JPH1118776A - プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子およびその利用 - Google Patents
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子およびその利用Info
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- JPH1118776A JPH1118776A JP9179692A JP17969297A JPH1118776A JP H1118776 A JPH1118776 A JP H1118776A JP 9179692 A JP9179692 A JP 9179692A JP 17969297 A JP17969297 A JP 17969297A JP H1118776 A JPH1118776 A JP H1118776A
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Abstract
該アミノ酸配列において1もしくは複数個のアミノ酸が
欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、か
つプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有する
タンパク質をコードすることを特徴とするプロトポルフ
ィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子。
Description
ノーゲンオキシダーゼ(protoporphyrinogen IXoxidas
e;EC 1.3.3.4)遺伝子及びその利用に関する。
動物、および微生物は5-アミノレブリン酸を初発とす
るポルフィリン生合成系を持ち、プロトポルフィリンを
生産する。プロトポルフィリンは光合成、エネルギー代
謝等の生命活動に関与する重要な物質である。ポルフィ
リン生合成系の最後の段階であるプロトポルフィリノー
ゲンを酸化しプロトポルフィリンを生成する反応を触媒
する酵素が、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ
(以下、PPOと記す。)である(R. J. Porra, and
J. E. Falk、(1964年)Biochem. J. 90巻、69-75
頁)。そこで、PPO遺伝子の植物への導入等の遺伝子
組み換え技術を利用して植物におけるポルフィリン生合
成を人工的に調節することが可能となれば植物の光合成
・エネルギー代謝能力を向上させて早生・多収品種の育
成することやPPO阻害剤である光要求性型除草剤に対
する耐性品種を育成することが可能となる。このような
植物育種を行うには、育種目的に適したPPO遺伝子を
探索する必要がある。ところが、このような遺伝子組換
え技術に利用するPPO遺伝子としては、これまでに大
腸菌、枯草菌、マウス、ヒト、シロイヌナズナ、トウモ
ロコシおよび緑藻に由来するPPO遺伝子が知られてい
るに過ぎない。
明者らは鋭意研究を行った結果、新規なPPO遺伝子を
見出すことに成功し本発明に至った。即ち、本発明は、 1)配列番号1に示されるアミノ酸配列または該アミノ
酸配列において1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置
換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつプロト
ポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有するタンパク
質をコードすることを特徴とするプロトポルフィリノー
ゲンオキシダーゼ遺伝子(以下、本発明遺伝子と記
す。)、 2)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする塩
基配列を有することを特徴とするプロトポルフィリノー
ゲンオキシダーゼ遺伝子、 3)配列番号2に示される塩基配列を有することを特徴
とするプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子、 4)前項1〜3記載の遺伝子を含有することを特徴とす
るプラスミド(以下、本発明プラスミドと記す。)、 5)配列番号3に示されるアミノ酸配列をコードする塩
基配列を有することを特徴とするミトコンドリア移送シ
グナルペプチドをコードするDNA断片、 6)配列番号4に示される塩基配列を有することを特徴
とするミトコンドリア移送シグナルペプチドをコードす
るDNA断片、 7)(1)宿主細胞内で機能可能なプロモーター、(2)
前項1〜3記載の遺伝子及び(3)宿主細胞内で機能可能
なターミネーターを機能可能な形で前記の順序となるよ
う結合させてなることを特徴とする発現プラスミド(以
下、本発明発現プラスミドと記す。)、 8)(1)宿主細胞内で機能可能なプロモーター、(2)
前項1〜3記載の遺伝子及び(3)宿主細胞内で機能可能
なターミネーターを機能可能な形で前記の順序となるよ
う結合させてなる発現プラスミドを宿主細胞に導入し、
該宿主細胞を形質転換させることにより形質転換体のプ
ロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を増強するこ
とを特徴とする宿主細胞のプロトポルフィリノーゲンオ
キシダーゼ活性の増強方法、 9)前項4記載のプラスミドまたは前項8記載の発現プ
ラスミドが宿主細胞に導入されてなることを特徴とする
形質転換体、 10)宿主細胞が微生物であることを特徴とする前項10
記載の形質転換体、 11)宿主細胞が植物であることを特徴とする前項10記
載の形質転換体、を提供するものである。
する。
ノ酸配列または該アミノ酸配列において1もしくは複数
個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配
列からなり、かつプロトポルフィリノーゲンオキシダー
ゼ活性を有するタンパク質をコードすることを特徴とす
るプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子であ
り、例えば、ダイズ植物から得られる約1.75 kbpの長さ
を有する遺伝子である。具体的には例えば、配列番号2
に示される塩基配列を有する遺伝子を挙げることができ
る。
科植物から下記の方法により得られる。例えば、ダイズ
植物の葉、茎等の組織を採取し、採取した組織を液体窒
素で凍結させた後、ワーリングブレンダー、乳鉢などで
物理的に磨砕することにより粉末状の組織を得る。尚、
ダイズは、例えば、米国農務省(Soybean Germplasm Co
llection、USDA-ARS、180 EASB、1101 West Peabody Dr
ive、Urbana、Illinois61801、U.S.A.)、農林水産省生
物資源研究所(茨城県筑波市観音台2-1-2)のストック
センターから入手可能であり、また、市販の栽培品種の
種子を用いることもできる。液体窒素を気化させた後、
粉末状にした組織から、例えば、クローニングとシーク
エンス:植物バイオテクノロジー実験マニュアル(渡
辺、杉浦編、農村文化社1989年)17-19頁等に記載され
ている方法に準じて操作を行うことによりRNAを抽出す
る。該抽出操作には、市販のRNA抽出キット、具体的に
は例えば、ISOGEN(日本ジーン社)等を利用しても良
い。得られたRNAから、例えば、市販のpoly(A)RNA分画
キット、具体的には例えば、 BIOMAG mRNA Purificatio
n kit(パーセプティブバイオシステム社)等を用い付
属のマニュアルに準じて操作を行いpoly(A)RNAを得る。
得られたpoly(A)RNAから、例えば、クローニングとシー
クエンス:植物バイオテクノロジー実験マニュアル(渡
辺、杉浦編、農村文化社1989年)74-103頁等に記載され
ている方法に準じて操作を行いcDNAライブラリーを作製
する。このcDNAライブラリー作製操作には、市販のcDNA
ライブラリー作製キット、具体的には例えば、ZAP-cDNA
Gigapack Cloning Kit(STRATAGENE社)等を利用して
も良い。このようにして作製したcDNAライブラリー、ま
たは、市販のcDNAライブラリー、具体的には例えば、ST
RATAGENE社のダイズ植物由来のcDNAライブラリー等を、
例えば、K.Miyamoto、K.Nakahigashi、K.Nishimura、T.
Nakayashiki、H.Inokuchi、(1991年)Journal of Mole
cular Biology、219巻、393-398頁、K.Nishimura、T.Na
kayashiki、H.Inokuchi、(1993年)Gene、133巻、109-
113頁等に記載されているPPO遺伝子(hemG遺伝子
座)欠損突然変異系統である大腸菌菌株(例えば、VSR7
51株)に感染させ、該菌株を、例えば、LB寒天培地等の
寒天培地上に塗抹接種し、2日間程度の培養を行い、寒
天培地上に生育したコロニーを選抜することにより、ダ
イズ植物由来のPPO遺伝子のcDNAクローンを有する菌
株を得ることができる。尚、PPO遺伝子(hemG遺伝子
座)欠損突然変異系統である大腸菌菌株 VSR751株はE.c
oli GENETIC STOCK CENTER, Department of Human Gene
tics, Yale University School of Medicine, 333 Cede
r Street, New Heaven,Conneticut 06510,U.S.A.等の菌
株保存機関から入手可能である。次に、このようにして
得られたPPO遺伝子のcDNAクローンを有する菌株を、
例えば、LB液体培地で培養し紫外線を照射して溶原化し
ているファージを誘導し培養液の上清を回収すること
で、植物由来のPPO遺伝子のcDNAを有するファージク
ローンを回収する。さらに、回収したファージクローン
を、例えば、クローニングとシークエンス:植物バイオ
テクノロジー実験マニュアル(渡辺、杉浦編、農村文化
社1989年)152-156頁及び180-189頁等に記載されている
方法に準じて解析を行い、最長のインサートDNAを持つ
ファージクローンを選抜する。選抜されたファージクロ
ーンが有するPPO遺伝子を、例えば、クローニングと
シークエンス:植物バイオテクノロジー実験マニュアル
(渡辺、杉浦編、農村文化社1989年)163-177頁等に記
載されている方法に準じて、または、市販のクローニン
グキット、具体的には例えば、TA cloning kit(Invitr
ogen社製)等を用い、付属のプロトコールに準じて操作
を行うことにより、市販のプラスミドベクター、例えば
、pCR2.1(Invitrogen社製)、pUC118(宝酒造社製)
等に再クローニングし、プラスミドクローンを得る。プ
ラスミドクローンに組み込まれているDNA断片の塩基配
列の決定はMolecular Cloning 第2版(J.Sambrook、E.
F.Frisch、T.Maniatis著、Cold Spring Harbor Laborat
ory Press 1989年)13.15等に記載されているプライマ
ーエクステンション法に準じて、ダイデオキシ法等によ
り行うことができる。ダイデオキシ法による塩基配列の
決定は、市販されているキット、具体的には例えば、PE
アプライドバイオシステムズ社のDye terminator cycle
sequencing kitを用い、DNAシークエンサー、例えば、
PEアプライドバイオシステムズ社のModel 373Sを用いて
行うことができる。決定した塩基配列を市販の遺伝子解
析ソフト、例えば、GENETYX(SDC社)を用いて解析する
ことにより、本発明遺伝子の全塩基配列を決定する。
NAクローンを用いて下記の方法により本発明遺伝子のゲ
ノムDNAクローンを取得しその塩基配列を決定すること
ができる。まず、例えば、ダイズ植物の葉、茎等の組織
を採取し、採取した組織を液体窒素で凍結させた後、ワ
ーリングブレンダー、乳鉢等で物理的に磨砕することに
より粉末状の組織を得る。尚、ダイズは、例えば、米国
農務省(Soybean Germplasm Collection、USDA-ARS,180
EASB,1101 West Peabody Drive,Urbana,Illinois 6180
1,U.S.A.)、農林水産省生物資源研究所(茨城県筑波市
観音台2-1-2)のストックセンターから入手可能であ
り、また、市販の栽培品種の種子を用いることもでき
る。液体窒素を気化させた後、粉末状にした組織から、
例えば、クローニングとシークエンス:植物バイオテク
ノロジー実験マニュアル(渡辺、杉浦編集、農村文化社
1989年)252-256頁等に記載されている方法に準じて、
または、市販のゲノムDNA抽出キット、具体的には例え
ば、ISOPLANT(日本ジーン社)等を用い付属のプロトコ
ールに準じて操作を行うことでゲノムDNAを得る。該ゲ
ノムDNAを適当な制限酵素で切断した後、得られたゲノ
ムDNA断片を、例えば、クローニングとシークエンス:
植物バイオテクノロジー実験マニュアル(渡辺、杉浦
編、農村文化社1989年)276-279頁等に記載されているN
aCl密度勾配遠心法に準じて分画する。分画された各ゲ
ノムDNA断片画分のうちベクターに組み込むのに適して
いる大きさのゲノムDNA断片を含む画分、具体的には、
ファージべクターを用いる場合は9kbp〜23kbpのゲノムD
NA断片を含む画分、コスミドベクターを用いる場合は30
kbp〜42kbpのゲノムDNA断片を含む画分を選択し適切な
大きさに切断されたゲノムDNA断片を得る。得られたゲ
ノムDNA断片を用い、例えば、クローニングとシークエ
ンス:植物バイオテクノロジー実験マニュアル(渡辺、
杉浦編、農村文化社1989年)96ー103頁および280-284頁
等に記載されている方法に準じて、または市販のゲノム
DNAライブラリー作製キット、具体的には例えば、Lambd
a EMBL3/Gigapack cloning kit(STRATAGENE社)を用い
て付属のプロトコールに準じて操作を行いゲノムDNAラ
イブラリーを作製する。作製したゲノムDNAライブラリ
ー、または市販のライブラリー、具体的には例えば、ST
RATAGENE社のダイズゲノムDNAライブラリー等に対し
て、本発明遺伝子のcDNAをプローブとして、例えば、ク
ローニングとシークエンス:植物バイオテクノロジー実
験マニュアル(渡辺、杉浦編、農村文化社1989年)106-
147頁等に記載されている方法に準じてハイブリダイゼ
ーションによるスクリーニングを行い、本発明遺伝子の
塩基配列を含むゲノムDNAクローンを取得する。得られ
たゲノムDNAクローンは、例えば、クローニングとシー
クエンス:植物バイオテクノロジー実験マニュアル(渡
辺、杉浦編、農村文化社1989年)152-174頁に記載され
ている方法に準じて、塩基配列の解析に適当なベクタ
ー、例えば、プラスミド等にサブクローニングした後、
例えば、Molecular Cloning 第2版(J.Sambrook、 E.F.
Frisch、T.Maniatis著、Cold Spring Harbor Laborator
y Press 1989年)13.15等に記載されているプライマー
エクステンション法に準じて、ダイデオキシ法等により
塩基配列の決定を行うことができる。ダイデオキシ法に
よる塩基配列の決定は、市販されているキット、具体的
には例えば、PEアプライドバイオシステムズ社製のDye
terminator cycle sequencing kitを用い、DNAシークエ
ンサー、例えば、PEアプライドバイオシステムズ社のMo
del 373Sを用いて行うことができる。
年)Proc.Natl.Acad.Sci. U.S.A.、76巻、731頁やSolln
er-Webb and R.H.Reeder、(1979年)Cell、18巻、485
頁などに記載されるプライマーエクステンション法また
はA.J.Berk and P.A.Sharp、(1978年)Proc.Natl.Aca
d.Sci. U.S.A.、75巻、1274頁等に記載されるS1マッピ
ング法等により、本発明遺伝子のゲノムDNAの転写開
始点を決定することができる。このようにして決定され
た転写開始点の上流には、転写開始に必要なTATA配列が
存在する。通常この転写開始点の上流約1kbから約10kb
に遺伝子発現の制御を担うプロモーター配列がある。本
発明遺伝子のゲノムDNA上のプロモーター部位は、例
えば、あらかじめ様々な長さのプロモーター領域を有す
る遺伝子断片をGUS等のレポーター遺伝子に接続し、こ
れを導入したトランスジェニック植物を作製し、作製さ
れた植物の各組織におけるレポーター遺伝子の発現の有
無を調べることによって最終的に決定することができ
る。一方、ターミネーター配列は、終始コドンの下流の
3'末端非翻訳領域に存在するpoly(A)付加シグナル(A
ATAAAをコンセンサス配列とする)のさらに下流に通常
存在するpoly(A)配列に相当するゲノムDNA領域に存在
し、効率的な転写終結機能を有している。
性遺伝子を得る、または作り出すための手段にも利用で
きる。本発明遺伝子がコードするPPOのアミノ酸配列
に変更を加え、光要求型除草剤耐性を示すPPOのアミ
ノ酸配列をスクリーニングすることによって新たな除草
剤耐性遺伝子を作り出すことが可能になる。具体的に
は、例えば、A.Greener, M.Callahan、Strategies、199
4年、7巻、32-34頁等に記載される方法により本発明遺
伝子の塩基配列にランダムな突然変異を誘導してアミノ
酸配列に変異を導入する方法によって新たな光要求型除
草剤耐性遺伝子を作り出すことが可能となる。また、W.
Kramer,et al.、Nucleic Acids Research、1984年、12
巻、9441頁もしくはW. Kramer,H.J.Frits、Methods in
Enzymology、1987年、154巻、350頁等に記載のギャップ
ド・デュープレックス(gapped duplex)法、または、
T.A.Kunkel、Proc. of Natl. Acad. Sci. U.S.A.、1985
年、82巻、488頁もしくはT.A.Kunkel,et al.、Methods
in Enzymology、1987年、154巻、367頁等に記載のクン
ケル(Kunkel)法等に準じて、本発明遺伝子の塩基配列
に部位特異的に変異を導入してアミノ酸配列を改変する
方法によっても新たな光要求型除草剤耐性遺伝子を作り
出すことが可能になる。さらに、本発明遺伝子がコード
するPPOのアミノ酸配列のうち一ヶ所ないし数カ所の
部分アミノ酸配列を、他の生物由来のPPOのアミノ酸
配列の一部と入れ換えたキメラ酵素タンパク質をコード
する遺伝子を作製することによっても新たな光要求型除
草剤耐性遺伝子を作り出すことが可能になる。このよう
にして作製された光要求型除草剤耐性遺伝子の効果(除
草剤耐性発現)は、例えば、作製された除草剤耐性遺伝
子をPPO欠損の微生物または対象とする除草剤に対し
て感受性のPPOを持つ微生物に導入し、形質転換微生
物を選抜した後、該形質転換微生物を対象とする除草剤
で処理し除草剤耐性コロニーを再選抜する方法で効率的
に確認することができる。
は、ミトコンドリア移送シグナルペプチドのアミノ酸配
列をコードする塩基配列が存在している。この塩基配列
は配列番号3に示されるアミノ酸配列をコードする塩基
配列であり、具体的な塩基配列としては、例えば、配列
番号4に示される塩基配列があげられる。本発明のシグ
ナルペプチドはミトコンドリア移送シグナルペプチドで
あり、このシグナルペプチドを、例えば、ミトコンドリ
アに移送したい酵素タンパク質のN末端に存在させるこ
とにより目的の酵素タンパク質をミトコンドリア内に局
在化させることができる。この場合、本発明のシグナル
ペプチドの下流にミトコンドリアに移送したい酵素タン
パク質をコードするDNA断片を連結した融合遺伝子を構
築し、この融合遺伝子を通常の遺伝子工学的手法を用い
て利用する方法を用いることができる。
ることを特徴とするプラスミドである。好ましい具体的
なプラスミドとしては、例えば、配列番号1で示される
アミノ酸配列をコードする塩基配列を有するPPOの遺
伝子をpCR2.1(Invitrogen社)にクローニングし作成し
たプラスミドがあり、ベクター部分が小さく、大腸菌で
コピー数が多いという特徴を有しており、DNA調製やDNA
構造解析を行うのに適している。
で機能可能なプロモーター、(2)本発明遺伝子及び
(3)宿主細胞内で機能可能なターミネーターを機能可
能な形で前期の順序に結合させることにより構築するこ
とができる。ここで、「機能可能な形で」とは、構築さ
れたプラスミドを宿主細胞に導入し形質転換させた場合
に、該宿主細胞内で本発明タンパク質を発現させる機能
を有するように、プロモーターの制御下に目的とする遺
伝子を組み込んだ状態になることを意味するものであ
る。宿主細胞で機能可能なプロモーターとしては、例え
ば、大腸菌のラクトースオペロンのプロモーター、酵母
のアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(ADH)プロモー
ター、アデノウイルス・メジャーレート(Ad.ML)プロ
モーター、SV40の初期プロモーター、バキュロウイルス
プロモーター、ノパリン合成酵素遺伝子(NOS)プロモ
ーター、オクトピン合成酵素遺伝子(OCT)プロモータ
ー、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)由来の19Sお
よび35Sプロモーター、フェニルアラニンアンモニアリ
アーゼ(PAL)遺伝子プロモーター、カルコンシンター
ゼ(CHS)遺伝子プロモーター、Pathogenesis-related
protein(PR)遺伝子のプロモーター等をあげること
ができ、さらに、これに限定されない公知のプロモータ
ーを用いることもできる。また、宿主細胞内で機能可能
なターミネーターとしては、例えば、大腸菌のラクトー
スオペロンのターミネーター、酵母のHIS ターミネータ
ー、ADH1ターミネーター、SV40のearly splicing regio
n、ノパリン合成酵素遺伝子(NOS)ターミネーター、ニ
ンニクウイルスGV1、GV2のターミネーターなどをあげる
ことができ、さらに、これに限定されない公知のターミ
ネーターを用いることもできる。
プラスミド)を宿主細胞に導入することにより該宿主細
胞を形質転換できる。例えば、宿主細胞が微生物の場
合、本発明(発現)プラスミドを塩化カルシウム法、エ
レクトロポレーション法(Methods in Electororation:
Gene Pulser /E.coli Pulser System, Bio-Rad Laborat
ories, 1993年)等の公知の手段によって微生物細胞内に
導入することができる。また、宿主細胞が植物の場合、
本発明(発現)プラスミドをアグロバクテリウム感染方
法(特公平2-58917及び特開昭60-70080)、プロトプラ
ストへのエレクトロポレーション方法(特開昭60-25188
7及び特開平5-68575)、又はパーティクルガン方法(特
表平5-508316及び特開昭63-258525)などの公知の手段
により植物細胞に導入し、本発明遺伝子が導入された細
胞を選抜することによって形質転換植物細胞を得ること
ができる。得られた形質転換植物細胞から、例えば、植
物遺伝子操作マニュアル:トランスジェニック植物の作
り方(内宮著、講談社サイエンティフィック1990年)、
27-55頁などに記載の植物細胞培養方法により形質転換
植物を再生することによって形質転換された植物体を得
ることができる。
能なプロモーター、(2)本発明遺伝子及び(3)宿主細
胞内で機能可能なターミネーターを機能可能な形で前記
の順序に結合させてなる発現プラスミドを宿主細胞に導
入し、該宿主細胞を形質転換させることにより形質転換
体のPPO活性を増強することを特徴とする宿主細胞の
PPO活性の増強方法(以下、本発明PPO活性増強方
法と記す。)を提供する。ここで、宿主細胞で機能可能
なプロモーターとしては、例えば、大腸菌のラクトース
オペロンのプロモーター、酵母のアルコールデヒドロゲ
ナーゼ遺伝子(ADH)プロモーター、アデノウイルス・
メジャーレート(Ad.ML)プロモーター、SV40の初期プ
ロモーター、バキュロウイルスプロモーター、ノパリン
合成酵素遺伝子(NOS)プロモーター、オクトピン合成
酵素遺伝子(OCT)プロモーター、カリフラワーモザイ
クウイルス(CaMV)由来の19Sおよび35Sプロモーター、
フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)遺伝子プ
ロモーター、カルコンシンターゼ(CHS)遺伝子プロモ
ーター、Pathogenesis-related protein(PR)遺伝子
のプロモーター等をあげることができ、さらに、これに
限定されない公知のプロモーターを用いることもでき
る。また、宿主細胞内で機能可能なターミネーターとし
ては、例えば、大腸菌のラクトースオペロンのターミネ
ーター、酵母のHIS ターミネーター、ADH1ターミネータ
ー、SV40のearly splicing region、ノパリン合成酵素
遺伝子(NOS)ターミネーター、ニンニクウイルスGV1、
GV2のターミネーターなどをあげることができ、さら
に、これに限定されない公知のターミネーターを用いる
こともできる。本発明PPO活性増強方法により、該酵
素タンパク質をターゲットとする光要求型除草剤に対す
る耐性を植物に付与することができる。
明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるもの
ではない。
リーのスクリーニング) ダイズ植物(Glycine max, var.Williams82 )由来のcD
NAライブラリー(STRATAGENE社製)を大腸菌のPPO遺
伝子(hemG遺伝子座)欠損突然変異系統 VSR751株に感
染させ、LB寒天培地に塗抹接種し、37℃で2日間培養を
行った。本来、VSR751株はhemG遺伝子欠損のため、LBプ
レート上では生育不良となり小さなコロニーしか形成し
ないが、これと比較して大きなコロニーから釣菌するこ
とにより、ダイズ植物由来のPPOのcDNAクローンの発
現によりVSR751株のhemG遺伝子の欠損が相補されること
で生育を回復した菌株を選抜した。選抜した菌株をLB液
体培地で培養し、培養液に紫外線を照射することで溶原
化しているファージを誘発し培養液の上清を回収するこ
とで、植物由来のPPO遺伝子のcDNAを有するファージ
クローンを回収した。さらに、回収したファージクロー
ンについて、クローニングとシークエンス:植物バイオ
テクノロジー実験マニュアル(渡辺、杉浦編集、農村文
化社1989年)152-156頁及び180-189頁に記載されている
方法に準じてインサートDNAの大きさを解析し、最長の
インサートDNAを持つファージクローンを選抜した。
び塩基配列の解析) 実施例1で得られたファージクローンをMolecular Cloni
ng 第2版(J.Sambrook, E.F.Frisch, T.Maniatis著、Co
ld Spring Harbor Laboratory Press 1989年)2.60から
2.65に記載の方法にしたがって、NZCYM寒天培地に広げ
て増幅し、寒天培地からSMバッファーでファージ粒子を
溶出した。溶出したファージ粒子からDNA抽出キット(L
ambda-TRAP PLUS:Clontech社製)を用いてDNAを抽出し
てファージクローンDNAを調製した。このファージクロ
ーンDNAを鋳型としてポリメラーゼチェイン反応を行
い、クローニングされているDNA断片を増幅した。ポリ
メラーゼチェイン反応における反応液は、10pmolのT7プ
ライマー(宝酒造社製)、10pmolのT3プライマー(宝酒
造社製)、0.5μlのAdvantage KlenTaq Polymerase Mix
(Clontech社製)、2.5μlの10x KlenTaq PCR reacion
buffer(Clontech社製)、各々5nmolの4種類の塩基(dA
TP、dCTP、dGTP、dTTP:Clontech社製)、及び、10ngの
ファージクローンDNAを0.2ml容ポリメラーゼチェイン反
応用チューブに採り、滅菌蒸留水を加えて全量を25μl
として調製した。ポリメラーゼチェイン反応における各
工程は下記の条件で行った。変性工程は94℃で1分間保
温し、アニーリング工程およびDNAポリメラーゼによる
伸長工程は65℃で4分間保温する第1サイクルを1回行っ
た後、変性工程は94℃で15秒間保温し、アニーリング工
程はおよびポリメラーゼによる伸長工程は65℃で4分間
保温する第2サイクルを15回行った。ポリメラーゼチェ
イン反応終了後、反応液25μlをMicroSpin S-400HR(フ
ァルマシアバイオテク社製)で濾過することで精製し、
ポリメラーゼチェイン反応で増幅されたDNA断片の精製
溶液を得た。次に、1.5ml容マイクロチューブに、ポリ
メラーゼチェイン反応で増幅されたDNA断片の精製溶液2
μl、直鎖化pCR2.1(Invitrogen社製)50ng、1μlの10x
Ligation buffer(Invitrogen社製)、4Weiss unitのT
4 DNA Ligase(Invitrogen社製)を採り、滅菌蒸留水を
加えて全量を10μlとして混合後、14℃で16時間保温す
ることによりDNA連結反応を行い、ポリメラーゼチェイ
ン反応で増幅されたDNA断片をpCR2.1に連結した。連結
反応終了後、該反応液1μlで大腸菌INVαF'株のコンピ
テントセル(Invitrogen社製)を形質転換し、アンピシ
リン耐性となった株を選抜した。さらに、選抜された株
からプラスミドDNAを抽出しこれらを制限酵素で切断し
た後アガロース電気泳動で分析することにより、ポリメ
ラーゼチェイン反応で増幅された約1.8 kbpのDNA断片が
クローニングされているプラスミドを選抜した。選抜さ
れたプラスミドが有するDNA断片の塩基配列をDye termi
nator cycle sequencing kit(PEアプライドバイオシス
テムズ社製)およびDNAシークエンサー373S(PEアプラ
イドバイオシステムズ社製)を用い決定した。その結
果、クローニングされたDNA断片にはダイズ植物由来の
PPOcDNAの全長1745bp(うち、構造遺伝子は全長1506
bp)がコードされていることが判明し、その塩基配列は
配列番号2に示した塩基配列であった。該ダイズ植物由
来のPPOcDNAを含むDNA断片を有するプラスミドをpSP
PO-B2と命名した。
基配列を、遺伝子解析ソフト(GENETYX:SDC社製)を用
いてアミノ酸配列に翻訳する解析を行った。その結果、
クローニングされたダイズ植物由来のPPOcDNAがコー
ドする酵素タンパク質は502個のアミノ酸残基より構成
され、そのアミノ酸配列は配列番号1に示したアミノ酸
配列であった。また該アミノ酸配列のN末端には、ミト
コンドリア移送シグナルペプチドのアミノ酸配列が存在
していた。該ミトコンドリア移送シグナルペプチドのア
ミノ酸配列を配列番号3に、該アミノ酸配列をコードす
るcDNAの塩基配列を配列番号4に示す。
PO発現プラスミドの構築) ダイズ植物由来のミトコンドリア型PPOを植物細胞で
発現させるために、例えば、後述するような植物用直接
導入発現プラスミドを構築する。配列番号5および6に示
される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを調製す
る。オリゴヌクレオチドはDNA合成装置(PEアプライド
システムズ社:Model 394 DNA/RNA Synthesizer)を用
い、合成用溶媒としてModel 394 DNA/RNA Synthesizer
用溶媒( PEアプライドシステムズ社)を用い、DNA合成
試薬としてアデニン、シトシン、グアニンおよびチミン
に相当するフォスフォアミダイト試薬( PEアプライド
システムズ社)を用いて合成する。合成したオリゴヌク
レオチドはオリゴヌクレオチド精製用カートリッジ( P
Eアプライドシステムズ社:OPC カートリッジ)で精製
したのち減圧乾燥しオリゴヌクレオチドを調製する。実
施例2により得られたダイズ植物由来のミトコンドリア
型PPOの全長cDNAを鋳型とし、かつ、配列番号5及び
配列番号6に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオ
チドをプライマーとして用いてポリメラーゼチェイン反
応を行い、ダイズミトコンドリア型PPOをコードする
約1.6kbpのDNA断片を増幅する。該ポリメラーゼチェイ
ン反応は0.2ml容ポリメラーゼチェイン反応用チューブ
に10pmolの配列番号5に示される塩基配列からなるオリ
ゴヌクレオチド、10pmolの配列番号6に示される塩基配
列からなるオリゴヌクレオチド、0.5μlのAdvantage Kl
enTaq Polymerase Mix(Clontech社製)、2.5μlの10x
KlenTaq PCR reacion buffer(Clontech社製)、各々5n
molの4種類の塩基(dATP、dCTP、dGTP、dTTP:Clontech
社製)、及び、10ngの実施例6により得られたダイズ植
物由来のミトコンドリア型PPOの全長cDNAを加え、全
量を25μlとして行う。該ポリメラーゼチェイン反応に
おける各工程は下記の条件で行う。変性工程は94℃で1
分間保温し、アニーリング工程およびDNAポリメラーゼ
による伸長工程は65℃で4分間保温する第1 サイクルを1
回行った後、変性工程は94℃で30秒間保温し、アニーリ
ング工程およびDNAポリメラーゼによる伸長工程は65℃
で4分間保温する第2サイクルを15回行う。ポリメラーゼ
チェイン反応終了後、反応液をMicroSpin S-400HR(フ
ァルマシアバイオテク社製)で濾過することによりポリ
メラーゼチェイン反応によって増幅されたDNA断片を精
製する。このDNA断片の末端をDNAブランティングキット
(宝酒造社製)を用いて平滑化した後、T4ポリヌクレオ
チドキナーゼ(宝酒造社製)で5'末端にリン酸基を付与
する。一方、pUC19由来のGUS発現ベクターpBI221(Clon
tech社製)を制限酵素SmaIおよびSacI(いずれも宝酒
造社製)で切断し、GUS構造遺伝子を取り除いた2.8kbp
のDNA断片を回収し、末端をDNAブランティングキット
(宝酒造社製)を用いて平滑末端化した後、バクテリア
アルカリフォスファターゼ(宝酒造社製)で脱リン酸化
する。前述の2つのDNA断片をマイクロチューブに採り、
DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて結合
する。得られる反応液で大腸菌 HB101のコンピテントセ
ル(宝酒造社製)を形質転換しアンピシリン耐性となっ
た株を選抜する。さらに、選抜された株に含有されるプ
ラスミドのうちカリフラワーモザイクウィルス由来35S
プロモーター、ノパリンシンターゼ由来ターミネーター
に対してダイズ植物由来のミトコンドリア型PPOのコ
ード領域が順方向に挿入されているプラスミドを選抜し
直接導入用ダイズ植物由来のミトコンドリア型PPO発
現プラスミド(pSPPO-3)を得る。
PO発現プラスミドの構築) ダイズ植物由来のミトコンドリア型PPOを植物細胞に
導入して発現させるために、植物用間接導入発現プラス
ミドを構築する。配列番号5および6に示される塩基配列
からなるオリゴヌクレオチドを調製する。オリゴヌクレ
オチドはDNA合成装置(PEアプライドシステムズ社:Mod
el 394 DNA/RNA Synthesizer)を用い、合成用溶媒とし
てModel 394 DNA/RNA Synthesizer用溶媒( PEアプライ
ドシステムズ社)を用い、DNA合成試薬としてアデニ
ン、シトシン、グアニンおよびチミンに相当するフォス
フォアミダイト試薬( PEアプライドシステムズ社)を
用いて合成する。合成したオリゴヌクレオチドはオリゴ
ヌクレオチド精製用カートリッジ( PEアプライドシス
テムズ社:OPC カートリッジ)で精製したのち減圧乾燥
しオリゴヌクレオチドを調製する。実施例2により得ら
れたダイズ植物由来のミトコンドリア型PPOの全長cD
NAを鋳型とし、配列番号5及び配列番号6に示される塩基
配列からなるオリゴヌクレオチドを用いてポリメラーゼ
チェイン反応を行い、ダイズ植物由来のミトコンドリア
型PPOをコ−ドする約1.6kbpのDNA断片を増幅する。
該ポリメラーゼチェイン反応は、0.2ml容ポリメラーゼ
チェイン反応用チューブに10pmolの配列番号5に示され
る塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、10pmolの配列
番号6に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
ド、0.5μlのAdvantage KlenTaq Polymerase Mix(Clon
tech社製)、2.5μlの10x KlenTaq PCR reacion buffer
(Clontech社製)、各々5nmolの4種類の塩基(dATP、dC
TP、dGTP、dTTP:Clontech社製)、及び、10ngの実施例
2により得られたダイズ植物由来のミトコンドリア型P
POの全長cDNAを含むDNAを加え、全量を25μlとしポリ
メラーゼチェイン反応を行う。該ポリメラーゼチェイン
反応における各工程は下記の条件で行う。変性工程は94
℃で1分間保温し、アニーリング工程およびDNAポリメラ
ーゼによる伸長工程は65℃で4分間保温する第1サイクル
を1回行った後、変性工程は94℃で30秒間保温し、アニ
ーリング工程およびDNAポリメラーゼによる伸長工程は6
5℃で4分間保温する第2サイクルを15回行う。ポリメラ
ーゼチェイン反応終了後、反応液をMicroSpin S-400HR
(ファルマシアバイオテク社製)で濾過することにより
ポリメラーゼチェイン反応によって増幅されたDNA断片
を精製する。このDNA断片の末端をDNAブランティングキ
ット(宝酒造社製)を用いて平滑化した後、T4ポリヌク
レオチドキナーゼ(宝酒造社製)で5'末端にリン酸基を
付与する。一方、pBIN19由来のGUS発現バイナリーベク
ターpBI121(Clontech社製)を制限酵素SmaI、及び、S
acI(いずれも宝酒造社製)で切断し、GUS構造遺伝子を
取り除いたDNA断片を回収し、末端をDNAブランティング
キット(宝酒造社製)を用いて平滑末端化した後、バク
テリアアルカリフォスファターゼ(宝酒造社製)で脱リ
ン酸化する。前述の2つのDNA断片をマイクロチューブに
採り、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用い
て結合する。得られる反応液で大腸菌 HB101のコンピデ
ントセル(宝酒造社製)を形質転換しアンピシリン耐性
となった株を選抜する。さらに、選抜された株に含有さ
れるプラスミドのうちカリフラワーモザイクウィルス由
来35Sプロモーター、ノパリンシンターゼ由来ターミネ
ーターに対してダイズ植物由来のミトコンドリア型PP
Oのコード領域が順方向に挿入されているプラスミドを
選抜し間接導入用ダイズ植物由来のミトコンドリア型P
PO発現プラスミド(pSPPO-4)を得る。
ア型PPO発現ベクター導入形質転換植物の作出) 参考例2で得られる間接導入用ダイズ植物由来のミトコ
ンドリア型PPO発現ベクター、pSPPO-4をバイナリー
ベクター法(Clontech社製:GUS ジーンフュージョンシ
ステム)により、Agrobacterium tumefaciens LBA4404
に移す。この菌株を、植物遺伝子操作マニュアル(内宮
著、講談社サイエンティフィック、1990年)に記載の方
法に準じて、無菌培養したタバコ葉片に感染させ、形質
転換タバコを得る。同様に、N.Pawlicki et al.、(1
992年)Plant cell, Tissue andOrgan Culture、第31
巻、129-139頁に記載の方法に準じて、無菌培養したニ
ンジン実生の葉柄に感染させ形質転換ニンジンを得る。
さらに、参考例1で得られるpSPPO-3を特開平3-291501に
記載されている方法で、パーティクルガンによりダイズ
不定胚に導入し、形質転換ダイズを得る。同様に、J.Pu
onti-Kaerlas et al.、(1990年)Theoretical and A
pplied Genetics、第80巻、246-252頁に記載の方法に準
じて、無菌的に発芽させたエンドウ実生の上胚軸または
子葉に感染させ、形質転換エンドウを得る。同様に、島
田ら著、(1994年)育種学会雑誌、第44巻、別冊1号、6
6頁に記載の方法に準じて、パーティクルガンにより無
菌培養したイネ未熟胚盤に導入し、形質転換イネを得
る。同様に、宅見ら著、(1995年)育種学会雑誌、第44
巻、別冊1号、57頁に記載されている通常の方法に準じ
て、パーティクルガンにより無菌培養したコムギ未熟胚
盤に導入し、形質転換コムギを得る。同様に、萩尾ら
著、(1995年)育種学会雑誌、第44巻、別冊1号、67頁
に記載の方法に準じて、パーティクルガンにより無菌培
養したオオムギ未熟胚盤に導入し、形質転換オオムギを
得る。同様に、 M.E. Fromm et al.、( 1990年)BIO
/TECHNOLOGY、第8巻 833-839頁に記載の方法に準じて、
パーティクルガンによりトウモロコシ不定胚に導入し、
形質転換トウモロコシを得る。
提供することが可能となった。
ダーゼを植物細胞に導入して発現させるために構築され
る直接導入用プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ発
現プラスミドpSPPO-3の構築方法を示す。「35S」はカリ
フラワーモザイクウィルス由来の35Sプロモーターを、
「NOS」はアグロバクテリウム由来のノパリンシンター
ゼターミネーターを、「SPPO」はダイズ由来のミトコン
ドリア型プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼcDNA
を、その他の記号は制限酵素認識部位を示す。
ダーゼを植物細胞に導入して発現させるために構築され
る間接導入用プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ発
現プラスミドpSPPO-4の構築方法を示す。「35S」はカリ
フラワーモザイクウィルス由来の35Sプロモーターを、
「NOS」はアグロバクテリウム由来のノパリンシンター
ゼターミネーターを、「SPPO」はダイズ由来のミトコン
ドリア型プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼcDNA
を、「NTPII」はカナマイシン耐性遺伝子を、「NOSp」
はアグロバクテリウム由来のノパリンシンターゼプロモ
ーターを、「LB」および「RB」はそれぞれアグロバクテ
リウムT-DNA由来の左端境界塩基配列および右端境界塩
基配列を、その他の記号は制限酵素認識部位を示す。
ロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子のcDNAにコ
ードされているミトコンドリア型プロトポルフィリノー
ゲンオキシダーゼのアミノ酸配列を示す。 2.配列番号2:ダイズ植物由来のミトコンドリア型プ
ロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子のcDNAクロ
ーンの塩基配列を示す。 3.配列番号3:ダイズ植物由来のミトコンドリア型プ
ロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子のcDNAクロ
ーンにコードされているミトコンドリア移送シグナルペ
プチドのアミノ酸配列を示す。 4.配列番号4:ダイズ植物由来のミトコンドリア型プ
ロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子由来のミト
コンドリア移送シグナルペプチドをコードする塩基配列
を示す。 5.配列番号5:直接導入用ミトコンドリア型プロトポ
ルフィリノーゲンオキシダーゼ発現プラスミドおよび間
接導入用ミトコンドリア型プロトポルフィリノーゲンオ
キシダーゼ発現プラスミドの構築に用いたプライマーの
塩基配列を示す。 6.配列番号6:直接導入用ミトコンドリア型プロトポ
ルフィリノーゲンオキシダーゼ発現プラスミドおよび間
接導入用ミトコンドリア型プロトポルフィリノーゲンオ
キシダーゼ発現プラスミドの構築に用いたプライマーの
塩基配列を示す
Claims (11)
- 【請求項1】配列番号1に示されるアミノ酸配列または
該アミノ酸配列において1もしくは複数個のアミノ酸が
欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、か
つプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有する
タンパク質をコードすることを特徴とするプロトポルフ
ィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子。 - 【請求項2】配列番号1に示されるアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列を有することを特徴とするプロトポルフ
ィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子。 - 【請求項3】配列番号2に示される塩基配列を有するこ
とを特徴とするプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ
遺伝子。 - 【請求項4】請求項1〜3記載の遺伝子を含有すること
を特徴とするプラスミド。 - 【請求項5】配列番号3に示されるアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列を有することを特徴とするミトコンドリ
ア移送シグナルペプチドをコードするDNA断片。 - 【請求項6】配列番号4に示される塩基配列を有するこ
とを特徴とするミトコンドリア移送シグナルペプチドを
コードするDNA断片。 - 【請求項7】(1)宿主細胞内で機能可能なプロモータ
ー、(2)請求項1〜3記載の遺伝子及び(3)宿主細胞
内で機能可能なターミネーターを機能可能な形で前記の
順序となるよう結合させてなることを特徴とする発現プ
ラスミド。 - 【請求項8】(1)宿主細胞内で機能可能なプロモータ
ー、(2)請求項1〜3記載の遺伝子及び(3)宿主細胞
内で機能可能なターミネーターを機能可能な形で前記の
順序となるよう結合させてなる発現プラスミドを宿主細
胞に導入し、該宿主細胞を形質転換させることにより形
質転換体のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性
を増強することを特徴とする宿主細胞のプロトポルフィ
リノーゲンオキシダーゼ活性の増強方法。 - 【請求項9】請求項4記載のプラスミドまたは請求項8
記載の発現プラスミドが宿主細胞に導入されてなること
を特徴とする形質転換体。 - 【請求項10】宿主細胞が微生物であることを特徴とす
る請求項10記載の形質転換体。 - 【請求項11】宿主細胞が植物であることを特徴とする
請求項10記載の形質転換体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9179692A JPH1118776A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子およびその利用 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9179692A JPH1118776A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子およびその利用 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1118776A true JPH1118776A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=16070214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9179692A Pending JPH1118776A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子およびその利用 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1118776A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8673862B1 (en) * | 2012-09-06 | 2014-03-18 | Food Industry Research And Development Institute | Peptides and use thereof in the inhibition of angiotensin converting enzyme |
-
1997
- 1997-07-04 JP JP9179692A patent/JPH1118776A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8673862B1 (en) * | 2012-09-06 | 2014-03-18 | Food Industry Research And Development Institute | Peptides and use thereof in the inhibition of angiotensin converting enzyme |
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