JPH11188454A - 鋳型用砂 - Google Patents

鋳型用砂

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JPH11188454A JP35701597A JP35701597A JPH11188454A JP H11188454 A JPH11188454 A JP H11188454A JP 35701597 A JP35701597 A JP 35701597A JP 35701597 A JP35701597 A JP 35701597A JP H11188454 A JPH11188454 A JP H11188454A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳込み温度が高くおよび/かつ肉厚の大型鋳
鋼品を作製するに使用できうる鋳型用砂、すなわち耐火
度が高く低膨張性で球形を有する鋳型用砂を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 ニッケル鉱滓の溶融スラッグから得られ
る、2MgO・SiO2を主成分とし、耐火温度が約1
450℃であり、粒形係数が1.2以下である球状砂単
独またはこの球状砂と他の粒状のシリカサンドとの混合
物である骨材が、注湯時に該骨材の相互結着を維持し、
注湯後に該骨材相互の結着を崩壊させうる樹脂で被覆さ
れてなる鋳型用砂を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳型用砂に関す
る。更に詳しくは、本発明は鋳込み温度が高くおよび/
かつ肉厚の大型鋳鋼品を作製するに使用できうる低膨張
性鋳型用砂に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳物工業において鋳型を製作する方法の
一つとして、例えばシェルモールド法がある。シェルモ
ールド法は、ヘキサメチレンテトラミンを添加したノボ
ラック樹脂(粘結剤)をもって被覆したレジンコーテッ
ドサンド(以下RCSと略記する)を、予熱した金型上
に充填させてシェル型を作製する方法である。この場合
樹脂で被覆される骨材である鋳物砂としてはシリカサン
ドが最も一般的である。なお、シリカサンドは、SiO
2 含有量が90%以上の高純度ケイ砂である。この高純
度ケイ砂は、優れた耐熱性と高強度を有し、樹脂との濡
れ性もよいので各種鋳物用に広く使用されている。
【0003】しかし、この高純度ケイ砂を骨材として用
いた鋳型(特に中子)は、注湯によってかなり膨張する
ため鋳物の寸法精度の向上に充分対応することができな
いので、それに代わる好適な鋳物砂が望まれていた。本
発明者らは、先にMgO・SiO2 (エンステタイト)
を主成分とするニッケル鉱滓からなる鋳物砂が低膨張性
に優れていることを見出している。更に本発明者らは、
その鋳物砂(以下NEサンドと略記する)を骨材とした
RCSが、その優れた低膨張特性により高度な寸法精度
を要求される製品(たとえば自動車部品など)を作製す
る際に鋳型材料として極めて好適に用いられることを見
出している(特公平6−9726号および「鋳型造型
法」322頁社団法人日本鋳造技術協会発行)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このRCSを
中子として使用した場合、振動やノック圧が低いバラシ
の現場作業条件下では中子の崩壊性の点で問題を生じる
場合があり、なお改善の余地がある。この原因として
は、NEサンドが低膨張であるが故に注湯時の熱膨張に
伴う砂の移動が少ないことに起因すると思われる。
【0005】また、NEサンドを主成分とする鋳型用砂
は、耐火度が1250℃と低い。そこで鋳鋼鋳物を鋳造
する場合には、鉄の溶融温度が1500から1600℃
と高いために、この鋳型用砂は使用できない。さらに、
このNEサンドは多角型の粒状骨材であるため、粒形を
向上させるためには磨鉱処理等する必要がある。しかし
磨鉱処理による球形化には限界があるため、NEサンド
を主成分とする鋳型用砂は比較的小物鋳物製品の作製に
使用が限定されている。
【0006】そこで、鋳込み温度が高くおよび/かつ肉
厚の大型鋳鋼品を作製するに使用できうる鋳型用砂、す
なわち耐火度が高く低膨張性で球形を有する鋳型用砂が
強く望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ニッケ
ル鉱滓の溶融スラグから得られる、2MgO・SiO 2
を主成分とし、耐火温度が約1450℃であり、粒形係
数が1.2以下である球状砂単独またはこの球状砂と他
の粒状のシリカサンドとの混合物である骨材が、注湯時
に該骨材の相互結着を維持し、注湯後に該骨材相互の結
着を崩壊させうる樹脂で被覆されてなる鋳型用砂が提供
される。本発明者は、この鋳型用砂が、鋳込み温度の高
い鋳鋼品および鋳鉄品の作製に用いる鋳型材料に適して
いることを見出した。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の球状砂は、天然のニッケ
ル鉱石を電気炉で溶融させ、副産物として発生した溶融
スラグから得ることができる。本発明の球状砂は、2M
gO・SiO 2 (フォルステライト)を主成分とし、低
膨張性で、耐火度は1450℃程度である。
【0009】また、本発明の球状砂の粒形係数は1.2
以下、好ましくは1.1から1である。球形状骨材は、
その表面積が多角型の粒状骨材に比べ小さいため、少な
い樹脂添加量で骨材の表面を覆うことができる。その結
果、注湯時には湯の圧力に充分耐えうるだけの強度を維
持でき、かつ鋳込み後における崩壊性が有効な鋳型砂と
なり得ることができる。なお、上記粒形係数は、砂表面
積測定器(ジョージ・フィッシャー社製)を用いて算出
した値を意味する。すなわち、粒形係数とは1g当たり
の実際の砂粒の表面積を理論的表面積で割った値をい
う。ここで、理論的表面積とは、砂粒が全て球形である
と仮定した場合の表面積をいう。従って、粒形係数が1
に近いほど球に近い形状であることを表している。
【0010】本発明の球状砂の粒度分布は、好ましくは
30μmから850μm、より好ましくは53μmから
590μmである。ここで、本発明の球状砂の粒度分布
とは、JISの鋳物砂の粒度試験法(Z2601)に準
じて測定した値をいう。この方法を概略的に説明する
と、例えばふるいの呼び寸法が30μmのふるいの上に
850μmのふるいを重ね、850μmのふるいの上に
原料砂を載せ、ロータップ型ふるい機等のふるい分け機
械を使用し、2つのふるい間に残った砂を、粒度分布3
0μmから850μmの球状砂と称する。
【0011】本発明の球状砂は、ニッケル鉱滓の溶融ス
ラグを風砕処理して得ることができる。風砕処理とは、
風砕機の中で、ブロワーにより送られた風によって細か
く球状化するものである。なお細かく球状化された球状
砂は、必要に応じて比重選鉱および磁力選鉱により規定
の粒度に分級される。
【0012】本発明の球状砂は、そのままの状態で使用
することもできるが、さらに磨鉱処理を行なうことによ
り、鋳型の強度向上および鋳型成形硬化速度の短縮効果
が得られる。磨鉱処理としては、公知の乾式法または湿
式法のいずれも適用することができる。通常の場合は、
乾式磨鉱処理が採用される。ここでは湿式磨鉱処理を用
いるのが好ましい。これは、磨鉱処理によって生じる所
望の粒度より小さい砂を、磨鉱処理時の水洗によって同
時に取り除くことができるからである。湿式磨鉱処理の
ための装置としては、スクラビング磨鉱機(トラフ式磨
鉱機)を用いることができる。本トラフ式磨鉱機は、本
発明者が以前に提案したものである(特公平4−485
82号)。磨鉱処理は、トラフ式磨鉱機を用いて、パル
プ濃度、すなわち本発明の球状砂と水との比率が、重量
比で1:0.1から0.25の条件で行なうのが好まし
い。
【0013】本発明の球状砂は単独でも用いることがで
きるが、他の粒状シリカサンドと混合することにより、
耐火性をさらに向上することができる。すなわち、他の
粒状シリカサンドを混合することにより、焼着のような
鋳物用砂の欠点が補われる。他の粒状シリカサンドとし
ては、天然及び人造シリカサンドまたは再生砂のいずれ
でもよい。他の粒状シリカサンドの組成としては、Si
2 含有量が少なくとも85%以上が好ましく、90%
以上がより好ましい。その場合、混合割合は本発明の球
状砂が、本発明の骨材中好ましくは10重量%以上、さ
らに好ましくは10から90重量%である。
【0014】本発明で用いられる粒状シリカサンドの粒
度分布は、好ましくは30μmから850μm、より好
ましくは53μmから590μmである。また、本発明
で用いられる粒状シリカサンドの粒形係数は、好ましく
は1.5から1.2、より好ましくは1.4から1.2
である。
【0015】本発明の樹脂は、注湯時に該骨材の相互結
着を維持し、かつ注湯後に該骨材相互の結着を崩壊させ
うる性質を有する樹脂であれば特にこれに限定されな
い。本発明に用いる樹脂としては、例えば、フェノール
系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、不飽和ポリエ
ステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアリルフタレート系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ケイ素系樹脂、ポリイミド
系樹脂等が挙げられるが、特にこれに限定されない。こ
のうち、ノボラック樹脂、フェノール樹脂またはレゾー
ル樹脂等のフェノール系樹脂が好ましい。ここで、注湯
時の温度が高い金属を使用する場合(例えば、鉄の場合
注湯時の温度は、通常1300から1600℃であ
る)、該温度でも上記性質を有する樹脂を使用すること
が特に好ましい。そのような樹脂の例としては、AVラ
イト樹脂(旭有機社製)等が挙げられる。また、本発明
に用いる樹脂の平均分子量は、400から600が好ま
しい。
【0016】本発明に用いる樹脂の添加量としては、骨
材相互の結着に必要な最低量であればよい。必要以上に
添加するとその後の加熱により樹脂が硬化し、強度が発
現し、鋳込後における崩壊性が悪化する。具体的には、
樹脂の添加量としては、本発明の骨材100重量部当た
り3から1重量部が好ましく、より好ましくは2.5か
ら1重量部である。
【0017】本発明に用いる樹脂による被覆方法として
は、特に限定されないが、ドライホット法、セミホット
法、コールド法等が挙げられる。本発明に用いるには、
被覆される樹脂の量を少なくすることができるので、ド
ライホット法が好ましい。
【0018】より具体的な被覆方法としては、例えば社
団法人 鋳造技術普及協会のJACTレジンコーテッド
サンド製造作業基準のドライホット法と同様の手順が挙
げられる。すなわち、樹脂としてフェノール樹脂を用い
た場合、本発明の骨材を130から160℃の温度で加
熱し、そこに樹脂を添加して混練することにより樹脂を
溶融する。次いで100から110℃の温度に下げ、ヘ
キサメチレンテトラミン、パラホルムアルデヒド、トリ
オキサン等の硬化剤を例えば水溶液として添加して更に
混練し硬化させることにより骨材が崩壊し、本発明の鋳
型用砂を得ることができる。滑剤は、硬化剤を添加した
後、原料である骨材が崩壊しはじめた段階で添加するこ
とが好ましい。なお、レゾール樹脂の場合は、硬化剤は
必要とされず、単に加熱することにより本発明の樹脂で
被覆された鋳型用砂を得ることができる。
【0019】本発明の鋳型用砂は、鋳造品を作製する際
の鋳型材料として使用できる。鋳造品としては、最も複
雑な構造を有し、かつ鋳肌表面の美しさ、寸法精度が要
求されるものにも使用できる。具体的な鋳造品の例とし
ては、建設機械鋳物の油圧バルブが挙げられる。
【0020】本発明の鋳型用砂を利用する鋳型造型法と
しては、シェルモールド法が望ましい。
【0021】なお本発明の骨材は、フェノール樹脂と有
機エステルがアルカリ金属により硬化するアルファセッ
ト法、フェノール樹脂及びポリイソシアネートが第3級
アミン存在下にフェノールウレタン樹脂を作製し硬化す
るイソキュア法、フェノール樹脂及びギ酸メチルを用い
るベータセット法、フェノール樹脂及びポリイソシアネ
ートが塩基性触媒存在下にフェノールウレタン樹脂を作
製し硬化するヘプセット法、フラン樹脂及び酸性触媒を
用いるフラン鋳型法等に使用されてもよい。その際、本
発明の骨材の他に、有機粘結剤および滑剤のような鋳型
作製の際に慣用されている添加剤を加えてもよい。
【0022】本発明の鋳型用砂を用いて作製された鋳型
は、鋳込み後の鋳型割れ、ベーニング、焼着などの欠点
が解消することができる。また該鋳型は、注湯後振動等
により容易に崩壊することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。
【0024】本発明の球状砂の製造方法を図1に示す。
まず、図1に示すように天然のニッケル鉱石を乾燥機で
乾燥し、その後ロータリーキルンで無煙炭および石灰石
を配合し、電子炉で製錬した。その際生じた溶融スラグ
を風砕し、さらに選鉱(比重選鉱、磁力選鉱)を行なっ
て本発明の球状砂を得た。この球状砂の粒度は30から
850μmであった。得られた本発明の球状砂の粒形写
真(×25)を図2に、比較として風砕処理を行なって
いない多角形粒状砂(70メッシュ単一粒子径)の粒形
写真(×25)を図3に示す。また、得られた球状砂の
化学成分を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実施例1 骨材として本発明の球状砂を単独で使用した。本発明の
球状砂以外の添加剤の配合は、表2に示す。この本発明
の球状砂を150℃で加熱した後、フェ ノール樹脂を
添加して混練した。次いで、温度を105℃に下げ、こ
の温度でヘキサメチレンテトラミン水溶液(硬化剤)を
本発明の球状砂100重量部に対して1.83重量部添
加して混練し、更に冷風を吹き込みながら混練した。更
に、流動性を高めるためにステアリン酸カルシウム(滑
剤)を本発明の球状砂100重量部に対して0.05部
添加して混練することにより、本発明の鋳物用砂を得
た。
【表2】
【0027】比較実施例1−4 比較実施例としては、市販のNEサンド(比較実施例
1)、一般シリカ砂(比較実施2)、再生シリカ砂(比
較実施例3)、高純度ケイ砂のフラタリーサンド(比較
実施例4)を骨材とし、実施例1と同様に製造した。な
お、NEサンドはNE−6号(山川産業製)、一般シリ
カ砂は、KC−6(掛津ケイ砂)およびSA−6(島根
ケイ砂)(山川産業製)、フラタリーサンドはフラタリ
ー(オーストラリアケイ砂)(山川産業製)を使用し
た。再生シリカ砂は、山川産業により再生された砂を使
用した。
【0028】実施例2 更に実施例2は、本発明の球状砂を磨鉱処理したものを
骨材とし、実施例1と同様に製造した。
【0029】実施例1および2ならびに比較実施例1か
ら4で製造したRCSについて、粒度指数、抗折力、ベ
ンド値、800℃および1000℃における熱膨張率、
および粒形係数を測定した。その結果を表3に示す。
【0030】表3で用いたRCSの特性の測定方法は、
以下のとおりである。粒度指数は、AFS法に準じて測
定した。抗折力は、JIS法に準じて測定した。具体的
には、JISK−6910法に準じて測定した。ベンド
値は、JACT法に準じて測定した。具体的には、SM
−3法に準じて測定した。
【0031】800℃および1000℃における熱膨張
率は、示差式熱膨張測定機を用いて測定した。粒形係数
は、砂表面積測定器を用いて測定した。
【0032】
【表3】
【0033】表3の結果から、実施例1のRCSはフラ
タリーサンド以外の他のシリカ砂のRCS(比較実施例
1から3)に比べて高い抗折力を有している。このこと
は、本発明の球状砂が球形であることに由来する効果
と考えられる。
【0034】ベンド値に関しては、実施例1のRCSは
フラタリーサンド以外の他のシリカ砂のRCS(比較実
施例2および3)の場合と同様の値を有している。さら
に実施例1のRCSは、従来から用いられているNEサ
ンド(多角形粒状砂)のRCS(比較実施例1)に比べ
て低い値を有している。このことは、本発明の球状砂が
NEサンドの欠点である焼成速度の遅さを改善できうる
ことを示している。
【0035】さらに、表3の結果から、磨鉱処理を行な
った球状砂のRCS(実施例2)は、フラタリーサンド
のRCS(比較実施例4)に比べ高い抗折力および低い
ベンド値を有している。このことは、磨鉱処理を行なっ
た本発明の球状砂が高純度ケイ砂のフラタリーサンドに
劣らず優れた鋳物用砂であることを示している。
【0036】実施例3a−3i 本発明の球状砂と他の粒状フラタリーシリカサンドを表
4に示す割合で混合し、骨材とした。その表4に示す混
合割合の骨材は、表2に示す配合を用い実施例1と同様
にフェノール樹脂で被覆した(実施例3a−3i)。混
合割合により、試料3aから3iとする。その表4に示
す混合割合の樹脂で被覆した鋳物用砂について、それぞ
れ鋳込み試験を行なった。まずその樹脂で被覆した鋳物
砂を用い、建設機械鋳物の油圧バルブ(製品重量25k
g)の中子型を250℃・90秒で焼成した。次に同じ
鋳物砂で中子造型と同様に主型および押湯型を造型し
た。造型した主型および押湯型にさきの中子をセット
し、約1470℃の鋳鉄(FC300)の溶湯を注湯し
た。鋳込み冷却後(鋳込み終了時より2時間放置後)、
鋳型割れについて観察した。その後、鋳型をコアノック
により崩壊し、ベーニングおよび焼着に関して中子面を
観察した。その結果を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】表4より、本発明の球状砂が骨材に対し少
なくとも10重量%以上の場合に好ましい鋳型が得られ
ることがわかった。この結果より、本発明の球状砂と他
の粒状フラタリーシリカサンドの混合割合は、本発明の
球状砂が好ましくは骨材中10から90重量%である。
【0039】
【発明の効果】本発明の鋳物用砂は、高温での鋳込みに
耐えられ、鋳鋼や鋳鉄に好適に用いられる。また本発明
の鋳物用砂は、低膨張性であり、鋳造品において砂の膨
張に起因する鋳造欠陥(ベーニングおよび鋳型割れな
ど)を防止し、複雑な鋳造品の寸法精度の要求に対応で
きることを特徴とする。
【0040】さらに本発明の鋳物用砂は球形であること
から、少ない樹脂添加量でその表面を覆うことができ、
かつ経済的である。さらに本発明の鋳物用砂は鋳込み後
における鋳型の崩壊性が良好である。また本発明で用い
る球状砂は、ニッケル精錬に発生するニッケル鉱滓を風
砕処理し、容易に得られるものである。本発明の鋳物用
砂は、その優れた特性により、鋳物工場で特殊砂として
採用されている高価なジルコンサンドおよびセラミック
サンド(セラビーズまたはムライトサンド)に代替する
ことが充分可能である。また、この代替により、鋳造品
製造においてコストダウンがはかれる。またニッケル鉱
滓は、ニッケル精錬時に発生する廃棄物である。そのた
め近年、話題となっている産業廃棄物のリサイクル化に
も寄与し、その工業的価値は極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】球状砂の製造プロセスを示すフローチャートで
ある。
【図2】本発明の球状砂の粒形写真である。
【図3】多角形粒状砂の粒形写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金本 範彦 京都府竹野郡網野町字137番地 山川産業 株式会社掛津事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル鉱滓の溶融スラグから得られ
    る、2MgO・SiO 2 を主成分とし、耐火温度が約1
    450℃であり、粒形係数が1.2以下である球状砂単
    独またはこの球状砂と他の粒状のシリカサンドとの混合
    物である骨材が、注湯時に該骨材の相互結着を維持し、
    注湯後に該骨材相互の結着を崩壊させうる樹脂で被覆さ
    れてなる鋳型用砂。
  2. 【請求項2】 球状砂の粒度分布が、30μmから85
    0μmである請求項1の鋳型用砂。
  3. 【請求項3】 樹脂が、フェノール系樹脂である請求項
    1または2の鋳型用砂。
  4. 【請求項4】 球状砂が、溶融スラグを風砕処理して得
    られる請求項1から3の何れかひとつからなる鋳型用
    砂。
  5. 【請求項5】 球状砂が、さらに磨鉱処理されている請
    求項4の鋳型用砂。
  6. 【請求項6】 球状砂の含有量が、骨材中10重量%以
    上である請求項1から5の何れかひとつからなる鋳型用
    砂。
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