JPH11188397A - 汚泥処理ユニット槽 - Google Patents

汚泥処理ユニット槽

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JPH11188397A
JPH11188397A JP9369661A JP36966197A JPH11188397A JP H11188397 A JPH11188397 A JP H11188397A JP 9369661 A JP9369661 A JP 9369661A JP 36966197 A JP36966197 A JP 36966197A JP H11188397 A JPH11188397 A JP H11188397A
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JP
Japan
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sludge
container
treatment unit
unit tank
sludge treatment
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JP9369661A
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English (en)
Inventor
Kenro Motoda
謙郎 元田
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Motoda Electronics Co Ltd
Original Assignee
Motoda Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 し尿、畜糞、生ごみ等の廃棄物からなる汚泥
を堆肥化してその有効利用を図るとともに、一連の処理
を効率良く連続的かつ迅速に行なうことができる汚泥の
微生物処理ユニット槽を提供する。 【解決手段】 汚泥を細菌と混合し発酵浄化処理する汚
泥処理ユニット槽において、発酵処理中は内部を外環境
から隔離する容器と、容器に設置され、汚泥と細菌の発
酵に伴い発生する蒸気を外環境に排出する蒸気排出口
と、容器に設置され、その内部の温度を調節するための
保温管と、容器に設置され、その内部に空気を吹き込む
ことによって汚泥と細菌の反応を促進するための空気供
給管と、容器に設置され、その内部の環境を測定し、汚
泥と細菌の発酵状態を把握するためのセンサと、を含み
構成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚泥(本明細書中
において、し尿・生ゴミ・工場から排出される肉片等の
一般廃棄物及び汚泥・畜糞等の産業廃棄物を総称して
「汚泥」と呼ぶ)を菌の作用により発酵させて浄化処理
するための汚泥処理システムにおける汚泥の微生物処理
ユニット槽に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より汚泥を処理することが行なわれ
ている。この処理を大別すると、汚泥を微生物の分解力
を用いて浄化する「浄化処理」と、海洋に投棄する「海
洋投棄」とがある。
【0003】このうち、浄化処理としては、自然中の微
生物を利用した浄化処理と、意図的に加えた微生物を利
用した浄化処理とが提案されている。自然中の微生物を
利用する処理の例としては、汚泥を地中に埋めて微生物
による自然発酵・分解にて浄化するものが挙げられる。
【0004】また、意図的に加えた微生物を利用する処
理としては、好熱菌を利用した方法が提案されている。
好熱菌は通常の常温性微生物が増殖する範囲よりも高い
温度で増殖するものであり、単に有機物を分解するだけ
ではなく、汚泥中の病原菌や有害な寄生虫卵を高温に曝
すことによって不活化することができる。
【0005】具体的な処理の過程としては、汚泥中に生
息する様々な微生物のうち比較的低温で増殖するバクテ
リア、真菌及び放線菌等の細菌によって発酵が開始さ
れ、これらは堆肥化過程進行に伴い急激に増殖し、これ
と同時に有機物の分解熱によって温度が30〜60℃ま
で上昇する。このとき温度に弱い酵母、カビ及び硝酸菌
等は死滅する。温度が上昇すると意図的に加えた好熱菌
が増殖しはじめ、さらに発酵熱が高まり、病原細菌、病
中卵、有害昆虫卵、ウイルス、雑草種子等の大部分が不
活化され、人畜に無害なものになる。ここでの好熱菌と
して、通常の好熱菌のみならず、バイオコロニー、バイ
オヒート(共にバイオスペシャル社製)といった高温性
な好熱菌をも使用することにより、120℃前後の温度
まで上昇させて発酵させることが可能となる。このよう
に好熱菌を使用することでより高温での発酵処理が可能
となり、したがって自然発酵に比べ処理時間を著しく短
縮することができ、また汚泥の浄化・安定化をより一層
高めることができるといったメリットがある。
【0006】また、上記細菌として光栄養細菌を利用し
た方法もある。具体的には、細菌として光栄養細菌を坦
体に固定させたものを対象物に添加したり(特開平5−
111694号)、当該細菌を坦体に固定させたものを
パイプ状の処理管装置の内部に混入させて、対象物を処
理する装置(特開平8−224592号)等が挙げられ
る。ここで、「光栄養細菌」とは、一般に光合成細菌
(Photosynthetic bacteria )と呼ばれている細菌のこ
とをいい、「Bergey's Manual of Determinative Bact
eriology 8th edition (1974) 」で確立された分類に従
い、光栄養細菌(Phototrophic bacteria )として開示
されるものを意味する。
【0007】具体的には、特に限定はなく、ロドスピリ
ラム属、ロドシュードモナス属、及びロドミクロビウム
属を含むロドスピリ・ラーシエ科;クロマチウム属等を
含むクロマティ・アーシエ科;クロロビウム属等を含む
クロロビ・アーシエ科のうちを単独で又は2種以上混合
して用いることができる。
【0008】なお、上記光栄養細菌のみでは処理槽内で
捕食菌により捕食され、処理効率を所定のものに維持す
るためには、処理中に光栄養細菌の補充が必要となり不
便であるので、好ましい態様として、上記栄養細菌をそ
の内部に固定するための「坦体」を、該光栄養細菌に対
し、所定割合で添加して用いることができる。このよう
な「坦体」としては、光栄養細菌の固定率が高いという
点より、多孔質粒子が好ましく、より具体的には、パー
ライト、バーミキュライト、珪藻土、活性炭、多孔質セ
ラミック等が好ましく、上記多孔質粒子の他、内部に固
定化光栄養細菌を含む坦体を充填したポリビニル製のチ
ューブや、アルギン酸ナトリウム及び/又はアルギン酸
カルシウム等の含水ゲル状坦体をも好ましい坦体として
用いることが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の汚
泥処理のうち、自然中の微生物を利用する処理にあって
は堆肥化されるまで長期間を要し、また発酵臭も強い。
さらに現代の都市型住宅では土に乏しいという実情もあ
る。生ごみ以外のし尿や畜糞の堆肥処理効率については
今だ十分でない。さらに、意図的に発生させた微生物を
利用する処理においては、上述したようにその基本的な
原理は確立されているものの、該処理を効率良く連続的
かつ迅速に行なうためのシステム及び装置は未だ提案さ
れておらず、実用化には至っていない。また、海洋投棄
による処理においては、該海洋投棄が近々全面禁止にな
ることが決定しており、該処理に代わる処理方法の確立
が強く要望されている。
【0010】本発明は、従来のこのような問題点に鑑み
なされたもので、し尿、畜糞、生ごみ等の廃棄物からな
る汚泥を堆肥化してその有効利用を図るとともに、一連
の処理を環境を損なうことなく効率良く連続的かつ迅速
に行なうことができる汚泥処理ユニット槽を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1に記載の発明は、汚泥を細菌と混合し発酵浄化
処理する汚泥処理ユニット槽において、発酵処理中は内
部を外環境から隔離する容器と、容器に設置され、汚泥
と細菌の発酵に伴い発生する蒸気を外環境にー排出する
蒸気排出口と、容器に設置され、その内部の温度を調節
するための保温管と、容器に設置され、その内部に空気
を吹き込むことによって汚泥と細菌の反応を促進するた
めの空気供給管と、容器に設置され、その内部の環境を
測定し、汚泥と細菌の発酵状態を把握するためのセンサ
と、を含み構成されている。
【0012】上記目的を達成するため請求項2に記載の
発明は、請求項1に記載の汚泥処理ユニット槽におい
て、さらに、細菌を光栄養細菌とした場合に、発酵処理
を促進させるための照明装置が、容器内部に設置されて
いることを特徴とする。
【0013】上記目的を達成するため請求項3に記載の
発明は、請求項1または2に記載の汚泥処理ユニット槽
において、容器が直方体形状を有すると共に、蒸気排出
口、保温管、空気供給管及びセンサが、直方体形状の容
器の側面壁に設置されていることを特徴とする。
【0014】上記目的を達成するため請求項4に記載の
発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の汚泥処
理ユニット槽において、汚泥の投入のため、容器の上面
が取り外し可能であることを特徴とする。
【0015】上記目的を達成するため請求項5に記載の
発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の汚泥処
理ユニット槽において、容器内部の温度を調節するため
に保温管に温水を注入する樋が容器の側面に取り付けら
れていることを特徴とする。
【0016】上記目的を達成するため請求項6に記載の
発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の汚泥処
理ユニット槽において、容器内に汚泥を発酵処理する光
栄養細菌を保有させた多孔質坦体を所定量予め堆積させ
ていることを特徴とする。
【0017】上記目的を達成するため請求項7に記載の
発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の汚泥処
理ユニット槽において、容器の側面下部に開口部を形成
し、容器の側面下部に開口部と略同形状の蓋板を設ける
とともに、蓋板の上部にヒンジを取り付け蓋板を開閉自
在とすることを特徴とする。
【0018】上記目的を達成するため請求項8に記載の
発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の汚泥処
理ユニット槽において、汚泥がし尿であり、発酵処理さ
れた汚泥は堆肥化されて農業用の肥料となることを特徴
とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい一実施形
態について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の
一実施形態の汚泥処理ユニット槽の主として発酵に関す
る部材を示した斜視図、図2は図1の汚泥処理ユニット
槽の側面図、図3(a)及び(b)は図1の汚泥処理ユ
ニット槽の正面図、図4は図1とは異なる実施形態の汚
泥処理ユニット槽の斜視図、図5は図4の汚泥処理ユニ
ット槽の正面図、図6は図1の汚泥処理ユニット槽の主
として内容物の排出に関する部材を示した斜視図、図7
は図1の汚泥処理ユニット槽を運搬移動させるためのコ
ンベアの第一実施形態の斜視図、図8は図1の汚泥処理
ユニット槽を運搬移動するためのコンベアの第二実施形
態の斜視図、図9は図1の汚泥処理ユニット槽を運搬移
動するためのコンベアの第三実施形態の斜視図である。
図10〜図12は発酵済内容物の取出システムの取出動
作を概念的に示す図であって、図10(a)は汚泥処理
ユニット槽が取出位置近傍のコンベア上に配置された状
態での平面図であり、図10(b)はその状態での側面
図である。また図11(a)は汚泥処理ユニット槽が分
類装置に最も接近したコンベア上に配置された状態での
平面図であり、図11(b)はその状態での側面図であ
る。また図12(a)は汚泥処理ユニット槽が傾けられ
た状態での平面図であり、図12(b)はその状態での
側面図である。また図13は図1の汚泥処理ユニット槽
を使用した汚泥処理システムの一実施例の全体構成を示
す平面図である。本発明においては上記した好熱菌又は
光栄養細菌をいずれか単独で又は混合して用いてもよ
い。また上記細菌のみでは処理槽内で捕食菌により捕食
されて処理効率の低下を招くので、好ましくは上記細菌
をその内部に固定するための担体、例えばパーライト、
バーミキュライト、珪藻土、活性炭、多孔質セラミック
ス等の多孔質粒子を該細菌に対し、所定割合で添加して
用いることができる。なお、本実施形態では好熱菌を用
いた例を示す。
【0020】先ず、汚泥処理ユニット槽の構造について
図1〜図4を参照しつつ説明することとする。汚泥処理
ユニット槽は、図1に示すように主として発酵に関する
部材として、発酵処理中は内部を外環境から隔離する容
器40を有しており、容器40の内部には、内部の温度
を調節するための保温管32が、容器40の底部を往復
しつつ設けられている。容器40の上面は、汚泥の投入
排出のため蓋状になっており、取り外すことが出来るよ
うになっている。
【0021】保温管32は、容器40の側面壁に斜設さ
れた樋から温水を供給する供給口32aと接続される。
温水を樋上に落下させることにより、温水が供給口32
aから保温管32の内部に送られ、容器40の底部を通
って、排出口32bから排出されるようになっている。
なお、供給口をカップリングとすることもできる。
【0022】また、容器40の内部には、汚泥と細菌の
発酵処理を促進させるために空気を汚泥処理ユニット槽
6の底部から均一に送り込むための空気供給管34が設
けられている。空気供給管34は、容器40の側面に取
り付けられた空気吹込口34aと接続されており、発酵
処理中は図示しないコンプレッサにて、空気が供給され
る。
【0023】さらに、容器40には、発酵中に発生する
水蒸気を容器の外部に排出する蒸気排出管33が設けら
れている。発酵中は内部の温度が上昇し、汚泥中の水分
が蒸気となって蒸発するので、内圧が高くなり、蒸気排
出管33を通じて水分を容器40の外部に排出すること
ができる。
【0024】発酵の初期段階で発生した蒸気は容器40
の内壁で冷やされ水となって容器40内に落下し、容器
40の下部に溜まる。この水を容器40の外部に排出す
るために図4に示すように水抜用バルブ33aを設けて
も良い。
【0025】好熱菌の代わりに又は好熱菌と共に光栄養
細菌が使用される場合には該光栄養細菌の欲する光を照
射する照明装置35が容器40の天井部内側に設置され
る。使用する細菌が光栄養細菌である場合には、光の照
射がないと発酵が進まないからである。なお、使用する
細菌が光栄養細菌でない場合には、照明を点灯する必要
はなく、また、照明装置自体も不要である。
【0026】一方、主として光栄養細菌を使用する場合
には、図4に示すような汚泥処理ユニット槽を使用する
こともできる。すなわち、図1に示す汚泥処理ユニット
槽に加えて照明装置35の下部に無色透明のPET製の
円筒状の中空パイプ35aを所定数垂直に連設する。該
PET製中空パイプ35aの上部は、容器40の上部に
容器40の長手方向に対し直角方向に所定数設けられた
桁38に埋設され固定されている。これにより照明装置
35を点灯すると、該PET製中空パイプ35aにより
容器40の内部にまで光が誘導され、光栄養細菌による
発酵がより一層促進される。
【0027】容器40の側面には、発酵処理の開始段階
から終了段階までの容器40の内部の温度・内圧の状態
を把握するためのセンサ36が取り付けられている。こ
こで得られたデータは、光センサにより機械的に読み取
ることが可能であり、読み取られたデータは外部記憶装
置に送られ、複数の汚泥処理ユニット槽の処理状態を集
中管理することが可能となる。
【0028】容器40には、図6に示すように主として
内容物の排出に関する部材として、その広幅側の両側面
のうちの一方には蓋部90が設けられている。この蓋部
90は、容器40の長手幅に略対応した幅及び容器40
の略半分程度の高さの略方形状の図示しない開口部を容
器40の側面に形成すると共に、この開口部の外側に該
開口部と略同形状の蓋板91を設けて構成されるもの
で、該蓋板91をその上部に設けたヒンジ92を介して
容器40に開閉自在に取付けることにより、蓋板91に
よって開口部が閉塞自在とされている。
【0029】この蓋板91の長手方向の両端部には、該
蓋板91を閉状態に維持するための蓋止め93が設けら
れている。この蓋止め93は付勢板94と開閉板95を
その間に設けた回転縦軸96を介して所定角度で略一体
に連接して構成されている。この蓋止め93の付勢板9
4は図示しないスプリングによって蓋板91を汚泥処理
ユニット槽6側に付勢するもので、この付勢力によって
蓋板91が容器40側に押し付けられて、該蓋板91に
て容器40の開口部が閉じられている。また蓋止め93
の開閉板95は、容器40より若干側方に突出し、後述
する押当棒に押当てられることによって付勢板94を回
転させ、容器40の開口部を開放状態とするものであ
る。
【0030】容器40には、その蓋部90の下方に、該
容器40の長手方向に沿って支承機構の一部たる軸受9
7が設けられている。この軸受97はその内部の溝部に
後述する支承軸81を受け入れ、該支承軸81を中心と
して容器40を回転自在とする。すなわち本形態におい
て支承機構は、軸受97及び支承軸81にて構成されて
いる。
【0031】また、容器40の側面上縁部に支持部37
を設け、該支持部37を中心として容器40を傾斜させ
ることにより行うこともできる。すなわち、該支持部3
7は、容器40の側面上縁部に所定の間隔で配置された
中空の円筒部材を有し、発酵処理済の汚泥を取り出すた
めの受槽に支持部37と非対向位置に配置した支持部3
7と同径の中空円筒部材の内部に棒状の支軸を挿通し、
支軸を中心として容器40を傾斜させることにより、発
酵処理済みの汚泥を取り出すことができる。容器40を
傾斜させるは、支持部37が設けられた側面と反対の側
面下部に取り付けられたリング39にワイヤを掛け、図
示しないウインチでワイヤを巻き上げることにより行な
う。
【0032】次に、本汚泥処理ユニット槽を用いた汚泥
処理方法について説明する。図13に示すように、ま
ず、汚泥を発酵処理する処理場B及びトラック1が入場
する搬出入場Cからなる汚泥処理施設Aを設ける。
【0033】トラック1にて汚泥処理施設Aの搬出入場
Cに運ばれた汚泥は、ホッパ式の汚泥受入装置2に投入
され、この汚泥受け入れ装置2からミキサー3を介して
菌混合装置4に順次移され、この菌混合装置4内で前記
した好熱菌及び/又は光栄養細菌が混合される。そし
て、菌混合装置4においては、混合ドラム内において内
容物たる汚泥が内部機構によって細かく粉砕されつつ菌
が混合される(このように菌混合装置3内において菌が
混合された汚泥を「菌混合汚泥」と呼ぶ。以下同様)。
【0034】次に、この菌混合汚泥は、順次コンベア等
からなる移送装置を介して汚泥処理ユニット槽6内に移
される。この菌混合汚泥を納めた汚泥処理ユニット槽6
は、コンベア51上に載置され、処理場B内へ搬入され
る。
【0035】汚泥処理ユニット槽6を所定位置に移動さ
せるための移動システム50は、複数のコンベア51、
台車52及び台車用レール53にて構成されている。コ
ンベア51は、汚泥処理ユニット槽6を図13における
Y方向に移動させるためのもので、図13に示す略全部
の汚泥処理ユニット槽6のそれぞれの下部に配置されて
いる。
【0036】コンベア51は、図7に示すように全体が
フレームにより形成されている。コンベア51の長手方
向の左右両端には一定数のローラ54が該ローラ54を
挟むように取り付けられた縦板に回転自在に軸着され
る。コンベア51の中央部には、前後に取り付けられた
ギア47にチェーン45を捲架したチェーンコンベアが
左右2カ所に一対として設けられ、押板48が左右のチ
ェーン45に橋絡して固定される。押板48は、コンベ
ア51中央に設置されたモータ43を駆動することによ
りシャフト42が回転し、チェーン45がシャフト42
に取り付けられたギア47を介して正逆自在に回転する
のに伴って回転するようになっている。これにより、コ
ンベア51上に載置された汚泥処理ユニット槽6をコン
ベア51の長手方向に対して直角方向へ移動させること
ができる。従って、コンベア装置が複数配置された本願
汚泥処理システムにあっては、Y方向に互いに隣接する
コンべア51同士で汚泥処理ユニット槽6を移動させる
ことができる。
【0037】また、コンベア51には、汚泥処理ユニッ
ト槽6をコンベア51上に固定してトラックに積載し運
搬するために、左右のローラ54とチェーンコンベアの
間には前後に固定装置55が内設される。固定装置55
の内部にはネジ部材68が取り付けられ、該ネジ部材に
は固定板65と固定板65を挟むように両側からナット
が取り付けられる。ナットを緩めて固定板65を移動さ
せ適当な位置でナットを締めることにより固定板65の
位置を微調整することができ、汚泥処理ユニット槽6が
コンベア51上で多少ずれても確実に固定することが可
能となる。なお、上記汚泥処理ユニット槽6の固定は、
汚泥処理ユニット槽6をコンベア51上に載置した後、
コンベア51に内設された固定装置55から固定板65
を引き出し、汚泥処理ユニット槽6の両側面の左右に取
り付けられた固定ナットに締着することにより行なう。
【0038】コンベア51の第二実施例としては、図8
に示すようなものもある。すなわち、左右の両端にY方
向に回転自在なローラ54を軸着し、ワイヤ56を通す
ためにコンベア51の中央部に凹部を設けてなる。そし
て、該コンベア51の中央に一定間隔でフック57を取
り付けた輪状のワイヤ56を通し、該ワイヤ56をいず
れか一方が駆動する図示しないギアに張設する。そし
て、該ワイヤ56に取り付けられたフック57を汚泥処
理ユニット槽に掛設し、該ギアを駆動し該ワイヤ56を
回転させることにより、コンベア51上に載置された汚
泥処理ユニット槽6を移動させる。
【0039】また、コンベア51の第三実施例としては
図9に示すように、コンベア51の左右の両端に設けら
れたベルト58がコンベア51本体の内部に設置された
図示しないモータにより回転するものであってもよい。
コンベア51のベルト58を回転させることにより汚泥
処理ユニット槽6をY方向に移動することが可能とな
る。
【0040】このように汚泥処理ユニット槽6とコンベ
ア51をユニットとして組み合わせることにより、汚泥
処理施設の増設が簡単に出来ると共に、土地の面積、形
状に左右されることなく汚泥処理施設を作ることが可能
となる。
【0041】処理場B内に搬入された汚泥処理ユニット
槽6に納められた菌混合汚泥は、菌の発酵に必要な温度
を保持するため、容器40の側面に斜設された樋上に温
水が流され、供給口32aを通って保温管32内に供給
され、菌の発酵に適した温度に保温される。保温管32
から排出された温水は回収され、ボイラで再度加温され
て再び容器40内に供給される。特に、寒冷地において
は汚泥の温度が低いため、発酵が進みにくく、処理が完
了するまでの期間が長くなるのを防ぐことが可能とな
る。
【0042】また、発酵を促進させるため、図示しない
コンプレッサにより空気吹込管34aから空気が吹き込
まれ、空気供給管34から、菌混合汚泥の内部に空気が
供給される。なお、さらに、使用する菌が光栄養細菌で
ある場合には、照明装置35により光を供給し、発酵を
促す。
【0043】発酵が進むと、菌混合汚泥の温度が上昇
し、菌混合汚泥中の水分は、上記混合汚泥中の細菌及び
/又は消臭成分を含んだ形で蒸気となる。初期段階で発
生する蒸気は容器40の内壁で冷やされ水となって容器
40の下部に溜まるため、水抜用バルブ33aを備えて
いれば該水抜用バルブ33aを開いて容器40の外部へ
溜まった水を排出することができる。さらに発酵が更に
進むとその蒸気は蒸気排出管33により、容器40の外
に排出され、冷却して凝縮水として貯水される。なお、
得られた凝縮水は消臭効果のみならず、土壌改良材等の
液体肥料に対してもその効果を発揮するものである。
【0044】発酵処理が終了した汚泥は、図10〜図1
2に示すように汚泥処理ユニット槽6を取出位置に最も
近いコンベア51A上に配置し、移動システム50の押
板48により汚泥処理ユニット槽6が配置されると、移
動システム50の押板により汚泥処理ユニット槽6を分
類装置8側に移動させる。この移動の際、コンベア51
Aの両側方に立設された図示しない押当棒に対して蓋止
93の開閉板95が押当てられ、回転縦軸96を中心と
して付勢板94が自己の付勢力に抗して回転し、汚泥処
理ユニット槽6の開口部が開放される。
【0045】また、汚泥処理ユニット槽6の移動の際、
軸受97の溝部に支承軸81が受け入れられ、汚泥処理
ユニット槽6が回転自在とされる。
【0046】そして、シリンダ82がコンベア51A上
の汚泥処理ユニット槽6の端部を上昇させ分類装置8側
に傾けられ、開口部を介して汚泥処理ユニット槽6内の
発酵済内容物がその自重によって受槽84に排出され
る。
【0047】その後、隣接する分類装置8にその内容物
たる発酵済内容物(発酵期間を終えた菌混合汚泥を「発
酵済内容物」と呼ぶ。以下同様)が移される。この分類
装置8においては、発酵済内容物が内部のフルイ形式の
分類機構によって分類された後、その多くが処理品搬出
装置9に処理品(発酵済内容物のうち、処理品搬出装置
9に移されるものを「処理品」と呼ぶ。以下同様)とし
て移される。この処理品は、農作物のための肥料として
利用される。そして、分類装置8内に残存する発酵済内
容物は再度汚泥受入装置2に戻し材(発酵済内容物のう
ち、再度汚泥受入装置2に移されるものを「戻し材」と
呼ぶ。)として移され、新たに投入された汚泥と共に、
再度菌混合装置4に移される。以後同様の作業を連続的
に行なう。
【0048】なお、上記戻し材は主として新規に投入す
る汚泥の水分が少ない場合であってもその水分を調整す
る役割、即ち水分調整材として機能し、その後の発酵促
進に大いに役立つこととなる。さらにかかる戻し材を再
投入することにより、新規に投入する種菌の量を軽減す
ることもできる。上記戻し材は、上記新規投入汚泥に混
合した状態で、その水分が50%以上に、好ましくは5
5%程度になるよう添加量を調整することができ、その
後の汚泥の発酵を速やかに促進することができることと
なる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、し尿・生ゴミ・工場か
ら排出される肉片等の一般廃棄物及び汚泥・畜糞等の産
業廃棄物からなる汚泥を堆肥化させて、有効利用を図る
ことが出来るとともに、一連の処理が効率良く連続的か
つ迅速に行なうことが出来る。また、汚泥の処理が密閉
性の容器により密閉状態で行なわれるので、容器内の汚
泥の悪臭等が容器外部に漏れるおそれがない。このた
め、汚泥処理場が設けられた地域の住民に対して、環境
汚染による悪影響を与えるおそれがない。さらに、ユニ
ット槽内に照明装置を設けたので、細菌として光栄養細
菌を使用する場合には、その発酵の促進に寄与すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の汚泥処理ユニット槽の主
として発酵に関する部材を示した斜視図である。
【図2】図1の汚泥処理ユニット槽の側面図である。
【図3】(a)及び(b)は、図1の汚泥処理ユニット
槽の正面図である。
【図4】図1とは異なる実施形態の汚泥処理ユニット槽
の斜視図である。
【図5】図4の汚泥処理ユニット槽の正面図である。
【図6】図1の汚泥処理ユニット槽の主として内容物の
排出に関する部材を示した斜視図である。
【図7】図1の汚泥処理ユニット槽を運搬移動させるた
めのコンベアの第一実施形態の斜視図である。
【図8】図1の汚泥処理ユニット槽を運搬移動させるた
めのコンベアの第二実施形態の斜視図である。
【図9】図1の汚泥処理ユニット槽を運搬移動させるた
めのコンベアの第三実施形態の斜視図である。
【図10】発酵済内容物の取出システムの取出動作を概
念的に示す図であり、(a)は汚泥処理ユニット槽が取
出位置近傍のコンベア上に配置された状態での平面図で
あり、(b)はその状態での側面図である。
【図11】発酵済内容物の取出システムの取出動作を概
念的に示す図であり、(a)は汚泥処理ユニット槽が分
類装置に最も接近したコンベア上に配置された状態での
平面図であり、(b)はその状態での側面図である。
【図12】発酵済内容物の取出システムの取出動作を概
念的に示す図であり、(a)は汚泥処理ユニット槽が傾
けられた状態での平面図であり、(b)はその状態での
側面図である。
【図13】図1の汚泥処理ユニット槽を使用した汚泥処
理システムの一実施例の全体構成を示す平面図である。
【符号の説明】
A 汚泥処理施設 B 処理場 C 搬出入場 1 トラック 2 汚泥受入装置 3 ミキサー 4 菌混合装置 6 汚泥処理ユニット槽 7 取出システム 8 分類装置 9 処理品搬出装置 32 保温管 32a 供給口 33 蒸気排出管 33a 水抜用バルブ 34 空気供給管 34a 空気吹込管 35 照明装置 35a PET製中空パイプ 36 センサ 37 支持部 38 桁 39 リング 40 容器 41 底板 42 シャフト 43 モータ 45 チェーン 47 ギア 48 押板 51 コンベア 52 台車 53 台車用レール 54 ローラ 55 固定装置 56 ワイヤ 57 フック 58 ベルト 59 ベルト用ローラ 60 基台 65 固定板 68 ネジ部材 81 支承軸 82 シリンダ 83 ピット 84 受槽 85 篩分け装置 90 蓋部 91 蓋板 92 ヒンジ 93 蓋止め 94 付勢板 95 開閉板 96 回転縦軸 97 軸受

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥を細菌と混合し発酵浄化処理する汚
    泥処理ユニット槽において、 発酵処理中は内部を外環境から隔離する容器と、前記容
    器に設置され、汚泥と細菌の発酵に伴い発生する蒸気を
    外環境に排出する蒸気排出口と、前記容器に設置され、
    その内部の温度を調節するための保温管と、前記容器に
    設置され、その内部に空気を吹き込むことによって汚泥
    と細菌の反応を促進するための空気供給管と、前記容器
    に設置され、その内部の環境を測定し、汚泥と細菌の発
    酵状態を把握するためのセンサとを含み構成されてなる
    汚泥処理ユニット槽。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の汚泥処理ユニット槽に
    おいて、さらに、細菌を光栄養細菌とした場合に、発酵
    処理を促進させるための照明装置が、前記容器内部に設
    置されていることを特徴とする汚泥処理ユニット槽。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の汚泥処理ユニ
    ット槽において、 前記容器が直方体形状を有すると共に、前記蒸気排出
    管、保温管、空気供給管及びセンサが、直方体形状の容
    器の側面壁に設置されていることを特徴とする汚泥処理
    ユニット槽。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    汚泥処理ユニット槽において、 汚泥の投入のため、前記容器の上面が取り外し可能であ
    ることを特徴とする汚泥処理ユニット槽。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    汚泥処理ユニット槽において、 前記容器内部の温度を調節するために保温管に温水を注
    入する樋が前記容器の側面に取り付けられていることを
    特徴とする汚泥処理ユニット槽。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項に記載の
    汚泥処理ユニット槽において、 前記容器内に汚泥を発酵処理する光栄養細菌を保有させ
    た多孔質坦体を所定量予め堆積させていることを特徴と
    する汚泥処理ユニット槽。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1項に記載の
    汚泥処理ユニット槽において、 前記容器の側面下部に開口部を形成し、前記容器の側面
    下部に前記開口部と略同形状の蓋板を設けるとともに、
    前記蓋板の上部にヒンジを取り付け蓋板を開閉自在とす
    ることを特徴とする汚泥処理ユニット槽。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか1項に記載の
    汚泥処理ユニット槽において、 汚泥がし尿であり、発酵処理された汚泥は堆肥化されて
    農業用の肥料となることを特徴とする汚泥処理ユニット
    槽。
JP9369661A 1997-12-26 1997-12-26 汚泥処理ユニット槽 Pending JPH11188397A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114033013A (zh) * 2021-11-25 2022-02-11 山东中海新科环境技术有限公司 一种虹吸式渗滤液导排收集系统
KR102658185B1 (ko) * 2023-10-30 2024-04-19 주식회사 다산컨설턴트 열처리효율을 향상시킨 축산분뇨 처리시스템

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