JP2003511049A - プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子を利用した作物の収量またはバイオマスの増大方法 - Google Patents

プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子を利用した作物の収量またはバイオマスの増大方法

Info

Publication number
JP2003511049A
JP2003511049A JP2001529258A JP2001529258A JP2003511049A JP 2003511049 A JP2003511049 A JP 2003511049A JP 2001529258 A JP2001529258 A JP 2001529258A JP 2001529258 A JP2001529258 A JP 2001529258A JP 2003511049 A JP2003511049 A JP 2003511049A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crop
gene
protox
vector
rice
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001529258A
Other languages
English (en)
Inventor
バク、キョン−ウァン
イ、ヘ−ジェ
グ、ジャ−オク
イ、スン−ベム
Original Assignee
バク、キョン−ウァン
イ、ヘ−ジェ
グ、ジャ−オク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from KR1019990052478A external-priority patent/KR20010039484A/ko
Priority claimed from KR1019990052492A external-priority patent/KR100350929B1/ko
Application filed by バク、キョン−ウァン, イ、ヘ−ジェ, グ、ジャ−オク filed Critical バク、キョン−ウァン
Publication of JP2003511049A publication Critical patent/JP2003511049A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/0004Oxidoreductases (1.)
    • C12N9/001Oxidoreductases (1.) acting on the CH-CH group of donors (1.3)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8241Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology
    • C12N15/8261Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/146Genetically Modified [GMO] plants, e.g. transgenic plants

Abstract

(57)【要約】 本発明はプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(プロトックス)遺伝子を含むベクターで、宿主植物を形質転換させ、植物の光合成効率を増大させることにより作物収穫量又はバイオマスを増大させる方法に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
(技術分野) 本発明はプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(protoporphyrinogen oxidas
e。以下“プロトックス”と称する。)遺伝子を利用した作物の収量またはバイオ
マスの増大方法に関する。
【0001】 さらに、具体的に本発明のプロトックス遺伝子が含まれたベクター系を植物の
宿主に導入させ、植物の光合成効率を増大させることにより、作物の収穫量また
はバイオマスを増大させる方法及びこれに使用された発顕ベクター(recombinan
t vector)、ベクター植物宿主系及び収穫量またはバイオマスを増大させるため
の、これらベクターまたは宿主系の用途に関する。
【0002】 (背景技術) プロトポルフィリノーゲンIX(Protogen IX)のプロトポルフィリンIX(Proto IX
)への酸化を触媒するプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼは葉緑素及びヘム
を生合成するポルフィリン経路の分岐点の最終段階の酵素である。葉緑素は光合
成過程の必須的な光エネルギーを収穫する色素として葉緑素含量の増大により、
光合成効率の増大及びこれに伴う収量増大に関しては必須の要素である。
【0003】 今まで、光合成効率の増大のため二酸化炭素の濃度を高める方法(Manalo et a
l.,1994:Jitla et al.,1997)とポルフィリン生合成過程の初期産物であるデルタ
−アミノレブリン酸(delta-aminolevulinic acid)を作物の葉面に撒布し、葉緑
素含量の増大を図ることにより、作物の収量増大を試みた例(Hotta et al.,1997
)とフィトクロムを作る遺伝子を操作して、光効率の質的向上を試みた例(Clough et al.,1995;Thile et al.,1999)があった。
【0004】 しかしながら、このような方法は費用と労力が嵩むばかりでなく、予期しなか
った副作用により作物の生育がかえって阻害される場合が生じることから商業化
されていないのが実情である。
【0005】 今まで、大腸菌、酵母、人間及び植物から10種余りのプロトックス遺伝子が
クローニング及び特性等が研究され、これらの各々は異なる生物体間の低いアミ
ノ酸同一性を有しているが、密接に連関した集団間には高い相同性を有している
(Dailey et al.,1996; Lermontova et al.,1997;Corrigall et al.,1998)。
【0006】 バシラスサブチリス(Bacillus subtilis)プロトックスはフラビンを有する真
核細胞の酵素と類似した動力学的な特性を有していて、分子酸素を電子受容体と
して利用するものの、プロトポルフィリノーゲンIX及びコプロポルフィリノーゲ
ンIII(Coproporphyrinogen III)等の多重基質(multiple substrate)を酸化し得
る。この酵素は真核生物のプロトックスに比べて基質特異性が低いので植物に転
移させるとすれば植物のポルフィリン生合成過程における基質を利用しても反応
を触媒できる特性がある(Dailey et al.,1994)。
【0007】 今まで、プロトックス酵素は主に雑草防剤または除草剤に対する作物の選択性
付与に焦点を絞り研究されてきているものの、(Matringe et al.,1989;Choi et
al..1998; 米国特許第5,767,373号(1998.6.16)、及び米国特許第5,939,602号(19
99.8.17))植物の成長促進に関連してこれが論議されたことはない。
【0008】 (発明の開示) 本発明者は細胞質または色素体の何れかでバシラスサブチリスプロトックスの
適正発顕がポルフィリン生合成を促進し、植物色素である葉緑素及びフィトクロ
ムの合成が増大され、作物の光合成効率増進を付与するかを確認するため、アグ
ロバクテリウム(Agrobacterium)−媒介形質転換を通じてバシラスサブチリスプ
ロトックスを適正発顕させるトランスジェニック稲を育成しこれらの生育特性を
o,T1及びT2世代で調べた結果、これらトランスジェニック稲の収穫量または
バイオマスが本発明のベクター宿主系に因り顕著に増加でき得ることを見出だし
、本発明を完成するに至った。
【0009】 従って、本発明の目的はプロトックス遺伝子、好ましくはバシラスサブチリス
プロトックス遺伝子が含まれたベクター系を植物宿主に導入し、植物の光合成効
率を増大させることにより作物収穫量またはバイオマスを増大させる方法及びこ
れに使用された発顕ベクター、ベクター植物宿主系及び植物の収穫量またはバイ
オマスを増大させるためのこれらベクターまたは宿主系の用途を提供することに
ある。
【0010】 前記のような目的を達成するために、第一に、本発明はプロトックスをコード
化する遺伝子が含まれた宿主作物を形質転換させ、作物の収穫量またはバイオマ
スを増大させる方法を提供する。
【0011】 本発明の方法において、前記遺伝子は原核性遺伝子であることが好ましく、そ
の中でもバシラス属または腸内細菌属由来のものがより好ましい。また、前記ベ
クターはユビキチンプロモータを有することが好ましく、宿主作物の細胞質また
は色素体で標的化されるのが好ましい。
【0012】 第2に、本発明者はプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子、ユビキチ
ンプロモータ及びハイグロマイシンホスフォトランスフェラーゼ選別マーカーを
有する発顕ベクターを提供する。前記プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺
伝子はバシラスサブチリス由来のものが好ましい。
【0013】 第3に、本発明は前記発顕ベクターで形質転換されたアグロバクテリウムトメ
ファシエンス、その中でも特にアグロバクテリウムトメファシエンスLBA4404/pG
A1611:C(KCTC 0692BP)またはLBA4404/pGA1611:P(KCTC0693BP)を提供する。
【0014】 第4に、本発明は前記アグロバクテリウムトメファシエンスに形質転換された
作物細胞を提供する。本発明による作物細胞は単子葉作物、例えば、大麦、油菜
、トウモロコシ、小麦、ライ麦、燕麦、芝、馬草、砂糖黍、黍、ライグラス、オ
ーチャードグラス、または稲の細胞であるか、双子葉作物、例えば大豆、煙草、
綿、または馬鈴薯の細胞である事もあり得る。
【0015】 第5に、本発明は前記作物細胞より再分化した作物を提供する。 第6に、本発明は前記作物より収穫される作物の種子を提供する。 以下、To,T1及びT2世代よりバシラスサブチリスプロトックスを適正発顕さ
せる一部トランスジェニック植物の育成に関して説明する。しかしながら、本発
明はこれら特定植物(例:稲、大麦、小麦、ライグラス、大豆、馬鈴薯)に対し
てのみ限定されたものでは無く、その他の穀物、例えばその他の単子葉植物(例
:油菜、トウモロコシ、ライ麦、燕麦、芝、馬草、砂糖黍、黍、オーチャードグ
ラス等)ばかりでなく、双子葉作物(例:煙草、綿)を含む作物に適用し得るこ
とは当業者においては自明であることから、本発明のベクター宿主系を利用する
限り、これらに対するトランスジェニック植物は本発明の範囲に含まれるものと
理解されるべきである。
【0016】 以下、本発明をさらに具体的に説明する。 トランスジェニック稲科植物をアグロバクテリウム−媒介形質転換方法を利用
してハイグロマイシン耐性カルスの選別過程を経て、再分化された形質転換稲を
育成した。
【0017】 Toトランスジェニック稲よりバシラスサブチリスプロトックスの細胞質及び
色素体よりトランス遺伝子の導入(integration)、発顕及び遺伝性(inheritance)
はDNAブロット、RANブロット、ウェスタンブロット、及びその他の生化学的分析
法により、To,T1及びT2世代でさらに研究した。本発明ではプロトックス遺伝
子として原核性遺伝子、例えば、大腸菌等の腸内細菌属のものを使用することも
できるものの、バシラス属由来のものを使用することが好ましい。さらに、本発
明ではプロトックス遺伝子を発顕させるためのプロモータとしてユビキチンプロ
モータを使用することが好ましい。その理由としてはバシラスサブチリスプロト
ックス酵素の基質特性が真核細胞と類似し、コドン使用が植物体とかなり異なる
微生物より由来した遺伝子の植物ゲノム内での発顕は極めて微弱なものと知られ
ていて(Cheng et al.,1998)、稲より過多発顕のため使用される調節遺伝子であ
るユビキチンプロモータと、コドン使用が植物とは異なり、植物体内で発顕率が
極めて低いものと予想されるバシラスサブチリスプロトックスとの結合は、植物
体でプロトックス遺伝子の適正な発顕のための最適なプロモータ/プロトックス
遺伝子の組合わせと信じられるためである。一例を挙げれば、本発明のようなベ
クターシステムよりアラビドプシス(Arabidopsis)プロトックス遺伝子を用いて
色素体に発顕させる場合、バシラスプロトックス遺伝子を用いる場合に比べて遺
伝子発顕量が格段と増加するか、それとは逆にアラビドプシスプロトックスと稲
プロトックス間の遺伝子相同性により対照群のプロトックスより遺伝子発顕量が
さらに減少したトランスジェニック稲の選抜がなされるところ、何れの場合にも
本発明に伴うベクターシステムではバシラスプロトックスが優れた収量をだすも
のと確認された(下記の表参照)。
【0018】
【表1】 一方、トランスジェニック稲よりバシラスプロトックスの適正発顕率は稲の収
量に極めて大きな影響を及ぼすところ、同一なトランスジェニック株でも過多発
顕時(C13-1)にはそうでないトランスジェニック株(C13-2)よりも収量増大効果が
5〜10%減少することを観察することができた。従って、プロトックス遺伝子の適
正発顕は作物の収量増加には極めて重要である。このため、バシラスプロトック
ス遺伝子の人工的合成、植物ゲノム内への適切なコピー数導入のみならず、遺伝
子発顕を調節するために用いられる種々のプロモータ(例:35Sプロモータ、ア
クチン(actin)プロモータ等)により適正な発顕を誘導し、収量を画期的に増大
できることと予想される。
【0019】
【表2】 上記表に示した通り、本発明でバシラスプロトックス遺伝子を発顕させるため
にはユビキチンプロモータを使用するのが最も好ましいことと確認された。
【0020】 しかしながら、コドン使用が植物体と類似した遺伝子の場合には(植物体及び
藻類由来のプロトックス遺伝子、酵母由来のプロトックス等)これら遺伝子の発
顕を大きく抑え得る調節遺伝子の使用によっても適切な発顕を成就できるものと
予想される。
【0021】 次に導入されるバシラス遺伝子のコピー数が増大する場合、発顕量が増大され
、これらの間の収量分析結果を調べて見るとコピー数が増大されmRAN量が増大す
るほど収量増大効果が減少する現象を容易に観察することができた。これを簡略
に示すと下記の表の通りである。
【0022】
【表3】 一方、T1トランスジェニック植物よりバシラスサブチリスプロトックス遺伝
子により発顕されたプロトックス蛋白質はポリクローナル抗体を用いたウェスタ
ンブロットで分析した結果、細胞質に標的化させた植物体に比べて色素体に標的
化した植物においてさらに良く発顕するものとして表れた。
【0023】 (発明の実施のための最良の形態) 以下、本発明の具体的な方法について説明する。しかしながら、これらの方法
等は本明細書で引用した文献に開示された方法またはそれらの文献に記載された
方法を変更して行うことも可能である。
【0024】 (煙草プロトックスよりのトランシット序列(transit sequence)のPCRクロー
ニング) PCR−製造トランシット序列の序列情報は報告された煙草プロトックス(Lermon
tova etal.,1997)のものに比べて11個のアミノ酸がより長い63アミノ酸をコーデ
ィングする189ヌクレオチドを示した。推論されたアミノ酸序列等はPCR−製造ト
ランシット序列において、12個の連続的なセリン残基の伸長部を除いては殆ど同
一であった(図1)。しかしながら、これら序列の差(variation)は使用された
煙草の品種(cultivar)の相違に起因するものと思われる。この序列はSer/Theの
豊富さ及びAsp/Glu/Tyrの欠乏等のトランシット序列の共通特性を有する(von He
ijne et al.,1989)。
【0025】 (形質転換用ベクターの製造) 単子葉植物、特に稲の形質転換の際広く使用されるバイナリベクター(binary
vector)の種類は極めて多用であり、殆どすべてのバイナリベクターがCAMBIA(Ce
nter for the Application of Molecular Biology to International Agricultu
re,GPO Box3200,Canberra ACT2601,Australia)のような国際センター及び大学研
究所で入手可能であり、基本的なバイナリベクターの骨格はTiプラスミドを母体
として遺伝子が伝達される左側及び右側の境界部位に形質転換体選別マーカー遺
伝子、プロモータ、転写終結部位遺伝子等を多用に変形させ使用している。
【0026】 本発明の具体例ではバイナリベクターとして、公知のpGA1611(Kang et al.,19
98)を使用したが、本発明の実施に適合したベクターはこれに限らず、プロトッ
クス遺伝子を効率的に発顕できるものであれば特に制限なく使用することができ
る。このようなベクターの例としては本発明のpGA1611 とその構造が極めて類似
していて、前記CAMBIAで分譲されるバイナリベクターpCAMBIA 1380 T-DNA及びpC
AMBIA 1390 T-DNAを好ましく使用することができる。
【0027】 (稲の形質転換) 形質転換は従来技術を利用して行うことができる。植物に対する形質転換はア
グロバクテリウム−媒介形質転換を利用することができ、文献(Paszkowsky et a
l.,1984)に例示された方法を使用することができる。例えば稲に対するアグロバ
クテリウム−媒介形質転換法は先の文献(An et al.,1985)等に公知されている。
単子葉植物の形質転換はPEGまたは電気穿孔法等を用いてプロトプラスト内に直
接遺伝子を移植させる方法、またはカルス組織内への粒子投下(particle bombar
dment)を使用することも可能であり、単一DNAを使用する形質転換及び多重DNAを
使用する同時形質転換を使用しても良い。適用できる双子葉作物には煙草、ヒマ
ワリ、綿、油菜、大豆、馬鈴薯等を含む。単子葉植物の例としては、稲、大麦、
トウモロコシ、小麦、ライ麦、燕麦、芝、馬草、黍、砂糖黍、ライグラス、オー
チャードグラス等を含む。形質転換された細胞等は標準的技術を使用して全植物
に再分化させる。
【0028】 本発明では3個の遺伝子構造物(pGA1611ベクター単独、pGA1611:C及びpGA1611
:P)を公知の分子生物学的技法を使用して追加の形質転換に使用した。つまり、
本発明の遺伝子を作物において適正に発顕させるものと知られている常時発顕的
ユビキチン(ubiquitin)プロモータ、選別マーカーとしてハイグロマイシンホス
ホトランスフェラーゼを有する公知のバイナリベクターpGA1611内にサブクロー
ニングさせ、アグロバクテリウムトメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens
)LBA4404に形質転換させた。
【0029】 稲(品種:洛東)より誘導した胚盤カルスを前記構造物を有するアグロバクテ
リウムトメファシエンスで共培養させた。平均10〜15%のカルスが50μg/mlハイ
グロマイシンを含む選別培地において生存した。再分化培地(regeneration medi
um)上に移した後、選別されたカルスは1〜5%の比率で新芽(shoot)に再分化され
た。再分化の過程の間、色素体に標的化させた細胞株(pGA1611:P)より形成され
た一部の幼い新芽等は正常光度下において、淡い緑色を呈する傾向が現れた。し
かしながら、このような現象はこれらを低い光度下において、1週間生長させた
後、正常光度の条件の下に戻せば克服することができ、新芽等は淡い緑の現象(e
tiolation)無しに正常的に成長した。
【0030】 稲の色素体でバシラスサブチリスプロトックスの可能な過多発顕に起因したこ
れらトランスジェニック細胞株がProtogen IXをProto IXに転換するにおいて、
触媒化作用をすることにより、下流(downstream)代謝過程に必要なProto IXの最
適濃度を超えた酵素生成物が植物細胞に光毒性を誘発するものと説明し得る(デ
ータに示していない)。全体的に細胞質または色素体でバシラスサブチリスプロ
トックスを発顕するものと予想されるpGA1611:C及びpGA1611:P構造物からの6個
体及び58個体の異なるトランスジェニック稲をそれぞれ育成した。対照群として
、pGA1611ベクターのみを発顕する限りトランスジェニック稲も亦生産された。
育成された殆どのトランスジェニック細胞株(TO)は正常的な表現型を有した
ものの、これらの種籾生産量は個別トランスジェニック細胞株によって4個乃至
260個にわたって多様であった。 (ゲノム性DNAゲルブロット分析) バシラスサブチリスプロトックスのハイグロマイシン選別培地より再分化され
たトランスジェニック細胞株の稲ゲノムへの安定した導入を評価するために、細
胞質に標的化されたトランスジェニック細胞株(pGA1611:C)5個のTO植物及び色
素体に標的化されたトランスジェニック細胞株(pGA1611:P)の6個のTO植物から
抽出したDNA等をHindIIIで分解させ、32Pで標識化されたバシラスサブチリスプ
ロトックスと混成化させた。プローブ処理されたトランス遺伝子内のHindIII部
位の不在により、混成化したバンドの数はトランスジェニック植物のゲノムより
、トランス遺伝子のコピー数に対応する。細胞質に標的化されたトランスジェニ
ック細胞株(C2,C5,及びC6)はそれぞれ5kb以上のサイズの3個の混成化バンド周
辺に多重バンドを示したが、これは稲ゲノムの相異した位置でトランス遺伝子の
多重挿入を意味する(データに示していない)。これとは対照的にC8及びC13細
胞株は稲ゲノムより単一コピー挿入部を有している。色素体に標的化されたトラ
ンスジェニック細胞株に対しては6個の色素体に標的化されたトランスジェニッ
ク細胞株の内3個のコピー挿入部を示す細胞株P21を除いては、すべて単一コピ
ー挿入部を有している(データに示していない)。
【0031】 (T1世代でハイグロマイシン耐性の分離) 自家受粉種籾からの種子量が多く確保されたトランスジェニック稲を選択して
1世代を検定した。トランス遺伝子の伝達(transmission)は1個のトランスジ
ェニック対照群(TC)、2個の細胞質に標的化されたトランスジェニック細胞株(C
8とC13)、及び2個の色素体に標的化させたトランスジェニック細胞株(P9とP21)
を含む5個のトランスジェニック稲を利用した。試験に使用された全てのトラン
スジェニック細胞株の種子は玄米とハイグロマイシン50μg/mLが補充されたMS固
形化培地の半分程の濃度で発芽させたとき、ハイグロマイシンの耐性の分離パタ
ーンを示した。これを下記表1に示した。
【0032】
【表4】 C8細胞株を除くすべての細胞株において、感受性播種に対するハイグロマイシ
ン耐性比が3:1に近く、これは稲のゲノムに挿入されたトランス遺伝子がメンデ
ルの分離、独立、優性の法則に従って発顕することが認められた。C8細胞株より
分離比率がメンデルの法則と一致しないハイグロマイシンに敏感な種子等が高い
比率で示された。
【0033】 (T1世代においてRNAブロット分析) トランスジェニック稲から種子量が多く確保された発顕株を利用してハイグロ
マイシン培地で遺伝子が確認された個体を選抜し、(トランスジェニック対照区
TC;細胞質に標的化されたトランスジェニック細胞株C8とC13;色素体に標的化さ
れたトランスジェニック細胞株P9とP21)これを水田で栽培した。これら全ての葉
より抽出した全RNAよりバシラスサブチリスプロトックスmRNAの発顕如何を調べ
た結果対照区(C)及びトランスジェニック対照区(TC)はバシラスサブチリスプロ
トックスmRNAが発顕しなかった(図2)。細胞質に標的化されたトランスジェニ
ック細胞株よりC8及びC13はバシラスサブチリスプロトックスmRNAの発顕程度が
比較的高い収率で発顕された。色素体に標的化されたトランスジェニック細胞株
に対してはバシラスサブチリスプロトックスmRNAがかなり多く発顕したことを確
認することができ、ここでP21細胞株において最も高いトランス遺伝子発顕程度
が現れた。
【0034】 トランス遺伝子のコピー数と相対的なmRNAの発顕水準間の一部関連性に鑑みて
、バシラスサブチリスプロトックスmRNAの水準はゲノムのトランス遺伝子のコピ
ー数に連関することもあり得る。このように導入されたバシラス遺伝子のコピー
数が増大する場合、発顕量が増大し(図2:トランスジェニックT1mRNAブロット
分析)、これらの間の収量分析結果を調べて見ればコピー数が増大し、mRNA量が
増大するほど収量増大効果が減少する現象を容易に観察することができた。(前
記表:コピー数に伴うT1トランスジェニック稲の生育特性参照) (バシラスサブチリスプロトックスポリペプチドの検出) 再分化したT1植物でバシラスサブチリスプロトックス蛋白質の生産はバシラ
スサブチリスプロトックスに対するポリクロン(poly clone)抗体(入手処:Rohm
& Haas Co.)を使用して免疫学的に検査した。トランスジェニック対照区(TC)
,細胞質に標的化されたトランスジェニック細胞株(C8及びC13)または色素体に
標的化されたトランスジェニック細胞株(P9及びP21)より可溶性蛋白質等を抽出
し、蛋白質ゲルに電気泳動してPVDF膜に移した後、標準方法によりバシラスサブ
チリスプロトックス抗体で免疫反応させたとき、大きさにおいてバシラスサブチ
リスプロトックスに対応する蛋白質等が対照群を除いた全てのトランスジェニッ
ク細胞株より発顕するものとして示された。
【0035】 興味深くも、色素体に標的化されたトランスジェニック細胞株における発顕は
細胞質に標的化されたトランスジェニック細胞株での発顕に比べて、3〜4倍高い
バンド強度を示した。バシラスサブチリスプロトックスの可能な分解産物とみら
れる二つの小さい蛋白質バンドがトランスジェニック細胞株より発見された。対
照的に色素体に標的化されたトランスジェニック細胞株でのみ検出されたやや大
きい薄ぼけたバンド(バシラスサブチリスプロトックスよりやや大きい約4〜5kD
a)はトランシット序列が切断されていないバシラスサブチリスプロトックスより
の前駆蛋白質であることもあり得る。マイクロソムの蛋白質に対しては抗体反応
性蛋白質等が検出されなかった(データに示されていない)。
【0036】 結論的に形質転換された細胞株よりプロトックス分解産物が検出されたこと、
色素体に標的化されたトランスジェニック細胞株よりバシラスサブチリスのプロ
トックス遺伝子がより高く発顕されたこと及び、バシラスサブチリスプロトック
スの前駆蛋白質形態が存在するのは間接的ではあるものの、形質転換された細胞
株よりバシラスサブチリスプロトックスの発顕に対する強力な証拠を提供するも
のと思われる。
【0037】 (T2世代におけるDNA及びRNAブロット分析) T1稲より収穫した種子を利用してハイグロマイシン選別を経ずに一般的な栽
培様式により、水田に田植えして栽培した。各トランスジェニック株別に40株ず
つ栽培し、5週間成長した個体別に遺伝子発顕の如何を稲の葉断片を利用して10
0mg/1のハイグロマイシンが含まれた蒸留水で壊死反応により分析した。ハイグ
ロマイシンに抵抗性である個体を利用してプロトックス遺伝子がT2世代でも安
定的に遺伝され発顕するかを分析した。T1世代で分析した場合と同様にバシラ
スサブチリスプロトックス遺伝子が稲のT2世代のゲノムの中に1〜2コピーで細
胞質に標的化されたトランスジェニック細胞株(C8とC13)及び色素体に標的化さ
れたトランスジェニック細胞株(P9とP21)に存在することを確認することができ
、対照区(C)及びトランスジェニック対照区(Tc)には存在しないことが確認され
た(図4(A))。導入されたプロトックス遺伝子がT2世代でも安定的に発顕して
いることをRNAブロット分析により確認した。特に細胞質に標的化されたトラン
スジェニック細胞株間でプロトックスmRNA発顕量が相異し、(細胞質発顕株C8,C
13-1,C13-2)、色素体に標的化されたトランスジェニック細胞株(色素体発顕株
P9,P21)間にもプロトックスmRNA発顕量に差のあることが認められた(図4(B)
)。さらに、前記のように同一なトランスジェニック株においても、過多発顕時
(図4,C13-1)にはそうでないトランスジェニック株(図4,C13-2)よりも収
量増大効果が5〜10%減少することが観察された。
【0038】 以下本発明は次の本発明の代表的な実施例により、さらに具体的に説明される
ものの、本発明がこれらの実施例により何ら制限されるのではない。 (実施例1:稲形質転換用ベクターの製造) 本実施例では二つのタイプのバシラスサブチリスプロトックス遺伝子構造物を
稲の形質転換に使用した。出発バイナリベクターはpGA1611にして、このベクタ
ー製造過程を要約して見るにコスミドベクターであるpGA482ベクターを母体とし
て(An et al.,1988)、抗生剤抵抗性遺伝子であるハイグロマイシン遺伝子(Gritz
and Davies.,1983;NCBI入手番号::KO1193)を右側境界部分のEcoRI/SacII部位
に挿入し、このハイグロマイシン遺伝子を調節するプロモータは花キャベツモザ
イクバイラスより持ってきた35Sプロモータ(Gardner et al.,1981;Odell et al.
,1985;)NCBI入手番号:VOO140)を導入し、転写終結のため、オクトパイン型(oct
opine-type)TiA6 プラスミドの7番転写体の転写終結部位(Greve et al.,1982;NC
BI入手番号:VOOO88)を導入した。外部遺伝子の発顕のため、ユビキチン遺伝子(
Christensen et al.,1992;NCBI入手番号:S94464)をBamH1/PstI位置に導入し、
ノパリン合成遺伝子の転写終結部位(Bevan et al.,1983;NCBI入手番号:VOOO87)
を一つの制限酵素部位を有する(HindIII,SacI,HpaI,and KpnI)クローニング部位
に置くようにした。
【0039】 プラスミドpGA1611:Cは稲の細胞質よりバシラスサブチリスプロトックスを発
顕するように製作した。PCR増幅させたバシラスサブチリスプロトックス遺伝子
の全長をSacI及びKpnIに切断し、同一な酵素で予め切断したpGA1611バイナリベ
クターで連結してトウモロコシユビキチンプロモータの調節の下で位置させた。
他のベクター(pGA1611:P)はバシラスサブチリスプロトックスを稲の色素体内に
標的化するように設計した(図1)。簡便なサブクローニングのため設計したSa
cIプライマー部位はアンダーラインを引いた部分である。煙草のプロトックス(N
icotiana tabacum cv.Samsun)遺伝子序列はGeneBankデータベース(入手番号:Y
13465)より入手した。
【0040】 ベクター製造のため、PCR方法を煙草(N.tabacum cv.Samsun NN)Protoxの序列
データにより設計された特定のプライマーを用いて行った。トランシット序列を
HindIII部位(アンダーラインを引く)を有する前方プライマー,5-d(TATCAAGCT T ATGACAACTCCCATC)-3,SacI部位(アンダーラインを引く)を有する逆プライマー
,5-d(ATGGAGCTCGGAGCATCGTGTTCTCCA)-3,及び鋳型にして、煙草(N.tabacum cv.K
Y160)ゲノムを使用して増幅させた。このPCR生成物をHindIII及びSacIで切断し
てゲル精製し、ベクターpBluescript(商業上入手可能)内の同一な制限部位内に
連結した。塩基序列を確認した後、トランシット序列のHindIII及びSacI断片をp
GA1611:Pベクターの同一な制限酵素部位に連結しバシラスサブチリスプロトック
スのアミノ末端にトランシト序列を位置させたpGA1611:Pを製作した。図1の(C)
はバイナリベクター(binary vector)においてT-DNA域の概略図である。pGA1611
pGA1611:C及びpGA1611:Pを稲の形質転換に使用した。Ubiはトウモロコシユビキ
チンプロモータ;Tnosはノパリン(nopaline)合成の3′終結信号(termination s
ignal);P35SはCaMV 35Sプロモータ;HPTはハイグロマイシンホスホトランスフェ
ラーゼ;Tsはトランシット序列(transit sequence)をそれぞれ示す。
【0041】 (実施例2:形質転換及び再分化) pGA1611,pGA1611:C及びpGA1611:Pを有するアグロバクテリウムトメファシエン
スLBA4404菌株をテトラサイクリン5μg/ml及びハイグロマイシン40μg/mLが含ま
れたYEP培地(1%Bacto-peptone,1%Bacto-yeast,extract,0.5%NaCl)で28℃で夜通
しで成長させた。この培養物を遠心分離させ、ペレット等を同一嵩のアセトシリ
ンゴン(acetosyringone)100μMを含むAA培地(Hiei et al.,1997)の中で懸濁させ
た。カルスをN6培地に播種した稲の胚盤(品種:洛東)より誘導した(Rashid et
al.,1996;Hiei et al.,1997)、3〜4週令の密集したカルスを3分間細菌懸濁液
に浸漬し、滅菌濾過紙で吸取り乾燥させ過量の菌を取り除いた。引き続きカルス
を共培養(co-cultured)培地上に移し、25℃暗室で2〜3日間培養した。共培養
されたカルスをcefotaxime 250mg/Lを含む滅菌水で洗滌して細菌を取り除き、引
き続きcefotaxime 250mg/L及びハイグロマイシン50mg/Lを含むN6培地に移した。
3〜4週間選別した後、カルス等を発芽及び根の成長用再分化培地に移して根が十
分に成長した後、トランスジェニック植物等を温室に移して成長させた。
【0042】 本発明のベクター(pGA1611:C及びpGA1611:P)に形質転換されたアグロバクテリ
ウムトメファシエンスはブタペスト条約下の国際寄託機関である大韓民国305-33
3大田広域市儒城区魚隠洞52に所在する生命工学研究所(Korean Research Instit
ute of Bioscience and Biotechnology)の遺伝子銀行(Korean Collection for T
ype Culture)に1999年11月15日付で寄託番号KCTC 0692BP及びKCTC 0693BPで寄託
された。
【0043】 (実施例3:大豆の形質転換及び再分化) pGA1611:C及びpGA1611:Pを有するアグロバクテリウムトメファシエンスLBA440
4菌株をテトラサイクリン5μg/ml及びハイグロマイシン40μg/mlを補充したYEP
培地(1%Bacto-peptone,1%Bacto-yeast extract,0.5%NaCl)で28℃で一晩成長させ
た。この培養物を遠心分離させ、ペレット等を同一嵩のアセトシリンゴン(aceto
syringone)100μMを含むB5培地(Gammborg et al.,1968)の中で懸濁させ3〜4cm成
長した大豆の子葉を縦断して傷を加えた後、併せて共培養した後3日間24℃に静
置し、B5回復培地及び再分化培地(Di et al.,1996)を経てTO形質転換した大豆
を育成した。
【0044】 (実施例4:大麦、小麦、ライグラス及び馬鈴薯の形質転変換用ベ クターの製造) pGA1611:C及びpGA1611:Pバイナリベクターよりユビキチンプロモータ、色素体
発顕プロトックス遺伝子及びノパーリン合成の3′終結信号を含む遺伝子をBamH
I/Cla1で切断し、pBluescript II SKクローニングベクター(Strategens,USA)の
同じ位置に挿入した後、pBSK-プロトックスベクターを作り、pBSK-プロトックス
ベクターをClaI/SalIに単線化させた。モザイクバイラス35Sプロモータ:ハイグ
ロマイシン遺伝子:オクトパイン型TiA6転写終結部位をpGA1611:C及びpGA1611:P
より切断(C1aI/Sa1I)し、pBSK-プロトックスベクター内に導入し、pBSK-プロト
ックス/ハイグロマイシンベクターを最終的に製造して遺伝子gunのためのベクタ
ーとして使用した。
【0045】 (実施例5:小麦、大麦、ライグラス及び馬鈴薯の形質転換及び再分化) 形質転換のための切片は小麦、大麦、及びライグラスの胚盤で由来したカルス
を全て使用した(Spangenberg et al.,1995;Koprek et al.,1996;Takumi and Shi
mada,1997)、馬鈴薯の形質転換のためには子葉を切片として使用した。pBSK-プ
ロトックス/ハイグロマイシンベクターDNAを1.6μm径の白金に塗布してBiolist
ic PDS-1000/He Particle Delivery System(Bio-Rad)を利用して小麦、大麦、ラ
イグラス及び馬鈴薯の切片で移転(bombard)した。形質転換された植物体よりプ
ロトックス蛋白質発顕有無は0.1M Tris(pH7.0)β−メルカプトエタノール5mM及
び10ml当たり一つのタブレットの完全プロテアーゼ抑制剤[Complete,Mini;Boeh
ringer Mannheim]でなる均質化緩衝液1mlで4℃で抽出した。均質化物をMiraclo
th(CalBiochem)の2つの層を通じて濾過し、3,000gで10分間遠心分離させ、残留
上層液を100,000gで60分間遠心分離させ、粗マイクロソムペレットを得た。この
ペレットを均質化緩衝液100μL中に溶解させ、マイクロソムの分劃に対する免疫
ブロッティングに使用した(20μg蛋白質)。100,000g上層液抽出物(15μg)を可
溶性蛋白質として用いた、可溶性及び膜結合蛋白質等はSDS-PAGEの上で電気泳動
させた。10%(W/V)アクリルアミド/ビスゲルで電気泳動させた後、蛋白質等はPV
DF膜に移しバシラスサブチリスプロトックスタクロン抗体で免疫検出した。2次
抗体の順応性及びバンド検出は製造者(ECL kit;Boehringer Mannheim)の使用指
針に従い増強された化学発光システムを使用して行った。
【0046】 (試験例1:トランスジェニック稲植物の成長結果) 実施例2で再分化させたトランスジェニック稲より種子を獲得し、ハイグロマ
イシンに抵抗性の種子を水田に播種した後、植物の成長結果をそれぞれ下記表2
乃至5に整理して示した。表2はそれぞれの成長段階によるトランスジェニック
稲の長さを示した。
【0047】
【表5】 前記表の結果から分かるように、細胞質に標的化されたトランスジェニック細
胞株で対照区に比べて10cm程稲が著しく成長した。
【0048】 下記表3は成長段階によるトランスジェニック稲の分蘖数を示し、表4は植物
当たりトランスジェニック稲の定量的特性及び表5は植物当たりトランスジェニ
ック稲の収量構成要素に関連して得られた結果等をそれぞれ示したものである。
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】 前記表に記載された結果から分かるように、本発明に伴うトランスジェニック
稲において、植物個体当たりトランスジェニック稲の定量的特性、詰まり、有効
茎比率でも顕著に改善された効果が観察され、穀物収量及び分蘖数は最大2倍ま
で増加したことが分かる。
【0052】 (試験例2:トランスジェニック大麦、小麦、大豆、イタリアンライグラス及
び馬鈴薯の成長結果) 実施例2のような類似した方法で再分化させたその他の単子葉植物(大麦、小
麦)、双子葉植物(大豆、馬鈴薯)及び牧草(イタリアンライグラス)等の生育
特性を調べて見た結果、大麦では個体当たり穀物収量が18〜27%程増収されたこ
とを確認することができ(表6)、小麦の場合14〜25%の増収が(表7)、大豆
の場合23〜28%、イタリアンライグラスの生体牧草量が51%まで増収効果を示した
(表9)、表10は形質転換馬鈴薯の収量特性を示し、生体重量と塊茎重量にお
いて、全て13〜18%程の増収効果を示した。これはプロトックス遺伝子による収
量増収効果が稲の他に別の単子葉植物ばかりでなく、牧草及び双子葉植物まで拡
大適用できる現象を示している。
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】
【0055】
【表11】
【0056】
【表12】
【0057】
【表13】 (産業上の利用可能性) 本発明に伴うプロトックス遺伝子ガ含まれたベクター系を作物に導入させるこ
とにより、作物の収穫量またはバイオメスが著しく増加したことが確認されたた
め、本発明により食糧難の解決は勿論、飼料作物を含む植物資源の確保が可能と
なることであろう。
【0058】 発明により食料難を解決することができることは勿論、飼料作物を含む植物資
源の確保が可能となるであろう。 (引用文献)
【0059】
【表14】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 プロトックストランシット(transit)ペプチドの核酸序列(A)及び推
定されるアミノ酸序列(B)の比較(報告された煙草Samsun品種と本実験に用いら
れたKY160品種のアミノ酸序列比較)を示す図面。(C)はバイナリベクターにおけ
るT-DNA域の概略図。Ubi,ユビキチンプロモータ;Tnos,ノパリン遺伝子ターミネ
ータ;HPT,ハイクロマイシンホスホトランスフェラーゼ;Bs,バシラスサブチリ
ス;Ts,トランシット序列
【図2】 T1トランスジェニック稲のノーダンブロット分析の結果を示す電
気泳動写真、C,対照群;TC,トランスジェニック対照群;C8/C13,細胞質に
標的化されたトランスジェニック細胞株;P9/P21,色素体に標的化したトランス
ジェニック細胞株。
【図3】 トランスジェニック稲と対照群で稲の成長結果を示す写真。
【図4】 T2トランスジェニック稲のDNAブロット分析(A)及びRNAブロット分
析(B)の結果を示す電気泳動写真、C,対照群;TC,トランスジェニック対照群
;C8/C13,細胞質に標的化されたトランスジェニック細胞株;P9/P21,色素体に
標的化されたトランスジェニック細胞株。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:01) C12N 5/00 C (C12N 5/10 C12R 1:91) (31)優先権主張番号 1999/52492 (32)優先日 平成11年11月24日(1999.11.24) (33)優先権主張国 韓国(KR) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW (71)出願人 グ、ジャ−オク GUH,Ja−Ock 大韓民国 500−190 クァンジュ プッ− ク ヨンジェ−ドン 36−1 ヒュンダイ アパートメント ナンバー102−603 (72)発明者 バク、キョン−ウァン 大韓民国 500−150 クァンジュ プッ− ク メゴク−ドン クムホ アパートメン ト ナンバー102−302 (72)発明者 イ、ヘ−ジェ 大韓民国 135−240 ソウル クァンナム −ク ケポ−ドン ヒュンダイ アパート メント ナンバー213−403 (72)発明者 グ、ジャ−オク 大韓民国 500−190 クァンジュ プッ− ク ヨンジェ−ドン 36−1 ヒュンダイ アパートメント ナンバー102−603 (72)発明者 イ、スン−ベム 大韓民国 503−310 クァンジュ ナム− ク ジュウァル−ドン 1278−1 ソンリ ム マンション ナンバー310 Fターム(参考) 2B030 AA00 CA15 CA17 CA19 4B024 AA08 BA08 CA04 DA01 DA05 EA04 EA10 FA02 FA10 GA11 4B065 AA11X AA19Y AA88X AB00 AC14 BA02 CA28 CA53 【要約の続き】

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロトプロフィリノーゲンオキシダーゼをコード化する遺伝子
    を含むベクターで宿主作物を形質転換させることにより、作物の収穫量及びバイ
    オマスを増大させる方法。
  2. 【請求項2】 前記遺伝子が原核性遺伝子であることを特徴とする請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記原核遺伝子がバシラス属又は腸内細菌属由来のものである
    請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ベクターがユビキチンプロモータを有するものである請求
    項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ベクターが宿主作物の細胞質又は色素体に標的化されてい
    る請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 プロトプロフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子、ユビキチンプ
    ロモータ及びハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ選別マーカーを有する
    発顕ベクター。
  7. 【請求項7】 前記プロトプロフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子がバシラス
    サブチリス由来のものである請求項6に記載の発顕ベクター。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の発顕ベクターで形質転換されたアグロバクテ
    リウムトメファシエンス。
  9. 【請求項9】 アグロバクテリウムトメファシエンスLBA4404/pGA1611:C(KCTC 0692BP)またはLBA4404/pGA1611:C(KCTC 0693BP)である請求項8に記載のアグロ
    バクテリウムトメファシエンス。
  10. 【請求項10】 請求項8または9のアグロバクテリウムトメファシエンスで
    形質転換された作物細胞。
  11. 【請求項11】 前記作物は単子葉である請求項10に記載の作物細胞。
  12. 【請求項12】 前記単子葉は、大麦、油菜、トウモロコシ、小麦、ライ麦、
    芝、馬草、砂糖黍、黍、ライグラス、オーチャードグラス及び稲からなる群から
    選択されたものである請求項11に記載の作物細胞。
  13. 【請求項13】 前記作物は双子葉である請求項10に記載の作物細胞。
  14. 【請求項14】 前記双子葉は、大豆、煙草、綿、及び馬鈴薯からなる群から
    選択されたものである請求項13に記載の作物細胞。
  15. 【請求項15】 請求項10の作物細胞から再分化された作物。
  16. 【請求項16】 請求項15の作物から収穫される作物種子。
JP2001529258A 1999-10-11 2000-10-10 プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子を利用した作物の収量またはバイオマスの増大方法 Pending JP2003511049A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR19990043860 1999-10-11
KR1999/43860 1999-10-11
KR1999/52492 1999-11-24
KR1999/52478 1999-11-24
KR1019990052478A KR20010039484A (ko) 1999-10-11 1999-11-24 프로토포르피리노겐 옥시다아제 유전자를 이용한 작물의수량 또는 바이오매스의 증대 방법
KR1019990052492A KR100350929B1 (ko) 1999-11-24 1999-11-24 프로토포르피리노겐 옥시다아제 유전자를 이용한 작물의수량 또는 바이오매스의 증대 방법 및 형질전환체
PCT/KR2000/001133 WO2001026458A2 (en) 1999-10-11 2000-10-10 Process for increasing crop yield or biomass using protoporphyrinogen oxidase gene

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003511049A true JP2003511049A (ja) 2003-03-25

Family

ID=27350070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001529258A Pending JP2003511049A (ja) 1999-10-11 2000-10-10 プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子を利用した作物の収量またはバイオマスの増大方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US20020042932A1 (ja)
EP (1) EP1222295A4 (ja)
JP (1) JP2003511049A (ja)
CN (1) CN1461345A (ja)
AU (1) AU7965700A (ja)
BR (1) BR0014681A (ja)
CA (1) CA2382658A1 (ja)
MX (1) MXPA02003589A (ja)
WO (1) WO2001026458A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008507960A (ja) * 2004-07-31 2008-03-21 メタノミクス ゲーエムベーハー より成長が早いかつ/又はより収量が高い生物の作製

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
UA112969C2 (uk) * 2010-08-03 2016-11-25 Сібас Юс Ллс Рослина, стійка до одного або більше ррх-інгібуючих гербіцидів, яка містить мутантний ген протопорфіриноген ix оксидази (ррх)
ES2666149T3 (es) 2011-03-25 2018-05-03 Monsanto Technology Llc Elementos reguladores de plantas y usos de los mismos
US10803412B2 (en) 2015-04-15 2020-10-13 International Business Machines Corporation Scheduling crop transplantations
CN109475099A (zh) 2016-07-29 2019-03-15 孟山都技术公司 用于在植物中进行基因表达的方法和组合物
CA3026528A1 (en) 2017-12-15 2019-06-15 Monsanto Technology Llc Methods and compositions for ppo herbicide tolerance

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1039283C (zh) * 1988-12-12 1998-07-29 Fmc公司 卟啉的应用
US5767373A (en) * 1994-06-16 1998-06-16 Novartis Finance Corporation Manipulation of protoporphyrinogen oxidase enzyme activity in eukaryotic organisms
US6023012A (en) * 1996-02-28 2000-02-08 Novartis Finance Corporation DNA molecules encoding plant protoporphyrinogen oxidase
US5939602A (en) * 1995-06-06 1999-08-17 Novartis Finance Corporation DNA molecules encoding plant protoporphyrinogen oxidase and inhibitor-resistant mutants thereof
US6084155A (en) * 1995-06-06 2000-07-04 Novartis Ag Herbicide-tolerant protoporphyrinogen oxidase ("protox") genes
CN1212725A (zh) * 1996-02-28 1999-03-31 诺瓦提斯公司 来源于植物原卟啉原氧化酶基因的启动子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008507960A (ja) * 2004-07-31 2008-03-21 メタノミクス ゲーエムベーハー より成長が早いかつ/又はより収量が高い生物の作製

Also Published As

Publication number Publication date
MXPA02003589A (es) 2003-07-21
AU7965700A (en) 2001-04-23
BR0014681A (pt) 2002-08-20
WO2001026458A2 (en) 2001-04-19
EP1222295A2 (en) 2002-07-17
CA2382658A1 (en) 2001-04-19
WO2001026458A3 (en) 2001-08-30
CN1461345A (zh) 2003-12-10
US20020042932A1 (en) 2002-04-11
EP1222295A4 (en) 2003-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2256856T3 (es) Proceso de seccion de celulas transgenicas.
KR20150085846A (ko) Tal-매개 전이 DNA 삽입방법
WO2014144094A1 (en) Tal-mediated transfer dna insertion
JPH11512618A (ja) グルタミン酸デヒドロゲナーゼのα−およびβ−サブユニットに関連した新規のポリペプチドおよびポリヌクレオチド、ならびにその利用法
WO2010140672A1 (ja) 種子のタンパク質含量を増産させる遺伝子及びその利用方法
JP2002541853A (ja) 植物の形質転換方法
HUT58758A (en) New signalsequencies
JP2018506305A (ja) 除草剤耐性タンパク質、そのコーディング遺伝子及び用途
JPH09504171A (ja) アンモニウム輸送体、該輸送体を含有するプラスミド、細菌、酵母、植物細胞および植物
JP3791059B2 (ja) 植物プロモーターおよびその利用
US5917127A (en) Plasmids useful for and methods of preparing transgenic plants with modifications of habit and yield
JP2003511049A (ja) プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ遺伝子を利用した作物の収量またはバイオマスの増大方法
JP6202832B2 (ja) 高い種子収量性を有する環境ストレス耐性植物及びその作製方法
RU2169196C2 (ru) Дезоксирибонуклеиновая кислота, кодирующая белок глутатион-s-трансферазу iiic и белок с соответствующей аминокислотной последовательностью
JP2001503992A (ja) 線虫誘導性調節dna配列
RU2198219C2 (ru) ФРАГМЕНТ ДНК, ПОЛУЧАЕМЫЙ ИЗ Arabidopsis thaliana, ЕГО СУБФРАГМЕНТ ИЛИ КОМБИНАЦИЯ СУБФРАГМЕНТОВ, ПОСЛЕДОВАТЕЛЬНОСТЬ ХИМЕРНОЙ ДНК И ЕЕ ИСПОЛЬЗОВАНИЕ, РЕПЛИКОН (ВАРИАНТЫ)
US7422901B2 (en) Auxin transport proteins
US6262344B1 (en) Nematode-inducible plant gene promoter
JP2001238556A (ja) アミノ酸組成が改良されたトランスジェニック植物の作出法
WO1999066785A1 (en) Water stress or salt stress tolerant transgenic cereal plants
WO2000004133A1 (en) Agrobacterium-mediated transformation of turfgrass
KR100350929B1 (ko) 프로토포르피리노겐 옥시다아제 유전자를 이용한 작물의수량 또는 바이오매스의 증대 방법 및 형질전환체
JP3920453B2 (ja) 植物を形質転換する方法及びその植物並びにその遺伝子
JP3885134B2 (ja) 転写活性化因子
JPH1169979A (ja) プロモーター配列およびその利用法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040525

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041019