JPH11189629A - 活性エネルギー線硬化性組成物およびそれを用いた光学シート - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物およびそれを用いた光学シート

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JPH11189629A
JPH11189629A JP36660697A JP36660697A JPH11189629A JP H11189629 A JPH11189629 A JP H11189629A JP 36660697 A JP36660697 A JP 36660697A JP 36660697 A JP36660697 A JP 36660697A JP H11189629 A JPH11189629 A JP H11189629A
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彰 元永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明シート状基材との密着性に優れる光学シ
ートを生産性よく製造出来る活性エネルギー線硬化性組
成物を開発する。 【解決手段】 (A)特定のウレタンジ(メタ)アクリ
レート20〜60重量部、(B)特定のビスフェノール
系ジ(メタ)アクリレート10〜45重量部、(C)特
定のモノ(メタ)アクリレート10〜50重量部、
(D)分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有す
る化合物0〜30重量部、および(E)活性エネルギー
線官能性ラジカル重合開始剤0.01〜5重量部、(た
だし、(A)〜(D)成分の合計量100重量部とす
る。)を含有させて活性エネルギー線硬化性組成物を構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性エネルギー線
硬化性組成物およびそれを用いた光学シートに関する。
【0002】
【従来の技術】輝度向上用プリズムシート、プロジェク
ションテレビ用フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ
等の光学シートは、プレス法、切削法、押出し法等の方
法で製造されていた。いずれの方法も生産性が悪いた
め、現在は透明プラスチックシート等の透明シート状基
材の上に活性エネルギー線硬化性組成物によりプリズム
層、レンズ層等の光学樹脂層を形成する方法が利用され
ている(例えば、特公平1−35737号公報)。
【0003】この方法により従来法に比較して光学シー
トの生産性は大きく向上した。最近では、さらなる生産
性の向上を目指して活性エネルギー線硬化性組成物およ
び連続する透明シート(例えば、PETシート、ポリカ
ーボネートシート)と円筒金型を用いて、連続的に光学
シートを生産する方法が採用されている(特開平5−1
69015号公報等)。
【0004】しかしながら、このような連続生産方法に
おいては、ある程度の生産性の向上は図ることができる
ものの、必ずしも満足できるものではなかった。そこ
で、さらなる生産性の向上を図る方法として、連続生産
機のラインスピードを高速にすることが考えられるが、
この場合には、活性エネルギー線の照射量が相対的に低
下し、組成物の十分な硬化が行われず、得られた光学シ
ートの物性が不十分となる傾向があり、特に硬化樹脂層
と透明シート基材との密着性が得られないという問題点
があった。このため光学樹脂層を形成するのに用いられ
る活性エネルギー線硬化性組成物については、硬化性の
向上と密着性の向上が強く望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、優れた活性エネルギー線硬化性を有し、透明シー
ト状基材との密着性に優れた光学樹脂層を生産性よく形
成することができる活性エネルギー線硬化性組成物を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、特定構造を有す
るウレタンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール骨
格を有するジ(メタ)アクリレートおよび芳香族モノ
(メタ)アクリレートを特定の比率で配合し、かつ、該
配合物中の重合性官能基数を特定範囲にコントロールし
た硬化性組成物が活性エネルギー線による硬化が速く、
しかも低活性エネルギー線照射量でも透明基材シートと
の密着性が良好に発現されることを見いだし本発明を完
成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、(A)下記一般式
(I)
【化5】 で示されるウレタンジ(メタ)アクリレート20〜60
重量部、(B)下記一般式(II)
【化6】 で示されるビスフェノール系ジ(メタ)アクリレート1
0〜45重量部、(C)下記一般式(III) または下記一
般式(IV)
【化7】
【化8】 で示されるモノ(メタ)アクリレート10〜50重量
部、(D)分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を
有する化合物0〜30重量部、および(E)活性エネル
ギー線官能性ラジカル重合開始剤0.01〜5重量部
(ただし、(A)〜(D)成分の合計量を100重量部
とする。)を主成分として含有し、重合性官能基数が2
mmol/g以上であり、かつ硬化後の屈折率が1.5
2以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性
組成物にある。
【0008】さらに本発明は、上記の活性エネルギー線
硬化性組成物を硬化して得られるプリズム状形状の樹脂
層、またはレンズ形状の樹脂層が透明シート状基材上に
形成されてなる光学シートにある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の活性エネルギー線
硬化性組成物およびそれを用いた光学シートに関して詳
細に説明する。
【0010】なお、本明細書中に記載される化合物にお
いて、(メタ)アクリロイルオキシは、メタクリロイル
オキシおよびアクリロイルオキシを表わし、また、(メ
タ)アクリルはメタクリルおよびアクリルを表わし、さ
らに(メタ)アクリレートはメタクリレートおよびアク
リレートを表わす。
【0011】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物
(以下、硬化性組成物と略記する。)は、上記一般式
(I)で示されるウレタンジ(メタ)アクリレート
(A)、上記に一般式(II)で示されるビスフェノール
系ジ(メタ)アクリレート(B)、上記一般式(III) ま
たは(IV)で示されるモノ(メタ)アクリレート
(C)、分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有
する化合物(D)および活性エネルギー線官能性ラジカ
ル重合開始剤(E)を所定量含有して構成される。
【0012】本発明の硬化性組成物の第1成分である、
一般式(I)で示されるウレタンジ(メタ)アクリレー
ト(A)は、硬化性組成物に速硬化性と、該硬化性組成
物を硬化して得られる光学樹脂層と透明シート状基材と
の密着性を付与させる成分である。これらは、ベンゼン
環、イソホロン環を有する2官能イソシアネート化合物
と水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることに
より得られる。
【0013】2官能イソシアネート化合物と水酸基含有
(メタ)アクリレート化合物との反応は、例えば両者を
混合し、触媒としてジラウリン酸ジ−n−ブチル錫等の
錫化合物を用いて加熱することにより容易に得ることが
できる。反応が急激に起こる場合には、触媒とイソシア
ネート化合物を混合した溶液に水酸基含有(メタ)アク
リレート化合物を徐々に滴下して反応を行ってもよい。
また、触媒と水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を
混合した溶液にイソシアネート化合物を滴下してもよ
い。なお、上記の反応で得られるウレタンジ(メタ)ア
クリレートが高粘度となるときは、このウレタン化反応
に直接関係ない低粘度の(メタ)アクリレート化合物等
の反応希釈剤を使用してもよい。
【0014】ウレタンジ(メタ)アクリレート(A)の
合成に用いることのできる2官能イソシアネート化合物
は、分子内に芳香族環、脂肪族環構造を有するジイソシ
アネートである。具体例としては、m−キシリレンジイ
ソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1,
3−ビス(α,αジメチルイソシアネートメチル)ベン
ゼン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−ト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′
−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイ
ソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン
−4,4′−ジイソシアネート等を挙げることができ
る。得られる光学樹脂層の表面硬度、耐熱性を考慮する
と芳香族系のジイソシアネートの使用が好ましい。ま
た、活性エネルギー線照射による硬化時の黄変性を考慮
すると、イソホロンジイソシアネート、m−キシリレン
ジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、
1,3−ビス(α,αジメチルイソシアネートメチル)
ベンゼンの使用が好ましい。ウレタンジ(メタ)アクリ
レート(A)の合成に用いることのできる水酸基含有
(メタ)アクリレート化合物としては、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。本発明において
は、ウレタンジ(メタ)アクリレート(A)は、単独で
用いてもよいし、2種類以上を混合して使用してもよ
い。
【0015】本発明の硬化性組成物の第2成分である、
一般式(II)で示されるビスフェノール系ジ(メタ)ア
クリレート(B)は、硬化性組成物を硬化して得られる
光学樹脂層に柔軟性と高屈折率を付与するための成分で
ある。一般式(II)中、m,nはエチレンオキサイドま
たはプロピレンオキサイドによる変性数を表わし、2≦
m+n≦12である。m+nが2未満では、得られる光
学樹脂層に十分な柔軟性を付与することが困難となり、
また、一方、m+nが12を超えると得られる光学樹脂
層の表面硬度、耐熱性、屈折率が低下するようになる。
好ましくは、4≦m+n≦10とするのがよい。
【0016】本発明で用いられるビスフェノール系ジ
(メタ)アクリレート(B)の具体例としては、2,2
−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェ
ニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリ
ロイルオキシジエトキシフェニル]−プロパン、2−ビ
ス[4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェ
ニル]−プロパン、2−ビス[4−(メタ)アクリロイ
ルオキシテトラエトキシフェニル]−プロパン、2,2
−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキ
シフェニル]−プロパン等を挙げることができる。これ
らのビスフェノール系ジ(メタ)アクリレート(B)は
単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して使用して
もよい。
【0017】本発明の硬化性組成物の第3成分である、
一般式(III) または一般式(IV)で示される分子内に芳
香族環を有するモノ(メタ)アクリレート(C)は、屈
折率を下げることなく硬化性組成物の粘度を低下させて
作業性を向上させる成分である。本発明で用いることの
できるモノ(メタ)アクリレート化合物(C)の具体例
としては、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリ
レート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラ
クミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アク
リレート等を挙げることができる。
【0018】本発明の硬化性組成物の第4成分である、
分子内に少なくとも一つ以上の重合性二重結合を有する
化合物(D)は、硬化して得られる光学樹脂層に耐熱
性、表面硬度等の諸物性の付与あるいは硬化性組成物の
粘度を低下させて作業性を向上させる成分である。特に
本発明の硬化性組成物においては、高粘度のウレタンジ
(メタ)アクリレートを用いているので、組成物の粘度
を低下させ注型作業性を向上させるために、(D)成分
としては低粘度の(メタ)アクリレート化合物等を用い
るのが好ましい。
【0019】化合物(D)の具体例としては、例えば、 (1)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メ
タ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル
酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレング
リコールモノアルキルエーテル、(メタ)アクリル酸ポ
リプロピレングリコールモノアルキルエーテル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシ
ブチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、
(メタ)アクリル酸フォスフォエチル等のモノ(メタ)
アクリレート化合物; (2)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコ
ールのジ(メタ)アクリレート; (3)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリプ
ロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート; (4)1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1,6−ヘキサメチレングリコージ(メタ)アク
リレート、1,14−テトラデカメチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物の
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジ
ペートジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ
(メタ)アクリレート、シジクロペンタニルジ(メタ)
アクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチ
ルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,
3−ジオキサンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)
アクリレート化合物; (5)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート、ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシア
ヌレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルイ
ソシアヌレート、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキ
シフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリ
ロイルオキシエトキシフェニル]−スルフォン、ビス
[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニ
ル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオ
キシペンタエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4
−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニル
フェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロ
イルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]−ス
ルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェ
ニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイル
オキシエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−
(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]
−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシ
エトキシ−3−フェニルフェニル]−スルフィド、ビス
[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−
ジメチルフェニル]−スルフィド、ジ((メタ)アクリ
ロイルオキシエトキシ)フォスフェート、トリ[(メ
タ)アクロイルオキシエトキシ]フォスフェート等の多
官能(メタ)アクリレート化合物; (6)スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、ブ
ロモスチレン、ジビニルベンゼン、1−ビニルナフタレ
ン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン等の
ビニル化合物; (7)ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、
トリメチロールプロパンジアリル、ジアリルフタレー
ト、ジメタリルフタレート等のアリル化合物;等が挙げ
られる。 これらは1種もしくは2種以上の混合系で使用すること
ができる。
【0020】本発明の硬化性組成物の第5成分である、
活性エネルギー線官能性ラジカル重合開始剤(E)は、
紫外線や可視光線に代表される活性エネルギー線に感応
してラジカルを発生するものが好ましく、公知のものを
用いることができる。
【0021】本発明で用いられる(E)成分の具体例と
してはベンゾイン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ベンジ
ル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジ
エトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2
−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシア
セトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェ
ニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−
(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプ
ロパン−1等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラ
ムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド
などの硫黄化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフ
ィンオキサイド、カンファーキノン、ビス(シクロペン
タジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピロ
リル−1−フェニル)チタニウム等の可視光線感応性の
ラジカル重合開始剤等を挙げることができる。これらは
1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用い
てもよい。
【0022】これらの中でも、メチルフェニルグリオキ
シレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニ
ルエタン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィン
オキサイドの使用が好ましい。
【0023】本発明の硬化性組成物における(A)〜
(E)成分の割合は、(A)〜(D)成分の合計量を1
00重量部としたとき、(A)成分が20〜60重量
部、(B)成分が10〜45重量部、(C)成分が10
〜50重量部、(D)成分が0〜30重量部であり、そ
して(E)成分が、(A)〜(D)成分の合計量100
重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.0
2〜3重量部となるように配合される。
【0024】これは、(A)成分が20重量部未満で
は、硬化性組成物に十分な速硬化性ならびに硬化して得
られる光学樹脂層と透明基材シートとの十分な密着性が
得られなくなり、一方、60重量部を超えると硬化性組
成物の粘度が高くなり、注型重合の作業性が低下する。
(B)成分が10重量部未満では、硬化して得られる光
学樹脂層に柔軟性と高屈折率を付与することができなく
なり、一方、45重量部を超えると、光学樹脂層と透明
シート上基材との十分な密着性が得られない。(C)成
分が10重量部未満では、硬化性組成物の粘度が高くな
って作業性が低下し、また、50重量部を超えると光学
樹脂層と透明シート状基材との密着性が低下する。
(D)成分が30重量部を超えると硬化性組成物の速硬
化性ならびに光学樹脂層と透明シート状基材との密着性
が低下する。(E)成分が0.01重量部未満では硬化
性組成物の硬化性が不十分となり、また、5重量部を超
えると、光学樹脂層が黄変するようになる。等の理由に
よるためである。
【0025】本発明の硬化性組成物は、上記の成分を含
有して構成されるが、該硬化性組成物においては、重合
性官能基数が2mmol/g以上であることが重要であ
る。これは、硬化性組成物中の重合性官能基数が2mm
ol/g未満では本発明の硬化性組成物の特徴である速
硬化性と透明シート状基材との十分な密着性が達成され
なくなるためである。好ましくは重合性官能基数を3.
0mmol/g以上とするのがよい。
【0026】なお、ここで言う、重合性官能基とは、
(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽
和二重結合基を意味し、重合性官能基数は、(A)〜
(D)成分からなる組成物中の1gあたりの重合性官能
基総数を算出して求めた(但し、(A)〜(D)成分の
合計量を100gとした)。
【0027】さらに、本発明においては上記の硬化性組
成物の硬化後の光学樹脂層の屈折率が1.52以上であ
ることが重要である。これは、硬化後の光学樹脂層の屈
折率が1.52未満では輝度向上用プリズムシートによ
る十分な輝度向上効果を得ることができないためであ
る。
【0028】本発明の硬化性組成物の粘度については、
該硬化性組成物を金型に注入し透明シート状基材を重ね
合せる際の作業性の点から100〜1000mPa・s
であることが好ましい。これは、硬化性組成物の粘度が
1000mPa・sを超えると注型重合時の作業性が低
下し、また、一方、粘度が100mPa・s未満の場合
には、硬化性組成物を金型に注入し光学シートを製造す
る場合に流動性が高いために金型より流出しやすく、そ
のため硬化して得られる光学樹脂層の一定の厚みが確保
しにくくなったりするためである。注型作業は、一般的
に25〜40℃の範囲のある一定温度を選び行われるの
で、硬化性組成物は、25℃での粘度が100mPa・
s以上、40℃での粘度が1000mPa・s以下とす
ることが好ましい。
【0029】本発明の硬化性組成物には必要に応じて、
酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、ブルーイング
剤、顔料、沈降防止剤、消泡剤、帯電防止剤、防曇剤な
ど、各種の添加剤を含有させてもよい。
【0030】以上説明した本発明の硬化性組成物は、プ
リズムシート、フレネルレンズシート、レンチキュラー
レンズ等の光学レンズシート、特に液晶表示装置等のバ
ックライトに使用される輝度向上用プリズムシートに非
常に有用である。
【0031】次に、上記硬化性組成物を用いた本発明の
光学シートについて、本発明の光学シートの一例である
プリズムシートを例にとり説明する。
【0032】本発明に係るプリズムシートは、図1に示
すように透明シート状基材1と本発明の硬化性組成物を
硬化させたプリズム形状の光学樹脂層2から構成され
る。透明シート状基材1の材質は、活性エネルギー線が
通過する柔軟な硝子板でもよいが、一般的にはアクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメ
タクリルイミド樹脂、ポリエステル樹脂等の透明合成樹
脂フィルムの使用が望ましい。プリズム形状の光学樹脂
層2は、透明シート状基材1に直接に設けられるが、透
明シート状基材1とプリズム形状の光学樹脂層2との密
着性をより向上させるために、図2に示すように透明シ
ート状基材とプリズム形状の光学樹脂層とが接する面に
密着性向上のための表面処理4を施してもよい。表面処
理4としては、例えば、透明シート状基材1がポリエス
テル樹脂の場合にはアクリル樹脂やウレタン系樹脂等の
易接着層を形成したり、透明シート状基材1の表面を粗
面化処理する等の方法が挙げられる。また、透明シート
状基材1に帯電防止性能を付与してもよい。
【0033】本発明の光学シートの製造方法について、
プリズムシートの製造方法を例示して、以下に説明す
る。本発明の光学シートは、バッチ生産方式および連続
生産方式の何れの方法においても製造することができ、
本発明の組成物を光学樹脂層2に使用することによって
生産性を向上させることができる。まず、バッチ生産方
式について図3〜5に基づいて説明する。
【0034】プリズムシートを製造する際には、図3に
示すように、プリズムパターンを形成させたレンズ金型
6(図5)に硬化性組成物5を注入延伸した後、その上
面に透明シート状基材1を重ね合わせ、該シート状基材
1を通して活性エネルギー線を照射し硬化させる。その
後、図4に示すように透明シート状基材1とプリズム形
状の光学樹脂層2とが一体化したプリズムシート3をレ
ンズ金型6から剥離する。
【0035】活性エネルギー線発光光源としては、化学
反応用ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ラン
プ、メタルハライドランプ、可視光ハロゲンランプ、太
陽光等が使用できる。照射エネルギーとしては、200
〜600nmの波長の積算エネルギーが5〜500mJ
/cm2 となるように照射する。また、活性エネルギー
線の照射雰囲気としては、空気中でも良いし、窒素、ア
ルゴン等の不活性ガス中でもよい。
【0036】プリズムシートを形成するために使用す
る、レンズ金型6としては、アルミニウム、黄銅、鋼等
の金属製の型やシリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、ABS樹脂、フッソ樹脂あるいはポリメチルペン
テン樹脂等の合成樹脂から作った型または、上記材料に
メッキを施したものや各種金属粉を混合したものから製
作した型を用いることができるが、耐熱性や強度の面か
ら金属製の型を使用することが望ましい。
【0037】次に、連続生産方式について図6に基づい
て説明する。図中7は、レンズパターンを形成した円筒
形レンズ型であり、前記レンズ型6と同様の材料から製
作される。構造的には、円筒材料に直接プリズムパター
ンを形成したものや、プリズムパターンを形成した薄板
を芯ロールに巻き付け固定したもの等が使用される。図
中8は、円筒形レンズ型7に近接して配置されたニップ
ロールであり、透明シート状基材1と円筒形レンズ型7
との間に注入される硬化性組成物5の膜厚の均一化を図
るものである。ニップロール8としては、各種金属製ロ
ール、ゴム製ロール等が使用される。図中9は、硬化性
組成物5を貯蔵するタンクであり、貯蔵する組成物の温
度制御ができるようにタンク内部あるいは外部にシーズ
ヒータや温水ジャケット等の熱源設備が配置されてい
る。
【0038】タンク9に貯蔵された硬化性組成物5は、
配管を通って供給ノズル10から、透明シート状基材1
と円筒形レンズ型7との間に供給される。その後、硬化
性組成物5が、透明シート状基材1と円筒形レンズ型7
との間に保持され、硬化性組成物5が円筒形レンズ型7
に形成されたプリズムパターンに入り込んだ状態で、活
性エネルギー線発光光源11により透明シート状基材1
を通して活性エネルギー線を照射して、硬化性組成物5
を重合硬化させ、プリズムパターンを転写する。その
後、得られたプリズムシート3を円筒形レンズ型7から
剥離する。
【0039】活性エネルギー線発光光源11としては、
前記と同様に化学反応用ケミカルランプ、低圧水銀ラン
プ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、可視光ハ
ロゲンランプ、太陽光等が使用され、照射エネルギーと
しては波長200〜600nmの積算エネルギーが5〜
500mJ/cm2 となるように照射することが望まし
い。
【0040】以上、本発明の光学シートをプリズムシー
トを例にとり説明して来たが、プリズムシートの光学樹
脂層をレンズ形状の光学樹脂層に変更することにより、
フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等の光学シート
を得ることができる。
【0041】以下、合成例、実施例、比較例により本発
明をさらに詳しく説明するが、例中の部は重量部を表わ
す。
【0042】なお、合成例、実施例、比較例において用
いた略記号は以下の化合物を表わす。 UA1:合成例1で得られたウレタンジアクリレート UA2:合成例2で得られたウレタンジアクリレート UA3:合成例3で得られたウレタンジアクリレート UA4:共栄社油脂化学製、UF−8001(無黄変タ
イプオリゴウレタンアクリレート、2官能、分子量約4
500) POA:フェノキシエチルアクリレート BZA:ベンジルメタクリレート BISA:パラクミルフェノールエチレンオキサイド変
性アクリレート(東亜合成(株)製、アロニックスM−
110) BPE4EA:2,2−ビス[4−(アクリロキシジエ
トキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)
製、A−BPE−4) BPE10EA:2,2−ビス[4−(アクリロキシペ
ンタエトキシ)フェニル]プロパン(第一工業製薬製、
BPE−10) HDDA:1,6−ヘキサメチレングリコールジアクリ
レート HMPP:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
【0043】[合成例1]ウレタンジアクリレートUA
1の合成 5リットルのガラス製反応容器に、イソホロジイソシア
ネート(ダイセルヒュルス(株)製、分子量218.
3)(以下IPDIと略記する。)2183部、触媒と
してジラウリン酸ジ−n−ブチル錫6.4部および禁止
剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフ
ェノール6.4部を入れ、70℃に加温しながら撹拌し
て均一溶液にした。この系の温度を70℃に保ち撹拌し
ながら2−ヒドロキシプロピルアクリレート(大阪有機
化学工業(株)製、分子量130.1)2602部を5
時間かけて徐々に滴下した。さらにこの系の温度を70
℃に保ち8時間反応を続行してウレタンジアクリレート
UA1を得た。反応の終了は、IRスペクトル、イソシ
アネート当量の測定より行った。
【0044】[合成例2]ウレタンジアクリレートUA
2の合成 5リットルのガラス製反応容器に、IPDI 2183
部、触媒としてジラウリン酸ジ−n−ブチル錫を6.4
部および禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−
4−メチルフェノールを6.4部入れ、70℃に加温し
ながら撹拌して均一溶液にした。この系の温度を70℃
に保ち撹拌しながら2−ヒドロキシエチルアクリレート
(大阪有機化学工業(株)製、分子量116.1)23
22部を5時間かけて徐々に滴下した。さらにこの系の
温度を70℃に保ち8時間反応を続行してウレタンジア
クリレートUA2を得た。反応の終了は、IRスペクト
ル、イソシアネート当量の測定により行った。
【0045】[合成例3]ウレタンジアクリレートUA
3の合成 5リットルのガラス製反応容器に、キシリレンジイソシ
アネート(武田薬品工業(株)製、タケネート500、
分子量194.2)1942部、触媒としてジラウリン
酸ジ−n−ブチル錫を2.0部および重合禁止剤として
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
を1.3部入れ、60℃に加温しながら撹拌して均一溶
液にした。この系の温度を70℃に保ち撹拌しながら2
−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業
(株)製、分子量116.1)2322部を5時間かけ
て徐々に滴下した。さらにこの系の温度を70℃に保ち
8時間反応を続行してウレタンジアクリレートUA3を
得た。反応の終了は、IRスペクトル、イソシアネート
当量の測定により行った。
【0046】[実施例1] (イ)硬化性組成物の調製 合成例1で得られたウレタンジアクリレートUA1 4
5部、BPE10EA45部、POA 10部およびH
MPP(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン、チバガイギー製 Darocure
1173)2部を50℃でよく混合して均一溶液とし、
注型作業温度である40℃まで冷却し保温した。表1に
この硬化性組成物の特性値を示した。
【0047】(ロ)プリズムシートの作製 硬化性組成物5を図6に示した製造装置を用いてプリズ
ムシートを製造する。円筒形レンズ型7は、ピッチ50
μm、頂角95°の断面二等辺三角形のプリズム列を多
数連接して形成した黄銅製の薄板に無電解ニッケルメッ
キを施したものを、直径220mm、長さ450mmの
ステンレス製の円筒状芯ロールに巻き付け固定したもの
を用いた。円筒形レンズ型7とゴム製のニップロール8
との間に、円筒形レンズ型7の表面に巻き付くようにし
て片面に密着性向上処理を施したPETフィルム(東洋
紡社製A4100、厚さ188μm)を、処理面が円筒
形レンズ型側となるように装置内に導入した。次いで、
タンク9に供給され40℃に保持した硬化性組成物5を
供給ノズル10から、円筒形レンズ型7と透明シート状
基材1との間に供給した。円筒形レンズ型7は、6m/
分の速度で回転させた。供給された組成物5が、透明シ
ート状基材1と円筒形レンズ型7との間に保持された状
態で、9.6kW(120W/cm)の紫外線照射装置
11により、照射量(積算エネルギー)が200mJ/
cm2 となるように紫外線を照射し、硬化性組成物5を
硬化・賦型した後、円筒形レンズ型7から剥離してプリ
ズムシート3を得た。
【0048】得られたプリズムシートを次の方法で評価
した。結果を表2に示した。
【0049】(1)硬化性 得られたプリズムシートの表面を人差し指で触れ、タッ
クの有無から硬化性を判断した。 ○:タックが認められない。硬化性良。 ×:タックが認められる。硬化不良。
【0050】(2)透明性 調整した硬化性組成物の透明性を目視判定した。 ○:透明である。 ×:濁りがあり、白濁している。
【0051】(3)密着性 プリズム列面側にカミソリで基材フィルムに達する傷を
2.0mmの間隔で縦、横それぞれ11本入れ、100
個のます目を作り、セロハンテープ(幅25mm、ニチ
バン製)をプリズム面に密着させて急激に剥がした後、
ます目の剥がれの程度で判断した。 ○:剥がれが0〜4/100。 ×:剥がれが5/100以上。
【0052】(4)曲げ性 得られたプリズムシートを半径5cmの円筒に巻き付け
たときプリズム層のクラックなどの破損状況から曲げ性
を判断した。 ○:クラック等の破損が発生しなかった。 ×:クラック等の破損が発生した。
【0053】(5)組成物の注入作業性 硬化性組成物のプリズム金型への注入作業性、および基
材シートのラミネート性を判定した。 ○:作業し易い。 ×:泡等を巻き込み作業し難い。
【0054】(6)プリズムの屈折率の測定 径65mm、厚さ3mmの二枚の円形ガラス板を対向さ
せ、その外周をポリエステルテープで巻いて固定しガラ
ス板の間隔が1mmである鋳型を作製した。次いで、そ
の鋳型中に上記の硬化性組成物を注入した後、硝子板の
片面から高圧水銀ランプにより数秒間紫外線を照射して
硬化性組成物を硬化させた。次いで、その硬化した樹脂
板を鋳型より取り出して、アッベ屈折率計により、ナト
リウムD線光線による屈折率を測定した(20℃)。
【0055】[実施例2〜6、比較例1、3]表1に示
した硬化性組成物、および表2に示した注型作業温度な
らびに硬化照射量を用いた他は、実施例1と同様にして
プリズムシートを作製し、実施例1と同様にして評価し
た。その結果を表2に示した。
【0056】[実施例7]表1に示した割合で各成分を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物
5を調整した。この硬化性組成物を、ピッチ50μm、
頂角(α)95°の断面二等辺三角形のプリズム列を多
数連接して形成した黄銅製の概略Aサイズのレンズ金型
6(図5)の上に、注入、塗布した。次いで、図3に示
したように、概略同サイズの、片面に密着性向上処理を
施したPETフィルム(東洋紡(株)製、A4100、
厚さ188μm)を、処理面を組成物に接するように重
ね合わせた。その後、PETフィルムの上部30cmの
ところに設置した6.4kW(80W/cm)の高圧水
銀ランプにより、照射量が200mJ/cm2 となるよ
うに数秒間紫外線を照射し、硬化性組成物を硬化・賦型
した後、金型から剥離してプリズムシートを得た。硬化
性組成物およびプリズムシートを実施例1と同様にして
評価した。その結果は表2に示した。
【0057】[比較例2]表1に示した割合で各成分を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物
を調整した。この組成物を、実施例1と同様にしてプリ
ズムシートを作製した。一方、この組成物を用いて、円
筒形レンズ型7は、1.2m/分の速度で回転させる以
外は、実施例1と同様にしてプリズムシートを作製し
た。硬化性組成物およびプリズムシートを実施例1と同
様にして評価した。その結果は表2に示した。
【0058】[比較例4]実施例1において、UA1を
UA4に変更した以外は実施例7と同様にしてプリズム
シートを作製し、実施例1と同様にして評価した。その
結果を表2に示した。この例においては、硬化性組成物
の重合性官能基数が1.88mmol/gと低かったた
め、PETシートとプリズム層との密着性が不十分であ
った。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、活性エネルギ
ー線による硬化性がよく、透明シート状基材との密着性
にも優れているため、該硬化性組成物を光学シートの光
学樹脂層とすることによりプリズムシート、フレネルレ
ンズシート、レンチキュラレンズ等の光学シートを効率
よく生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学シートの一例であるプリズムシー
トの要部拡大側断面図。
【図2】本発明の光学シートの一例であるプリズムシー
トの他の構成例を示す要部拡大側断面図。
【図3】プリズムシートの製造における硬化性組成物の
注型工程の概要を示す断面図。
【図4】プリズムシートの製造におけるプリズムシート
の離型工程の概要を示す断面図。
【図5】プリズムシートの製造に用いられるプリズム金
型の一例を示す斜視図。
【図6】本発明のプリズムシートを製造するための製造
装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1…透明シート状基材 2…プリズム形状樹脂層 3…プリズムシート 4…表面処理層 5…硬化性組成物 6…レンズ金型 7…円筒形レンズ型 8…ニップロール 9…タンク 10…供給ノズル 11…活性エネルギー線発光光線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 1/04 G02B 1/04 3/00 3/00 A 5/02 5/02 C 5/04 5/04 A // C08J 5/00 CEY C08J 5/00 CEY

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(I) 【化1】 で示されるウレタンジ(メタ)アクリレート20〜60
    重量部、 (B)下記一般式(II) 【化2】 で示されるビスフェノール系ジ(メタ)アクリレート1
    0〜45重量部、 (C)下記一般式(III) または下記一般式(IV) 【化3】 【化4】 で示されるモノ(メタ)アクリレート10〜50重量
    部、 (D)分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有す
    る化合物0〜30重量部、および (E)活性エネルギー線官能性ラジカル重合開始剤0.
    01〜5重量部(ただし、(A)〜(D)成分の合計量
    を100重量部とする。)を主成分として含有し、重合
    性官能基数が2mmol/g以上であり、かつ硬化後の
    屈折率が1.52以上であることを特徴とする活性エネ
    ルギー線硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 活性エネルギー線硬化組成物の25℃で
    の粘度が100mPa・s以上、40℃での粘度が10
    00mPa・s以下であることを特徴とする請求項1記
    載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の活性エネルギー線硬化性
    組成物を硬化して得られるプリズム形状の樹脂層、また
    はレンズ形状の樹脂層が透明シート状基材上に形成され
    てなる光学シート。
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