JPH11188393A - 汚泥の微生物処理システム - Google Patents

汚泥の微生物処理システム

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JPH11188393A
JPH11188393A JP9369662A JP36966297A JPH11188393A JP H11188393 A JPH11188393 A JP H11188393A JP 9369662 A JP9369662 A JP 9369662A JP 36966297 A JP36966297 A JP 36966297A JP H11188393 A JPH11188393 A JP H11188393A
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JP
Japan
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sludge
fermentation unit
fermentation
bacteria
unit tank
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JP9369662A
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English (en)
Inventor
Kenro Motoda
謙郎 元田
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Motoda Electronics Co Ltd
Original Assignee
Motoda Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚泥処理の過程において、意図的に発生させ
た微生物を利用した汚泥の浄化処理を効率よく、また簡
易に行うことができる汚泥の微生物処理システムを提供
する。 【解決手段】 汚泥に細菌を混入粉砕して多数の発酵ユ
ニット槽に収容し、発酵後、新たに搬入される汚泥に一
部を混入すると共に残りを処理済汚泥としてシステムの
外部に搬出する汚泥の微生物処理システムにおいて、汚
泥を投入する汚泥受入装置2と、新たな汚泥と処理済の
汚泥とを混合するミキサー3と、ミキサーから送られて
くる汚泥に細菌を混入粉砕し連続的に送る菌混合装置4
と、粉砕混合物を発酵ユニット槽に投入する投入装置
と、発酵ユニット槽を移動可能な第一移動装置と、第二
の移動装置と、及びその中間の建物基礎に固定設置され
た多数のコンベア装置と、発酵済汚泥を取り出す取出シ
ステムと、取出システムから送られる発酵済汚泥の一部
をミキサー3に且つ残りをシステムの外部に搬出する分
類装置8とを備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚泥(本明細書中
において、し尿・生ゴミ・工場から排出される肉片等の
一般廃棄物及び汚泥・畜糞等の産業廃棄物を総称して
「汚泥」と呼ぶ)を菌の作用により発酵させて浄化処理
するための汚泥の微生物処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より汚泥を処理することが行われて
いる。この処理を大別すると、汚泥を微生物の分解力を
用いて浄化する「浄化処理」と、海洋に投棄する「海洋
投棄」とがある。このうち浄化処理としては、自然中の
微生物を利用した浄化処理と、意図的に加えた微生物を
利用した浄化処理とが提案されている。自然中の微生物
を利用する処理の例としては、汚泥を地中に埋めて微生
物による自然発酵・分解にて浄化するものが挙げられ
る。
【0003】また意図的に加えた微生物を利用する処理
としては、好熱菌を利用した方法が提案されている。好
熱菌は通常の常温性微生物が増殖する温度範囲よりも高
い温度で増殖するものであり、単に有機物を分解するだ
けでなく、汚泥中の病原菌や有害な寄生虫卵を高温に曝
すことによって不活化することができるものである。具
体的な処理の過程としては、汚泥中に生息する様々な微
生物のうち比較的低温で増殖するバクテリア、真菌及び
放線菌等の細菌によって発酵が開始され、これらは堆肥
化過程進行に伴い急激に増殖し、これと同時に有機物の
分解熱によって温度が30〜60℃まで上昇する。この
とき温度に弱い酵母、カビ及び硝酸菌等は死滅する。温
度が上昇すると意図的に加えた好熱菌が増殖しはじめ、
さらに発酵熱が高まり、病原細菌、病虫卵、有害昆虫
卵、ウイルス、雑草種子等の大部分が不活化され、人畜
に無害なものになる。ここでの好熱菌として、通常の好
熱菌のみならず、バイオコロニー、バイオヒート(共に
バイオスペシャル社製)といった特に高温性な好熱菌を
も使用することにより、120℃前後の高温まで上昇さ
せて発酵させることが可能となる。このように好熱菌を
使用することでより高温での発酵処理が可能となり、し
たがって自然発酵に比べ処理時間を著しく短縮すること
ができ、また汚泥の浄化・安定化をより一層高めること
ができるといったメリットがある。
【0004】また、微生物として光栄養細菌を利用した
方法もある。具体的には、光栄養細菌を担体に固定させ
たものを対象物に添加したり(特開平5−111694
号)、当該細菌を担体に固定させたものをパイプ状の処
理管装置の内部に混入させて、対象物を処理する装置
(特開平8−224592号)等が挙げられる。ここで
「光栄養細菌」とは、一般に光合成細菌(Photosynthet
ic bacteria )と呼ばれている細菌のことをいい、「Be
rgey's Manual of Determinative Bacteriology8th edi
tion (1974)」で確立された分類に従い、光栄養細菌
(Phototrophic bacteria )として開示されるものを意
味する。具体的には、特に限定はなく、ロドスピリラム
属、ロドシュードモナス属、及びロドミクロビウム属を
含むロドスピリ・ラーシエ科;クロマチウム属等を含む
クロマティ・アーシエ科;クロロビウム属等を含むクロ
ロビ・アーシエ科のうちを単独で又は2種以上混合して
用いることができる。なお上記光栄養細菌のみでは処理
槽内で捕食菌により捕食され、処理効率を所定のものに
維持するためには、処理中に光栄養細菌の補充が必要と
なり不便であるので、好ましい態様として、上記光栄養
細菌をその内部に固定するための「担体」を、該光栄養
細菌に対し、所定割合で添加して用いることができる。
このような「担体」としては、光栄養細菌の固定率が高
いという点より、多孔質粒子が好ましく、より具体的に
は、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、活性炭、
多孔質セラミックス等が好ましく、上記多孔質粒子の
他、内部に固定化光栄養細菌を含む担体を充填したポリ
ビニル製のチューブや、アルギン酸ナトリウム及び/又
はアルギン酸カルシウム等の含水ゲル状担体をも好まし
い担体として用いることが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の浄
化処理のうち、自然中の微生物を利用する処理にあって
は浄化されるまで長期間を要し、また発酵臭も強い。さ
らに現代の都市型住宅では土に乏しいという実情もあ
る。生ゴミ以外のし尿や畜糞の浄化処理効率については
未だ十分でない。また海洋投棄による処理においては、
該海洋投棄が近々全面禁止になることが決定しており、
該処理に変わる処理方法の確立が強く要望されている。
【0006】ここで、意図的に加えた微生物を利用する
処理は上記問題がなく新しい浄化処理方法として有望視
されているが、上述したようにその基本的な原理は確立
されているものの、該処理を効率良く連速的かつ迅速に
行うためのシステム及び装置は未だ提案されておらず、
実用化には至っていない。したがって意図的に発生させ
た微生物を利用する処理を効率よく実現するためのシス
テムを確立することが切望されていた。
【0007】本発明は、従来のこのような汚泥処理にお
ける問題点に鑑みなされたもので、意図的に発生させた
微生物を利用した汚泥の浄化処理を効率よく、また環境
を損なうことなく簡易に行うことができる汚泥の微生物
処理システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1に記載の本発明は、汚泥に細菌を混入粉砕し
て所定量ずつ発酵ユニット槽に収容し、これら多数の発
酵ユニット槽を所定の時間にわたって発酵した後、新た
に搬入される汚泥に一部を混入すると共に残りを処理済
汚泥としてシステムの外部に搬出する汚泥の微生物処理
システムにおいて、搬入されてくる汚泥を投入する汚泥
受入装置と、汚泥受入装置から送られる新たな汚泥と処
理済の汚泥とを混合するミキサーと、ミキサーから送ら
れてくる汚泥に細菌を混入粉砕しつつ出口に向かって連
続的に送る菌混合装置と、菌混合装置から送られる粉砕
混合物を多数の発酵ユニット槽に投入する投入装置と、
空の発酵ユニット槽を該発酵ユニット槽の長手方向に移
動可能な第一移動装置と、第一移動装置に平行に設置さ
れ、養生中の発酵ユニット槽を該発酵ユニット槽の長手
方向に移動可能な第二の移動装置と、投入の終えた発酵
ユニット槽を該発酵ユニット槽の長手方向に直角な方向
に移動する前記第一、第二移動手段及びその中間の建物
基礎に固定設置された多数のコンベア装置と、養生を終
えた発酵ユニット槽から発酵済汚泥を取り出す取出シス
テムと、そして、取出システムから送られる発酵済汚泥
の一部を前記ミキサーに且つ残りをシステムの外部に搬
出する分類装置とを備えて構成されている。
【0009】この目的を達成するために請求項2に記載
の本発明は、請求項1に記載の本発明において、コンベ
ア装置は発酵ユニット槽と結合固定した状態でトラック
の荷台に載置搬送可能な大きさとされていることを特徴
として構成されている。
【0010】この目的を達成するために請求項3に記載
の本発明は、請求項1に記載の本発明において、温水供
給装置が隣接して設置され、発酵ユニット槽内に配置さ
れた保温管に温水を送り込むことによって、発酵ユニッ
ト槽内の温度を調節可能とすることを特徴として構成さ
れている。
【0011】この目的を達成するために請求項4に記載
の本発明は、請求項1に記載の本発明において、センサ
装置により、温度及び圧力を検出し、発酵状態の把握を
容易にすることを特徴として構成されている。
【0012】この目的を達成するために請求項5に記載
の本発明は、請求項1に記載の本発明において、発酵済
汚泥の養生をさらに進めるための製品収納槽を複数設置
してなることを特徴として構成されている。
【0013】この目的を達成するために請求項6に記載
の本発明は、請求項1に記載の汚泥の微生物処理システ
ムにおいて、コンベア装置は、両端に回転自在のローラ
を有する装置であることを特徴として構成されている。
【0014】この目的を達成するために請求項7に記載
の本発明は、請求項1に記載の本発明において、第一、
第二移動装置は、建物基礎に敷設されたレールと、その
レール上を走行する台車から構成されることを特徴とし
て構成されている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明たる汚泥処理方法及
び汚泥処理システムの一実施形態について図面を参照し
て詳細に説明する。図1は本処理システムにおける一実
施例の全体構成を示す平面図であり、図2は図1の要部
拡大図であり、図3は本処理システムに使用される菌混
合装置の一実施例を外周壁部方向から見た縦断面図であ
り、図4は図3の菌混合装置を側面板方向から見た縦断
面図であり、図5は本処理システムに使用される発酵ユ
ニット槽の主として発酵に関する部材を示した拡大斜視
図であり、図6は本処理システムに使用される発酵ユニ
ット槽の主として内容物の排出に関する部材を示した拡
大斜視図であり、図7は本処理システムに使用される発
酵ユニット槽を移動させるためのコンベアの一実施例を
示す拡大斜視図であり、図8と図9は本処理システムに
使用される発酵ユニット槽を移動させるためのコンベア
の他の実施例を示す拡大斜視図であり、図10は本処理
システムにおける取出システムの取出動作を概念的に示
す図であり、(a)は発酵ユニット槽が取出位置近傍の
コンベア上に配置された状態での平面図であり、(b)
はその状態での側面図である。また図11は本処理シス
テムにおける取出システムの取出動作を概念的に示す図
であり、(a)は発酵ユニット槽が分類装置に最も接近
したコンベア上に配置された状態での平面図であり、
(b)はその状態での側面図である。また図12は本処
理システムにおける取出システムの取出動作を概念的に
示す図であり、(a)は発酵ユニット槽が傾けられた状
態での平面図であり、(b)はその状態での側面図であ
る。図13は本処理システムの一実施例の概略を示すフ
ローチャートである。
【0016】本発明においては上記した好熱菌又は光栄
養細菌をいずれか単独で又は混合して用いてもよい。ま
た上記細菌のみでは処理槽内で捕食菌により捕食されて
処理効率の低下を招くので、好ましくは上記細菌をその
内部に固定するための担体、例えばパーライト、バーミ
キュライト、珪藻土、活性炭、多孔質セラミックス等の
多孔質粒子を該細菌に対し、所定割合で添加して用いる
ことができる。なお、本実施形態では好熱菌を用いた例
を示す。まず本システム及び本処理方法の概略を説明
し、その後システム内の各装置について詳細に説明す
る。
【0017】本処理システムは、図1及び図2に示すよ
うに、汚泥を処理するユニット停留場B及びトラック1
が入場する搬出入場Cからなる汚泥処理施設Aを備えて
なる。この汚泥処理施設Aは図示しない建屋内に建設さ
れ、該建屋内に設けた消臭設備Dによって汚泥処理施設
Aの臭気が外部に漏れるのを回避してある。搬出入場C
に運ばれた汚泥は、汚泥受入装置2に投入され、ミキサ
ー3に移されて該ミキサー3内で後述する戻し材が粗混
合される。この汚泥は菌混合装置4に順次移され、この
菌混合装置4内で好熱菌が混合される(このように菌混
合装置4内において好熱菌が混合された汚泥を菌混合汚
泥と呼ぶ。以下同様)。次に菌混合汚泥は、ベルトコン
ベアを介してユニット停留場Bの発酵ユニット槽6に移
される。発酵ユニット槽6は、ユニット停留場Bに所定
日数の養生期間停留され、その間に好熱菌の作用にて汚
泥が発酵する。養生期間を終えた各発酵ユニット槽6
は、取出システム7に移送され、該取出システム7によ
って分類装置8にその内容物たる発酵済内容物(発酵ユ
ニット槽6内にて発酵期間を終えた菌混合汚泥を発酵済
内容物と呼ぶ。以下同様)を移される。この分類装置8
で発酵済内容物が戻し材(発酵済内容物のうちミキサー
3に投入されるものを戻し材と呼ぶ。以下同様)と処理
品(発酵済内容物のうち堆肥として出荷されるものを処
理品と呼ぶ。以下同様)に分類された後、処理品は処理
品搬出装置9に移され、農作物のための肥料として利用
される。一方、戻し材はミキサー3に移され、新たに投
入された汚泥と共に粗混合される。以後、同様の作業を
連続的に行なう。
【0018】なお、上記戻し材は主として新規に投入す
る汚泥の水分が少ない場合であってもその水分を調整す
る役割、即ち水分調整材として機能し、その後の発酵促
進に大いに役立つこととなる。さらにかかる戻し材を再
投入することにより、新規に投入する種菌の量を軽減す
ることもできる。上記戻し材は、上記新規投入汚泥に混
合した状態で、その水分が50%以上に、好ましくは5
5%程度になるよう添加量を調整することができ、その
後の汚泥の発酵を速やかに促進することができることと
なる。
【0019】次に、搬出入場Cの各装置を詳細に説明す
る。この搬出入場Cには、主として、汚泥受入装置2、
ミキサー3、菌混合装置4、取出システム7、分類装置
8及び処理品搬出装置9が設けられており、また当該搬
出入場Cに出入りするトラック1にはタンク11が載置
されている。このタンク11は略方形コンテナ状に形成
され、その内部に汚泥を所定量収納自在とされている。
また汚泥受入装置2はホッパー状に形成され、その開放
した上面を介して内部に汚泥を所定量収納自在とされて
いる。この汚泥受入装置2のミキサー3側の下縁部には
図示しない排出口が形成されており、この排出口を介し
て内部の汚泥を排出自在とされている。
【0020】ミキサー3は汚泥受入装置2と略同様のホ
ッパー状に形成され、図面X方向を長手方向とする図示
しないスクリューを内部に備える。このミキサー3には
図示しない投入口及び排出口が設けられており、汚泥受
入装置2の排出口から排出された汚泥と、後述する分別
装置の排出口から排出された戻し材とを投入口を介して
受け入れ、これら汚泥及び戻し材を内部のスクリューの
回転によって粗混合すると共に、該回転によって排出口
に向けて搬送し、該排出口から排出する。
【0021】菌混合装置4は、図3及び図4に示すよう
に、円筒状の混合ドラム10を基台30上に回転支持装
置31を介して低速回転自在に支持して構成されてい
る。この混合ドラム10の両側面には側面板12、12
が取付けられており、このうち一方の側面板12には汚
泥及び好熱菌を取入れる取入口18aが設けられ、もう
一方の側面板12には混合処理した菌混合汚泥を取出す
取出口18bが設けられている。
【0022】この混合ドラム10の内周には、その長手
方向に長尺の薄板片からなる多数の掬上げフィン15、
15が、回転上り側位置にて汚泥を掬上げるように内周
に対して傾斜状に形成されている。そして、上記混合ド
ラム10の回転によって汚泥が上方に掬上げられる。ま
た掬上げフィン15は、回転上り側位置にある状態にお
いて取入口18a側から取出口18b側にかけて下り傾
斜状になるように形成されており、汚泥が順次回動しな
がら傾斜を利用して取出口18b側へ連続的に移動する
ようにしてある。なお取入口18a側の側面板12上部
には、空気又は好熱菌を取入れるための供給口16を設
けてある。この混合ドラム10の内部には、回転駆動軸
22が設けられ、該回転駆動軸22には多数の回転羽2
3が取付けられており、回転駆動軸22を高速に回転さ
せることにより回転羽23が高速に回転し、汚泥を切裂
状に粉砕する。
【0023】取出システム7は、図10〜図12に示す
ように、コンベア51高以下に位置する支承機構の一部
たる支承軸81及び回転手段としての押圧手段たるシリ
ンダ82にて構成されている。そして図1及び図2の複
数のコンベア51のうち取出位置に最接近したコンベア
51A上の発酵ユニット槽6を該コンベア51上におい
て分類装置8近傍まで搬送を行う。支承軸81は、分類
装置8と該分類装置8に最も接近したコンベア51Aと
の間に固定されるもので、上記コンベア51A上におい
て搬送される発酵ユニット槽6の軸受97(図6参照)
に対応した高さよりやや低めに配置されている。シリン
ダ82は、コンベア51Aの位置下方に配置され、該コ
ンベア51Aの底板41中央付近に設けられた図示しな
い貫通孔を通じて発酵ユニット槽6端部を上下に昇降さ
せることにより、該発酵ユニット槽6を分類装置8側に
傾けて、発酵処理済みの汚泥を取出すようにするもので
ある。なお取出システム7は、上記コンベア51Aの位
置(取出位置に最も近い位置)に、その上面に自力回転
するローラを備え、該ローラをY方向に回転させること
によって発酵ユニット槽6の搬送を行う図示しない取出
用コンベアを別途に有する構成を採用してもよい。この
場合、その下方に配置されたシリンダ82により、上記
取出用コンベアの端部を上下に昇降させることによっ
て、発酵ユニット槽6をも含む取出用コンベア全体を分
類装置8側に傾けて、発酵処理済みの汚泥を取出すこと
ができる。
【0024】分類装置8は、図10〜図12に示すよう
に、地面を掘り下げてなるピット83内に配置されるも
ので、このことによって発酵ユニット槽6の開口部より
下方に配置される略方形コンテナ状の受槽84と、該受
槽84の真下に配置された篩分け装置85とから構成さ
れている。受槽84は取出システム7にて取出された発
酵ユニット槽6中の発酵済内容物を受け入れるためのも
ので、したがって少なくとも発酵ユニット槽6と略同じ
容量を有する。この受槽84の下面は開放されており、
受槽84にて受け入れられた発酵済内容物は直ちに篩分
け装置85に投入される。
【0025】篩分け装置85は発酵済内容物を所定径以
下の小粒体と、所定径以上の残り材との2つに分類する
ためのもので、上記所定径に対応したメッシュ径の図示
しない網部を有し、該網部上に発酵済内容物を載置させ
ると共に、該網部を略水平方向に揺動させる。この篩分
け装置85にはベルトコンベアが連係されており、網部
を通過した所定径以下の小粒体は処理品として処理品搬
出装置9側に移送され、網部上に残留する残り材は所定
量戻し材としてミキサー3側に移送される。また処理品
搬出装置9は、ベルトコンベアにて搬送される小粒体た
る処理品を出荷可能に梱包する。
【0026】次に、ユニット退避場Bの設置装置を詳細
に説明する。このユニット退避場Bには、複数の発酵ユ
ニット槽6、発酵ユニット槽6をユニット退避場B内の
所定位置に移動させるための移動システム50が設けら
れている。発酵ユニット槽6は、発酵処理中は内部を外
環境から隔離する密閉性の容器として形成されている。
また該発酵ユニット槽6の上面には該発酵ユニット槽6
の平面形状に略対応した方形状の閉蓋37が設けられて
おり、該閉蓋37によって発酵ユニット槽6の上面が略
完全に覆われている。したがって、発酵ユニット槽6内
で発生した蒸気は外部へ流出不可とされている。
【0027】また該発酵ユニット槽6の内部には、図5
に示すように主として発酵に関する部材として、内部の
温度を調節するために温水を循環するための保温管3
2、汚泥と細菌の発酵処理を促進させるために空気を発
酵ユニット槽6底部から均一に送り込むための空気供給
管34が設けられ、好熱菌の代わりに又は好熱菌と共に
光栄養細菌が使用される場合には該光栄養細菌の欲する
光を照射する照明装置35が設置される。なお照明装置
35の下部に無色透明のPET製の中空パイプを所定数
垂直に連設すれば照明装置35により発生した光を汚泥
の内部にまで導くことができ、光栄養細菌による発酵を
より一層促進することもできる。さらに発酵ユニット槽
6には、発酵中に発生する水蒸気を外部に排出するため
の蒸気排出管33が設けられている。なお発酵の初期段
階で発生した蒸気は容器40の内壁に付着した後、冷や
されて水となって容器40内に落下し、容器40の下部
に溜まるので、この水を外部に排出するために容器40
の下部に水抜用バルブを設けてもよい。また発酵ユニッ
ト槽6の側面には、発酵処理の開始段階から終了段階ま
での発酵ユニット槽6の内部の温度・内圧の状態を把握
し、外部の処理装置に出力するためのセンサ36が取り
付けられている。また発酵ユニット槽6は、図6に示す
ように主として内容物の排出に関する部材として、その
広幅側の両側面のうちの一方には蓋部90が設けられて
いる。この蓋部90は、発酵ユニット槽6の長手幅に略
対応した幅及び発酵ユニット槽6の略半分程度の高さの
略方形状の図示しない開口部を発酵ユニット槽6の側面
に形成すると共に、この開口部の外側に該開口部と略同
形状の蓋板91を設けて構成されるもので、該蓋板91
をその上部に設けたヒンジ92を介して発酵ユニット槽
6に開閉自在に取付けることにより、蓋板91によって
開口部が閉塞自在とされている。
【0028】この蓋板91の長手方向の両端部には、該
蓋板91を閉状態に維持するための蓋止め93が設けら
れている。この蓋止め93は付勢板94と開閉板95を
その間に設けた回転縦軸96を介して所定角度で略一体
に連接して構成されている。この蓋止め93の付勢板9
4は図示しないスプリングによって蓋板91を発酵ユニ
ット槽6側に付勢するもので、この付勢力によって蓋板
91が発酵ユニット槽6側に押し付けられて、該蓋板9
1にて発酵ユニット槽6の開口部が閉じられている。ま
た蓋止め93の開閉板95は、発酵ユニット槽6より若
干側方に突出し、後述する押当棒に押当てられることに
よって付勢板94を回転させ、発酵ユニット槽6の開口
部を開放状態とするものである。
【0029】また発酵ユニット槽6には、その蓋部90
の下方に、該発酵ユニット槽6の長手方向に沿って支承
機構の一部たる軸受97が設けられている。この軸受9
7はその内部の溝部に後述する支承軸81を受け入れ、
該支承軸81を中心として発酵ユニット槽6を回転自在
とする。すなわち本形態において支承機構は、軸受97
及び支承軸81にて構成されている。発酵ユニット槽6
を所定位置に移動させるための移動システム50は、複
数のコンベア51、台車52及び台車用レール53にて
構成されている。
【0030】コンベア51は、発酵ユニット槽6を図1
及び図2におけるY方向に移動させるためのもので、図
1及び図2に示す略全部の発酵ユニット槽6のそれぞれ
の下部に配置されている。このコンベア装置51は、図
7に示すように、全体がフレームにより形成され、その
長手方向の左右両端には、一定数のローラ54が該ロー
ラ54を挟むように取り付けられた縦板に回転自在に軸
着されており、その中央部には、前後に取り付けられた
ギア47にチェーン45を捲架したチェーンコンベアが
左右2カ所に一対として設けられ、押板48が左右のチ
ェーン45に橋絡して固定されている。押板48は、コ
ンベア装置51中央に設置されたモータ43を駆動する
ことによりシャフト42が回転し、チェーン45がシャ
フト42に取り付けられたギア47を介して正逆自在に
回転するのに伴って回転するようになっている。これに
より、コンベア装置51上に載置された発酵ユニット槽
6をコンベア装置51の長手方向に対して直角方向へ移
動させることができる。従って、コンベア装置が複数配
置された本願汚泥処理システムにあっては、Y方向に互
いに隣接するコンべア51同士で発酵ユニット槽6を移
動させることができる。
【0031】またコンベア装置51は、発酵ユニット槽
6をコンベア装置51上に固定してトラックの荷台に載
置し適法に搬送可能な大きさとされ、該トラックの荷台
に積載し運搬するために、左右のローラ54とチェーン
コンベアの間には前後に固定装置55が内設されてい
る。固定装置55の内部には、ネジ部材68が取り付け
られ、該ネジ部材には固定板65と該固定板65を挟む
ように両側からナット67が取り付けられる。これによ
りナット67を緩めて固定板65を移動させ適当な位置
でナット67を締めることにより固定板65の位置を微
調整することができ、発酵ユニット槽6がコンベア装置
51上で多少ずれても確実に固定することが可能とな
る。なお、上記発酵ユニット槽6の固定は、該発酵ユニ
ット槽6をコンベア装置51上に載置した後、コンベア
装置51に内設された固定装置55から固定板65を引
き出し、発酵ユニット槽6の両側面の左右に取り付けら
れた固定ナット66に締着することにより行なう。
【0032】またこのコンベア51は、図8に示すよう
に、その左右の両端にY方向に回転自在のローラ54が
設けられ、その中央には溝部55aが形成されており、
この溝部55aにはY方向に沿ったワイヤ56が配置さ
れ、またワイヤ56の所定位置にはフック57が設けら
れた態様でもよく、該ローラ54上に配置された発酵ユ
ニット槽6の進行方向を基準とする後端部にフック57
を係止させ、ワイヤ56を引っ張ることによって発酵ユ
ニット槽6を移動させることもできる。例えば図1の地
点P1にある発酵ユニット槽6を地点P2に移動させる
ことができる。なお、ワイヤ56はユニット停留場Bの
Y方向における全長に沿って配置されており、コンベア
51の溝部55aを通ってユニット停留場Bの一端部ま
で引っ張られた後に、コンベア51の下方を通って通っ
てユニット停留場Bの他端部に戻される。このワイヤ5
6に設けたフック57は図示しない制御手段によって任
意のタイミングで昇降状態(発酵ユニット槽6の後端部
に係止する状態と係止しない状態)とされる。
【0033】また、このコンベア51は、図9に示すよ
うに、Y方向に回転するベルト58が設けられた態様で
あってもよく、該ベルト58をコンベア本体の内部に設
置されたモータ59により回転させることにより、コン
ベア51上に載置された発酵ユニット槽6を移動させる
ことができる。
【0034】コンベア51は、予め処理場に連設された
基台60の上に配置固定され、搬出場Cに最も近くには
第一移動手段が、最も遠くには第二移動手段が設置され
る。第一移動手段及び第二移動手段は、図1又は図2に
おけるX方向に沿って配置された台車用レール53と該
台車用レール53に載上された自走式の台車52にコン
ベア51を載置して構成される。この台車52を台車用
レール53に沿って自走させることによってコンベア5
1に載置された発酵ユニット槽6をX方向に移動させる
ことができる。例えば、図1の地点P3にある発酵ユニ
ット槽6を地点P4に移動させることができる。また処
理場に配置固定されたコンベア51に設置されているモ
ータ43と台車52の駆動を一カ所で集中制御すること
により、システム全体を簡単にコントロールすることも
可能となる。このように、コンベア51と台車52とに
よって移動システム50を構成することにより、汚泥処
理施設の増設が簡単に出来ると共に、土地の面積、形状
に左右されることなく汚泥処理施設を作ることが可能と
なる。
【0035】次に消臭設備Dについて説明する。この消
臭設備Dには、図1に示すように、回収溝61、回収機
62及び図示しない水噴霧装置が設けられている。上記
発酵ユニット槽6内における菌混合汚泥の発酵の際、該
発酵に伴って菌混合汚泥の温度は約90〜130℃程度
にまで上昇する。そうすると、菌混合汚泥中の水分は、
上記菌混合汚泥中の細菌及び/又は消臭成分を含んだ形
で蒸気となり、この蒸気を凝縮させて水(以下、「凝縮
水」ともいう)とすることにより、回収溝61を介して
回収機62により回収する。そして、上記凝縮水を水噴
霧装置にて汚泥処理施設Aを設けた図示しない建屋内に
噴霧し、あるいは所定の場所に噴霧、散水等することに
より、凝縮水中の細菌及び/又は消臭成分の作用によっ
て消臭が行われる。なお、得られた凝縮水は上述の汚泥
処理システムにおける消臭効果のみならず、土壌改良剤
等の液体肥料に対してもその効果を発揮するものであ
る。
【0035】まず上記のように発酵ユニット槽6には、
図5に示すように、蒸気排出管33が設けられており、
発酵ユニット槽6内で発生した蒸気は、該蒸気排出管3
3を通過する際に凝縮されて水となって蒸気排出管33
から排出される。ここで、図1及び図5に示すように、
発酵ユニット槽6の蒸気排出管33の排出口下方には、
複数の発酵ユニット槽6の並設方向(図1におけるY方
向)に沿って回収溝61が配置されている。この回収溝
61は、発酵ユニット槽6の設置面を掘り下げることに
より形成されるもので、複数の発酵ユニット槽6内の蒸
気を凝縮させた水を流入可能な容量を有する上部を開放
した縦断面略コ字状の溝体として形成されている。
【0036】この回収溝61の一端は閉塞されて水が流
出不能とされると共に、他端には回収機62が連結され
ており、該回収溝61は該回収機62に向かって傾斜し
ており、該回収機62にて回収溝61内に流入した水を
回収できるようにしている。なお、発酵ユニット槽6内
での菌混合汚泥中の水分は、上記菌混合汚泥中の細菌及
び/又は消臭成分を含んだ形で蒸気となり、この蒸気を
凝縮して水(凝縮水)とし、回収溝61を介して回収機
62にて回収されるので、回収機62にて回収された水
には好熱菌又は/及び該好熱菌が混合されている。そし
てこのようにして回収された水は、上記回収機62に連
結された図示しない水噴霧装置により、トラック1から
汚泥受入装置2への新規汚泥投入時にまた該受入装置2
からミキサー3及び菌混合装置4への移送時に、また汚
泥を該受入装置2へ投入した後のトラック1の荷台に、
それぞれ噴霧される。このようにして本汚泥処理システ
ム中における適所に発生する異臭を消臭することが可能
となる。
【0037】次に、本処理方法の処理手順について図1
3を参照しつつ詳細に説明する。荷台に載置したタンク
11に汚泥を収納したトラック1は、汚泥処理施設Aに
おける搬出入場Cに入場し、上面を開放した汚泥受入装
置2に後部を対峙させ、タンク11を傾斜させることに
よって、該タンク11の内容物たる汚泥を汚泥受入装置
2に投入する(ステップS3,4)。投入後、図示しな
い自動洗浄装置に向かい、該自動洗浄装置によってトラ
ック1及びそのタンク11が自動的に洗浄され(ステッ
プS1)、次の汚泥の積載地に向かう。上記トラック1
による汚泥受入装置2への汚泥投入は、該汚泥受入装置
2内に投入された汚泥が所定量になるまで行われる。こ
こで汚泥受入装置2には図示しない汚泥重量計量器が備
えられており、汚泥受入装置2に投入された汚泥の重量
が汚泥重量計量器にて計量される。例えば1台のトラッ
ク1から約10tの汚泥が投入され、汚泥受入装置2に
投入すべき所定量が100tであるとすれば、10台の
トラック1にて汚泥の投入が行われる。
【0038】この汚泥受入装置2への汚泥及び戻し材の
投入に際しては、消臭スプレーによる消臭が行われる。
また投入された汚泥の水分が測定される(ステップS
5,6)。汚泥受入装置2に投入された汚泥はベルトコ
ンベアを介してミキサー3に投入される。また同時にミ
キサー3には、分類装置8にて分類された大径部たる戻
し材がベルトコンベアを介して投入される。この戻し材
はその内部に好熱菌を含むものであり、このように好熱
菌を含む戻し材を汚泥と同時に投入することによって、
該汚泥に好熱菌が種菌として混合される。そして、ミキ
サー3の内部のスクリューの回転によって汚泥及び戻し
材が粗混合される。
【0039】ミキサー3にて粗混合され排出された汚泥
及び戻し材は菌混合装置4に設けた取入口18aに達
し、該取入口18aを介して菌混合装置4の内部に連続
的に投入される。菌混合装置4は常時回転しており、こ
の回転によって、該菌混合装置4内部の汚泥が内部機構
によって細かく粉砕され、またこの粉砕と同時に該汚泥
に対して好熱菌が略均一に混合され、菌混合汚泥が形成
される。そして、この菌混合汚泥が菌混合装置4の取出
口18bから外部へ排出される(ステップS7)。この
菌混合装置4における混合に際しては、消臭スプレーに
よる消臭が行われる(ステップS8)。菌混合装置4か
ら排出された菌混合汚泥はベルトコンベアによって発酵
ユニット槽6の内部に投入される。ここでも消臭スプレ
ーによる消臭、エアー吸引及びエアー供給が行われる
(ステップS10〜12)。そして発酵ユニット槽6は
コンベア51及び台車52にてユニット停留場Bにおけ
る所定番地に移送され、該地において所定日数の養生期
間退避し、上記好熱菌の作用による汚泥の発酵を待つ
(ステップS13〜15)。
【0040】ユニット停留場B内に搬入された発酵ユニ
ット槽6に納められた菌混合汚泥は、菌の発酵に必要な
温度を保持するため、発酵ユニット槽6の側面に斜設さ
れた樋上に温水が流され、保温管12内に供給され、菌
の発酵に適した温度に保温される。保温管12から排出
された温水は回収され、ボイラ? で再度加温されて再び
発酵ユニット槽6内に供給される。特に寒冷地において
は汚泥の温度が低いため、発酵が進みにくく、処理が完
了するまでの期間が長くなるのを防ぐことが可能とな
る。そして、この間の発酵ユニット槽6の内部の状態を
センサ36により把握する。この養生期間中に各発酵ユ
ニット槽6は、台車52によりX方向に、そしてコンベ
ア51中の押板48が回転することによってY方向に、
その停留位置が順次変更され、養生期間終了時には取出
位置に最も近いコンベア51A上に配置される。
【0041】台車52に設置されたコンベア51A上に
発酵ユニット槽6を移動させ(図10参照)、コンベア
51A中の押板48により発酵ユニット槽6を分類装置
8側に移動させる。この移動の際、コンベア51Aの両
側方に立設された図示しない押当棒に対して蓋止め93
の開閉板95が押当てられ、回転縦軸96を中心として
付勢板94が自己の付勢力に抗して回転し、発酵ユニッ
ト槽6の開口部が開放される。また発酵ユニット槽6の
移動の際、軸受97の溝部に支承軸81が受け入れら
れ、発酵ユニット槽6が回転自在とされる(図11参
照)。そして、シリンダ82がコンベア51A上の発酵
ユニット槽6の端部を上昇させ分類装置8側に傾けら
れ、開口部を介して発酵ユニット槽6内の発酵済内容物
がその自重によって受槽84に排出される(図12参
照)。そして、上述とは逆の動作で、空の発酵ユニット
槽6がコンベア51A上に戻され、コンベア51Aが台
車52によってX方向に移送され、空の発酵ユニット槽
6が菌混合汚泥の受け入れ位置に移送される。(ステッ
プS16,17)。
【0042】次に、上述の分類装置8において、発酵済
内容物が内部のフルイ形式の分類機構によって分類され
た後(ステップS19)、その略半分が発酵済内容物の
養生の完全を期すために複数設置された製品収納槽に移
され、空気を吹き込まれつつストックされる。その後、
製品化のため製品収納槽にストックされた発酵済内容物
は処理品搬出装置9に移され、該処理品搬出装置9で袋
詰めされて、出荷待ちのため製品倉庫に納められる(ス
テップS20)。なお、ここでは消臭のためのエアー供
給が行われる(ステップS21)。そして、分類装置8
内に残存する一部の発酵済内容物は、戻し材として一旦
戻し材置き場に収納される(ステップS22)。なお、
ここでも消臭のためのエアー供給が行われる(ステップ
S23)。そして戻し材は、新規投入汚泥の水分を50
%以上に、好ましくは55%程度となるように所定量添
加して汚泥の水分調整を図ると共に、種菌としての役割
を果たすため再度汚泥投入装置2に移され、再度菌混合
装置4に移される(ステップS24)。以後、同様の作
業を連続的に行なう。
【0043】さてこれまで本発明の一実施形態について
説明したが、本発明は上記に示した実施形態に限定され
ず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態に
て実施されてよいものであり、以下、これら異なる形態
について説明する。まず発酵ユニット槽6の移動システ
ムの第二の実施形態について図14及び図15を用いて
説明する。図14は本処理システムにおける他の実施例
を示す平面図であり、図15は図14の要部拡大図であ
る。この図14及び図15に示す移動システムは、移動
台車70、台車用レール71、移動用レール72、ユニ
ット用レール73、移送取出レール74等にて構成され
ている。
【0044】台車用レール71は、図14及び図15に
おけるY方向に平行に配置される2本一対のレールから
なるもので、その上に厚板で平面長方形状の移動台車7
0が配置されている。この移動台車70は平板上の本体
の下面に複数の滑車を設けてなるもので、該複数の滑車
を介して台車用レール71上を台車用レール71に沿っ
て移動可能とされている。この移動台車70の本体上面
には図13におけるX方向に平行な2本一対の移動用レ
ール72が配置されている。一方、ユニット用レール7
3は、台車用レール60の両側方位置に、図14におけ
るX方向に平行に配置される2本一対のレールを複数組
並設してなるもので、この複数組のユニット用レール7
3の各うちの任意のユニット用レール73には発酵ユニ
ット槽6が該ユニット用レール73に沿って移動可能に
配置されている。この発酵ユニット槽6の下面には複数
の滑車が設けられており、該複数の滑車を介して発酵ユ
ニット槽6がユニット用レール73上を移動可能とされ
る。
【0045】ここで、搬出入場Cの最もユニット槽退避
場Bよりの位置すなわちユニット用レール73と菌混合
装置4又は分類装置8との間に、図14におけるX方向
に平行に配置される2本一対のレールを配置してなる移
送取出レール74が配置されている。そしてユニット用
レール73の各レールと同様に、その上に発酵ユニット
槽6を移動可能に配置されている。ここで、移動台車7
0の本体上面の移動用レール72、ユニット用レール7
3及び移送取出レール74は相互に平行かつ同じ幅で、
またレール上面を互いに同じ高さとされている。また図
14に示すように、移動用レール72は移動台車70の
端部近傍まで延出し、一方、ユニット用レール73及び
移送取出レール74も移動台車70の端部近傍まで延出
して形成されている。したがって移動台車70が各ユニ
ット用レール73又は移送取出レール74に隣接する位
置まで移動されることにより、該隣接する移動台車70
の移動用レール72と各ユニット用レール73又は移送
取出レール74とが面一状となって、移動用レール72
に載置した発酵ユニット槽6を各ユニット用レール73
又は移送取出レール74に移動でき、あるいは逆に各ユ
ニット用レール73又は移送取出レール74に載置した
発酵ユニット槽6を移動用レール72に移動することが
できる。
【0046】このように本処理システムでは、移動台車
70を介して発酵ユニット槽6を移送取出レール74の
配置されている移送取出位置又は各ユニット用レール7
3の配置されている停留位置のうち任意の位置に移動自
在としている。なおこの移動システムにおいてX方向の
発酵ユニット槽6の移動、すなわち移動用レール72か
ら各ユニット用レール73又は移送取出レール74への
移動及びその逆の移動は、図示しない押圧手段によって
発酵ユニット槽6をX方向に押圧することによって行わ
れる。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、汚泥の微
生物処理システムにおいて意図的に発生させた微生物を
利用して汚泥の浄化処理を効率よく、かつ簡単に行うこ
とができる。また、汚泥処理施設の設置場所の面積や形
状に影響されることなく汚泥処理施設を設置することが
でき、また、汚泥処理施設の増設や改良を簡単に行うこ
とができる。さらに、汚泥処理が密閉性の容器により密
閉状態で行われるので、容器内の汚泥の悪臭等が容器外
部に漏れるおそれがない。このため、汚泥処理場が設け
られた地域の住民に対して環境汚染による悪影響を与え
るおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本処理システムにおける一実施例の全体構成を
示す平面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】本処理システムに使用される菌混合装置の一実
施例を外周壁部方向から見た縦断面図である。
【図4】図3の菌混合装置を側面版方向から見た縦断面
図である。
【図5】本処理システムに使用される発酵ユニット槽の
主として発酵に関する部材を示した拡大斜視図である。
【図6】本処理システムに使用される発酵ユニット槽の
主として内容物の排出に関する部材を示した拡大斜視図
である。
【図7】本処理システムに使用される発酵ユニット槽を
移動させるためのコンベアの一実施例を示す拡大斜視図
である。
【図8】本処理システムに使用される発酵ユニット槽を
移動させるためのコンベアの他の実施例を示す拡大斜視
図である。
【図9】本処理システムに使用される発酵ユニット槽を
移動させるためのコンベアの他の実施例を示す拡大斜視
図である。
【図10】本処理システムにおける取出システムの取出
動作を概念的に示す図であり、(a)は発酵ユニット槽
が取出位置近傍のコンベア上に配置された状態での平面
図であり、(b)はその状態での側面図である。
【図11】本処理システムにおける取出システムの取出
動作を概念的に示す図であり、(a)は発酵ユニット槽
が分類装置に最も接近したコンベア上に配置された状態
での平面図であり、(b)はその状態での側面図であ
る。
【図12】本処理システムにおける取出システムの取出
動作を概念的に示す図であり、(a)は発酵ユニット槽
が傾けられた状態での平面図であり、(b)はその状態
での側面図である。
【図13】本処理システムの一実施例の概略を示すフロ
ーチャートである。
【図14】本処理システムにおける他の実施例を示す平
面図である。
【図15】図14の要部拡大図である。
【符号の説明】
A 汚泥処理施設 B ユニット停留場 C 搬出入場 D 消臭設備 1 トラック 2 汚泥受入装置 3 ミキサー 4 菌混合装置 6 発酵ユニット槽 7 取出システム 8 分類装置 9 処理品搬出装置 10 混合ドラム 11 タンク 12 側面板 15 掬上げフィン 16 供給口 18a 取入口 18b 取出口 22 回転駆動軸 23 回転羽 30 基台 31 回転支持装置 32 保温管 33 蒸気排出管 34 空気供給管 35 照明装置 36 センサ 37 閉蓋 41 底板 42 シャフト 43 モータ 45 チェーン 47 ギア 48 押板 50 移動システム 51 コンベア 52 台車53 台車用レール 54 ローラ 55 固定装置 55a 溝部 56 ワイヤ 57 フック 58 ベルト 59 モータ 60 基台 61 回収溝 62 回収機 65 固定板 66 ナット 67 固定ナット 68 ネジ部材 70 移動台車 71 台車用レール 72 移動用レール 73 ユニット用レール 74 移送取出レール 81 支承軸 82 シリンダ 83 ピット 84 受槽 85 篩分け装置 90 蓋部 91 蓋板 92 ヒンジ 93 蓋止め 94 付勢板 95 開閉板 96 回転縦軸 97 軸受

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥に細菌を混入粉砕して所定量ずつ発
    酵ユニット槽に収容し、これら多数の発酵ユニット槽を
    所定の時間にわたって発酵した後、新たに搬入される汚
    泥に一部を混入すると共に、残りを処理済汚泥としてシ
    ステムの外部に搬出する汚泥の微生物処理システムにお
    いて、 搬入されてくる汚泥を投入する汚泥受入装置と、前記汚
    泥受入装置から送られる新たな汚泥と処理済の汚泥とを
    混合するミキサーと、前記ミキサーから送られてくる汚
    泥に細菌を混入粉砕しつつ出口に向かって連続的に送る
    菌混合装置と、前記菌混合装置から送られる粉砕混合物
    を多数の発酵ユニット槽に投入する投入装置と、空の発
    酵ユニット槽を該発酵ユニット槽の長手方向に移動可能
    な第一移動装置と、前記第一移動装置に平行に設置さ
    れ、養生中の発酵ユニット槽を該発酵ユニット槽の長手
    方向に移動可能な第二の移動装置と、投入の終えた発酵
    ユニット槽を該発酵ユニット槽の長手方向に直角な方向
    に移動する前記第一、第二移動手段及びその中間の建物
    基礎に固定設置された多数のコンベア装置と、養生を終
    えた発酵ユニット槽から発酵済汚泥を取り出す取出シス
    テムと、そして、取出システムから送られる発酵済汚泥
    の一部を前記ミキサーに且つ残りをシステムの外部に搬
    出する分類装置とを備えて構成されてなる汚泥の微生物
    処理システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の汚泥の微生物処理システ
    ムにおいて、 前記コンベア装置は、発酵ユニット槽と結合固定した状
    態でトラックの荷台に載置搬送可能な大きさとされてい
    ることを特徴とする汚泥の微生物処理システム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の汚泥の微生物処理システ
    ムにおいて、 温水供給装置が隣接して設置され、発酵ユニット槽内に
    配置された保温管に温水を送り込むことによって、発酵
    ユニット槽内の温度を調節可能とすることを特徴とする
    汚泥の微生物処理システム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の汚泥の微生物処理システ
    ムにおいて、 センサ装置により、温度及び圧力を検出し、発酵状態の
    把握を容易にすることを特徴とする微生物処理システ
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の汚泥の微生物処理システ
    ムにおいて、 発酵済汚泥の養生をさらに進めるための製品収納槽を複
    数設置してなることを特徴とする汚泥の微生物処理シス
    テム。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の汚泥の微生物処理システ
    ムにおいて、 前記コンベア装置は、両端に回転自在のローラを有する
    装置であることを特徴とする汚泥の微生物処理システ
    ム。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の汚泥の微生物処理システ
    ムにおいて、 前記第一、第二移動装置は、建物基礎に敷設されたレー
    ルと、そのレール上を走行する台車から構成されること
    を特徴とする汚泥の微生物処理システム。
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