JPH11169893A - 汚泥処理方法及び汚泥処理システム - Google Patents

汚泥処理方法及び汚泥処理システム

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JPH11169893A
JPH11169893A JP9354213A JP35421397A JPH11169893A JP H11169893 A JPH11169893 A JP H11169893A JP 9354213 A JP9354213 A JP 9354213A JP 35421397 A JP35421397 A JP 35421397A JP H11169893 A JPH11169893 A JP H11169893A
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JP
Japan
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sludge
bacteria
fermentation unit
sludge treatment
tank
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JP9354213A
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English (en)
Inventor
Kenro Motoda
謙郎 元田
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Motoda Electronics Co Ltd
Original Assignee
Motoda Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚泥処理の過程において、意図的に発生させ
た微生物を利用した汚泥の浄化処理を効率よく、また簡
易に行うことができる汚泥処理方法及び汚泥処理システ
ムを提供する。 【解決手段】 汚泥処理システムは、汚泥に対し好熱菌
又は/及び光栄養細菌を混合するための菌混合装置4
と、上記菌混合装置4にて上記細菌が混合された上記汚
泥を養生することにより該汚泥を発酵させ浄化させるた
めの発酵ユニット槽6とを備える。また、汚泥処理方法
は、汚泥に対し好熱菌又は/及び光栄養細菌を混合し、
上記細菌が混合された上記汚泥を所定期間養生すること
により該汚泥を上記細菌にて発酵させ浄化させ、上記浄
化させた汚泥の一部を戻し材として浄化前の汚泥に混合
させる。また、上記汚泥汚泥を発酵させる際、該発酵に
伴って生ずる熱により上記菌混合汚泥中の水分を、該菌
混合汚泥中の細菌及び/又は消臭成分を含めて蒸気と
し、上記蒸気又は該蒸気を凝縮させた凝縮水を回収し、
該凝縮水を浄化前の汚泥に対する消臭に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚泥(本明細書中
において、し尿・生ゴミ・工場から排出される肉片等の
一般廃棄物及び汚泥・畜糞等の産業廃棄物を総称して
「汚泥」と呼ぶ)を菌の作用により発酵させて浄化処理
するための汚泥処理方法及び汚泥処理システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より汚泥を処理することが行われて
いる。この処理を大別すると、汚泥を微生物の分解力を
用いて浄化する「浄化処理」と、海洋に投棄する「海洋
投棄」とがある。
【0003】このうち浄化処理としては、自然中の微生
物を利用した浄化処理と、意図的に加えた微生物を利用
した浄化処理とが提案されている。
【0004】自然中の微生物を利用する処理の例として
は、汚泥を地中に埋めて微生物による自然発酵・分解に
て浄化するものが挙げられる。
【0005】また意図的に加えた微生物を利用する処理
として、好熱菌を利用した方法が提案されている。好熱
菌は通常の常温性微生物が増殖する温度範囲よりも高い
温度で増殖するものであり、単に有機物を分解するだけ
でなく、汚泥中の病原菌や有害な寄生虫卵を高温に曝す
ことによって不活化することができるものである。
【0006】具体的な処理の過程としては、汚泥中に生
息する様々な微生物のうち比較的低温で増殖するバクテ
リア、真菌及び放線菌等の細菌によって発酵が開始さ
れ、これらは堆肥化過程進行に伴い急激に増殖し、これ
と同時に有機物の分解熱によって温度が30〜60℃ま
で上昇する。このとき温度に弱い酵母、カビ及び硝酸菌
等は死滅する。温度が上昇すると意図的に加えた好熱菌
が増殖しはじめ、さらに発酵熱が高まり、病原細菌、病
虫卵、有害昆虫卵、ウイルス、雑草種子等の大部分が不
活化され、人畜に無害なものになる。ここでの好熱菌と
して、通常の好熱菌のみならず、バイオコロニー、バイ
オヒート(共にバイオスペシャル社製)といった特に高
温性な好熱菌をも使用することにより、120℃前後の
高温まで上昇させて発酵させることが可能となる。この
ように好熱菌を使用することでより高温での発酵処理が
可能となり、したがって自然発酵に比べ処理時間を著し
く短縮することができ、また汚泥の浄化・安定化をより
一層高めることができるといったメリットがある。
【0007】また、微生物として光栄養細菌を利用した
方法もある。具体的には、光栄養細菌を担体に固定させ
たものを対象物に添加したり(特開平5−111694
号)、当該細菌を担体に固定させたものをパイプ状の処
理管装置の内部に混入させて、対象物を処理する装置
(特開平8−224592号)等が挙げられる。ここで
「光栄養細菌」とは、一般に光合成細菌(Photosynthet
ic bacteria )と呼ばれている細菌のことをいい、「Be
rgey's Manual of Determinative Bacteriology8th edi
tion (1974)」で確立された分類に従い、光栄養細菌
(Phototrophic bacteria )として開示されるものを意
味する。
【0008】具体的には、特に限定はなく、ロドスピリ
ラム属、ロドシュードモナス属、及びロドミクロビウム
属を含むロドスピリ・ラーシエ科;クロマチウム属等を
含むクロマティ・アーシエ科;クロロビウム属等を含む
クロロビ・アーシエ科のうちを単独で又は2種以上混合
して用いることができる。
【0009】なお上記光栄養細菌のみでは処理槽内で捕
食菌により捕食され、処理効率を所定のものに維持する
ためには、処理中に光栄養細菌の補充が必要となり不便
であるので、好ましい態様として、上記光栄養細菌をそ
の内部に固定するための「担体」を、該光栄養細菌に対
し、所定割合で添加して用いることができる。このよう
な「担体」としては、光栄養細菌の固定率が高いという
点より、多孔質粒子が好ましく、より具体的には、パー
ライト、バーミキュライト、珪藻土、活性炭、多孔質セ
ラミックス等が好ましく、上記多孔質粒子の他、内部に
固定化光栄養細菌を含む担体を充填したポリビニル製の
チューブや、アルギン酸ナトリウム及び/又はアルギン
酸カルシウム等の含水ゲル状担体をも好ましい担体とし
て用いることが可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の浄
化処理のうち、自然中の微生物を利用する処理にあって
は浄化されるまで長期間を要し、また発酵臭も強い。さ
らに現代の都市型住宅では土に乏しいという実情もあ
る。生ゴミ以外のし尿や畜糞の浄化処理効率については
未だ十分でない。
【0011】また海洋投棄による処理においては、該海
洋投棄が近々全面禁止になることが決定しており、該処
理に変わる処理方法の確立が強く要望されている。
【0012】ここで、意図的に加えた微生物を利用する
処理は上記問題がなく新しい浄化処理方法として有望視
されているが、上述したようにその基本的な原理は確立
されているものの、該処理を効率良く連速的かつ迅速に
行うためのシステム及び装置は未だ提案されておらず、
実用化には至っていない。したがって意図的に発生させ
た微生物を利用する処理を効率よく実現するためのシス
テムを確立することが切望されていた。
【0013】本発明は、従来の汚泥処理における問題に
鑑みなされたもので、意図的に発生させた微生物を利用
した汚泥の浄化処理を効率よく、また簡易に行うことが
できる汚泥処理方法及び汚泥処理システムを提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1に記載の本発明は、汚泥を浄化処理するため
の汚泥処理方法において、上記汚泥に対し所定の細菌を
混合して菌混合汚泥とし、該菌混合汚泥を所定期間養生
することにより発酵させ浄化することを特徴として構成
されている。
【0015】また請求項2に記載の本発明は、請求項1
に記載の本発明において、上記浄化させた汚泥の一部を
戻し材として浄化前の汚泥に混合することにより、該浄
化前の汚泥に上記細菌を混合してなることを特徴として
構成されている。
【0016】また請求項3に記載の本発明は、請求項2
に記載の本発明において、上記戻し材として浄化前の汚
泥に混合することにより、該浄化前の汚泥の水分調整を
行うことを特徴として構成されている。
【0017】また請求項4に記載の本発明は、請求項2
又は3に記載の本発明において、上記浄化させた汚泥を
篩分けして所定径以下の小粒体と所定径以上の残り材に
分類し、該残り材を上記戻し材とすることを特徴として
構成されている。
【0018】また請求項5に記載の本発明は、請求項2
〜4の何れか一に記載の本発明において、上記戻し材の
混合を該戻し材及び上記浄化前の汚泥を粉砕しつつ行う
ことを特徴として構成されている。
【0019】また請求項6に記載の本発明は、請求項1
〜5の何れか一に記載の本発明において、上記菌混合汚
泥を発酵させる際、該発酵に伴って生ずる熱により上記
菌混合汚泥中の水分を、該菌混合汚泥中の細菌及び/又
は消臭成分を含めて蒸気とし、上記蒸気又は該蒸気を凝
縮させた凝縮水を回収し、該凝縮水を浄化前の汚泥に対
する消臭に用いることを特徴として構成されている。
【0020】また請求項7に記載の本発明は、汚泥を浄
化処理するための汚泥処理システムにおいて、上記汚泥
に対し所定の細菌を混合して菌混合汚泥とするための菌
混合装置と、上記菌混合装置にて上記細菌が混合された
菌混合汚泥を養生することにより発酵させ浄化させるた
めの発酵ユニット槽とを備えたことを特徴として構成さ
れている。
【0021】また請求項8に記載の本発明は、請求項7
に記載の本発明において、上記菌混合装置は、上記汚泥
及び細菌を粉砕しつつ混合することを特徴として構成さ
れている。
【0022】また請求項9に記載の本発明は、請求項7
又は8記載の本発明において、上記発酵ユニット槽には
該発酵ユニット槽内にて発生した蒸気を該発酵ユニット
槽の外部に排出するための蒸気排出口を設けたことを特
徴として構成されている。
【0023】また請求項10に記載の本発明は、請求項
7〜9の何れか一に記載の本発明において、上記発酵ユ
ニット槽を任意位置に移動するための移動システムを備
えたことを特徴として構成されている。
【0024】また請求項11に記載の本発明は、請求項
7〜10の何れか一に記載の本発明において、上記発酵
ユニット槽にて浄化された汚泥を処理品として梱包する
ための処理品搬出装置を備えたことを特徴として構成さ
れている。
【0025】また請求項12に記載の本発明は、請求項
11に記載の本発明において、上記発酵ユニット槽にて
浄化された汚泥を篩分けし、上記処理品搬出装置にて梱
包するための所定径以下の小粒体と浄化前の汚泥に対し
戻し材として混合するための所定径以上の残り材とに分
類する分類装置を設けたことを特徴として構成されてい
る。
【0026】また請求項13に記載の本発明は、請求項
12に記載の本発明において、上記発酵ユニット槽にて
浄化された汚泥を上記発酵ユニット槽を反転させること
によって該発酵ユニット槽内から取出して上記分類装置
に移送する取出システムを設けたことを特徴として構成
されている。
【0027】また請求項14に記載の本発明は、請求項
13に記載の本発明において、上記取出システムは、略
方形状の収納槽と該収納槽に対し略隣接配置した受槽と
の間に配置され、上記収納槽を回転自在に支承する支承
機構と、上記収納槽に連係され、該収納槽を上記支承機
構を支点として上記受槽側に回転させる回転手段とを備
えてなることを特徴として構成されている。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明たる汚泥処理方法及
び汚泥処理システムの一実施形態について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0029】図1は本処理システムにおける一実施例の
全体構成を示す平面図であり、図2は図1の要部拡大図
であり、図3は本処理システムに使用される菌混合装置
の一実施例を外周壁部方向から見た縦断面図であり、図
4は図3の菌混合装置を側面板方向から見た縦断面図で
あり、図5は本処理システムに使用される発酵ユニット
槽の主として発酵に関する部材を示した拡大斜視図であ
り、図6は本処理システムに使用される発酵ユニット槽
の主として内容物の排出に関する部材を示した拡大斜視
図であり、図7は本処理システムに使用される発酵ユニ
ット槽を移動させるためのコンベアの一実施例を示す拡
大斜視図であり、図8と図9は本処理システムに使用さ
れる発酵ユニット槽を移動させるためのコンベアの他の
実施例を示す拡大斜視図であり、図10は本処理システ
ムにおける取出システムの取出動作を概念的に示す図で
あり、(a)は発酵ユニット槽が取出位置近傍のコンベ
ア上に配置された状態での平面図であり、(b)はその
状態での側面図である。また図11は本処理システムに
おける取出システムの取出動作を概念的に示す図であ
り、(a)は発酵ユニット槽が分類装置に最も接近した
コンベア上に配置された状態での平面図であり、(b)
はその状態での側面図である。また図12は本処理シス
テムにおける取出システムの取出動作を概念的に示す図
であり、(a)は発酵ユニット槽が傾けられた状態での
平面図であり、(b)はその状態での側面図である。図
13は本処理システムの一実施例の概略を示すフローチ
ャートである。
【0030】本発明においては上記した好熱菌又は光栄
養細菌をいずれか単独で又は混合して用いてもよい。ま
た上記細菌のみでは処理槽内で捕食菌により捕食されて
処理効率の低下を招くので、好ましくは上記細菌をその
内部に固定するための担体、例えばパーライト、バーミ
キュライト、珪藻土、活性炭、多孔質セラミックス等の
多孔質粒子を該細菌に対し、所定割合で添加して用いる
ことができる。なお、本実施形態では好熱菌を用いた例
を示す。
【0031】まず本システム及び本処理方法の概略を説
明し、その後システム内の各装置について詳細に説明す
る。
【0032】本処理システムは、図1及び図2に示すよ
うに、汚泥を処理するユニット停留場B及びトラック1
が入場する搬出入場Cからなる汚泥処理施設Aを備えて
なる。この汚泥処理施設Aは図示しない建屋内に建設さ
れ、該建屋内に設けた消臭設備Dによって汚泥処理施設
Aの臭気が外部に漏れるのを回避してある。
【0033】搬出入場Cに運ばれた汚泥は、汚泥受入装
置2に投入され、ミキサー3に移されて該ミキサー3内
で後述する戻し材が租混合される。この汚泥は菌混合装
置4に順次移され、この菌混合装置4内で好熱菌が混合
される(このように菌混合装置4内において好熱菌が混
合された汚泥を菌混合汚泥と呼ぶ。以下同様)。
【0034】次に菌混合汚泥は、ベルトコンベアを介し
てユニット停留場Bの発酵ユニット槽6に移される。発
酵ユニット槽6は、ユニット停留場Bに所定日数の養生
期間停留され、その間に好熱菌の作用にて汚泥が発酵す
る。養生期間を終えた各発酵ユニット槽6は、取出シス
テム7に移送され、該取出システム7によって分類装置
8にその内容物たる発酵済内容物(発酵ユニット槽6内
にて発酵期間を終えた菌混合汚泥を発酵済内容物と呼
ぶ。以下同様)を移される。この分類装置8で発酵済内
容物が戻し材(発酵済内容物のうちミキサー3に投入さ
れるものを戻し材と呼ぶ。以下同様)と処理品(発酵済
内容物のうち堆肥として出荷されるものを処理品と呼
ぶ。以下同様)に分類された後、処理品は処理品搬出装
置9に移され、農作物のための肥料として利用される。
一方戻し材はミキサー3に移され、新たに投入された汚
泥と共に租混合される。以後同様の作業を連続的に行な
う。
【0035】なお、上記戻し材は主として新規に投入す
る汚泥の水分が少ない場合であってもその水分を調整す
る役割、即ち水分調整材として機能し、その後の発酵促
進に大いに役立つこととなる。さらにかかる戻し材を再
投入することにより、新規に投入する種菌の量を軽減す
ることもできる。上記戻し材は、上記新規投入汚泥に混
合した状態で、その水分が50%以上に、好ましくは5
5%程度になるよう添加量を調整することができ、その
後の汚泥の発酵を速やかに促進することができることと
なる。
【0036】次に、搬出入場Cの各装置を詳細に説明す
る。この搬出入場Cには、主として、汚泥受入装置2、
ミキサー3、菌混合装置4、取出システム7、分類装置
8及び処理品搬出装置9が設けられており、また当該搬
出入場Cに出入りするトラック1にはタンク11が載置
されている。このタンク11は略方形コンテナ状に形成
され、その内部に汚泥を所定量収納自在とされている。
【0037】また汚泥受入装置2はホッパー状に形成さ
れ、その開放した上面を介して内部に汚泥を所定量収納
自在とされている。この汚泥受入装置2のミキサー3側
の下縁部には図示しない排出口が形成されており、この
排出口を介して内部の汚泥を排出自在とされている。
【0038】ミキサー3は汚泥受入装置2と略同様のホ
ッパー状に形成され、図面X方向を長手方向とする図示
しないスクリューを内部に備える。このミキサー3には
図示しない投入口及び排出口が設けられており、汚泥受
入装置2の排出口から排出された汚泥と、後述する分別
装置の排出口から排出された戻し材とを投入口を介して
受け入れ、これら汚泥及び戻し材を内部のスクリューの
回転によって租混合すると共に、該回転によって排出口
に向けて搬送し、該排出口から排出する。
【0039】菌混合装置4は、図3及び図4に示すよう
に、円筒状の混合ドラム10を基台30上に回転支持装
置31を介して低速回転自在に支持して構成されてい
る。この混合ドラム10の両側面には側面板12、12
が取付けられており、このうち一方の側面板12には汚
泥及び好熱菌を取入れる取入口18aが設けられ、もう
一方の側面板12には混合処理した菌混合汚泥を取出す
取出口18bが設けられている。
【0040】この混合ドラム10の内周には、その長手
方向に長尺の薄板片からなる多数の掬上げフィン15、
15が、回転上り側位置にて汚泥を掬上げるように内周
に対して傾斜状に形成されている。そして、上記混合ド
ラム10の回転によって汚泥が上方に掬上げられる。ま
た掬上げフィン15は、回転上り側位置にある状態にお
いて取入口18a側から取出口18b側にかけて下り傾
斜状になるように形成されており、汚泥が順次回動しな
がら傾斜を利用して取出口18b側へ連続的に移動する
ようにしてある。なお取入口18a側の側面板12上部
には、空気又は好熱菌を取入れるための供給口16を設
けてある。この混合ドラム10の内部には、回転駆動軸
22が設けられ、該回転駆動軸22には多数の回転羽2
3が取付けられており、回転駆動軸22を高速に回転さ
せることにより回転羽23が高速に回転し、汚泥を切裂
状に粉砕する。
【0041】取出システム7は、図10〜図12に示す
ように、コンベア51高以下に位置する支承機構の一部
たる支承軸81及び回転手段としての押圧手段たるシリ
ンダ82にて構成されている。そして図1及び図2の複
数のコンベア51のうち取出位置に最接近したコンベア
51A上の発酵ユニット槽6を該コンベア51上におい
て分類装置8近傍まで搬送を行う。
【0042】支承軸81は、分類装置8と該分類装置8
に最も接近したコンベア51Aとの間に固定されるもの
で、上記コンベア51A上において搬送される発酵ユニ
ット槽6の軸受97(図6参照)に対応した高さよりや
や低めに配置されている。
【0043】シリンダ82は、コンベア51Aの位置下
方に配置され、該コンベア51Aの底板41中央付近に
設けられた図示しない貫通孔を通じて発酵ユニット槽6
端部を上下に昇降させることにより、該発酵ユニット槽
6を分類装置8側に傾けて、発酵処理済みの汚泥を取出
すようにするものである。なお取出システム7は、上記
コンベア51Aの位置(取出位置に最も近い位置)に、
その上面に自力回転するローラを備え、該ローラをY方
向に回転させることによって発酵ユニット槽6の搬送を
行う図示しない取出用コンベアを別途に有する構成を採
用してもよい。この場合、その下方に配置されたシリン
ダ82により、上記取出用コンベアの端部を上下に昇降
させることによって、発酵ユニット槽6をも含む取出用
コンベア全体を分類装置8側に傾けて、発酵処理済みの
汚泥を取出すことができる。
【0044】分類装置8は、図10〜図12に示すよう
に、地面を掘り下げてなるピット83内に配置されるも
ので、このことによって発酵ユニット槽6の開口部より
下方に配置される略方形コンテナ状の受槽84と、該受
槽84の真下に配置された篩分け装置85とから構成さ
れている。受槽84は取出システム7にて取出された発
酵ユニット槽6中の発酵済内容物を受け入れるためのも
ので、したがって少なくとも発酵ユニット槽6と略同じ
容量を有する。この受槽84の下面は開放されており、
受槽84にて受け入れられた発酵済内容物は直ちに篩分
け装置85に投入される。
【0045】篩分け装置85は発酵済内容物を所定径以
下の小粒体と、所定径以上の残り材との2つに分類する
ためのもので、上記所定径に対応したメッシュ径の図示
しない網部を有し、該網部上に発酵済内容物を載置させ
ると共に、該網部を略水平方向に揺動させる。この篩分
け装置85にはベルトコンベアが連係されており、網部
を通過した所定径以下の小粒体は処理品として処理品搬
出装置9側に移送され、網部上に残留する残り材は所定
量戻し材としてミキサー3側に移送される。
【0046】また処理品搬出装置9は、ベルトコンベア
にて搬送される小粒体たる処理品を出荷可能に梱包す
る。
【0047】次に、ユニット退避場Bの設置装置を詳細
に説明する。このユニット退避場Bには、複数の発酵ユ
ニット槽6、発酵ユニット槽6をユニット退避場B内の
所定位置に移動させるための移動システム50が設けら
れている。
【0048】発酵ユニット槽6は、発酵処理中は内部を
外環境から隔離する密閉性の容器として形成されてい
る。
【0049】また該発酵ユニット槽6の上面には該発酵
ユニット槽6の平面形状に略対応した方形状の閉蓋37
が設けられており、該閉蓋37によって発酵ユニット槽
6の上面が略完全に覆われている。したがって、発酵ユ
ニット槽6内で発生した蒸気は外部へ流出不可とされて
いる。
【0050】また該発酵ユニット槽6の内部には、図5
に示すように主として発酵に関する部材として、内部の
温度を調節するために温湯を循環するための保温管3
2、汚泥と細菌の発酵処理を促進させるために空気を発
酵ユニット槽6底部から均一に送り込むための空気供給
管34が設けられている。さらに発酵ユニット槽6に
は、水蒸気を外部に排出する蒸気排出管33、好熱菌の
代わりに又は好熱菌と共に光栄養細菌が使用される場合
には該光栄養細菌の欲する光を照射する照明装置35が
設置される。また発酵ユニット槽6の側面には、発酵処
理の開始段階から終了段階までの発酵ユニット槽6の内
部の温度・内圧の状態を把握し、外部の処理装置に出力
するためのセンサ36が取り付けられている。
【0051】また、発酵ユニット槽6は、図6に示すよ
うに主として内容物の排出に関する部材として、その広
幅側の両側面のうちの一方には蓋部90が設けられてい
る。この蓋部90は、発酵ユニット槽6の長手幅に略対
応した幅及び発酵ユニット槽6の略半分程度の高さの略
方形状の図示しない開口部を発酵ユニット槽6の側面に
形成すると共に、この開口部の外側に該開口部と略同形
状の蓋板91を設けて構成されるもので、該蓋板91を
その上部に設けたヒンジ92を介して発酵ユニット槽6
に開閉自在に取付けることにより、蓋板91によって開
口部が閉塞自在とされている。
【0052】この蓋板91の長手方向の両端部には、該
蓋板91を閉状態に維持するための蓋止め93が設けら
れている。この蓋止め93は付勢板94と開閉板95を
その間に設けた回転縦軸96を介して所定角度で略一体
に連接して構成されている。この蓋止め93の付勢板9
4は図示しないスプリングによって蓋板91を発酵ユニ
ット槽6側に付勢するもので、この付勢力によって蓋板
91が発酵ユニット槽6側に押し付けられて、該蓋板9
1にて発酵ユニット槽6の開口部が閉じられている。ま
た蓋止め93の開閉板95は、発酵ユニット槽6より若
干側方に突出し、後述する押当棒に押当てられることに
よって付勢板94を回転させ、発酵ユニット槽6の開口
部を開放状態とするものである。
【0053】また発酵ユニット槽6には、その蓋部90
の下方に、該発酵ユニット槽6の長手方向に沿って支承
機構の一部たる軸受97が設けられている。この軸受9
7はその内部の溝部に後述する支承軸81を受け入れ、
該支承軸81を中心として発酵ユニット槽6を回転自在
とする。すなわち本形態において支承機構は、軸受97
及び支承軸81にて構成されている。
【0054】発酵ユニット槽6を所定位置に移動させる
ための移動システム50は、複数のコンベア51、台車
52及び台車用レール53にて構成されている。
【0055】コンベア51は、発酵ユニット槽6を図1
及び図2におけるY方向に移動させるためのもので、図
1及び図2に示す略全部の発酵ユニット槽6のそれぞれ
の下部に配置されている。
【0056】このコンベア装置51は、図7に示すよう
に、全体がフレームにより形成され、その長手方向の左
右両端には、一定数のローラ54が該ローラ54を挟む
ように取り付けられた縦板に回転自在に軸着されてお
り、その中央部には、前後に取り付けられたギア47に
チェーン45を捲架したチェーンコンベアが左右2カ所
に一対として設けられ、押板48が左右のチェーン45
に橋絡して固定されている。
【0057】押板48は、コンベア装置51中央に設置
されたモータ43を駆動することによりシャフト42が
回転し、チェーン45がシャフト42に取り付けられた
ギア47を介して正逆自在に回転するのに伴って回転す
るようになっている。これにより、コンベア装置51上
に載置された発酵ユニット槽6をコンベア装置51の長
手方向に対して直角方向へ移動させることができる。従
って、コンベア装置が複数配置された本願汚泥処理シス
テムにあっては、Y方向に互いに隣接するコンべア51
同士で発酵ユニット槽6を移動させることができる。
【0058】またコンベア装置51には、発酵ユニット
槽6をコンベア装置51上に固定してトラックに積載し
運搬するために、左右のローラ54とチェーンコンベア
の間には前後に固定装置55が内設されている。
【0059】固定装置55の内部には、ネジ部材68が
取り付けられ、該ネジ部材には固定板65と該固定板6
5を挟むように両側からナット67が取り付けられる。
これによりナット67を緩めて固定板65を移動させ適
当な位置でナット67を締めることにより固定板65の
位置を微調整することができ、発酵ユニット槽6がコン
ベア装置51上で多少ずれても確実に固定することが可
能となる。
【0060】なお、上記発酵ユニット槽6の固定は、該
発酵ユニット槽6をコンベア装置51上に載置した後、
コンベア装置51に内設された固定装置55から固定板
65を引き出し、発酵ユニット槽6の両側面の左右に取
り付けられた固定ナット66に締着することにより行な
う。
【0061】またこのコンベア51は、図8に示すよう
にその左右の両端にY方向に回転自在のローラ54が設
けられ、その中央には溝部55aが形成されており、こ
の溝部55aにはY方向に沿ったワイヤ56が配置さ
れ、またワイヤ56の所定位置にはフック57が設けら
れた態様でもよく、該ローラ54上に配置された発酵ユ
ニット槽6の進行方向を基準とする後端部にフック57
を係止させ、ワイヤ56を引っ張ることによって発酵ユ
ニット槽6を移動させることもできる。例えば図1の地
点P1にある発酵ユニット槽6を地点P2に移動させる
ことができる。
【0062】なお、ワイヤ56はユニット停留場BのY
方向における全長に沿って配置されており、コンベア5
1の溝部55aを通ってユニット停留場Bの一端部まで
引っ張られた後に、コンベア51の下方を通って通って
ユニット停留場Bの他端部に戻される。このワイヤ56
に設けたフック57は図示しない制御手段によって任意
のタイミングで昇降状態(発酵ユニット槽6の後端部に
係止する状態と係止しない状態)とされる。
【0063】また、このコンベア51は、図9に示すよ
うに、Y方向に回転するベルト58が設けられた態様で
あってもよく、該ベルト58をコンベア本体の内部に設
置されたモ−タ59により回転させることにより、コン
ベア51上に載置された発酵ユニット槽6を移動させる
ことができる。
【0064】コンベア51は、予め処理場に連設された
基台60の上に配置され、搬出場Cに最も近く及び遠く
に設置されるコンベア51は、図1及び図2におけるX
方向に沿って配置された台車用レ−ル53に載上された
自走式の台車52上に設置される。そしてこの台車52
を台車用レール53に沿ってX方向に自走させることに
よって、発酵ユニット槽6をX方向に移動させることが
できる。例えば図1の地点P3にある発酵ユニット槽6
を地点P4に移動させることができる。
【0065】このようにコンベア51によって発酵ユニ
ット槽6をY方向に移動させ、また台車52によってX
方向に移動させることができ、これらY方向及びX方向
の移動を組合せることによって発酵ユニット槽6をユニ
ット退避場B内の任意の場所に移動させることができ
る。
【0066】また、コンベア51と台車52とによって
移動システム50を構成することにより、汚泥処理施設
の増設が簡単に出来ると共に、土地の面積、形状に左右
されることなく汚泥処理施設を作ることが可能となる。
【0067】次に消臭設備Dについて説明する。この消
臭設備Dには、図1に示すように、回収溝61、回収機
62及び図示しない水噴霧装置が設けられている。
【0068】上記発酵ユニット槽6内における菌混合汚
泥の発酵の際、該発酵に伴って菌混合汚泥の温度は約9
0〜130℃程度にまで上昇する。そうすると、菌混合
汚泥中の水分は、上記菌混合汚泥中の細菌及び/又は消
臭成分を含んだ形で蒸気となり、この蒸気を凝縮させて
水(以下、「凝縮水」ともいう)とすることにより、回
収溝61を介して回収機62により回収する。
【0069】そして、上記凝縮水を水噴霧装置にて汚泥
処理施設Aを設けた図示しない建屋内に噴霧し、あるい
は所定の場所に噴霧、散水等することにより、凝縮水中
の細菌及び/又は消臭成分の作用によって消臭が行われ
る。
【0070】なお、得られた凝縮水は上述の汚泥処理シ
ステムにおける消臭効果のみならず、土壌改良剤等の液
体肥料に対してもその効果を発揮するものである。
【0071】まず上記のように発酵ユニット槽6には、
図5に示すように、蒸気排出管33が設けられており、
発酵ユニット槽6内で発生した蒸気は、該蒸気排出管3
3を通過する際に凝縮されて水となって蒸気排出管33
から排出される。
【0072】ここで、図1及び図5に示すように、発酵
ユニット槽6の蒸気排出管33の排出口下方には、複数
の発酵ユニット槽6の並設方向(図1におけるY方向)
に沿って回収溝61が配置されている。この回収溝61
は、発酵ユニット槽6の設置面を掘り下げることにより
形成されるもので、複数の発酵ユニット槽6内の蒸気を
凝縮させた水を流入可能な容量を有する上部を開放した
縦断面略コ字状の溝体として形成されている。
【0073】この回収溝61の一端は閉塞されて水が流
出不能とされるとともに、他端には回収機62が連結さ
れており、該回収溝61は該回収機62に向かって傾斜
しており、該回収機62によって回収溝61内に流入し
た水を回収できるようにしている。
【0074】なお、発酵ユニット槽6内での菌混合汚泥
中の水分は、上記菌混合汚泥中の細菌及び/又は消臭成
分を含んだ形で蒸気となり、この蒸気を凝縮して水(凝
縮水)とし、回収溝61を介して回収機62にて回収さ
れるので、回収機62にて回収された水には好熱菌又は
/及び該好熱菌が混合されている。
【0075】そしてこのようにして回収された水は、上
記回収機62に連結された図示しない水噴霧装置によ
り、トラック1から汚泥受入装置2への新規汚泥投入時
にまた該受入装置2からミキサー3及び菌混合装置4へ
の移送時に、また汚泥を該受入装置2へ投入した後のト
ラック1の荷台に、それぞれ噴霧される。このようにし
て本汚泥処理システム中における適所に発生する異臭を
消臭することが可能となる。
【0076】次に、本処理方法の処理手順について図1
3を参照しつつ詳細に説明する。荷台に載置したタンク
11に汚泥を収納したトラック1は、汚泥処理施設Aに
おける搬出入場Cに入場し、上面を開放した汚泥受入装
置2に後部を対峙させ、タンク11を傾斜させることに
よって、該タンク11の内容物たる汚泥を汚泥受入装置
2に投入する(ステップS3,4)。投入後、図示しな
い自動洗浄装置に向かい、該自動洗浄装置によってトラ
ック1及びそのタンク11が自動的に洗浄され(ステッ
プS1)、次の汚泥の積載地に向かう。
【0077】上記トラック1による汚泥受入装置2への
汚泥投入は、該汚泥受入装置2内に投入された汚泥が所
定量になるまで行われる。ここで汚泥受入装置2には図
示しない汚泥重量計量器が備えられており、汚泥受入装
置2に投入された汚泥の重量が汚泥重量計量器にて計量
される。例えば1台のトラック1から約10tの汚泥が
投入され、汚泥受入装置2に投入すべき所定量が100
tであるとすれば、10台のトラック1にて汚泥の投入
が行われる。
【0078】この汚泥受入装置2への汚泥及び戻し材の
投入に際しては、消臭スプレーによる消臭が行われる。
また投入された汚泥の水分が測定される(ステップS
5,6)。
【0079】汚泥受入装置2に投入された汚泥はベルト
コンベアを介してミキサー3に投入される。また同時に
ミキサー3には、分類装置8にて分類された大径部たる
戻し材がベルトコンベアを介して投入される。この戻し
材はその内部に好熱菌を含むものであり、このように好
熱菌を含む戻し材を汚泥と同時に投入することによっ
て、該汚泥に好熱菌が種菌として混合される。
【0080】そしてミキサー3の内部のスクリューの回
転によって汚泥及び戻し材が租混合される。
【0081】ミキサー3にて租混合され排出された汚泥
及び戻し材は菌混合装置4に設けた取入口18aに達
し、該取入口18aを介して菌混合装置4の内部に連続
的に投入される。菌混合装置4は常時回転しており、こ
の回転によって、該菌混合装置4内部の汚泥が内部機構
によって細かく粉砕され、またこの粉砕と同時に該汚泥
に対して好熱菌が略均一に混合され、菌混合汚泥が形成
される。そして、この菌混合汚泥が菌混合装置4の取出
口18bから外部へ排出される(ステップS7)。この
菌混合装置4における混合に際しては、消臭スプレーに
よる消臭が行われる(ステップS8)。
【0082】菌混合装置4から排出された菌混合汚泥は
ベルトコンベアによって発酵ユニット槽6の内部に投入
される。ここでも消臭スプレーによる消臭、エアー吸引
及びエアー供給が行われる(ステップS10〜12)。
そして発酵ユニット槽6はコンベア51及び台車52に
てユニット停留場Bにおける所定番地に移送され、該地
において所定日数の養生期間退避し、上記好熱菌の作用
による汚泥の発酵を待つ(ステップS13〜15)。
【0083】ユニット停留場B内に搬入された発酵ユニ
ット槽6に納められた菌混合汚泥は、菌の発酵に必要な
温度を保持するため、発酵ユニット槽6の側面に斜設さ
れた樋上に温湯が流され、保温管12内に供給され、菌
の発酵に適した温度に保温される。保温管12から排出
された温湯は回収され、ボイラ−で再度加温されて再び
発酵ユニット槽6内に供給される。特に寒冷地において
は汚泥の温度が低いため、発酵が進みにくく、処理が完
了するまでの期間が長くなるのを防ぐことが可能とな
る。
【0084】この養生期間中に各発酵ユニット槽6は、
台車52によりX方向に、そしてコンベア51中の押板
48が回転することによってY方向に、その停留位置が
順次変更され、養生期間終了時には取出位置に最も近い
コンベア51A上に配置される。
【0085】台車52に設置されたコンベア51A上に
発酵ユニット槽6を移動させ(図10参照)、コンベア
51A中の押板48により発酵ユニット槽6を分類装置
8側に移動させる。この移動の際、コンベア51Aの両
側方に立設された図示しない押当棒に対して蓋止め93
の開閉板95が押当てられ、回転縦軸96を中心として
付勢板94が自己の付勢力に抗して回転し、発酵ユニッ
ト槽6の開口部が開放される。
【0086】また発酵ユニット槽6の移動の際、軸受9
7の溝部に支承軸81が受け入れられ、発酵ユニット槽
6が回転自在とされる(図11参照)。
【0087】そして、シリンダ82がコンベア51A上
の発酵ユニット槽6の端部を上昇させ分類装置8側に傾
けられ、開口部を介して発酵ユニット槽6内の発酵済内
容物がその自重によって受槽84に排出される(図12
参照)。
【0088】そして上述とは逆の動作で、空の発酵ユニ
ット槽6がコンベア51A上に戻され、コンベア51A
が台車52によってX方向に移送され、空の発酵ユニッ
ト槽6が菌混合汚泥の受け入れ位置に移送される。(ス
テップS16,17)。
【0089】次に、上述の分類装置8において、発酵済
内容物が内部のフルイ形式の分類機構によって分類され
た後(ステップS19)、その略半分が処理品搬出装置
9に移され、該処理品搬出装置9で袋詰めされて、出荷
待ちのため製品倉庫に納められる(ステップS20)。
なお、ここでは消臭のためのエアー供給が行われる(ス
テップS21)。
【0090】そして、分類装置8内に残存する一部の発
酵済内容物は、戻し材として一旦戻し材置き場に収納さ
れる(ステップS22)。なお、ここでも消臭のための
エアー供給が行われる(ステップS23)。そして戻し
材は、新規投入汚泥の水分を50%以上に、好ましくは
55%程度となるように所定量添加して汚泥の水分調整
を図ると共に、種菌としての役割を果たすため再度汚泥
投入装置2に移され、再度菌混合装置4に移される(ス
テップS24)。以後、同様の作業を連続的に行なう。
【0091】さてこれまで本発明の一実施形態について
説明したが、本発明は上記に示した実施形態に限定され
ず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態に
て実施されてよいものであり、以下、これら異なる形態
について説明する。
【0092】まず発酵ユニット槽6の移動システムの第
二の実施形態について図14及び図15を用いて説明す
る。図14は本処理システムにおける他の実施例を示す
平面図であり、図15は図14の要部拡大図である。こ
の図14及び図15に示す移動システムは、移動台車7
0、台車用レール71、移動用レール72、ユニット用
レール73、移送取出レール74等にて構成されてい
る。
【0093】台車用レール71は、図14及び図15に
おけるY方向に平行に配置される2本一対のレールから
なるもので、その上に厚板で平面長方形状の移動台車7
0が配置されている。この移動台車70は平板上の本体
の下面に複数の滑車を設けてなるもので、該複数の滑車
を介して台車用レール71上を台車用レール71に沿っ
て移動可能とされている。この移動台車70の本体上面
には図13におけるX方向に平行な2本一対の移動用レ
ール72が配置されている。
【0094】一方、ユニット用レール73は、台車用レ
ール60の両側方位置に、図14におけるX方向に平行
に配置される2本一対のレールを複数組並設してなるも
ので、この複数組のユニット用レール73の各うちの任
意のユニット用レール73には発酵ユニット槽6が該ユ
ニット用レール73に沿って移動可能に配置されてい
る。この発酵ユニット槽6の下面には複数の滑車が設け
られており、該複数の滑車を介して、発酵ユニット槽6
がユニット用レール73上を移動可能とされている。
【0095】ここで、搬出入場Cの最もユニット槽退避
場Bよりの位置すなわちユニット用レール73と菌混合
装置4又は分類装置8との間に、図14におけるX方向
に平行に配置される2本一対のレールを配置してなる移
送取出レール74が配置されている。そしてユニット用
レール73の各レールと同様に、その上に発酵ユニット
槽6を移動可能に配置されている。
【0096】ここで、移動台車70の本体上面の移動用
レール72、ユニット用レール73及び移送取出レール
74は相互に平行かつ同じ幅で、またレール上面を互い
に同じ高さとされている。また図14に示すように、移
動用レール72は移動台車70の端部近傍まで延出し、
一方、ユニット用レール73及び移送取出レール74も
移動台車70の端部近傍まで延出して形成されている。
【0097】したがって移動台車70が各ユニット用レ
ール73又は移送取出レール74に隣接する位置まで移
動されることにより、該隣接する移動台車70の移動用
レール72と各ユニット用レール73又は移送取出レー
ル74とが面一状となって、移動用レール72に載置し
た発酵ユニット槽6を各ユニット用レール73又は移送
取出レール74に移動でき、あるいは逆に各ユニット用
レール73又は移送取出レール74に載置した発酵ユニ
ット槽6を移動用レール72に移動することができる。
【0098】このように本処理システムでは、移動台車
70を介して発酵ユニット槽6を移送取出レール74の
配置されている移送取出位置又は各ユニット用レール7
3の配置されている停留位置のうち任意の位置に移動自
在としている。
【0099】なおこの移動システムにおいてX方向の発
酵ユニット槽6の移動、すなわち移動用レール72から
各ユニット用レール73又は移送取出レール74への移
動及びその逆の移動は、図示しない押圧手段によって発
酵ユニット槽6をX方向に押圧することによって行われ
る。
【0100】
【発明の効果】上記したように請求項1記載の本発明
は、汚泥に対し所定の細菌を混合し、該細菌が混合され
た上記汚泥を所定期間養生することにより該汚泥を上記
細菌にて発酵させ浄化することとしたので、汚泥の浄化
処理を効率よく、また簡易に行うことができる。
【0101】また請求項2記載の本発明は、浄化させた
汚泥の一部を戻し材として浄化前の汚泥に混合して再投
入すること等としたので、新規に投入する種菌の量を軽
減することができる効果がある。
【0102】また請求項3乃至5記載の本発明は、浄化
させた汚泥の一部を戻し材として浄化前の汚泥に混合し
て再投入することにより浄化前の汚泥の水分調整を行う
こととしたので、その後の発酵を速やかに促進すること
ができると共に、新規に投入する種菌の量を軽減するこ
とができるといった効果がある。
【0103】また請求項6記載の本発明は、菌混合汚泥
を発酵させる際、該発酵に伴って生ずる熱により上記菌
混合汚泥中の水分を、該菌混合汚泥中の細菌及び/又は
消臭成分を含めて蒸気とし、上記蒸気又は該蒸気を凝縮
させた凝縮水を回収し、該凝縮水を浄化前の汚泥に対す
る消臭に用いることとしたので、汚泥中の水分を何ら加
熱等することなく除去又は回収でき、水分の除去又は回
収を非常に容易に行うことができる。したがって汚泥処
理全体の効率を一層向上させることができる。また回収
した水には蒸気又は該蒸気を凝縮させた凝縮水に消臭能
力を持たせることができ、蒸気等を消臭に利用すること
ができる。
【0104】また請求項7乃至12記載の本発明は、汚
泥に対し所定の細菌を混合するための菌混合装置と、該
菌混合装置にて該細菌が混合された上記汚泥を養生する
ことにより該汚泥を発酵させ浄化させるための発酵ユニ
ット槽とを備える等としたので、汚泥の浄化処理を効率
よく、また簡易に行うことができ、しかも一連の処理過
程で生じるものを有効に活用することができ、したがっ
て省資源に寄与することができる。
【0105】また請求項13及び14記載の本発明は、
発酵ユニット槽で浄化された汚泥を上記発酵ユニット槽
を反転させるによって分類装置に移送する取出システム
を設けたこと等により、回転時の収納槽の自重が支承部
にて支えられるため収納槽内容物の取り出しに必要な力
が半減するという効果を有する。したがって汚泥の浄化
処理を一層簡易に、安全に、かつ効率よく行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本処理システムにおける一実施例の全体構成を
示す平面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】本処理システムに使用される菌混合装置の一実
施例を外周壁部方向から見た縦断面図である。
【図4】図3の菌混合装置を側面版方向から見た縦断面
図である。
【図5】本処理システムに使用される発酵ユニット槽の
主として発酵に関する部材を示した拡大斜視図である。
【図6】本処理システムに使用される発酵ユニット槽の
主として内容物の排出に関する部材を示した拡大斜視図
である。
【図7】本処理システムに使用される発酵ユニット槽を
移動させるためのコンベアの一実施例を示す拡大斜視図
である。
【図8】本処理システムに使用される発酵ユニット槽を
移動させるためのコンベアの他の実施例を示す拡大斜視
図である。
【図9】本処理システムに使用される発酵ユニット槽を
移動させるためのコンベアの他の実施例を示す拡大斜視
図である。
【図10】本処理システムにおける取出システムの取出
動作を概念的に示す図であり、(a)は発酵ユニット槽
が取出位置近傍のコンベア上に配置された状態での平面
図であり、(b)はその状態での側面図である。
【図11】本処理システムにおける取出システムの取出
動作を概念的に示す図であり、(a)は発酵ユニット槽
が分類装置に最も接近したコンベア上に配置された状態
での平面図であり、(b)はその状態での側面図であ
る。
【図12】本処理システムにおける取出システムの取出
動作を概念的に示す図であり、(a)は発酵ユニット槽
が傾けられた状態での平面図であり、(b)はその状態
での側面図である。
【図13】本処理システムの一実施例の概略を示すフロ
ーチャートである。
【図14】本処理システムにおける他の実施例を示す平
面図である。
【図15】図14の要部拡大図である。
【符号の説明】
A 汚泥処理施設 B ユニット停留場 C 搬出入場 D 消臭設備 1 トラック 2 汚泥受入装置 3 ミキサー 4 菌混合装置 6 発酵ユニット槽 7 取出システム 8 分類装置 9 処理品搬出装置 10 混合ドラム 11 タンク 12 側面板 15 掬上げフィン 16 供給口 18a 取入口 18b 取出口 22 回転駆動軸 23 回転羽 30 基台 31 回転支持装置 32 保温管 33 蒸気排出管 34 空気供給管 35 照明装置 36 センサ 37 閉蓋 41 底板 42 シャフト 43 モータ 45 チェーン 47 ギア 48 押板 50 移動システム 51 コンベア 52 台車 53 台車用レール 54 ローラ 55 固定装置 55a 溝部 56 ワイヤ 57 フック 58 ベルト 59 モータ60 基台 61 回収溝 62 回収機 65 固定板 66 ナット 67 固定ナット 68 ネジ部材 70 移動台車 71 台車用レール 72 移動用レール 73 ユニット用レール 74 移送取出レール 81 支承軸 82 シリンダ 83 ピット 84 受槽 85 篩分け装置 90 蓋部 91 蓋板 92 ヒンジ 93 蓋止め 94 付勢板 95 開閉板 96 回転縦軸 97 軸受

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥を浄化処理するための汚泥処理方法
    において、 上記汚泥に対し所定の細菌を混合して菌混合汚泥とし、 該菌混合汚泥を所定期間養生することにより発酵させ浄
    化することを特徴とする汚泥処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の汚泥処理方法におい
    て、 上記浄化させた汚泥の一部を戻し材として浄化前の汚泥
    に混合することにより、該浄化前の汚泥に上記細菌を混
    合してなることを特徴とする汚泥処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の汚泥処理方法におい
    て、 上記戻し材として浄化前の汚泥に混合することにより、
    該浄化前の汚泥の水分調整を行うことを特徴とする汚泥
    処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の汚泥処理方法に
    おいて、 上記浄化させた汚泥を篩分けして所定径以下の小粒体と
    所定径以上の残り材に分類し、該残り材を上記戻し材と
    することを特徴とする汚泥処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4の何れか一に記載の汚泥処
    理方法において、 上記戻し材の混合を該戻し材及び上記浄化前の汚泥を粉
    砕しつつ行うことを特徴とする汚泥処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか一に記載の汚泥処
    理方法において、 上記菌混合汚泥を発酵させる際、該発酵に伴って生ずる
    熱により上記菌混合汚泥中の水分を、該菌混合汚泥中の
    細菌及び/又は消臭成分を含めて蒸気とし、 上記蒸気又は該蒸気を凝縮させた凝縮水を回収し、該凝
    縮水を浄化前の汚泥に対する消臭に用いることを特徴と
    する汚泥処理方法。
  7. 【請求項7】 汚泥を浄化処理するための汚泥処理シス
    テムにおいて、 上記汚泥に対し所定の細菌を混合して菌混合汚泥とする
    ための菌混合装置と、 上記菌混合装置にて上記細菌が混合された菌混合汚泥を
    養生することにより発酵させ浄化させるための発酵ユニ
    ット槽と、を備えたことを特徴とする汚泥処理システ
    ム。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の汚泥処理システムにお
    いて、 上記菌混合装置は、上記汚泥及び細菌を粉砕しつつ混合
    することを特徴とする汚泥処理システム。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載の汚泥処理システ
    ムにおいて、 上記発酵ユニット槽には該発酵ユニット槽内にて発生し
    た蒸気を該発酵ユニット槽の外部に排出するための蒸気
    排出口を設けたことを特徴とする汚泥処理システム。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9の何れか一に記載の汚泥
    処理システムにおいて、 上記発酵ユニット槽を任意位置に移動するための移動シ
    ステムを備えたことを特徴とする汚泥処理システム。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10の何れか一に記載の汚
    泥処理システムにおいて、 上記発酵ユニット槽にて浄化された汚泥を処理品として
    梱包するための処理品搬出装置を備えたことを特徴とす
    る汚泥処理システム。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の汚泥処理システム
    において、 上記発酵ユニット槽にて浄化された汚泥を篩分けし、上
    記処理品搬出装置にて梱包するための所定径以下の小粒
    体と浄化前の汚泥に対し戻し材として混合するための所
    定径以上の残り材とに分類する分類装置を設けたことを
    特徴とする汚泥処理システム。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の汚泥処理システム
    において、 上記発酵ユニット槽にて浄化された汚泥を上記発酵ユニ
    ット槽を反転させることによって該発酵ユニット槽内か
    ら取出して上記分類装置に移送する取出システムを設け
    たことを特徴とする汚泥処理システム。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の汚泥処理システム
    において、 上記取出システムは、略方形状の収納槽と該収納槽に対
    し略隣接配置した受槽との間に配置され、上記収納槽を
    回転自在に支承する支承機構と、 上記収納槽に連係され、該収納槽を上記支承機構を支点
    として上記受槽側に回転させる回転手段とを備えてなる
    ことを特徴とする汚泥処理システム。
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