JPH1118724A - 苦味の少ないアミノ酸組成が人乳に近い 高フィッシャー比ペプチドの調製方法 - Google Patents
苦味の少ないアミノ酸組成が人乳に近い 高フィッシャー比ペプチドの調製方法Info
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Abstract
素加水分解し、合成吸着剤処理して疎水性成分(特に芳
香族アミノ酸)を特異的に吸着・除去した後、前者1に
対して後者を1〜2の割合で混合し、ペプチド混合物を
製造する。 【効果】 本ペプチド混合物は、苦味が少なく、アミノ
酸バランスが人乳に類似し、且つ、分岐鎖アミノ酸/芳
香族アミノ酸のモル比が8〜20であって、肝疾患患者
や肝機能が低下した人又はそのおそれのある人の飲食品
ないしその素材として有効である。
Description
ペプチドの調製に関するものであり、複数の蛋白質を原
料として用い、これらの原料をそれぞれ別個に処理した
後、特定の割合でブレンドするものである。
るカゼイン及び乳清蛋白質を原料として用い、これらの
原料を各々個別に特定の条件で酵素加水分解して芳香族
アミノ酸のみを特異的に選択除去し、次いでこのように
して得られた両蛋白質を特定の割合で混合することによ
って、苦味が少なく、アミノ酸バランスが人乳に近似
し、また、フィッシャー比が高いペプチド混合物および
その製造方法に関するものである。また本発明は、この
ようにして得られたフィッシャー比の高いペプチド混合
物を含有する組成物、特に肝疾患病患者用の栄養補給組
成物にも関するものである。
アミノ酸が異常を示すことは古くから知られている。I
berら(J.Clin.Lab.Med.,50:4
17−425,1957)は、肝不全時に、芳香族アミ
ノ酸AAA(Tyr、Phe)、メチオニン(Met)
などが増加すると報告した。一方、Zinnemanら
(Amer.J.Dig.Dis.,14:118−1
26,1969)は、肝硬変非代償期に分岐鎖アミノ酸
BCAA(Val,Leu,Ile)の低下を報告して
いる。1974年、Fischerら(Amer.J.
Surg.,127:40−47,1974)は、BC
AAの減少とAAAの増加すなわちBCAA/AAAモ
ル比の低下というアミノ酸インバランスを肝性脳症の発
現と積極的に結び付け、アミノ酸インバランスを是正す
ることによって、すなわち、栄養摂取源としてBCAA
含量が高く、AAAおよびMet含量が低く、BCAA
/AAAモル比(フィッシャー比)の高い窒素源を与え
ることによって肝性脳症が改善されることを報告してい
る。
する精製アミノ酸を混合し、BCAA/AAAモル比を
高く調製したアミノ酸製剤が知られている。すなわち、
元来蛋白質は生体内で蛋白質分解酵素などの働きにより
遊離アミノ酸にまで分解されて利用される。したがっ
て、遊離アミノ酸は生体内での吸収が容易であり、特に
消化吸収能の劣っている術後患者において栄養効果が良
好であるとされている。特開昭64−83017、特開
平3−22366には肝不全患者用アミノ酸製剤が開示
されている。
が強いために食べにくいうえ、高価であることから、製
品自体の値段も高価であるなどの欠点を有している。特
開昭56−68374には精製アミノ酸を果汁または寒
天に添加して摂取を容易にした例が示されている。また
アミノ酸混合物は電解質であるので浸透圧が高くなり、
高濃度での調合は非常に困難である。
プチドは小腸腸管内において細胞内に取り込まれ、細胞
内において遊離アミノ酸に分解され吸収されることが知
られている。そして、卵白、カゼインなどの動植物性蛋
白質を酵素分解してペプチド含量の高い加水分解物と
し、これを窒素源として利用することが、一応は可能で
ある。
分解し、ペプチド、オリゴペプチドの状態にするのであ
るから、このペプチド混合物のBCAA/AAAモル比
は蛋白質自体の構成アミノ酸のモル比に依存することと
なる。換言すると、窒素源としての栄養価は原料蛋白質
に大きく依存するといえる。
なわち、BCAA/AAAモル比の高い蛋白質を用いれ
ば、その蛋白質源は肝疾患患者用の窒素源として適した
ものであり、またそれを酵素で分解すれば、ペプチド態
となるので消化吸収性がさらに優れることになる。した
がって、BCAA/AAAモル比の高い蛋白質を酵素で
分解して得られるペプチド混合物はBCAA/AAAモ
ル比も高く、消化吸収性がよいので、肝疾患患者用の窒
素源としてふさわしいと考えられる。しかしながら、日
常入手可能な食品、あるいは食品原料において、そのB
CAA/AAAモル比はそれ程高いものはない。JJP
EN 3(2)109−117(1981)に示される
ように、植物性蛋白質においては、BCAA/AAAモ
ル比は、ほぼ0.8〜3.0、動物性蛋白質においても
2.1〜3.4程度である。
技術の現状に鑑み、苦味が少なく、フィッシャー比の高
いペプチド混合物を効率的に創製する目的でなされたも
のである。
成するためになされたものであって、上記したように、
現時点において、フィッシャー比の高い天然由来の食品
は見当らないし、また、アミノ酸製剤は、高価であるだ
けでなく、本来、食品というべきものではない点、及
び、食品安全上の観点から、安全性の高い天然物指向が
高い現状に鑑みてなされたものである。
然物ないし食品由来であって、しかも苦味のないきわめ
てすぐれた高フィッシャー比ペプチドを安全且つ低コス
トで調製することとし、各方面から検討を行ったが、成
功するには至らなかった。
単一の原料を使用するのではなく、複数のもののブレン
ドにはじめて着目した。そして、本発明者らは、使用原
料の選択、各原料の処理方法等について検討を行い、ア
レルゲンや苦味の除去を確認し、最適混合比率をつきと
め、これらの研究結果を総合して、遂に、目的とする高
フィッシャー比ペプチド混合物の創製にはじめて成功
し、本発明をなすに至った。
内、牛乳蛋白質に着目し、更にその内からカゼインと乳
清蛋白質を選択して、これら双方を原料として使用する
こととし、これらをそれぞれ別個に酵素加水分解して、
蛋白質を分解するとともに抗原性を消失せしめ、次い
で、フィッシャー比を高めることを阻害するとともに苦
味の1要因ともなる疎水性成分、特に芳香族アミノ酸を
特異的に吸着・除去した後、両者を特定比率にて混合す
ることにより、苦味が少なく、アミノ酸バランスが人乳
に近似し、フィッシャー比が高いペプチド混合物を調製
する方法に関するものである。
単一の原料ではなく、特に、カゼインと乳清蛋白質とい
う複数の原料を使用する。カゼインとしては、α、β、
κ等の各種カゼインのほか、カゼインカルシウム、カゼ
インナトリウム、カゼインカリウム、カゼインマグネシ
ウム等が適宜使用される。また、カゼインのトリプシン
分解物から得られるカゼインホスホペプチド(以下、C
PPということもある)は、カゼインに比してフィッシ
ャー比が10以上と高くかつ苦味がないので、カゼイン
の一部として又は全部を置き換えて、有利に使用するこ
とができる。
る)としては、牛乳からカゼインやチーズを製造する際
に副生する酸ホエイ、スイートホエイを原料とし、これ
を精製したものがすべてホエイ蛋白質として使用され
る。例えば、ホエイ蛋白質としては、ホエイ蛋白質精製
物、ホエイ蛋白質分画物、そ(れら)の処理物(濃縮、
希釈、ペースト化、乾燥等の処理をおこなったもの)が
挙げられる。そして、ホエイ(乳清)蛋白質精製物とし
ては、ホエイ(乳清)蛋白質濃縮物、ホエイ(乳清)蛋
白質分離物が挙げられる。
ein Concentrate、以下「WPC」とい
うこともある)は、チーズやカゼインを製造する際に副
生してくるホエイを濃縮し、結晶する乳糖を分離した液
の乾燥処理物を指称している。そしてこのWPCはその
含有物の35〜80%が蛋白質で、そのうち約60%が
β−ラクトグロブリンで、約20%がα−ラクトアルブ
ミンであり、更に約13%が免疫グロブリンからなって
おり、通常は中性である。
ein Isolate、以下「WPI」ということも
ある)は、WPCとは区別されるものであって、陰イオ
ン交換カラムにホエイ蛋白質を吸着させ、pH調整によ
り溶出させた後、限外濾過膜により蛋白質を濃縮した
後、乾燥したもので、高純度に分離された未変性ホエイ
蛋白質であり、灰分、脂肪、炭水化物がずっと少なくな
っている。特に脂肪分は1%以下と少なくなっている。
ホエイ、スイートホエイを脱乳糖して分画されるものを
すべて指し、例えばα−ラクトアルブミン、β−ラクト
グロブリン等が例示される。
ペプチド混合物は、このBCAA/AAAのモル比の高
い蛋白質を酵素分解し、AAAおよび、AAAを含むペ
プチド部分を遊離させ、除去することによって得ること
ができる。
るように酵素による加水分解を受けやすくし、AAAお
よび、AAAを含むペプチド部分を遊離させやすくする
ために、水溶系において加熱し、あるいは酸、アルカリ
条件下におくことによって、変性させておくことが好適
である。このことによって蛋白質に対して酵素が作用し
やすくなり、したがってAAAまたはAAAを含むペプ
チド部分を遊離させやすくなる。
プロテアーゼおよびエキソプロテアーゼを用いる。エン
ドプロテアーゼのみではAAAまたはAAAを含むペプ
チド部分を遊離させることが困難であり、またエキソプ
ロテアーゼのみでは蛋白質の低分子化を図ることができ
ず、目的とするペプチド混合物を得ることができない。
ゼおよびエキソプロテアーゼを組み合わせて作用させ、
さらに後述の吸着剤処理をすることにより、本発明のペ
プチド混合物を得ることができる。このようにして得ら
れたペプチド混合物は苦みや渋み、あるいはアミノ酸臭
などほとんど無く、肝疾患患者用の窒素源としてふさわ
しいものである。
しては、AAAまたはAAAを含むペプチド部分のC末
端あるいはN末端のペプチド結合に作用する酵素であれ
ば、動物由来、植物由来、あるいは微生物由来のどんな
酵素でも構わない。たとえば豚あるいは牛の内臓から製
造されるペプシン、あるいはキモトリプシンは蛋白質中
のAAAのC末端側のペプチド結合を主に切断するた
め、本発明に使用する酵素としてふさわしいものであ
る。
て1ないし2種類以上を組み合わせて用いることができ
る。エンドプロテアーゼ1種類のみでは必ずしも蛋白質
に含まれるすべてのAAAまたはAAAを含むペプチド
部分のC末端あるいはN末端のペプチド結合に作用する
とは限らないため、種類のことなるエンドプロテアーゼ
を組み合わせて用いることが望ましい。
しては、AAAまたはAAAを含むペプチド部分のC末
端あるいはN末端のペプチド結合に順次作用する酵素で
あれば、動物由来、植物由来、あるいは微生物由来のど
んな酵素でも構わない。
プチド混合物溶液の平均分子量が5000以下、好まし
くは200〜3000となるように作用温度、作用時
間、基質/酵素量比を調整する。
で直ちに吸着剤処理を行ってもよいが、その前に濾過処
理を行って不要な固形分をあらかじめ除去をしておく
と、更に効率的に処理が行われ、すぐれたペプチドが得
られる。濾過処理としては、各種の濾過処理が適宜行わ
れるが、例えば分画分子量0.05〜1μm、好適には
0.08〜0.8μmの精密濾過膜で濾過することがで
きる。
ン等をエンドプロテアーゼで加水分解すると、得られた
分解物は、分子量が正規分布に近く、平均分子量も小さ
くて抗原性を示すことはないが、苦味が強いという欠点
を有する。
果、苦味の強いペプチド画分は疎水性の強いペプチドを
多く含む傾向にあること、疎水性の強いペプチドにはT
yr、Pheが多い傾向にあることを見出した。そし
て、これら疎水性成分を特異的に選択・吸着して除去
し、苦味を除去する方法について各方面から検討の結
果、吸着剤処理に着目した。
処理物、特に必要あれば濾過処理して得た透過液につい
て、吸着剤を用いて処理する。吸着剤としては、疎水性
成分、例えばTyr、PheといったAAA等を特異的
に吸着するものであればどのような吸着剤も使用するこ
とができ、合成吸着剤セパビーズSP206(三菱化学
製)、ダイヤイオンHP20(三菱化学製)等が例示さ
れる。
たカゼイン由来のペプチドと乳清蛋白質由来のペプチド
とをブレンドする。両者の混合比率は、前者1重量部に
対して、後者が0.5〜3重量部、好ましくは1〜2重
量部である。
来及び乳清蛋白質由来の各ペプチドは、必要に応じ、最
終工程の処理液を濃縮、殺菌あるいは乾燥等の各処理を
行うことができる。上記によって得たペプチド混合物に
ついても同様である。
A)/芳香族アミノ酸(AAA)のモル比、つまりフィ
ッシャー比が8〜20であるペプチド混合物が得られ
る。しかもこの本発明に係る高フィッシャー比ペプチド
混合物は、苦味が少なく、アミノ酸バランスが人乳に類
似しており、卓越している。
経口剤や、あるいは食事療法用の治療食の窒素源として
用いることができる。
記ペプチド混合物を含有するものであり、該ペプチド混
合物からなる窒素源を用いる以外は公知の肝疾患患者用
の経口剤や、あるいは食事療法用の治療食と同様に、必
要に応じて各種の蛋白質源としての窒素化合物、炭水化
物、脂質、ビタミン類、ミネラル類、その他の添加物な
どを添加混合して製造し、あるいはこれらと併用しても
差支えない。
牛乳ホエイ蛋白質、卵白アルブミン、卵白グロブリン等
の動物性蛋白質、大豆蛋白質などの植物性蛋白質を用い
ることができる。
糖類、多糖類、食物繊維などを用いることができる。例
えば、グルコース、マルトース、シュークロース、ラク
トース、イソマルトース、デンプン、デキストリンなど
を例示できる。
ン油、綿実油、ラード、パーム油、ピーナッツ油、サフ
ラワー油、大豆油、ヒマワリ油、ヤシ油、MCT油、魚
油など、あるいは脂肪酸組成を調整するために、上記の
脂肪を各種混合した調整脂肪などが例示できる。
患患者用に使用されるだけではなく、肝機能が低下して
いる病弱者、乳幼児に対して使用できるほか、飲酒等に
よる一時的肝機能の低下者に対しても使用できるし、肝
機能の低下を予防するために保健的に健常者が使用する
ことももちろん可能である。したがって本発明に係る組
成物は、医薬タイプで使用するほか、飲料、食品、栄養
食品、機能性食品、特定保健用食品、ドリンク剤等飲食
品タイプで使用し、肝臓病患者のみならず、病弱者、病
後の人、また、健常人に対しても広く使用できるもので
ある。
に詳細に説明するが、本発明はその趣旨を越えないかぎ
り本実施例に限定されるものではない。
を用い、下記する酵素分解処理を行って、高フィッシャ
ー比ペプチド(HFP)を調製した。
となるように溶解後、NaOHとKOHを約2:1の割
合に混合した溶液によって、pH6.0〜8.0に調整
した。これは、最終的に得られるHFP中のミネラルバ
ランスを考慮し、且つ、脱塩処理の省略を目的とするも
のである。次いで、90℃、15分間の加熱処理によっ
て変性した後、プレート式殺菌機により120℃、15
秒間殺菌処理した。
ーゼであるアマノN(天野製薬製)を、基質に対し1/
100とするように添加し、5時間保持した。90℃、
15分間の条件で酵素を失活させた後、50℃に冷却し
た。次いで酸性エキソプロテアーゼであるアマノM(天
野製薬製)を、基質に対し1/100となるように添加
し、50℃で4時間保持した。アマノMの至適pHは
3.5〜4.5とされているが、アマノN分解後のpH
域であるpH5.0〜7.0でも充分に活性を有するた
め、特にここではpHの調整はしなった。
失活した後、20〜40℃まで冷却し、そして、分画粒
子径が0.1〜0.45μmの精密濾過膜にて透過液を
分取した。
の合成吸着剤セパビーズSP206(三菱化学製)を添
加し、パス内で30分間静かに攪拌した(なお、この操
作はカラム内で行うことも可能であった。)。次いでこ
れを濾過し、濾過液を濃縮して、HFP濃縮液を得た。
また、これを更に凍結乾燥、噴霧乾燥して、それぞれ粉
末状のHFPを得た。
inate及びCa−Caseinate)を用い、下
記する酵素分解を行って、苦味の少ない高フィッシャー
比ペプチド(HFP)を調製した。
重量部とCa−Caseinate7重量部を5〜15
(w/w)%となるように溶解後、NaOHとKOHを
約1:4の割合に混合した溶液によってpH6.0〜
8.0に調整した。次いで、プレート式殺菌機により1
20℃、15秒間殺菌処理した。
ーゼであるアマノN(天野製薬製)を、基質に対し1/
250となるように添加し、24時間保持した。90
℃、15分間の条件で酵素を失活させた後、20〜40
℃に冷却し、そして、分画粒子径が0.1〜0.45μ
mの精密濾過膜にて透過液を分取した。
の合成吸着剤セパビーズSP206(三菱化学製)を添
加し、パス内で30分間静かに攪拌した(なお、この操
作はカラム内で行うことも可能であった。)。次いでこ
れを濾過し、濾過液を濃縮して、HFP濃縮液を得た。
また、これを更に凍結乾燥、噴霧乾燥して、それぞれ粉
末状のHFPを得た。
seinate・Ca−Caseinate及びWPI
のアミノ酸組成とフィッシャー比を、下記表1に示す。
PIの6Kgと凍結乾燥Na−Caseinate・C
a−Caseinateの4Kgを混合して、苦味の少
ない、アミノ酸バランスが人乳に類似し、フィッシャー
比が9.7のペプチド混合物を得た。
te・Ca−Caseinate4Kgのうちの1Kg
をCPP(特公平7−24597の方法により製造した
もの)に置き代えて、他は実施例3と同様の方法で、苦
味の少ない、アミノ酸バランスが人乳に類似し、フィッ
シャー比が10.8のペプチド混合物を得た。なお、使
用したCPPのアミノ酸組成とフィッシャー比は、下記
表2のとおりであった。
味の良い、窒素源としてのペプチド混合物が製造可能で
ある。該ペプチド混合物は肝疾患患者用に用いられる各
種の治療用製剤、食事療法用の治療食などの窒素源とし
て幅広く使用することが可能である。また、その他肝機
能の低下した人々に対しても広く使用できるし、肝機能
低下を予防する目的で健常者が保健用として広く使用す
ることももちろん可能である。
して主としてペプチド混合物を含有するものであるた
め、消化管からの吸収性が良好であると共に、アミノ酸
混合物と比較して浸透圧が低いために下痢などが回避で
き、さらに経口から摂取する場合でも風味が良く、患者
に負担を与えることが少ない。また肝疾患患者の血漿中
のアミノ酸パターンおよびBCAA/AAAモル比を有
意に改善することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 カゼインと乳清蛋白質を、各々個別に加
水分解し、疎水性成分を吸着・除去した後、前者1に対
して後者を0.5〜3、好ましくは1〜2の割合で混合
すること、を特徴とする苦味が少なく、アミノ酸バラン
スが人乳に類似し、分岐鎖アミノ酸/芳香族アミノ酸の
モル比が8〜20であるペプチド混合物を調製する方
法。 - 【請求項2】 乳清蛋白質として、乳清蛋白質精製物、
乳清蛋白質分画物、該処理物から選ばれる少なくともひ
とつを使用すること、を特徴とする請求項1に記載の方
法。 - 【請求項3】 乳清蛋白質精製物が乳清蛋白質濃縮物
(WPC)又は乳清蛋白質分離物(WPI)であり、乳
清蛋白質分画物がβ−ラクトグロブリン又はα−ラクト
アルブミンであること、を特徴とする請求項1又は2に
記載の方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方
法で調製してなるペプチド混合物。 - 【請求項5】 請求項4に記載のペプチド混合物を含有
してなることを特徴とする組成物。 - 【請求項6】 該組成物が肝疾患患者用栄養補給組成物
であることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
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