JPH11186920A - ビタビ復号装置 - Google Patents

ビタビ復号装置

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JPH11186920A
JPH11186920A JP9351435A JP35143597A JPH11186920A JP H11186920 A JPH11186920 A JP H11186920A JP 9351435 A JP9351435 A JP 9351435A JP 35143597 A JP35143597 A JP 35143597A JP H11186920 A JPH11186920 A JP H11186920A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路規模が小さく、高速動作可能なビタビ復
号装置を提供する。 【解決手段】 パスメモリ回路705内に例えばビット
数=8でワード数=4のデュアルポートのRAMを3個
備え(RAM10、RAM11、RAM12)、これら
3個のRAMにコントロール回路101の制御に従って
毎クロック、パス選択情報s102を、例えばRAM1
2→RAM11→RAM10→RAM12→RAM11
・・・の順に書き込む。一方、これらのRAMからはコ
ントロール回路101の制御に従って毎クロック、パス
選択情報が読み出され、読出パス選択情報s105等と
してトレース回路102に入力される。トレース回路1
02は、読出パス選択情報と、コントロール回路101
で生成されるトレース開始ステート情報s108とに基
づいて3時刻分のトレースを行う。トレース結果に基づ
いて、復号データ、および後続のクロックでのトレース
開始ステートが求められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば衛星放送
等で使用される畳み込み符号の最尤復号法に使用される
ビタビ復号装置に関する。
【0002】
【従来の技術】畳み込み符号を復号する方式の一つとし
て、ビタビ復号方式が知られている。このビタビ復号方
式は、畳み込み符号に対する最尤復号方式であり、送信
側のエンコーダから生成され得る符号系列の中から、受
信された符号系列に最も近い系列(以下、このような系
列を最尤パスと表記する)を選ぶことにより、誤り訂正
を行う。すなわち、送信側のエンコーダによる符号化方
法に基づいて作成される、遷移ダイヤグラム(以下、ト
レリスと表記する)を前提とし、遷移ダイヤグラム上で
生じ得る遷移の内から、例えば受信された符号系列との
ハミング距離が最小となるものを最尤パスとして選択す
るようになされている。
【0003】ビタビ復号方式を行うビタビ復号装置は、
ブランチメトリック、すなわちトレリス上の各状態に到
達するパスと受信された符号系列とのハミング距離をク
ロックに従って計算するブランチメトリック計算回路
と、ブランチメトリックに基づいてステートメトリック
を計算し、ステートメトリックの値を比較して最尤パス
を選択するACS回路、ステートメトリックの値を正規
化する正規化回路、ステートメトリックの値を記憶する
ステートメトリック記憶回路、ACSによる選択結果に
従って復号データを生成するパスメモリ回路を備える構
成とされている。
【0004】ここで、パスメモリ回路としては、レジス
タ列を用いてパス選択内容を遷移させるレジスタ遷移法
を行うものと、RAMを用いてパス選択内容を記憶さ
せ、記憶内容をトレースして復号する方法を行うものの
2種類がある。以下、これら2種類の方法について説明
する。
【0005】従来のビタビ復号装置において一般的に使
用されてきたレジスタ遷移法においては、パスメモリ回
路内にセレクタとレジスタからなるメモリセルをトレリ
ス上に配置し、ACS回路から出力されるパス選択情報
に基づいてレジスタの内容を遷移させる。メモリセルの
構成の一例を図16に示した。また、拘束長=3の場合
のメモリセルの配置の一例を図17に示した(図17中
ではメモリセルをMSと表記した)。このような構成に
より、各メモリセルのレジスタ内には、各ステートから
の生き残りパスに対応する情報が保存されることにな
る。メモリセルには打ち切り長分の段数が配置され、最
終段の出力の内、最尤ステートの出力を選ぶことによっ
て最尤パスに対する情報を選択し、復号データを出力す
る。
【0006】このようなレジスタ遷移法は、高速動作が
可能であるという利点がある反面、打ち切り長が長くな
ると回路規模が膨大になるという欠点がある。特に、最
近は、打ち切り長が100を越えるような用途も出てき
たので、回路規模の大型化が深刻な問題となっている。
【0007】そこで、近年では、打ち切り長分のRAM
(Random Access Memory)を用いてパス情報を記憶し、記
憶した情報をトレースすることで復号する方法が盛んに
研究されている。以下、この方法をトレースバック法と
呼ぶ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】トレースバック法によ
れば、レジスタ遷移法よりも遥に回路規模の小さいパス
メモリ回路を構成できる。しかしながら、トレースバッ
ク法を行う従来の装置においては、依然としてパスメモ
リ回路が大きな回路規模を有している。
【0009】この発明はこのような事情に鑑みて提案さ
れたものであり、従って、この発明の目的は、回路規模
が小さく、高速動作可能なビタビ復号装置を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、畳み
込み符号の各遷移状態でのパスの選択情報を、書き換え
可能なメモリを用いて記憶するパスメモリを備え、その
パスメモリに保持された情報を打ち切り長分トレースす
ることでビタビ復号を行うビタビ復号装置において、パ
スメモリ内に複数個の書き換え可能なメモリを備え、1
クロックの間に複数時刻分のトレースを行って復号する
ことを特徴とするビタビ復号装置である。
【0011】以上のような発明によれば、1クロックの
間に複数時刻分のトレースを行って復号を行うことによ
り、RAMの総ワード数を少なくすることができる。
【0012】また、パス選択情報を書き込む際には複数
個の書き換え可能なメモリに順に書き込みを行い、トレ
ースの際には、かかる複数個のメモリから順に読み出し
を行って複数時刻分のトレースを行うことにより、各ク
ロックの各メモリへのアクセス回数を1回としつつ、複
数時刻分のトレースが可能となる。
【0013】さらに、複数個のメモリの各々の出力の
内、トレースする可能性のあるステートの情報を、トレ
ース開始ステートに基づいて予め選択し、選択されたス
テートの情報についてトレースを行うようにすること
で、複数時刻分のトレースを行っても遅延の増大を最小
限に抑えることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の第1の実施形態について説明する。まず、図1を参照
してこの発明の第1の実施形態の全体的な構成について
説明する。この発明の第1の実施形態は、ブランチメト
リック計算回路701、ACS回路702、正規化回路
703、ステートメトリック記憶回路704、およびパ
スメモリ回路705を備える構成とされており、送信側
から伝送路を介して受信されたデータが入力された時、
送信側のエンコーダから生成され得る符号系列の中から
最尤パスを選択し、選択内容に基づいて復号データを生
成する。
【0015】すなわち、送信側のエンコーダによる符号
化方法に基づいて作成される、例えば図2に示すような
遷移ダイヤグラム(以下、トレリスと表記する)を前提
とし、遷移ダイヤグラム上で生じ得る遷移の内から、例
えば受信された符号系列とのハミング距離が最小となる
ものを最尤パスとして選択するようになされている。
【0016】ブランチメトリック計算回路701は、受
信データ信号s701が入力されたとき、この受信デー
タのブランチメトリックを計算して、計算結果をブラン
チメトリック信号s702として出力する。ACS回路
702は、ブランチメトリック信号s702と、ステー
トメトリック記憶回路704から入力されるステートメ
トリック信号s705とに基づいて、あるステートに合
流する2本のそれぞれのパスに対し、ブランチメトリッ
クとステートメトリックとを加算してそれら加算値を比
較し、比較結果に基づいて尤度の高いものを選択して、
新ステートメトリックとする。
【0017】このような選択の内容をパス選択情報s7
06として出力し、最小のステートメトリックを持つス
テートの番号を最尤ステート信号s707として出力
し、新たに得られたステートメトリックを新ステートメ
トリック信号s703として出力する。
【0018】ここで、パスの選択方法について、拘束長
=4の場合を例として説明する。図2のトレリスは、8
個のステート000、001、010、011、10
0、101、110、111を有し、拘束長=4の場合
のトレリスの一例である。ここで矢印は各タイムスロッ
ト毎に生じ得るパスを示しており、復号データ'0' に対
応するパスを点線で示し、復号データ'1' に対応するパ
スを実線で示した。各タイムスロット毎にすべてのステ
ートには合流する2本のパスが存在する。そこで、ある
ステートに合流する2本のそれぞれのパスに対し、受信
信号とパスとのハミング距離(ブランチメトリック)
と、それまでのブランチメトリックの累積和(ステート
メトリック)とを加算して比較を行い、この比較結果に
基づいて尤度の高いものが選択される。
【0019】正規化回路703は、ACS回路702か
ら出力される新ステートメトリック信号s703から最
小のステートメトリックを減算する方法等を用いて正規
化し、予め設定されている範囲内の値にして、正規化ス
テートメトリック信号s704として出力する。ステー
トメトリック記憶回路704は、正規化回路703から
出力される正規化ステートメトリック信号s704を記
憶し、これをステートメトリック信号s705としてA
CS回路702に戻す。
【0020】パスメモリ回路705は、トレースバック
法による復号動作を行うものであり、上述したような、
トレースバック法を行う一般的なパスメモリと比較して
RAMの面積を小さくするようになされたものである。
かかるパスメモリ回路705の説明を行うに先立って、
理解を容易とするために、一般的なトレースバック法に
おけるトレースの動作を拘束長=4の場合を例として説
明する。図3において、ステート01からトレースする
場合を考える。ステート001への遷移の可能性がある
ステートは、ステート000とステート100である。
ここでパスメモリには、ステート000側のパスを選ん
であった時には0、ステート100側のパスを選んであ
った時には1(すなわち前ステートの最上位ビット)が
記憶してある。
【0021】また、何れのステートから遷移する場合に
も入力は1であり、これはステート001の最下位ビッ
トで表現されている。以上により、トレースの動作は次
のように行えば良い。すなわち、図4に示すように、ト
レースを開始するトレース開始ステートの最下位ビット
を復号ビットとし、トレース開始ステートに後続してト
レースする次トレースステートの番号は、トレース開始
ステートの最上位ビットから下位2ビット目までに、パ
スメモリ内のビットを新たに最上位ビットとして付け加
えることで生成する。このような動作によって、最小ス
テートメトリックをとるステートから、選択されたパス
を遡ることができる。
【0022】ビタビ復号装置を高速に動作させるために
は、RAMはクロック毎に一回しかアクセスできない。
各RAMに対して1回のアクセスで復号を行うためのパ
スメモリ回路の動作を、シングルポートのメモリを4個
使用する場合を例として説明する。以下の説明において
は、符号の拘束長=4とし、打ち切り長=6とする。こ
の場合に、4個のシングルポートのメモリとしては、ス
テート数分のビット数(ここでは8ビット)と打ち切り
長分のワード数(ここでは6ワード)を持つものが使用
される。ACS回路からパスメモリへは、ステート数分
のパス選択情報が毎クロック入力される。4個のRAM
は、以下の(1)〜(4)の4個の役割を打ち切り長分
のクロック(ここでは6クロック)毎に順次切り替える
(図5参照)。
【0023】(1)パス選択情報を順次書き込む。
【0024】(2)書き込まれたパス選択情報に基づい
て順次トレースする。復号は行わない。
【0025】(3)アクセス無し。
【0026】(4)(2)でのトレース結果から順次ト
レースを行って復号ビットを出力する。
【0027】このような切り替え動作の基づく各RAM
の動作を図6に示す。以上のようなメモリオペレーショ
ンによって、RAMを用いても高速な復号が可能なビタ
ビ復号装置を構成することができる。このような一般的
なトレースバック法によればレジスタ遷移法を行う場合
と比較して遥に回路規模を縮小できる。しかしながら、
打ち切り長分のワード数を持つRAMが4個必要なた
め、RAMの総ワード数は打ち切り長×4となり、依然
として大きな回路規模が必要とされる。そこで、この発
明の一実施形態は、パスメモリ回路の回路規模をさらに
縮小するものである。
【0028】図7を参照して、この発明の一実施形態に
おけるパスメモリ回路705について説明する。パスメ
モリ回路705は、拘束長=4の符号に対し、打ち切り
長=6の復号を行う場合に、ビット数=8でワード数=
4の1ライト−1リ−ドのデュアルポートのRAMを3
個備え、1クロックの間に3時刻分のトレースを行うパ
スメモリ回路である。
【0029】ACS回路から入力されるパス選択情報s
102は、コントロール回路101で生成される書き込
みコントロール信号s103に基づいて、毎クロック、
RAM12→RAM11→RAM10→RAM12→R
AM11・・・の順にRAMに記憶される。RAM1
0、RAM11、RAM12からはコントロール回路1
01で生成される読み出しコントロール信号s104に
従って、毎クロック全てのRAMからパス選択情報の読
み出しを行って読出パス選択情報s105、s106、
s107をトレース回路102に入力する。
【0030】なお、コントロール回路101に基づくメ
モリオペレーションのタイミングを図8に示す。トレー
ス回路102では、RAM10,RAM11,RAM1
2から出力される読出パス選択情報s105、s10
6、s107、およびコントロール回路101で生成さ
れるトレース開始ステート情報s108に従って3時刻
分のトレースを行い、その結果はトレース結果信号s1
09としてコントロール回路s101に入力される。コ
ントロール回路s101では、トレース結果信号s10
9と最尤ステート信号s101に基づいて、打ち切り長
/2クロック毎にトレース開始ステートの初期化を行い
ながら、次のクロックのトレース開始ステートを求め
る。
【0031】このようなメモリオペレーションについ
て、図9および図10を参照してより具体的に説明す
る。図9および図10は連続する時刻におけるRAM1
0,RAM11,RAM12に対する書き込み/読み出
しについて図示したものである。上述したように、これ
ら3個のRAMは、ビット数=8でワード数=4のデュ
アルポートのRAMである。記載スペースの都合によ
り、図9に時刻1〜時刻6までを図示し、図10に時刻
7〜時刻13までを図示した。ここで、各メモリのアド
レスは何れも左から順に0、1、2、3であるとする。
時刻1、2、3・・・9までは、各RAMに順次パス選
択情報が書き込まれ、時刻9においては、各RAMにつ
いて3つのアドレスに書き込みがなされている。
【0032】時刻10以降のオペレーションが図8に示
されている。時刻10に対応する図8の先頭のクロック
においては、各RAMのアドレス3から記憶内容(3個
のパス選択情報9、8、7)を読み出し、トレースを行
うと共に、RAM12のアドレス0に後続のパス選択情
報10を書き込む。ここで、図9および図10において
は、読み出しの矢印に付し’t’はトレースを行うこと
を示し、’d’はトレースして復号を行うことを示す。
【0033】時刻11に対応する図8の2番目のクロッ
クにおいては、各RAMのアドレス2から記憶内容(3
個のパス選択情報6、5、4)を読み出し、トレースを
行うと共に、RAM11のアドレス0に後続のパス選択
情報11を書き込む。さらに、時刻12に対応する図8
の3番目のクロックにおいては、各RAMのアドレス1
から記憶内容(パス選択情報3、2、1)を読み出し、
トレースしてから、パス選択情報1〜9に対応する復号
を行うと共に、RAM12のアドレス0に後続のパス選
択情報12を書き込む。そして、時刻13に対応する図
8の4番目のクロックにおいては、各RAMのアドレス
0から記憶内容(3個のパス選択情報10、11、12
を読み出し、トレースおよびトレース開始ステートの初
期化を行うと共に、RAM12アドレス1に後続のパス
選択情報13を書き込む。
【0034】このように復号およびそれに後続するクロ
ックにおけるトレース開始ステートの初期化が3クロッ
クに1度行われ、また、何れのクロックにおいても、後
続のパス選択情報が1アドレス分入力される。
【0035】一方、トレース開始ステート情報s108
は出力バッファ103にも入力される。出力バッファ1
03では打ち切り長以上トレースを行った後のトレース
開始ステート情報s108の下位3ビットを復号ビット
としてバッファし、本来の時系列順に並べ換えた後に復
号ビット信号s110として出力する。以上のような構
成によって、各RAMへのアクセスは、毎クロックにつ
き1回としたまま、パスメモリ回路内のRAMの総ワー
ド数を打ち切り長×2にすることができる。これによっ
てビタビ復号装置の回路規模を削減できる。
【0036】次にトレース回路102について説明す
る。トレースはRAM10→RAM11→RAM12の
順に行われるので、パス選択情報s105の中から何れ
のステートのパス選択情報を選ぶかは、トレース開始ス
テート情報s108によって決定される。また、トレー
ス開始ステート情報s108によってパス選択情報s1
06、s107からは選ぶべきステートの候補を、それ
ぞれ2つ、4つまで絞ることができる(図11参照)。
トレース回路102は、この性質を用いることで構成す
る。
【0037】図12に、トレース回路102の構成を図
示した。RAM10,RAM11,RAM12から入力
されるパス選択情報s105,s106,s107は、
それぞれ、選択回路401、402、403に入力され
る。一方、選択回路401、402、403には、トレ
ース開始ステート情報s107も入力される。選択回路
401では、トレース開始ステート情報s107に従っ
て、パス選択情報s104からトレースするステートの
パス選択情報を選択して、トレース結果情報s401と
して出力する。また、選択回路402では、トレース開
始ステート情報s107に従って、パス選択情報s10
5からトレースする可能性のある2つのステートのパス
選択情報を選択して、前トレース情報s402として出
力する。
【0038】前トレース情報s402は選択回路404
に入力される。選択回路404にはさらに、トレース結
果情報s401が入力される。選択回路404は、トレ
ース結果情報s401に従ってトレースするステートの
パス選択情報を選択して、トレース結果情報s403と
して出力する。また、選択回路403では、トレース開
始ステート情報s107に従ってパス選択情報s106
からトレースする可能性のある4個のステートのパス選
択情報を選択して、前トレース情報s404として出力
する。前トレース情報s404は、選択回路405に入
力される。選択回路405にはさらに、トレース結果情
報s401およびs403が入力される。選択回路40
5は、トレース結果情報s401およびs403に従っ
てトレースするステートのパス選択情報を選択してトレ
ース結果情報s405として出力する。最後にトレース
結果情報s401,s403,s405を3ビットまと
めてトレース結果信号s109として出力する。
【0039】以上のようなトレース回路102の構成に
より、この発明の一実施形態においては、複数時刻分の
トレースを行っても、1時刻分のトレースを行う場合と
比較してセレクタ2段分の遅延を生じるのみであり、復
号動作速度が殆ど損なわれようにすることができる。
【0040】上述したこの発明の一実施形態は、1ライ
ト−1リ−ドのデュアルポートのRAMを3個備え、1
クロックの間に3時刻分のトレースを行うパスメモリ回
路を使用するものである。これに対して、異なる構成を
有するパスメモリ回路を使用する、この発明の他の実施
形態も可能である。図13に、この発明の他の実施形態
におけるパスメモリ回路の構成を図示した。かかるパス
メモリ回路は、拘束長=4の符号に対し、打ち切り長=
6の復号を行う場合に、ビット数=8でワード数=3の
シングルポートのRAMを4個(RAM50,RAM5
1,RAM52,RAM53)備え、1クロックの間に
3時刻分のトレースを行う回路である。
【0041】ACS回路から入力されるパス選択情報s
502は、書き込みコントロール信号s503に従っ
て、毎クロック、RAM53→RAM52→RAM51
→RAM50→RAM53→・・・の順にRAMに記憶
される。また、RAM50、RAM51、RAM52、
RAM53は読み出しコントロール信号s504に従っ
て、毎クロック3つのRAMからパス選択情報の読み出
しを行って、パス選択情報s505、s506、s50
7、s508を出力する。パス選択情報s505、s5
06、s507、s508は、トレース回路502に入
力される。ここで、書き込みコントロール信号s503
および読み出しコントロール信号s504は、コントロ
ール回路501で生成され、RAM50,RAM51,
RAM52,RAM53にそれぞれ入力される。なお、
コントロール回路501に基づくメモリオペレーション
のタイミングを図14に示す。
【0042】トレース回路502では、RAM50、5
1、52、53から出力されるパス選択情報s505,
s506,s507,s508、およびコントロール回
路501で生成されるトレース開始ステート情報s50
9に従って3時刻分のトレースを行い、その結果がトレ
ース結果信号s510としてコントロール回路501に
入力される。トレース回路502は、例えば図12に示
したこの発明の一実施形態におけるトレース回路102
に用いられているような選択回路を組み合わせて構成す
ることができる。また、コントロール回路501では、
トレース結果信号s510と最尤ステート信号s501
とに基づいて、打ち切り長/2毎にトレース開始ステー
トの初期化を行いながら、次のクロックのトレース開始
ステートを求める。
【0043】このようなメモリオペレーションについ
て、図15および図16を参照してより具体的に説明す
る。図15および図16は連続する時刻におけるRAM
50,RAM51,RAM52、RAM53に対する書
き込み/読み出しについて図示したものである。上述し
たように、これら4個のRAMは、ビット数=8でワー
ド数=3のシングルポートのRAMである。記載スペー
スの都合により、図15に時刻1〜時刻6までを図示
し、図16に時刻7〜時刻13までを図示した。ここ
で、各メモリのアドレスは何れも左から順に0、1、2
であるとする。時刻1、2、3・・・9までは、各RA
Mに順次パス選択情報が書き込まれ、時刻9において
は、各RAMについて2つのアドレスに書き込みがなさ
れている。
【0044】この状態に後続する時刻10以降のオペレ
ーションが図14に示されている。時刻10に対応する
図14の先頭のクロックにおいては、3個のRAM(す
なわちRAM50、RAM51、RAM52)のアドレ
ス2から記憶内容(パス選択情報9、8、7)を読み出
し、トレースを行うと共に、1つのRAM(すなわちR
AM53)のアドレス0に後続のパス選択情報10を書
き込む。ここで、読み出しの矢印に付した’t’はトレ
ースを行うことを示し、’d’はトレースして復号を行
うことを示す。
【0045】時刻11に対応する図14の2番目のクロ
ックにおいては、3個のRAM(すなわちRAM50、
RAM51、RAM53)のアドレス2から記憶内容
(パス選択情報6、5、4)を読み出し、トレースを行
うと共に、1つのRAM(すなわちRAM11)のアド
レス0に後続のパス選択情報11を書き込む。この際の
読み出しは、2個のRAM(RAM50、RAM51)
についてはアドレス1についてなされ、他の1個のRA
M(RAM53)についてはアドレス2についてなされ
る。
【0046】さらに、時刻12に対応する図14の3番
目のクロックにおいては、3個のRAM(すなわちRA
M50、RAM52、RAM53)のアドレス2から記
憶内容(パス選択情報3、2、1)を読み出し、トレー
スしてから、パス選択情報1〜9に対応する復号を行う
と共に、他の1つのRAM(すなわちRAM51)のア
ドレス0に後続のパス選択情報12を書き込む。この際
の読み出しは、2個のRAM(RAM52、RAM5
3)についてはアドレス1についてなされ、他の1個の
RAM(RAM51)についてはアドレス0についてな
される。
【0047】そして、時刻13に対応する図14の4番
目のクロックにおいては、3個のRAM(すなわちRA
M51、RAM52、RAM53)のアドレス0から記
憶内容(パス選択情報10、11、12)を読み出し、
トレースおよびトレース開始ステートの初期化を行うと
共に、他の1つのRAM(すなわちRAM50)のアド
レス0に後続のパス選択情報13を書き込む。
【0048】このように復号およびそれに後続するクロ
ックにおけるトレース開始ステートの初期化が3クロッ
クに1度行われ、また、何れのクロックにおいても、後
続のパス選択情報が1アドレス分入力される。
【0049】一方、トレース開始ステート情報s509
は、出力バッファ503にも入力される。出力バッファ
503は打ち切り長以上トレースを行った後のトレース
開始ステート情報s507の下位3ビットを復号ビット
としてバッファし、本来の時系列順に並べ換えた後に復
号ビット信号s511として出力する。
【0050】このように、この発明の他の実施形態にお
いても、各RAMへのアクセスは毎クロックにつき1回
としたまま、パスメモリのRAMの総ワード数を打ち切
り長×2にすることができる。また、この発明の他の実
施形態におけるパスメモリ回路は、シングルポートのメ
モリのみを用いるために、図7等を参照して上述したこ
の発明の一実施形態と比較してさらに回路規模を削減で
きる。さらに、トレース回路502においては、この発
明の一実施形態におけるパスメモリ回路705中のトレ
ース回路102と同様に予めステートの候補を絞ること
により、遅延の増大を最小限に抑えることができる。
【0051】上述したこの発明の一実施形態およびこの
発明の他の実施形態においては、拘束長=4、打ち切り
長=6の場合について説明したが、拘束長および打ち切
り長かこの値に限らず任意の値をとすることができる。
また、この発明の一実施形態等においては、1クロック
毎に3時刻分のトレースを行う場合を例としたが、例え
ば4個のデュアルポートRAMを備える構成によって1
クロック毎に4時刻分のトレースを行う、或いは5個の
シングルポートRAMを備える構成によって1クロック
毎に4時刻分のトレースを行う等、種々の変形が可能で
ある。
【0052】
【発明の効果】上述したように、この発明は、1クロッ
クの間に複数時刻分のトレースを行って復号を行うよう
にしたので、パスメモリ回路内のRAMの総ワード数を
削減することができる。このため、装置の回路規模の縮
小に寄与することができる。
【0053】また、毎クロックでの各RAMへのアクセ
ス回数は1回であること、およびトレース回路の上述し
た構成によって遅延の増大を最小限に抑えるようにした
ことにより、高速な復号動作が可能となる。
【0054】従って、この発明により、回路規模が小さ
く、高速動作可能なビタビ復号装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の全体的な構成について
説明するためのブロック図である。
【図2】拘束長=4の場合の遷移ダイアグラムについて
説明するための略線図である。
【図3】トレースバック法におけるトレースの原理につ
いて説明するための略線図である。
【図4】トレースバック法におけるトレースの方法につ
いて説明するための略線図である。
【図5】従来から行われている一般的なトレースバック
法における各RAMの役割について説明するための略線
図である。
【図6】従来から行われている一般的なトレースバック
法におけるメモリオペレーションについて説明するため
の略線図である。
【図7】この発明の一実施形態におけるパスメモリ回路
について説明するためのブロック図である。
【図8】この発明の一実施形態におけるメモリオペレー
ションについて説明するための略線図である。
【図9】この発明の一実施形態におけるメモリオペレー
ションについてより具体的に説明するための略線図であ
る。
【図10】この発明の一実施形態におけるメモリオペレ
ーションについてより具体的に説明するための略線図で
ある。
【図11】トレースする可能性のあるステートについて
説明するための略線図である。
【図12】この発明の一実施形態におけるトレース回路
について説明するためのブロック図である。
【図13】この発明の他の実施形態におけるパスメモリ
回路について説明するためのブロック図である。
【図14】この発明の他の実施形態におけるメモリオペ
レーションについて説明するための略線図である。
【図15】この発明の他の実施形態におけるメモリオペ
レーションについてより具体的に説明するための略線図
である。
【図16】この発明の他の実施形態におけるメモリオペ
レーションについてより具体的に説明するための略線図
である。
【図17】レジスタ遷移法におけるパスメモリのメモリ
セルについて説明するための略線図である。
【図18】レジスタ遷移法におけるパスメモリ中のメモ
リセルの配置について説明するための略線図である。
【符号の説明】
705・・・パスメモリ回路、101・・・コントロー
ル回路、102・・・トレース回路、401、402、
403、404、405・・・選択回路、501・・・
コントロール回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畳み込み符号の各遷移状態でのパスの選
    択情報を、書き換え可能なメモリを用いて記憶するパス
    メモリを備え、そのパスメモリに保持された情報を打ち
    切り長分トレースすることでビタビ復号を行うビタビ復
    号装置において、 パスメモリ内に複数個の書き換え可能なメモリを備え、 1クロックの間に複数時刻分のトレースを行って復号す
    ることを特徴とするビタビ復号装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 パス選択情報を書き込む際には上記複数個の書き換え可
    能なメモリに順に書き込みを行い、 トレースの際には、上記複数個の書き換え可能なメモリ
    から順に読み出しを行って複数時刻分のトレースを行う
    ことを特徴とするビタビ復号装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記複数個の書き換え可能なメモリから順に読み出しを
    行って複数時刻分のトレースを行う際に、 上記複数個の書き換え可能なメモリの各々から読み出さ
    れるパス選択情報の内、トレースする可能性のあるステ
    ートの情報を、トレース開始ステートに基づいて予め選
    択し、選択したステートの情報についてトレースを行う
    ことを特徴とするビタビ復号装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 1ライト−1リ−ドのデュアルポートのRAMを所定個
    数備え、 1クロックの間に上記デュアルポートのRAMの個数に
    等しい数の時刻分のトレースを行うことを特徴とするビ
    タビ復号装置。
  5. 【請求項5】 請求項2において、 シングルポートのRAMを所定個数備え、 1クロックの間に上記シングルポートのRAMの個数よ
    り1少ない数の時刻分のトレースを行うことを特徴とす
    るビタビ復号装置。
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