品はディスクの性能上最も望ましいこ
とは言うまでもないが、取代をできるだけ少なくした
い。又、取代のばらつき、面に直角に取代を除去する
か、角度を以て取代を除去するなどの加工上の必要か
ら、極端にθを0°に厳しく求めると、加工不良など製
品歩留りを損ない、製造コストが上昇してしまう。
【0019】本願発明では、性能と製造コストの両方を
満たすディスク及び製法を目的とする意味からθ=2〜
30°、好ましくは5〜20°とした。下限は主として
性能と歩留りの向上の両方から、上限は主として上述し
たように剥離、曲げ疲労向上で限定した。
【0020】以上が本願発明のディスク表面に沿うメタ
ルフローの定義である。 (イ)また、「ディスク表面に沿うメタルフロー」は、
上述したトラクション面に加えて、ディスクの軸方向の
長さをAとした場合に小径端面から軸方向に少なくとも
1/3Aの範囲に渡ってディスクの内径面に存在するの
が好ましい。
【0021】このように、「ディスク表面に沿うメタル
フロー」を小径端面から軸方向に少なくとも1/3Aの
範囲に渡ってディスクの内径面に存在させるのは、内径
面には図17に示すように止め輪の周溝があったりして
曲げ応力等の厳しい部分であるため、1/3Aを越える
までは本願発明のθ範囲にすることがディスクの長寿命
化のために必要だからである。 (ロ)この場合、「ディスク表面に沿うメタルフロー」
がディスクの小径端部側の端面にも存在するようにする
と、曲げ疲労や周溝に対する応力集中を緩和することが
できるので、ディスクの更なる長寿命化を図ることが可
能になる。 (ハ)更に、図14を参照して、トラクション面の曲率
中心Oを通る水平線(ディスクの軸線と平行な線)との
なす角度αが45°以上、好ましくは48°以上の範囲
に渡って「ディスク表面に沿うメタルフロー」がトラク
ション面に周方向に沿って存在するようにするのが好ま
しい。
【0022】このようにすると、トラクション面のうち
で最も厳しい曲げ応力等を受ける領域(図17の細かい
ハッチング部分参照)を「ディスク表面に沿うメタルフ
ロー」でカバーすることが可能になって、曲げ応力等に
起因するディスクの破損を防止することができる。 (ニ)更に、本発明に係るトロイダル型無段変速機のデ
ィスクは、型を用いた鍛造(後述する。)によって製作
されるが、この場合、図10及び図15を参照して、パ
ワーローラが水平(ディスクの軸線と平行)になったと
き、即ち、変速比が1:1のときのトラクション面とパ
ワーローラとの接触楕円の短半径をbとした場合に、ト
ラクション面から深さ方向に1.5b以上離れた領域に
高密度の非金属介在物が存在するようにするのが好まし
い。
【0023】トラクション面のうちで最も厳しいせん断
応力を受ける領域はトラクション面から深さ方向に1.
5b未満の領域であり、この領域に介在物が存在しなけ
れば、ディスクの寿命に影響しないからである(図11
参照)。 (ホ)また、上述したように、小径端部側の端面から軸
方向に1/3Aの範囲の内径面は止め輪の周溝があった
りして曲げ応力等の厳しい部分であるため、該内径面の
1/3A以下の部分についても介在物が存在しないよう
にするのが好ましい。
【0024】ところで、図18及び図19は特開9−1
26289号公報に開示されているトロイダル型無段変
速機のディスクの製造方法を示している。これらの製法
は本発明に係るディスクにおいてθ=0°のメタルフロ
ーを備えたディスクの製造にのみ使用することが可能で
あるが、θ=0°以外のメタルフローを備えたディスク
の製造には適応しない他、種々の問題を有している。
【0025】まず、図18に示す従来のディスクの製法
から説明すると、この製法は、外周面に軸方向に沿って
メタルフローmが延在する円柱素材(浸炭鋼等)nを上
型oと下型pとの間に同心に挟み込んで所定量成形する
(図18(b)参照)。上型oはディスクq1 の小径端
部rを成形する小径端部成形面sと断面円弧凹状のトラ
クション面tを成形するトラクション面成形面uとを有
し、下型pは大径端部vを成形する大径端部成形面wを
有する。そして、上型o及び下型pを更に接近させて素
材nを軸線方向に数回圧鍛し、これにより、素材nの上
下端部にそれぞれ小径端部r及び大径端部vを成形する
とともに、小径端部rと大径端部vとの間にトラクショ
ン面tを成形する。
【0026】次いで、図18(c)に示すように、上型
o及び下型pを最接近させて素材nをディスクq1 の最
終形状に型鍛造し、これに研削仕上げを施すとともに内
径面xを削り出し、これにより、図18(d)に示すよ
うなディスクq1 の最終製品を完成させる。
【0027】しかしながら、かかる従来の製法において
は、一種類の上下型o,pで円柱素材nをディスクq1
の最終形状まで鍛造するようにしてため、上下型o,p
と素材nとの接触時間が長くなって上下型o,pが加工
時の熱影響を被りやすくなり、この結果、上下型o,p
の表面硬度が低下して型寿命が短くなるという不都合が
ある。
【0028】また、成形の最終段階で上下型o,pの空
間に密閉状態で素材nが充満するようになるため、上下
型o,pの角部に欠肉やバリが発生し易くなり、しか
も、無理にディスクq1 の形状を良くしようとすると過
大な成形荷重を要することになって上下型o,pが破損
してしまうという不都合がある。
【0029】更に、型鍛造後の工程で研削仕上げを行う
ようにしているので、研削に要する加工時間の短縮を図
るべく研削取りしろを小さく押さえる必要があり、この
結果、鍛造時の上下型o,pの摩耗を小さくせざるを得
ず、上下型o,pの寿命が短くなるという不都合があ
る。
【0030】更に、円柱素材nを上下型o,p内で保持
する構造になっていないため、円柱素材nが上下型o,
pの中心からずれ易くなり、この結果、加工精度が悪く
なるという不都合がある。
【0031】そこで、かかる不都合を解消するために本
発明者等は次に示す従来にない新たなディスクの製造方
法を考案した。この製法は本発明に係るディスクの製
造、特に、本発明に加えて上述した(イ)及び(ハ)の
各手段を備えたディスクの製造に好適なものである。
【0032】即ち、このディスクの製法は、外周面に軸
方向に沿ってメタルフローが延在する円柱素材を第1の
鍛造型を用いて据え込む第1工程と、据え込み後の素材
を第2の鍛造型を用いて成形して前記素材の上端面中央
部に内径面の一部を形成するとともに、該第2の鍛造型
の成形面を転写する第2工程と、該第2工程によって得
られた素材を第3の鍛造型を用いて成形して小径端部、
トラクション面及び大径端部を形成するとともに第2工
程で成形された内径面の一部を大径端部の背面との間に
残壁が残る程度に更に押し込み、更に、該大径端部の外
径面にバリを形成する第3工程とを備え、各工程を経て
得られた型鍛造品の前記バリ及び前記残壁を除去した
後、切削加工を施して最終形状のディスクに成形し、こ
れに熱処理及び仕上加工を施すことを特徴とする。
【0033】かかるディスクの製法においては、型鍛造
を3工程に分けて三種類の型で行っているので、型と素
材との接触時間が短くなって成形時に型に及ぼす熱影響
を少なくすることができ、この結果、型表面硬度を良好
に維持することが可能になって型寿命の向上を図ること
ができる。
【0034】また、第1工程において円形素材の据え込
み量を多くすることにより、第2工程及び製品の最終形
状に近い形状を得るために高い成形荷重が必要となる第
3工程での成形量を短くすることができ、この結果、第
2工程及び第3工程での鍛造型の加工負担を軽減するこ
とができ、型寿命の延長を図ることができる。
【0035】更に、第1工程において円形素材の据え込
み量を多くすることにより、第2工程における鍛造型の
内径面の一部を成形する部分の押し込み程度及び第3工
程において鍛造型の第2工程で成形された内径面の一部
を更に押し込む部分の押し込み程度を軽減することがで
き、この結果、鍛造型の材料の熱影響を最も受けやすい
部分の寿命を飛躍的に向上させることができる。
【0036】更に、型鍛造を3工程に分けて三種類の型
で行っているので、鍛造時の材料流動を自由に設定する
ことができ、この結果、最終形状に見合った形状を前工
程(第1及び第2工程)で設定することにより、バラン
スの取れた型鍛造品を作ることができる。
【0037】更に、型鍛造品に切削加工を施してディス
クを得るようにしているので、切削前の鍛造品がラフな
鍛造品(例えば熱間鍛造など)でも十分に対応すること
ができ、しかも、型の摩耗をあまり気にする必要が無い
ため(型の摩耗が進んでも使用できるため)結果的に型
費用を安くすることができる。
【0038】更に、第3工程では成形完了時に大径端部
の外径面にバリが発生するようにしているため、密閉鍛
造を回避して不必要な成形荷重の増加を押さえることが
でき、この結果、型寿命の向上を図ることができる。
【0039】なお、第1工程における据え込み後の素材
の中央部の高さH1を第3工程における鍛造品完成時の
素材の高さH2の80〜l20%に設定すると、第2及
び第3工程における鍛造型の寿命向上を効果的に達成す
ることができる。
【0040】また、上述した第1工程から第3工程にお
いて、各鍛造型毎に素材との芯だし位置決めを行う位置
決め手段を設けることにより、各工程で素材が型の成形
中心に正確且つ確実に位置決めされるようになるので、
素材が常に正しい位置で成形されて精度の良い型鍛造品
を得ることができる。そして、本願発明のディスクの表
面に沿うメタルフローを後の加工によって得る鍛造品が
得られる。
【0041】次に、図19に示す従来のディスクの製法
を説明する。この製法は、ディスクq2 の内径面xの一
部を型鍛造時に成形するようにしたものであり、まず、
図19(b)に示すように、円柱素材nの上端部に絞り
加工を施して該上端部の径を小径端部rの径より小径に
し、次いで、円柱素材nを上型yと下型zとの間に同心
に挟み込んで所定量成形する(図19(c)参照)。上
型yはディスクq2 の小径端部rを成形する小径端部成
形面sと断面円弧凹状のトラクション面tを成形するト
ラクション面成形面uと小径端部成形面sの中心部に設
けられて小径端部r側から内径面xの一部を成形する突
起a1 とを有し、下型zは大径端部vを成形する大径端
部成形面wと大径端部成形面wの中心部に設けられて大
径端部v側から内径面xの一部を成形する突起a2 とを
有する。
【0042】次いで、上型y及び下型zを更に接近させ
て素材nを軸線方向に数回圧鍛し、これにより、素材n
の上下端部にそれぞれ小径端部r及び大径端部vを成形
するとともに、小径端部rと大径端部vとの間にトラク
ション面tを成形し、更に、突起a1 ,a2 による内径
面xの成形を開始する。
【0043】次に、図19(d)に示すように、上型y
及び下型zを最接近させて素材nをディスクq2 の最終
形状に型鍛造する。このとき、内径面xは残壁a3 を残
した状態になっている。次いで、ここまで成形された素
材nを上型y及び下型zから取り出し、その後、内径面
xの残壁a3 を削り出し又は研削により除去して内径面
xを完成させるとともに、素材nに更に研削仕上げを施
すことにより、ディスクq2 の最終製品を完成させる。
【0044】かかる従来のディスクの製法においては、
図19(b)で円柱素材nの上下端面に現れていたメタ
ルフローmの端点が同図(c )で内部に引き込まれて縮
小する現象が示され、これにより、トラクション面tか
ら小径端部r及び該小径端部r側の内径面xにかけて、
メタルフローmがディスクq2 の表面形状に沿って存在
(θ=0°)する様子が示されている。
【0045】しかしながら、図19(c)の工程におい
て、メタルフローmの端点を円柱素材nの内部に引き込
むように成形するのは非常に難しく、従って、メタルフ
ローmの端点が素材nの上下端面のどこかの表面に残っ
てしまうことが多い。この結果、θ=0°のメタルフロ
ーmをディスクq2 の表面に沿って確実に存在させるこ
とが困難であるという不都合がある。
【0046】また、円柱素材nの中心部近傍に存在する
高密度の非金属介在物が、曲げ応力の厳しい部分である
ディスクq2 の小径端面から軸方向に1/3Aの範囲の
内径面に残存する可能性が大きく、ディスク寿命に悪影
響を及ぼすという不都合がある。
【0047】そこで、かかる不都合を解消するために本
発明者等は次に示す従来にない新たなディスクの製造方
法を考案した。この製法は本発明に係るディスクの製
造、特に、本発明に加えて上述した(イ)〜(ホ)の全
ての手段を備えたディスクの製造に好適なものである。
【0048】即ち、このディスクの製法は、第1の鍛造
型を用いて外周面に軸方向に沿ってメタルフローが延在
する円柱素材を据え込むとともに該円柱素材の上端部に
絞りを付与する第1工程と、第2の鍛造型を用いて第1
工程によって得られた素材を成形して小径端部、トラク
ション面及び大径端部を形成するとともに、前記素材の
中央部に前記大径端部の背面との間に残壁を残した状態
で内径面の一部を形成する第2工程とを備え、第2工程
において前記素材の中央部に前記内径面の一部を形成す
るに際し、前記第2の鍛造型の一部で該素材の上端部を
拘束して該上端部が成形中に拡径しないようにするとと
もに、前記素材の中心部に存在する高密度の非金属介在
物を該素材の下端側に押し込んで該下端側で径方向外方
に膨出させ、更に、各工程を経て得られた型鍛造品の前
記残壁を除去した後、切削加工を施して最終形状のディ
スクに成形し、これに熱処理及び仕上加工を施すことを
特徴とする。
【0049】かかるディスクの製法においては、小径端
部側の端面、トラクション面、大径端部の外周面及び該
大径端部の背面にそれぞれθ=2〜30°の「ディスク
表面に沿うメタルフロー」が存在するディスク(完成
品)を簡単且つ確実に得ることができる。
【0050】また、型鍛造であるため第1工程における
円柱素材の径を小さくでき、しかも、第2工程において
素材の上端部を拘束して該上端部が成形中に拡径しない
ようにするとともに、素材の中心部に存在する高密度の
非金属介在物を該素材の下端側に押し込んで該下端側で
径方向外方に膨出させるようにしているため、トラクシ
ョン面のうちで最も厳しいせん断応力を受ける部分であ
るトラクション面から深さ方向に1.5b未満の領域、
及び内径面のうちで止め輪の周溝があったりして曲げ応
力等の厳しい部分である小径端部側の端面から軸方向に
1/3A(Aはディスクの軸長)の範囲を越えるまでの
領域に高密度の非金属介在物が存在しないディスクを簡
単且つ確実に得ることができる。
【0051】なお、この第2工程では成形完了時に大径
端部の外径面にバリが発生するように成形するのが好ま
しく、このバリを発生させることにより、密閉鍛造を回
避して不必要な成形荷重の増加を押さえることができ、
この結果、型寿命の向上を図ることができる。
【0052】また、上述した第1工程及び第2工程にお
いて、各鍛造型毎に素材との芯だし位置決めを行う位置
決め手段を設けることにより、各工程で素材が型の成形
中心に正確且つ確実に位置決めされるようになるので、
素材が常に正しい位置で成形されて精度の良い型鍛造品
を得ることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態で
あるトロイダル型無段変速機の入力及び出力ディスクを
説明するための説明図、図2はディスクの製法の第1工
程を説明するための説明図、図3はディスクの製法の第
2工程を説明するための説明図、図4はディスクの製法
の第3工程を説明するための説明図、図5はディスクの
製法の最終工程の一例を説明するための説明図、図6は
本発明の第2の実施の形態であるトロイダル型無段変速
機の入力及び出力ディスクを説明するための説明図、図
7はディスクの製法の第1工程を説明するための説明
図、図8はディスクの製法の第2工程を説明するための
説明図、図9はディスクの製法の最終工程の一例を説明
するための説明図である。
【0054】まず、図1を参照して、本発明の第1の実
施の形態であるディスク(完成品)から説明すると、こ
のディスク1は小径端部2と大径端部3との間に断面円
弧凹状のトラクション面4が形成されており、小径端部
2側の端面中心部には大径端部3の背面まで貫通する穴
が形成されて該穴の内周面が内径面5とされている。こ
こで、図1及び図14を参照して、ディスク1に存在す
るメタルフロー6のうちで、トラクション面4側のメタ
ルフロー6と該トラクション面4の接線Pとのなす角度
θが2〜30°、好ましくは5〜20°になるような位
置関係をディスク1の表面に対して有するメタルフロー
6を「ディスク表面に沿うメタルフロー6」と定義す
る。
【0055】このディスク1においては、トラクション
面4にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフ
ロー6」が存在し、内径面5にθ=2〜30°の「ディ
スク表面に沿うメタルフロー6」がディスク1の軸方向
の長さをAとした場合に小径端部2側の端面から軸方向
に1/3Aの範囲に渡って存在し、大径端部3の外径面
及び該大径端部3の背面の一部にθ=2〜30°の「デ
ィスク表面に沿うメタルフロー6」が存在している。
【0056】また、トラクション面4には、θ=2〜3
0°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が、図1
4を参照して、トラクション面4の曲率中心Oを通る水
平線(ディスクの軸線と平行な線)とのなす角度αが4
5°の範囲で周方向に沿って存在している。なお、トラ
クション面4の接線Pとのなす角度θが30°を越える
メタルフロー6は、エンドフロー(ディスク表面に沿わ
ないメタルフロー)と同等となって材料の剥離を発生さ
せるとともに、曲げ疲労等によるディスクの破壊(割れ
寿命低下)を招く原因になる。
【0057】かかる構成のディスク1においては、パワ
ーローラが大きな圧力で摩擦係合するトラクション面4
にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー
6」が存在しているため、特に低負荷仕様の場合におい
て、トラクション面4のパワーローラの摩擦係合部分に
おける材料の剥離を防止することができるとともに、デ
ィスク1に衝撃割れや疲労割れが発生し難くなってディ
スク1の長寿命化を図ることができる。
【0058】また、ディスク1の内径面5にθ=2〜3
0°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が小径端
部2側の端面から軸方向に1/3Aの範囲に渡って存在
しているので、内径面5のうちで止め輪の周溝があった
りして曲げ応力等の厳しい部分を越えるまではエンドフ
ローが出ないようにすることができ、この結果、ディス
ク1の更なる長寿命化を図ることができる。
【0059】更に、トラクション面4には、θ=2〜3
0°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が、α=
45°の範囲で周方向に沿って存在しているため、トラ
クション面4のうちで最も厳しい曲げ応力等を受ける領
域(図17の細かいハッチング部分参照)が「ディスク
表面に沿うメタルフロー6」でカバーされて曲げ応力等
に起因するディスク1の破損を良好に防止することがで
きる。
【0060】次に、ディスク1の製造方法を図2〜図5
を参照して説明する。 (第1工程)図2に第1工程(据え込み工程)を示す。
図2の左半分は据え込み前の状態、右半分は据え込み後
の状態を表している。この第1工程では、上型11と下
型12との間に外周面に軸方向に沿ってメタルフロー6
が延在する円柱状材(浸炭鋼等)W1 を配置し、次い
で、上型11を円柱素材W1 の軸線方向に移動させて該
円柱素材W1 を据え込み、右半分に示すような形状の素
材W2 に成形する。ここで、この工程では据え込み比率
を通常より大きくしており、この場合、据え込み後の素
材W2 の中央部の高さH1を図4に示す鍛造完成時の素
材W4 の高さH2の80〜l20%に設定すると、後述
する第2及び第3工程における鍛造型の寿命向上に効果
的である。
【0061】下型12の平面部12aには円柱素材W1
の下端部が嵌まり込む凹部13が設けられており、これ
により、円柱素材W1 の正確な芯出しが確保されるよう
になっている。また、上型11の中央部には円柱素材W
1 の径より小径の円形凸部14が設けられており、該円
形凸部14は据え込み時に円柱素材W1 の中央部を成形
して材料を拡径するように作用する。更に、上型11の
円形凸部14の外周側の平面部11aと該円形凸部14
との間には円形凸部14から径方向外方に向けて次第に
上方に膨らむように湾曲して平面部11aに連なる湾曲
成形面15が設けられており、該湾曲成形面15は据え
込まれた素材W2 に湾曲形状を転写するようになってい
る。 (第2工程:中押し工程)図3は第2工程を示す図であ
り、左半分が成形前の状態を示し、右半分が成形後の状
態を示している。第2工程の役割は、第3工程で欠肉や
バリが発生するのを防ぐボリューム配分を行うために素
材に最適な形状を与えることである。第2工程での素材
形状が不適正であると、第3工程で素材を成形した際、
素材の内径面角部(上端側)にバリや欠肉を生じたり、
素材の大径端部の外径面のバリ(後述する。)に欠肉を
生じたりする。また、第2工程のもう一つの役目は、第
3工程での素材W3 と型との芯出しを確実に行える形状
を付与することにある。
【0062】まず、上下型21,22について説明する
と、上型21の平面部21aの中央部には略円錐状突起
からなる中型25が突設されている。一方、下型22
は、外周寄りの部分に第1工程で据え込まれた素材W2
の径方向外側に斜め上方に傾斜する傾斜部23が設けら
れており、素材W2 の下端側外周縁と傾斜部23が接触
したところで該素材W2 と下型22の芯が一致するよう
になっている。このとき、素材W2 の下端面は下型22
の中央平面部22aに突設された凸部24の上端面から
わずかに浮いた状態になっている。
【0063】そして、この状態で上型21及び中型25
を一体に下降させると、中型25が素材W2 の上端面中
央部に侵攻して内径面5の一部である凹部5aを形成す
るとともに、上型21の平面部21aが素材W2 の上端
面を押圧して成形圧力を付与し、この成形圧により素材
2 は、図3の右半分に示すように、その下端部におい
て、下型22の平面部22a、傾斜部23及び凸部24
の形状が転写されて素材W3 の形状に成形される。 (第3工程)図4は第3工程を示す図であり、左半分は
成形前の状態、右半分は成形後の状態を表している。上
型31はディスク1の小径端部2を成形する小径端部成
形面33と断面円弧凹状のトラクション面4を成形する
トラクション面成形面34と小径端部成形面33の中心
部に設けられて小径端部2側から内径面5の一部を成形
する中型35とを有し、下型32は大径端部3を成形す
る大径端部成形面36と大径端部成形面36の中心部に
中型35と同心に設けられた凸部37とを有する。凸部
37には上述した第2工程で下型22の凸部24の形状
が転写された素材W3 の凹部26が嵌め込まれるように
なっており、これにより、素材W3 が下型32の中央部
に正確且つ確実に位置決めされるようになっている。ま
た、下型32の外周部には外型38が配置されており、
該外型38と下型32とによって凹状の大径端部成形空
間が形成されている。
【0064】そして、この状態で、上型31及び中型3
5を一体に下降させると、素材W3に小径端部成形面3
3、トラクション面成形面34及び大径端部成形面35
がそれぞれ転写されとるともに、中型35が素材W3
凹部5aに侵攻して下端側の凹部26との間に残壁39
を残した状態で内径面5の一部である凹部5bを成形
し、これにより、図4の右半分に示すように、ディスク
1の最終形状に近い形状の素材W4 に成形される。な
お、第3工程では成形完了時に上型31と外型38との
間にすき間Cを形成して大径端部3の外径面にバリSが
発生するようにしており、このバリSを発生させること
により、密閉鍛造を回避して不必要な成形荷重の増加を
押さえ、型寿命の向上を図っている。
【0065】このようにして得られた型鍛造品W4 は後
工程にて、図5の二点鎖線で示す状態からバリSをプレ
スにてトリミング除去するとともに、内径面5の残壁3
9をプレスにて目抜し、その後、全面に切削加工を施す
ことにより、図5の実線で示す最終形状のディスク1に
成形される。そして、かかる成形後、ディスク1に浸炭
または浸炭窒化処理により熱処理を行い、さらに研削に
より必要精度を付与した後、トロイダル型無段変速機の
ディスクとして組み込まれる。
【0066】かかるディスクの製法においては、型鍛造
を3工程に分けて三種類の型を用いて行っているので、
型と素材との接触時間が短くなって成形時に型に及ぼす
熱影響を少なくすることができ、この結果、型表面硬度
を良好に維持することが可能になって型寿命の向上を図
ることができる。
【0067】また、第1工程において円形素材W1 の据
え込み量を多くしているので、第2工程及び製品形状に
近い状態を得るために高い成形荷重が必要となる第3工
程での成形量を短くすることができ、この結果、第2工
程での鍛造型21,22及び第3工程での鍛造型31,
32の加工負担を軽減することができ、型寿命の延長を
図ることができる。
【0068】更に、第1工程において円形素材W1 の据
え込み量を多くしていることから、第2工程での中型2
5の押し込み程度及び第3工程での中型35の押し込み
程度を軽減することができ、この結果、材料の熱影響を
最も受けやすい中型25,35の工具寿命を飛躍的に向
上させることができる。
【0069】更に、第1工程から第3工程の各工程で素
材が型の成形中心に正確且つ確実に位置決めされるよう
になっているので、素材が常に正しい位置で成形されて
精度の良い型鍛造品を得ることができる。
【0070】更に、型鍛造を3工程に分けて三種類の型
を用いて行っているので、鍛造時の材料流動を自由に設
定することができ、この結果、最終形状に見合った形状
を前工程(第1及び第2工程)で設定することにより、
バランスの取れた型鍛造品を作ることができる。
【0071】更に、型鍛造品W4 に切削加工を施してデ
ィスク1を得るようにしているので、切削前の鍛造品が
ラフな鍛造品(例えば熱間鍛造など)でも十分に対応す
ることができ、しかも、型の摩耗をあまり気にする必要
が無いため(型の摩耗が進んでも使用できるため)結果
的に型費用を安くすることができる。
【0072】次に、本発明の第2の実施の形態であるト
ロイダル型無段変速機のディスクを説明する。図6に示
すように、このディスク(完成品)51は小径端部2と
大径端部3との間に断面円弧凹状のトラクション面4が
形成されており、小径端部2側の端面中心部には大径端
部3の背面まで貫通する穴が形成されて該穴の内周面が
内径面5とされている。ここで、図6及び図14を参照
して、ディスク51に存在するメタルフロー6のうち
で、トラクション面4側のメタルフロー6と該トラクシ
ョン面4の接線Pとのなす角度θが2〜30°、好まし
くは5〜20°になるような位置関係をディスク51の
表面に対して有するメタルフロー6を「ディスク表面に
沿うメタルフロー6」と定義すると、このディスク51
においては、小径端部2側の端面、トラクション面4、
大径端部3の外径面及び該大径端部3の背面にそれぞれ
θ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー
6」が連続して存在し、内径面5にθ=2〜30°の
「ディスク表面に沿うメタルフロー6」がディスク51
の軸方向の長さをAとした場合に小径端部2側の端面か
ら軸方向に1/3Aの範囲に渡って存在している。
【0073】なお、トラクション面4の接線Pとのなす
角度θが30°を越えるメタルフロー6は、エンドフロ
ー(ディスク表面に沿わないメタルフロー)と同等とな
って材料の剥離を発生させるとともに、曲げ疲労等によ
るディスクの破壊(割れ寿命低下)を招く原因になる。
【0074】また、このディスク51は、図10及び図
15を参照して、パワーローラが水平(ディスクの軸線
と平行)になったとき、即ち、変速比が1:1のときの
トラクション面とパワーローラとの接触楕円の短半径を
bとした場合に、トラクション面4から深さ方向に1.
5b以上離れた領域に高密度の非金属介在物52が存在
するようになっており、更には、内径面5の小径端部2
側の端面から軸方向に1/3A(Aはディスク51の軸
長)以下の部分については高密度の非金属介在物52が
存在しないようになっている。
【0075】かかる構成のディスク51においては、パ
ワーローラが大きな圧力で摩擦係合するトラクション面
4にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロ
ー6」が該トラクション面4に沿って連続して存在して
いるため、特に高負荷仕様の場合において、トラクショ
ン面4のパワーローラの摩擦係合部分における材料の剥
離を防止することができるとともに、ディスク51に衝
撃割れや疲労割れが発生し難くなってディスク51の長
寿命化を図ることができる。
【0076】また、ディスク1の内径面5にθ=2〜3
0°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」が小径端
部2側の端面から軸方向に1/3Aの範囲に渡って存在
しているので、内径面5のうちで止め輪の周溝があった
りして曲げ応力等の厳しい部分を越えるまではエンドフ
ローが出ないようにすることができるとともに、θ=2
〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー6」がデ
ィスク51の小径端部2側の端面にも存在しているの
で、曲げ疲労や周溝に対する応力集中を緩和することが
でき、この結果、ディスク51の更なる長寿命化を図る
ことができる。
【0077】更に、トラクション面4のうちで最も厳し
いせん断応力を受ける部分であるトラクション面4から
深さ方向に1.5b未満の領域、及び内径面5のうちで
止め輪の周溝があったりして曲げ応力等の厳しい部分で
ある小径端部2側の端面から軸方向に1/3A以下の範
囲を越えるまでの領域に高密度の非金属介在物52が存
在しないようになっているため、介在物によるディスク
51の寿命への悪影響を回避することができる。
【0078】次に、ディスク51の製造方法を図7〜図
9を参照して説明する。 (第1工程:据え込み工程)図7は第1工程(据え込み
工程)を示しており、左半分は据え込み前の状態、右半
分は据え込み後の状態を表している。この第1工程で
は、上型51と下型52との間に、外周面に軸方向に沿
ってメタルフロー6が延在する円柱素材(浸炭鋼等)W
11を配置し、上型51を円柱素材W11の軸線方向に移動
させて該円柱素材W11を据え込み、右半分に示すような
形状の素材W12に成形する。
【0079】下型52の平面部52aの中央部には円柱
素材W11の下端部が嵌まり込む凹部53が設けられてお
り、凹部53に円柱素材W11の下端部が嵌まり込むこと
により、下型2との芯出しが正確且つ確実に行われるよ
うになっている。
【0080】一方、上型51の中央部には上方に向けて
縮径するテーパ凹部51aが凹部53と同心に設けられ
ており、該テーパ凹部51aの底面は平坦面54とされ
ている。テーパ凹部51aの斜面部55には円柱素材W
11の上端面の周縁(外周面と上端面との境部)が当接し
ており、これにより、上型51が下降する際に円柱素材
11の上端部を規制して上型51との芯出しを正確且つ
確実に行いつつ斜面部55の形状を転写するようになっ
ている。 (第2工程)図8は第2工程を示しており、左半分が成
形前の状態、右半分が成形後の状態を表している。この
第2工程では、下型62と外型65に取り付けられた上
型61との間に第1工程で据え込まれた素材W12を配置
し、上型61を素材W12の軸線方向に移動させて右半分
に示すようなディスク51の最終形状に近い形状の素材
13に成形する。
【0081】下型62はディスク51の大径端部3を成
形する大径端部成形面63を有しており、該大径端部成
形面63の中央部には第1工程での素材W12の下端部に
おいて下型52の凹部53の形状が転写された凸部56
が嵌まり込む凹部64が設けられており、素材W12の凸
部56が下型62の凹部64に嵌まり込むことにより、
下型62に対しての素材W12のがたつきが防止されて下
型62との芯出しが正確且つ確実に行われるようになっ
ている。
【0082】外型65はディスク51の小径端部2を成
形する小径端部成形面66とトラクション面4を成形す
るトラクション面成形面67とを有しており、小径端部
成形面66の中央部には円柱状の上型61が突設されて
いる。
【0083】上型61の下端面には、上方に向けて次第
に縮径する浅いテーパ凹部68が形成されている。テー
パ凹部68の底面は平坦面69とされており、該平坦面
69の径は第1工程で据え込まれた素材W12の上端面に
おいて中心部に存在する高密度の非金属介在物52の領
域径より大径とされている。また、テーパ凹部68の斜
面部70には素材W12の上端部外周面が当接して上型6
1との芯出しが正確且つ確実に行われるようになってい
る。従って、テーパ凹部68の斜面部70の素材W12
当接位置における内径D2 は素材W12の上端面の径D1
より大径になっている。
【0084】そして、この状態で、外型65及び上型6
1を一体に下降させると、素材W12に小径端部成形面6
6、トラクション面成形面67及び大径端部成形面63
がそれぞれ転写されとるともに、上型61が素材W12
中央部に侵攻して凹部64との間に残壁71を残した状
態で内径面5の一部である凹部5dが成形され、これに
より、図8の右半分に示すように、ディスク51の最終
形状に近い形状の素材W13に成形される。なお、この第
2工程では成形完了時に下型62と外型65との間にす
き間Cを形成して大径端部3の外径面にバリSが発生す
るようにしており、このバリSを発生させることによ
り、密閉鍛造を回避して不必要な成形荷重の増加を押さ
え、型寿命の向上を図っている。
【0085】また、上型61が素材W12の中央部を侵攻
する際には、上型61のテーパ凹部68が素材W12の上
端部を拘束して該上端部が成形中に拡径しないようにす
るとともに、素材W12の中心部に存在する高密度の非金
属介在物52を該素材W12の下端側に押し込んで該下端
側で径方向外方に膨出させるようになっている。
【0086】このようにして得られた型鍛造品W13は後
工程にて、図9の二点鎖線で示す状態からバリSをプレ
スにてトリミング除去するとともに、内径面5の残壁7
1をプレスにて目抜し、その後、全面に切削加工を施す
ことにより、図9の実線で示す最終形状のディスク51
に成形される。そして、かかる成形後、ディスク51に
浸炭または浸炭窒化処理により熱処理を行い、さらに研
削により必要精度を付与した後、トロイダル型無段変速
機のディスクとして組み込まれる。
【0087】上記記載から明らかなように、かかるディ
スクの製法においては、小径端部2側の端面、トラクシ
ョン面4、大径端部3の外周面及び該大径端部3の背面
にそれぞれθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタ
ルフロー6」が存在するディスク(完成品)51を簡単
且つ確実に得ることができる。
【0088】また、型鍛造であるため第1工程における
円柱素材W11の径を小さくでき、しかも、第2工程にお
いて上型61のテーパ凹部68が素材W12の上端部を拘
束して該上端部が成形中に拡径しないようにするととも
に、素材W12の中心部に存在する高密度の非金属介在物
52を該素材W12の下端側に押し込んで該下端側で径方
向外方に膨出させるようにしているため、トラクション
面4のうちで最も厳しいせん断応力を受ける部分である
トラクション面4から深さ方向に1.5b未満の領域、
及び内径面5のうちで止め輪の周溝があったりして曲げ
応力等の厳しい部分である小径端部2側の端面から軸方
向に1/3Aの範囲を越えるまでの領域に高密度の非金
属介在物52が存在しないディスク51を簡単且つ確実
に得ることができる。
【0089】
【実施例】表1に荷重5t、荷重位置がトラクション面
の溝底とした場合に、α(図参照)を相違させて各ディ
スクの耐久性試験を行った結果を示す。ここで、αは、
図14を参照して、トラクション面4の曲率中心Oを通
る水平線(ディスクの軸線と平行な線)とのなす角度で
ある。
【0090】表1のNO.1〜NO.6のディスクまで
は本発明の実施例であり、NO.1〜NO.4のディス
クはトラクション面にθ=2〜30°の「ディスク表面
に沿うメタルフロー」が存在し、このうちのNO.1及
びNO.2のディスクはα<45°とし、NO.3及び
NO.4のディスクはα≧45°とした。また、NO.
5及びNO.6のディスクはθ=2〜30°の「ディス
ク表面に沿うメタルフロー」がトラクション面に連続し
て存在するものを用いた。更に、NO.7及びNO.8
のディスクは従来例とし、削り出しによって製作したも
のを用いた。これらの条件以外は全て同一条件(大き
さ、材質及び荷重条件等)として耐久性試験を行った。
【0091】なお、θ=2〜30°とする調整は、予め
鍛造後のメタルフローを調査し、取代を調整することで
α°以内は本願発明のθ範囲を満たすディスク表面に沿
うメタルフローとし、α°を越える範囲を本願発明のθ
の範囲外のメタルフローが存在するようにして、破損を
観察した。鍛造ディスクは上述した2つの製法を適宜用
いて製作した。
【0092】
【表1】
【0093】表1から明らかなように、本発明のディス
ク(NO.1〜NO.6)は従来のディスク(NO.7
及びNO.8)に比べてトラクション面の耐久性が大幅
に向上しているのが判る。
【0094】また、本発明のディスクのうちでα≧45
°のディスク(NO.3及びNO.4)はα<45°の
ディスク(NO.1及びNO.2)に比べてより耐久性
が向上しており、更に、θ=2〜30°の「ディスク表
面に沿うメタルフロー」がトラクション面に連続して存
在するディスク(NO.5及びNO.6)については、
350時間経過してもトラクション面に異常は無く、最
も耐久性に優れていることが判る。
【0095】なお、試験は350hrで止めたが、θ≒
0°とθ=2°とは共に350hr以上となり、性能上
ほぼ同程度と推定される。表2にトラクション面から高
密度の非金属介在物(0.3D部:図10及び図12参
照)の領域までの深さを相違させて各ディスクの耐久性
試験を行った結果を示す。なお、表2においてbは変速
比が1:1のときのトラクション面とパワーローラとの
接触楕円の短半径である(図15参照)。
【0096】表2のNO.1〜NO.8のディスクは全
て本発明の実施例であり、各ディスク共、トラクション
面にθ=2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロ
ー」が存在するものを用い、トラクション面から高密度
の非金属介在物領域までの深さが相違する以外は全て同
一条件で耐久性試験を行った。
【0097】
【表2】
【0098】表2から明らかなように、トラクション面
から高密度の非金属介在物領域までの深さが深くなるに
したがってトラクション面の耐久性が向上しているのが
判り、特に、該深さが1.5b以上になると250時間
経過しても異常がなく、最も耐久性に優れていることが
判る。
【0099】表3にディスク内径面の高密度の非金属介
在物の存在領域が相違する各ディスクについて、小径端
部側の内径面の耐久性試験を行った結果を示す。ここ
で、Aはディスクの軸長、Bは内径面における小径端部
側の端面からの軸方向の長さを示す。
【0100】表3のNO.3〜NO.8のディスクは全
て本発明の実施例であり、各ディスク共、内径面にθ=
2〜30°の「ディスク表面に沿うメタルフロー」がデ
ィスクの軸長をAとした場合に小径端部側の端面から軸
方向の深さ(B/A)×100%の範囲に存在する各種
ディスクを用い試験した。また、NO.1及びNO.2
のディスクは従来例とし、削り出しによって製作したも
のを用いた。これらの条件とディスク内径面の高密度の
非金属介在物の存在領域が相違する以外は全て同一条件
で耐久性試験を行った。なお、NO.3〜NO.8のデ
ィスクにおいて、非金属介在物とその存在領域(B/
A)×100%との関係は、取代を調整して製作するこ
とによって調整した。この場合も上述した2つの製法に
よる鍛造ディスクを適宜用いた。
【0101】
【表3】
【0102】表3から明らかなように、本発明のディス
ク(NO.3〜NO.8)は従来のディスク(NO.1
及びNO.2)に比べて小径端部側の内径面の耐久性が
大幅に向上しているのが判る。
【0103】また、本発明のディスクのうちで内径面に
おいて(B/A)×100%が33%を越える領域に高
密度の非金属介在物が存在するものについては、250
時間経過しても小径端部側の内径面に異常は無く、最も
耐久性に優れていることが判る。
【0104】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、トロイダル型無段変速機のディスクにおい
て、生産コストの低減が可能になるとともに、ディスク
の長寿命化を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるディスクを説
明するための説明図である。
【図2】ディスクの製法の第1工程を説明するための説
明図であり、左半分は成形前の状態、右半分は成形後の
状態を表している。
【図3】ディスクの製法の第2工程を説明するための説
明図であり、左半分は成形前の状態、右半分は成形後の
状態を表している。
【図4】ディスクの製法の第3工程を説明するための説
明図であり、左半分は成形前の状態、右半分は成形後の
状態を表している。
【図5】ディスクの製法の最終工程の一例を説明するた
めの説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態であるディスクを説
明するための説明図である。
【図7】ディスクの製法の第1工程を説明するための説
明図であり、左半分は成形前の状態、右半分は成形後の
状態を表している。
【図8】ディスクの製法の第2工程を説明するための説
明図であり、左半分は成形前の状態、右半分は成形後の
状態を表している。
【図9】ディスクの製法の最終工程の一例を説明するた
めの説明図である。
【図10】ディスクにおける高密度の非金属介在物の存
在箇所を説明するための説明図である。
【図11】トラクション面の表面からの深さとせん断応
力の分布との関係を説明するためのグラフ図である。
【図12】成形前の円柱素材における高密度の非金属介
在物の存在箇所を説明するための説明図である。
【図13】成形前の円柱素材における直径と介在物の数
との関係を説明するための説明図である。
【図14】αとθの意味を説明するための説明図であ
る。
【図15】トロイダル型無段変速機を説明するための説
明的断面図である。
【図16】従来のディスクを説明するための説明図であ
る。
【図17】ディスクにおいて大きな繰り返し曲げ応力や
繰り返しせん断応力を受ける部分を説明するための説明
図である。
【図18】従来のディスクの製法を説明するための説明
図である。
【図19】従来の他のディスクの製法を説明するための
説明図である。
【符号の説明】
1,51…ディスク 2…小径端部 3…大径端部 4…トラクション面 6…メタルフロー c…パワーローラ P…接線 θ…トラクション面の接線とメタルフローとのなす角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 伸夫 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小径端部と大径端部との間に断面円弧凹
    状のトラクション面が形成され、該トラクション面を互
    いに対向させた状態で同軸配置された入力及び出力ディ
    スクと、該入力及び出力ディスクの各トラクション面に
    摩擦係合して動力の伝達を行うパワーローラとを備えた
    トロイダル型無段変速機において、前記トラクション面
    側のメタルフローと該トラクション面の接線とのなす角
    度θが30°以下になるような位置関係を前記ディスク
    表面に対して有するメタルフローを該ディスク表面に沿
    うメタルフローと定義した場合に、前記ディスクの表面
    に沿うメタルフローを少なくとも前記トラクション面に
    備えたことを特徴とするトロイダル型無段変速機のディ
    スク。
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