JP2002155955A - 鍔付円筒ころ軸受 - Google Patents

鍔付円筒ころ軸受

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JP2002155955A
JP2002155955A JP2000355273A JP2000355273A JP2002155955A JP 2002155955 A JP2002155955 A JP 2002155955A JP 2000355273 A JP2000355273 A JP 2000355273A JP 2000355273 A JP2000355273 A JP 2000355273A JP 2002155955 A JP2002155955 A JP 2002155955A
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flange
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cylindrical roller
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Yoshihiko Shirosaki
喜彦 城崎
Yukio Sato
幸夫 佐藤
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外側部材と内側部材との間への組み付け作業
を面倒にする事なく、支承し得るアキシアル荷重を十分
に大きくする。 【解決手段】 外輪3aの軸方向一端部外周面に、内径
側に凹んだ段部11を、全周に形成する。上記外輪3a
の軸方向一端面に突き当てる鍔輪9cの片面の外径寄り
部分に、軸方向に突出する円筒部12を形成する。上記
段部11の外周面に上記円筒部12を、がたつきなく外
嵌する。上記鍔輪9cの内径寄り部分の片面に、各円筒
ころ4aの軸方向一端面の外径寄り部分の一部を、当接
若しくは近接対向させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る鍔付円筒ころ
軸受は、例えば鉄道車両用駆動装置の駆動軸、或は自動
車用デファレンシャル装置のピニオン軸の如く、ラジア
ル荷重及びアキシアル荷重を受けつつ回転する回転軸
を、ハウジング等の固定部分に対し回転自在に支持する
為に利用する。
【0002】
【従来の技術】上述の様な、ラジアル荷重及びアキシア
ル荷重を受けつつ回転する回転軸を、固定部分に対し回
転自在に支持する為の転がり軸受は、ラジアル荷重だけ
でなく、アキシアル荷重も支承できるものでなければな
らない。この為に、従来一般的には、上記回転軸を上記
ハウジングに対し、接触角の方向を互いに異ならせた1
対の円すいころ軸受により支承していた。
【0003】ところが、円すいころ軸受により上記回転
軸を支承する場合には、この円すいころ軸受の隙間調整
が非常に面倒になる。特に、上記ハウジング部分の温度
は、季節変化により、更には使用時に周辺機器が発生す
る熱の影響等により、大きく変化する。この様な大きな
温度変化に拘らず、上記円すいころ軸受が焼き付いた
り、或はがたついたりしない様にする為には、この円す
いころ軸受の内部隙間の調整を厳密に行なう必要があ
る。この為、作業に熟練を要し、しかも作業時間が長く
なる事が避けられない。
【0004】この様な面倒を解消すべく従来から、上記
回転軸を上記ハウジングに支承する為に、鍔付円筒ころ
軸受を使用する事が考えられている。例えば、図5に示
す、従来構造の第1例の鍔付円筒ころ軸受1は、内輪2
と外輪3と複数個の円筒ころ4とを備える。このうちの
内輪2は、外周面の中間部に円筒面状の内輪軌道5を、
同じく両端部に1対の外向鍔部6a、6bを、それぞれ
形成している。
【0005】又、上記外輪3は、内周面の一端部(図5
の左端部)に内向鍔部7aを、同じく残部に円筒面状の
外輪軌道8を、それぞれ形成している。又、上記外輪3
の他端面(図5の右端面)には、全体が円輪状で内径が
上記外輪軌道8よりも小さな鍔輪9の片面(図5の左側
面)の径方向中間部乃至外径寄り部分を突き当ててい
る。
【0006】更に、上記複数個の円筒ころ4は、保持器
10により転動自在に保持された状態で、上記内輪軌道
5と上記外輪軌道8との間に設けている。この状態で、
上記各円筒ころ4の転動面がこれら内輪軌道5及び外輪
軌道8に転がり接触する。これに対して、上記各円筒こ
ろ4の軸方向両端面の外径寄り部分は、上記各外向鍔部
6a、6bの内側面と、上記内向鍔部7の内側面と、上
記鍔輪9の内側面内径寄り部分とに、近接対向若しくは
滑り接触する。
【0007】上述の様な鍔付円筒ころ軸受1は、大きな
ラジアル荷重を支承できるだけでなく、上記各円筒ころ
4の軸方向両端面と、上記各外向鍔部6a、6b、上記
内向鍔部7、上記鍔輪9の内側面との係合により、アキ
シアル荷重を支承できる。例えば、図5で内輪2に右方
向のアキシアル荷重が加わった場合には、同図の左側の
外向鍔部6aの内側面と上記各円筒ころ4の軸方向一端
面(図5の左端面)外径寄り部分とが摺接すると同時
に、上記鍔輪9の内側面と上記各円筒ころ4の軸方向他
端面(図5の右端面)外径寄り部分とが摺接して、上記
アキシアル荷重を支承する。これに対して、図5で内輪
2に左方向のアキシアル荷重が加わった場合には、同図
の右側の外向鍔部6bの内側面と上記各円筒ころ4の軸
方向他端面外径寄り部分とが摺接すると同時に、上記内
向鍔部17の内側面と上記各円筒ころ4の軸方向一端面
外径寄り部分とが摺接して、上記アキシアル荷重を支承
する。
【0008】上述の様な鍔付円筒ころ軸受1の場合に
は、組み付け隙間の調整が容易で、熟練を要する事な
く、この鍔付円筒ころ軸受1を組み込んだ回転支持装置
の組立作業を行なえる。又、鍔付円筒ころ軸受1は、円
すいころ軸受に比べて内部に潤滑油が溜まり易い構造で
ある為、極低温時等、潤滑条件が厳しい場合でも、構成
部材同士の接触部分の潤滑状態を良好にして、焼き付き
等の損傷の発生を防止できる。この為、鉄道車両用駆動
装置の駆動軸や自動車用デファレンシャル装置のピニオ
ン軸の如く、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を受けつ
つ回転する回転軸をハウジング等の固定部分に回転自在
に支持する為の回転支持装置の信頼性の向上及びコスト
低減に寄与できる。
【0009】尚、アキシアル荷重を支承する為に設ける
鍔輪は、上述の様に外輪3の軸方向端面に突き当てる
他、内輪2の軸方向端面に突き当てる事もできる。即
ち、図6に示す、従来構造の第2例の鍔付円筒ころ軸受
1aの様に、外輪3の内周面の両端部に1対の内向鍔部
7a、7bを形成する事もできる。この場合、内輪2の
外周面には軸方向一端部(図6の左端部)にのみ、外向
鍔部6aを形成する。そして、この内輪2の軸方向他端
面(図6の右端面)に、鍔輪9aの片面(図6の左側
面)の径方向中間部乃至は内径寄り部分を突き当てると
共に、この鍔輪9aの外径寄り部分を、内輪2の外周面
に形成した内輪軌道5よりも外径側に突出させる。そし
て、この突出させた部分の内側面を、各円筒ころ4の軸
方向端面の外径寄り部分の一部に対向させる。
【0010】又、図7〜10に示す、従来構造の第3例
の鍔付円筒ころ軸受1bの場合には、前述の図5に示し
た従来構造の第1例の鍔付円筒ころ軸受1の場合と同様
に、内輪2の外周面の両端部に1対の外向鍔部6a、6
bを、外輪3の内周面の軸方向一端部(図7の左端部)
に内向鍔部7aを、それぞれ形成している。そして、上
記外輪3の軸方向他端面(図7の右端面)に、鍔輪9b
の片面(図7の左側面)の径方向中間部乃至は外径寄り
部分を突き当てている。上記各外向鍔部6a、6b及び
内向鍔部7aと、上記鍔輪9bの内径寄り部分の内側面
とは、当該内側面を設けた鍔部6a、6b、7a又は鍔
輪9bの先端縁に向かう程各円筒ころ4aの軸方向端面
から離れる方向に、上記鍔付円筒ころ軸受1bの中心軸
に直交する仮想平面に対し、角度θだけ傾斜させてい
る。これに対して、上記各円筒ころ4aの軸方向両端面
の外径寄り部分で、上記各内側面に対向する部分には、
曲率半径がrである、単一円弧のクラウニングを施して
いる。そして、上記角度θと、上記クラウニングの曲率
半径rとを適切に規制する事により、上記各内側面に対
する上記各円筒ころ4aの軸方向端面の当接状態を適切
にしている。
【0011】即ち、これら各内側面と上記各円筒ころ4
aの軸方向端面との当接部には、図9に斜格子で表す様
に、周知の接触楕円が形成される。この様な接触楕円
は、上記当接部にかじりや焼き付き等の損傷が発生する
のを防止する観点からは、その面積をできる限り大きく
して、上記当接部の当接圧を低減するのが好ましい。こ
れに対して、上記接触楕円が上記内側面からはみ出す
と、この接触楕円のうち、この内側面からはみ出してい
ない残りの部分での当接圧が増大すると共に、この内側
面の周縁部分にエッジロードに基づく過大面圧が加わり
易くなる為、好ましくない。
【0012】この為、図示の例では、上記内側面の角度
θと上記クラウニングの曲率半径rとを規制して、支承
すべき所定の大きさのアキシアル荷重が加わった状態
で、上記接触楕円が上記内側面に収まる範囲内でできる
限り大きくなる様にしている。これと共に、上記接触楕
円の中心が上記内側面の径方向中央付近に位置する様に
し、この接触楕円が上記内側面からはみ出した場合で
も、このはみ出し量を最小限に抑えられる様にしてい
る。この為、図示の例の場合には、上記内側面と上記各
円筒ころ4aの軸方向端面との当接部での面圧が、図1
0に示す様に、径方向中央付近で最大となる。従って、
上記内側面の角度θと上記クラウニングの曲率半径rと
を、上記当接部に加わるアキシアル荷重の大きさに応じ
て適切に規制すれば、上記当接部での最大面圧Pmax を
小さく抑える事ができる。この為、上記当接部で焼き付
き等の損傷が発生するのを防止し、この当接部で支承し
得るアキシアル荷重をより大きくできる。
【0013】更に、上記当接部の周囲に、この当接部に
向けて漸次厚さが小さくなる、楔状の隙間が形成される
ので、潤滑油によってこの当接部に、強固な油膜を形成
し易くなる。即ち、上記各円筒ころ4aが、その軸方向
両端面を、上記各内側面のうちの軸方向及び径方向に関
して互いに反対側に存在する2個所の内側面と擦れ合わ
せつつ転動すると、上記楔状の隙間を通じて上記潤滑油
が、上記当接部に取り込まれる。この様にして当接部に
取り込まれる潤滑油は、楔作用によりこの当接部に強固
な油膜を形成して、この当接部の摩擦を低減する。従っ
て、上記各円筒ころ4aの軸方向両端面と上記各内側面
との当接部に、焼き付き等の損傷が発生するのを有効に
防止し、この当接部で支承し得るアキシアル荷重をより
大きくできる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の図7〜10に示
した従来構造の第3例の鍔付円筒ころ軸受1bの場合、
ハウジング等の固定部分への鍔輪9bの組付けを容易に
すべく、この鍔輪9bの外径を前記外輪3の外径よりも
0.1mm程度小さくしている。そして、鍔付円筒ころ軸
受1bを上記固定部分と回転軸との間に組み付ける場合
には、この固定部分に外輪3を内嵌固定した状態で、こ
の外輪3と上記固定部分に固定した別の部材との間で上
記鍔輪9bを挟持する事により、この鍔輪9bを上記固
定部分に固定している。これに対して、上記鍔輪9bの
外径を上述の様に小さくしない場合には、上記固定部分
の内周面とこの鍔輪9bの外周面とが締り嵌めで嵌合す
る為、この固定部分への上記鍔輪9bの組み付け作業が
面倒になる。
【0015】但し、上述の様に鍔輪9bの外径を小さく
した場合、この鍔輪9bが上記外輪3に対し偏心した状
態で上記固定部分に組み付けられる可能性がある。そし
て、この場合には、上記鍔輪9bの内径寄り部分で、前
記外輪軌道8よりも内径側に突出する部分の、径方向に
関する長さ(突出量)が、円周方向に関して不均一にな
る。又、上記鍔輪9bの内径寄り部分の内側面は、この
鍔輪9bの軸方向に対し直交する仮想平面に対し、所定
の角度θだけ傾斜している。この為、外輪3の軸方向一
端部に設けた内向鍔部7aの内側面と、上記鍔輪9bの
内径寄り部分の内側面との間隔が、円周方向に関して不
均一になる。そして、上記内向鍔部7a、上記鍔輪9b
の内径寄り部分、内輪2の両端部に設けた外向鍔部6
a、6bの各内側面と、上記各円筒ころ4aの軸方向両
端面との当接部の面圧が、上記外輪3及び内輪2の円周
方向に関して不均一になる。この結果、この円周方向に
関して一部の当接部での面圧が過大になり、支承し得る
アキシアル荷重が小さくなる。
【0016】又、一部の鍔付円筒ころ軸受では、鍔輪を
内輪の側に設けて、この鍔輪の片面の外径寄り部分を各
円筒ころ4aの軸方向端面の外径寄り部分に対向させる
事も、従来から行なわれている。そして、この場合に
は、回転軸への鍔輪の組み付けを容易にすべく、この鍔
輪の内径を上記内輪の内径よりも0.1mm程度大きくし
ている。この様な鍔輪を内輪の側に設けた従来の鍔付円
筒ころ軸受の場合には、固定部分と回転軸との間に組み
付けた状態で、上記鍔輪が上記内輪に対して偏心し、こ
の鍔輪の外径寄り部分の内側面と上記内輪の軸方向端部
に設けた鍔部の内側面との間隔が、円周方向に関して不
均一になる可能性がある。そして、この場合にも、やは
り支承し得るアキシアル荷重が小さくなる。本発明の鍔
付円筒ころ軸受は、この様な事情に鑑みて、固定部分等
の外側部材と、回転軸等の内側部材との間への組み付け
作業を容易にすると共に、支承し得るアキシアル荷重を
十分に大きくできる構造を実現すべく発明したものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の鍔付円筒ころ軸
受は、前述の図7〜10に示した従来構造の第3例の鍔
付円筒ころ軸受と同様に、外周面に円筒面状の内輪軌道
を設けた内輪と、内周面に円筒面状の外輪軌道を設けた
外輪と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に
設けた複数個の円筒ころと、上記内輪と上記外輪とのう
ちの一方の軌道輪の周面の軸方向一端部に、他方の軌道
輪に向け径方向に突出する状態で全周に設けられた鍔部
と、軸方向片面の径方向一端寄り部分が上記一方の軌道
輪の軸方向他端面に突き当てられると共に、径方向他端
寄り部分が上記一方の軌道輪の周面よりも他方の軌道輪
に向け径方向に突出する状態で設けられた鍔輪とを備え
る。そして、上記鍔部及び上記鍔輪の径方向他端寄り部
分の内側面を、上記鍔部の先端縁又は上記鍔輪の径方向
他端縁に向かう程上記各円筒ころの軸方向端面から離れ
る方向に傾斜させると共に、上記各円筒ころの軸方向両
端面の少なくとも外径寄り部分の断面形状を凸円弧状と
している。
【0018】特に、本発明の鍔付円筒ころ軸受に於いて
は、上記一方の軌道輪の軸方向他端部の周面に、径方向
に凹んだ段部が全周に設けられており、この段部の周面
に対し、上記鍔輪の径方向一端寄り部分に設けられた鍔
輪側嵌合周面ががたつきなく嵌合している。
【0019】
【作用】上述の様に構成する本発明の鍔付円筒ころ軸受
によれば、外輪又は内輪に対し、鍔輪を同心に固定でき
る。この為、外側部材と内側部材との間に組み付けた場
合でも、上記外輪又は内輪の軸方向一端部に設けた鍔部
の内側面と、上記鍔輪の径方向他端寄り部分の内側面と
の間隔が、円周方向に関して不均一になる事がなくな
る。この為、上記外輪及び内輪に設けた鍔部の内側面、
上記鍔輪の径方向他端寄り部分の内側面と、各円筒ころ
の軸方向両端面との当接部での面圧を、外輪及び内輪の
円周方向に関して均一にできて、この当接部の面圧が、
上記外輪及び内輪の円周方向一部で他の部分よりも大き
くなる事がなくなり、支承し得るアキシアル荷重を大き
くする事ができる。しかも、本発明によれば、鍔付円筒
ころ軸受を外側部材と内側部材との間に組み付ける作業
を、容易に行なえる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第
1例を示している。尚、本発明の特徴は、鍔付円筒ころ
軸受を、固定部分等の外側部材と回転軸等の内側部材と
の間に組み付ける作業を容易に行なえて、しかも、支承
し得るアキシアル荷重を十分に大きくすべく、外輪又は
内輪に対し鍔輪を固定する部分の構造を工夫した点にあ
る。鍔付円筒ころ軸受1cの基本構成は、前述の図7〜
10に示した従来構造の第3例と同様である為、同等部
分には同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは
簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0021】本例の鍔付円筒ころ軸受1cの場合、外輪
3aの軸方向一端部(図1の左端部)に内径側に突出す
る内向鍔部7aを形成すると共に、この外輪3aの軸方
向他端面(図1の右端面)に、鍔輪9cの片面(図1の
左側面)の径方向中間部乃至外径寄り部分を突き当てて
いる。そして、上記外輪3aの軸方向他端部(図1の右
端部)外周面に内径側に凹んだ段部11を、全周に形成
している。この段部11の外周面は、上記外輪3aの中
心軸をその中心軸とした単一の円筒面上に位置させてい
る。
【0022】これに対して、上記鍔輪9cの片面の外径
寄り部分に、上記段部11の外周面にがたつきなく外嵌
自在な円筒部12を、軸方向に突出する状態で形成して
いる。又、この円筒部12の内周面は、上記鍔輪9cの
中心軸をその中心軸とした単一の円筒面上に位置させる
と共に、上記円筒部12の自由状態での内径R12を上記
段部11の自由状態での外径R11と同じか、僅かに小さ
く(R12≦R11)している。本例の場合には、上記円筒
部12の内周面が、請求項に記載した鍔輪側嵌合周面に
相当する。そして、上記鍔輪9cの片面外径寄り部分に
設けた円筒部12を、上記段部11の外周面にがたつき
なく外嵌した状態で、上記外輪3aの軸方向他端面に上
記鍔輪9cの片面の径方向中間部乃至外径寄り部分を突
き当てている。
【0023】上述の様に構成する本発明の鍔付円筒ころ
軸受1cの場合には、鍔輪9cに設けた円筒部12を外
輪3aの段部11の外周面にがたつきなく外嵌している
為、図示しない固定部分への鍔輪9cの組み付けを容易
にすべく、この鍔輪9cの外径を上記外輪3aの外径に
比べて0.1mm程度小さくした場合でも、この外輪3a
に上記鍔輪9cを同心に固定できる。この為、前記鍔付
円筒ころ軸受1cを、上記固定部分と上記回転軸(図示
せず)との間に組み付けた場合でも、上記外輪3aの軸
方向一端部に設けた内向鍔部7aの内側面と、上記鍔輪
9cの内径寄り部分の内側面との間隔が、円周方向に関
して不均一になる事がなくなる。この為、上記外輪3a
及び内輪2に設けた内向、外向各鍔部7a、6a、6b
の内側面及び上記鍔輪9cの内径寄り部分の内側面と、
各円筒ころ4aの軸方向両端面との当接部の面圧を、上
記外輪3a及び内輪2の円周方向に関し均一にできて、
支承し得るアキシアル荷重をより大きくする事ができ
る。しかも、本発明によれば、上記鍔輪9cの外径を小
さくできる為、固定部分と回転軸との間に組み付ける作
業を、容易に行なえる。
【0024】次に、図2は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の鍔付円筒ころ軸受1dの場合に
は、外輪3bの軸方向他端部(図2の右端部)の軸方向
長さを、上述した第1例の場合に比べて大きくし、この
外輪3bの軸方向長さと内輪2の軸方向長さとを、ほぼ
同じとしている。又、この外輪3bの軸方向他端部内周
面に外径側に凹んだ段部11aを、全周に亙り形成して
いる。そして、上記外輪3bの軸方向他端部の内側に鍔
輪9dを、がたつきなく内嵌固定している。この鍔輪9
dは、軸方向他半部(図2の右半部)外周面に径方向に
突出する突部13を、全周に形成している。そして、上
記段部11aの内周面と、上記外輪3bの内周面の一部
で、上記段部11aよりも軸方向中央寄りに外れた部分
とに、上記突部13と、上記鍔輪9dの軸方向片半部
(図2の左半部)とを、それぞれがたつきなく内嵌して
いる。本例の場合には、上記突部13の外周面が、請求
項に記載した鍔輪側嵌合周面に相当する。そして、上記
鍔輪9dの外周面に設けた突部13の片面(図2の左側
面)を、上記段部11aと上記外輪3bの中間部内周面
との間の段差面に突き当てて、上記外輪3bに対する上
記鍔輪9dの軸方向の位置決めを図っている。又、この
状態で、上記鍔輪9dの内径寄り部分の内側面を、各円
筒ころ4aの軸方向端面の外径寄り部分の一部に、当接
若しくは近接対向させている。
【0025】上述の様に構成する本例の鍔付円筒ころ軸
受1dの場合にも、上述した第1例の場合と同様に、支
承し得るアキシアル荷重をより大きくする事ができる。
その他の構成及び作用に就いては、上述した第1例の場
合と同様である為、重複する説明は省略する。
【0026】次に、図3は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の鍔付円筒ころ軸受1eの場合に
は、上述した各例の場合と異なり、外輪3の軸方向両端
部内周面に1対の内向鍔部7a、7bを設けると共に、
内輪2aの軸方向一端部(図3の左端部)にのみ、外向
鍔部6aを設けている。又、この内輪2aの軸方向他端
面(図3の右端面)の外径寄り部分に、鍔輪9eの片面
(図3の左側面)の内径寄り部分を突き当てている。こ
れと共に、この鍔輪9eの外径寄り部分の内側面を、各
円筒ころ4aの軸方向端面の外径寄り部分の一部に、当
接若しくは近接対向させている。
【0027】特に、本例の場合には、上記内輪2aの軸
方向他端部(図3の右端部)外周面に、内径側に凹んだ
段部11bを、全周に形成している。又、上記鍔輪9e
の軸方向他半部(図3の右半部)の内周面に、内径側に
突出する突部14を、全周に形成している。そして、上
記段部11bの外周面にこの突部14を、上記内輪2a
の外周面の一部で上記段部11bよりも軸方向中央寄り
に外れた部分に上記鍔輪9eの軸方向片半部(図3の左
半部)を、それぞれがたつきなく外嵌している。本例の
場合には、上記突部14の内周面が、請求項に記載した
鍔輪側嵌合周面に相当する。そして、上記段部11bと
上記内輪2aの中間部外周面との間の段差面に、上記突
部14の片面(図3の左側面)を突き当てている。
【0028】上述の様に構成する本例の場合には、内輪
2aに鍔輪9eを同心に固定する事ができる為、前記鍔
付円筒ころ軸受1eを固定部分と回転軸と間に組み付け
た場合でも、この内輪2aの軸方向一端部に設けた外向
鍔部6aの内側面と、鍔輪9eの外径寄り部分の内側面
との間隔が、円周方向に関して不均一になる事がなくな
る。この為、上記外輪3及び内輪2aに設けた内向、外
向各鍔部7a、7b、6a及び上記鍔輪9eの外径寄り
部分の内側面と、各円筒ころ4aの軸方向両端面との当
接部での面圧を、上記外輪3及び内輪2aの円周方向に
関して均一にできて、支承し得るアキシアル荷重を大き
くする事ができる。又、本例の場合も、上記鍔付円筒こ
ろ軸受1eを固定部分と回転軸との間に組み付ける作業
を、容易に行なえる。
【0029】次に、図4は、本発明の実施の形態の第4
例を示している。本例の鍔付円筒ころ軸受1fの場合に
は、上述した第3例の場合に比べて、内輪2bの軸方向
他端部(図4の右端部)の軸方向長さを小さくしてい
る。そして、この内輪2bの軸方向他端部の外周面に設
けた段部11bと上記内輪2bの中間部外周面との間の
段差面と、上記内輪2bの軸方向他端面の内径寄り部分
とに、鍔輪9fの片面(図4の左端面)の径方向中間部
と内径寄り部分とを、それぞれ突き当てている。これと
共に、上記段部11bの外周面に上記鍔輪9fの軸方向
片半部(図4の左半部)内周面を、がたつきなく外嵌し
ている。本例の場合には、この鍔輪9fの軸方向片半部
内周面が、請求項に記載した鍔輪側嵌合周面に相当す
る。
【0030】上述の様な本例の場合にも、上記鍔付円筒
ころ軸受1fを固定部分と回転軸との間に組み付ける作
業を容易に行なえると共に、支承し得るアキシアル荷重
を大きくする事ができる。その他の構成及び作用に就い
ては、上述した第3例の場合と同様である為、重複する
説明は省略する。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、外側部材と内側部材との間に組み付ける作
業を容易に行なえると共に、支承し得るアキシアル荷重
を十分に大きくする事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す部分断面図。
【図2】同第2例を示す部分断面図。
【図3】同第3例を示す部分断面図。
【図4】同第4例を示す部分断面図。
【図5】従来構造の第1例を示す部分断面図。
【図6】同第2例を示す部分断面図。
【図7】同第3例を示す部分断面図。
【図8】図7のA部拡大図。
【図9】一部を省略して示す、図7の右方から見た図。
【図10】円筒ころの軸方向端面と鍔部の内側面との当
接部の面圧分布状態を示す図。
【符号の説明】
1、1a〜1f 鍔付円筒ころ軸受 2、2a、2b 内輪 3、3a、3b 外輪 4、4a 円筒ころ 5 内輪軌道 6a、6b 外向鍔部 7、7a、7b 内向鍔部 8 外輪軌道 9、9a〜9f 鍔輪 10 保持器 11、11a、11b 段部 12 円筒部 13 突部 14、14a 突部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に円筒面状の内輪軌道を設けた内
    輪と、内周面に円筒面状の外輪軌道を設けた外輪と、こ
    れら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けた複数
    個の円筒ころと、上記内輪と上記外輪とのうちの一方の
    軌道輪の周面の軸方向一端部に、他方の軌道輪に向け径
    方向に突出する状態で全周に設けられた鍔部と、軸方向
    片面の径方向一端寄り部分が上記一方の軌道輪の軸方向
    他端面に突き当てられると共に、径方向他端寄り部分が
    上記一方の軌道輪の周面よりも他方の軌道輪に向け径方
    向に突出する状態で設けられた鍔輪とを備え、上記鍔部
    及び上記鍔輪の径方向他端寄り部分の内側面を、上記鍔
    部の先端縁又は上記鍔輪の径方向他端縁に向かう程上記
    各円筒ころの軸方向端面から離れる方向に傾斜させると
    共に、上記各円筒ころの軸方向両端面の少なくとも外径
    寄り部分の断面形状を凸円弧状とした鍔付円筒ころ軸受
    に於いて、上記一方の軌道輪の軸方向他端部の周面に、
    径方向に凹んだ段部が全周に設けられており、この段部
    の周面に対し、上記鍔輪の径方向一端寄り部分に設けら
    れた鍔輪側嵌合周面ががたつきなく嵌合している事を特
    徴とする鍔付円筒ころ軸受。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010525265A (ja) * 2007-04-27 2010-07-22 シャエフラー カーゲー 転がり軸受および転がり軸受を有する軸受構成
JP2012097762A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Nsk Ltd つば輪を有する円筒ころ軸受
CN112762099A (zh) * 2019-10-21 2021-05-07 通用汽车环球科技运作有限责任公司 模块化迷宫式轴承组件
DE102014218854B4 (de) 2014-09-19 2022-08-18 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Lageranordnung

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