JPH11187626A - 積層鉄芯製造方法 - Google Patents

積層鉄芯製造方法

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JPH11187626A
JPH11187626A JP35283597A JP35283597A JPH11187626A JP H11187626 A JPH11187626 A JP H11187626A JP 35283597 A JP35283597 A JP 35283597A JP 35283597 A JP35283597 A JP 35283597A JP H11187626 A JPH11187626 A JP H11187626A
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和年 竹田
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直樹 八木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱炉を使用することなく、短時間で均一に
接着被膜を加熱し、強固に固着した積層鉄芯を得られる
方法を提供する。 【解決手段】 表面に加熱加圧することにより接着能を
発揮する絶縁被膜の施された電磁鋼板を単位鉄芯に打抜
き、得られた単位鉄芯を所定枚数積層した後に加熱加圧
して一体化する積層鉄芯の製造方法において、高周波誘
電加熱装置の電極板の間に積層鉄芯を配置し、かつ電極
板と積層鉄芯との間には電気絶縁層を介在させ、積層鉄
芯を加圧すると共に高周波誘電加熱装置によって単位鉄
芯の絶縁被膜を誘電加熱して積層鉄芯を一体化すること
を特徴とする積層鉄芯製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はモーターやトランス
等の鉄芯製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電磁鋼板を用いてモーターやトラ
ンス等の積層鉄芯を製造する場合には、電磁鋼板を剪断
加工あるいは打抜きによって単位鉄芯とした後積層し、
さらにボルト締め、カシメ、溶接あるいは接着等により
固着するものである。積層鉄芯は固着後、巻線コイルの
組込み工程などを経て、最終的にトランスが組み立てら
れるものである。積層鉄芯の固着が弱く、積層がずれた
り単位鉄芯に解けたりするとコイルの巻線作業の能率が
落ちたりすることから積層鉄芯は強く固着せしめる必要
がある。
【0003】ところが、ボルト締めにより固着する場合
には、ボルトを通す貫通孔を積層鉄芯に設けることが必
要であり、積層鉄芯に貫通孔を設けた場合には積層鉄芯
の磁気特性が劣化することがあり、同様に溶接により積
層鉄芯を固着する場合には溶接部に熱的歪みが入ること
により積層鉄芯の磁気特性が劣化することがある。
【0004】また接着剤により固着する場合には鋼板と
鋼板との間に毛細管現象を利用して液体接着剤を流し込
み、しかる後固着するのであるが、接着剤を均一に流し
込むのが困難であったり、さらに鉄芯の積層断面に残存
した接着剤の処理が難しいといった問題がある。
【0005】そこで、現在では打抜きと同時に積層鉄芯
の固着が可能であるカシメによる固着が一般的である。
しかし、カシメでは強力な固着が難しく、トランスの組
み立て中に積層鉄芯がずれたり、カシメにより磁気特性
が劣化することがある。
【0006】ところで、鋼板の表面に接着能を持たせた
絶縁被膜であるいわゆる接着被膜を施した電磁鋼板を打
抜きあるいは剪断加工した後、積層し、加熱加圧により
積層鉄芯を固着した場合には、溶接等に見られる磁気特
性の劣化もなく、また鋼板同士の接合力も大きいため強
固に固着した鉄芯が得られるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来接着被膜
を有する電磁鋼板を用いて積層鉄芯を固着する場合に
は、加熱加圧するため加熱炉中で加圧する必要があった
ことから固着作業に長時間を要し、作業性が劣るという
問題点があった。また、加熱炉を用いた場合には、鉄芯
の外側の温度が設定温度に到達しても、内部の温度は低
いといった温度ムラが発生して均一に加熱することが困
難であった。接着被膜を施した電磁鋼板を用いて鉄芯を
強固に固着させるには、接着被膜全体を均一に加熱する
ことが重要である。
【0008】本発明者らは、このような接着被膜を有す
る電磁鋼板を用いて鉄芯を製造する際の作業性について
鋭意検討した結果、加熱炉を使用することなく、短時間
で均一に接着被膜を加熱し、強固に固着した積層鉄芯を
得られる方法を見出だし、本発明に到達したものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するものであって、その要旨は以下の通りである。 (1) 表面に加熱加圧することにより接着能を発揮す
る絶縁被膜の施された電磁鋼板を単位鉄芯に打抜き、得
られた単位鉄芯を所定枚数積層した後に加熱加圧して一
体化する積層鉄芯の製造方法において、高周波誘電加熱
装置の電極板の間に積層鉄芯を配置し、かつ電極板と積
層鉄芯との間には電気絶縁層を介在させ、積層鉄芯を加
圧すると共に高周波誘電加熱装置によって単位鉄芯の絶
縁被膜を誘電加熱して積層鉄芯を一体化することを特徴
とする積層鉄芯製造方法。 (2) 電気絶縁層が電気絶縁物であり、電極板と電気
絶縁物とを介して積層鉄芯を加圧することを特徴とする
前記(1)記載の積層鉄芯製造方法。 (3) 電気絶縁層の一部又は全部が電気絶縁物であ
り、電気絶縁物を介して積層鉄芯を加圧することを特徴
とする前記(1)記載の積層鉄芯製造方法。 (4) 電極板の背面に設けた磁力発生装置によって積
層鉄芯に磁力を作用させ、積層鉄芯を加圧することを特
徴とする前記(1)記載の積層鉄芯製造方法。 (5) 電気絶縁層と積層鉄芯との間に断熱部材を介在
させることを特徴とする前記(1)記載の積層鉄芯製造
方法。 (6) 高周波誘電加熱装置の印加電圧が100〜10
000Vであり、かつその周波数が3〜300MHzで
あることを特徴とする前記(1)記載の積層鉄芯製造方
法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で鉄芯に供する電磁鋼板としては、表面に
加熱及び加圧により接着能を発揮する絶縁被膜、すなわ
ち接着被膜を有する電磁鋼板を使用する。接着被膜は必
ずしも鋼板両面の全面に施されている必要はなく、部分
的であってもよい。また、本発明で鉄芯に供する電磁鋼
板は、無方向性電磁鋼板でも方向性電磁鋼板でもよく、
一般的な鋼板を電磁鋼板として使用しても構わない。
【0011】接着被膜の構成は、特に限定するものでは
ないが、絶縁被膜として使用されることから誘電体であ
ることは当然必要があり、具体的にはエポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ウレ
タン等の有機樹脂を主成分とするのが一般的である。
【0012】本発明は、以上のような接着性被膜を有す
る電磁鋼板を単位鉄芯に加工して積層した後、主に接着
被膜部分を加熱して被膜の接着能を発現せしめ、同時に
加圧することにより積層した単位鉄芯を強固に固着させ
るものである。本発明において電磁鋼板を単位鉄芯に加
工する方法としては、例えば打抜き、機械剪断、レーザ
ー剪断等の方法を用いることができる。
【0013】以下、本発明において積層鉄芯の接着被膜
部分を加熱して被膜の接着能を発現せしめる方法につい
て説明する。本発明者らは、従来行われていた加熱炉を
用いて積層鉄芯の加熱を行う方法に代えて、電波領域の
高周波を用いて加熱を行うことを検討した。一般に、電
波領域の高周波を用いた加熱方法には、高周波誘導加
熱、高周波誘電加熱、マイクロ波誘電加熱がある。高周
波誘導加熱では数10kHz〜数MHz、高周波誘電加
熱では数MHz〜数百MHz、マイクロ波誘電加熱では
数百MHz〜数百GHzの周波数帯が使用される。そし
て、高周波誘導加熱方式では金属のような導体が加熱さ
れ、高周波誘電加熱方式とマイクロ波誘電加熱方式では
電流が流れない誘電体が加熱される。
【0014】従って、高周波誘電加熱方式とマイクロ波
誘電加熱方式とは誘電体である接着被膜のみを加熱する
ことが可能であり、導電体である鋼板を加熱する高周波
誘導加熱方式と比較すると少ないエネルギーロスで接着
能を発揮する温度まで接着被膜を加熱することが可能な
点で優れている。
【0015】そして、マイクロ波誘電加熱方式では均一
な電解強度を得ることが困難であり、モーター等のコア
に供される積層鉄芯はティース部などに非常に複雑な形
状を有しており積層鉄芯全体を均一に加熱して接着する
ことが難しいことから、本発明では加熱手段として高周
波誘電加熱方式を用いるものである。
【0016】しかし、高周波誘電加熱方式において印加
される数MHz〜数百MHzの電界中に導体を設置する
と放電が起こりやすい。特に、モーターコアのティース
部のように細長い形状の先端部では放電が起こりやすい
ため、従来は高周波誘電加熱方式は導体である鋼板から
構成されている積層鉄芯の加熱には使用できなかった。
【0017】これに対して本発明者らは、高周波誘電加
熱装置の電極板と積層鉄芯との間に電気絶縁層を設ける
ことによって、電界中に積層鉄芯を設置した場合でも放
電を抑制でき、積層鉄芯中の接着被膜のみを均一に加熱
できることを見出だした。
【0018】すなわち、高周波誘電加熱方式で用いられ
る電界中に誘電体を設置した場合、 W=K・f・(V/d)2・ε・tanδ (W/m3 )・・・(1) の熱量Wが発生する。ここで、K:定数、f:周波数、
V:印加電圧、d:電極間距離、ε:誘電体の誘電率、
tanδ:誘電体の誘電正接である。さらに電界Eは、
次の式で表わされる。 E=V/d (V/m)・・・・・(2) ここで、V:電極間に印加される電圧、d:電極間距離
である。
【0019】本発明のように接着被膜を有する単位鉄芯
からなる積層鉄芯に高周波誘電加熱を行う場合、誘電率
と誘電正接とは使用する接着被膜により決定されること
から、(1)式より印加電圧の大きさと周波数に比例し
て熱量が得られることがわかる。
【0020】ところが、高周波誘電加熱方式の周波数は
数MHz〜数百MHzの間に限定され、短時間に接着被
膜を加熱して接着しようとする場合、実用的には数百V
から数kV以上の大電圧を印加する必要がある。
【0021】しかし、鋼板表面の接着被膜は、鉄芯に占
める鉄の割合が低下することで鉄芯の磁束密度が減少す
ることを避けるため薄く塗布する必要があり、通例数〜
十数μmの膜厚である。一方、誘電加熱方式で発生する
放電は電界Eが標準の気象状態(20℃、1気圧)で約
3000kV/m(波高値)以上の時に発生する。ここ
で本発明者等は、積層鉄芯に数kVの電圧を印加した場
合には有効な電極間距離が単位鉄芯に塗布された接着被
膜の膜厚の総計しか確保できず、鉄芯のティース部等の
電界の集中し易いところでは印加される電界が約300
0kV/mを大幅に超過し、その結果放電が発生するこ
とを見出した。
【0022】本発明者等は、高周波誘電加熱方式による
被加熱物が導体と誘電体から構成される場合には、電極
間距離のうち誘電体の占める部分である有効電極間距離
という概念が必要であることを見出し、電極間に印加さ
れる電圧とこの有効電極間距離とを制御することによっ
て高周波誘電加熱方式に伴なう放電の発生を抑制できる
という結論を得た。
【0023】すなわち、高周波誘電加熱装置の一対の電
極間距離を、通常の誘電体のみから構成される被加熱物
に応じた電極間距離と同じだけ積層鉄芯に対して確保し
ても、鋼板は導体であることから有効電極間距離は各単
位鉄芯に塗布された接着被膜の厚みの総計分のみであ
り、電極間に印加された電圧から発生する電界は極めて
大きく容易に放電限界を超えているのである。そこで本
発明では、電極と積層鉄芯との間にさらに電気絶縁層を
設置することで有効電極間距離を拡大し、電界を小さく
して放電の発生を抑制することとした。
【0024】以下、この点について具体的に説明する。
例として、10μmの接着被膜が両面に塗布された0.
5mm厚の電磁鋼板を、200枚積層して積み厚100mm
とした積層鉄芯を高周波誘導加熱装置の電極板で挟み、
3kVの電圧を印加して高周波誘電加熱をした場合を想
定する。この場合、電極間距離は100mmであるが有効
電極間距離は100mmではなく、(10+10)×20
0=4000μm、すなわち有効電極間距離は僅か4mm
に過ぎず、平均電界は750kV/mと極めて高い電界
が印加されることになる。ここで、ティース部などの単
位鉄芯のエッジ部に電界が集中する係数を5倍と見積も
ると、このような部分に印加される電界は3750kV
/mとなる。この値は放電の発生を招く電界の下限値
(以下、放電発生限界値とする)である3000kV/
mを超えており、実際このような条件で積層鉄芯の加熱
を行えば放電が生じるものである。
【0025】これに対して本発明では、電極と積層鉄芯
との間にさらに電気絶縁層を設置して放電の発生を抑制
するものである。すなわち、本発明で使用される電気絶
縁層には、有効電極間距離を確保し、積層鉄芯の突起部
へ電界が集中してもその値が放電発生限界値を超えない
ように印加電界を抑制できるだけの厚みが必要とされ
る。なお、本発明でいう電気絶縁層とは、必ずしも通常
の電気絶縁物である必要は無く、電気の不導体であれば
気体や液体でも何等問題は無い。
【0026】また、本発明者等は、接着被膜を施した電
磁鋼板を用いてモーターコアのように複雑な形状の単位
鉄芯を積層し高周波誘電加熱した場合には、電極板付近
の電界が不均一になり極めて放電が生じ易くなることを
見出だした。これに対して本発明では、積層鉄芯と電極
板の間に電気絶縁層を設置しており、電極板付近におけ
る不均一電界の影響を排除し、積層鉄芯を均一に加熱す
ることが可能である。
【0027】電気絶縁層の一部又は全部を電気絶縁物と
してもよい。具体的な電気絶縁物としては、テフロン、
ナイロン、ポリエチレン、ベークライトなどのいわゆる
プラスチック板あるいはシート状のもの、シリコンゴ
ム、クロロプレンゴムなどのゴムシート、ベニヤ板等の
合板、紙などが使用できる。電気絶縁物の厚みや大きさ
については特に限定するものでは無いが、あまり厚いと
電気絶縁物自体の電界減少が大きく経済的で無く、薄す
ぎる場合には取り扱い時破れたりすることから、数百ミ
クロンから数センチメートル程度の厚みが良い。さら
に、上記電気絶縁物を表面層に施した表面処理鋼板のよ
うなものであっても、電気絶縁層が十分確保されていれ
ば何等問題無い。電気絶縁物の大きさは加熱する積層鉄
芯よりも大きいことが好ましいが、積層鉄芯の形状や取
り扱い易さ等により適宜決定される。
【0028】また、積層鉄芯を構成する単位鉄芯と単位
鉄芯との間に不均一な隙間があると、高周波誘電加熱の
際に印加電界が積層鉄芯の内部で不均一に減少するため
接着被膜を均一に加熱できないことがある。これに対し
て本発明では、加圧によって単位鉄芯と単位鉄芯との間
の隙間がほとんど無くなった状態で高周波誘電加熱を行
うため、積層鉄芯の内部で印加電界が不均一に減少する
こともなく、接着被膜を均一に加熱することができる。
【0029】本発明では、電気絶縁層を上述の電気絶縁
物として、電極板と電気絶縁物とを介して積層鉄芯を加
圧するようにしてもよい。このような場合には、積層鉄
芯を電気絶縁物によって挟み、さらにこれらを電極板に
よって挟持して、電極板ごと加圧シリンダー等によって
加圧しつつ、高周波誘電加熱を行う。また、電気絶縁層
の一部又は全部を電気絶縁物とし、電気絶縁物を介して
積層鉄芯を加圧するようにしてもよい。このような場合
には、積層鉄芯を電気絶縁物によって挟持して、電気絶
縁物ごと加圧シリンダー等によって加圧しつつ、電気絶
縁物の外側に配置した電極板によって高周波誘電加熱を
行う。
【0030】そして、本発明では電極板の背面に磁力発
生装置を設け、積層鉄芯に磁力を作用させて磁力発生装
置側に吸引することによって加圧しつつ、高周波誘電加
熱を行うようにしてもよい。なお、ここでいう電極板の
背面とは、電極板の積層鉄芯が面している面の反対側を
いうものとする。
【0031】一方、高周波誘電加熱装置の電極板が電気
絶縁物を介して積層鉄芯に接する場合、特に電気絶縁物
が薄い場合には電極板に熱が移行することにより積層鉄
芯の温度が上昇し難いことがある。このような場合には
断熱部材を電極板と積層鉄芯の間に設置することによ
り、積層鉄芯の温度を容易に確保することが可能であ
る。また、電気絶縁物に断熱部材の機能を有する材料を
用い、積層鉄芯の温度が電極板に移行するのを妨げる効
果を奏するものとすれば、取り扱いも簡便になりさらに
好ましい。
【0032】次に、高周波誘電加熱装置が使用する周波
数は3MHzから300MHzとする。これは、3MH
z未満では加熱効率が劣っており、接着能が発揮される
温度まで加熱するのに時間がかかり過ぎ、300MHz
超ではマイクロ波の発生が無視できず、均一加熱が難し
くなるためである。また、印加電圧を100Vから10
000Vに限定した理由は、100V未満では加熱効率
が劣るためであり、10000V超では放電を起し易く
なり安定して加熱することが難しいためである。
【0033】
【実施例】[実施例1]モーターコア素材を積層し、加
圧しながら接着している状態を図1に示す。表面にエポ
キシ樹脂を主成分とする接着能を有する絶縁被膜を片面
に8μm厚ずつ施された板厚0.5mmの無方向性電磁鋼
板をモーターコアの単位鉄芯形状に打抜き50枚積層し
たモーターコア素材1を高周波誘電加熱装置の電極板3
と電気絶縁物5ではさみ込み、受け台4の上に積層す
る。加圧シリンダー2によって電極板3と電気絶縁物5
ごとモーターコア素材1を加圧し、同時に電極間に電圧
3000V、周波数13MHzの高周波を印加し絶縁被
膜を加熱する。電気絶縁物5として5mm厚のテフロンシ
ートを用いた。高周波の印加時間を2分、加圧力20k
g/cm2 で積層鉄芯を加熱加圧し一体化させた。積層
鉄芯を1mの高さからコンクリート面に落下させる衝撃
試験を行った結果、割れや剥離の発生は無く十分な接着
強度があり、固着した積層鉄芯を分割して接着面を観察
したところ、全面接着していることが判明した。本実施
例の有効電極間距離は10.8mm、平均電界は278k
V/mであり、突起部への電界の集中する係数を5倍と
仮定したときでも1390kV/mで放電しないことが
明らかである。
【0034】[実施例2]モーターコア素材を積層し、
加圧しながら接着している状態を図2に示す。表面にエ
ポキシ樹脂を主成分とする接着能を有する絶縁被膜を片
面に8μm厚ずつ施された板厚0.5mmの無方向性電磁
鋼板をモーターコアの単位鉄芯形状に打抜き100枚積
層したモーターコア素材6を高周波誘電加熱装置の電極
板7と電気絶縁物8ではさみ込み、受け台9の上に積層
する。電気絶縁物8は板厚5mmの鋼板の両面にそれぞれ
1mm厚のシリコンシートを張り付けて絶縁性を持たせた
ものを使用した。加圧シリンダー10によって電気絶縁
物8とモーターコア素材6を加圧し、同時に電極間に電
圧2500V、周波数40MHzの高周波を印加し絶縁
被膜を加熱する。高周波の印加時間を4分、加圧力20
kg/cm2 で積層鉄芯を加熱加圧し一体化させた。積
層鉄芯を1mの高さからコンクリート面に落下させる衝
撃試験を行った結果、割れや剥離の発生は無く十分な接
着強度があり、固着した積層鉄芯を分割して接着面を観
察したところ、全面接着していることが判明した。本実
施例の有効電極間距離は5.6mm、平均電界は446k
V/mであり、突起部への電界の集中する係数を5倍と
仮定したときでも2230kV/mで放電しないことが
明らかである。
【0035】[実施例3]モーターコア素材を積層し、
加圧しながら接着している状態を図3に示す。表面にエ
ポキシ樹脂を主成分とする接着能を有する絶縁被膜を片
面に4μm厚ずつ施された板厚0.5mmの無方向性電磁
鋼板をモーターコアの単位鉄芯形状に打抜き50枚積層
したモーターコア素材11を高周波誘電加熱装置の電極
板12をはさみ下方の電極板と積層鉄芯の間にのみ電気
絶縁物13を設置し、受け台14の上に積層する。電気
絶縁物13として10mm厚のテフロン板を使用した。磁
力発生装置15によって下方の電極板と電気絶縁物13
を介してコア素材11を吸引してコーターコア素材11
を加圧し、同時に電極間に電圧2500V、周波数40
MHzの高周波を印加し絶縁被膜を加熱する。高周波の
印加時間を4分で積層鉄芯を加熱加圧し一体化させた。
積層鉄芯を1mの高さからコンクリート面に落下させる
衝撃試験を行った結果、割れや剥離の発生は無く十分な
接着強度があり、固着した積層鉄芯を分割して接着面を
観察したところ、全面接着はしていないものの積層鉄芯
全体として均等に接着していることが判明した。本実施
例の有効電極間距離は10.4mm、平均電界は240k
V/mであり、突起部への電界の集中する係数を5倍と
仮定したときでも1200kV/mで放電しないことが
明らかである。
【0036】[比較例1]表面にエポキシ樹脂を主成分
とする接着被膜を塗布された無方向性電磁鋼板をモータ
ーコア形状に打抜いた後積層し、厚さ10mmの一対の鋼
板ではさみ込んだ後、鋼板同士をボルトで連結し加圧力
が20kg/cm2 になるようトルクレンチで締め込ん
だ。次に、250℃に設定した熱風炉に入れ加熱したと
ころ、積層鉄芯の中心部の表面温度が200℃に到達す
るのに30分かかった。さらに、熱風炉から取り出し接
着被膜の強度が十分発現する100℃以下に積層鉄芯が
冷えるまで30分かかった。積層鉄芯を1mの高さから
コンクリート面に落下させる衝撃試験を行った結果、割
れや剥離の発生は無く接着強度としては十分あるもの
の、固着した積層鉄芯を分割して接着面を観察したとこ
ろ、部分的に接着していないところがあることが判明し
た。
【0037】[比較例2]上記実施例1の積層鉄芯と装
置を用い、電気絶縁物を使用せずに実施例1と同条件の
高周波を積層鉄芯に印加し、加熱を試みたところ、積層
鉄芯のエッヂ部にて放電が発生し加熱できなかった。本
比較例での有効電極間距離は0.8mm、平均電界は37
50kV/mであり、放電限界を越えていることが明ら
かである。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、接着被膜を有する電磁
鋼板を用いて積層鉄芯を均一に固着することが可能であ
り、従来の加熱炉を用いた固着では無いので、短時間に
接着被膜を有する電磁鋼板を固着でき、鉄芯の固着工程
の作業性が大幅に向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電極板と電気絶縁物とを介して積層鉄
芯の加圧を行う装置の一実施例を示す図面である。
【図2】本発明の電気絶縁物を介して積層鉄芯の加圧を
行う装置の一実施例を示す図面である。
【図3】本発明の電極板の背面に配置した磁力発生装置
を用いて積層鉄芯の加圧を行う装置の一実施例を示す図
面である。
【符号の説明】
1,6,11 積層状態の単位鉄芯 2,10 加圧プレスのエアシリンダー 3,7,12 高周波誘電加熱装置の平行電極板 4,9,14 受け台 5,8,13 電気絶縁物 15 磁力発生装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に加熱加圧することにより接着能を
    発揮する絶縁被膜の施された電磁鋼板を単位鉄芯に打抜
    き、得られた単位鉄芯を所定枚数積層した後に加熱加圧
    して一体化する積層鉄芯の製造方法において、高周波誘
    電加熱装置の電極板の間に積層鉄芯を配置し、かつ電極
    板と積層鉄芯との間には電気絶縁層を介在させ、積層鉄
    芯を加圧すると共に高周波誘電加熱装置によって単位鉄
    芯の絶縁被膜を誘電加熱して積層鉄芯を一体化すること
    を特徴とする積層鉄芯製造方法。
  2. 【請求項2】 電気絶縁層が電気絶縁物であり、電極板
    と電気絶縁物とを介して積層鉄芯を加圧することを特徴
    とする請求項1記載の積層鉄芯製造方法。
  3. 【請求項3】 電気絶縁層の一部又は全部が電気絶縁物
    であり、電気絶縁物を介して積層鉄芯を加圧することを
    特徴とする請求項1記載の積層鉄芯製造方法。
  4. 【請求項4】 電極板の背面に設けた磁力発生装置によ
    って積層鉄芯に磁力を作用させ、積層鉄芯を加圧するこ
    とを特徴とする請求項1記載の積層鉄芯製造方法。
  5. 【請求項5】 電気絶縁層と積層鉄芯との間に断熱部材
    を介在させることを特徴とする請求項1記載の積層鉄芯
    製造方法。
  6. 【請求項6】 高周波誘電加熱装置の印加電圧が100
    〜10000Vであり、かつその周波数が3〜300M
    Hzであることを特徴とする請求項1記載の積層鉄芯製
    造方法。
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