JPH1118688A - 卵黄レシチンの製造方法 - Google Patents
卵黄レシチンの製造方法Info
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- JPH1118688A JPH1118688A JP17671297A JP17671297A JPH1118688A JP H1118688 A JPH1118688 A JP H1118688A JP 17671297 A JP17671297 A JP 17671297A JP 17671297 A JP17671297 A JP 17671297A JP H1118688 A JPH1118688 A JP H1118688A
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Abstract
度の卵黄レシチンを得る方法であり、しかも得られたレ
シチンは風味安定性に優れた卵黄レシチンの製造方法を
提供する。 【解決手段】 乾燥卵黄を、含水率が約3容量%以下の
低含水エタノールを抽出溶剤として約12℃以下の温度
で抽出し、得られた抽出液から溶剤を除去する卵黄レシ
チンの製造方法。
Description
乾燥卵黄からリン脂質の純度が60%以上の卵黄レシチ
ンを製造する方法に関する。
有していることから、従来より、卵黄レシチンも含め純
度60%以上のリン脂質は、食品、医薬品、化粧品分野
で、広く乳化剤として使用されている。特に、リン脂質
の純度が60%以上の卵黄レシチンは、食品分野におい
て、乳化剤以外の用途にも、近年、重用されるようにな
ってきている。例えば、卵黄レシチン中のリン脂質に
は、ホスファチジルコリンが約80%と高濃度に含有
し、大豆レシチン等の他の天然由来のリン脂質とは異な
る物性及び生理学的性質を有していることから、その性
質を利用して、ビタミンB12と組み合わせた健脳組成物
(特開平4−94669)やチョコレートの口腔壁への
粘着性低減剤(特開平8−294361)として利用さ
れている。また、卵黄レシチン中のリン脂質は、他の天
然由来のリン脂質と比較し、構成脂肪酸にアラキドン酸
やドコサヘキサエン酸等の高度不飽和脂肪酸を高濃度に
含有していることから、調製粉乳の高度不飽和脂肪酸の
供給源(特公平7−51043、特開平6−20970
3)としても利用されている。それで、高純度の卵黄レ
シチンが食品分野で種々の用途に使用されるに伴い、安
価で安全性の高く、しかも風味安定性に優れた卵黄レシ
チンが望まれるようになってきた。
製造方法はいくつか知られており、特公昭56−479
15、特開昭61−74548、特開昭62−2255
6、特開昭62−93294、特公平5−60839、
特開平7−26287、特公昭59−5263、特開平
1−197492等が挙げられる。
メチルエーテルを抽出溶剤としてリン脂質、中性脂質及
び水分を抽出分離し、脱溶剤後、脂質成分の水分を調整
して高純度卵黄レシチンと中性脂質を分離する方法であ
る。この方法では、抽出溶剤のジメチルエーテルが、常
温常圧で強燃焼性の気体であるため、抽出溶剤として使
用するには、耐圧容器等の特殊な装置を必要とし、爆発
や火災防止のために細心の注意をし取り扱わなければな
らない等汎用性に乏しく、また装置に高コストを要す
る。さらに、高純度卵黄レシチンは、水と一緒に回収さ
れるため、その後脱水・乾燥をする必要があるが、レシ
チン中のリン脂質の品質劣化のおそれから品温を高くし
て行うことができず、高コストの凍結乾燥を強いられる
等の問題を有する。
乾燥卵黄からエタノール、クロロホルム、ジメチルエー
テル等を抽出溶剤として卵黄脂質を抽出し、脱溶剤後、
超臨界CO2 で卵黄脂質から中性脂質及びコレステロー
ルを抽出分離することによる高純度卵黄レシチンの製造
方法であり、また、特開昭62−22556は、乾燥卵
黄に超臨界CO2 を接触させ、中性脂質とコレステロー
ルを抽出後、抽出槽外に取り出し、残留成分に超臨界C
O2 または液化CO2 のいずれかとエタノールとの混合
溶剤を接触させて高純度卵黄レシチンを抽出する方法で
ある。これらの方法は、いずれも超臨界CO2 を使用す
るため耐圧容器等の特殊な装置を必要とし、装置に高コ
ストを要する。
乾燥卵黄に1価アルコールを加えて攪拌した後、n−ヘ
キサンを加えて攪拌し、濾過でn−ヘキサン層を採取
し、n−ヘキサンを除去して卵黄レシチンを得る方法で
ある。この方法は、抽出溶剤にn−ヘキサンを使用して
いるため、食品分野に利用するには、安全性や風味安定
性の観点からn−ヘキサンを完全に除去する必要があ
る。しかしながら、n−ヘキサンを一般的に使用してい
る植物油脂の製造と異なりレシチンの場合は、品温を高
くして抽出溶剤を除去するとレシチン中のリン脂質の品
質劣化を招くおそれがあり、そのため、n−ヘキサンの
除去は、低温で長時間行わなければならず、しかも完全
除去は困難である。また、この方法では、リン脂質の純
度が低い卵黄レシチンしか得られないことより、リン脂
質の純度が高い卵黄レシチンを得るためには、アセトン
処理等の工程を付加する必要があり、工程が煩雑にな
る。
タノール:n−ヘキサン=25:75〜15:85の混
合溶剤を抽出溶剤として卵黄脂質を抽出し、1価の金属
塩の水溶液を加えて水−エタノール層を分別除去し、n
−ヘキサン層を限外濾過膜で処理して高純度卵黄レシチ
ンを得る方法である。この方法は、前述と同様、n−ヘ
キサンを完全に除去することは困難であるため、食品分
野に利用するには、安全性や風味安定性の点で問題とな
る。
燥卵黄からエタノールの濃度が80〜90容量%の含水
エタノールを抽出溶剤として使用し、室温以下の温度で
高純度卵黄レシチンを抽出する方法であり、また、特公
昭59−5263は、乾燥卵黄からエタノールの濃度が
約92〜96容量%の含水エタノールを抽出溶剤として
使用し、約35℃以下の温度で高純度卵黄レシチンを抽
出する方法である。これらの方法は、いずれも水を高含
有したエタノールを使用しているため、卵黄レシチン中
に水分が多く残存しやすく、また、卵黄中の水溶性成分
の混入を回避できず、微生物の増殖や風味の劣化等が懸
念される。
リン脂質を酢酸エステルで常温で溶解した後、冷却して
酢酸エステルに不溶性の高純度レシチンを抽出する方法
である。この方法は、溶剤に酢酸エステルを使用してい
るため、安全性の点で食品分野での使用が制限され、ま
た、酢酸エステルは、わずかな酸や塩基が触媒となって
酢酸とアルコールに加水分解されることから、得られた
レシチンが酢酸臭を帯びるおそれがある。
高コストであったり、安全性で問題であったり、工程が
煩雑であったり、風味安定性で問題であったり等、まだ
改善される余地があった。本発明の目的は、従来の方法
に比べ、より安全な抽出溶剤で簡便な操作により高純度
の卵黄レシチンを得る方法であり、しかも得られたレシ
チンは風味安定性に優れた卵黄レシチンの製造方法を提
供することである。
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、乾燥卵黄を、含水率
が約3容量%以下の低含水エタノールを抽出溶剤とし
て、約12℃以下の温度で抽出し、得られた抽出液から
溶剤を除去することを特徴とする卵黄レシチンの製造方
法である。
尚、本発明において、別段に明示している場合を除き
「%」はすべて「重量%」を意味する。本発明において
「卵黄レシチン」とは、食品添加物公定書第六版「レシ
チン」の純度試験「アセトン可溶物」において40%以
下を示す、つまり、リン脂質含量が60%以上の高純度
卵黄レシチンをいう。なお、本発明により得られる卵黄
レシチンには、ホスファチジルコリン、ホスファチジル
エタノールアミン、スフィンゴミエリン、リゾホスファ
チジルコリン等のリン脂質やコレステロール、トリグリ
セリド等の中性脂質を含有している。
鶏卵等の家禽卵を割卵して、卵黄を卵白から分離し、適
宜の乾燥方法によって乾燥させたものをいう。乾燥方法
としては、例えば、噴霧乾燥(スプレードライ)、凍結
乾燥(フリーズドライ)、真空乾燥、マイクロウェーブ
乾燥等が挙げられ、これらの方法の内、大量生産が容易
であることから、一般的には噴霧乾燥による方法が用い
られている。また、これらの乾燥方法により得られた乾
燥卵黄は、水分量を10%以下、望ましくは4%以下ま
で乾燥させたものが良い。水分が10%より多いと、抽
出工程に至るまでの保管方法によっては、腐敗を招くお
それがあったり、また、後述の含水エタノールにおい
て、経済性の観点からエタノールの再利用を行う場合、
通常の蒸留装置では、水分とエタノールを分別すること
は難しく、エタノールを再利用しにくい等種々の問題が
あり望ましくない。
ルアルコールのことであり、一般的には、発酵法あるい
は合成法で工業的に製造されているものを使用すること
ができる。また、各種変性剤を添加した変性エタノール
も使用してもよい。また、「含水率が約3容量%以下の
低含水エタノール」とは、ほぼ無水のエタノールをその
まま、あるいは精製水等の水分を加配し、含水率が約3
容量%以下となるように調整したものをいい、エタノー
ルの吸湿性及び安定な品位の卵黄レシチンを得る観点か
ら、含水率を0.5〜3容量%に調整することが好まし
い。含水率が3容量%より多いと、得られた卵黄レシチ
ン中に水分が多く残存しやすく、また、卵黄中の水溶性
成分の混入を回避できず、微生物の増殖や風味の劣化等
が懸念され好ましくない。
出し」とは、低含水エタノール抽出に当たって抽出液と
抽出残渣を分離させる際の温度が約12℃以下となるよ
うに抽出することをいい、好ましくは約4℃以下の温度
で抽出するほうが良い。12℃より高いと得られた卵黄
レシチンのリン脂質の純度が60%より低くなり、好ま
しくない。また、抽出方法としては、例えば、低含水エ
タノールと乾燥卵黄を混合し、攪拌棒、攪拌機、ホモジ
ナイザー等を使用して攪拌抽出し、減圧濾過、加圧濾
過、フィルタープレス濾過あるいは遠心分離等を使用し
抽出残渣より抽出液を採取する攪拌抽出法、あるいは乾
燥卵黄をカラムに充填し、低含水エタノールをカラムに
注入して、カラム出口から抽出液を採取するカラム抽出
法等が挙げられるが、大量処理が可能である攪拌抽出法
が望ましい。
は、如何なる理由によりリン脂質の純度が高くなるの
か、また、優れた風味安定性を有するかは定かでない
が、乾燥卵黄から低含水エタノールを抽出溶剤として卵
黄レシチンを抽出する場合、卵黄脂質中のリン脂質は、
抽出温度が低くても低含水エタノールへの溶解度が維持
されているいるのに対し、中性脂質は、抽出温度が低く
なるにつれ低含水エタノールへの溶解度が低下し、その
結果、得られた卵黄レシチンは、リン脂質を高純度含有
したのではないかと推察される。また、風味安定性につ
いては、含水率が低いエタノールを抽出溶剤として使用
しているため、卵黄レシチンの抽出の際、卵黄中の水溶
性成分、例えば、アミノ酸や糖等の卵黄レシチンへの混
入が抑えられ、そのため保存中に風味の劣化を起こすよ
うなことがなかったためではないかと推察される。
するが、特に、この製造方法に限定するものではない。乾燥卵黄の調製 鶏卵等の家禽卵を割卵し、卵白液から分離して得られた
卵黄液を、噴霧乾燥(スプレードライ)、あるいは凍結
乾燥(フリーズドライ)により水分量10%以下、好ま
しくは4%以下となるまで乾燥する。
倍、好ましくは3〜10容量倍の低含水エタノール(含
水率3容量%以下)を使用し、抽出温度12℃以下で1
〜5回、好ましくは2〜3回抽出し、抽出液を分離す
る。尚、低含水エタノールが2容量倍より少ないと、十
分にリン脂質の抽出が行われなかったり、また、20容
量倍より多い場合及び抽出回数が6回以上の場合は、そ
の後の抽出液からの溶剤の除去に無駄な時間とエネルギ
ーを費やし経済的でないので好ましくない。続いて、抽
出液から溶剤を減圧濃縮等により除去し、本発明の製造
方法による卵黄レシチンを得る。
さらに詳細に説明する。
の篩で濾過した後、噴霧乾燥を行い乾燥卵黄を得た。こ
の乾燥卵黄は、粗脂肪が60.1%、水分が3.7%で
あった。乾燥卵黄からの抽出 上記の乾燥卵黄10kgを、底部に濾過面を有するジャ
ケット付き攪拌抽出装置に入れ、ジャケットに5℃の冷
却水を通した。次いで、熱交換器で5℃に冷却した含水
率2.0容量%の含水エタノール50L(リットル)を
ジャケット付き攪拌抽出装置に入れ、液温を5〜7℃に
保ちながらプロペラ攪拌機で30分間攪拌抽出した。窒
素ガスにより加圧濾過し、濾過液を採取し、濾過残渣を
熱交換器で5℃に冷却した含水率2.0容量%の含水エ
タノール20Lで2回洗浄した。濾過液と洗浄液を合わ
せて抽出液とし、減圧蒸留装置で溶剤を除去し、卵黄レ
シチン2.5kgを得た。得られた卵黄レシチンは、リ
ン脂質が63.5%、水分が1.3%、ベンゼン不溶物
が0.15%であった。また、卵黄レシチンをアルミ袋
に充填し窒素置換後、35℃で1ヵ月保存したが、風味
の劣化は殆ど無かった。
の篩で濾過した後、この卵黄液5kgを凍結乾燥して約
2kgの乾燥卵黄を得た。この乾燥卵黄は、粗脂肪が5
8.9%、水分が0.9%であった。乾燥卵黄からの抽出 上記の乾燥卵黄を全量、ジャケット付きの内径10c
m、長さ50cmのガラス製カラムに充填し、ジャケッ
トに3℃の冷却水を通した。次いで、このカラム上部よ
り、約2℃に冷却した含水率2.5容量%の含水エタノ
ール20L(リットル)を注入し、カラム下部より抽出
液(抽出液−1)を採取した。引き続き、カラム上部よ
り、約2℃に冷却した含水率2.5容量%の含水エタノ
ール10Lを注入し、カラム下部より抽出液(抽出液−
2)を採取した。尚、カラム下部より採取直後の抽出液
−1及び抽出液−2の液温は3〜4℃であった。抽出液
−1と抽出液−2を合わせ、減圧下ロータリーエバポレ
ーターで溶剤を除去し、卵黄レシチン440gを得た。
得られた卵黄レシチンは、リン脂質が69.7%、水分
が1.7%、ベンゼン不溶物が0.22%であった。ま
た、卵黄レシチンをアルミ袋に充填し窒素置換後、35
℃で1ヵ月保存したが、風味の劣化は殆ど無かった。
の篩で濾過した後、噴霧乾燥を行い乾燥卵黄を得た。こ
の乾燥卵黄は、粗脂肪が59.5%、水分が2.6%で
あった。乾燥卵黄からの抽出 上記の乾燥卵黄1kgを5L(リットル)容量のステン
レス製カップに入れ、カップの周辺を氷水で冷やしなが
ら0℃に冷却した含水率3.0容量%の含水エタノール
2Lを注入し、ホモジナイザー(特殊機化工業(株)
製:T.K.ホモミクサーM型)にて3000rpmで
30分間攪拌抽出した。次に、チャンバー内を4℃に設
定した冷却遠心分離機にて3000rpmで10分間遠
心分離を行った後、上澄を採取し抽出液とした。さらに
0℃に冷却した含水率3.0容量%の含水エタノール2
Lを使用して同様な操作を2回繰り返し、計3回分の抽
出液を合わせて、減圧下ロータリーエバポレーターで溶
剤を除去し、卵黄レシチン275gを得た。得られた卵
黄レシチンは、リン脂質が69.0%、水分が1.9
%、ベンゼン不溶物が0.27%であった。また、卵黄
レシチンをアルミ袋に充填し窒素置換後、35℃で1ヵ
月保存したが、風味の劣化は殆ど無かった。
卵黄(粗脂肪58.0%、水分3.9%)を使用し、カ
ラムに充填する前にケイソウ土300gと混合した以外
は、実施例2と同様な方法で、卵黄レシチン485gを
得た。得られた卵黄レシチンは、リン脂質が69.2
%、水分が1.0%、ベンゼン不溶物が0.07%であ
った。また、卵黄レシチンをアルミ袋に充填し窒素置換
後、35℃で1ヵ月保存したが、風味の劣化は殆ど無か
った。
水分3.8%)200gを、1L(リットル)ビーカー
に採取し、含水率2.0容量%の含水エタノール600
ml(ミリリットル)を抽出溶剤として、表1に示す温
度で30分間攪拌抽出し、直ちに濾紙で減圧濾過して濾
過液を採取した。さらに抽出の際の同含水率、同温度の
含水エタノールで洗浄し、直ちに濾紙で減圧濾過して洗
浄液を採取した。濾過液と洗浄液を合わせて抽出液と
し、抽出液から減圧下ロータリーエバポレーターで溶剤
を除去し、試験用の卵黄レシチンを得た。 (分析方法) 1)収率 乾燥卵黄からクロロホルムとメタノールの容量比が2:
1の混合溶剤を抽出溶剤として、全卵黄脂質を抽出後、
溶剤を除去し粗脂肪を求め、次式により卵黄レシチンの
収率を計算した。 収率(%)=(卵黄レシチンの重量/粗脂肪の重量)×
100 2)リン脂質の純度 卵黄レシチンのリン脂質の純度を次式により計算した。
尚、「アセトン可溶物」は、食品添加物公定書第六版
「レシチン」の純度試験に準じ求めた。 リン脂質の純度(%)=100−アセトン可溶物
タノールを抽出溶剤として使用した場合、抽出温度を1
2℃より高い温度で抽出すると、得られた卵黄レシチン
は、リン脂質の純度が60%より低く、高純度の卵黄レ
シチンが得られないのに対して、抽出温度を12℃以下
で抽出すると、得られた卵黄レシチンは、リン脂質の純
度が60%以上と高純度の卵黄レシチンが得られること
が理解される。特に、抽出温度が4℃以下とすると、さ
らに高純度の卵黄レシチンが得られることが理解され
る。
て、抽出温度を4℃とし、含水エタノールの含水率を表
2に示す濃度以外は、試験例1と同様な方法で、卵黄レ
シチンを調製した。 (分析方法) 1)収率 試験例1に準じ計算した。 2)リン脂質の純度 試験例1に準じ計算した。 3)ベンゼン不溶物 「ベンゼン不溶物」は、食品添加物公定書第六版「レシ
チン」の純度試験に準じ求めた。 4)水分 「水分」は、食品添加物公定書第六版「レシチン」に準
じ求めた。 5)風味の劣化 卵黄レシチンをアルミ袋に充填し窒素置換後、35℃で
1ヵ月保存し、風味の劣化を官能試験により確認した。
た場合では、含水エタノールの含水率が異なっているに
も係わらず得られた卵黄レシチンは、いずれもリン脂質
の純度が60%以上と高純度の卵黄レシチンが得られて
いた。しかしながら、含水率が3容量%より多い含水エ
タノールを抽出溶媒として使用した場合は、ベンゼン不
溶物及び水分が高く、さらに風味が劣化していたのに対
し、含水率が3容量%以下の含水エタノールでは、ベン
ゼン不溶物及び水分も低く、また風味の劣化も殆ど起き
ていなかった。これより、含水率が3容量%以下の含水
エタノールで抽出することにより、風味安定性に優れた
好ましい品位を得られることが理解される。
法に比べ、より安全な抽出溶剤で簡便な操作により高純
度の卵黄レシチンを得る方法であり、しかも得られたレ
シチンは風味安定性に優れていることより、食品分野は
勿論のこと医薬・化粧品等の他の分野へも用途拡大が期
待される。
チン中のリン脂質の純度との関係を示すものである。
エタノールの含水率と得られた卵黄レシチン中のベンゼ
ン不溶物との関係を示すものである。
エタノールの含水率と得られた卵黄レシチン中の水分と
の関係を示すものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 乾燥卵黄を、含水率が約3容量%以下の
低含水エタノールを抽出溶剤として約12℃以下の温度
で抽出し、得られた抽出液から溶剤を除去することを特
徴とする卵黄レシチンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17671297A JP3655435B2 (ja) | 1997-07-02 | 1997-07-02 | 卵黄レシチンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17671297A JP3655435B2 (ja) | 1997-07-02 | 1997-07-02 | 卵黄レシチンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1118688A true JPH1118688A (ja) | 1999-01-26 |
JP3655435B2 JP3655435B2 (ja) | 2005-06-02 |
Family
ID=16018450
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17671297A Expired - Fee Related JP3655435B2 (ja) | 1997-07-02 | 1997-07-02 | 卵黄レシチンの製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3655435B2 (ja) |
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-
1997
- 1997-07-02 JP JP17671297A patent/JP3655435B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US11091720B2 (en) | 2018-02-21 | 2021-08-17 | Marudai Food Co., Ltd. | Method for producing phospholipid concentrate |
US11142537B2 (en) | 2018-02-21 | 2021-10-12 | Marudai Food Co., Ltd. | Phospholipid concentrate manufacturing method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3655435B2 (ja) | 2005-06-02 |
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