JPH11169894A - 汚泥処理における汚泥中水分回収方法、汚泥中水分除去方法並びに汚泥中水分回収システム - Google Patents

汚泥処理における汚泥中水分回収方法、汚泥中水分除去方法並びに汚泥中水分回収システム

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JPH11169894A
JPH11169894A JP9354214A JP35421497A JPH11169894A JP H11169894 A JPH11169894 A JP H11169894A JP 9354214 A JP9354214 A JP 9354214A JP 35421497 A JP35421497 A JP 35421497A JP H11169894 A JPH11169894 A JP H11169894A
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JP
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sludge
bacteria
fermentation
steam
mixed
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Application number
JP9354214A
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English (en)
Inventor
Kenro Motoda
謙郎 元田
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Motoda Electronics Co Ltd
Original Assignee
Motoda Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚泥処理の過程において汚泥中の水分を効率
良くまた容易に回収等することによって汚泥の堆肥化を
促進し、汚泥処理の効率等を向上させる汚泥処理におけ
る汚泥中水分回収システム等を提供する。 【解決手段】 細菌が混合された汚泥をを養生して該汚
泥を発酵させ、該発酵に伴って生ずる熱により上記菌混
合汚泥中の水分を、上記菌混合汚泥中の細菌及び/又は
消臭成分を含めて蒸気とする発酵ユニット槽6と、発酵
ユニット槽6内の蒸気又は該蒸気を凝縮させた凝縮水を
回収する回収機62とを備える。また必要に応じて発酵
ユニット槽6の近傍に該発酵ユニット6の並設方向に沿
って回収溝61を設けると共に、該回収溝61に上記複
数の発酵ユニット槽6内の蒸気又は蒸気を凝縮させた凝
縮水を導き、上記回収溝61に対し、上記回収機62を
連結して上記回収溝61に導いた上記凝縮水を回収す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚泥(本明細書中
において、し尿・生ゴミ・工場から排出される肉片等の
一般廃棄物及び汚泥・畜糞等の産業廃棄物を総称して
「汚泥」と呼ぶ)を菌の作用により発酵させて浄化処理
するための汚泥処理システムにおいて、該汚泥中の水分
を回収しあるいは除去するための汚泥処理における汚泥
中水分回収方法、汚泥中水分除去方法並びに汚泥中水分
回収システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より汚泥を処理することが行われて
いる。この処理を大別すると、汚泥を微生物の分解力を
用いて浄化する「浄化処理」と、海洋に投棄する「海洋
投棄」とがある。
【0003】このうち浄化処理としては、自然中の微生
物を利用した浄化処理と、意図的に加えた微生物を利用
した浄化処理とが提案されている。
【0004】自然中の微生物を利用する処理の例として
は、汚泥を地中に埋めて微生物による自然発酵・分解に
て浄化するものが挙げられる。
【0005】意図的に加えた微生物を利用する処理とし
ては、好熱菌を利用した方法が提案されている。好熱菌
は通常の常温性微生物が増殖する温度範囲よりも高い温
度で増殖するものであり、単に有機物を分解するだけで
なく、汚泥中の病原菌や有害な寄生虫卵を高温に曝すこ
とによって不活化することができるものである。
【0006】具体的な処理の過程としては、汚泥中に生
息する様々な微生物のうち比較的低温で増殖するバクテ
リア、真菌及び放線菌等の細菌によって発酵が開始さ
れ、これらは堆肥化過程進行に伴い急激に増殖し、これ
と同時に有機物の分解熱によって温度が30〜60℃ま
で上昇する。このとき温度に弱い酵母、カビ及び硝酸菌
等は死滅する。温度が上昇すると意図的に加えた好熱菌
が増殖しはじめ、さらに発酵熱が高まり、病原細菌、病
虫卵、有害昆虫卵、ウイルス、雑草種子等の大部分が不
活化され、人畜に無害なものになる。ここでの好熱菌と
して、通常の好熱菌のみならず、バイオコロニー、バイ
オヒート(共にバイオスペシャル社製)といった特に高
温性な好熱菌をも使用することにより、120℃前後の
高温まで上昇させて発酵させることが可能となる。この
ように好熱菌を使用することでより高温での発酵処理が
可能となり、したがって自然発酵に比べ処理時間を著し
く短縮することができ、また汚泥の浄化・安定化をより
一層高めることができるといったメリットがある。
【0007】また微生物として光栄養細菌を利用した方
法もある。具体的には、光栄養細菌を担体に固定させた
ものを対象物に添加したり(特開平5−111694
号)、当該細菌を担体に固定させたものをパイプ状の処
理管装置の内部に混入させて、対象物を処理する装置
(特開平8−224592号)等が挙げられる。ここで
「光栄養細菌」とは、一般に光合成細菌(Photosynthet
ic bacteria )と呼ばれている細菌のことをいい、「Be
rgey's Manual of Determinative Bacteriology 8th ed
ition (1974)」で確立された分類に従い、光栄養細菌
(Phototrophic bacteria )として開示されるものを意
味する。
【0008】具体的には、特に限定はなく、ロドスピリ
ラム属、ロドシュードモナス属、及びロドミクロビウム
属を含むロドスピリ・ラーシエ科;クロマチウム属等を
含むクロマティ・アーシエ科;クロロビウム属等を含む
クロロビ・アーシエ科のうちを単独で又は2種以上混合
して用いることができる。
【0009】なお上記光栄養細菌のみでは処理槽内で捕
食菌により捕食され、処理効率を所定のものに維持する
ためには、処理中に光栄養細菌の補充が必要となり不便
であるので、好ましい態様として、上記光栄養細菌をそ
の内部に固定するための「担体」を、該光栄養細菌に対
し、所定割合で添加して用いることができる。このよう
な「担体」としては、光栄養細菌の固定率が高いという
点より、多孔質粒子が好ましく、より具体的には、パー
ライト、バーミキュライト、珪藻土、活性炭、多孔質セ
ラミックス等が好ましく、上記多孔質粒子の他、内部に
固定化光栄養細菌を含む担体を充填したポリビニル製の
チューブや、アルギン酸ナトリウム及び/又はアルギン
酸カルシウム等の含水ゲル状担体をも好ましい担体とし
て用いることが可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の浄
化処理のうち、自然中の微生物を利用する処理にあって
は浄化されるまで長期間を要し、また発酵臭も強い。さ
らに現代の都市型住宅では土に乏しいという実情もあ
る。生ゴミ以外のし尿や畜糞の浄化処理効率については
未だ十分でない。
【0011】また海洋投棄による処理においては、該海
洋投棄が近々全面禁止になることが決定しており、該処
理に変わる処理方法の確立が強く要望されている。
【0012】ここで、意図的に加えた微生物を利用する
処理は上記問題がなく新しい浄化処理方法として有望視
されているが、上述したようにその基本的な原理は確立
されているものの、該処理を効率良く連速的かつ迅速に
行うためのシステム及び装置は未だ提案されておらず、
実用化には至っていない。したがって意図的に発生させ
た微生物を利用する処理を効率よく実現するためのシス
テムを確立することが切望されていた。
【0013】本発明は、従来のこのような汚泥処理にお
ける問題点に鑑みなされたもので、汚泥処理の過程にお
いて汚泥中の水分を効率良くまた容易に回収等すること
によって汚泥の堆肥化を促進し、汚泥処理の効率等を向
上させる汚泥処理における汚泥中水分回収方法、汚泥中
水分除去方法並びに汚泥中水分回収システムを提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために請求項1記載の本発明は、汚泥処理における汚
泥中水分回収方法において、汚泥に細菌を混合すること
により菌混合汚泥とし、該細菌の作用により上記菌混合
汚泥を発酵させ、上記発酵に伴って生ずる熱により上記
菌混合汚泥中の水分を、上記菌混合汚泥中の細菌及び/
又は消臭成分を含めて蒸気とし、上記蒸気又は該蒸気を
凝縮させた凝縮水を回収することを特徴として構成され
ている。
【0015】また請求項2に記載の本発明は、汚泥処理
における汚泥中水分除去方法において、汚泥に細菌を混
合することにより菌混合汚泥とし、該細菌の作用により
上記菌混合汚泥を発酵させ、上記発酵に伴って生ずる熱
により上記菌混合汚泥中の水分を、上記菌混合汚泥中の
細菌及び/又は消臭成分を含めて蒸気とすることにより
上記汚泥中の水分を除去することを特徴として構成され
ている。
【0016】また請求項3に記載の本発明は、汚泥処理
における汚泥中水分回収システムにおいて、汚泥に細菌
が混合された菌混合汚泥を養生して該菌混合汚泥を発酵
させ、該発酵に伴って生ずる熱により上記菌混合汚泥中
の水分を、上記菌混合汚泥中の細菌及び/又は消臭成分
を含めて蒸気とする発酵ユニット槽と、上記蒸気又は該
蒸気を凝縮させた凝縮水を回収する回収機とを備えたこ
とを特徴として構成されている。
【0017】また請求項4に記載の本発明は、請求項3
に記載の本発明において、上記発酵ユニット槽を複数並
設し、上記複数の発酵ユニット槽の近傍に該発酵ユニッ
トの並設方向に沿って回収溝を設けると共に、該回収溝
に上記複数の発酵ユニット槽内の蒸気又は蒸気を凝縮さ
せた凝縮水を導き、上記回収溝に対し、上記回収機を連
結して上記回収溝に導いた上記凝縮水を回収してなるこ
とを特徴として構成されている。
【0018】また請求項5に記載の本発明は、請求項4
に記載の本発明において、上記発酵ユニット槽には該ユ
ニット槽の上方の開口部を略覆う閉蓋を設け、該発酵ユ
ニット槽の端部には該発酵ユニット槽の内部に連通して
おり、該発酵ユニット槽内の蒸気を該蒸気を凝縮させた
凝縮水として上記回収溝に導く蒸気排出管を設けたこと
を特徴として構成されている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明たる汚泥処理におけ
る汚泥中水分回収方法、汚泥中水分除去方法並びに汚泥
中水分回収システムの一実施形態について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0020】図1は本方法及び本システムを適用した汚
泥処理施設A及び消臭設備Dの全体構成を示す平面図で
あり、図2は図1の要部拡大図であり、図3は図1の発
酵ユニット槽及びその周辺の拡大斜視図である。
【0021】本発明においては上記した好熱菌又は光栄
養細菌をいずれか単独で又は混合して用いてもよい。
【0022】また上記細菌のみでは処理槽内で捕食菌に
より捕食されて処理効率の低下を招くので、好ましくは
上記細菌をその内部に固定するための担体、例えばパー
ライト、バーミキュライト、珪藻土、活性炭、多孔質セ
ラミックス等の多孔質粒子を該細菌に対し、所定割合で
添加して用いることができる。なお本実施形態では好熱
菌を用いた例を示す。
【0023】まず本システム及び本処理方法の概略を図
1、2に基づいて説明し、その後、システム内の各装置
について詳細に説明する。
【0024】図1、2に示すように本処理システムは、
汚泥を処理するユニット停留場B及びトラック1が入場
する搬出入場Cからなる汚泥処理施設Aを備えてなる。
この汚泥処理施設Aは図示しない建屋内に建設され、該
建屋内に設けた消臭設備Dによって汚泥処理施設Aの臭
気が外部に漏れるのを回避してある。そして、これら汚
泥処理施設Aの一部と消臭設備Dの一部によって本シス
テムが構成されている。
【0025】搬出入場Cに運ばれた汚泥は、汚泥受入装
置2に投入され、ミキサー3に移されて該ミキサー3内
で後述する戻し材が租混合される。この汚泥は菌混合装
置4に順次移され、この菌混合装置4内で好熱菌が混合
される(このように菌混合装置4内において好熱菌が混
合された汚泥を菌混合汚泥と呼ぶ。以下同様)。
【0026】次に菌混合汚泥は、ベルトコンベアを介し
てユニット停留場Bの発酵ユニット槽6に移される。発
酵ユニット槽6は、ユニット停留場Bに所定日数の養生
期間停留され、その間に好熱菌の作用にて汚泥が発酵す
る。養生期間を終えた各発酵ユニット槽6は、取出シス
テム7に移送され、該取出システム7によって分類装置
8にその内容物たる発酵済内容物(発酵ユニット槽6内
にて発酵期間を終えた菌混合汚泥を発酵済内容物と呼
ぶ。以下同様)を移される。この分類装置8で発酵済内
容物が戻し材(発酵済内容物のうちミキサー3に投入さ
れるものを戻し材と呼ぶ。以下同様)と処理品(発酵済
内容物のうち堆肥として出荷されるものを処理品と呼
ぶ。以下同様)に分類された後、処理品は処理品搬出装
置9に移され、農作物のための肥料として利用される。
一方戻し材はミキサー3に移され、新たに投入された汚
泥と共に租混合される。以後同様の作業を連続的に行な
う。
【0027】なお、上記戻し材は主として新規に投入す
る汚泥の水分が少ない場合であってもその水分を調整す
る役割、即ち水分調整材として機能し、その後の発酵促
進に大いに役立つこととなる。さらにかかる戻し材を再
投入することにより、新規に投入する種菌の量を軽減す
ることもできる。上記戻し材は、上記新規投入汚泥に混
合した状態で、その水分が50%以上に、好ましくは5
5%程度になるよう添加量を調整することができ、その
後の汚泥の発酵を速やかに促進することができることと
なる。
【0028】次に、搬出入場Cの各装置を説明する。こ
の搬出入場Cには、主として、汚泥受入装置2、ミキサ
ー3、菌混合装置4、取出システム7、分類装置8及び
処理品搬出装置9が設けられており、また当該搬出入場
Cに出入りするトラック1にはタンク11が載置されて
いる。このタンク11は略方形コンテナ状に形成され、
その内部に汚泥を所定量収納自在とされている。
【0029】また汚泥受入装置2はホッパー状に形成さ
れ、その開放した上面を介して内部に汚泥を所定量収納
自在とされている。
【0030】ミキサー3は汚泥受入装置2と略同様のホ
ッパー状に形成され、図面X方向を長手方向とする図示
しないスクリューを内部に備える。このミキサー3は汚
泥受入装置2から排出された汚泥と、後述する分類装置
から排出された戻し材とを受け入れ、これら汚泥及び戻
し材を内部のスクリューの回転によって租混合すると共
に、該回転によって排出口に向けて搬送し、該排出口か
ら排出する。
【0031】菌混合装置4は、円筒状の混合ドラムを基
台上に回転支持装置を介して低速回転自在に支持して構
成されている。この混合ドラムの内周には、その長手方
向に長尺の薄板片からなる多数の掬上げフィンが、回転
上り側位置にて汚泥を掬上げるように内周に対して傾斜
状に形成されている。そして、上記混合ドラムの回転に
よって汚泥が上方に掬上げられる。また掬上げフィン
は、回転上り側位置にある状態において取入口側から取
出口側にかけて下り傾斜状になるように形成されてお
り、汚泥が順次回動しながら傾斜を利用して取出口側へ
移動するようにしてある。この混合ドラムの内部には、
回転駆動軸が設けられ、該回転駆動軸には多数の回転羽
が取付けられており、回転駆動軸を高速に回転させるこ
とにより回転羽が高速に回転し、汚泥を切裂状に粉砕す
る。
【0032】取出システム7は、コンベア高以下に位置
する支承機構の一部たる支承軸及び回転手段としての押
圧手段たるシリンダにて構成されている。そして図1及
び図2の複数のコンベアのうち取出位置に最接近したコ
ンベア上の発酵ユニット槽6を該コンベア上において分
類装置8近傍まで搬送を行う。
【0033】支承軸は、分類装置8と該分類装置8に最
も接近したコンベアとの間に固定されるもので、該コン
ベア上において搬送される発酵ユニット槽6の軸受に対
応した高さよりやや低めに配置されている。
【0034】シリンダは、取出位置に最接近したコンベ
アの位置下方に配置され、該コンベアの底板41中央付
近に設けられた図示しない貫通孔を通じて発酵ユニット
槽6端部を上下に昇降させることにより、該発酵ユニッ
ト槽6を分類装置8側に傾けて、発酵処理済みの汚泥を
取出すようにするものである。なお取出システム7は、
上記取出位置に最も接近したコンベアの位置に、その上
面に自力回転するローラを備え、該ローラをY方向に回
転させることによって発酵ユニット槽6の搬送を行う図
示しない取出用コンベアを別途に有する構成を採用して
もよい。この場合、その下方に配置されたシリンダによ
り、上記取出用コンベアの端部を上下に昇降させること
によって、発酵ユニット槽6をも含む取出用コンベア全
体を分類装置8側に傾けて、発酵処理済みの汚泥を取出
すことができる。
【0035】分類装置8は、地面を掘り下げてなるピッ
ト内に配置されるもので、このことによって発酵ユニッ
ト槽6の開口部より下方に配置される略方形コンテナ状
の受槽と、該受槽の真下に配置された篩分け装置とから
構成されている。受槽は取出システム7にて取出された
発酵ユニット槽6中の発酵済内容物を受け入れるための
もので、したがって少なくとも発酵ユニット槽6と略同
じ容量を有する。この受槽の下面は開放されており、受
槽にて受け入れられた発酵済内容物は直ちに篩分け装置
に投入される。
【0036】篩分け装置は発酵済内容物を所定径以下の
小粒体と所定径以上の残り材との2つに分類するための
もので、上記所定径に対応したメッシュ径の網部を有
し、該網部上に発酵済内容物を載置させると共に該網部
を略水平方向に揺動させる。
【0037】この篩分け装置にはベルトコンベアが連係
されており、網部を通過した所定径以下の小粒体は処理
品として処理品搬出装置9側に移送され、網部上に残留
する残り材は所定量戻し材としてミキサー3側に移送さ
れる。
【0038】また処理品搬出装置9は、ベルトコンベア
にて搬送される小粒体たる処理品を出荷可能に梱包す
る。
【0039】次に、ユニット退避場Bの設置装置を詳細
に説明する。このユニット退避場Bには、図1,2に示
すように、複数の発酵ユニット槽6、発酵ユニット槽6
をユニット退避場B内の所定位置に移動させるための移
動システム50が設けられている。
【0040】発酵ユニット槽6は、発酵処理中は内部を
外環境から隔離する密閉性の容器として形成されてい
る。
【0041】発酵ユニット槽6を所定位置に移動させる
ための移動システム50は、図1、2に示すように、複
数のコンベア51、台車52及び台車用レール53にて
構成されている。
【0042】コンベア51は、発酵ユニット槽6を図
1,2におけるY方向に移動させるためのもので、図
1,2に示す略全部の発酵ユニット槽6のそれぞれの下
部に配置されている。
【0043】このコンベア装置51は、図4に示すよう
に、全体がフレームにより形成され、その長手方向の左
右両端には、一定数のローラ54が該ローラ54を挟む
ように取り付けられた縦板に回転自在に軸着されてお
り、その中央部には、前後に取り付けられたギア47に
チェーン45を捲架したチェーンコンベアが左右2カ所
に一対として設けられ、押板48が左右のチェーン45
に橋絡して固定されている。
【0044】押板48は、コンベア装置51中央に設置
されたモータ43を駆動することによりシャフト42が
回転し、チェーン45がシャフト42に取り付けられた
ギア47を介して正逆自在に回転するのに伴って回転す
るようになっている。これにより、コンベア装置51上
に載置された発酵ユニット槽6をコンベア装置51の長
手方向に対して直角方向へ移動させることができる。従
って、コンベア装置が複数配置された本願汚泥処理シス
テムにあっては、Y方向に互いに隣接するコンべア51
同士で発酵ユニット槽6を移動させることができる。
【0045】またコンベア装置51には、発酵ユニット
槽6をコンベア装置51上に固定してトラックに積載し
運搬するために、左右のローラ54とチェーンコンベア
の間には前後に固定装置55が内設されている。
【0046】固定装置55の内部には、ネジ部材68が
取り付けられ、該ネジ部材には固定板65と該固定板6
5を挟むように両側からナット67が取り付けられる。
これによりナット67を緩めて固定板65を移動させ適
当な位置でナット67を締めることにより固定板65の
位置を微調整することができ、発酵ユニット槽6がコン
ベア装置51上で多少ずれても確実に固定することが可
能となる。
【0047】なお、上記発酵ユニット槽6の固定は、該
発酵ユニット槽6をコンベア装置51上に載置した後、
コンベア装置51に内設された固定装置55から固定板
65を引き出し、発酵ユニット槽6の両側面の左右に取
り付けられた固定ナット66に締着することにより行な
う。
【0048】コンベア51は、予め処理場に連設された
基台60の上に配置され、搬出場Cに最も近く及び遠く
に設置されるコンベア51は、図1,2におけるX方向
に沿って配置された台車用レ−ル53に載上された自走
式の台車52上に設置される。そしてこの台車52を台
車用レール53に沿ってX方向に自走させることによっ
て、発酵ユニット槽6をX方向に移動させることができ
る。例えば図1の地点P3にある発酵ユニット槽6を地
点P4に移動させることができる。
【0049】このようにコンベア51によって発酵ユニ
ット槽6をY方向に移動させ、また台車52によってX
方向に移動させることによって、これら移動を組合せる
ことによって発酵ユニット槽6をユニット退避場B内の
任意の場所に移動させることができる。
【0050】ここで本システムは、回収溝61及び回収
機62にて構成される消臭設備Dと、上記した汚泥処理
施設Aの各発酵ユニット槽6よりなる。以下、この構成
及び該構成を用いた本方法について詳細に説明する。
【0051】発酵ユニット槽6内における菌混合汚泥の
発酵の際、該発酵に伴って菌混合汚泥の温度は約90〜
130℃程度にまで上昇する。そうすると、菌混合汚泥
中の水分は、上記菌混合汚泥中の細菌及び/又は消臭成
分を含んだ形で蒸気となり、この蒸気を凝縮させて水
(以下、「凝縮水」ともいう)とし、回収溝61を介し
て回収機62により回収する。
【0052】発酵ユニット槽6は、発酵処理中は内部を
外環境から隔離する密閉性の容器として形成され、菌混
合汚泥を所定量収納自在とされている。
【0053】また発酵ユニット槽6の上面には該発酵ユ
ニット槽6の平面形状に略対応した方形状の閉蓋37が
設けられており、該閉蓋37によって発酵ユニット槽6
の上面が略完全に覆われている。したがって、発酵ユニ
ット槽6内で発生した蒸気は外部へ流出不可とされてい
る。
【0054】また該発酵ユニット槽6の内部には、図3
に示すように主として発酵に関する部材として、内部の
温度を調節するために温湯を循環するための保温管3
2、汚泥と細菌の発酵処理を促進させるために空気を発
酵ユニット槽6底部から均一に送り込むための空気供給
管34が設けられている。さらに発酵ユニット槽6に
は、水蒸気を外部に排出する蒸気排出管33、好熱菌の
代わりに又は好熱菌と共に光栄養細菌が使用される場合
には該光栄養細菌の欲する光を照射する照明装置35が
設置される。また発酵ユニット槽6の側面には、発酵処
理の開始段階から終了段階までの発酵ユニット槽6の内
部の温度・内圧の状態を把握し、外部の処理装置に出力
するためのセンサ36が取り付けられている。
【0055】蒸気排出管33は、発酵ユニット槽6の内
部に連通しており、したがってこの蒸気排出管33を介
して発酵ユニット槽6内で発生した蒸気が凝縮されて水
となり、該回収溝61に流入可能とされている。
【0056】ここで発酵ユニット槽6の図1X及びY方
向における位置は固定されており、また回収溝61の開
放部の幅は蒸気排出管33の外径より広く形成されてい
るので、発酵ユニット槽6が所定位置に配置されるに伴
って、蒸気排出管33が自動的に回収溝61の開口部に
位置される。
【0057】なお、上記発酵ユニット槽6内で発生した
蒸気を凝縮させる方法として、該蒸気が蒸気排出管33
を通過する際に自然冷却によって凝縮させ又は人為的に
冷却することによる方法があり、いずれの方法を採用し
ても構わない。
【0058】ここで回収溝61は、図1に示すように、
発酵ユニット槽6の端部近傍において、複数の発酵ユニ
ット槽6の並設方向(図1におけるY方向)に沿って配
置されている。この回収溝61は発酵ユニット槽6の設
置面を掘り下げることにより形成されるもので、複数の
発酵ユニット槽6内の蒸気を凝縮させた水を流入可能な
容量を有する上部を開放した縦断面略コ字状の溝体とし
て形成されている。
【0059】この回収溝61の一端は閉塞されて水が流
出不能とされると共に他端には回収機62が連結されて
おり、該回収溝61は該回収機62に向かって傾斜して
おり、該回収機62にて回収溝61内に流入した水を回
収できるようにしている。
【0060】発酵ユニット槽6内での菌混合汚泥中の水
分は、上記菌混合汚泥中の細菌及び/又は消臭成分を含
んだ形で蒸気となり、この蒸気を凝縮して水(凝縮水)
とし、回収溝61を介して回収機62にて回収されるの
で、回収機62にて回収された水には好熱菌又は/及び
該好熱菌が混合されている。そして、上記凝縮水を消臭
設備Dの図示しない水噴霧装置にて汚泥処理施設Aを設
けた図示しない建屋内に噴霧し、あるいは所定の場所に
噴霧、散水等することにより、凝縮水中の細菌及び/又
は消臭成分の作用によって消臭が行われる。
【0061】なお、得られた凝縮水は上述の汚泥処理シ
ステムにおける消臭効果のみならず、土壌改良剤等の液
体肥料に対してもその効果を発揮するものである。
【0062】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上記に示した実施形態に限定されず、そ
の技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施
されてよいものであり、以下、これら異なる形態につい
て説明する。
【0063】まず上記実施形態では、本発明を汚泥処理
施設及び消臭設備Dに適用したものとして説明したが、
上記に限らず既知のあらゆる施設に適用されてよい。例
えば発酵ユニット槽は一つのみ設け、回収溝を設けるこ
となく回収機を直接に発酵ユニット槽に連結してもよ
い。あるいは発酵ユニット槽を複数設けた場合であって
も各発酵ユニット槽に回収機を直接連結してもよい。
【0064】また汚泥中の水分を回収するものとして説
明したが、水分を再利用しないのであれば、発酵ユニッ
ト槽の上面を開放して蒸気を自然に拡散させてもよく、
この場合には本発明は水分の除去システム及び除去方法
として用いられる。
【0065】
【発明の効果】上記したように請求項1〜3に記載の本
発明は、汚泥に細菌を混合することにより菌混合汚泥と
し、該細菌の作用により上記菌混合汚泥を発酵させ、上
記発酵に伴って生ずる熱により上記菌混合汚泥中の水分
を、上記菌混合汚泥中の細菌及び/又は消臭成分を含め
て蒸気とし、上記蒸気又は該蒸気を凝縮させた凝縮水を
回収する等としたことにより、汚泥中の水分を何ら加熱
等することなく除去又は回収でき、水分の除去又は回収
を非常に容易に行うことができる。したがって汚泥処理
全体の効率を一層向上させることができる。また汚泥中
の水分を、上記菌混合汚泥中の細菌及び/又は消臭成分
を含めて蒸気とすることにより、蒸気又は該蒸気を凝縮
させた凝縮水に消臭能力を持たせることができ、蒸気等
を消臭に利用することができる。
【0066】また請求項4及び5記載の本発明は、上記
発酵ユニット槽を複数並設し、上記複数の発酵ユニット
槽の近傍に該発酵ユニットの並設方向に沿って回収溝を
設けると共に、該回収溝に上記複数の発酵ユニット槽内
の蒸気又は蒸気を凝縮させた凝縮水を導き、上記回収溝
に対し上記回収機を連結して上記回収溝に導いた上記凝
縮水を回収してなること等により、回収溝を介して水を
効率よく回収できる。したがって汚泥処理を一層効率化
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本システム及び本方法を適用した汚泥処理施設
及び消臭設備全体構成を示す平面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図1の発酵ユニット及びその周辺の拡大斜視図
である。
【図4】本システム及び本方法に使用される発酵ユニッ
ト槽を移動させるためのコンベアの一実施例を示す拡大
斜視図である。
【符号の説明】
A 汚泥処理施設 B ユニット停留場 C 搬出入場 D 消臭設備 1 トラック 2 汚泥受入装置 3 ミキサー 4 菌混合装置 6 発酵ユニット槽 7 取出システム 8 分類装置 9 処理品搬出装置 11 タンク 32 保温管 33 蒸気排出管 34 空気供給管 35 照明装置 36 センサ 37 閉蓋 41 底板 42 シャフト 43 モータ 45 チェーン 47 ギア 48 押板 50 移動システム 51 コンベア 52 台車 53 台車用レール 54 ローラ 55 固定装置 55a 溝部 56 ワイヤ 57 フック 60 基台 61 回収溝 62 回収機 65 固定板 66 ナット 67 固定ナット 68 ネジ部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥処理における汚泥中水分回収方法に
    おいて、 汚泥に細菌を混合することにより菌混合汚泥とし、該細
    菌の作用により上記菌混合汚泥を発酵させ、 上記発酵に伴って生ずる熱により上記菌混合汚泥中の水
    分を、上記菌混合汚泥中の細菌及び/又は消臭成分を含
    めて蒸気とし、 上記蒸気又は該蒸気を凝縮させた凝縮水を回収すること
    を特徴とする汚泥処理における汚泥中水分回収方法。
  2. 【請求項2】 汚泥処理における汚泥中水分除去方法に
    おいて、 汚泥に細菌を混合することにより菌混合汚泥とし、該細
    菌の作用により上記菌混合汚泥を発酵させ、 上記発酵に伴って生ずる熱により上記菌混合汚泥中の水
    分を、上記菌混合汚泥中の細菌及び/又は消臭成分を含
    めて蒸気とすることにより上記汚泥中の水分を除去する
    ことを特徴とする汚泥処理における汚泥中水分除去方
    法。
  3. 【請求項3】 汚泥処理における汚泥中水分回収システ
    ムにおいて、 汚泥に細菌が混合された菌混合汚泥を養生して該菌混合
    汚泥を発酵させ、該発酵に伴って生ずる熱により上記菌
    混合汚泥中の水分を、上記菌混合汚泥中の細菌及び/又
    は消臭成分を含めて蒸気とする発酵ユニット槽と、 上記蒸気又は該蒸気を凝縮させた凝縮水を回収する回収
    機と、を備えたことを特徴とする汚泥処理における汚泥
    中水分回収システム。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の汚泥処理における汚泥
    中水分回収システムにおいて、 上記発酵ユニット槽を複数並設し、 上記複数の発酵ユニット槽の近傍に該発酵ユニットの並
    設方向に沿って回収溝を設けると共に、該回収溝に上記
    複数の発酵ユニット槽内の蒸気又は蒸気を凝縮させた凝
    縮水を導き、 上記回収溝に対し、上記回収機を連結して上記回収溝に
    導いた上記凝縮水を回収してなることを特徴とする汚泥
    処理における汚泥中水分回収システム。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の汚泥処理における汚泥
    中水分回収システムにおいて、 上記発酵ユニット槽には該ユニット槽の上方の開口部を
    略覆う閉蓋を設け、該発酵ユニット槽の端部には該発酵
    ユニット槽の内部に連通しており、該発酵ユニット槽内
    の蒸気を該蒸気を凝縮させた凝縮水として上記回収溝に
    導く蒸気排出管を設けたことを特徴とする汚泥処理にお
    ける汚泥中水分回収システム。
JP9354214A 1997-12-08 1997-12-08 汚泥処理における汚泥中水分回収方法、汚泥中水分除去方法並びに汚泥中水分回収システム Pending JPH11169894A (ja)

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