JPH11190330A - スラスト軸受 - Google Patents
スラスト軸受Info
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- JPH11190330A JPH11190330A JP35702097A JP35702097A JPH11190330A JP H11190330 A JPH11190330 A JP H11190330A JP 35702097 A JP35702097 A JP 35702097A JP 35702097 A JP35702097 A JP 35702097A JP H11190330 A JPH11190330 A JP H11190330A
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Abstract
用形態の場合に、保持器に作用する調心作用時の径方向
荷重を軽減でき、保持器の長寿命化が図れるようにす
る。 【解決手段】 対面する固定輪1と回転輪2の間に、保
持器3に保持された転動体4が介在し、かつ両輪1,2
の径方向の相対移動により保持器3を挟む構造のスラス
ト軸受に適用される。固定輪1および回転輪2の少なく
とも一方における軸端面と接触する面に、潤滑油が溜ま
る動圧溝5を形成する。
Description
のオートマチックトランスミッションの軸をアキシャル
方向に支えるスラストニードル軸受に代表されるよう
に、アキシャル荷重が作用する軸を支持するスラスト軸
受に関する。
自動車のオートマチックトランスミッションの軸12を
アキシャル方向に支えるスラストニードル軸受を示す。
この軸受Jの場合、軸12のギヤ12bにトルクが作用
したときのみハスバ歯車によるアキシャル方向の荷重F
A が発生する。ギヤ12bにトルクがかかっていないと
きは、軸端面12aと軸受回転輪2の背面とは、隙間d
を生じていて、無負荷の状態となる。そのような場合、
軸端側の軸受軌道輪である回転輪2は、反ギヤ側軸11
とそれに設置された軸受軌道輪である固定輪1との間の
ラジアル方向の隙間C2(図5)、および軸受内のラジ
アル隙間C1(=C1a +C1b )分の偏心量Cだけ偏
心した位置に存在している。図4、図5において、O12
は軸12の中心、O2 は回転輪12の中心をそれぞれ示
す。この状態から、ギヤ軸12にトルクが作用し、アキ
シャル方向の荷重FA が軸12から軸受回転輪2に伝達
されると、偏心していた回転輪2は調心作用を受け、ギ
ヤ軸12の回転中心O12方向へ調心する。その際、回転
輪2と固定輪1の間に、保持器3が挟まれ、保持器3に
大きな力が作用し、保持器の長寿命化が難しくなる。
り、アキシャル方向の荷重が断続して作用する使用形態
の場合に、保持器に作用する調心作用時の径方向荷重を
軽減でき、保持器の長寿命化が図れるスラスト軸受を提
供することを目的とする。
は、対面する一対の軌道輪の間に、保持器に保持された
転動体が介在し、かつ前記両軌道輪の径方向の相対移動
により保持器を挟む構造のスラスト軸受において、前記
一対の軌道輪の少なくとも一方に、回転初期にのみこの
軌道輪とそれに接触する軸端面間の摩擦力を軽減する回
転初期摩擦力軽減手段を設けたものである。この構成の
軸受によると、アキシャル方向の荷重が断続して作用す
る使用形態であって、軌道輪が停止時に各部の隙間等に
より偏心していた場合に、アキシャル荷重が軌道輪に作
用して軌道輪が回転を生じる初期に、回転軸に対する軌
道輪の調心作用が生じる。このとき、保持器は、両軌道
輪の径方向の相対移動で挟まれ、また軌道輪と軸端面と
の間の摩擦力が調心作用を妨げるが、回転初期摩擦力軽
減手段により、回転初期の前記摩擦力が軽減される。そ
のため、調心作用が円滑に行われて、両軌道輪で保持器
を径方向に挟む荷重が軽減される。そのため、保持器に
無理な荷重が作用することが回避されて、保持器の疲労
が軽減され、長寿命化が得られる。また、軸端面と軌道
輪との間の摩擦力は、常時弱くて滑りを生じると新たな
支障が生じるが、回転初期摩擦力軽減手段は、回転初期
のみ摩擦力を軽減するものであるため、軸端面と軌道輪
間の滑りによる支障を生じることが避けられる。
転初期摩擦力軽減手段が、動圧により油膜を形成する手
段であっても良い。軌道輪の調心作用は、回転開始直後
にその殆どを終了するが、動圧により油膜を形成する手
段を設けた場合、その調心作用が生じている僅かな時間
のみ油膜を形成し、流体潤滑作用を作り出す。
えば、軌道輪の軸端面と接触する面に形成されて潤滑油
が溜まる動圧溝で構成される。このように動圧溝を設け
た場合、回転初期の調心作用が生じている僅かな時間の
み油膜を形成し、流体潤滑作用を作り出す。調心作用が
終了する時点では、油膜形成力が失われ、軌道輪は軸端
面と大きな摩擦力で結合する。前記動圧溝は、複数の同
心円状の溝であっても良く、また軌道輪の半径方向に対
して傾き角度を持つ複数の放射状の溝であっても良い。
に説明する。なお、従来例との作用の比較のため、図4
以降に示した従来例と対応する部分に同一符号を付して
説明する。このスラスト軸受は、スラストニードルころ
軸受に適用したものであり、各々軌道輪である対面する
固定輪1と回転輪2との間に、保持器3に保持された針
状のころからなる転動体4を介在させて構成される。固
定輪1は、保持器3の内径側に位置する環状突部1aを
内径部に有し、回転輪2は保持器3の外径側に位置する
環状突部2aを外径部に有している。保持器3は円周方
向に並ぶ複数のポケットに転動体4を保持したものであ
る。固定輪1、回転輪2、および保持器3を同心に保っ
た状態で、保持器3と固定輪1の環状突部1aとの間、
および保持器3と回転輪2の環状突部2aとの間には径
方向の隙間が生じる。したがって、この隙間の範囲内で
固定輪1と回転輪2との径方向の相対移動が可能であ
り、この移動により、保持器3は固定輪1と回転輪2と
の環状突部1a,2a間で径方向に挟まれる。
態では、回転輪2の軸12の端面12aとの接触する面
に、動圧溝5が形成してある。動圧溝5は、回転輪2の
中心と同心の複数の同心円状の環状溝からなり、各動圧
溝5は回転輪2の外径部付近と内径部付近に設けられて
いる。この動圧溝5は、特許請求の範囲の範囲で言う回
転初期摩擦力軽減手段となり、かつ動圧により油膜を形
成する手段となる。
3は、旋削品であっても、図4の従来例に示すような金
属板のプレス成形品であっても良い。また、図1の使用
形態において、固定輪1は、第1の軸11の小径の軸端
部11aに内径面が遊嵌すると共に、背面が第1の軸1
1の段面に当接した状態に設置されている。第2の軸1
2は、第1の軸11と同心に配置された回転軸であり、
常時は回転輪2から若干離れて位置し、あるいは回転輪
2に軽い接触状態にあり、アキシャル荷重が作用した状
態で、軸方向に若干移動して回転輪2に押し付け状態に
接触する。同図において、符号O2 は回転輪2の中心を
示し、符号O12は軸12の中心を示す。
例と比較して説明する。図6は、図4に示す従来のスラ
ストニードル軸受の回転輪2での測定データを示す。回
転輪2は、重力方向に対して横軸で使用されるため、ア
キシャル荷重が作用していない状態では、隙間合計分だ
け鉛直下方に偏心している。回転軸12にアキシャル荷
重が作用して回転軸12が回転輪2を押圧しながら回転
を始めると、その瞬間から調心作用が起こり、回転輪2
を回転軸12の中心O12方向へ調心させる。このとき、
回転輪2と固定輪1、および保持器3の間に幾何学的形
状による干渉が生じる(図7)。すなわち、保持器3が
回転輪2あるいは固定輪1にめり込むような状況とな
る。図7に斜線で示す範囲が干渉範囲aである。勿論、
現実にはめり込むことはなく、回転輪2とこの回転輪2
に接触する軸端面の間、または固定輪1とこの固定輪1
に接触する軸端面の端で滑りを生じ、干渉分を吸収す
る。しかし、保持器3には上記の滑りによる摩擦力が作
用反作用の法則により同様にかかることになる。図8に
おいて、矢印Fは保持器3に作用する荷重を示す。も
し、摩擦力が大きければ、保持器3は回転が断続する回
数だけその大きな荷重を受けることになり、保持器3の
疲労を促進させることになる。
軸受では、回転輪2の軸端面2aと接触する面に動圧溝
5が形成してあるため、前記の調心作用が生じる間だ
け、油膜を形成し、回転輪2と軸端面12aとの間に流
体潤滑状態を作りだす。このため、回転輪2と軸端面1
2aとの接触部で生じる摩擦力が軽減され、前記の調心
作用が円滑に行われる。そのため、調心作用時に保持器
3に両輪1,2で挟みこむように作用する大きな荷重が
軽減され、保持器3の疲労が少なく、寿命が向上する。
この場合に、前記の調心作用は、回転開始直後にその殆
どを終了し、動圧溝5は、その調心作用が生じている僅
かな時間のみ油膜を形成する。調心が終了する時点で
は、動圧溝5による油膜形成力は失われ、回転輪2は軸
12の端面12aと大きな摩擦力で結合する。この作用
は、軸受の回転輪2が軸端面12aと滑りを生じること
により発生する新たな支障を回避するために有効であ
る。
に示した同心円状のものに限らず、動圧により油膜を形
成できる形状であれば良い。例えば、動圧溝5は、回転
輪2の半径方向に対して傾き角度を持つ複数の放射状の
溝としても良い。この放射状の溝は、スパイライ状の溝
としても良い。図2の例では、複数本の同心円の環状溝
5a,5bと、両溝5a,5b間に連通する放射状の溝
5cと、外周側の環状溝5bから回転輪1の外径面まで
延びる放射状の溝5dとで動圧溝5を形成している。各
放射状の溝5c,5dは、スパイラル状とされていて、
半径方向に対して傾き角度を持ち、互いに傾き方向が逆
方向とされている。これらの動圧溝5は、回転輪2だけ
でなく、固定輪1と回転輪2との両方に設けても良く、
また固定輪1にだけ設けても良い。また、前記実施形態
では、スラストニードルころ軸受に適用した場合につき
説明したが、この発明は、図3に示すようにスラスト玉
軸受など、各種のスラスト軸受に適用することができ
る。図3の軸受は、図1の軸受において、ころからなる
転動体4に代えてボールからなる転動体4Aを設けたも
のである。さらに、前記各実施形態では、環状突部1
a,2aを固定輪1および回転輪2に設けたが、前記実
施形態とは逆に、保持器3の外径側に位置する環状突部
を固定輪1に設け、内径側に位置する環状突部を回転輪
に設けても良い。
のみ軌道輪とそれに接触する軸端面間の摩擦力を軽減す
る回転初期摩擦力軽減手段を設けたため、調心作用が生
じる回転初期の段階のみ軸端面との摩擦力が軽減され、
保持器に作用する無理な荷重が解消されて保持器の長寿
命が得られる。また、通常回転時における軸端面と軌道
輪との滑りを無くしてその滑りによる支障を避けること
ができる。特に、回転初期摩擦力軽減手段として、軌道
輪に動圧溝を形成した場合は、簡単な構成でありなが
ら、前記の調心作用が生じる間のみ摩擦力を軽減する作
用が良好に得られる。
ト軸受の断面図、(B)はその回転輪の背面図である。
の回転輪の背面図である。
るスラスト軸受の断面図、(B)はその回転輪の背面図
である。
る。
である。
す作用説明図である。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】 対面する一対の軌道輪の間に、保持器に
保持された転動体が介在し、かつ前記両軌道輪の径方向
の相対移動により保持器を挟む構造のスラスト軸受にお
いて、前記一対の軌道輪の少なくとも一方に、回転初期
にのみこの軌道輪とそれに接触する軸端面間の摩擦力を
軽減する回転初期摩擦力軽減手段を設けたことを特徴と
するスラスト軸受。 - 【請求項2】 前記回転初期摩擦力軽減手段が、動圧に
より油膜を形成する手段である請求項1記載のスラスト
軸受。 - 【請求項3】 前記回転初期摩擦力軽減手段が、軌道輪
における軸端面と接触する面に形成されて潤滑油が溜ま
る動圧溝である請求項2記載のスラスト軸受。 - 【請求項4】 前記動圧溝が、複数の同心円状の溝であ
る請求項3記載のスラスト軸受。 - 【請求項5】 前記動圧溝が、軌道輪の半径方向に対し
て傾き角度を持つ複数の放射状の溝である請求項3記載
のスラスト軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35702097A JP3862842B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | スラスト軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35702097A JP3862842B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | スラスト軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11190330A true JPH11190330A (ja) | 1999-07-13 |
JP3862842B2 JP3862842B2 (ja) | 2006-12-27 |
Family
ID=18451971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35702097A Expired - Fee Related JP3862842B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | スラスト軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3862842B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007187214A (ja) * | 2006-01-12 | 2007-07-26 | Jtekt Corp | スラストころ軸受 |
CN102797533A (zh) * | 2012-08-23 | 2012-11-28 | 东风汽车公司 | 发动机凸轮轴上带有储油槽的轴向定位结构 |
WO2015141609A1 (ja) * | 2014-03-18 | 2015-09-24 | Ntn株式会社 | スラストニードル軸受 |
CN114483771A (zh) * | 2022-02-14 | 2022-05-13 | 冈田精机丹阳有限公司 | 一种用于高速旋转的单杆轴承 |
-
1997
- 1997-12-25 JP JP35702097A patent/JP3862842B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007187214A (ja) * | 2006-01-12 | 2007-07-26 | Jtekt Corp | スラストころ軸受 |
CN102797533A (zh) * | 2012-08-23 | 2012-11-28 | 东风汽车公司 | 发动机凸轮轴上带有储油槽的轴向定位结构 |
WO2015141609A1 (ja) * | 2014-03-18 | 2015-09-24 | Ntn株式会社 | スラストニードル軸受 |
CN114483771A (zh) * | 2022-02-14 | 2022-05-13 | 冈田精机丹阳有限公司 | 一种用于高速旋转的单杆轴承 |
Also Published As
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---|---|
JP3862842B2 (ja) | 2006-12-27 |
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Legal Events
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060213 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060221 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060410 |
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TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
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