JP3731181B2 - 翼付き杭の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、先端部又はその近傍にねじ込み用の翼が設けられた翼付き杭の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
杭先端部又はその近傍にねじ込み用の翼を設けた杭(以下、翼付き杭という)は、従来から多数提案されており、その一部は実用化されている。この翼付き杭は、杭体を回転することにより翼の木ネジとしての作用により地盤中に貫入して埋設されるものであり、低振動、低騒音、無排土で施工できること、及び翼の面積を利用して大きな先端支持力を確保することができる等の特徴を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
翼付き杭は上記のような特徴を有するが、最大の問題点は杭体を回転して地盤中に貫入するために非常に大きなトルクを必要とすることである。
地盤中への貫入にあたっては、杭先端部が閉塞されたものであれ、開放されたものであっても、杭先端部が支持層に到達すると、翼と杭先端部は地盤から大きな抵抗を受ける。そのため、一般に入手できる杭打ち機と杭体回転用モータを使用すると、最大で外径が600mm程度の杭にしか適用できないのが現状である。
【0004】
これ以上外径の大きな杭を施工する場合は、非常に大きなトルクを発揮できる全旋回型掘削機を使用せざるを得ないが、この機械による施工は、機械の費用が非常に高くなるにかかわらず、施工能率が低下するという問題がある。また、大きなトルクをかけるため、杭として鋼管杭を使用する場合、設計上必要な厚さより厚い鋼管を使用せざるを得ない場合が多い。さらに、捻りモーメントに弱いコンクリート杭には、翼付きねじ込み杭工法を適用できないという基本的な問題もある。
【0005】
また、翼により翼下面の地盤がかき乱されるため、支持層本来の支持力を発揮できないという問題もある。
さらに、設計上の問題として、杭として供用時に翼には大きな地盤反力が作用するため、翼径が大きくなると翼に作用する曲げモーメントが大きくなって、翼の厚さが非常に厚くなるとともに、杭体に伝達するモーメントも大きくなるという問題もあり、これはコスト上大きな問題点となっている。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、次のような翼付き杭の施工方法を提供することを目的としたものである。
(1)小さなトルクで大径の翼付き杭を施工できること。
(2)支持層本来の支持力を発揮できること。
(3)供用時に翼に発生するモーメントを小さくすること。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る翼付き杭の施工方法は、先端部又は先端部近傍にねじ込み用の翼が設けられた中空の杭を回転して地盤中に埋設する施工方法において、杭の埋設開始時又は埋設の途中から前記中空部に挿入したロッドの先端部又は先端部近傍に設けたノズルから水又は自硬性流動体からなる流体を高圧噴射して地盤を掘削軟化すると共に、翼の木ネジ作用により前記杭を地盤に貫入し、該杭の先端部が支持層に達したときはノズルから前記自硬性流動体を噴射して前記杭を回転させることにより掘削した地盤と混合し、翼を含む杭先端部近傍を前記混合体の中に設置するようにしたものである。
【0008】
また、上記のロッドの先端部又は先端部近傍に複数のノズルを設け、これらノズルを該ノズルから噴射される流体が杭の中心部近傍から杭の外周付近まで分布するように配置した。
【0009】
さらに、上記の翼の外縁又はその近傍にノズルから噴射された流体を跳ね返す返し部材を設けた。
また、上記のロッドを杭の回転方向と反対方向に回転させるようにした。
【0010】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1の説明図である。図において、1は先端部に翼2が設けられた中空の翼付き杭を構成する鋼管杭(以下、単に杭と記すことがある)で、翼2の中心部には開口部3が設けられいる。
翼2は、例えば鋼管杭1の先端部に複数の段部を設け、これら段部の下端部と隣接する段部の上端部とを結んで傾斜面からなるレ字状の取付部を形成し、この取付部にドーナツ状の鋼板を複数に分割して形成した平板状の鋼製翼を溶接によって取付け、あるいは、鋼管杭1の先端部に設けた段部の下端部から1周して上端部に至るレ字状の取付部に、ドーナツ状の鋼板を曲げ加工して形成した螺旋状翼を取付けて構成してもよい。さらに、上述の鋼製翼又は螺旋状翼を鋼管杭1の先端部近傍の外周に取付けて鋼管杭1の先端開口部を開放するなど、その形状、構造、取付位置は適宜選択することができる。
【0011】
11は先端部に複数のノズルを有するノズルヘッダ12が設けられ、鋼管杭1の中空部内に先端部が翼2の開口部3から下方に位置するまで挿入されたロッドで、中心部の軸方向にはノズルヘッダ12に連通する貫通穴(図示せず)が設けられており、その上部は鋼管杭1の杭頭部に着脱可能に固定されている。
【0012】
21は杭打ち機20に搭載された可逆に回転するオーガーモータで、その回転軸は鋼管杭1の杭頭部に着脱可能に連結される。
25は地表35上に設置された貯水タンク、26は例えばセメントミルクや薬液注入材等からなる自硬性流動体を製造するプラント、27は高圧ポンプで、貯水タンク25と高圧ポンプ27とは第1の管路28で連結されており、また、プラント26と高圧ポンプ27とは第2の管路29で連結されている。そして、第1、第2の管路28,29は例えば閉塞位置を含む三方切換弁30により切換接続される。31は一端が高圧ポンプ27の吐出口に接続され、他端が回転自在にロッド11に接続されたホースである。
【0013】
次に、上記のような本実施の形態の施工手順の一例について説明する。
(1)図2(a)に示すように、ロッド11が挿入された鋼管杭1の杭頭部をオーガーモータ21の回転軸に連結すると共に、三方切換弁30により第1の管路28を介して貯水タンク25を高圧ポンプ27に接続する。
この状態で地表35から支持層36の手前までの区間は、鋼管杭1を回転すると共に、鋼管杭1と一体に回転するロッド11のノズルヘッダ12から高圧ポンプ27によって圧送された水を噴射し、翼2の木ネジ作用により鋼管杭1を地盤中に貫入する。
【0014】
噴射した水は高圧のため翼2の回転に伴って地盤を掘削し、軟化(泥状化)して鋼管杭1は小さいトルクでスムーズに地盤中に貫入される。そして、泥状化された土砂37の大部分は翼2の上部(鋼管杭1の外周)に移動し、一部の土砂37は鋼管杭1内に侵入する。
施工中の鋼管杭1の先端部の状態を図4に示す。なお、14はロッド11の位置を鋼管杭1の中心部に保持するためのロッド位置保持金具である。
【0015】
(2)鋼管杭1の先端部が支持層36に達したときは、図2(b)に示すように(図2(b)には、杭打ち機は省略してある)、三方切換弁30によりノズルヘッダ12から噴射される水を自硬性流動体に切換える。そして、ノズルヘッダ12から自硬性流動体を噴射させて鋼管杭1の予定設定深度より下方の地盤まで掘削・軟化させると共に、引続き鋼管杭1を回転させて泥状化した土砂と自硬性流動物とを攪拌混合させる。
【0016】
(3)鋼管杭1が最終深度に達したときは、三方切換弁30により自硬性流動体の噴射を停止し、図3(a)に示すように(図3(a),(b)には、杭打ち機、高圧ポンプ等は省略してある)、鋼管杭1を逆回転して予定設置深度まで引上げる。なお、自硬性流動体を噴射しながら鋼管杭1を引上げてもよい。
【0017】
(4)ついで、オーガーモータ21の回転軸と鋼管杭1との連結を外してロッド11をオーガーモータ21に連結し、図3(b)に示すように、鋼管杭1を地盤中に残置した状態でロッド11を引上げれば、施工が完了する。
施工完了後の鋼管杭1の先端部の状態を図5に示す。図から明らかなように、翼2を含む鋼管杭1の下部及び外周、さらに鋼管杭1内は、土砂と自硬性流動体の混合物が固化した固化体38によって強固に固められるため、支持層本来の先端支持力を確保することができる。また、鋼管杭1の周囲に移動した土砂37も圧縮されて大きな周面摩擦力を発揮する。
【0018】
以上本実施の形態の施工手順の一例について説明したが、これに限定するものではなく、例えば次のような手順によって施工してもよい。
(1)自硬性流体を噴射する範囲は支持層36だけでなく、例えば鋼管杭1の全長あるいは先端部から全長の2分の1程度上方までの範囲になど、適宜設定することができる。この場合、鋼管杭1の周囲の地盤も自硬性流体の作用で時間とともに硬化し、より大きな周面摩擦力を確保することができる。
(2)鋼管杭1を回転するためのトルクがきわめて小さい区間はノズルヘッダ12からの水又は自硬性流動体の噴射を行わず、硬い地盤に達してからこれを噴射してもよい。
【0019】
(3)鋼管杭1が最終深度に達するまで水だけてで地盤を掘削・硬化したのち、鋼管杭1を引き上げながら自硬性流動体を噴射し、泥状化した土砂と攪拌混合してもよい。
(4)土砂と自硬性流動体の混合物の固化体38と、鋼管杭1との付着を増すために、あらかじめ鋼管杭先端部近傍の内面や外面に、鉄筋を巻くなどの付着増強措置を講じてもよい。
(5)掘削効率を高めるために、水又は自硬性流動体中に空気を混入させてもよい。
(6)また、ノズルヘッダ12自体に地盤掘削機能をもたせるために、掘削刄を設けてもよい。
【0020】
上記のように構成した本実施の形態においては、次のような効果を得ることができる。
(1)水又は自硬性流動体の高圧噴射により地盤が泥状化するため、翼2及び鋼管杭1の先端部が地盤から受ける抵抗が大幅に減少し、小さいトルクで鋼管杭1を回転し地盤中にねじ込み貫入することができる。
(2)翼2の下方の地盤の乱れは自硬性流動体により固められるため、支持層本来の先端支持力を確保することができる。
【0021】
(3)供用時に、土砂と自硬性流動体との固化体38と翼2を含む鋼管杭先端部近傍の内外面との付着力が大きく、杭先端部、翼2及び固化体38の3者が一体として挙動するため、杭先端部に伝達された鉛直荷重の一部は、固化体38から直接鋼管杭1に伝達される。このため、翼2に作用する地盤反力が減少して翼2の曲げモーメントが小さくなり、その結果、翼2の厚さを低減することができると共に、鋼管杭1に伝達される曲げモーメントも小さくなる。
【0022】
[実施の形態2]
図6は本発明の実施の形態2の鋼管杭及びロッドの先端部近傍の説明図である。本実施の形態においては、翼2は鋼管杭1の先端部近傍の外周に取付けられており、鋼管部1の先端開口部は開放されている。また、ロッド1の先端部に設けたノズルヘッダ12には4個のノズル13a,13bが設けられており、そのうち2個のノズル13aは杭断面の斜め下方に向って噴射し、他の2個のノズル13bは翼2の下方において横方向に噴射するようになっている。
【0023】
水や自硬性流動体(以下、両者を合せて単に流体ということがある)を高圧噴射し、地盤を泥状化して翼により掘削する場合、長い距離を掘削するためには非常に高い圧力が必要である。特に、支持層の掘削のためには200kg/cm2を超える超高圧に高めなければならない。例えば、圧力200kg/cm2で噴射しても50mc離れた位置では数kg/cm2の圧力に低下してしまう。そのため、長い距離を掘削するためには、高圧ポンプを大型化すると共に、ホースやロッドの継手部、ノズルなどの部品を非常に精巧なものにしなければならず、その結果、初期コストだけでなく保守管理コストも高価になる。
【0024】
本実施の形態は、ノズルヘッダ12に設けた複数のノズル13a,13bの設置位置を、噴射する流体が杭中心部近傍から杭外周付近まで分布しうるようにしたので、個々のノズル13a,13bの噴流(噴射した流体の流れ)の到達距離が短かくても、杭と翼の下部全体を容易に掘削、軟化することができる。
このように、本実施の形態においては、ノズルヘッダ12に設けたノズル13a,13bの位置を調整することにより、流体の圧力を低下しうるようにしたものである。なお、本実施の形態における鋼管杭の施工手順は、実施の形態1の場合と同様である。
【0025】
[実施の形態3]
図7は本発明の実施の形態3の鋼管杭及びロッドの先端部近傍の説明図である。本実施の形態は、実施の形態2の翼2の外縁の流体の噴射位置に対応した位置に、噴流を跳ね返すための鋼材からなる返し部材15をほぼ鉛直方向に設けたもので、ノズルヘッダ12の横方向に設けたノズル13bはこの返し部材15をめがけて流体を噴射する。
【0026】
流体の噴流による地盤掘削工法においては、地盤の硬さや土質の性状の違いにより噴流の到達距離に大きな差が生じる。噴流の到達距離を一定にするためには地盤の性状に応じて流体の圧力を調整すればよいが、地中のため確認できない。このため、掘削予定範囲を確実に掘削するために、流体の圧力を高めに設定する。その結果、予想よりも軟らかい地盤や崩しやすい土質の位置では掘削予定範囲の外まで掘削してしまい、地盤の支持力の低下を招くことになる。
【0027】
本実施の形態によれば、翼2の外縁に噴流の返し部材15を設けたことにより、掘削範囲を制御して地盤の支持力を確保することができる。なお、実施の形態における鋼管杭の施工手順も実施の形態1の場合と同様である。
【0028】
[実施の形態4]
図8は本発明の実施の形態4の説明図である。本実施の形態は、杭打ち機20に搭載したオーガーモータ21に、互いに独立して反対方向に回転する外軸22と内軸23を設け、外軸22を鋼管杭1の杭頭部に連結すると共に、内軸23にロッド11を連結したもので、施工にあたっては鋼管杭1とロッド11を反対方向に回転させて地盤中に貫入するようにしたものである。
【0029】
本実施の形態は上記のように構成したので、施工にあたっては、ノズルヘッダ12から噴射した自硬性流動体と、掘削軟化した土砂とが効率よく練りかえされて均一な混合物を造ることができ、その結果、より大きな支持力を得ることができる。本実施の形態の施工手順も、鋼管杭1とロッド11を反対方向に回転させる以外は、実施の形態1の場合とほぼ同様である。
【0030】
[実施例]
次に、実施の形態3に係る鋼管杭1とロッド11による本発明の施工方法の実施例について説明する。
(1)翼付き杭:先端部が開放された外径1000mm、厚さ16mm、長さ23mの鋼管杭1の先端部外周に、外径1600mmの螺旋状翼2を溶接により取付けた。そして、螺旋状翼2の外縁のノズルヘッダ12の流体を横方向に噴射するノズル13bと対向する位置に、鋼材片からなる返し部材15を設けた。
【0031】
(2)ロッド:外径210mm、長さ24mの鋼管の先端部に、流体を横方向に噴射する左右一対のノズル13bと、流体を斜め下方に噴射する2個のノズル13aを有するノズルヘッダ12を取付けた。
【0032】
(3)施工設備:鋼管杭1を回転するモータは、単軸で最大トルク25t・mのオーガーモータを使用した。また、流体を圧送するポンプには最高圧力200kg/cm2の高圧ポンプを用い、その近傍にセメントミルクを製造するプラント及び貯水タンクを設置し、プラントと貯水タンクを三方切換弁を介して管路で接続した。
(4)地盤:支持層より上の地盤(地表からの深さ20.5m)はN値10前後の粘性土、支持層はN値が50を超える砂礫。
【0033】
施工にあたっては、ロッド11の上端部を鋼管杭1の杭頭部に連結し、鋼管杭1の杭頭部をオーガーモータ21の回転軸に連結した。ついで、一端が高圧ポンプ29の吐出口に接続されたホース31の他端をロッド11に接続し、三方切換弁30を貯水タンク22に切換接続した。
そして、地表35から支持層の1m手前までの区間は、圧力50kg/cm2でノズルヘッダ12から水を噴射しながらロッド11と共に鋼管杭1を回転し、貫入した。
【0034】
ついで、予定設置深度から1m下までの区間は、三方切換弁をプラント側に切換えて、圧力150kg/cm2でノズルヘッダ12からセメントミルクを噴射し、引続いて鋼管杭1を回転し、貫入した。
そして、鋼管杭1の先端部が所定深度に達したときは、鋼管杭1を逆回転し、セメントミルクを噴射しながら予定装置深度まで引上げ、ついで三方切換弁を閉じてセメントミルクの噴射を中止する。ついで、鋼管杭1をオーガーモータ21から取外すと共にロッド11をオーガーモータ21に連結し、鋼管杭1を地盤中に残置した状態でロッド11を引上げた。
【0035】
上述のような手順により翼付き杭(鋼管杭)を地盤中に埋設したところ、鋼管杭1を小さいトルクでスムーズに貫入することができ、また、埋設した鋼管杭1は固化したセメントミルクと土砂との固化体38により、大きな先端支持力を確保することができた。
【0036】
【発明の効果】
本発明に係る翼付き杭の施工方法は、杭の埋設開始時又は埋設の途中から中空部に挿入したロッドの先端部又は先端部近傍に設けたノズルから水又は自硬性流動体からなる流体を高圧噴射して地盤を掘削軟化すると共に、支持層に自硬性流動体を噴射して掘削した地盤と混合し、翼を含む杭先端部近傍を混合体の中に設置するようにしたので、最大トルクは小さいが容易に入手できる回転用のモータにより、大径の翼付き杭を能率良く地中にねじ込み施工することができ、工費も安くなる。また、施工中は杭と翼の下の地盤が乱れるが、自硬性流動体によって固化されるため、支持層本来の地盤支持力を確保することができる。
さらに、杭が鉛直荷重を受けると、杭先端部近傍、翼及び固化体が一体として挙動するため、翼に荷重が集中せず、その結果、杭先端部近傍や翼の厚さを低減することができ、杭材料のコストを低減できる。
【0037】
また、上記のロッドの先端部に設けたノズルヘッダに複数のノズルを設け、これらノズルをノズルから噴射される流体が杭の中心部近傍から杭の外周付近まで分布するように配置したので、比較的低い流体圧力で、杭と翼の下部全体を容易に掘削軟化することができる。
【0038】
さらに、上記の翼の外縁又はその近傍にノズルから噴射された流体を跳ね返す返し部材を設けたので、予定範囲外の地盤を掘削、軟化させることがないため、本来の地盤支持力を確保することができる。
【0039】
また、上記のロッドを杭の回転方向と反対方向に回転させるようにしたので、掘削軟化した土砂と自硬性流動物体とが効率よく練りかえされて均一な混合物を造るとができ、これにより、より大きな地盤支持力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の説明図である。
【図2】実施の形態1の施工手順の説明図である。
【図3】実施の形態1の施工手順の説明図である。
【図4】図2の施工中の杭先端部の状態を示す説明図である。
【図5】図3の施工後の杭先端部の状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2の鋼管杭及びロッドの先端部近傍の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態3の鋼管杭及びロッドの先端部近傍の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態4の説明図である。
【符号の説明】
1 鋼管杭(翼付き杭)
2 翼
3 開口部
11 ロッド
12 ノズルヘッダ
13a,13b ノズル
20 杭打ち機
21 オーガーモータ
25 貯水タンク
26 自硬性流動体のプラント
27 高圧ポンプ
31 ホース
Claims (4)
- 先端部又は先端部近傍にねじ込み用の翼が設けられた中空の杭を回転して地盤中に埋設する施工方法において、
杭の埋設開始時又は埋設の途中から前記中空部に挿入したロッドの先端部又は先端部近傍に設けたノズルから水又は自硬性流動体からなる流体を高圧噴射して地盤を掘削軟化すると共に、翼の木ネジ作用により前記杭を地盤に貫入し、該杭の先端部が支持層に達したときはノズルから前記自硬性流動体を噴射して前記杭を回転させることにより掘削した地盤と混合し、翼を含む杭先端部近傍を前記混合体の中に設置することを特徴とする翼付き杭の施工方法。 - ロッドの先端部又は先端部近傍に複数のノズルを設け、これらノズルを該ノズルから噴射される流体が杭の中心部近傍から杭の外周付近まで分布するように配置したことを特徴とする請求項1記載の翼付き杭の施工方法。
- 翼の外縁又はその近傍にノズルから噴射された流体を跳ね返す返し部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の翼付き杭の施工方法。
- ロッドを杭の回転方向と反対方向に回転させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の翼付き杭の施工方法。
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