JP3920453B2 - 植物を形質転換する方法及びその植物並びにその遺伝子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有用植物に他の生物の遺伝子を導入して有用植物を形質転換する方法に関し、より詳細には導入される他の生物の遺伝子がコードする蛋白質が有する機能を実質的に変更することなく、当該他の生物の遺伝子の塩基配列中に存在する形質転換される有用植物のmRNAのポリ(A)付加に関係する要素の領域を、mRNAのポリ(A)付加に関係しないような他の塩基配列に改変することを特徴とする有用植物を形質転換する方法、それにより製造され得る形質転換された有用植物、それに使用される塩基配列が改変された核酸、及び、当該核酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生物が生育するためには、多くの栄養素が必要である。植物はこれらの生育に必要な栄養素の大半を根から吸収している。栄養素を吸収するのに必要な各種の酵素活性が遺伝的に低いために、土壌中にある栄養素を吸収することができない植物がある。
【0003】
例えば、鉄はほとんどの生物にとって必要不可欠な元素であり、光合成や呼吸など細胞を機能させるのに関わる多くの酵素に必要である。土壌中の可溶化した鉄としては、主にFe(III)キレート(場合によっては Fe(II)キレート)として存在している。一般に植物は、Fe(III)に比べてFe(II)が優先的に吸収されるが、これは植物の種類による。
植物には二種類の鉄の獲得機構、吸収機構(I)(図1参照)と吸収機構(II)(図2参照)とがある(Mori, 1994)。
【0004】
図1に示される吸収機構(I)は、(1)根圏へのプロトンの放出(Olsen and Brown 1980)、(2)根の細胞膜における三価鉄還元活性の増加(Brown et al. 1961, Chaney et al. 1972) 、(3)還元・キレート性物質の根からの分泌(Hether et al. 1984)、などからなっている。つまり放出したキレート物質によりFe(III)をキレート化し、根のフリースペース中の Fe(III)−キレートを細胞膜上で三価鉄還元酵素によってFe(II)に還元し、Fe(II)トランスポーターを通して吸収するという仕組みである。根圏へプロトンを放出し、フリースペースのpHを下げることで還元酵素の活性を増加させているとも考えられている。しかし、三価鉄の還元活性は高pHで阻害されるため、高濃度の炭酸陰イオンによる強いpH緩衝作用により石灰クロロシスを起こす(Marschner et al. 1986) という問題が知られている。
【0005】
また、図2に示される吸収機構(II)は、イネ科植物に特有のもので、(1)ムギネ酸類(phytosiderophore)の合成、(2)根圏へのムギネ酸類の放出、(3)鉄とムギネ酸類との可溶性複合体の形成、(4)植物体によるムギネ酸類−鉄複合体の吸収、とからなっている(Takagi 1976, Takagi et al. 1984)。イネ科植物などにみられるこのような吸収機構(II)による鉄獲得機構は、高pHに阻害されないという長所がある。
【0006】
一方、真核生物のモデルとして知られる酵母(Saccharomyces cerevisiae)は前記した吸収機構(I)に類似した鉄吸収を行う。高等植物における遺伝子レベルでの研究は Fe(II) のトランスポーターが酵母の鉄吸収変異株のコンプリメンテーションによってクローニングされている(Eide et al., 1996)が,まだ細かい鉄吸収のシステムについては調べられていない。
それに対して酵母(Saccharomyces cerevisiae)ではその機構が非常に詳しく調べられている。酵母における鉄吸収は、まず細胞膜表面で三価鉄還元酵素FRE1、FRE2により三価鉄の二価鉄への還元を行う(Dancis et al., 1990, 1992, Georgatsou and Alexandraki,1994)。還元された二価鉄を細胞内に取り込む手段として高親和性機構(high affinity)と、低親和性機構(low affinity)の2つの吸収機構がある。
【0007】
高親和性機構による鉄吸収は、マルチ銅酸化酵素(multicopper oxidase)FET3による二価鉄の再酸化(Askwith et al. 1994)を行った後、恐らくは三価鉄のトランスポーターFTR1(Stearman et al., 1996) で細胞内に取り込まれると考えられている。ここでFET3による二価鉄の再酸化には、銅が必要であることが分かっており(Dancis et al., 1994, Klomp et al., 1997)、FET3に銅を供給する経路についても調べられている(Yuan et al., 1995, Lin et al., 1997)。
一方、低親和性機構による鉄吸収は、二価鉄のトランスポーターであるFET4(Dix et al., 1994,1997) の働きによるものであると考えられている。
【0008】
酵母におけるこのような鉄吸収機構を植物に応用することにより、鉄欠乏土壌でも生育できる植物を創製することが可能となる。
本発明者らは、この目的で、Dr. Dancis (NIH) より提供を受けた酵母のFRE1遺伝子を、タバコへ導入した形質転換されたタバコを創製した(山口, 1995)。 しかし、FRE1遺伝子の導入された形質転換タバコでは、その還元活性は野生型に比べ変化がみられなかった。ノーザンハイブリダイゼーションの結果、酵母の遺伝子FRE1はタバコではその転写産物が0.9kbと小さなものになっていた。
【0009】
このような異種生物の遺伝子を高等植物に導入しようとして転写が不完全だった例として、バチルス菌(Bacillus thuringiensis)のデルタ−エンドトキシン(δ-endotoxin(殺虫性のタンパク質))をコードする遺伝子群Cryがある。42以上のCry遺伝子が存在し、大別すると4つのクラス(cry I〜cry IV)に分けられる(Whiteley and Schnepf,1986)。この殺虫性タンパク質をコードする遺伝子が高等植物に導入されたが、うまく発現しなかったり、極端に発現量が落ちていたことがわかった。
この原因として、(1)コドン利用率(codon usage)の違い、(2)Cry遺伝子のAT含量が高い、(3)mRNAの不安定性、(4)Cry遺伝子の一部がイントロンとしてスプライシングされている、等があげられている。
Cry遺伝子群を高等植物で効率的に発現させるために、植物に合う塩基配列にそれぞれCry遺伝子を直し、プライマーを合成してPCRにより完全合成することでタンパクの発現量の高い形質転換植物を作製したここも報告されている(Perlak et al., 1991, Fujimoto et al., 1993, Nayak et al., 1997)。
【0010】
このように、高等植物に他の生物の遺伝子などを導入して形質転換することは知られているが、その発現は必ずしも十分なものではなかった。その原因として前記したような種々のものが考えられていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、有用な高等植物に他の生物が有している機能を付加するために、当該機能を有する蛋白質をコードする遺伝子を、高等植物に導入して形質転換された高等植物において、当該導入遺伝子が十分に発現するための要因を鋭意研究してきたところ、形質転換される植物のmRNAのポリ(A)付加に関係する要素の塩基配列が発現に重要な部分であることを見出した。
したがって、本発明は、導入された遺伝子が形質転換された高等植物中で高効率で発現するための方法、当該形質転換された高等植物、及び、そのための遺伝子の改変方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、有用植物に他の遺伝子を導入して有用植物を形質転換する方法において、導入される他の遺伝子がコードする蛋白質が有する機能を実質的に変更することなく、当該他の遺伝子の塩基配列中に存在する形質転換される有用植物のmRNAのポリ(A)付加に関係する要素の領域を、mRNAのポリ(A)付加に関係しないような他の塩基配列に改変することを特徴とする有用植物を形質転換する方法に関する。前記したmRNAのポリ(A)付加に関係する要素の領域の塩基配列としては、AATAAA様の塩基配列が好ましく、また、当該mRNAのポリ(A)付加に関係する要素の領域が、GT−リッチな塩基配列の下流側に存在している領域であることが好ましい。さらに、当該領域の塩基配列の改変は、形質転換される有用植物のコドン利用率に基づいて行われることが好ましい。
【0013】
本発明の方法においては、導入される遺伝子の塩基のG及びTが豊富な領域が少ないこと、導入される遺伝子の全領域にわたって塩基のG及びCの含有量の差が少ないこと、ATTTA配列を有さないこと、及び/又は、導入される遺伝子の開始コドンの上流に、コザック配列(Kozak配列)を有することが好ましい。
【0014】
また、本発明は、本発明の方法により製造され得る形質転換された有用植物に関する。本発明の形質転換された有用植物は、生体であっても、種子であってもよくその形態については制限はない。
さらに、本発明は、前記の形質転換する方法で使用され得る塩基配列が改変された塩基配列を有する核酸、特にDNAに関する。
【0015】
本発明の核酸の塩基配列は、形質転換された有用植物において高効率で発現できるように改変されたものであり、例えば、当該有用植物のmRNAのポリ(A)付加に関係する要素であり、当該ポリ(A)付加に関係する要素の部分を他の塩基配列で置換されていることを特徴とするものであり、さらには、導入される遺伝子の塩基のG及びTが豊富な領域が少ないこと、導入される遺伝子の全領域にわたって塩基のG及びCの含有量の差が少ないこと、ATTTA配列を有さないこと、及び/又は、導入される遺伝子の開始コドンの上流に、コザック配列(Kozak配列)を有することが好ましい。
【0016】
また、本発明は前記した核酸類を、数個のフラグメントに分割して、これらのフラクメントを結合させることを特徴とする前記の核酸類を製造する方法に関する。
【0017】
本発明の形質転換される有用植物としては、食品、医薬品などの産業上利用される植物であれば制限はないが、穀物、野菜、果実種、タバコなどの高等植物が好ましい。
また、本発明の導入される他の遺伝子としては、植物に対して有用なものであり、植物自体及びヒトに対して害を及ぼさないものであれば、特に制限はない。植物に対して直接的に有益なものであってもよいが、除草剤などの薬物に対する耐性を持たせるための遺伝子などであってもよいが、細菌、酵母などの生物由来の酵素などが好ましい。例えば、鉄の吸収に関与する酵母の三価鉄還元酵素FRE1などが好ましい。
【0018】
本発明者らは、形質転換された植物において、導入された遺伝子の発現を左右する要因として、mRNAのポリ(A)の付加を決定づけている塩基配列があることを見出した。さらに、このポリ(A)の付加を決定づけている塩基配列の上流にGT−リッチな塩基配列が必要であることを見出した。つまり、GT−リッチな塩基配列があると、植物ではポリ(A)の付加が決定され、その後でてくるポリ(A)シグナル、例えば、AATAAA様の塩基配列の10〜30b後ろの箇所でmRNAを切断し、ポリ(A)ポリメラーゼの働きでポリ(A)が付加するのである。したがって、導入される遺伝子がこのような塩基配列を有している場合には、形質転換された植物においては、全長のmRNAは発現することができず、AATAAA様の塩基配列を有するポリ(A)シグナルの10〜30b後ろでmRNAが切断されることになる。
【0019】
したがって、本発明は導入される遺伝子中に存在する植物におけるポリ(A)シグナル、例えば、AATAAA様の塩基配列、好ましくはGT−リッチな塩基配列を他の塩基配列に改変することを特徴とするものである。
【0020】
改変のための塩基配列の設計方法としては、まず、導入される遺伝子がコードしているアミノ酸配列を変更しないようにコドンを選定する。アミノ酸配列は、その蛋白質が有する機能に実質的な影響を及ぼさないのであれば、これを変更することもできるが、アミノ酸配列は変更しないようにおこなうのが好ましい。
アミノ酸をコードするコドンが複数存在する場合には、形質転換される植物のコドンの利用率を考慮して、当該植物の利用率が高いコドンを選定することが好ましい。
【0021】
また、ポリ(A)シグナルの塩基配列の改変のみならず、GT−リッチな塩基配列を除くことも好ましい。特に、高度にGT−リッチな塩基配列が存在している場合には、その下流側に出現するポリ(A)シグナル様の塩基配列の領域でmRNAが切断される可能性が高いので、このような領域のGT含有量を減少させる改変が重要である。
【0022】
さらに、本発明の方法によれば、前記の改変に加えて導入される遺伝子の全領域にわたって塩基のG及びCの含有量の差が少なくなるように改変するのが好ましい。また、mRNAの不安定化配列として知られている、ATTTA配列を有さないこと、及び/又は、導入される遺伝子の開始コドンの上流に、真核生物でmRNAが効率よく翻訳されるための配列として知られているコザック配列(Kozak配列)を有することが好ましい。
即ち、本発明の方法は、前記した塩基配列の改変に、さらに通常の改変方法を組み合わせて塩基配列を改変することも包含するものである。
【0023】
塩基配列を代える方法としては、とくに制限はなく公知の各種の方法で行うことができる。例えば、ポイントミューテーションや制限酵素により切断して改変することなどの任意の方法で行うことができる。
また、改変すべき塩基が多数になる場合や、導入する遺伝子自体が短い場合には、合成法により製造することもできる。後により具体的に説明するように、遺伝子が長い場合であっても、これらをいくつかのフラグメントに分割して、PCR法により製造された各フラグメントを、制限酵素を用いて結合させることにより、改変された塩基配列を有する遺伝子を製造することもできる。
【0024】
さらに、本発明の方法をより具体的に説明するが、本発明の方法が以下の説明で使用されるものに限定されるものでなく、以下の説明に基づいて広範囲な応用ができることは当業者には明らかである。
【0025】
本発明者らは、まず、タバコに導入した酵母のFRE1のmRNAの長さが短くなっている(約0.9kb)ことから、この原因を考察した。酵母の3価鉄還元酵素遺伝子FRE1をタバコに導入した場合の転写産物が不完全な長さであった原因として、
(1)mRNAの一部がイントロンとして切り出されている。
(2)転写領域(coding region)の途中で転写が終わっている。
という2つの可能性が考えられた。さらなる解析を行うためRT−PCRを行い、FRE1を遺伝子導入した形質転換タバコでは転写領域(coding region)の途中でポリ(A)の付加が起こっていることが判明した。
【0026】
実際にいままで酵母の遺伝子を高等植物に導入し発現が確認されている例としてインベルターゼ (Hincha, 1996) などがある。今回、FRE1遺伝子の導入により同じ真核生物の遺伝子であっても完全長のmRNAが合成されない場合があるという新規な知見を得ることができた。
FRE1を導入した形質転換タバコで完全長のmRNAができない理由は、FRE1の転写領域(coding region)の途中でポリ(A)が付加しているためであった。
【0027】
ポリ(A)が付加する位置(poly(A) site)は一ヶ所ではなく、それぞれのポリ(A)サイトの上流には確かに塩基配列がAAUAAA様のポリ(A)シグナルと推定される領域(putative poly(A) signal)が存在した。しかし、AAUAAA様の配列というのは、FRE1の5’側にいくつか存在するが、これらの場所ではポリ(A)の付加は起こっていないことがわかった。
植物においてポリ(A)の付加を決定づけているのは、ポリ(A)シグナルのさらに上流に存在する、GU−リッチな配列の方ではないかと考えられた。つまりGU−リッチな配列があると植物ではポリ(A)の付加が決定され、その後でてくるAAUAAA様の配列の10〜30b後ろの「PyA」でmRNAを切断し、ポリ(A)ポリメラーゼの働きでポリ(A)が付加するのだろう。
結局、酵母ではポリ(A)の付加に無関係であったGU−リッチな配列が植物では、ポリ(A)の付加を決定していることが、FRE1を導入した形質転換タバコで完全長のmRNAができない原因であると考えられた。
【0028】
三価鉄還元酵素FRE1のGT−リッチであると思われる配列を図4に示す。図4の四角で囲った領域がGT−リッチであると考えられる領域である。
従って、タバコで三価鉄還元酵素FRE1を発現させるためには、FRE1遺伝子のGT−リッチな配列を除けばいいと考えられる。しかし、現在までのところ植物のポリ(A)付加を決定づける配列についてはコンセンサスがGU−リッチというぐらいで、配列がはっきりと特定されているわけではない。はっきりとしたコンセンサスがわからない以上、その配列を変えるだけでは完全長のmRNAを得られない可能性がある。植物において完全長のmRNAが合成されるように、FRE1のアミノ酸配列を変えずに、形質転換される植物のコドン利用率(codon usage)にあわせた塩基配列を設計することにした。
【0029】
そこで、本発明者らは、タバコで酵母の三価鉄還元酵素を発現させるために、FRE1のアミノ酸配列を変えずにタバコのコドン利用率(codon usage)にあった塩基配列に設計し直した。塩基配列の設計に当たって次ぎの点を考慮した。
【0030】
(1) GT−リッチな領域除いた。
(2) ポリ(A)シグナルとされる塩基配列AATAAAおよびそれに似た塩基配列を除いた。
(3) 塩基配列を確認しやすいように、約400bpごとに制限酵素部位をつくり、5つのセグメントに分けた(417〜436bp)。
(4) mRNAの不安定化配列といわれる塩基配列ATTTA配列(Ohme- Takagi, 1993)をなくした。
(5) 全領域にわたって塩基G及びCの含量に差がないようにコドンの位置を入れ換えた。
(6) Kozak配列と呼ばれる真核生物で、mRNAが効率よく翻訳されるための配列(Kozak, 1989)を開始コドンの前に付けた。
【0031】
このようにして設計された酵母の三価鉄還元酵素FRE1の遺伝子の改変された塩基配列を、配列表の配列番号1に示す。また、配列番号2にそのアミノ酸配列を示す。
設計された遺伝子の名前は、再構築FRE1(以下、reconstructed FRE1の略で「refre1」という。)とした。
【0032】
本発明のrefre1は、図5に示す5個のセグメント(A〜E)に分けて合成された。
セグメントAは、434bpまでのもので、1塩基目からEcoRI、7塩基目からXbaI、429塩基目からBamHIの制限酵素サイトを持つように設計された。セグメントBは、429〜845bpまでのもので、429塩基目からBamHI、840塩基目からMroIの制限酵素サイトを持つように設計された。セグメントCは、840〜1275bpまでのもので、840塩基目からMroI、1270塩基目からSalIの制限酵素サイトを持つように設計された。セグメントDは、1270〜1696bpまでのもので、1270塩基目からSalI、1691塩基目からPstIの制限酵素サイトを持つように設計された。セグメントEは、1691〜2092bpまでのもので、1691塩基目からPstI、2081塩基目からSacI、2087塩基目からHindIIIの制限酵素サイトを持つように設計された。
【0033】
417〜436bpの各セグメントA〜Eは、それぞれ77〜83merのプライマー6本を用いて合成した。使用したA−1〜E−6までの30本のプライマーを図6に示す。また、これらの塩基配列を配列表の配列番号5〜34に示す。
各セグメントのプライマーのうちの−1、−2、−3はセンス鎖であり、プライマー−4、−5、−6はアンチセンス鎖である。各セグメントのプライマー−3と−4が、3’末端に12か13bpの相補鎖、プライマー−1と−2、−2と−3、−4と−5、−5と−6がそれぞれ3’末端に12か13bのオーバーラップをもつようにプライマーを設定した。また、プライマー−1と−6は5’末端の1塩基目から制限酵素部位をもつように設定した。
これらのプライマーと、設計された塩基配列との関係を図7に示す。
各セグメントA〜Eは、前記した塩基配列に従って合成されたプライマーを用いてPCR法により(図5参照)製造された。
【0034】
3段階目のPCRの反応液を0.8%アガロースゲルで電気泳動した後、予想される長さ(417〜436bp)のバンドを切り出して精製し、プラスミド pT7Blue(R)ベクター(TaKaRa製)へクローニングした。得られたクローンの塩基配列を確認し、蛍光 DNAsequencer DSQ−1000L(島津製)を利用して正しい塩基配列をもつものを選抜した。
それぞれの正しい配列をもつセグメントを得た後、制限酵素部位を利用して図8に示す方法によりrefre1の全長を作成した。
セグメントB及びEは、インサートの向きが全長の作成ために必要であった。他のセグメントについてはインサートの向きに関係なく正しい塩基配列を含んでいるものを使用した。
【0035】
得られたrefre1の全塩基配列を図9示す。refre1の配列の特徴としては、
(1) 元のFRE1と75.3%のホモロジーがある。
(アミノ酸配列は100%)
(2) 8塩基以上連続したG又はTのみの配列を含まない。
(3) AATAAAという配列だけでなく、この中のどの1塩基を他の塩基で置換した配列も含まない。
(4) ATTTA 配列を含まない。
(5) 全領域にわたってGC含量に差がない。
等があげられる。
元のFRE1と比べて、refre1では連続したG及びTのみの配列が減っていることを図10に示す。これは、FRE1およびrefre1の配列中の連続した8塩基のGT含量を%で表したものである。図10に示したように、refre1では、GTの含有量が元のFRE1に比べて均一化されていることがわかる。
【0036】
このようにして合成した遺伝子refre1をタバコ(Nicotiana Tabacum L.var. SR1)へ導入した。形質転換の結果カナマイシンに耐性な植物が68個体再生した。再生してきた植物に目的遺伝子であるrefre1が導入されていることと、そのコピー数を確認するためにゲノミック・サザン・ハイブリダイゼーションを行った。その結果形質転換体で1から数コピーの個体においてrefre1遺伝子の存在が確認された。
【0037】
植物細胞への遺伝子導入から植物体を再生させるまでの方法は、通常の方法により行うことができる。例えば、「ラボマニュアル植物遺伝子の機能解析」(丸善)(参考文献(4))に記載の方法に準じて行うことができる。
より具体的には、前記の方法でpT7Blue(R)ベクターにクローニングしたrefre1の制限酵素XbaIとSacIとのフラグメントを、バイナリーベクター pBI121(TOYOBO製)のβ−glucronidaseの ORFと定法により交換し、バイナリーベクターpRF1を作成した。バイナリベクターpRF1 の構造を図11に示す。
【0038】
得られたバイナリーベクターpRF1を大腸菌に入れ、この大腸菌とヘルパープラスミドpRK2013(helper plasmid pRK2013)をもつ大腸菌とを、37℃で1晩振盪培養した。一方、アグロバクテリウムツメファシエンスC58(Agrobacterium tumefaciens C58)を、適切な抗生物質を含むLB液体培地1mL中で26℃で2晩振盪培養した。これらを、それぞれ100μLをとり抗生物質を含まないLBプレート上に混合し、26℃で2晩培養した後、白金スパチュラでプレートをかきとり選択プレート(100μg/μL rifampicin (Rf) と25μg/μL kanamycin (Km) を含むLBプレート)にて、26℃で2晩培養してシングルコロニーを形成させた。
シングルコロニーを4mLのLB(Km,Rf)液体培地中、26℃で2晩振盪培養し、アルカリ−SDS法(alkaline−SDS法)で、プラスミドを抽出し制限酵素による切断パターンをみることで、pRF1の存在を確認した。
【0039】
形質転換される植物は次のようにして用意された。
野生型のタバコの8cmほどの若い葉を2〜3枚切り取り、滅菌液(次亜塩素酸10%、Tween20 0.1%)で満たしたシャーレに入れ、15分間攪拌しながら滅菌した。その後、滅菌水で3回ゆすいだ後、葉を8mm 角にメスで切った。シャーレに集めておいた葉片に、LB(Km,Rf)液体培地中、26℃で二晩培養したバイナリーベクターpRF1をもつアグロバクテリウムツメファシエンスC58(Agrobacterium tumefaciens C58)の培養液を3mLを加えた。1分後パスツールピペットですばやく液を取り除き、さらにオートクレーブ滅菌した濾紙上で余分な液を取り除いた。
葉片を、MS培地にベンジルアデニン及びナフタレン酢酸を加えた培地上に置き、25℃で明るい条件で3日間培養した。その後、葉片を前記のMS培地にさらにクラフォラン(CLAFORAN)を加えた培地に移し1週間培養した後、前記のクラフォランを加えた培地にさらにカナマイシンを加えたMS培地に移し、2週間ごとに植え継いだ。カルスが誘導され、シュート(shoot)が形成されたらメスで当該シュート(shoot)を切り取り、MS培地にカナマイシンを加えた培地に移した。
シュート(shoot)から根が出たものをバーミキュライトに植えかえ、ハイポネックス(ハイポネックス ジャパン)を与えて育て形質転換された植物を得た。
【0040】
形質転換の結果、カナマイシンに耐性をもつ形質転換された植物を68個体得ることができた。これらの植物のうちの生育した例を図12、及び、開花しているものを図13に写真として示す。
そのうちの5個体についてゲノミックサザン・ハイブリダイゼーションを行った。その結果を図14に示す。
ゲノミックサザン・ハイブリダイゼーションは、形質転換されたタバコからのゲノムDNAの抽出は「植物細胞工学シリーズ2 植物のPCR実験プロトコール」(秀潤社)(参考文献(2))に従って行い、得られたゲノムDNAを、制限酵素EcoRI及びHindIIIをもちいて消化し、refre1の全長断片を鋳型として作成したプローブ(ただし[α−32P]−dATPを用いた)を用いて行った。
【0041】
図14に示されゲノミックサザン・ハイブリダイゼーションでは制限酵素処理の時点でDNA量を揃えたが、制限酵素処理後エタノール沈殿を行ったために泳動量にばらつきがみられる。従ってここで検出されたバンドの濃さは必ずしも導入された遺伝子のコピー数を反映しているわけではない。
制限酵素EcoRI及びHindIIIを用いた消化ではすべての個体で予想される、3.2kbpの大きさにバンドが観察された。しかし、No.12の個体からは3.2kbpよりもわずかに小さいバンドも検出された。この結果によれば、No.1とNo.11には1コピー、No.2には3コピーか4コピー、No.9には4コピーの、refre1が存在していると考えられる。
なお、No.12のHindIIIによる消化はゲルへのロードミスのためバンドが検出されなかった。
【0042】
前記のゲノミックサザン・ハイブリダイゼーション解析の結果から、ここで選んだ5個体については、refre1遺伝子が導入されていることがわかった。
制限酵素EcoRI及びHindIIIで切り出すと、プロモーターからターミネータまでが切り出されるので、導入したrefre1遺伝子はCaMV35Sプロモーターの制御下でmRNAへと転写されることになる。No.12のEcoRI及びHindIIIの両者での消化において、3.2kbpよりもわずかに小さいバンドも検出されたのは、おそらく導入されたコンストラクトのうちの一つが植物ゲノムに組み込まれる前に途中で切れてしまい、植物ゲノムのEcoRIかHindIII部位の近くに入ったのだろうと考えられる。
【0043】
次に、前記のゲノミックサザン・ハイブリダイゼーションでrefre1遺伝子の導入が確認された形質転換されたタバコのNo.1とNo.2について、全長のmRNAができていることをノーザン解析により確認した。
この解析における、ブロッティングの方法は定法、例えば、「クローニングとシークエンス」(農村文化社)(参考文献(1))に従って行い、ハイブリダイゼーションの方法は前記のサザン解析の場合と同様に行った。
ノーザンハイブリダイゼーションの結果を図15に示す。図15では、野生型(W.T.)のレーンにはバンドは検出されなかった。No.1とNo.2のレーンには、2.5kbの大きさにメジャーなバンドが検出され、それより小さな位置にいくつかのバンドが検出された。
【0044】
ノーザン解析により、本発明のrefre1の導入により完全長のmRNAができたかどうかを確認することができた。この解析は、本来は最も発現していて欲しい根からの全RNAを抽出するべきことになるのではあるが、この試験では根を切断してしまうと次世代の植物を得ることができなくなってしまうので、葉からの抽出によって行った。プロモーターにCaMV35Sを用いたことから植物体全体でrefre1遺伝子が発現していることから、葉からの全RNAを抽出した前記の解析によっても、植物体の中なら葉でも根でも同じ様に転写が行われ、poly(A)の付加位置も変わらないことも確認できた。
【0045】
ノーザンハイブリダイゼーションの結果から、refre1を導入したタバコでは2.5kbの転写産物が確認されたので、poly(A)の付加は、NOSのターミネーターによって起こっていると考えられる。refre1を導入したタバコでは完全長のmRNAができていることがわかった。
図15にみられる、2.5kbよりも小さなバンドは、泳動後に撮影した写真と比較するとちょうどrRNAの位置に検出されていた。rRNAへのプローブの非特異的な吸着かとも考えられたが、野生型のRNAにはハイブリダイズしていないことから、refre1の転写産物にハイブリダイズしていることは間違いない。refre1でも全長よりも短いmRNAがわずかながらできているという可能性はある。しかし完全にrRNAと同じ大きさに検出されたことから考えると、RNAの泳動時に、refre1のmRNAが大量に存在するrRNAに引きずられたのではないかと考えられる。poly(A)+RNAだけを精製してノーザンハイブリダイゼーションを行うことで、この理由は明らかにすることができるが、図15からも明なように大部分が完全長のmRNAであったのでその理由を追求する必要はなかった。
【0046】
また、このノーザンハイブリダイゼーションのために、サザンハイブリダイゼーションの結果、1コピーであったNo.1の形質転換体と、3又は4コピーであったNo.2の形質転換体のRNAを泳動したが、refre1遺伝子のコピー数に従って、No.2の方がバンドが明らかに濃いことがわかった。
【0047】
さらに、得られた形質転換されたタバコ(カナマイシンで選抜)68個体のうち、6個体について根における恒常的な三価鉄還元活性を確認した。
還元活性の確認には、Fe(II)の強力なキレーターである、バソフェナンソロリン ジスルホン酸(bathophenanthroline disulfonic acid(BPDS))が Fe(II)と複合体を形成することで赤色を呈することを利用した。形質転換体と野生型のタバコのバーミキュライトを除いた後、根をBPDSを含有するゲルに寝かせアルミホイルで遮光して27℃で24時間静置した。形質転換体の根圏での発色から三価鉄の還元が確認された。
還元酵素活性の確認の写真を図16及び図17に写真で示す。図16及び17の写真は、カラー写真の白黒コピーであるために、BPDSとの複合体による赤色が必ずしも明確ではないが、写真右側の形質転換体のほうが赤色に発色していることが黒く示されている。
【0048】
このように、根での三価鉄還元酵素活性の確認に用いた6個体(kanamycin 選抜)はすべて三価鉄還元活性が検出された。形質転換されたタバコと野生型のタバコでの差を明確にするために還元酵素による反応時間を24時間と長く設定したが、1時間ぐらいからその違いは確認された。実験に用いた形質転換体6個体すべてについて言えることだが、活性試験用のゲルにおくと野生型に比べて葉が萎れてしまうという傾向があった。これは、導入したrefre1遺伝子の葉での発現が、何らかのメカニズムで関与しているのではないかと推測される。このためあまり活性試験は行わなかったが、CaMV35Sプロモーターの制御の下でrefre1遺伝子が葉においても転写・翻訳され発現していることはまちがいない。
【0049】
このように、本発明者らは、酵母の三価鉄還元酵素FRE1を高等植物であるタバコで発現することができる新規なタバコを創製した。
異種生物の遺伝子の転写産物が完全長でないということが起こる原因として、mRNAの一部がイントロンとしてスプライシングされている可能性と、転写領域(coding region)の途中でポリ(A)が付加しているという2つの可能性が考えられる。
本発明は、異種生物の遺伝子を高等植物に導入して、完全長の転写産物が得られるための塩基配列の設計方法を提供するものである。本発明の方法は、転写領域(coding region)の途中で、ポリ(A)の付加を避けるために、8塩基以上連続した G又はTのみの配列を含まず、AATAAAという配列だけでなく、この中のどの1塩基を他の塩基で置換した配列(即ち、NATAAA、ANTAAA、AANAAA、AATNAA、AATANA、又は、AATAAN)も含まないように設計する必要があることが判明した。
また、G及びCの含量が全領域にわたって一定になるように設計することも重要であることがわかった。
【0050】
さらに、前記の発明の具体的な説明においては、プロモーターとしてCaMV35Sを用いたので形質転換されたタバコでは、植物体全体で三価鉄還元酵素が発現した。このように、プロモーターとの組合せにより、局所的に発現している遺伝子を植物全体で発現させることもできるようになる。また、反対に植物全体で発現している遺伝子を局所的に発現させることも、適当なプロモーターとの組合せにおいて可能となる。
【0051】
また、三価鉄を還元して吸収する機構はイネ科を除く単子葉と双子葉植物の鉄獲得機構に特徴的だが、イネ科でも鉄が十分に存在する状態では三価鉄を二価鉄に還元して吸収しているのではないかと考えられている。鉄欠乏の根で特異的に働くプロモーターに、本発明の三価鉄還元酵素遺伝子refre1をつなぐことにより、鉄欠乏条件下で鉄の吸収機構(I)と吸収機構(II)とを機能させることのできる新規なイネ科植物の創製も考えられる。
【0052】
以下に、本発明の参考文献を掲載する。
(1) クローニングとシークエンス (1989) 農村文化社
(2)植物のPCR実験プロトコール (1995) 秀潤社
(3)バイオ実験 イラストレイテッド・遺伝子解析の基礎 (1995) 秀潤社
(4)ラボマニュアル植物遺伝子の機能解析 (1992) 丸善
(5)アスキウイズら、セル、76巻、403−410頁 (1994年)(Askwith, C., et al.,Cell, 76:403-410(1994))
(6)ブラウンら、ソイル サイエンス、91巻、127−132頁(1961)
(Brown, J.C., et al., Soil Sci., 91: 127-132 (1961))
【0053】
(7)チャネイら、プラントフィジオロジー、50巻、208−213頁(1 972年)(Chaney, R.L., et al., Plant Physiol. 50: 208-213 (1972))
(8)ダンシスら、モレキュラーセルバイオロジー、10巻、2294−2301頁(1990年)(Dancis, A., et al., Mol. Cell. Biol. 10: 2294-23 01 (1990))
【0054】
(9)ダンシスら、プロシーディングナショナルアカデミックサイエンス USA、89巻、3869−3873頁(1992年)(Dancis, A., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 3869-3873 (1992))
(10)ディックスら、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー、269巻、 26092−26099頁(1994年)(Dix, D.R., et al., J. Biol. Chem. 269: 26092-26099 (1994))
【0055】
(11)ディックスら、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー、272巻、 11770−11777頁(1997年)(Dix, D., et al., J. Biol. Chem. 272: 11770-11777 (1997))
(12)エイデら、プロシーディングナショナルアカデミックサイエンス USA、93巻、5624−5628頁(1996年)(Eide, D., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 5624-5628 (1996))
(13)フジモトら、バイオ/テクノロジー、11巻、1151−1155頁 (1993年)(Fujimoto, H., et al., Bio/Technology 11: 1151-1155 (1993))
【0056】
(14)ガリーら、プラントセル、9巻、667−673頁(1997年)(Gallie, D.R., et al., Plant Cell 9: 667-673 (1997))
(15)ジョーガトソら、モレキュラーセルバイオロジー、14巻、3065−3073頁(1994年)(Georgatsou, E. et al., Mol. Cell. Biol. 14: 3065-3073 (1994))
(16)グオら、バイオケミカルサイエンス、21巻、477−481頁(1996年)(Guo, Z. et al., Biochem. Sci. 21: 477-481 (1996))
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(17)ハセットら、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー、270巻、128−134頁(1995年)(Hassett, R. et al., J. Biol. Chem. 270: 128-134 (1995))
(18)ヘザーら、ジャーナルオブプラントニュートリアス、7巻、667−676頁(1984年)(Hether, N.H., et al., J. Plant Nutr. 7: 667-67 6 (1984))
(19)ハインカら、ジャーナルオブプラントフィジオロジー、147巻、604−610頁(1996年)(Hincha, D.K., et al., J. Plant Physiol. 147: 604-610 (1996))
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(20)コザック、ジャーナルオブセルバイオロジー、108巻、229−241頁(1989年)(Kozak, M., J. Cell. Biol. 108: 229-241 (1989))
(21)リンら、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー、272巻、9215−9220頁(1997年)(Lin, S.J., et al., J. Biol. Chem. 27 2: 9215-9220 (1997))
(22)マーシェナーら、ジャーナルオブプラントニュートリアス、9巻、695−713頁(1986年)(Marschner, H., et al.,J. Plant Nutr. 9: 695-713 (1986))
(23)メウエスら、ネイチャー、387巻、7−8頁(1997年)(Mewes, H.W., et al., Nature 387: 7-8 (1997))
【0059】
(24)モリら、「根圏における微量金属栄養素の生化学」、第225−249頁(1994年)(Mori, S. (1994) Biochemistry of metal micronutrien ts in the rizosphere.(Eds. Manthey, J.A., Crowley, D.E., Luster, D.G., Lewis Publishers) pp.225-249)
(25)ナイトーら、プラントモレキュラーバイオロジー、11巻、109−124頁(1988年)(Naito, S., et al., Plant mol.Biol. 11:109-124 (1988))
【0060】
(26)ナカニシら、プラントセルフィジオロジー、34巻、401−410頁(1993年)(Nakanishi, H., et al., Plant Cell Physiol. 34: 401-4 10 (1993))
(27)ナヤックら、プロシーディングナショナルアカデミックサイエンス USA、94巻、2111−2116頁(1997年)(Nayak, P., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 2111-2116 (1997))
【0061】
(28)オーメ−タカギら、プロシーディングナショナルアカデミックサイエンス USA、90巻、11811−11815頁(1993年)(Ohme- Ta kagi, M., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 11811-11815 (1993))
(29)オクムラら、ジャーナルオブプラントニュートリアス、15巻、2157−2172頁(1992年)(Okumura, N., et al., J. Plant Nutr. 15: 2157-2172 (1992))
(30)オクムラら、プラントモレキュラーバイオロジー、25巻、705−719頁(1994年)(Okumura, N., et Al., Plant Mol. Biol. 25: 705- 719 (1994))
【0062】
(31)オルセンら、ジャーナルオブプラントニュートリアス、2巻、629−660頁(1980年)(Olsen, R.A. et al., J. Plant Nutr. 2: 629-66 0 (1980))
(32)パーラックら、プロシーディングナショナルアカデミックサイエンス USA、88巻、3324−3328頁(1991年)(Perlak, F.J., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 3324-3328 (1991))
(33)スティアマンら、サイエンス、271巻、1552−1557頁(1996年)(Stearman, R., et al., Science 271: 1552-1557 (1996))
【0063】
(34)タカギ、ソイルサイエンスプラントニュートリアス、22巻、423−433頁(1976年)(Takagi, S., Soil Sci. Plant Nutr. 22: 423-43 3 (1976))
(35)タカギら、ジャーナルオブプラントニュートリアス、7巻、629− 660頁(1984年)(Takagi, S., et al., J. Plant Nutr. 7: 469-47 7 (1984))
(36)ホワイトレーら、アヌアルレビューマイクロバイオロジー、40巻、549−576頁(1986年)(Whiteley, H.R., et al., Annu. Rev. Mic robiol. 40: 549-576 (1986))
【0064】
(37)ウーら、プラントジャーナル、8巻、323−329頁(1995年)(Wu, L., et al., Plant J. 8:323-329 (1995))
(38)ヤーンら、プロシーディングナショナルアカデミックサイエンス USA、92巻、2632−2636頁(1995年)(Yuan, D.S., et al., Proc.Natl. Acad. Sci. USA 92: 2632-2636 (1995))
【0065】
【実施例】
つぎに実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0066】
以下の実施例においては、基本的な遺伝子操作は「クローニングとシークエンス」(農村文化社)に従い、遺伝子の塩基配列の解析には DNASIS (Hitachi製) を使用した。
実施例1(FRE1を導入した形質転換タバコからの全RNAの抽出)
FRE1を導入した形質転換タバコからの全RNAの抽出は(Naito et al.1988)に従って行った。
FRE1を導入した形質転換タバコの葉2gを乳鉢に入れ、液体窒素を加えて完全にすりつぶした。破砕物に3倍量の抽出用緩衝液と等量のフェノール/クロロホルム(1:1)を加え懸濁し、8000rpmで15分遠心した後、水層を別のチューブに移し、さらに2回フェノール/クロロホルム抽出をし、その後クロロホルム抽出を1回行った。−80℃で30分間エタノール沈殿し、8000rpm、4℃で30分遠心し沈殿を70%エタノールで洗浄後、減圧乾燥した。沈殿を1mLのDEPC水に溶かし、13500rpmで3分遠心して上清を新しいチューブに移し、1/4vol.の10M LiClを加えて氷上で2時間静置した。12000rpm、4℃で10分遠心し、沈殿を70%エタノールで洗浄後、減圧乾燥したものをDEPC水50μLに溶かした。
【0067】
試薬 抽出用緩衝液
1 M Tris・HCl pH9.0
1% SDS
(使用前に6mLに対して120μLのβ-メルカプトエタノールを加える。)
【0068】
実施例2 (ポリ(A)+RNAの精製とcDNAの合成)
実施例1で得た禅RNAの100μgから、ダイナビーズオリゴ(Dynabeads Oligo)(dT)25(DYNAL製)を利用して、ポリ(A)+RNAを精製した。このポリ(A)+ RNAを下記のハイブリッドプライマーを用いて、37℃で1時間 M−MLVリバーストランスクリプターゼ(M−MLV reverse transcriptase)(TOYOBO製)により逆転写反応を行いcDNAを得た。
ハイブリッドプライマー(dT17アダプタープライマー)
5’−GACTCGAGTCGACATCGATTTTTTTTTTTTTTTTT−3’
【0069】
実施例3 (RT−PCRと塩基配列の確認)
実施例2で得られたcDNAを鋳型としてハイブリッドプライマーに特異的なプライマーと、FRE1の5’プライマーで、PCRを行った。
PCRの反応産物を0.8% アガロースで電気泳動し、得られたバンドをpT7Blue(R)ベクター(TaKaRa製)へクローニングした。コロニーをLB培地で1晩振盪培養し、アルカリ−SDS法でプラスミドを抽出し、制限酵素処理によりインサートが入っていることが確認された7つのクローンの塩基配列をブカベストDNAポリメラーゼ(Bca BEST DNA polymerase)を用いて決定した。(「バイオ実験 イラストレイテッド・遺伝子解析の基礎」)(秀潤社)。
ハイブリッドプライマーに特異的なプライマー
5’−GACTCGAGTCGACATCG−3’
FRE1の5’プライマー
5’−ACACTTATTAGCACTTCATGTATT−3’
【0070】
PCRの反応条件
(1)95℃ 5分
(2)95℃ 40秒
(3)55℃ 30秒
(4)72℃ 1分
(5)72℃ 10分
(6) 4℃
で、(2)、(3)、及び、(4)を40回繰り返した。
【0071】
この結果、FRE1を導入した形質転換タバコでは、FRE1遺伝子から転写されたmRNAには、図3に示すような位置でポリ(A)が付加していた。
ポリ(A)の付加位置は一様ではなく、いくつかの長さのmRNAが存在した。ポリ(A)サイト(poly(A) site)の上流のポリ(A)シグナル(poly(A) signal)として認識されていると思われる配列を推定されるポリ(A)シグナル( putative poly(A) signal)として示した。
【0072】
実施例4 (PCR法による各セグメントの製造)
各セグメントは、図5に示される、PCR法により製造した。タックポリメラーゼ(Taq polymerase)はスーパータック(super Taq)(サワディー製)を使用した。
PCR反応液の組成は、次のとおりである。
第1段階のPCR反応液
10x緩衝液 10μL
2mM dNTP混合物 10μL
20μM プライマー(−3) 5μL
20μM プライマー(−4) 5μL
蒸留水 で 全量を 99.5μL
第2段階のPCR反応液
第1段階のPCR反応混合物 1μL
10x緩衝液 10μL
2mM dNTP混合物 10μL
20μM プライマー(−2) 5μL
20μM プライマー(−5) 5μL
蒸留水 で 全量を 99.5μL
第3段階のPCR反応液
第2段階のPCR反応混合物 1μL
10x緩衝液 10μL
2mM dNTP混合物 10μL
20μM プライマー(−1) 5μL
20μM プライマー(−6) 5μL
蒸留水 で 全量を 99.5μL
【0073】
PCRの反応条件
(1)95℃ 5分
(2)タック0.5μL添加
(3)95℃ 40秒
(4)45℃ 1分
(5)72℃ 1分
(6)94℃ 40秒
(7)60℃ 30秒
(8)72℃ 1分
(9)72℃ 10分
(10)4℃
で、(3)、(4)、及び、(5)を5回、(6)、(7)、及び、(8)を20回繰り返した。
【0074】
実施例5 (クローニングと塩基配列の確認)
実施例4の第3段階目のPCRの反応液を、0.8%アガロースゲルで電気泳動した後、予想される長さ(417〜436bp)のバンドを切り出して精製し、プラスミドpT7Blue(R)ベクター(TaKaRa製)へクローニングした。得られたクローンの塩基配列を確認し、SHIMADZU 蛍光 DNAsequencer DSQ−1000Lを利用して正しい塩基配列をもつものを選抜した。
それぞれの正しい配列をもつセグメントを得た後、制限酵素部位を利用して図8のようにrefre1の全長を作成した。セグメントB、Eは、インサートの向きが全長の作成ために必要であった。他のセグメントについてはインサートの向きに関係なく正しい塩基配列を含んでいるものを使用した。
合成したrefre1の全塩基配列を、配列表の配列番号1及び図9に示す。
【0075】
実施例6 (refre1のタバコへの導入)
実施例5により合成した遺伝子refre1を、タバコ(Nicotiana Tabacum L. var. SR1)へ導入した。形質転換の結果、カナマイシンに耐性な植物が68個体再生した。再生してきた植物に目的遺伝子であるrefre1が導入されていることと、そのコピー数を確認するためにゲノミック・サザン・ハイブリダイゼーションを行った。その結果、1コピーから数コピーのrefre1遺伝子の存在が確認された。
植物細胞への遺伝子導入から植物体を再生させるまでの方法は、「ラボマニュアル植物遺伝子の機能解析」(丸善)に従って行われた。
【0076】
(1) 形質転換用バイナリーベクターpRF1の作成
pT7Blue(R)ベクターにクローニングしたrefre1のXbaIとSacIフラグメントを、TOYOBOから市販されているバイナリーベクターpBI121のβ−グルクロニダーゼ(β−glucronidase)のORFと交換して、バイナリーベクターpRF1を作成した。バイナリーベクターpRF1の構造を図11に示す。
【0077】
(2) (バイナリーベクターpRF1のアグロバクテリウム(Agrobacterium)への導入)
適切な抗生物質を含むLB液体培地1mL中で、アグロバクテリウムツメファシエンスC58(Agrobacterium tumefaciens C58)を26℃で2晩振盪培養、pRF1をもつ大腸菌とヘルパープラスミド(helper plasmid)pRK2013をもつ大腸菌を37℃で1晩振盪培養した後、それぞれ100μLをとり抗生物質を含まないLBプレート上に混合した。26℃で2晩培養した後、白金耳でプレートをかきとり選択プレート(100μg/μLリファンピシン(rifampicin)(Rf)と25μg/μLカナマイシン(kanamycin)(Km)を含むLBプレート)に、シングルコロニーを形成させた(26℃で2晩培養)。
得られたシングルコロニーを4mLのLB(Km,Rf)液体培地中、26℃で2晩振盪培養し、アルカリーン−SDS法でプラスミドを抽出し、制限酵素による切断パターンをみることで、pRF1の存在を確認した。
【0078】
(3) (アグロバクテリウム(Agrobacterium)のタバコへの感染と植物体の再生)
野生型の8cmほどタバコ(Nicotiana Tabacum L. var. SR1)の若い葉を2〜3枚切り取り、滅菌液(次亜塩素酸10%,Tween20 0.1%)で満たしたシャーレに入れ、15分間攪拌しながら滅菌した。その後滅菌水で3回ゆすいだ後、葉を8mm角にメスで切った。シャーレに集めておいた葉片に、LB(Km,Rf)液体培地中、26℃で二晩培養したバイナリーベクターpRF1をもつアグロバクテリウム(Agrobacterium)の培養液を3mLを加えた。
1分後、パスツールピペットですばやく液を取り除き、さらにオートクレーブ滅菌した濾紙上で余分な液を取り除いた。葉片を下記のMS培地(II)上に置き、25℃で明条件で3日間培養した。その後葉片をMS培地(III)に移し1週間培養した後、MS培地(IV)に移し2週間ごとに植え継いだ。カルスが誘導され、シュート(shoot)が形成されたらメスでシュート(shoot)を切り取りMS培地(V)に移した。シュート(shoot)から根が出たものをバーミキュライトに植えかえ、ハイポネックス(ハイポネックス ジャパン)を与えて育て再生植物を得た。
【0079】
前記の実験で使用したタバコ用MS培地の組成は次のとおりである。
主要な成分(Major elements)(g/L)
NH4NO3 1.65
KNO3 1.9
CaCl2・2H2O 0.44
MgSO4・7H2O 0.37
KH2PO4 0.17
少量の成分(Minor element) (mg/L)
H3BO4 6.2
MnSO4・4H2O 22.3
ZnSO4・7H2O 8.6
KI 0.83
Na2MoO4・2H2O 0.25
CuSO4・5H2O 0.025
CoCl2・6H2O 0.025
Fe(III)Na−EDTA 0.042 mg/L
ミオイノシトール 100 mg/L
チアミン 5 mg/L
sucrose 30 g/L
ゲランガム 2 g/L
【0080】
MS培地(I)は、前記の組成で作り、これに下記の植物ホルモン及び/又は抗生物質を加えて下記の他のMS培地を作った。
【0081】
実施例7 (サザン解析)
(1) タバコからのゲノムDNAの抽出
タバコからのゲノムDNAの抽出は「植物細胞工学シリーズ・植物のPCR実験プロトコール」(秀潤社)に従った。
乳鉢に、0.1〜0.2gの葉を入れ、液体窒素を加えて完全にすりつぶした。破砕物をエッペンドルフチューブに入れ、300μLの2%CTAB溶液を加え、混合し、65℃で30分間加温した。等量のクロロホルム・イソアミルアルコール(24:1)を加え5分間混合した。
12000rpmで15分間遠心し、上層を新しいチューブに移し、クロロホルム・イソアミルアルコール抽出をもう一度繰り返し、上層を新しいチューブに移した。1〜1.5容量の1%CTAB溶液を加え、混合し、室温で1時間静置した後、8000rpmで10分間遠心した。上清を捨て400μLの1MCsClを加え、65℃で沈殿が完全に溶けるまで加温した。800μLの100%エタノールを加え、混合し、−20℃で20分間静置後、12000rpmで5分間遠心した。上清を捨て、70%エタノールで洗浄後、減圧乾燥したものを30μLのTE緩衝液に溶かした。
【0082】
試薬 2% CTAB溶液
100mM トリス−HCl (pH 8.0)
20mM EDTA (pH 8.0)
1.4M NaCl
2% CTAB (cetyltrimethylammonium bromide)
1% CTAB溶液
50mM トリス−HCl (pH 8.0)
20mM EDTA (pH 8.0)
1% CTAB
【0083】
(2) 制限酵素によるゲノムDNAの切断と電気泳動
制限酵素処理は、pCaMV35SからtNOSまでが切断されるEcoRI及びHindIIIの両者による消化と、pCaMV35Sの上流で切断されるHindIIIだけでの消化を行った。
ゲノムDNA10μgを、反応液量100μLとして終夜で制限酵素処理し、エタノール沈殿して20μLのTE緩衝液に溶解した。loding buffer 2μLを加えて0.8%アガロースゲルで、60Vで5時間、電気泳動した。泳動終了後、ゲルをエチジウムブロマイドで染色し、UVトランスイルミネーター上でスケールとともに写真を撮影した。
【0084】
(3) ブロッティングとハイブリダイゼーション
写真撮影後のゲルを蒸留水で洗浄し、0.2N HCl中で10分間振盪した。ブロッティングの方法は「クローニングとシークエンス」(農村文化社)に従った。0.4N NaOHでナイロンメンブレン(New Hybond−N+,Amersham)にトランスファーし、2xSSPEで5分洗った後室温で3時間乾燥した。ハイブリダイゼーションの方法は「バイオ実験イラストレイテッド・遺伝子解析の基礎」(秀潤社)を参照した。メンブレンをあらかじめ65℃に加温しておいた30mLのハイブリダイゼーションバッファーでプレハイブリダイゼーションを65℃で1時間行い、ハイブリダイゼーションバッファーを交換(25mL)した。プローブを加え、65℃で12時間ハイブリダイゼーションを行った。メンブレンの洗浄はあらかじめ65℃に加温しておいた洗浄液で65℃10分を2回、high stringent洗浄液で、65℃10分を1回行った。メンブレンをサランラップでつつみ、イメージングプレートに24時間感光させ、イメージアナライザー(Fuji Film製)で結果を確認した。
【0085】
【0086】
(4) プローブの作成
refre1の全長断片を鋳型として、ランダムプライマーDNAラベリングキット第2版(Random Primer DNA Labeling Kit Ver.2.0)(TaKaRa製)を用いてプローブを作成(ただし[α−32P]−dATPを用いた。)し、ProbeQuantTM G−50 Micro Columns (Pharmacia Biotech製)により未反応の[α−32P]−dATPを除去した。
結果を図14に示す。図14の左側は、制限酵素EcoRI及びHindIIIの両者による消化を行ったものであり、右側は、HindIIIだけでの消化を行ったものである。図中のW.T.は野生型を示す。
【0087】
実施例8 (ノーザン解析)
(1) 全RNAの抽出
実施例1と同様な方法により、refre1を遺伝子導入した形質転換タバコおよび野生型のタバコの葉から、全RNAを抽出した。
【0088】
(2) RNAの電気泳動
泳動槽・ゲル受け・コームおよび三角フラスコはあらかじめ アブソルブ(abSolve(RNase 阻害剤 DU PONT製))処理をしておいた。20xMOPS10mL、2.4gアガロース、100mL滅菌蒸留水を三角フラスコにいれ、電子レンジでアガロースを溶かした。約50℃まで冷えたところで、ホルムアルデヒド10mLを加え、滅菌蒸留水で200mLにしたものを固めてゲルに用いた。泳動槽に、約800mLの1xMOPSを入れ、10mg/mLのエチジウムブロマイド5μLを加え、泳動緩衝液とした。全RNA10μgに16μLのRNAsample bufferを加え、滅菌蒸留水で20μLとし、65℃で10分間加温した後氷上で5分間静置したものを泳動した。泳動条件は、60Vで1時間泳動した後、電圧を120Vにしてさらに2時間泳動した。
【0089】
【0090】
グリセリン色素液
グリセリン 5mL
ブロモフェノールブルー 1mg
キシレンシアノール 1mg
0.5MEDTA(pH8.0) 0.02mL
【0091】
(3) ブロッティングとハイブリダイゼーション
泳動終了後、ゲルを UV イルミネーターにのせスケールと共に写真を撮った。ブロッティングの方法は「クローニングとシークエンス」(農村文化社)に従い、20xSSPEで、RNAをゲルからナイロンメンブレン(New Hybond−N Amersham)にトランスファーした。12時間後、メンブレンを、2xSSPEで5分間洗い、3時間室温で乾燥した後5分間UV照射してメンブレンにRNAを固定した。
ハイブリダイゼーションの方法はサザン解析の場合と同様に行った。
結果を図15に示す。図中のW.T.は野生型を示す。野生型(W.T.)のレーンにはバンドは検出されなかった。No.1とNo.2のレーンには2.5kbの大きさにメジャーなバンドが検出され、それより小さな位置にいくつかのバンドが検出された。
【0092】
実施例9 (三価鉄還元酵素活性の確認)
refre1を遺伝子導入した形質転換体と野生型のタバコを、バーミキュライトに植え替えハイポネックス(Hyponex)を与えて育て、シュート(shoot)が5cm〜10cm位になったものを用いて三価鉄還元酵素活性を確認した。
三価鉄還元酵素活性の確認には、Fe(II)の強力なキレーターであるバソフェナンソロリンジスルホン酸(bathophenanthroline disulfonic acid (BPDS)) が、Fe(II)と複合体を形成することで赤色を呈することを利用した。分析用緩衝液(assay buffer)にアガロースを0.4%になるように加え、電子レンジで溶解後、ある程度冷えてから1/100 vol.の500μM Fe(III)−EDTAと1/100vol.の500μMBPDSを加え、攪拌し容器に入れ、固まるまで待った。形質転換体と野生型のタバコのバーミキュライトを除いた後、根をゲルに寝かせアルミホイルで遮光して27℃で24時間静置した。
同様の実験を再生植物の種子から発芽させた2世代目の形質転換植物で行った。このときの反応時間は1時間とした。
【0093】
分析用緩衝液(assay buffer)
0.2mM CaSO4
5.0mM MES buffer pH5.5
【0094】
三価鉄還元酵素活性の確認の写真を図16及び図17に、2世代目の三価鉄還元酵素活性の確認の写真を図18に示した。形質転換体の根圏での発色から三価鉄の還元が確認された。
【0095】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、植物の鉄分の吸収機構(I)を示すものである。
【図2】図2は、植物の鉄分の吸収機構(II)を示すものである。
【図3】図3は、高等植物におけるポリ(A)付加の位置を示すものである。
【図4】図4は、酵母の遺伝子FRE1のG及びTがリッチな配列を示すものである。
【図5】図5は、Refre1の合成法の概念を示すものである。
【図6】図6は、refre1の合成に使用した30本のプライマーの配列を示すものである。
【図7】図7は、refre1の配列と設定したプライマーとの関係を示すものである。
【図8】図8は、refre1の全長の作成方法を示すものである。
【図9】図9は、設計したrefre1の全配列を示すものである。
【図10】図10は、FRE1(上段)とrefre1のG及びTの含有量を連続する8塩基単位で計算してグラフ化したものである。
【図11】図11は、バイナリーベクターpRF1の構造を示すものである。
【図12】図12は、本発明の形質転換された植物の生育を示す写真である。
【図13】図13は、本発明の形質転換された植物の開花状況を示す写真である。
【図14】図14は、refre1をプローブとした形質転換体のサザンハイブリダイゼーションの結果を示すものである。左側はEcoRIとHindIIIの両者による消化の場合であり、右側はHindIIIでの消化によるものである。No.1〜No.12は形質転換体であり、W.T.は野生型である。
【図15】図15は、refre1をプローブとした形質転換体のノーザンハイブリダイゼーションの結果を示すものである。No.1及びNo.2は形質転換体を示し、W.T.は野生型である。
【図16】図16は、根における三価鉄還元酵素の活性を、Fe(II)によるBPDS−Fe(II)複合体の赤い発色を示す写真である。左側は野生型であり、赤い発色はみられないが、右側の形質転換体の根では赤い発色が確認できる。
【図17】図17は、別の形質転換体を用いて図16と同じ実験を繰り返した場合の写真であり、形質転換体(右側)に赤い発色が確認できる。
【図18】図18は、形質転換体の種から得られた2世代目を用いた根における三価鉄還元酵素の活性を、BPDS−Fe(II)複合体の赤い発色により示した写真である。形質転換体の2世代目(左側)にもBPDS−Fe(II)複合体による赤い発色が確認できた。
Claims (8)
- 酵母由来の三価鉄還元酵素FRE1遺伝子と同一のアミノ酸配列をコードするDNAであって、その塩基配列中にAATAAAの配列と共に、当該配列中のどの1塩基を他の塩基で置換した配列(即ち、NATAAA、ANTAAA、AANAAA、AATNAA、AATANA、又は、AATAAN)も含まず、かつ8塩基以上連続したG又はTのみからなる配列を含まないように改変された、三価鉄還元酵素をコードするDNA。
- さらにG及びCの含量が全領域にわたって一定で、かつATTTA配列も含まないように改変された、請求項1に記載のDNA。
- 前記改変が、形質転換される植物のコドン利用率に基づいてなされたものである、請求項1又は2に記載のDNA。
- 配列番号1に記載の塩基配列からなる請求項3に記載のDNA。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のDNAを用いて植物を形質転換することを特徴とする、三価鉄還元活性を有する形質転換植物の製造方法。
- 請求項5に記載の方法により得られた、三価鉄還元活性を有する形質転換植物。
- 植物が種子である、請求項6に記載の形質転換植物。
- 植物が、請求項6に記載の形質転換植物を少なくとも一方の親とする子孫である、請求項6又は7に記載の形質転換植物。
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