JPH11190018A - 高圧噴射撹拌による地盤改良工法及び該工法に用いるモニター - Google Patents

高圧噴射撹拌による地盤改良工法及び該工法に用いるモニター

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JPH11190018A
JPH11190018A JP36030097A JP36030097A JPH11190018A JP H11190018 A JPH11190018 A JP H11190018A JP 36030097 A JP36030097 A JP 36030097A JP 36030097 A JP36030097 A JP 36030097A JP H11190018 A JPH11190018 A JP H11190018A
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秀彦 新井
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健一 岡野
Osamu Ohara
攻 大原
Atsuhiko Okamoto
淳彦 岡本
Shinji Gomi
信治 五味
Minoru Nakamoto
実 中本
Taneo Yonemura
種夫 米村
Masaaki Okamoto
將昭 岡本
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧噴射撹拌による地盤改良工法を大深度地
下に対しても効率良く施工出来るようにする。 【解決手段】 高圧噴射撹拌杭工法の三重管先端に装着
する高圧ノズルN1 (地盤切削用)及び硬化材ノズルN
0 を備えたモニターのうち、高圧ノズルN1 に逆止弁2
1,23を付加する。従って、大深度地下の地盤改良作
業(杭造成作業)中にあっての、三重管の脱着作業時に
三重管内の圧力が解放されて先端モニターに対する泥水
圧が作用しても高圧ノズルの孔詰りは逆止弁21,23
が阻止し、従来の高圧ノズルの孔詰り修復作業が無くな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟弱地盤或いは滞
水地盤を強化したり、止水性を向上させる地盤改良に関
する技術であり、特に推進工事やシールド工事でのたて
坑掘削や掘進機の発進・到達作業を容易にするための地
盤改良に有効なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、超高圧水の周囲に空気を沿わせた
水ジェットで地盤を切削して排泥液をリフトアップしな
がら、水ジェットの下方からは硬化材を吐出充填して行
く高圧噴射撹拌杭工法が、地盤改良工法としてその効果
の確実性から普及してきた。この高圧噴射撹拌杭工法
(以後従来工法と称する)は、図11乃至15に示すと
おりのものであって本発明の基礎となるものであるの
で、以下に詳述する。
【0003】図11及び図12に示すとおり、まず排泥
液を溜め、吸引処理をするためのピット7を所定位置に
造成し、ボーリングマシン1を造成杭の杭芯位置合せし
て設置した上で先端にスタビライザー5及びメタルクラ
ウン(削孔ビット)6を有するケーシングパイプ(ガイ
ド管)3をセットし、ケーシングパイプ3の上端部に削
孔用スイベル2を接続して、清水ポンプ(図示せず)か
らの清水を削孔用スイベル2から100〜150リット
ル/分で送水し、メタルクラウンから放出しながら油圧
装置4の回転及び押圧によってケーシングパイプ3を計
画深度まで矢印A1 の如く削孔する(図11)。
【0004】次いで、超高圧水用の内管P1 と圧縮エア
用の中管P2 と硬化材用の外管P3とから成る単位長3
mの三重管(図4参照)9の先端に、高圧水とエアを噴
出する高圧ノズルN′1 と硬化材ノズルN0 とを備えた
モニター10′(図13)を装着し、高圧ノズルN′1
上にビニールテープ(図示せず)を巻き付けた状態で該
三重管9をクレーン8を用いて矢印A2 の如く降下しな
がら所定深度に到達するまで順次単位三重管を接続して
ケーシングパイプ3内に建て込み(図11)、次いで
ケーシングパイプ3を矢印A3 の如く引き抜く(図11
)。
【0005】次いで、図12及び図13に示す如
く、造成マシンを設置し、三重管の上端部には第1供給
口(高圧水用)13第2供給口(圧縮エア用)14及び
第3供給口(硬化材用)15から成る三重管スイベル1
2を取付け、注入プラント(図示せず)より各供給口に
供給しながら集中管理装置(図示せず)によって超高圧
水、圧縮エア及び硬化材(セメントミルク)の流量及び
圧力の測定管理の下に、油圧装置4で三重管9を規定の
回転速度で回転し、モニター10′の1個の高圧ノズル
N′1 からの水ジェットJ1 によって造成杭Zの範囲の
地盤を切削して排泥液を処理ピット7へと排泥しながら
高圧ノズルN′1 の下方の硬化材ノズルN 0 からの造成
ジェットJ0 によって切削土砂と硬化材とを置換する造
成工程を、下方から上方へと矢印A4 の如く遂行する。
【0006】尚、高圧ノズルN′1 上のビニールテープ
はモニターを造成開始位置、即ち造成杭Zの下端位置に
下した際の地下水圧による土砂のノズルN′1 内への進
入を防止するためであり、水ジェットJ1 の噴出開始に
よりビニールテープは瞬時に破れる。
【0007】そして、三重管9の引き抜きにしたがって
造成マシン11から順次上方へ突出する各単位長三重管
(3m長)は造成作業を休止し、三重管スイベル12を
取り外した後に切り離し、三重管スイベル12を次の単
位三重管の頂部に装着した後造成作業を再開する。この
単位三重管の切離し及び三重管スイベル12の装着は5
〜10分の作業であるが、該脱着作業を順次繰返しなが
ら造成杭Zの所定長Lを形成する。
【0008】尚、従来工法に於ける標準施工仕様は下記
のとおりである。 施工対象土質:砂質土、標準貫入値(N値):30<N
≦50 高圧水:圧力400kg/cm2 、吐出量70リットル/分 圧縮エア:圧力6〜7kg/cm2 、1.5〜3.0Nm3
分 硬化材:圧力20〜30kg/cm2 、吐出量180リット
ル/分 硬化材使用量:3.6m3 /m(0.18m3 /分×1
00cm÷2.5cm×0.5分) 三重管引き抜き速度:2.5cm/30sec 三重管回転数:2〜3回転/2.5cm
【0009】
【発明が解決しようとする課題】造成工程中は、三重管
の引き抜きによって単位三重管(定尺3m長)が造成マ
シン11よりも上方に突出する毎に、図14(A)の如
く三重管スイベル12を外して単位三重管を取り外す必
要があるが、三重管の脱着作業時間は5〜10分であっ
て、三重管スイベル12を外した状態では三重管の圧力
は解放されるため、近年の大深度地盤改良のような三重
管モニター10′が地下の深い場所に位置する場合に
は、地下水位からの大きな水頭差Hによる大きな泥水圧
を受け、図14(B)に示す如く、高圧水噴射孔20及
びエア噴射孔22から矢印F1 の如く細粒子が入り込
む。
【0010】そして、再度三重管スイベルを次の三重管
の上端に装着して各ノズルN′1 及びN0 を作用させて
造成作業を開始すれば、造成ノズルN0 は径が大きいた
め問題なく噴出作用を奏し、高圧ノズルN′1 のうちの
高圧水噴射孔20も高圧水経路C1 に入り込んだ細粒子
を水の噴射力で放出する(図14(C))が、地盤の関係
や深度によってはまれに詰まることがある。しかし、通
常の造成工事では問題はない。
【0011】しかし、エア噴射孔22にあっては、造成
作用中の、圧力6〜7kg/cm2 、吐出量1.5〜3.0
Nm3 /分の常用の圧縮エアの下では、地盤土質によって
はエア経路C2 に入り込んだ細粒子を吹き出せない場合
が生じ、モニターのノズルN′1 が詰まれば、三重管9
全長を引き上げてノズルを掃除して開通させた後、再び
ビニールテープを高圧ノズルN′1 上に巻いて三重管9
を造成中の深度まで下ろし、ノズルN′1 の噴射作用を
開始し、ビニールテープを破って造成作業を再開してい
る。
【0012】このノズルの孔詰り修復作業は造成作業に
於ける作業能率低下となり、近年の大深度地下工事に伴
う造成工事にあっては、ノズルN′1 の孔詰りが生じ易
く、しかも数10mの大深度からの三重管モニターの引
き上げ及び再降下はより長時間の修復作業となり、従来
工法に於ける問題点となって来た。
【0013】尚、従来工法にあっては、造成工事中の三
重管先端のモニターが正常に作動しているか否か、即
ち、高圧水噴射孔20、エア噴射孔22、及び硬化材ノ
ズルN 0 が計設値どおりに作動しているか否かは、地上
に設置した集中管理システムで常時監視しており、モニ
ターの造成杭内での上下位置変位や、造成杭位置の変化
等での地盤や地下水状態の常時変化に対処するため、例
えば、圧縮エアの供給状態にあっても、供給圧が予じめ
現場で設定した圧力範囲内にあるか否かで作動中か否か
を判定している。従って、従来工法にあっては例えば、
高圧ノズルN1 を2個使用すれば、1個のノズルN1
詰まっても他のノズルN1 が正常であれば、設計どおり
の地盤切削が出来ていないにもかかわらず正常と判定す
ることとなる為、結局、1個のみの高圧ノズルN1 の作
動状態の監視しか出来なく、高圧ノズルN1 は1個のモ
ニターには1個しか適用出来ない。
【0014】また、造成作業中は、図15(A)に示す
如く、ノズルN′1 からの水ジェットJ1 の地盤切削力
は強大であり、地盤反力Kによって三重管先端部に軸ぶ
れを引起こすため、造成杭Zの軸心0−0は軸0−0′
の変動を生じながら形成され、造成杭Zの側面が凹凸変
位を生じ、結局、隣接杭との境界重合部には設計上存在
しないはずの未改良域Ze を生ずる危険がある。本発明
は、新規なモニターを採用することにより、従来工法の
効率及び信頼性を画期的に向上させ、且つ、従来工法の
適用領域を拡大するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の地盤改
良工法は、例えば、図1、図11に示す如く、対象地盤
中にケーシングパイプ3を計画深度まで削孔挿入し、次
いで、中心の高圧水と周囲の圧縮エアとから成る水ジェ
ットJ1 を噴出する少なくとも圧縮エア経路には逆止弁
23を備えた高圧ノズルN1 と硬化材を噴出する硬化材
ノズルN0 とを有するモニター10を先端に備えた単位
長片接続三重管9をケーシングパイプ3中に計画深度ま
で挿入すると共にケーシングパイプ3を引き抜き、次い
で、三重管9を回転しながら三重管スイベル12を介し
て高圧ノズルN1 からは高圧水と圧縮エアとから成る水
ジェットJ1 を側方に噴出して地盤を切削すると共に硬
化材ノズルN0 からは造成ジェットJ0 を噴出し、三重
管9を逐次引き抜いて所定長さ造成工程を行うものであ
る。
【0016】従って、モニターの噴出経路中で孔詰りの
生じ易い高圧ノズルN1 の圧縮エア経路は、逆止弁によ
って保護されているため、造成工程中での三重管の引き
抜き切り離しと、それに続く造成作業再開も、高圧ノズ
ルN1 及び造成ノズルN0 の孔詰りを生ずることなく実
施出来、本発明工法によって大深度地盤改良も能率良く
実施出来る。
【0017】また、圧縮エア経路が逆止弁で保護されて
いるので高圧ノズルの孔詰りが阻止出来、高圧ノズルN
1 の複数個使用が可能となり、地盤切削速度を複数倍に
向上出来る。しかも、高圧ノズルN1 の複数からそれぞ
れの水ジェットJ1 を、相互にモニター10の軸心に略
直交側方へ、且つ各水ジェットJ1 間の角度が等しい
(2個の場合はモニター周上で軸心に対する上面視18
0°間隔、3個の場合は120°間隔)ように噴射する
ので、各水ジェットJ1 の地盤に対する反力Kが均合
い、従って、三重管を長く継ぎ足して造成作業を行う大
深度地下での施工に際しても、各造成杭Zは側面が比較
的平滑な状態で形成出来、各造成杭Zの軸0−0のぶれ
も生じないため各隣接杭Z間に設計どおり接合域Z1
形成出来、従来の如き未改良域Ze を生ずる危険がな
い。尚、水ジェットJ1 をモニター10の軸心に直交
(水平)よりやゝ下方向きとすれば、排泥液の上昇の面
で有利となる。
【0018】また、高圧ノズルN1 が高圧水逆止弁21
及びエア逆止弁を備え、硬化材ノズルN0 が硬化材逆止
弁30を備えたモニターを用いるので、三重管9の各単
位長片の脱着時、即ち三重管内が無圧となっても各ノズ
ルからの泥水液の逆流は阻止出来、従って、大深度地下
工事や水平施工等の三重管9の脱着が多く且つ地下水圧
の影響を受ける区域での地盤改良工事も各ノズルN1
0 の孔詰りを生ずることなく施工出来る。また、例え
ば、複数個のノズルN1 間の間隔l1 は1個の水ジェッ
トJ1 での施工時の引き抜き1ピッチに相当するように
配置すれば、造成作業中の三重管9の引き抜きピッチを
ノズルN1 数倍で実施出来るのであり、ノズルN1 を複
数個用いればノズルN1 が1個の場合の複数倍の切削能
力となる。従って、ノズルの孔詰りが生じない事と、三
重管9の引き抜き速度がノズルN 1 数倍になる事とが相
俟って、設計どおりの造成杭が高能率で形成出来る。
【0019】また、図10に示す如く、先端にモニター
10を備えた三重管9をたて坑から水平に挿入して地盤
の切削造成をするに際し、排泥液をたて坑壁に設置した
口元パッカー装置(図10)を介して取出すようにした
ので、水平施工に於ける常時流出排泥液の処理が可能と
なり、たて坑内の作業環境が維持出来るため、大深度地
下での水平施工も合理的に遂行出来、大深度地盤の造成
工事が直施工(地表面からの直接施工)より効率的に実
施出来る。
【0020】地盤改良工法に用いるモニターの発明は、
例えば図4図5及び図6に示す如く、三重管の高圧水経
路C1 に連通する第1シリンダー24の外周面に拡開状
側壁S1 を備えた第1環溝G1 を配置し、第1シリンダ
ー内面と第1環溝G1 とを高圧水供給孔O1 で連通させ
ると共に該環溝G1 にはオーリングR1 を嵌合し、高圧
水ノズル17を該逆止弁21上に位置させると共に第1
シリンダー24上に嵌着した第2シリンダー25に高圧
水ノズル17の基部を止着する。
【0021】そして、図5及び図7に示す如く、高圧水
ノズル17の外周には圧縮エア経路C2 に連通するエア
取入孔O2 とオーリングR2 を装着した拡開状側壁S2
を備えた第2環溝G2 に連通しているエア供給孔O21
を備えたキャッチバルブ18を嵌合し、エアノズル19
をモニターボディ26に止着してキャッチバルブ18を
固定し、高圧水ノズル17の先端外周とエアノズル19
の先端内周との間に環状のエア噴射孔22を形成した逆
止弁21,23付高圧ノズルN1 (図2(B))を有し、
高圧ノズルN1 の下方には硬化材経路C3 と連通する硬
化材ノズルN0を備えた構造である。
【0022】従って、本発明の高圧ノズルN1 は、従来
の高圧ノズルN′1 と同様に、中心部から超高圧水を、
その周囲から圧縮エアを噴出させる高圧ノズルであるに
かかわらず、高圧水ノズル17にもエアノズル19にも
逆止弁が装着出来、本件地盤改良工法の発明が好都合に
実施出来る。しかも高圧ノズルN1 は、キャッチバルブ
を組み込んだため、高圧水ノズル17とキャッチバルブ
18とエアノズル19の3部材の重合形態でコンパクト
に形成出来る。
【0023】また、高圧水逆止弁としてのオーリングR
1 、及びエア逆止弁としてのオーリングR2 は、共にゴ
ム製であり、拡開状側壁を有する環溝内に嵌合して環溝
底面からの供給孔に逆止弁作用を行うので、各オーリン
グの供給孔に対する開放及び閉止作用は、正確に且つ破
損を生ずることなく発揮出来ると共に、高圧ノズルN 1
の組立て及びモニターのメンテナンスが容易となる。
【0024】また、高圧水逆止弁21にあっては耐摩耗
性を有するゴム製オーリングR1 の2本が環溝底面に並
置され、しかも環溝底幅W1 が供給孔O1 の径より大で
あるので、高圧水の噴出圧力は最初に両オーリングR1
の間に作用するため、両オーリングは、均等に圧力を受
けてスムーズに拡開伸長し、噴出圧力が無くなれば溝底
に均斉に着座し、両オーリングR1 に対する応力作用が
均等に出来て、逆止弁の信頼性及び耐久性が大である。
【0025】また、エア逆止弁21にあっては、耐摩耗
性を有するゴム製オーリングR2 の1本が環溝に嵌合さ
れているが、環溝底幅W2 よりもエア供給孔O21の径d
2 の方がやゝ大であるため、圧縮エアの最初の噴出圧力
はオーリングR2 の下面のみならず側面にも作用するこ
ととなり、オーリングR2 への伸長作用力が分散出来て
オーリングR2 と側壁との摩擦も軽減出来、オーリング
2 の損傷を最小に出来、逆止弁の信頼性及び耐久性が
大となる。
【0026】また第1環溝G1 の両側壁S1 が32度±
2度の角度で拡開しているため、地下水圧による逆流を
生ずる側圧力作用を許容限定内に保持すると共にオーリ
ングR1 に加わる伸長破壊力作用をも許容限度内に抑え
ることが出来、高圧水逆止弁としての信頼性及び耐久性
が確保出来る。
【0027】また、第2環溝G2 の両側壁S2 が28度
±2度の角度で拡開しているため、1本のオーリングR
2 に対する地下水圧の逆流阻止作用としての側圧力作用
を許容限度内に保持すると共に、オーリングR1 に対す
る伸長破壊力作用も許容限度内に抑えることが出来、エ
ア逆止弁としての信頼性及び耐久性が確保出来る。
【0028】また、高圧水供給孔O1 を第1環溝G1
に複数個配置し、且つ高圧水供給孔O1 群の合計断面積
を第1シリンダー24の内径面積の約1.1倍としたた
めに、第1シリンダー24から高圧水ノズル17への経
路での圧力損失を防止しながら高圧水逆止弁構造の小型
化が達成出来る。
【0029】また、高圧水ノズル17上に嵌合するキャ
ッチバルブ18には、内側外周部から内腔部Bを指向す
る複数のエア取入孔O2 と、内腔部Bから第2環溝G2
に貫通する複数のエア供給孔O21とが配置されているた
め、高圧水ノズル17とエアノズル19との間の狭いス
ペース内に信頼性のあるエア逆止弁23が組立容易に、
且つコンパクトに形成出来る。
【0030】
【実施例】〔モニターの構造(図4、図5、図6、図
7)〕モニター10の全体構造は、図4(A)の如く、
地盤切削用の高圧ノズルN1を2.5cm間隔で2個組み
込んだ高圧ノズル部Y1 と、硬化材ノズルN0 を組み込
んだ先端部材Y2 とから成り、高圧ノズル部Y1 を接続
ソケットT1 によって三重管9と接続し、高圧ノズル部
1 と先端部材Y2 とは接続ソケットT2 によって接続
したものであり、図5から明らかな如く、三重管9の内
管P1 の高圧水経路C1 からの加圧水w1 が第1シリン
ダー24を経由して高圧水ノズル17内へと流入し、中
管P2 の圧縮エア経路C2 からの圧縮エア流a1 が第2
シリンダー25外周とボディ26内周間を経由してキャ
ッチバルブ18内へと流入し、外管P3 の硬化材経路C
3 からの硬化材流mがボディ26を通過して先端部材Y
2の硬化材ノズルN0 へと案内される構造である。
【0031】高圧ノズル部Y1 は、中心部に、高圧水経
路C1 の末端となる第1シリンダー24が位置し、第1
シリンダー24の外周面に第2シリンダー25が嵌合
し、第2シリンダー25の外周面とボディ26の内周面
との間で圧縮エア経路C2 からのエア流a1 が案内され
る構造とした。
【0032】(高圧水逆止弁(図5、図6))高圧ノズル
1 の中心の高圧水ノズル17は、第1シリンダー24
の第1環溝G1 上に位置決めして該ノズル17の基部外
周を第2シリンダー25の側面に形成した取付用孔に螺
合することにより、第1シリンダー24の内部と連通状
態で側方に起立させている。第1シリンダー24の周面
上の第1環溝G1 は25mm間隔で2ケ所配置し、各環溝
1 の底には第1シリンダー24の内部と連通する高圧
水供給孔O1 を等間隔に6個穿孔し、又各環溝G1 の底
面にはそれぞれ2本のオーリングR1 を並列配置した。
【0033】寸法関係は、第1シリンダー24の内径は
10mmとし、全12個の各高圧水供給孔O1 は3mm径と
し、全高圧水供給孔O1 の合計断面積が第1シリンダー
内円断面積の約1.1倍とした。第1環溝の溝底幅W1
は4mmで両溝側壁S1 をそれぞれ16°傾斜して32度
で拡開する形態とし、溝底にユトリルゴム(NBR)の
オーリングR1 (JIS・B・2401−1963、呼
び番号P20)2本を密接並置し、各高圧水供給孔O1
に対する逆止弁を形成した。
【0034】(エア逆止弁(図5、図7))キャッチバル
ブ18は、MCナイロン(Monomer Casting Nylon, US
A, The Polymer Corp. の商標名)成形品であり、内側
には高圧水ノズル17外周に嵌合するための嵌合孔O18
及び高圧水ノズル17周面上に圧縮エアポケットを形成
するために嵌合孔O18より大径となった内腔部Bを有
し、外側には基端当接面E0 、前端面E1 、圧縮エア流
1 の作用面E2 、及び外周に段落で形成した押圧面E
3 と、内腔部Bの先端寄りの外周には両側壁が28°に
拡開した第2環溝G2 とを備えた形態である。
【0035】そして、作用面E2 から内腔部Bへ斜向連
通するエア取入孔O2 を等間隔に8個、内腔部Bから第
2環溝G2 の溝底に連通するエア供給孔O21を等間隔に
12個有し、各エア取入孔O2 は2.7mm径、エア供給
孔O21径は2.0mm径、第2環溝の溝底幅W2 を1.9
mmとし、ユトリルゴム(NBR)製で2.4mm径の太さ
のオーリングR2 1本を溝底及び両側壁S2 間に密接状
態で第2環溝G2 内に嵌合した。
【0036】(高圧ノズルN1 (図5))図5に示す如
く、高圧水ノズル17の基部外周を第2シリンダー25
の取付用孔に螺合して高圧水ノズル17を逆止弁21を
介して第1シリンダー24内と連通するように止着し、
次いで、エア逆止弁23を装着したキャッチバルブ18
を高圧水ノズル17上に嵌合してその基端当接面E0
ノズル17の支持フランジ17′に当接する。
【0037】次いで前面中央にノズル孔19′を有する
キャップ形状のエアノズル19を、キャッチバルブ18
上にかぶせ、キャッチバルブの押圧面E3 を押圧した形
態にボディ26の取付孔に螺合固定し、高圧水ノズル1
7の先端外周面とエアノズル19のノズル孔19′内周
との間に環状間隙を形成してエアジェットa2 の噴射口
とし、中央からは高圧水流w2 を、その周面からは圧縮
エア流a2 を噴出する高圧ノズルN1 とし、該ノズルN
1 を2個、それぞれ25mm間隔でモニター軸心に直交側
方向きとし、且つモニター周面上の180度間隔(背中
合せ)に配置した。
【0038】〔試験施工〕本発明の高圧ノズルN1 を2
個有するモニター10による工法が、従来工法より杭の
造成時間を短縮し、且つ同等の杭径と杭強度が得られる
か否かを確認のため下記の条件の下に試験工事を実施し
た。
【0039】 1).土質条件 砂質土、標準貫入値 30<N≦50 2).施工条件 深度:GL−15.00m〜GL−17.00m 造成長:1.5 3).使用硬化材の配合(1m3 当りの標準配合) セメント: 760kg 240.0リットル 混和剤 : 12kg 10.0リットル 清水 : 750kg 750リットル ─────────────────── 合計 :1,522kg 1,000リットル 但し、セメント:普通ポルトランドセメント(比重3.
16) 混和剤:ナフタリンスルホン酸系統の流動化促進剤(比
重1.20〜1.23) 4).効果判定基準 杭径:φ2,000mm以上 杭強度:一軸圧縮強度30kgf /cm2 以上、粘着力5kg
f /cm2 以上 (参考)噴射撹拌杭工法の改良体(造成杭)の設計基準強度: 粘性度 砂質土 一軸圧縮強度 10kgf /cm2 30kgf /cm2 粘着力(c) 3kgf /cm2 5kgf /cm2 付着力(f) 1/3ckgf /cm2 1/3ckgf /cm2 曲げ引張り強度 2/3ckgf /cm2 2/3ckgf /cm2 弾性係数E50 1000kgf /cm2 3000kgf /cm2
【0040】(i)本発明工法 本発明モニターを三重管9の先端に装着し、各ノズルN
1 及びN0 にテープを巻かずにケーシングパイプ中に建
て込み、油圧装置4で三重管9を回転しながら、第1供
給口13より高圧水を、第2供給口14より圧縮エアを
供給し、モニター10の2つの高圧ノズルN1 より水ジ
ェットJ1 を噴射して造成径Z0 の範囲の地盤を切削し
て排泥液を上方の処理ピット7内に排出しながら、第3
供給口15より硬化材を供給して1つの硬化材ノズルN
0 より硬化材を排泥液と置換し、三重管9を2〜3回転
する毎に5.0cmピッチで引き抜いて、造成杭Zを下記
の施工仕様で試験造成した。
【0041】施工仕様 高圧水:圧力400kg/cm2 、吐出量140リットル/
分 圧縮エア:圧力6〜7kg/cm2 、3.0〜6.0Nm3
分 硬化材:圧力10〜30kg/cm2 、吐出量360リット
ル/分 硬化材使用量:3.6m3 /m 引き上げ速度:30秒/5.0cm 三重管回転数:2〜3回転/5.0cm
【0042】(ii)従来工法 図11乃至図13に示したとおり、逆止弁のない1個の
高圧ノズルN′1 と1つの硬化材ノズルN0 を有するモ
ニター10′を装着し、高圧ノズルN′1 にはテープを
巻いて三重管9によって本発明と同一条件下で下記の施
工仕様で造成杭Zを試験造成した。尚、高圧ノズルN′
1 のテープは最初の水ジェットJ1 の噴出により破断貫
通した。 施工仕様 高圧水:圧力400kg/cm2 、吐出量70リットル/分 圧縮エア:圧力6〜7kg/cm2 、1.5〜3.0Nm3
分 硬化材:圧力20〜30kg/cm2 、吐出量180リット
ル/分 硬化材使用量:3.6m3 /m 引き上げ速度:30秒/2.5cm 三重管回転数:2〜3回転/2.5cm
【0043】(iii)試験結果 造成杭の固結体の強度試験結果は次表のとおり: 工事名 本発明工法 従来工法 供試体番号No. 1 2 3 4 1 2 3 4 一軸圧縮強度(kgf/cm2) 237.9 67.1 47.1 68.2 30.3 47.6 34.5 59.9 粘着力(kgf/cm2) 38.99 14.62 両工法とも、設計基準強度を満たし、杭径φ2,000mm を
確保出来た。但し、施工深度が17mと浅いにもかかわら
ず、即ち、三重管9は短かくて軸ぶれが比較的生じ難い
条件下であるにかかわらず、杭表面は従来工法製品の方
に波状凹凸が目立った。
【0044】以上の結果より、高圧ノズルN1 を2.5
cm間隔で2個配置したモニターを使用して、従来の高圧
ノズルN′1 が1個のモニターの使用の場合より2倍の
ピッチで引き上げても、各高圧ノズルが同一条件で作用
しておれば製造品(杭)強度に関して全く問題なく、む
しろ硬化材の迅速置換を行う本発明の物の方が優れてい
た(原因未解析)。しかも造成杭Zの表面は従来工法の
杭よりはるかに平滑に形成出来た。
【0045】〔高圧ノズルの孔詰り試験〕大深度地下で
の施工にあってモニター10のノズルN1 ,N0 の孔詰
りが問題となるのは高圧ノズルN1 のエアノズル19で
あるので、本発明のモニター10のエアノズル19の孔
詰りを防止するためのエア逆止弁(オーリング)の耐圧
試験を、図8に略示する装置を用いて下記の条件で室内
実験した。 i)エアノズルにニップルを介してホースを取付け、ハ
ンドポンプでホースに泥水液を注入圧送する。 ii)加圧時間は、三重管の脱着時間5〜10分のうち、
最大時間10分とし、10分間加圧力を一定に保つ。 iii)逆止弁の内側に水を溜めて、該水のこぼれによって
泥水液の侵入を監視する。 試験結果は下表のとおりであった。
【0046】
【表1】
【0047】以上の試験によって、本発明実施例のモニ
ター10は、エア逆止弁23が水深、即ち水頭差、50
mまでは実質上耐えられる物であり、高圧水逆止弁21
もその材質及び構造からエア逆止弁と同等の機能を奏す
ると思われる。但し、高圧水経路C1 には例え泥水の逆
流があっても、高圧水経路の噴出エネルギーが大なた
め、実質上問題はない。従って、本発明の実施例のモニ
ター10は大深度地下の地盤改良に適用しても、ノズル
の孔詰りを生ずる心配は無い事が確認出来た。
【0048】〔高圧水逆止弁に関する実験〕第1環溝G
1 の溝底幅W1 と高圧水供給孔O1 の径とを同一とした
場合、即ち側壁S1 を供給孔O1 からストレート放射角
とした場合には、高圧水の噴射後にオーリングR1 を調
査した結果、2本並置のオーリングR1 に位置ずれが見
られた。溝底幅W1 を供給孔O1 より大とし、溝底の両
側に角部G10を形成すれば、高圧水の噴射後のオーリン
グR1 は、角部G10が座り位置の安定部となって2本が
正常に着座した。
【0049】また、オーリングR1 を1本とした場合
は、供給孔O1 からの高圧水の噴射エネルギーが大であ
るためと流路が両側の2カ所であって直接オーリングR
1 に当る水圧力が高いため、オーリングR1 の破壊が生
じた。また、全供給孔O1 の12個の孔断面合計を第1
シリンダー24の内径断面積より大としたので、高圧水
経路C1 の水圧は低下することなくオーリングR1 に加
圧できた。また、放射角、即ち両側壁の拡開角が大な
程、オーリングR1 に加わる水圧力は減少出来るが、側
圧力が減少して地下水圧による漏れが生じた。
【0050】以上の事項により、オーリングR1 を2本
並置として両側及び中央部に水圧を作用させると共に、
溝底両側に角部G10を形成してオーリングの着座部と
し、且つ片側の溝側壁S1 の傾角も実験によって16度
が最善である事を見出した。尚、溝側壁S1 の傾角16
度は、オーリングR1 の材質、寸法及び噴出水圧の相互
設定関係によっては、1度前後、即ち溝両側の拡開角3
2度に2度前後、の範囲内での変更であっても同効機能
が得られる。
【0051】〔エア逆止弁に関する実験〕 環溝G2 の放射角(拡開角): イ.放射角0では、オーリングR2 が切断した。 ロ.放射角40°では、エア噴射量は十分である。但
し、泥水液の加圧による逆押し耐圧実験では、ただちに
漏液が発生したが、放射角が大であると側圧が低くなる
ためである。 ハ.放射角を逐次狭くしながら実験を繰り返し、エア噴
射量と泥水液による逆押し耐圧実験により、放射角28
度に決定した。 尚、放射角はオーリングR2 の材質、寸法及びエア噴射
圧力等の相互設定関係によって28度±2度の範囲内で
も同効機能を奏する。
【0052】キャッチバルブの孔:1つのキャッチバル
ブ18には、2.7mm径のエア取入孔O2 を8孔と、
2.0mm径のエア供給孔O21を12孔、それぞれ材質の
強度との関係で実験的に決定した。エア取入れ孔O2
合計断面積とエア供給孔O21の合計断面積比は1.2:
1となったが作用上は問題ない。また、エア供給孔O21
の径(2.0mm)が第2環溝G2 の溝底幅W2 (1.9
mm)よりわずかに大である為、オーリングR2 に対する
圧縮エアの最初の噴射圧作用が両側にも効果的に及び、
オーリングR2 に初期伸長作用を平滑に及ぼす結果、オ
ーリングR2 の耐久性が向上した。
【0053】〔水平施工〕図9(A)(B)は、逆止弁3
0を設けた硬化材ノズルN0 に関するものであり、硬化
材経路C3 へバネ32を介して逆止弁本体31を出入可
能とし、硬化材供給圧が作用すれば硬化材が噴出し、該
経路C3 が無圧となればバネ32の作用によって逆止弁
本体3が押し戻されて硬化材ノズルN0 からの泥水の逆
流が阻止される。モニター10の高圧ノズルN1 にも硬
化材ノズルN0 にも逆止弁を付与すれば、どのような作
業環境下でも三重管9内への外部からの地下水や泥水の
逆流が完全に防げ、大深度地下水圧の常時作用下での三
重管の脱着作業の必要な大深度地下水平施工にも有利に
適用出来る。
【0054】即ち、図10に示す如く、高圧ノズルにも
硬化材ノズルにも逆止弁を装着したモニターを用いて、
予じめ削孔したたて坑内から三重管を水平に挿入し、高
圧噴射撹拌作業を実施して、泥水液は泥水液処理管から
地下水位近傍の処理タンクに取出すと共に、泥水液処理
管及び三重管にはたて坑壁に配置した口元パッカー装置
で泥水漏出を阻止すれば、大深度地下での水平施工も実
施出来る。従って、河川下横断区域や地下構築物の下方
等にあっても、大深度地下水平施工同様に、掘削たて坑
から三重管を水平に挿入する水平施工によって地盤改良
が有利に実施出来る。
【0055】
【発明の効果】高圧ノズルN1 の圧縮エア経路は、逆止
弁を備えているため、造成工程中での三重管の脱着作業
時の泥水液の逆流に伴う高圧ノズルの孔詰りが阻止出来
て、大深度地下の地盤改良工事が能率良く実施出来、大
深度地下の水平施工も可能である。
【0056】また、高圧ノズルN1 に逆止弁を装着して
孔詰りを防止したので、高圧ノズルN1 の複数個使用が
可能となり、しかも、複数の高圧ノズルからそれぞれ水
ジェットJ1 をモニター軸心に略直交側方へ、且つ各水
ジェットJ1 間角度が等しいように噴射するので、1つ
の水ジェットJ1 の複数倍の切削速度となり、しかも各
水ジェットJ1 の地盤反力Kが均合うため、三重管が長
い状態でも三重管末端のモニター部分での軸ぶれが防止
出来、各造成杭Zが設計どおりに形成出来て、造成杭内
に未改良域Ze の生ずる恐れは無い。
【0057】また、本発明モニターにあっては、高圧水
ノズル17にもエアノズル19にも硬化材ノズルN0
も逆止弁が装着してあるため、大深度地下での地盤改良
工法が好都合に実施出来、しかも、高圧ノズルN1 はキ
ャッチバルブ18を組み込んだ構造としたため、高圧水
ノズル17とキャッチバルブ18とエアノズル19との
3部材の重合形態でコンパクトに形成出来る。
【0058】また、高圧水逆止弁としてのオーリングR
1 及びエア逆止弁としてのオーリングR2 は、共にゴム
製であり、拡開状側壁を有する環溝内に嵌合して環溝底
面からの供給孔(噴出孔)に逆止弁作用を行うので、各
オーリングの供給孔に対する開放及び閉止作用は正確
に、且つ破損を生ずることなく発揮し、しかも高圧ノズ
ルN1 の組立て及びメンテナンスも容易となる。
【0059】また、高圧水逆止弁にあっては、ゴム製オ
ーリングR1 の2本が溝底面に並置され、しかも溝底幅
1 が供給孔O1 の径より大であるため、高圧水の噴出
圧力は最初に両オーリングR1 の間に作成し、両オーリ
ングR1 は均等に圧力を受けてスムーズに拡開伸長し、
噴出圧力が無くなれば溝底に均斉に着座して高圧水逆止
弁の信頼性及び耐久性が大である。
【0060】また、エア逆止弁にあっては、ゴム製オー
リングR2 の1本が環溝に嵌合され、環溝底溝幅W2
りもエア供給孔O21の径d2 の方がやゝ大であるため、
圧縮エアの最初の噴出圧力はオーリングR2 の内面と両
側面に作用することとなり、オーリングR2 への初期伸
長作用力が分散出来てオーリングR2 と側壁との摩擦も
軽減出来、オーリングR2 の損傷が最小に出来ると共に
逆止弁としての信頼性及び耐久性が大となる。
【0061】また、エア逆止弁23は高圧水ノズル17
上にキャッチバルブ18を嵌合し、更にエアノズル19
をキャッチバルブ上に嵌合する形態とし、キャッチバル
ブには内側外周から内腔部Bを指向する複数のエア取入
孔O2 と、内腔部Bから第2環溝G2 に貫通する複数の
エア供給孔O21とを配置した構成であるため、高圧水ノ
ズル17とエアノズル19との間の狭いスペース内に信
頼性のあるエア逆止弁が組立容易に、且つコンパクトに
形成出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の造成作用略示側面図である。
【図2】図1のモニター部分拡大図であって、(A)は
モニター部分を示し、(B)は高圧ノズルN1 の略示拡
大図である。
【図3】本発明の造成作用と造成杭との関係を示す図で
あって、(A)は地盤反力作用説明図であり、(B)は
造成杭相互の接続関係を示す図である。
【図4】本発明モニターの全体縦断面図である。
【図5】本発明モニターの要部拡大断面図である。
【図6】高圧水逆止弁を示す図であって、(A)は全体
縦断側面図、(B)は(A)のA−A′断面図、(C)
は(A)の一部拡大図である。
【図7】エア逆止弁の図であって、(A)は縦断側面
図、(B)は横断面図、(C)は(A)の部分拡大図で
ある。
【図8】エア逆止弁の耐圧試験に用いた装置の略示側面
図である。
【図9】硬化材逆止弁を示す図であって、(A)は硬化
材噴出時を、(B)は逆止弁作用時を示す図である。
【図10】本発明の水平施工状態の略示説明図である。
【図11】従来工法説明図であって、はケーシングパ
イプ打込み状態を、は三重管の立て込み状態を、は
ケーシングパイプの引き抜き状態を示す図である。
【図12】図11のつづきであり、は三重管による造
成作業開始状態を、は造成完了後の三重管引き抜き状
態を示す図である。
【図13】従来工法に用いるモニターの略示側面図であ
る。
【図14】従来工法説明図であって、(A)は三重管の
切り離し状態を、(B)は三重管切り離し時の泥水液の
高圧ノズル内への逆流状態を、(C)は高圧ノズルの噴
射再始動時の孔詰り状態を示す図である。
【図15】従来工法での造成作業説明図であって、
(A)は三重管の軸ぶれの生ずる状態を、(B)は軸ぶ
れによって造成杭間に未改良域の出来た状態を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…ボーリングマシン 2…削孔用スイベル 3…ケーシングパイプ 4…油圧装置 5…スタビライザー 6…メタルクラウン 7…排泥液処理ピッチ 8…クレーン 9…三重管 10,10′…モニター 11…造成マシーン 12…三重管スイベル 13…第1供給口 14…第2供給口 15…第3供給口 16…排泥液 17…高圧水ノズル 18…キャッチバルブ 19…エアノズル 20…高圧水噴射孔 21…高圧水逆止弁 22…エア噴射孔 23…エア逆止弁 24…第1シリンダー 25…第2シリンダー 26…ボディ 30…硬化材逆止弁 31…逆止弁本体 32…バネ B…内腔部 C1 …高圧水経路 C2 …圧縮エア経路 C3 …硬化材経路 E0 …基端当接面 E1 …前端面 E2 …作用面 E3 …押圧面 G1 …第1環溝 C2 …第2環溝 H…水頭差 J1 …水ジェット J0 …造成ジェット K…地盤反力 N0 …硬化材ノズル N1 ,N′1 …高圧ノズル O1 …高圧水供給孔 O2 …エア取入口 O18…嵌合孔 O21…エア供給孔 P1 …内管 P2 …中管 P3 …外管 R1 ,R2 …オーリング S1 ,S2 …溝側壁 T1 ,T2 …接続ソケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 淳彦 東京都港区南青山一丁目二番六号 日産建 設株式会社内 (72)発明者 五味 信治 東京都港区南青山一丁目二番六号 日産建 設株式会社内 (72)発明者 中本 実 東京都港区南青山一丁目二番六号 日産建 設株式会社内 (72)発明者 米村 種夫 東京都港区南青山一丁目二番六号 日産建 設株式会社内 (72)発明者 岡本 將昭 東京都港区南青山一丁目二番六号 日産建 設株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象地盤中にケーシングパイプ(3)を
    計画深度まで削孔挿入し、次いで、中心の高圧水と周囲
    の圧縮エアとから成る水ジェット(J1 )を噴出する少
    くとも圧縮エア経路には逆止弁(23)を備えた高圧ノ
    ズル(N1 )と硬化材を噴出する硬化材ノズル(N0
    とを有するモニター(10)を先端に備えた単位長片接
    続三重管(9)をケーシングパイプ(3)中に計画深度
    まで挿入すると共にケーシングパイプ(3)を引き抜
    き、次いで、三重管(9)を回転しながら三重管スイベ
    ル(12)を介して高圧ノズル(N1 )からは高圧水と
    圧縮エアとから成る水ジェット(J1 )を側方に噴射し
    て地盤を切削すると共に硬化材ノズル(N0 )からは造
    成ジェット(J0 )を噴出し、三重管(9)を逐次引き
    抜いて所定長さ造成工程を行う、地盤改良工法。
  2. 【請求項2】 複数の高圧ノズル(N1 )からそれぞれ
    の水ジェット(J1)を、相互にモニター(10)の軸
    心に略直交側方へ、且つ各水ジェット(J1)間角度が
    等しいように噴射する請求項1の地盤改良工法。
  3. 【請求項3】 高圧ノズル(N1 )が高圧水逆止弁(2
    1)及びエア逆止弁(23)を備え、硬化材ノズル(N
    0 )が硬化材逆止弁(30)を備えた請求項1又は2の
    地盤改良工法。
  4. 【請求項4】 地面からたて坑を所定深度まで掘削し、
    先端にモニター(10)を備えた単位長片接続三重管
    (9)で該たて坑内から水平に地盤を切削造成すると共
    に、排泥液をたて坑壁に配置した口元パッカー装置を介
    して取出す請求項1から3までのいずれか1項の地盤改
    良工法。
  5. 【請求項5】 三重管(9)の先端に装着するモニター
    (10)であって、高圧水経路(C1 )に連通する第1
    シリンダー(24)の外周面に拡開状側壁(S1 )を備
    えた第1環溝(G1 )を配置し、第1シリンダー(2
    4)内面と第1環溝(G1 )とを高圧水供給孔(O1
    で連通させると共に該環溝(G1 )には高圧水逆止弁
    (21)としてのオーリング(R1 )を嵌合し、高圧水
    ノズル(17)を該逆止弁(21)上に位置させると共
    に第1シリンダー(24)上に嵌着した第2シリンダー
    (25)に高圧水ノズル(17)の基部を止着し、高圧
    水ノズル(17)の外周には、圧縮エア経路(C2 )に
    連通するエア取入孔(O2 )と、エア逆止弁(23)と
    してのオーリング(R2 )を装着した拡開状側壁
    (S 2 )を備えた第2環溝(G2 )に連通しているエア
    供給孔(O21)、とを備えたキャッチバルブ(18)を
    嵌合し、エアノズル(19)をモニターボディ(26)
    に止着してキャッチバルブ(18)を固定し、高圧水ノ
    ズル(17)の先端外周とエアノズル(19)の先端内
    周との間に環状のエア噴射孔(22)を形成した逆止弁
    (21,23)付高圧ノズル(N1 )を有し、高圧ノズ
    ル(N1 )の下方には硬化材経路(C3 )と連通する硬
    化材ノズル(N0 )を有するモニター。
  6. 【請求項6】 高圧水逆止弁(21)として、第1環溝
    (G1 )の溝底幅(W1 )が高圧水供給孔(O1 )の径
    (d1 )より大であり、ユトリルゴム等の耐摩耗性を有
    するゴム製のオーリング(R1 )の2本が溝底及び両側
    壁(S1 )に密接並置され、エア逆止弁(23)とし
    て、第2環溝(G2 )の溝底幅(W2 )がエア供給孔O
    21の径(d2 )よりやゝ小であり、ユトリルゴム等の耐
    摩耗性を有するゴム製のオーリング(R2 )1本が溝底
    及び両側壁(S2 )に密接配置されている請求項5のモ
    ニター。
  7. 【請求項7】 高圧水逆止弁(21)の第1環溝
    (G1 )の両側壁(S1 )が32度±2度の角度で拡開
    しており、エア逆止弁(23)の第2環溝(G2 )の両
    側壁(S2 )が28度±2度の角度で拡開している請求
    項5又は6のモニター。
  8. 【請求項8】 高圧水供給孔(O1 )が第1環溝
    (G1 )に複数個配置されていて高圧水供給孔(O1
    群の合計断面積が第1シリンダー(24)の内径面積の
    約1.1倍であり、キャッチバルブ(18)には内方外
    周上から内腔部(B)を指向する複数のエア取入孔(O
    2 )と内腔部(B)から第2環溝(G2 )に貫通する複
    数のエア供給孔(O21)とが配置されている請求項5か
    ら7までのいずれか1項のモニター。
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