JPH0669597B2 - 低膨張性鋳型用材料 - Google Patents

低膨張性鋳型用材料

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JPH0669597B2 JP62221247A JP22124787A JPH0669597B2 JP H0669597 B2 JPH0669597 B2 JP H0669597B2 JP 62221247 A JP62221247 A JP 62221247A JP 22124787 A JP22124787 A JP 22124787A JP H0669597 B2 JPH0669597 B2 JP H0669597B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規な低膨張性鋳型用材料に関するものであ
る。さらに詳しくいえば、本発明は、フェロクロム製造
時に副生するスラグの溶融物を風砕して得た球状造粒体
を耐火性骨材の全部又は一部を用いて得られる、高強度
でかつ鋳造時における急熱膨張が小さい、鋳型又は中子
の製造用として好適な低膨張性鋳型用材料に関するもの
である。
従来の技術 これまで、鋳型用材料としては、ケイ砂を主体としたも
のが広く用いられている。しかし、このケイ砂は約1000
℃以上の高温に加熱されると著しい急熱膨張を示すた
め、この鋳型を特殊鋼、鋳鋼のような高温鋳造に使用し
た場合、鋳物の寸法精度の低下をもたらしたり、あるい
は鋳型の型割れや、ベーニング、スクワレ、焼着などの
鋳物欠陥を生じる原因となる。
このような欠点を克服するために、ケイ砂よりも熱膨張
の低い特殊骨材、例えばオリビン砂、ジルコン砂、アル
ミナ砂などを単独で用いたり、あるいはこれらの特殊骨
材をケイ砂に混合して用いることが提案されている。し
かし、この種の特殊骨材は、いずれもケイ砂に比べ入手
しにくく、またコスト的にも高くなるのを免れないた
め、工業的に多量に使用される鋳型材料としては不適当
である。しかもこの中で比較的多く使用される機会をも
っているオリビン砂は、多量の結晶水を含んでいる上
に、もろいため実用的な鋳型強度を保持するには通常多
量の有機粘結剤の使用を必要とするが、このように有機
物質の含有量が多くなると鋳造時に多量の熱分解ガスの
発生を伴い鋳物に欠陥を生じるという欠点がある。
他方、ニッケル鉱石の製錬の際に副生する砂状スラグに
磨鉱処理を施して粒形係数を改善し、低膨張性の鋳物砂
とする方法も提案されているが(特開昭62−148050号公
報、特開昭62−183933号公報)、この方法においては、
粒形係数を1に近接させる、すなわち真球状にするには
長時間の磨鉱を必要とする上に、粉末スラグの発生を伴
うという欠点がある。
したがって、鋳物製造技術の分野において、入手しやす
い原料から調製され、前記した特殊骨材を用いた場合に
匹敵する低膨張性及び鋳型強度を有する鋳型用材料の開
発が重要な課題となっていた。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、従来のケイ砂を主体とする鋳型用材料の
もつ欠点を克服し、低膨張性でかつ高強度の鋳型を与え
る新規な材料を開発するために種々研究を重ねた結果、
先にフェロクロム原料鉱石をコークスなどで還元してフ
ェロクロムを製造する際に副生するスラグの粉砕物は、
耐火性を有し、高温における急熱膨張が小さく、しかも
鋳型材料として十分な適性を示すことを見出し、これを
単独で又はケイ砂と混合して有機粘結剤で被覆し、鋳型
用材料とすることを提案した(特開昭63−40635号)。
この鋳型用材料は、高温鋳造を行った場合にも鋳型の型
割れや、ベーニング、スクワレ、焼着などの鋳物欠陥を
生じることがなく、寸法精度の良好な製品を与えるが、
スラグの粉砕物の被覆物は、ケイ砂に比べ相互の結合力
が低いため鋳型強度の点でケイ砂を主体とした、鋳型用
材料よりも劣り、有機粘結剤の使用量が増大するのを免
れず、また有機粘結剤の使用量の増大に伴ない著しいガ
スの発生を生じ、作業環境の悪化や鋳物欠陥を生じやす
い有機自硬性鋳型やコールドボックス鋳型などには利用
できないという欠点がある。
本発明の目的は、フェロクロム製造の際に副生するスラ
グを用いた鋳型用材料の前記の欠点を改良し、低膨張
性、高強度で、しかも常温自硬性鋳型のようなシェルモ
ールド法以外の方法による鋳型形成にも適用しうる鋳型
用材料を提供することにある。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、フェロクロム製造の際に副生するスラグ
を原料とした鋳型用材料について種々研究を重ねた結
果、このスラグの溶融物を風砕処理して球状に造粒し、
その表面の少なくとも一部を有機粘結剤で被覆したもの
は、ケイ砂に匹敵する結合力を発揮し、高強度の鋳型を
与えることを見出し、この知見に基づいて本発明をなす
に至った。
すなわち、本発明は、その表面の少なくとも一部に硬化
性有機粘結剤被覆が施された、フェロクロム系スラグ溶
融物の風砕造粒体又はそれとケイ砂の混合粒状体から成
る低膨張性鋳型用材料を提供するものである。
本発明の鋳型用材料は、いわゆる耐火性骨材とその表面
を被覆する硬化性有機粘結剤を主体として構成されてい
る。
そして、この耐火性骨材の原料としては、フェロクロム
を製造する際のスラグすなわち、フェロクロム系スラグ
が用いられる。
このフェロクロム系スラグは、MgO、Al2O3及びSiO2を主
成分とするもので、SiO2及びMgOを主成分とするフェロ
ニッケル系スラグとは、第1表に示すように異なった組
成を有している。
この表から明らかなようにフェロクロム系スラグは、比
較的Fe2O3、CaOの含有量が少ないため、高い溶融温度す
なわち優れた耐火性を有し、鋳造時における焼着、侵食
性スクワレなどの鋳物欠陥や鋳肌不良を防止でき、また
Al2O3の含有量が多いため骨材の再生処理の際の耐破砕
性と耐摩耗性がよく、高い歩留りで骨材回収しうるとい
う利点があるが、フェロニッケル系スラグはFe2O3、CaO
の含有量が多く、Al2O3の含有量が少ないため、このよ
うな利点を有しない。
本発明においては、このフェロクロム系スラグを球状に
造粒して使用することが必要である。この造粒体は、金
属製錬時に出てくる溶融スラグを流出させ、これにノズ
ルを通して高速空気を噴射してスラグ溶融物を飛散さ
せ、各液滴を表面張力作用によってほぼ球形の造粒体と
する、いわゆる風砕法で行われる。
このようにして得た球状造粒体は、次いでふるい分けな
どにより通常約0.05〜1.0mmの範囲の粒度に分級して使
用される。
この造粒に際しては、所望に応じ溶融スラグに粘性降下
剤を加えて、スラグとの溶融拡散反応を行わせ低粘性化
させることができる。
このような粘性降下剤としては、例えば赤泥、ケイ酸塩
質岩石、鉱物、からみ、鉱物廃砂、高炉スラグ、高炉鋳
床集塵ダスト、れんが屑などが用いられる。これらは、
単独で用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用い
てもよい。
この粘性降下剤の添加量としては、その種類、原料スラ
グの種類、溶融拡散反応を行わせる条件などに左右さ
れ、必ずしも特定できないが、通常溶融スラグの重量に
基づき、約3〜20重量%の範囲の量が用いられる。
本発明の鋳型用材料の耐火性骨材としては、前記のスラ
グの球状造粒体を単独で用いてもよいし、また低膨張性
を調整するためにケイ砂と混合して用いてもよい。すな
わち、スラグの球状造粒体を単独で用いた場合ほどの低
膨張性は必要としないが、ケイ砂を単独で用いた場合よ
りも低膨張性を付与したいときには、ケイ砂に対し、そ
の目的とする低膨張性に対応する割合で、球状造粒体を
配合して用いることができる。この場合の球状造粒体の
配合量は、5重量%以上、好ましくは10重量%以上であ
る。
このスラグの球状造粒体と併用されるケイ砂としては、
特に制限はなく、従来鋳型用材料の成分として一般に使
用されていた天然ケイ砂や人造ケイ砂の中から任意に選
ぶことができるが、焼着等による鋳物欠陥を回避しうる
程度の耐火性を有するという点で、SiO2の含有量が85重
量%以上、特に90重量%以上のものを用いるのが有利で
ある。
このケイ砂は、新砂でもよいし、ばい焼砂、炭化砂、グ
リーン再生砂のような再生砂、あるいはこれらをさらに
研摩処理したもの、これらから微粉除去したものなどで
もよい。
次に、本発明において、スラグの球状造粒体又はこれと
ケイ砂との混合物の表面に被覆される硬化性有機粘結剤
としては、鋳型用材料の粘結剤として通常使用されてい
るもの、すなわち加熱により、酸性又は塩基性触媒によ
り、あるいは過酸化物のような硬化剤により、化学的な
硬化をもたらす有機粘結剤の中から任意に選択して用い
ることができる。
このような有機粘結剤としては、次のようなものを挙げ
ることができる。
(1)シェルモールド法による鋳型造型に用いられる有
機粘結剤としては、例えばノボラック型フェノール樹
脂、レゾール型フェノール樹脂、含窒素レゾール型フェ
ノール樹脂、ベンジルエーテル型フェノール樹脂などの
ストレートフェノール樹脂又はこれらのフェノール樹脂
と例えば尿素、メラミン、アニリン、フルフラール、フ
ルフリアルコール、カシューナットシェルオイル、トー
ル油、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル樹脂、ポリア
ミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂などと反応
又は混合して成る変性フェノール樹脂や、エポキシ樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、又はこれらの混合樹脂がある。
(2)ペプセット法、αセット法、酸硬化法、ウォーム
ボックス法等の如き有機自硬性法による鋳型造型に用い
られる有機粘結剤としては、例えばフラン系樹脂、尿素
・フラン系樹脂、フェノール系樹脂、フェノール・フラ
ン系樹脂、フェノール・ポリイソシアネート系樹脂組成
物、強アルカリレゾール型フェノール系樹脂・有機エス
テル類組成物などがある。
(3)アシュランド法、ハードックス法、βセット法の
ようなコールドボックス法による鋳型造型に用いられる
有機粘結剤としては、例えばフェノール・ポリイソシア
ネート系樹脂組成物、フラン系樹脂・過酸化物組成物、
強アルカリレゾール型フェノール系樹脂・有機エステル
類組成物などがある。
これらの硬化性有機粘結剤の使用形態としては特に制限
はなく、固体状、液体状(又はワニス状)又はエマルシ
ョンなど任意の形態で使用される。
これらの硬化性粘結剤を、耐火性骨材に被覆するには、
例えばドライホットコート法、セミホットコート法、コ
ールドコート法、粉末溶剤法、粉末コート法など粉末粒
子表面に各種物質を被覆する際に慣用されている任意の
方法を用いることができる。
この耐火性骨材の被覆は、球状造粒体又はそれとケイ砂
との混合物の表面を少なくとも部分的に被覆すればよ
く、必ずしも全面にわたって完全に被覆する必要はな
い。
また、この被覆には化学的に結合したもの及び物理的に
付着したものの両方が含まれ、部分的に分散状態にある
ものでもよい。
この際の硬化性有機粘結剤の使用量としては耐火性骨材
100重量部当り0.5〜10重量部の範囲が適当である。
本発明の鋳型用材料は、そのままでシェルモールド法、
有機自硬性法、コールドボックス法などによる鋳型造型
に使用することができるが、必要に応じ、従来の鋳型用
材料に慣用されている任意の添加成分、例えばアミノ系
シラン、エポキシ系シラン、メルカプト系シランのよう
なシランカップリング剤、エチレンビスステアリン酸ア
ミド、オキシステアリン酸アミド、メチロールアミドの
ような脂肪酸アミド類、パラフィンワックス、カルナバ
ワックスのようなワックス類、安息香酸、サリチル酸の
ような芳香族カルボン酸類、レゾルシノール、カテコー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールSのような多価
フェノール類、ヘキサメチレンテトラミン、ベンガラ、
砂鉄などを本発明の目的を損なわない範囲で配合するこ
とができる。
なお、これらの添加成分は、鋳型材料の製造時に配合し
てもよいが、特にシランカップリング剤、脂肪酸アミド
類、ワックス類、芳香族カルボン酸類又は多価フェノー
ル類については、あらかじめ硬化性有機粘結剤中に含有
させておくのがよい。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本
発明はこれらの例によって限定されるものではない。
なお、各例中の鋳型特性は、特に記載のない限り次の試
験法により測定したものである。
(a)抗折力: JIS K−6910に規定された方法により試験した。
(b)ベンド: JACT試験法SM−3によった。
(c)融着点: JACT試験法C−1によった。
(d)熱膨張率: 炉内温度1100℃に調節されたデイタート社製高温鋳物
砂試験器中に静置したテストピース (30mmφ×50mm)の熱膨張率(4分後)を熱膨張量測
定器で測定した。
実施例1 前記第1表に示す組成範囲の溶融フェロクロムスラグに
対し、粘板岩8重量%を加え溶融拡散反応させたもの
を、風速200m/secで風砕処理して造粒したのち、ふるい
機にかけ0.05〜0.8mmの歯にに整粒した。
次いで、このようにして得た風砕造粒品10kgを約140〜1
50℃に予熱し、実験用スピードミキサー中に入れ、硬化
性有機粘結剤としてノボラック型フェノール樹脂300gを
加えたのち、50秒間かきまぜ混合を続けることにより、
風砕造粒品表面に樹脂を溶融被覆した。引き続き、あら
かじめ冷却水150gにヘキサメチレンテトラミン(硬化
剤)45gを溶解させた水溶液を全量投入すると共に送風
を開始し、混合物を冷却しながらさらに約40〜60秒間か
きまぜ混合を続けてほぼ単砂粒に崩壊させたのち、滑剤
としてステアリン酸カルシウム10gを加え15秒後にミキ
サーより取り出して鋳型用材料を得た。
この鋳型用材料の鋳型特性について測定した結果を第2
表に示す。
実施例2 溶融フェロクロムスラグ単味を風速200m/secで風砕処理
して得た風砕造粒体をふるい機で0.05〜0.8mmの範囲で
整粒したものを用いること以外は実施例1と全く同様に
して鋳型用材料を調製した。このものの鋳型特性を第2
表に示す。
比較例1 実施例1におけるフェロクロムスラグの代りに、前記第
1表に示す組成範囲のフェロニッケルスラグを用い、か
つ粘板岩の量を5重量%にすること以外は、実施例1と
全く同様にして鋳型用材料を調製した。このものの鋳型
特性を第2表に示す。この表から分るように、フェロニ
ッケルスラグを用いた場合は、機械的強度(抗折力)が
劣る。
比較例2 実施例1で用いたものと同じの粘板岩処理溶融フェロク
ロム系スラグを常温まで放冷後、粉砕し、ふるい機にか
けて0.05〜0.8mmの範囲に整粒した。このようにして得
た粉砕品を実施例1と同様に処理して鋳型用材料を調製
した。このものの鋳型物性を第2表に示す。
この表から明らかなように、フェロクロムスラグの粉砕
品を用いた場合は機械的強度(抗折力)が著しく劣る。
実施例3〜6、比較例3,4 実施例1で用いたものと同じ風砕造粒品に、第3表に示
す配合割合でSiO2含有量95重量%の再生砂から成るケイ
砂を加えた混合物を実施例1と同様に処理して鋳型用材
料を調製した。このものの鋳型特性を第3表に示す。
また、比較のためにケイ砂を用いた通常の鋳型用材料
(比較例3)及び従来の特殊砂(オリビン砂)とケイ砂
との混合物を用いた鋳型用材料(比較例4)についての
鋳型特性を測定し、第3表に示した。
実施例7、比較例5,6 工業用ワールミキサー中に第4表に示す約130〜140℃に
予熱した耐火性骨材200kgと硬化性有機粘結剤としてノ
ボラック型フェノール樹脂5kgを投入したのち50秒間か
きまぜ混合を続けて該骨材表面を樹脂で溶融被覆させ
た。引き続き、あらかじめ冷却水3kgにヘキサメチレン
テトラミン0.75kgを溶解させた水溶液を全量投入すると
共に送風を開始し、混合物を冷却しながらさらに約60〜
90秒間混合を続けて単砂粒に崩壊させたのち、滑剤とし
てステアリン酸カルシウム0.2kgを加えて20秒後にミキ
サーより取り出して鋳型用材料を得た。
次に、このようにして調製した3種類の鋳型用材料を用
いて油圧バルブ中子を造型し、局部に塗型を施した後、
鋳鋼による鋳込み試験を行って油圧バルブ鋳物を作製し
た。得られた油圧バルブ鋳物を切断して該中子が当接す
る鋳物内面の鋳肌状態を調べた。
その結果を第4表に示す。
この表から分るように、本発明に係るフェロクロム系粒
状スラグを用いた鋳型用材料(実施例7)は、フェロニ
ッケル系粒状スラグを用いた鋳型用材料(比較例5)よ
りも耐焼着性が優れており、またケイ砂を単独で用いた
従来の鋳型用材料(比較例6)よりも、ベーニング、焼
着等の鋳物欠陥に対して顕著な効果を示した。
実施例8、比較例7,8 品川式卓上ミキサー中に第5表に示す常温の耐火性骨材
2.5kgと硬化性有機粘結剤としてフェノール樹脂有機溶
剤溶液22.5gを投入したのち30秒間かきまぜ混合を続け
た。引き続き、ポリイソシアネート有機溶剤溶液20gを
加えてさらに30秒間かきまぜ混合してからミキサーより
取り出して通気硬化性の鋳型用材料を得た。
このようにして調製した3種類の鋳型用材料の抗折力及
び熱膨張率について次の試験法により測定した。
a)抗折力(kg/cm):金型に鋳型用材料をブローイ
ングにて充てんした後、トリエチルアミンを通気してテ
ストピース(85mm×30mm×10mm)作製し、24時間
後にその抗折力を測定した。
b)熱膨張率(%):上記操作に従って作製したテスト
ピース(29mmφ×50mm)を用い、炉内温度を1000℃と
する以外は前記熱膨張率測定方法に準じて測定した。
その結果を第5表に示す。
実施例9、比較例9,10 品川式卓上ミキサー中に第6表に示す常温の耐火性骨材
2.5kgと酸価の高い有機スルホン酸系硬化剤12.5gを投入
したのち30秒間かきまぜ混合を続けた。引き続き、硬化
性有機粘結剤としての尿素変性フラン樹脂25gを加えて
さらに30秒間かきまぜ混合してからミキサーより取り出
して常温自硬性の鋳型用材料を得た。
作製した3種類の鋳型用材料の抗折力及び熱膨張率につ
いては次の試験法により測定した。
a)圧縮強度(kg/cm):木型に鋳型用材料を手込め
してから24時間放置後にテストピース (50mmφ×50mm)を取り出してその圧縮強度を測定し
た。
b)熱膨張率(%):上記操作に従って作製したテスト
ピース(25mmφ×50mm)を用い、炉内温度を1000℃と
する以外は前記熱膨張率測定方法に準じて測定した。
その結果を第6表に示す。
すなわち、第5表及び第6表に示されるように、本発明
のフェロクロム系スラグの風砕造粒品を用いる鋳型用材
料(実施例8、9)は、従来のケイ砂系鋳型用材料(比
較例8、10)に匹敵する鋳型強度を示し、かつ優れた低
膨張性を示すが、フェロクロム系スラグの粉砕品を用い
る鋳型用材料(比較例7、9)はむしろケイ砂系鋳型用
材料より強度が低下することが確認された。
発明の効果 以上詳述した如く、従来の粉砕スラグに代えてほぼ球形
の粒状スラグを使用する本発明の低膨張性鋳型用材料
は、大幅に改善された鋳型強度を有するため、シェルモ
ールド分野において、高強度の鋳型もしくは粘結剤の低
減による安価な鋳型を提供しうるのみならず、コールド
ボックス法、有機自硬性法ないしはウォームボックス法
等の鋳型造型法への適用も可能となった。
また、鋳造時における鋳型又は中子の急熱膨張が小さく
優れた低膨張性を有し、かつ耐焼着性に優れているた
め、寸法精度に優れた鋳物を提供し得るばかりでなく、
鋳型の型割れやベーニング、スクワレ、焼着等のような
鋳物欠陥を防止し、鋳肌の美しい鋳物を提供することが
できる。
さらに、本発明におけるほぼ球状の粒状スラグは、従来
より産業廃棄物として処分されていたものを有効利用
し、かつ風砕処理により製造されるため、従来のオリビ
ン砂、ジルコン砂、アルミナ砂等の高価な特殊骨材より
大幅に安価な代替鋳物用骨材として用いることができ、
鋳物用骨材の省資源に寄与する上に焼着しにくく、また
粉砕や摩砕処理のような微粉の発生を伴わないという利
点を有している。
このように、本発明の低膨張性鋳型用材料は鋳物工業分
野において工業的価値の極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 信夫 愛知県丹羽郡扶桑町大字南山名字新津26― 4 旭有機材工業株式会社愛知工場内 (72)発明者 甲斐 勲 愛知県丹羽郡扶桑町大字南山名字新津26― 4 旭有機材工業株式会社愛知工場内 (56)参考文献 特開 昭62−183933(JP,A) 特開 昭62−148050(JP,A) 特開 昭61−249643(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】その表面の少なくとも一部に硬化性有機粘
    結剤被覆が施された、フェロクロム系スラグ溶融物の風
    砕造粒体から成る低膨張性鋳型用材料。
  2. 【請求項2】その表面の少なくとも一部に硬化性有機粘
    結剤被覆が施された、フェロクロム系スラグ溶融物の風
    砕造粒体及びケイ砂の混合粒状体から成る低膨張性鋳型
    用材料。
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