JPH11189873A - スパッタリング装置及び方法 - Google Patents
スパッタリング装置及び方法Info
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- JPH11189873A JPH11189873A JP35945897A JP35945897A JPH11189873A JP H11189873 A JPH11189873 A JP H11189873A JP 35945897 A JP35945897 A JP 35945897A JP 35945897 A JP35945897 A JP 35945897A JP H11189873 A JPH11189873 A JP H11189873A
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Abstract
に使用されるスパッタリング装置において、小型マグネ
トロンスパッタリング電極で、大型基板に形成される薄
膜の膜厚および膜質の均一性を向上させるスパッタリン
グ装置及び方法を提供する。 【解決手段】 平板ターゲット1を用いてスパッタリン
グを行い、基板18に薄膜を形成するスパッタリング装
置において、スパッタリング電極32のターゲット裏面
に設置した磁気回路5を、対向した位置にある基板面に
平行に移動させるための移動装置33を有するスパッタ
リング電極32と、スパッタリング電極32に対向した
位置で基板18を保持するとともに、基板18の中心を
軸に基板18を自転させるための回転装置35を有する
基板ホルダー17を備えて、大型基板に形成される薄膜
の膜厚および膜質の均一性を向上させる。
Description
スパッタリング電極で、大型基板に形成される薄膜の基
板面内における膜厚および膜質の均一性の向上を目的と
したスパッタリング装置及び方法に関するものである。
高融点材料や化合物の薄膜が容易に形成できる薄膜形成
技術ということで、現在広く半導体や電子部品等の工業
分野で普及している。特に永久磁石や電磁石を磁気回路
として用いるマグネトロンスパッタリング法は薄膜の形
成速度が真空蒸着法に比べ約1桁遅いというスパッタリ
ング法の欠点を解決し、スパッタリング法による薄膜形
成の量産化を可能にしている。以下、従来のマグネトロ
ンスパッタリング電極とその電極を搭載した装置につい
て、図6〜図9を参照して説明する。
するマグネトロンスパッタリング電極の平面図、図6の
(b)は図6の(a)のA−A’断面図、及びび図7は
マグネトロンスパッタリング電極の斜視図である。図に
おいて、101は平板ターゲットであり、インジウム等
のハンダ剤によりバッキングプレート102に接着さ
れ、真空シール用のOリング103を介して電極本体1
04に設置される。ターゲット101の裏側にはマグネ
トロン放電用磁気回路105が、閉じた磁力線106を
形成し、かつ、少なくともその磁力線106の一部が上
記ターゲット表面で平行になるように配置される。その
ため、ターゲット表面には図7に示すようにトロイダル
型の閉じたトンネル状の磁場107が形成される。以上
のように構成されたマグネトロンスパッタリング電極に
ついて、その動作原理を説明する。
置したスパッタリング装置の概略図である。スパッタリ
ング電極は、通常、真空チャンバー109に絶縁材11
0を介して設置される。薄膜形成を行うには、真空チャ
ンバー109を真空ポンプ113により高真空(大気圧
〜10−7Torr程度)まで排気し、Ar等の放電ガ
ス114を流量調整器115を通して真空チャンバー1
09内に導入し、圧力調整バルブ116を調整して真空
チャンバー109内を10−3〜10−2Torr程度
の圧力に保つ。ターゲット101を取付けたスパッタリ
ング電極112に直流あるいは交流のスパッタリング用
電源111により負の電圧を印加することで、電場と磁
気回路105によるトロイダル型トンネル状磁場107
との周辺で、マグネトロン放電が起こり、ターゲット1
01がスパッタされ、スパッタ粒子が基板ホルダー11
7に設置した基板118に堆積され薄膜が形成される。
トロンスパッタリング電極では、ターゲット面と平行に
通る磁力線の最も強い部分でプラズマ密度が高くなるた
め、ターゲット01上に、スパッタされる侵食領域(図
7の参照符号8)とスパッタされた粒子が再付着する領
域とができ、ターゲット101の侵食が不均一に進む。
このため、ターゲット101に対向して設置した基板1
18上に形成される薄膜の膜厚均一性を確保するために
は、ターゲット101の大きさや磁気回路105、ある
いはターゲット101と基板118との距離を充分調整
する必要がある。一般的には薄膜の膜厚均一性を確保す
るため、一辺が基板118の約2倍の大きさ、つまり、
基板118に対し約4倍の大きさの面積を有するターゲ
ット101が必要とされる。図8に均一性を確保するた
めに必要なターゲット101と基板118の大きさの関
係を示す。図8の(a)が必要なターゲット101と基
板118の平面図、図8の(b)が図8の(a)のA−
A’断面図である。例えば、基板118の大きさをφ3
00mmとすると、ターゲット101の直径は約φ60
0mm必要となってしまう。
等、スパッタリング技術を必要とする分野では基板の大
型化が進んでおり、それにともなうターゲットの大型化
が余儀なくされている。その結果、スパッタリング装置
の大型化による設備コストや設備占有面積の増大、メン
テナンス性の低下等が問題となってきている。また、タ
ーゲットの大型化はターゲットそのものの高額化や、複
雑な合金ターゲットではターゲットの製造そのものが不
可能という問題も生じる。さらに、ターゲットの一部分
が局所的に薄くなるので、大型で高価なターゲットの利
用効率が悪いという問題点がある。そこで、これらの問
題を解決するため、小型スパッタリング電極で、大型基
板(例えば、太陽電池やプラズマ・ディスプレイ・パネ
ルなどの大版化に対応可能な基板)への薄膜形成を可能
にする取り組みが幅広く行われてきている。
ゲット121aと傾斜角を持つ外周ターゲット121b
を組合わせ、2種類のターゲット121a,121bを
独立に制御してスパッタすることができるスパッタリン
グ電極を示す。この装置では、内周電磁石コイル122
aと外周電磁石コイル122bの電流を磁石用電源12
3により、それぞれ独立に制御することで内周ターゲッ
ト121aと外周ターゲット121bの磁場を最適化
し、さらにそれぞれのターゲット121a,121bへ
のスパッタ電力もスパッタリング用電源111により独
立して制御することができるので、大型基板118での
膜厚均一性の確保が可能となる。しかし、この磁場の調
整には微妙で複雑な制御が要求されるという問題があ
る。また、ターゲットの経時変化に対する膜厚均一性は
確保できても、化合物のスパッタリングや反応性スパッ
タリングにおいては、基板面内やロット間での膜組成や
構造などの薄膜物性に不均一性が生じるという問題があ
る。さらに、外周ターゲットはドーナツ状で傾斜角を持
つという複雑な形をしているため、ターゲットの高額化
につながるという問題がある。そこで、本発明は上記の
問題点を解決し、平板ターゲットを有する小型マグネト
ロンスパッタリング電極で、大型基板に形成される薄膜
の膜厚および膜質の均一性を向上させるスパッタリング
装置及び方法を提供するものである。
するため、以下のように構成している。本発明の第1態
様によれば、平板のターゲットを用いてスパッタリング
を行い、基板に薄膜を形成するスパッタリング装置にお
いて、スパッタリング電極自体、又は、該のスパッタリ
ング電極のターゲット裏面に設置した磁気回路を、これ
に対向した位置にある上記基板の面に大略平行にかつ上
記ターゲットの所定方向沿いに移動させる移動装置を有
するスパッタリング電極と、上記スパッタリング電極に
対向した位置で上記基板を保持するとともに、上記基板
の中心を軸に上記基板を自転させるための回転装置とを
有する基板ホルダーとを備えたことを特徴とするスパッ
タリング装置を提供する。
ト裏面に設置した上記磁気回路、あるいは上記スパッタ
リング電極を移動させる速度を制御する制御装置を備え
て、上記制御装置により上記移動装置による上記磁気回
路あるいは上記スパッタリング電極を移動させる速度を
制御して、上記移動方向沿いの上記基板の膜厚の均一性
を制御するようにした第1態様に記載のスパッタリング
装置を提供する。
転させる速度を制御するための制御装置を備えて、上記
制御装置により上記回転装置による上記基板の自転速度
を制御して、上記基板の縁沿い方向での膜厚の均一性を
制御するようにした第1又は2態様に記載のスパッタリ
ング装置を提供する。
ト裏面に設置した上記磁気回路、あるいは上記スパッタ
リング電極を移動させる速度を制御する第1制御装置
と、上記基板を自転させる速度を制御するための第2制
御装置と、上記2つの制御装置を制御する第3制御装置
とを備えて、上記第3制御装置により、上記第1制御装
置と第2制御装置とを制御して、上記第1制御装置によ
り上記移動装置による上記磁気回路あるいは上記スパッ
タリング電極を移動させる速度を制御しつつ、上記第2
制御装置により上記回転装置による上記基板の自転速度
を制御して、両速度を最適化させて上記基板面内での膜
厚の均一性を制御するようにした第1態様に記載のスパ
ッタリング装置を提供する。
トは平板の円形ターゲットであり、上記所定方向とは上
記ターゲットの直径方向沿いであるようにした請求項1
〜4のいずれかに記載のスパッタリング装置を提供す
る。
トは平板の矩形ターゲットであり、上記所定方向とは上
記ターゲットの矩形の長手又は短手方向沿いであるよう
にした請求項1〜4のいずれかに記載のスパッタリング
装置を提供する。
ットを用いてスパッタリングを行い、基板に薄膜を形成
するスパッタリング方法において、スパッタリング電極
自体、又は、該のスパッタリング電極のターゲット裏面
に設置した磁気回路を、これに対向した位置にある上記
基板の面に大略平行にかつ上記ターゲットの所定方向沿
いに移動させると同時に、上記スパッタリング電極に対
向した位置で上記基板を保持するとともに、上記基板の
中心を軸に上記基板を自転させるようにしたことを特徴
とするスパッタリング方法を提供する。
ト裏面に設置した上記磁気回路、あるいは上記スパッタ
リング電極を移動させる速度を制御して、上記移動方向
沿いの上記基板の膜厚の均一性を制御するようにした第
7態様に記載のスパッタリング方法を提供する。
転させる速度を制御して、上記基板の縁沿い方向での膜
厚の均一性を制御するようにした第7又は8態様に記載
のスパッタリング方法を提供する。
ット裏面に設置した上記磁気回路、あるいは上記スパッ
タリング電極を移動させる速度を制御する第1制御装置
と、上記基板を自転させる速度を制御するための第2制
御装置と、上記2つの制御装置を制御する第3制御装置
とを備えて、上記第3制御装置により、上記第1制御装
置と第2制御装置とを制御して、上記第1制御装置によ
り上記移動装置による上記磁気回路あるいは上記スパッ
タリング電極を移動させる速度を制御しつつ、上記第2
制御装置により上記回転装置による上記基板の自転速度
を制御して、両速度を最適化させて上記基板面内での膜
厚の均一性を制御するようにした第7態様に記載のスパ
ッタリング方法を提供する。
ゲットは平板の円形ターゲットであり、上記所定方向と
は上記ターゲットの直径方向沿いであるようにした第7
〜10態様のいずれかに記載のスパッタリング方法を提
供する。
ゲットは平板の矩形ターゲットであり、上記所定方向と
は上記ターゲットの矩形の長手又は短手方向沿いである
ようにした第7〜10態様のいずれかに記載のスパッタ
リング方法を提供する。上記本発明によれば、平板ター
ゲットを有する小型マグネトロンスパッタリング電極で
大型基板に形成される薄膜の膜厚および膜質の均一性を
向上することができる。
態を図面に基づいて詳細に説明する。まず、始めに、本
発明の2つの実施形態の概略について説明する。本発明
の第1実施形態にかかるスパッタリング装置及び方法
は、平板ターゲットを用いてスパッタリングを行い、基
板に薄膜を形成するスパッタリング装置において、スパ
ッタリング電極のターゲット裏面に設置した磁気回路、
あるいはスパッタリング電極自体を、対向した位置にあ
る基板面に平行に移動させるための移動装置を有するス
パッタリング電極と、そのスパッタリング電極に対向し
た位置で基板を保持するとともに、その基板の中心を軸
に基板を自転させるための回転装置を有する基板ホルダ
ーを備えたことを特徴としたものであり、小型マグネト
ロンスパッタリング電極で大型基板に形成される薄膜の
膜厚および膜質の均一性を向上するという作用を有す
る。
装置及び方法は、ターゲット裏面に設置した磁気回路、
あるいはスパッタリング電極自体を移動させる速度を制
御するための制御装置を備えたことを特徴としたもので
あり、大型基板に形成される薄膜の膜厚および膜質の均
一性をより一層向上するという作用を有する。さらに、
上記各実施形態にかかるスパッタリング装置及び方法で
は、基板を自転させる速度を制御するための制御装置を
備えて、大型基板に形成される膜厚の絶対値精度や極薄
膜の膜厚および膜質の均一性を向上させることができ
る。
実施形態にかかるスパッタリング装置及び方法につい
て、図1〜図3を参照して説明する。まず、上記スパッ
タリング装置のスパッタリング電極について図1、図2
を参照して説明する。図1の(a)は第1実施形態のス
パッタリング電極の平面図、図1の(b)は図1(a)
のA−A’断面図である。図1(a),(b)におい
て、1は円形の平板ターゲット、2はバッキングプレー
ト、3は真空シール用のOリング、4は電極本体、5は
磁場発生用の磁気回路、19は基板18の対向面と大略
平行にかつターゲット1の長手軸方向沿い(円形ターゲ
ットの場合には直径)上に延在しかつスパッタリング電
極32の両端部32a,32aで支持された磁気回路移
動用シャフトである。ターゲット1の裏面に設置された
磁気回路5は、磁気回路移動装置433によりシャフト
19に沿って往復移動することができる。すなわち、支
持ブラケット5aを介して、スパッタリング電極32の
一方の端部32aに固定されたモーター等の駆動装置
(図3(a)の33参照)により、ターゲット長手軸方
向をシャフト19に沿って矢印31に示すような往復運
動ができるように構成されている。この磁気回路移動装
置433の例としては、シャフト19をねじ軸としてス
パッタリング電極32の両端部32a,32aに回転自
在に支持させ、このねじ軸であるシャフト19に磁気回
路5の支持ブラケット5aを螺合させ、シャフト19を
駆動装置33の一例のモータで正逆回転させることによ
り、支持ブラケット5aを介して磁気回路5を往復移動
させることができる。
成のスパッタリング電極を用いてスパッタリングを行っ
た時のターゲット1から放出されるスパッタ粒子20の
時間変化の模式図を示す。電場と磁場によるマグネトロ
ン放電は、磁気回路5が存在するターゲット表面上での
み起こり、スパッタ粒子20はターゲット1の局所から
放出されるが、その磁気回路5を図1の矢印31のよう
に磁気回路移動装置433により移動させることでター
ゲット表面全体からのマグネトロンスパッタが可能とな
る。図3に上記のように構成されたスパッタリング電極
を用いた第1実施形態のスパッタリング装置を示す。図
3の(a)はスパッタリング装置の概略図、図3の
(b)はターゲット1と基板18の大きさ及び設置位置
の関係を示す図である。スパッタリング電極32は、絶
縁材10を介して、真空チャンバー9に設置され、か
つ、スパッタリング用電源11が接続されている。ま
た、磁気回路5には、上記したように、その磁気回路5
を移動させるため、モーター等の駆動装置33及びそ磁
気回路5移動速度を制御するための制御装置34が接続
されて、磁気回路移動装置433が構成されている。
ホルダー17は、真空チャンバー9内におけるスパッタ
リング電極32と対向し、かつ基板18の半径が少なく
ともターゲット1の長手軸方向(直径方向)上の内側
(図3(b)のa−a’内)となる位置に設置される。
また、基板ホルダー17には、基板18の中心を軸に基
板18を自転させるため、モーター等による回転装置3
5及びその回転速度を制御するための制御装置36が接
続されている。また、この制御装置36と磁気回路移動
装置433の制御装置34とは制御装置500により動
作制御されるようにして、必要に応じて、基板回転動作
と磁気回路移動動作とを関連付けて制御できるようにし
ている。なお、図3において従来例と同一物には共通の
符号を付し、その説明を省略する。また、その動作方法
も従来のマグネトロンスパッタリング装置と大略同一で
あるので、その説明は省略する。
う場合、まず、スパッタリング電極32に着目すると、
磁気回路5をターゲット裏面に設置し、磁気回路移動装
置433により、(実験やシュミレーションなどで基板
の径方向の膜厚分布が良くなる動作を決定するように)
ターゲット1の長手軸方向に時間を制御して矢印31の
ように往復運動ができるような構成にしているため、基
板18の径方向の膜厚均一性を制御することが可能とな
る。すなわち、このように往復移動できるようになった
ため、基板の径方向の膜厚均一性を制御することができ
る。次に、基板18の中心を軸に、回転装置35によ
り、基板18を回転できるような構成にしているため、
基板18の周方向での膜厚均一性を制御することも可能
となる。つまり、制御装置500により、磁気回路移動
装置433の制御装置34と基板18の回転装置35の
制御装置36とを制御することにより、磁気回路5の移
動速度と基板18の自転速度を上記制御動作と同様に膜
厚分布を良くするために最適化することができ、基板面
内での膜厚均一性の制御が可能となる。
433の制御装置34による磁気回路5の往復運動の速
度制御において、磁気回路5が基板18の中心に向かう
ときには移動速度を加速させ、逆に基板18の外周に向
かうときには減速させることで可能となる。ここで、こ
のように移動速度をそれぞれ変化させるのは、基板の回
転速度を一定とした場合には中心部分の方が外周部分よ
り膜厚が厚くなることから、中心部分より外周部分へ向
かう程、スパッタされている時間を長くして、単位時間
あたり単位面積に形成される薄膜の膜厚を一定にするた
めである。さらに、第1実施形態においては、ターゲッ
トの大きさに比較して磁気回路を小さくでき、そのよう
な小型の磁気回路を移動させてスパッタリングを行って
いるため、基板面内においてスパッタ粒子20の入射角
度に大幅な違いが生じない。すなわち、基板面内での膜
質の均一性向上にもつながる。
ゲット裏面を移動する磁気回路5の移動速度と自転する
基板18の自転速度とを制御装置500により最適に制
御することで、小型のスパッタリング装置で大型基板へ
の安定した膜厚および膜質を有する薄膜形成が可能とな
る。なお、第1実施形態においてはターゲット長手軸方
向の大きさをほぼ基板半径と同程度としたが、ターゲッ
ト1の製造が可能であれば基板18の直径程度に大きく
しても構わない。また、磁気回路5の形状は角型のほ
か、丸型でも構わない。
形態にかかるスパッタリング装置及び方法について、図
4〜図5を参照して説明する。まず、上記スパッタリン
グ装置のスパッタリング電極について図4を参照して説
明する。図4の(a)は第2実施形態のスパッタリング
装置のスパッタリング電極の平面図、図4の(b)は図
4(a)のA−A’断面図である。図4において、1は
円形の平板ターゲット、2はバッキングプレート、3は
真空シール用のOリング、4は電極本体、5は磁場発生
用の磁気回路、10はアース電位との絶縁材、7はアー
スシールド、19は基板18の対向面と大略平行にかつ
ターゲット1の長手軸方向沿い(円形ターゲットの場合
には直径)上に延在しかつ真空チャンバー9で両端が支
持された磁気回路及びスパッタリング電極移動用シャフ
トである。スパッタリング電極42には、スパッタリン
グ電極42を設置する真空チャンバー9内をモーター等
の駆動装置(図5(a)に示す駆動装置233)によ
り、シャフト19に沿って矢印31に示すような往復運
動ができるようにスパッタリング電極移動装置533が
設置されている。すなわち、支持ブラケット42aを介
して、スパッタリング電極42をシャフト19の一方の
端部に連結されたモーター等の駆動装置(図5(a)の
233)により、ターゲット長手軸方向をシャフト19
に沿って矢印31に示すような往復運動ができるように
構成されている。このスパッタリング電極移動装置53
3の例としては、シャフト19をねじ軸としてスパッタ
リング電極42の支持ブラケット42aと螺合させ、シ
ャフト19を駆動装置233の一例のモータで正逆回転
させることにより、支持ブラケット42aを介してスパ
ッタリング電極42を往復移動させることができる。以
上の構成のスパッタリング電極42を用いてスパッタリ
ングを行うと、従来例と同様に電場と磁場によるマグネ
トロン放電が発生し、マグネトロンスパッタが可能とな
る。
ング電極42を用いた第2実施形態のスパッタリング装
置を示す。図5の(a)は上記スパッタリング装置の概
略図、図5の(b)は上記スパッタリング装置のターゲ
ット1と基板18の大きさおよび設置位置の関係を示す
図である。スパッタリング電極42は真空チャンバー9
に設置され、スパッタリング用電源11が接続されてい
る。また、スパッタリング電極42にはそのスパッタリ
ング電極42を移動させるため、モーター等による移動
装置233およびその移動速度を制御するための制御装
置234が接続されている。薄膜が形成される基板18
を保持する基板ホルダー17は、真空チャンバー9内に
おけるスパッタリング電極42と対向し、かつ基板18
の半径が少なくともスパッタリング電極42の移動範囲
の内側(図5(b)のa−a’内)となる位置に設置さ
れる。また、基板ホルダー17には、基板18の中心を
軸に基板18を自転させるため、モーター等による回転
装置35及びその回転速度を制御するための制御装置3
6が接続されている。また、この制御装置36とスパッ
タリング電極移動装置533の制御装置234とは制御
装置500により動作制御されるようにして、必要に応
じて、基板回転動作とスパッタリング電極移動動作とを
関連付けて制御できるようにしている。なお、図5にお
いても従来例と同一物には共通の符号を付し、その説明
は省略する。またその動作方法も従来のマグネトロンス
パッタリング装置と大略同一であるので、その説明は省
略する。
う場合、まず、スパッタリング電極42に着目すると、
スパッタリング電極移動装置533により、スパッタリ
ング電極42自体が、(実験やシュミレーションなどで
基板の径方向の膜厚分布が良くなる動作を決定するよう
に)対向する位置に配置された基板18の径方向に時間
を制御して矢印31のように往復運動ができるような構
成にしているため、基板18の径方向の膜厚均一性を制
御することが可能となる。次に、基板18の中心を軸
に、回転装置35により、基板18を回転できるような
構成にしているため、基板18の周方向での膜厚均一性
を制御することも可能となる。つまり、制御装置500
により、スパッタリング電極移動装置533の制御装置
234と基板18の回転装置35の制御装置36とを制
御することにより、スパッタリング電極42の移動速度
と基板18の自転速度を上記制御動作と同様に膜厚分布
を良くするために最適化することで第1実施形態と同
様、基板面内での膜厚均一性の制御が可能となる。
ッタリング電極42の矢印31の往復運動の速度制御に
おいて、第1実施形態の場合と同様な理由で、スパッタ
リング電極42が基板18の中心に向かうときには移動
速度を加速させ、逆に基板18の外周に向かうときには
減速させることで可能となる。さらに、第2実施形態に
おいては小型のスパッタリング電極42を移動させてス
パッタリングを行っているため、基板面内においてスパ
ッタ粒子の入射角度に大幅な違いが生じない。すなわ
ち、基板面内での膜質の均一性向上にもつながる。以上
のように、第2実施形態においても、制御装置500に
より、スパッタリング電極自体の移動速度と自転する基
板18の自転速度とを膜厚分布を良くするように最適に
制御することで、小型のスパッタリング装置で大型基板
への安定した膜厚および膜質を有する薄膜形成が可能と
なる。
して、ターゲット製造上やコスト等の問題で、あまり大
型のターゲットが使用できないときに有効である。な
お、第2実施形態においてはスパッタリング電極42の
移動範囲をほぼ基板半径と同程度としたが、基板18の
直径程度に大きくしても構わない。また、スパッタリン
グ電極42の形状は角型のほか、丸型でも構わない。上
記各実施形態において、ターゲットの形状は円形に限ら
ず、矩形でもよい。この場合には、上記直径方向の代わ
りに、上記矩形の長手方向又は短手方向とする。
よれば、以上の説明から明らかなように、円形又は矩形
等の平板ターゲットを用いてスパッタリングを行い、基
板に薄膜を形成するスパッタリング装置及び方法におい
て、スパッタリング電極のターゲット裏面に設置した磁
気回路、あるいはスパッタリング電極自体を、対向した
位置にある基板面に平行にかつ上記ターゲットの直径方
法又は長手又は短手方向沿いに移動させるための移動装
置を有するスパッタリング電極と、そのスパッタリング
電極に対向した位置で基板を保持するとともに、その基
板の中心を軸に基板を自転させるための回転装置を有す
る基板ホルダーとを備えているので、小型マグネトロン
スパッタリング電極で大型基板に形成される薄膜の膜厚
および膜質の均一性を向上することができる。例えば、
従来、大型基板に対しては、さらに大型のスパッタリン
グ電極(面積にして約4倍)でしか均一性が得られなか
ったが、本発明ではそのように大型のスパッタリング電
極を使用する必要がない。
路、あるいはスパッタリング電極自体を移動させる速度
を制御するための制御装置を備えることにより、大型基
板に形成される薄膜の膜厚および膜質の均一性をより一
層向上することができる。すなわち、従来は、ターゲッ
トと基板のサイズ及び距離でほぼ膜厚や膜質が決定され
ていたが、小型のターゲットを移動させるため、理論上
は±1%以内の分布が可能となる。さらに、基板を自転
させる速度を制御するための制御装置を備えることで、
大型基板に形成される膜厚の絶対値精度(例えば、理論
上、絶対値に対して±1%以内の精度)や数ナノメータ
程度の極薄膜の膜厚および膜質の均一性を向上すること
ができる。
ッタリング装置のスパッタリング電極の平面図であり、
(b)は図1の(a)のA−A’断面図である。
放出されるスパッタ粒子の時間変化の模式図である。
ング電極を設置したスパッタリング装置の概略図であ
り、(b)はそのターゲットと基板の大きさおよび設置
位置の関係図である。
ッタリング装置のスパッタリング電極の平面図であり、
(b)は図4(a)のA−A’断面図である。
グ電極を設置したスパッタリング装置の概略図であり、
(b)はそのターゲットと基板の大きさおよび設置位置
の関係図である。
電極の平面図であり、(b)はそのA−A’断面図であ
る。
視図である。
の大きさの関係図であり、(b)はそのA−A’断面図
である。
置したスパッタリング装置の概略図である。
グネトロンスパッタリング電極の概略図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 平板のターゲット(1)を用いてスパッ
タリングを行い、基板(18)に薄膜を形成するスパッ
タリング装置において、 スパッタリング電極(32,42)自体、又は、該のス
パッタリング電極のターゲット裏面に設置した磁気回路
(5)を、これに対向した位置にある上記基板の面に大
略平行にかつ上記ターゲットの所定方向沿いに移動させ
る移動装置(433,533)を有するスパッタリング
電極と、 上記スパッタリング電極に対向した位置で上記基板を保
持するとともに、上記基板の中心を軸に上記基板を自転
させるための回転装置(35)とを有する基板ホルダー
(17)とを備えたことを特徴とするスパッタリング装
置。 - 【請求項2】 上記ターゲット裏面に設置した上記磁気
回路、あるいは上記スパッタリング電極を移動させる速
度を制御する制御装置(34,234)を備えて、上記
制御装置により上記移動装置による上記磁気回路あるい
は上記スパッタリング電極を移動させる速度を制御し
て、上記移動方向沿いの上記基板の膜厚の均一性を制御
するようにした請求項1に記載のスパッタリング装置。 - 【請求項3】 上記基板を自転させる速度を制御するた
めの制御装置(36)を備えて、上記制御装置により上
記回転装置による上記基板の自転速度を制御して、上記
基板の縁沿い方向での膜厚の均一性を制御するようにし
た請求項1又は2に記載のスパッタリング装置。 - 【請求項4】 上記ターゲット裏面に設置した上記磁気
回路、あるいは上記スパッタリング電極を移動させる速
度を制御する第1制御装置(34,234)と、上記基
板を自転させる速度を制御するための第2制御装置(3
6)と、上記2つの制御装置を制御する第3制御装置
(500)とを備えて、上記第3制御装置により、上記
第1制御装置と第2制御装置とを制御して、上記第1制
御装置により上記移動装置による上記磁気回路あるいは
上記スパッタリング電極を移動させる速度を制御しつ
つ、上記第2制御装置により上記回転装置による上記基
板の自転速度を制御して、両速度を最適化させて上記基
板面内での膜厚の均一性を制御するようにした請求項1
に記載のスパッタリング装置。 - 【請求項5】 上記ターゲットは平板の円形ターゲット
(1)であり、上記所定方向とは上記ターゲットの直径
方向沿いであるようにした請求項1〜4のいずれかに記
載のスパッタリング装置。 - 【請求項6】 上記ターゲットは平板の矩形ターゲット
(1)であり、上記所定方向とは上記ターゲットの矩形
の長手又は短手方向沿いであるようにした請求項1〜4
のいずれかに記載のスパッタリング装置。 - 【請求項7】 平板のターゲット(1)を用いてスパッ
タリングを行い、基板(18)に薄膜を形成するスパッ
タリング方法において、 スパッタリング電極(32,42)自体、又は、該のス
パッタリング電極のターゲット裏面に設置した磁気回路
(5)を、これに対向した位置にある上記基板の面に大
略平行にかつ上記ターゲットの所定方向沿いに移動させ
ると同時に、上記スパッタリング電極に対向した位置で
上記基板を保持するとともに、上記基板の中心を軸に上
記基板を自転させるようにしたことを特徴とするスパッ
タリング方法。 - 【請求項8】 上記ターゲット裏面に設置した上記磁気
回路、あるいは上記スパッタリング電極を移動させる速
度を制御して、上記移動方向沿いの上記基板の膜厚の均
一性を制御するようにした請求項7に記載のスパッタリ
ング方法。 - 【請求項9】 上記基板を自転させる速度を制御して、
上記基板の縁沿い方向での膜厚の均一性を制御するよう
にした請求項7又は8に記載のスパッタリング方法。 - 【請求項10】 上記ターゲット裏面に設置した上記磁
気回路、あるいは上記スパッタリング電極を移動させる
速度を制御する第1制御装置(34,234)と、上記
基板を自転させる速度を制御するための第2制御装置
(36)と、上記2つの制御装置を制御する第3制御装
置(500)とを備えて、上記第3制御装置により、上
記第1制御装置と第2制御装置とを制御して、上記第1
制御装置により上記移動装置による上記磁気回路あるい
は上記スパッタリング電極を移動させる速度を制御しつ
つ、上記第2制御装置により上記回転装置による上記基
板の自転速度を制御して、両速度を最適化させて上記基
板面内での膜厚の均一性を制御するようにした請求項7
に記載のスパッタリング方法。 - 【請求項11】 上記ターゲットは平板の円形ターゲッ
ト(1)であり、上記所定方向とは上記ターゲットの直
径方向沿いであるようにした請求項7〜10のいずれか
に記載のスパッタリング方法。 - 【請求項12】 上記ターゲットは平板の矩形ターゲッ
ト(1)であり、上記所定方向とは上記ターゲットの矩
形の長手又は短手方向沿いであるようにした請求項7〜
10のいずれかに記載のスパッタリング方法。
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