JP3908370B2 - トロイダル型無段変速装置の入出力ディスクの製造方法 - Google Patents

トロイダル型無段変速装置の入出力ディスクの製造方法 Download PDF

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    • F16H15/38Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動車などの車両用の変速装置として用いられるトロイダル型無段変速装置の入出力ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車などの車両用の変速装置としては、複数の歯車を有しこれらの歯車間の噛み合せを変更して、入力軸から出力軸へトルクを伝えるものが主流であった。しかしながら、この従来の歯車式有段変速装置は、変速時に段階的、断続的にトルクが変化するため、動力伝達に損失が生じたり、変速時に振動が生じたりするなどの欠点を抱えていた。
【0003】
そこで、近年、変速時における段階的、断続的にトルクが変化することがない無段変速装置の実用化が検討されている。この無段変速装置は、変速時などの振動が生じなく、かつ前記歯車式有段変速装置より動力伝達時の損失が少くて優れているとともに、車両に用いられた際の燃費も優れている。このため、一部の乗用車などには、前述した無段変速装置の一例としてベルト式無段変速装置などが実用化されている。
【0004】
また、無段変速装置として、トロイダル型無段変速装置が提案されている。トロイダル型無段変速装置は、入力軸と一体に回転する入力ディスクと、出力軸と一体に回転する出力ディスクと、これら入出力ディスクと転接するパワーローラ軸受とを備えている。
【0005】
前記入出力ディスク80は、図17に示すように、側方からみて中央から前記入出力軸の軸線P1に沿って突出した突部81と、前記突部81から外周方向に向って徐々に薄肉となる裾部82と、前記突部81に設けられかつ前記入出力軸取付け用の取付け穴83と、を一体に備えたディスク状に形成されている。
【0006】
また、前記入出力ディスク80は、前記パワーローラ軸受を揺動自在に支持する枢軸を中心とした断面円弧状のトラクション面85を、前記突部81から裾部82とに亘って形成している。
【0007】
このトロイダル型無段変速装置は、前記ベルト式無段変速装置と比較して、高いトルクを伝達することが可能であるため、中・大型車両用の無段変速装置として有効である。
【0008】
しかしながら、このトロイダル型無段変速装置は、より高いトルクの伝達が必要とされているため、その前記入出力ディスク80及びパワーローラ軸受が、一般的な歯車及び軸受などの通常の繰り返し応力が加わる機械部品と比較して、非常に大きな繰り返し曲げ応力および繰り返しせん断応力を受ける。特に、入出力ディスク80は、前記突部81の端面81a側に大きな応力が作用する。
【0009】
トロイダル型無段変速装置の前述した入出力ディスクの製造方法としては、例えば圧延などが施されて棒状に形成された素材から切削加工などによって削り出す方法や、特開平9−126289号公報に記載されているように、鍛造工程によって、最終形状に近い形状まで成形し、その後、研削加工などの仕上げ加工を施すことによって製造する方法があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述した入出力ディスクを、金属からなる棒状の素材から切削加工によって削り出して製造するのでは、切削加工のため歩留まりが悪いとともに、所要時間が長時間化して、生産コストが高騰するという問題が生じる。
【0011】
又、溶解、鋳造・圧延などの工程を経て棒状に形成された入出力ディスクに用いられる素材は、その中央寄りの径の30%以下の部分に、前述した工程において不可避的に混入する不純物を多く含んでいる。また、前記素材は、圧延などが施された際に、その金属組織の流れ所謂メタルフローが、軸線に沿って形成されている。
【0012】
中央寄りの部分に不純物を多く含んだ素材から前述したように切削加工によって、前記入出力ディスク80を削り出して製造するのでは、図17中に墨塗りして示す部分R1のように、ディスク80の底面84から前記突部81の端面81aとに亘って前記取付け穴83の内面83aに、不純物を多く含んだ部分が存在することとなる。さらに、前記入出力ディスク80は、入出力軸の軸線P1に沿って、前述したメタルフローJが形成されている。
【0013】
このため、切削加工によって削り出されて製造された入出力ディスク80は、通常の機械部品と比較して非常に大きな応力が作用しかつ特に突部82の端面81a側に大きな応力が作用するので、不純物を多く含んだ部分R1やメタルフローJに沿って破壊しやすくなり、比較的寿命が短くなる傾向となるとともに、トロイダル型無段変速装置の寿命も短くなる傾向となる。
【0014】
また、前記特開平9−126289号公報に記載されている方法は、一種類の金型を用いて略最終形状まで鍛造し、その後研削加工などを施して、前記入出力ディスクを成形する。この方法では、前述した型と被成形物(以下ワークと呼ぶ)との接触時間が長くなり、金型が鍛造加工時の熱の影響を受け、金型の表面硬度が低下して金型の寿命が短くなる傾向となる。
【0015】
また、金型が鍛造時にワークを保持する構造となっていないため、ワークが金型の中心からずれ易く、ワークが偏心して、その結果加工精度が悪化する。さらに、成形の最終段階で金型内の空間にワークの素材が充満するため、金型の角部などに欠肉やバリが生じやすく、所望の形状に成形するのは困難である。
【0016】
さらに、無理に所望の形状にワークを成形するために過大な荷重をかけて圧鍛すると、金型が破損する恐れが生じる。また、鍛造後の研削加工の工程における所要時間を抑制するため削りしろを少くするためには、金型の摩耗などを抑える必要がある。
【0017】
このように、前述した特開平9−126289号公報に記載されている製造方法は、鍛造に用いる金型の寿命が短くなる傾向となって、生産コストを高騰する傾向となっていた。
【0018】
したがって、本発明の目的は、高寿命な入出力ディスクを金型の寿命を低下させることなく確実に成形できるとともに、生産コストの高騰を抑制できるトロイダル型無段変速装置の入出力ディスクの製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速装置の入出力ディスクの製造方法は、ディスク状に形成されかつ中央部に軸線方向に突出した突部と、前記突部から外周方向に向って徐々に薄肉となる裾部と、前記突部に軸線方向に設けられた取付け穴とを有するトロイダル型無段変速装置の入出力ディスクの製造方法において、前記突部を成形する成形部を有する第1の金型を用いて、素材としてのワークを、この素材の軸線方向に沿って圧鍛して、前記突部に相当する部分を成形する第1の鍛造工程と、前記取付け穴を成形する成形部を有する第2の金型を用いて、前記ワークを、前記軸線方向に沿って圧鍛して、前記取付け穴に相当する穴を成形する第2の鍛造工程と、前記裾部を成形する成形部を有する第3の金型を用いて、前記ワークを、前記軸線方向に沿って圧鍛して、前記裾部に相当する部分を成形する第3の鍛造工程とからなることを特徴としている。
【0020】
前述したトロイダル型無段変速装置の入出力ディスクの製造方法は、素材から入出力ディスクを成形する際に、突部と、取付け穴と、裾部とに相当する部分を、それぞれ別体の第1から第3の金型を用いて成形する。このため、ワークとそれぞれの金型とが互いに接触する時間が短くなり、成形時に金型に及ぼされるワークの温度の影響が少くなって金型の表面硬度が維持される。
【0021】
さらに、前述した第1から第3の鍛造工程において用いられる第1から第3の金型を互いに別体としているので、それぞれの鍛造工程において無理なくワークを成形することが可能となる。夫々の工程においてワークの金属組織の流動をスムーズに行え、金属組織の流動などにおいてバランスの取れた入出力ディスクを成形することができる。
【0022】
また、前述したように、夫々の工程におけるワークの金属組織の流動をスムーズに行えるので、それぞれの工程において金型に加える圧力を低く抑えることができ、金型の破損を防止することができる。
【0023】
また、前記突部と取付け穴と裾部とを形成する第1から第3の鍛造工程において、前記棒状の素材の両端を前述した第1から第3の金型が当接して拘束した状態で、前記入出力ディスクを形成するのが望ましい。
【0024】
この場合、前記取付け穴を形成する第2の金型によって、前記素材の中央よりの径の30%以下の不純物を多く含んだ部分が、押圧されて取付け穴の内面などの周辺部から取り除くことができる。
【0025】
前述した第1から第3の鍛造工程を経て前記入出力ディスクを形成する場合、前記第1〜第3の金型それぞれに前記ワークを保持する保持部を形成するのが望ましい。この場合、さらに不純物を多く含んだ部分が取付け穴の周辺から除去されるとともに、成形中における金型内での素材の偏心などの位置ずれなどが抑制されて、より高精度な入出力ディスクを成形することができる。
【0026】
また、前述した第1から第3の鍛造工程を経た後、切削加工などを施して前記入出力ディスクを成形するようにしてもよい。この場合、より高精度な入出力ディスクを得ることができるとともに、第1から第3の金型で成形する際の精度要求を緩和することができる。このため、摩耗などが進んでも金型を使用することができ、金型費用を抑制して生産コストを抑制することができる。
【0027】
前記入出力ディスクを製造するワークとして円柱状に形成されかつ軸線方向に沿う金属組織の流れ(メタルフロー)を有した中実材を用いるのが望ましい。なお、この中実材の長さをLとし直径をdとすると、これらLとdとの関係はL/d≦2.2を満たすのが望ましい。
【0028】
この場合、前述した第1ないし第3の鍛造工程を経て成形した際に、入出力ディスクのメタルフローが入出力軸の軸線に対し軸対称となって形成されて、高寿命な入出力ディスクを成形することができる。
【0029】
前記第1の鍛造工程において、前記円柱状のワークをこのワークの軸線に沿って圧鍛して第1の金型に据え込むのが望ましい。この場合、成形中における金型内での素材の偏心などの位置ずれなどが抑制されて、より高精度な入出力ディスクを成形することができる。
【0030】
また、第1の金型は、ワークと接するその端面に、前記突部に沿って形成された保持部としての凹部が形成されるのが望ましい。この場合、凹部は、第1の金型の端面に、前記ワークから離れる方向に凹でかつその底面がワークの直径と略同径の円形に形成されるのが望ましい。
【0031】
前記凹部は、前記金型の端面からその底面に向うにしたがって、徐々に開口径が減少する傾斜面を有したすり鉢状に形成されるのが望ましい。なお、成形する入出力ディスクにおいてトラクション面の曲率の中心から前記軸線に沿って延びた線分が交わる点と前記突部の端面の外縁とを結んだ線分と、前記端面の延長線とのなす角が角度δの際に、前記傾斜面は、前記底面の延長線とのなす角が、角度δ±10度(degree)の範囲内に形成されるのが望ましい。
【0032】
前述した凹部を第1の金型に設けることによって、ワークの偏心などの位置ずれなどを確実に防止でき、高精度な入出力ディスクを成形することが可能となる。また、この凹部を第1の金型に設けた場合、第2の金型にも同形状の凹部を設けるのがさらに望ましい。第2の金型にも凹部を設けるとワークの偏心などの位置ずれがより抑制され、より高精度な入出力ディスクを成形することが可能となる。
【0033】
また、前記第2の金型の保持部は、前記ワークを外周方向から包囲する円環状に形成されているのが望ましく、この場合第1の鍛造工程においてワークの軸方向に沿って圧鍛する際にこのワークの外径を前記第2の金型の保持部の内径と略等しく形成するのが望ましい。この場合、ワークの偏心などの位置ずれがより抑制され、より一層高精度な入出力ディスクを成形することが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1から図9を参照して説明する。
図1はトロイダル型無段変速装置としてのハーフトロイダル型無段変速装置20の一部を構成するバリエータ21を示す断面図である。前記ハーフトロイダル型無段変速装置20は、エンジン等の駆動源(図示しない)に連結される入力軸1aから、この入力軸1aの回転に基く動力を出力軸1bへと伝達する装置である。
【0035】
図1に示すように、バリエータ21は、ニードルベアリングを介して前記入力軸1aに支持されかつ前記入力軸1aと一体に回転自在に取付けられた入力ディスク2と、前記出力軸1bにこの出力軸1bと一体に回転自在に取付けられた出力ディスク3と、この入力ディスク2および出力ディスク3に転接するパワーローラ軸受11の内輪10などを備えている。
【0036】
入力ディスク2の背面側には、カム板4が入力軸1aに対してスプライン係合して設けられている。カム板4と入力ディスク2との間にはローラ5が介在され、入力ディスク2を出力ディスク3側に押し付けるローディングカム式の押圧機構6が設けられている。
【0037】
入力ディスク2と出力ディスク3との間には枢軸7を中心として揺動するトラニオン8が設けられ、トラニオン8の中心部には変位軸9が設けられている。そして、この変位軸9には前記パワーローラ軸受11が回転自在に支持され、このパワーローラ軸受11は、入力ディスク2及び出力ディスク3と接するトラクション部を有し、入力ディスク2と出力ディスク3との間に傾転自在に転接されている。
【0038】
このパワーローラ軸受11は入力ディスク2及び出力ディスク3から加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、内輪10の回転を許容するものである。このようなパワーローラ軸受11の複数個の玉12はトラニオン8側に設けられた円環状の外輪13と回転部としての内輪10との間に設けられた円環状の保持器14によって保持されている。
【0039】
さらに、外輪13と内輪10には玉12を転動自在に保持する軸走溝15,16が設けられている。軸走溝15,16は、外輪13と内輪10の玉12との接触面に円環状に設けられ、かつ断面円弧状に形成されている。
【0040】
前記入出力ディスク2,3は、図2(A)に示すように、ディスク状に形成されている。なお、図2(A)は入出力ディスク2,3の平面図を示し、図2(B)は図1中のb−b線に沿う断面図を示している。
【0041】
入出力ディスク2,3は、図2(B)に示すように、前記入出力軸1a,1bに取付けられた際に、側方からみてその中央部から図中に一点鎖線Pで示す軸線に沿って突出して設けられた突部22と、この突部22から外周方向に向って徐々に薄肉となる裾部23とを一体に備えている。
【0042】
前記突部22は、その端面22aが図2(A)に示すように正面からみて略円形に形成され、かつ図2(B)に示すように、前記軸線Pに対し略直交する方向に沿って略平坦に形成されている。
【0043】
前記入出力ディスク2,3の前記突部22の端面22aと反対側に位置する面24(以下底面と呼ぶ)は、前記軸線Pに対し略直交する方向に沿って略平坦に形成されている。また、入出力ディスク2,3の外周面25は、前記軸線Pに沿って略平坦に形成されている。
【0044】
図2(B)に示すように、前記突部22から裾部23とに亘って、側方から見て断面円弧状のトラクション面26が、前記入出力ディスク2,3の全周に亘って形成されている。トラクション面26は、前記枢軸7を中心とした円弧状に形成されている。なお、図示例において、前記裾部23は、前記入出力ディスク2,3の外周面25より中央寄りの位置に、最もディスク2,3の肉厚を薄くする最薄部23aを一体に設けている。
【0045】
前記トラクション面26は、例えば図2(B)に示すように同一断面において、その曲率の中心α(図2(B)に示す)から前記軸線Pに沿って延びた線分としての二点鎖線Paが交わる点βと端面22aの外縁γとを通る線分Fと、前記端面22aの延長線Gとが、互いに角度δを有するように形成されている。
【0046】
入出力ディスク2,3は、その略中央に、前記入出力軸1a,1bに取付けられる際に用いる取付け穴27を設けている。取付け穴27は、図2(A)に示すように、正面からみて略円形でかつ図2(B)に示すように前記軸線Pに沿って前記突部22の端面22aから前記底面24とに亘って内径が一定であるとともに、前記入出力ディスク2,3を貫通している。
【0047】
前述した入出力ディスク2,3は、以下に示す第1から第3の鍛造工程と、切削工程などを経て製造される。
第1の鍛造工程に用いられる第1の金型30は、図4に示すように、各々円筒状に形成された第1の型31と第2の型32とを備えている。第1の型31と第2の型32とは、金属からなる棒状に形成された素材W(以下ワークと呼ぶ)を、その両端からワークWの軸線Qに沿って圧するようになっている。
【0048】
前記ワークWは、圧延などの工程を経て、直径d(図4に示す)が前記軸線Qに沿って略一定の円柱状の中実材に形成されている。このためワークWは、その内部の金属組織の流れ(以下メタルフローと呼ぶ)が、前記軸線Qに沿って形成されている。また、図示例において、ワークWは、その長さL(図4に示す)と直径dとの比が以下に示す式1を満たしている。
【0049】
L/d≦2.2…………式1
第1の型31は、その端面31aが略平坦に形成されている。端面31aには、前記ワークWの外径と略同径の保持部としての凹み34が形成されている。この凹み34は、ワークWが載置された際に、ワークWの軸線Qが前記端面31aに対し略直交するようにワークWを保持するようになっている。
【0050】
前記第2の型32は、ワークWを圧する際に、このワークWと接する端面32aに、前記ワークWから離れる方向に凹の保持部としての第1の凹部33を設けている。第1の凹部33は、その底面35が、前記第1の型31上に載置されたワークWの軸線Qに対し略直交する方向に沿って略平坦でかつワークWの外径と略同径の円形に形成されている。
【0051】
前記第1の凹部33は、前記第2の型32の端面32aから前記底面35に向うにしたがって、徐々に開口径が減少する突部成形部としての傾斜面36を有したすり鉢状で、かつ前記入出力ディスク2,3の突部22の外形に沿って若干大きく形成されている。前記傾斜面36は、前記底面35の延長線K(図4(A)に示す)とのなす角Θが、前述した角度δと以下に示す式2の関係を満たすように形成されるのが望ましい。
【0052】
Θ=δ±10度(degree)…………式2
第2の鍛造工程に用いられる第2の金型37は、図5に示すように、第3の型38と、第4の型39と、第3の型38の外周を包囲して設けられた第1の外型40と、前記第4の型39に取付けられた穴成形部としての第1の中型41と、を備えている。
【0053】
第3の型38は、第1の鍛造工程を経て圧鍛されたワークW(W1)の外径と略同径の略円筒状に形成され、かつその端面38aが第1の鍛造工程を経たワークW(W1)が載置された際にこのワークW(W1)の軸線Q(Q1)に対し略直交する方向に沿って略平坦に形成されている。
【0054】
また、前記端面38aの略中央には、前記ワークW(W1)に向って突出する保持部としての第1の凸部42が一体に設けられている。この第1の凸部42は、前記ワークW(W1)と接する面42aが前記端面38aに沿って略平坦でかつ、前記取付け穴27の内径より若干小径な円形に形成されている。
【0055】
前記第4の型39は、前記ワークW(W1)に相対する面に、前記第3の型38の外径と略同径の円筒部43を一体に備えている。この円筒部43は、ワークW(W1)と接する端面43aに、前記第2の型32の端面32aに設けられた第1の凹部33と略同形状の保持部としての第2の凹部44を設けている。
【0056】
前記第1の外型40は、前記第3の型38の外周を包囲するように形成され、かつその端面がワークW(W1)が載置される側に向って前記第3の型38の端面38aより突出して設けられている。第1の外型40の保持部としての内周面40aは、前記ワークW(W1)の軸線Q(Q1)に沿って略平坦に形成されているとともに、前記ワークW(W1)の外周面を包囲する円環状に形成されている。
【0057】
前記第1の中型41は、前記入出力ディスク2,3の取付け穴27の内径より若干細い丸棒状に形成されている。第1の中型41は、その一端部41aが前記第2の凹部44の底面44aからワークW(W1)側に突出しかつ、その軸線Oが前記軸線Q(Q1)と同一線上に位置するように第4の型39に取付けられている。第1の中型41の前記第2の凹部44の底面44aより突出した一端部41aは、先端に向うにしたがって徐々に先細となるように形成されている。
【0058】
第3の鍛造工程に用いられる第3の金型45は、図6に示すように、第5の型46と、第6の型47と、第5の型46の外周を包囲して設けられた第2の外型48と、前記第6の型47に取付けられた第2の中型49と、を備えている。
【0059】
第5の型46は、第3の型38の外径より大きな径の略円筒状に形成され、かつその端面46aが第2の鍛造工程を経たワークW(W2)が載置された際に、このワークW(W2)の軸線Q(Q2)に対し略直交する方向に沿って略平坦に形成されている。また、前記端面46aの略中央には、前記第3の型38の端面38aに設けられた第1の凸部42と同形状の保持部としての第2の凸部50が設けられている。
【0060】
前記第6の型47は、前記第5の型46の外径より若干大径な円筒状に形成されている。第6の型47は、前記ワークW(W2)と接する端面47aの略中央に、前記ワークW(W2)から離れるのにしたがって凹でかつ前記入出力ディスク2,3の突部22に沿うとともに、突部22より若干大きく形成された第3の凹部51を一体に設けている。
【0061】
第6の型47は、前記端面47aに、前記第3の凹部51から外周方向に向って、前記入出力ディスク2,3のトラクション面26に沿った裾部成形部としての湾曲面52を形成している。
【0062】
前記第2の外型48は、前記第5の型46の外周を包囲するように形成され、かつその端面48aがワークW(W2)が載置される側に向って前記第5の型46の端面46aより突出して設けられている。
【0063】
第2の外型48は、前記第5の型46の端面46aより突出した部分に、この部分の内径が前記第6の型47の外径と略同径となるように、段差部53を設けている。前述した構成によれば、第6の型47は前記第2の外型48内に侵入自在となっている。また、第6の型47は、第2の外型48内に侵入した際に、その端面47aと段差部53との間に隙間が生じるようになっている。
【0064】
前記第2の中型49は、前記第1の中型41と略同形状に形成されており、その一端部49aが第3の凹部51の底面51aからワークW(W2)側に突出しかつ、その軸線O1が前記軸線Q(Q2)と略同一線上に位置するように第6の型47に取付けられている。
【0065】
次に、前述した入出力ディスク2,3の製造工程について、図3から図9を参照して説明する。ます、図3に示すステップS1において、ワークWは誘導加熱炉などの適宜の加熱手段によって鍛造に適した変形しやすい温度まで加熱される。
【0066】
そして、図3に示すステップS2において、以下に示す第1の鍛造工程が行われる。第1の鍛造工程において、ます図4(A)に示すように、ワークWを前記第1の型31の凹み34に嵌め込むように位置決めする。第1の型31と第2の型32とを、第1の凹部33の底面35がワークWに接するように、前記軸線Qに沿って互いに近付けるように移動する。
【0067】
その後、さらに軸線Qに沿って型31,32を互いに近付けるように移動して、ワークWを圧鍛する。図4(B)に示すように、前記第1の型31の底面31aおよび第2の型32の第1の凹部33などに応じた形状にワークW(W1)を形成する。
【0068】
この際、ワークW(W1)には、前記第1の凹部33に沿った入出力ディスク2,3の突部22に相当する部分57が形成されるとともに、前記型31,32の間において、その外径が広がったディスク状に形成される。
【0069】
なお、この工程において、ワークW(W1)は、前記凹み34および第1の凹部33の傾斜面36などによって位置決めされているので、型31,32の間において偏心などの位置ずれを起こすことがない。また、ワークW(W1)は、その外径D1(図4(B)に示す)が前記第1の外型40の内径D2(図5(A)に示す)と略等しくなるように、前記型31,32を互いに近付けて成形するのが望ましい。
【0070】
前述した第1の鍛造工程が終了した後、ステップS3において、以下に示す第2の鍛造工程が行われる。まず、第2の鍛造工程では、ワークW(W1)を、図5(A)に示すように、第2の金型37の第1の外型40の内周側でかつ第3の型38の端面38a上に載置する。
【0071】
このとき、ワークW(W1)は、第1の鍛造工程においてその外径D1が第1の外型40の内径D2と略同径に形成されているので、前記第1の外型40との間にガタなどを生じないとともに、その軸線Q(Q1)が、前記第3の型38の端面38aの鉛直方向に指向した状態で位置決めされている。またワークW(W1)は、その底面54が前記第1の凸部42の端面42aと密接した状態となっている。
【0072】
そして、前記型38,39を軸線Q(Q1)に沿って互いに近付けるように移動し、ワークW(W1)を圧鍛する。図5(B)に示すように、前記第3の型38の端面38a、凸部42および第1の中型41などに応じた形状にワークW(W2)を形成する。
【0073】
この際、ワークW(W2)は、前記第1の中型41に沿った入出力ディスク2,3の取付け穴27に相当する穴55が形成されるとともに、その底面54に第1の凸部42と噛み合う凹部56が一体に形成されて、第3の型38の端面38aに密接する。
【0074】
また、ワークW(W2)が圧鍛されている際には、前記凹部44などによって偏心などの位置ずれしないように位置決めされている。なお、本工程において形成される前記取付け穴27に相当する穴55は、前記ワークW(W2)を貫通した状態とはなっていない。
【0075】
前述した第2の鍛造工程が終了した後、図3に示すステップS4において、以下に示す第3の鍛造工程が行われる。まず、第3の鍛造工程では、ワークW(W2)を、図6(A)に示すように、第3の金型45の第2の外型48の内周側でかつ第5の型46の端面46a上に載置する。
【0076】
このとき、ワークW(W2)は、第2の鍛造工程において、その底面54に形成された凹部56が前記第2の凸部50と噛み合うので、その軸線Q(Q2)が、前記第5の型46の底面46aの鉛直方向に指向した状態に位置決めされている。
【0077】
そして、前記型46,47を軸線Qに沿って互いに近付けるように移動し、ワークW(W2)を圧鍛する。図6(B)に示すように、前記第6の型47の湾曲面52などに応じた形状にワークW(W3)を形成する。
【0078】
この際、ワークW(W3)は、前記第6の型47の湾曲面52に沿った前記トラクション面26に相当する部分58と、前記型46,47の間において、その外径が広がって形成されて前記裾部23に相当する部分59と、前記第2の外型48の段差部53と第6の型47との間において外周方向に突出したバリ部60と、が一体に形成される。
【0079】
そして、ステップS5において、以下に示すように、打ち抜き加工および切削加工などを施して、所望形状の入出力ディスク2,3を得る。まず、図7に示す第3の鍛造工程が施されたワークW(W3)にプレスによる打ち抜き加工を施して、図8に示すように、前記バリ部60が除去されかつ前記穴55(55a)が貫通した形状にワークW(W4)を形成する。
【0080】
そののち、図9に示すように、前述した打ち抜き加工などが施された図中の二点鎖線Sで示すワークW(W4)の全体に切削加工などを施す。図中の実線Tに示すように、ハーフトロイダル型無段変速装置20の入出力ディスク2,3に相当する形状のワークW(W5)を得る。
【0081】
そして、ワークW(W5)に所望の浸炭または浸炭窒化処理などの熱処理を施し、さらに、必要な精度まで全体を研削して、ハーフトロイダル型無段変速装置20の入出力ディスク2,3を得る。
【0082】
本実施形態のハーフトロイダル型無段変速装置20の入出力ディスク2,3の製造方法によれば、ワークWとしての棒状の素材を成形する鍛造工程において、主に入出力ディスク2,3の突部22に相当する部分57を成形する第1の金型30と、主に取付け穴27に相当する穴55を成形する第2の金型37と、主に裾部23に相当する部分59を成形する第3の金型45とを、それぞれ用いている。
【0083】
このため、ワークWとそれぞれの金型30,37,45とが互いに接触する接触時間が短くなり、成形時に金型30,37,45に及ぼされるワークWの熱の影響が少くなり、金型30,37,45のワークWと接触する部分の表面硬度が維持されることとなる。したがって、金型30,37,45の寿命の低下が抑制される。
【0084】
また、前記突部22に相当する部分57と取付け穴27に相当する穴55と裾部23に相当する部分59とを、互いに別体の金型30,37,45を用いて成形するので、無理なくワークWを成形することが可能となるとともに、夫々の工程におけるワークWの金属組織の流動をスムーズに行え、金属組織の流動などにおいてバランスの取れた入出力ディスク2,3を成形することができる。
【0085】
さらに、夫々の工程におけるワークWの金属組織の流動をスムーズに行えるので、それぞれの工程において金型30,37,45に加える圧力を低く抑えることができ、金型30,37,45の破損を防止することができる。
【0086】
また、前記第1から第3の鍛造工程において、ワークWが凹み34、第1の外型40の内周面40aおよび凸部42,50によって位置決めされているので、成形中においてワークWが金型30,37,45内での偏心などの位置ずれなどをおこすことがない。このため、高精度な入出力ディスク2,3を成形することができる。
【0087】
さらに、前述した第1から第3の鍛造工程を経た後、打ち抜き加工や切削加工などを施して前記入出力ディスク2,3を成形するので、より高精度な入出力ディスク2,3を得ることができるとともに、第1から第3の金型30,37,45で成形する際の精度要求を緩和することができる。
【0088】
このため、前記金型30,37,45に加える圧力を低く抑えることができるとともに、金型30,37,45の摩耗などをあまり気にする必要がなくなって、摩耗が進んでも金型30,37,45を使用することができる。
【0089】
さらに、鍛造加工前のワークWにおいて、その長さLと直径dとの関係が前記式1を満たす場合には、第1の鍛造工程においてワークWがより確実に位置決めされ、かつワークWの軸線Qに対しメタルフローが軸対称となって形成される。このため、より高精度でかつ金属組織の流動においてよりバランスがとれるとともに高寿命な入出力ディスク2,3を得ることができる。
【0090】
図10から図13は、第2の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分および同一工程は同一符号を付して説明を省略する。本実施形態において、第3の鍛造工程において用いられる第3の金型45の第6の型47は、その端面47aの外周部に前記軸線O1,Q(Q2)に対し略直交する方向に沿って略平坦な平坦面61が周方向に亘って形成されている。
【0091】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に図4および図5に示す第1の鍛造工程と第2の鍛造工程とが施されたワークW(W2)に、図10に示す第3の鍛造工程を施すようになっている。
【0092】
第3の鍛造工程において、前記湾曲面52および平坦面61に沿ったトラクション面26に相当する部分58aが形成されたワークW(W3a)を得る。そして、ワークW(W3a)を、図11から図13に示す工程に沿ってプレスによる打ち抜き加工や切削加工などが施されたワークW(W4a,W5a)に形成する。そののち、ハーフトロイダル型無段変速装置20の入出力ディスク2,3を得る。
【0093】
本実施形態によれば、前述した第1の実施形態の効果に加え、第6の型47の端面47aに平坦面61を形成しているので、型47のコストを抑制することができ、入出力ディスク2,3の生産コストを抑制することができる。
【0094】
さらに、第1から第3の鍛造加工においてワークWの金属組織の流動をよりスムーズにすることができるので、鍛造加工の際に金型30,37,45に加える圧力をより抑制することが可能となる。
【0095】
本実施形態の製造方法によって製造された入出力ディスク2,3は、前記第2の鍛造工程において、図11中に墨塗りして示す加工前のワークWにおいて中央寄りに外径の30%以下の部分に存在する不純物を多く含んだ部分Rが、第1の中型41によって突部22の端面22a側から底面24側に向って押圧され、かつ図12および図13などに示す打ち抜き加工および切削加工などによって殆ど除去される。
【0096】
そして、入出力ディスク2,3は、図14に示すように、メタルフローJ1〜J6が形成されているとともに、前記部分Rが前記突部22の端面22側には存在せずにその一部のみが前記底面24側に存在している。したがって、特に大きな応力が加わる前記突部22の端面22a側には不純物を多く含んだ部分Rが存在しないため、高寿命な入出力ディスク2,3を得ることができる。
【0097】
また、前記第1の実施形態に示した製造方法によって成形された入出力ディスク2,3も、図14に示す第2の実施形態によって得られたものと同様に、そのメタルフローが図14中の実線J1からJ6で示すように形成されている。
【0098】
また、不純物を多く含んだ部分Rも同様に、前記突部22の端面22側には存在せずにその一部のみが前記底面24側に存在する。したがって、高寿命な入出力ディスク2,3を得ることができる。
【0099】
このことは、以下の表1に示す耐久試験の試験結果からも明らかである。表1に結果が示された耐久試験は、図17に示した削り出し加工などの従来の製造方法によって製造された入出力ディスク80と、前述した第1の鍛造工程から第3の鍛造工程などを経て製造された入出力ディスク2,3とを複数製造して供試体A〜Hとして用いている。
【0100】
なお、表1において、供試体A及び供試体Bは従来の製造方法によって製造されかつ不純物を多く含んだ部分R1を取付け穴27の内面に有する入出力ディスク80である。表1において、供試体C〜Hは、第1の鍛造工程から第3の鍛造工程などを経て、不純物を多く含んだ部分Rの前記端面22aからの距離h(図14に示す)と突部22の厚み(端面22aから底面24までの距離)Hとの比h/Hが互いに異なるように製造された入出力ディスク2,3である。
【0101】
【表1】
Figure 0003908370
【0102】
表1の結果によれば、前述した比h/Hがすくなくとも33%を超える供試体E〜Hの場合には250時間にわたる耐久試験によっても、入出力ディスク2,3が破壊されないことが明らかとなった。
【0103】
また、供試体A〜Dのように、前記突部22の端面22a側に不純物を多く含んだ部分Rが存在する場合には、比較的短時間で、前記端面22の近傍22a側の取付け穴27の内面27aから破損するのが明らかとなった。
【0104】
このため、不純物を多く含んだ部分Rを、前記取付け穴27の内面27aにおいて、前記突部22の端面22a側には存在させずに、前記底面24側に存在させることによって、比較的高寿命な入出力ディスク2,3を得ることができるのが明らかとなった。
【0105】
望ましくは前述した比h/Hが33%以上となる位置に前記部分Rを形成するとよく、この場合、より確実に高寿命な入出力ディスク2,3を得ることができるのが明らかとなった。
【0106】
また、特に、前述した第2の実施形態に示した製造方法によって得られた入出力ディスク2,3は、図14〜図15に示すように、そのトラクション面26にメタルフローJ6が途切れる所謂エンドフローE1,E2が生じることがある。
【0107】
トラクション面26にエンドフローE1,E2が生じる場合には、このエンドフローE1,E2が、これらのエンドフローE1,E2と前記トラクション面26の曲率の中心Uとを通る線分V1,V2と、前記中心Uを通り入出力軸1a,1bの軸線Pに沿った線分Vとのなす角Θ1,Θ2の角度が15度(degree)以上でかつ60度(degree)以下となる範囲内には生じないように、前記第6の型47の平坦面61などを形成するのが望ましい。
【0108】
このことは、以下の表2に示す耐久試験の試験結果からも明らかである。表2に結果が示された耐久試験は、前述した第6の型47の平坦面61の広さなどを変化させて、前記角Θ1,Θ2が互いに異なる角度となる位置にエンドフローE1,E2を生じさせた入出力ディスク2,3を複数製造して供試体A〜Nとして用いている。
【0109】
【表2】
Figure 0003908370
【0110】
表2によれば、前記角Θ1の角度が15度以上の位置に、入出力ディスク2,3の外周寄りのエンドフローE1を生じさせた供試体K〜Nにおいては、試験時間が250時間以内で破損することが明らかとなった。
【0111】
また、前記角Θ2が60度以下の位置に、入出力ディスク2,3の突部22寄りのエンドフローE22を生じさせた供試体A,D,E,H,Iにおいては、試験時間が250時間以内で破損することが明らかとなった。
【0112】
さらに、前記角Θ1,Θ2の角度が15度(degree)以上でかつ60度(degree)以下となる範囲内にエンドフローE1,E2を生じさせていない供試体B,C,F,G,Jにおいては、試験時間が250時間を経過しても破損しないことが明らかとなった。
【0113】
したがって、前記エンドフローE1,E2を、前期角Θ1,Θ2の角度が15度(degree)以上でかつ60度(degree)以下となる範囲内には生じさせないように、前記第6の型47の平坦面61などを形成することによって、高寿命な入出力ディスク2,3を得ることができるのが明らかとなった。
【0114】
さらに、前記入出力ディスク2,3の底面24側においては、前記メタルフローのエンドフローが、前記トラクション面26の曲率の中心Uと最大減速時または増速時に前記パワーローラ軸受11の内輪10が接するトラクション面26の接触点N(図16に示す)とを通る線分V3に対し、前記中心Uを中心とした±10度(degree)の範囲M(図16に示す)内には生じないように、前記第6の型47の平坦面61などを形成するのが望ましい。
【0115】
このことは、以下の表3に示す耐久試験の試験結果からも明らかである。表3に結果が示された耐久試験は、前述した第6の型47の平坦面61の広さなどを変化させて、前記底面24における前記接触点Nに最も近い前記エンドフローE4,E5と前記中心Uとをそれぞれ通る線分V4,V5と、前記線分V3とのなす角Θ4,Θ5の角度が互いに異なる入出力ディスク2,3を複数製造して供試体A〜Lとして用いている。
【0116】
【表3】
Figure 0003908370
【0117】
表3によれば、前記角Θ4の角度が10度以下となる位置に入出力ディスク2,3の外周寄りのエンドフローE4を生じさせた供試体A〜Dにおいては、試験時間が250時間以内で破損することが明らかとなった。
【0118】
また、前記角Θ5の角度が10度以下となる位置に入出力ディスク2,3の突部22寄りのエンドフローE5を生じさせた供試体F〜Hにおいては、試験時間が250時間以内で破損することが明らかとなった。
【0119】
さらに、前記角Θ4,Θ5の角度がそれぞれ10度以上となる位置にエンドフローE4,E5を生じさせた供試体E,I,J,Kにおいては、試験時間が250時間を経過しても破損しないことが明らかとなった。
【0120】
したがって、前記メタルフローのエンドフローを、底面24において前記中心Uを通る線分V3に対し±10(degree)の範囲M内には生じないように、前記第6の型47の平坦面61などを形成することによって、高寿命な入出力ディスク2,3を製造できることが明らかとなった。
【0121】
このように、本発明のハーフトロイダル型無段変速装置20の入出力ディスク2,3の製造方法によれば、鍛造前のワークWにおいて不純物を多く含んだ部分Rを突部22側から除去して高寿命な入出力ディスク2,3を得ることができる。
【0122】
また、金型30,37,45の寿命を低下させずに金属組織の流動などにおいてバランスが取れかつ高精度な入出力ディスク2,3を成形できるとともに、金型30,37,45の破損を防止できかつ摩耗が進んでも金型30,37,45を使用することができるので、金型費用を抑制して生産コストを抑制することができる。
【0123】
【発明の効果】
本発明のトロイダル型無段変速装置の入出力ディスクの製造方法は、例えば第2の鍛造工程などの取付け穴を形成する工程において、ワークの不純物を多く含んだ部分が取付け穴の内面などの周辺から取り除かれるので、高寿命な入出力ディスクを製造することができる。
【0124】
また、金型の表面硬度を維持することができるので金型の寿命を低下させることがないとともに、鍛造する際に金型に加える圧力を低く抑えて金型の破損を防止することができるので、金型費用を抑制して生産コストの高騰を抑制することができる。
【0125】
さらに、前述した鍛造工程の後に切削加工などを施す場合には、前述した不純物を多く含んだ部分を確実に除去できるとともに、切削加工に必要とされる所要時間を短縮でき、生産コストの高騰をより抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すハーフトロイダル型無段変速装置の一部を示す縦断面図。
【図2】図1に示された実施形態の入出力ディスクを示す説明図。
【図3】図2に示された入出力ディスクの製造工程の一例を示すフローチャート。
【図4】図2に示された入出力ディスクを製造する第1の鍛造工程を示す説明図。
【図5】図2に示された入出力ディスクを製造する第2の鍛造工程を示す説明図。
【図6】図2に示された入出力ディスクを製造する第3の鍛造工程を示す説明図。
【図7】図6に示された第3の鍛造工程が施された後のワークを示す断面図。
【図8】図7に示されたワークにプレスによる打ち抜き加工を施した状態を示す断面図。
【図9】図8に示されたワークに切削加工などを施した状態を示す断面図。
【図10】本発明の第2の実施形態の第3の金型を用いた第3の鍛造工程を示す説明図。
【図11】図10に示された第3の鍛造工程が施された後のワークを示す断面図。
【図12】図11に示されたワークにプレスによる打ち抜き加工を施した状態を示す断面図。
【図13】図12に示されたワークに切削加工などを施した状態を示す断面図。
【図14】本発明の第2の実施形態の製造方法によって得られた入出力ディスクのメタルフローを示す断面図。
【図15】図14に示された入出力ディスクのトラクション面におけるエンドフローの位置を説明する説明図。
【図16】図14に示された入出力ディスクの底面におけるエンドフローの位置を説明する説明図。
【図17】従来の製造方法によって得られたハーフトロイダル型無段変速装置の入出力ディスクのメタルフローを示す断面図。
【符号の説明】
1a…入力軸
1b…出力軸
2…入力ディスク
3…出力ディスク
20…ハーフトロイダル型無段変速装置(トロイダル型無段変速装置)
22…突部
23…裾部
27…取付け穴
36…傾斜面(突部成形部)
41…第1の中型(穴成形部)
52…湾曲面(裾部成形部)
55…取付け穴に相当する穴
57…突部に相当する部分
59…裾部に相当する部分
W,W1,W2,W3…ワーク(素材)
P…軸線
Q,Q1,Q2,Q3…ワークの軸線

Claims (1)

  1. ディスク状に形成されかつ中央部に軸線方向に突出した突部と、前記突部から外周方向に向って徐々に薄肉となる裾部と、前記突部に軸線方向に設けられた取付け穴とを有するトロイダル型無段変速装置の入出力ディスクの製造方法において、
    前記突部を成形する成形部を有する第1の金型を用いて、素材としてのワークを、この素材の軸線方向に沿って圧鍛して、前記突部に相当する部分を成形する第1の圧鍛工程と、
    前記取付け穴を成形する成形部を有する第2の金型を用いて、前記ワークを、前記軸線方向に沿って圧鍛して、前記取付け穴に相当する穴を成形する第2の鍛造工程と、
    前記裾部を成形する成形部を有する第3の金型を用いて、前記ワークを、前記軸線方向に沿って圧鍛して、前記裾部に相当する部分を成形する第3の成形工程と、
    からなり、前記第2の金型の保持部は、前記ワークを外周方向から包囲する円環状に形成され、第1の鍛造工程においてワークの軸方向に沿って圧鍛する際に、前記ワークの外径を前記第2の金型の保持部の内径と略等しく形成することを特徴とするトロイダル型無段変速装置の入出力ディスクの製造方法。
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